JP5096200B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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本発明は、自動車、二輪車等の内燃機関からの排ガス中に含まれる有害成分を除去する排ガス浄化用触媒に関する。
従来、自動車等の内燃機関から排出される排ガス浄化用触媒は、多数提案されており、現在では、HC、CO、NOxを同時に浄化する三元触媒が主流になっている(特許文献1〜3参照)。
上記の三元触媒としては、アルミナ、セリア−ジルコニア等の耐火性無機化合物粉体に、Pt、Pd、Rh等の触媒成分を単独で、あるいは組み合わせて分散担持してなる触媒組成物をコージェライトや金属製等のハニカム担体に被覆せしめてなるものがあった。
また、三元触媒としては、コージェライトや金属製等のハニカム担体等に、アルミナ、セリアージルコニア等の耐火性無機酸化物を被覆した後、該担体をPt、Pd、Rh等の触媒成分を単独で、あるいはそれらの組み合わせを含むスラリーに浸漬することにより、これらの触媒成分を担持せしめてなるものが知られている。
特開平3−196841号公報 特開平5−23593号公報 特開2001−259424号公報
近年、世界的に排ガス規制が強化されている。特に問題となるのは、エンジン始動直後における排ガスである。すなわち、排ガス規制物質は、エンジン始動直後から排出されるが、エンジン始動直後において触媒は低温であるため、排ガス規制物質を充分分解できないことがあった。本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、低温時に早期着火する排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
(1)請求項1の本発明は、
軸方向に貫通する貫通孔を有する担体と、(a)Rh、(b)Pt及び/又はPd、及び(c)耐火性無機酸化物を含み、前記貫通孔の内面に形成された触媒コート層と、を有し、前記貫通孔により排ガスの流路を形成する排ガス浄化用触媒であって、排ガスの流れ方向に関し、上流側から順に、前記触媒コート層に前記(a)成分及びPdを含み、Pdの重量が、前記(a)成分の重量よりも大きいA領域、前記触媒コート層における前記(a)成分と前記(b)成分との重量比が1:0〜1.0の範囲となるB領域、及び前記触媒コート層における前記(b)成分の重量が、前記(a)成分の重量よりも大きいC領域を有し、前記流路のうち、前記A領域に属する部分の容量は、前記流路の全容量の30〜40vol%であり、前記(b)成分の全量のうち、30〜80wt%は、前記A領域に形成された前記触媒コート層に含まれることを特徴とする排ガス浄化用触媒を要旨とする。
本発明の排ガス浄化用触媒は、上記のように、A〜C領域を有することにより、触媒温度が低くても、排ガス規制物質を分解することができる(着火性が良い)。
本発明において、A領域及びC領域に形成された触媒コート層は、Rh以外の貴金属(Pt、Pd、またはその両方)を、Rhよりも多く含むので、それらRh以外の貴金属による浄化作用を充分奏することができる。例えば、Pt、Pdにより、CO、HCを浄化することができる。
触媒コート層における貴金属の単位体積当りの担持量は、個々の領域(A〜C領域)内で均一にすることができる。例えば、Ptの単位体積当りの担持量は、A領域内、B領域内、及びC領域内おいては、それぞれ均一であり、領域間の境界において変化するものとすることができる。PdやRh等他の貴金属についても同様である。
本発明において、B領域に形成された触媒コート層に含まれる貴金属の配合は、例えば、Rhのみとすることができる。あるいは、B領域に形成された触媒コート層に含まれる貴金属の配合は、例えば、RhとRh以外の貴金属(Pt、Pd、またはその両方)とを含み、Rhの重量に対する、Rh以外の貴金属の重量比が1以下(好ましくは0.5以下)となるものであってもよい。B領域に含まれる貴金属の配合を上記のようにすることにより、排ガス浄化用触媒が高温となっても、B領域では、Rhと他の貴金属との合金化が生じない。そのことにより、高温下でも、B領域に含まれるRhの活性が失われず、NOxの浄化性能が高い。
また、本発明では、流路のうち、B領域に属する部分の容量は、流路全体の容量の20〜88vol%の範囲にあることが好ましい。88vol%以下であることにより、B領域よりも上流の領域(A領域)、B領域よりも下流の領域(C領域とする)を広くすることができ、それらA領域、C領域にある貴金属(例えばPt、Pd、またはその両方)の密度が高くなり過ぎることがなく、その貴金属の粒成長を防止することができる。また、B領域に属する部分の容量が20vol%以上であることにより、B領域に存在するRhの量を増すことができる。そのことにより、B領域におけるNOxの浄化作用を高めることができる。更に、B領域を広くし、B領域におけるRhと他の貴金属(例えばPt、pd、またはその両方)との合金化を一層起こりにくくすることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、流路のうち、A領域に属する部分の容量が30vol%以上であるから、A領域が広くなり、A領域にあるPdの密度が高くなり過ぎることがなく、Pdの粒成長(シンタリング)を防止することができる。また、流路のうち、A領域に属する部分の容量が40vol%以下であることにより、B領域を広くすることができ、B領域に存在するRhと、その他の貴金属(例えばPtやPd)との合金化を一層起こりにくくすることができる。
前記流路のうち、A領域に属する部分の容量を、前記流路の全容量の30〜35vol%とすることにより、着火性をさらに向上させることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、前記(b)成分の全量のうち、30〜80wt%は、前記A領域に形成された前記触媒コート層に含まれるという構成を備えることにより、一層、着火性が良い。(b)成分の全量のうち、A領域に形成された前記触媒コート層に含まれる比率を、10〜35重量%とすることにより、着火性をさらに向上させることができる。
(2)請求項2の発明は、
前記流路のうち、前記C領域に属する部分の容量は、前記流路の全容量の6〜40vol%であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒を要旨とする。
本発明の排ガス浄化用触媒は、流路のうち、C領域に属する部分の容量が6vol%以上であるから、C領域が広くなり、C領域にある(b)成分の密度が高くなり過ぎることがなく、(b)成分の粒成長(シンタリング)を防止することができる。また、流路のうち、C領域に属する部分の容量が40vol%以下であることにより、B領域を広くすることができ、B領域に存在するRhと、その他の貴金属(例えばPtやPd)との合金化を一層起こりにくくすることができる。
前記C領域に属する部分の容量を、前記流路の全容量の10〜35vol%とすることにより、着火性をさらに向上させることができる。
請求項1〜2に係る発明において、耐火性無機酸化物としては、例えば、アルミナ(特に活性アルミナ)、Zr酸化物、Ce酸化物、ZrCe複合酸化物、シリカ、チタニア等が挙げられる。耐火性無機酸化物の量は、触媒1Lあたり、100〜300gが好ましい。
担体としては、通常、排ガス浄化触媒に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、ハニカム型、コルゲート型、モノリスハニカム型等が挙げられる。担体の材質は、耐火性を有するものであればいずれのものであっても良く、例えば、コージェライト等の耐火性を有するセラミックス製、フェライト系ステンレス等金属製の一体構造型を用いることができる。
前記A領域〜C領域は、バリウム元素、ランタン元素を含むことが好ましい。バリウム元素、ランタン元素の量は、触媒1Lあたり、0〜30gが好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒では、排ガスの流路を、単一の担体が備える貫通孔により形成することができる。この場合は、1つの担体が備える貫通孔に、例えば、A領域〜C領域がそれぞれ形成される。このとき、A領域は、B領域よりも上流側にあればよいが、貫通孔において排ガスの入り口となる端面を含む領域であることが好ましい。また、上記C領域は、B領域よりも下流側であればよいが、貫通孔において排ガスの出口となる端面を含む領域であることが好ましい。触媒コート層は、A領域、B領域、及びC領域の3つのみから構成されていてもよいし、A領域、B領域、及びC領域以外の領域を、例えば、A領域よりも上流側、A領域とB領域の間、B領域とC領域の間、C領域よりも下流側に含んでいてもよい。
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、2以上(または3以上)の担体で構成され、それらの担体が備える貫通孔を組み合わせて、排ガスの流路を形成してもよい。この場合は、ある担体の貫通孔にA領域を設け、他の担体の貫通孔にB領域を設け、さらに別の担体にC領域を設けることができる。そして、A領域が設けられた担体、B領域が設けられた担体、C領域が設けられた担体を、排ガスの流れ方向に沿って配置することができる。
以下、実施例、参考例により具体的に説明する。
(参考例1)
担体1として、コージェライト製ハニカム担体を用いた。この担体1は、図1に示すように、軸方向に伸びる、断面積が一定の貫通孔3を有しており、貫通孔3の全長は100mmである。貫通孔3において、図1における左側の端部は入り口側端部5であり、右側の端部は出口側端部7である。排ガスは、入り口側端部5から貫通孔3に入り、貫通孔3を通り、出口側端部7から外部に抜ける。従って、図1に示す貫通孔3は、排ガスの流路を形成しており、左から右に向かう方向が排ガスの流れ方向である。尚、図1では、1つのみの貫通孔3を記載しているが、実際には、多数の貫通孔3が互いに平行に形成されており、貫通孔3全体の容積は1Lである。
下記の成分を混合し、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成して粉末H1を製造した。
(粉末H1)
硝酸Rh溶液:Rhで0.2gとなる量
ZrO2酸化物:50g
水:適量
次に、下記の成分を混合してスラリーS1を製造した
(スラリーS1)
粉末H1:50g
アルミナ70g
セリウム酸化物:70g
アルミナゾル200g
水:50
硝酸Pt溶液:Ptで0.059g
このスラリーS1を、図1に示す担体1が有する貫通孔3の内面に、入り口側端部5から出口側端部7までコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、担体1のうち、入り口側端部5を含む上流側の領域(以下、A領域とする)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(以下、C領域とする)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。なお、排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分はB領域とする。ここで、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量は、貫通孔3の容量全体の30vol%である。また、貫通孔3のうち、C領域に属する部分の容量は、貫通孔3の容量全体の30vol%である。
参考例1の排ガス浄化用触媒9は、図1に示すように、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域に、スラリーS1をコートさせて成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本参考例1の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を表1に示す。
実施例2
本実施例2では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様の担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1の代わりに、次のようにして製造したスラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
(スラリーS2)
粉末H1:50g
アルミナ70g
セリウム酸化物:70g
アルミナゾル200g
水:50
硝酸Pd溶液:Pdで0.059g
次に、前記参考例1と同様に定めたA領域において、先にスラリーS2をコートした上に、Pdアンミン溶液を用いてPdを0.500g担持させ、また、前記参考例1と同様に定めたC領域において、先にスラリーS2をコートした上にPdアンミン溶液を用いてPdを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
本実施例2の排ガス浄化用触媒9は、図2に示すように、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本実施例2の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表1に示す。
(参考例3)
参考例3では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記参考例1と同様に定めたA領域において、先にスラリーS1をコートした上に、Ptアンミン溶液を用いてPt0.290g担持させ、また、前記参考例1と同様に定めたC領域において、先にスラリーS1をコートした上にPtアンミン溶液を用いてPtを0.651g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
参考例3の排ガス浄化用触媒9は、図1に示すように、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.290g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.651g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本参考例3の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表1に示す。
(参考例4)
参考例4では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記参考例1と同様に定めたA領域において、先にスラリーS1をコートした上に、Ptアンミン溶液を用いてPt0.780g担持させ、また、前記参考例1と同様に定めたC領域において、先にスラリーS1をコートした上にPtアンミン溶液を用いてPtを0.161g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
参考例4の排ガス浄化用触媒9は、図1に示すように、A領域に、スラリーS1をコートした後に、Ptを0.780g担持させて成るA領域触媒コート層11を有し、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.161g担持させてなるC領域触媒コート層15を備えている。本参考例4の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表1に示す。
(参考例5)
参考例5では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
参考例5では、A領域の大きさを、前記参考例1とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の6vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記参考例1と同様とした。
参考例5の排ガス浄化用触媒9は、図1に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.441g担持させてなるC領域触媒コート層15を備えている。本参考例5の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表1に示す。
(参考例6)
参考例6では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
参考例6では、A領域の大きさを、前記参考例1とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の40vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記参考例1と同様とした。
参考例6の排ガス浄化用触媒9は、図1に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本参考例6の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表1に示す。
実施例7
本実施例7では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記実施例2と同様に定めたA領域において、先にスラリーS2をコートした上に、Pdアンミン溶液を用いてPd0.290g担持させ、また、前記実施例2と同様に定めたC領域において、先にスラリーS2をコートした上にPdアンミン溶液を用いてPdを0.651g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
本実施例7の排ガス浄化用触媒9は、図2に示すように、A領域には、スラリーS2をコートした後にPdを0.290g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.651g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本実施例7の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を表2に示す。
実施例8
本実施例8では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記実施例2と同様に定めたA領域において、先にスラリーS2をコートした上に、Pdアンミン溶液を用いてPd0.780g担持させ、また、前記実施例2と同様に定めたC領域において、先にスラリーS2をコートした上にPdアンミン溶液を用いてPdを0.161g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
本実施例8の排ガス浄化用触媒9は、図2に示すように、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.780g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成る領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.161g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本実施例8の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表2に示す。
(参考例9)
参考例9では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
参考例9では、A領域の大きさを、前記実施例2とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の6vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記実施例2と同様とした。
参考例9の排ガス浄化用触媒9は、図2に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本参考例9の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表2に示す。
実施例10
本実施例10では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒9を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒9を完成した。
本実施例10では、A領域の大きさを、前記実施例2とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の40vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記実施例2と同様とした。
本実施例10の排ガス浄化用触媒9は、図2に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒9のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本実施例10の排ガス浄化用触媒9の詳細な組成等を上記表2に示す。
(比較例1)
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、出口側端部7を含む下流側の領域(以下、下流領域とする)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.941g担持させ、排ガス浄化用触媒101を完成した。上記下流領域は、貫通孔3のうち、下流領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の30vol%となるように設定した。
図3に示すように、本比較例1の排ガス浄化用触媒101は、上記下流領域を除く領域(以下、上流領域)に、スラリーS1がコートされて成る上流領域触媒コート層103を備え、また、下流領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.941g担持させて成る下流領域触媒コート層105を備えている。本比較例1の排ガス浄化用触媒101の詳細な組成等を表3に示す。
(比較例2)
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、出口側端部7を含む下流側の領域(以下、下流領域とする)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.941g担持させ、排ガス浄化用触媒101を完成した。上記下流領域は、貫通孔3のうち、下流領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の30vol%となるように設定した。
図4に示すように、本比較例2の排ガス浄化用触媒101は、上記下流領域を除く領域(以下、上流領域とする)に、スラリーS2をコートして成る上流領域触媒コート層103を備え、また、下流領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.941g担持させて成る下流領域触媒コート層105を備えている。本比較例2の排ガス浄化用触媒101の詳細な組成等を上記表3に示す。
(比較例3)
本比較例3では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記参考例1と同様に定めたA領域において、先にスラリーS1をコートした上に、Ptアンミン溶液を用いてPt0.900g担持させ、また、前記参考例1と同様に定めたC領域において、先にスラリーS1をコートした上にPtアンミン溶液を用いてPtを0.041g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例3の排ガス浄化用触媒は、図1に示すように、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.900g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.041g担持させてなるC領域触媒コート層15を備えている。本比較例3の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を表4に示す。
(比較例4)
本比較例4では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例4では、A領域の大きさを、前記参考例1とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の3vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記参考例1と同様とした。
本比較例4の排ガス浄化用触媒は、図1に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.500g担持させてなるA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備える。本比較例4の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を上記表4に示す。
(比較例5)
本比較例5では、基本的には前記参考例1と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記参考例1と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS1をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Ptアンミン溶液を用いて、先にスラリーS1をコートした上にPtを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例5では、A領域の大きさを、前記参考例1とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の60vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記参考例1と同様とした。
本比較例5の排ガス浄化用触媒は、図1に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS1をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS1をコートした後にPtを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本比較例5の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を上記表4に示す。
(比較例6)
本比較例6では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、前記実施例2と同様に定めたA領域において、先にスラリーS2をコートした上に、Pdアンミン溶液を用いてPd0.900g担持させ、また、前記実施例2と同様に定めたC領域において、先にスラリーS2をコートした上にPdアンミン溶液を用いてPdを0.041g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例6の排ガス浄化用触媒は、図2に示すように、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.900g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.041g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本比較例6の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を上記表4に示す。
(比較例7)
本比較例7では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例7では、A領域の大きさを、前記実施例2とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の3vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記実施例2と同様とした。
本比較例7の排ガス浄化用触媒は、図2に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本比較例7の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を上記表4に示す。
(比較例8)
本比較例8では、基本的には前記実施例2と同様に排ガス浄化用触媒を製造したが、一部において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
まず、前記実施例2と同様にして、担体1における貫通孔3の内面全体に、スラリーS2をコートし、250°Cで1時間乾燥させた後、500°Cで1時間焼成した。
次に、入り口側端部5を含む上流側の領域(A領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.500g担持させ、また、出口側端部7を含む下流側の領域(C領域)において、Pdアンミン溶液を用いて、先にスラリーS2をコートした上にPdを0.441g担持させ、排ガス浄化用触媒を完成した。
本比較例8では、A領域の大きさを、前記実施例2とは異なる値に設定した。すなわち、貫通孔3のうち、A領域に属する部分の容量が、貫通孔3の容量全体の60vol%となるようにした。なお、C領域の大きさは前記実施例2と同様とした。
本比較例8の排ガス浄化用触媒は、図2に示すように(ただし、A領域、B領域の容量比は除く)、A領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.500g担持させて成るA領域触媒コート層11を備え、また、B領域(排ガス浄化用触媒のうち、A領域及びC領域を除外した中間部分)に、スラリーS2をコートして成るB領域触媒コート層13を備え、また、C領域に、スラリーS2をコートした後にPdを0.441g担持させて成るC領域触媒コート層15を備えている。本比較例8の排ガス浄化用触媒の詳細な組成等を上記表4に示す。
次に、実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9で製造した排ガス浄化用触媒9が奏する効果を確かめるために行った試験について説明する。
(i)耐久試験の実施
実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9で得られた排ガス浄化用触媒9、及び比較例1〜8で得られた排ガス浄化用触媒を、それぞれ、排気量4000ccのガソリンエンジンに取り付け、平均エンジン回転数3500rpm、触媒内部温度1050°Cで、20時間の耐久試験を行った。(ii)ウォームアップ特性の評価
前記(i)の耐久試験を行った後、実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9の排ガス浄化用触媒9、及び比較例1〜8の排ガス浄化用触媒に対し、それぞれ、図5に示す試験装置107により、ウォームアップ特性の評価を行った。
まず、試験装置107の構成を説明する。試験装置107では、排ガス浄化用触媒9が、配管109を介して、排気量3500ccのガソリンエンジン111に取り付けられている。配管109の途中には、切換バルブ113が設けられており、その切換バルブ113からバイパス115が分岐している。従って、切換バルブ113は、エンジン111が出す排ガスを、排ガス浄化用触媒9の方へ流すか、バイパス115の方へ流すかを切り換えることができる。また、切換バルブ113の付近には、配管109の温度を測定できる温度計(図示略)が設けられている。
次に、ウォームアップ特性の評価方法を説明する。当初は、エンジン111から出る排ガスが、バイパス115のみを流れるように、切換バルブ113を設定しておく。この状態で、配管109は昇温してゆく。切換バルブ113付近の温度計の測定値が500℃で安定したら、エンジン111から出る排ガスが排ガス浄化用触媒9のみを流れるように、切換バルブ113を切り換える。この切り換えの時点から、排ガス浄化用触媒9による浄化率が50%に達するまでの時間を、HC浄化達成時間として測定した。その結果を上記表1〜4に示す。
上記表1〜4に示すように、実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9の排ガス浄化用触媒9は、前記(i)の耐久試験を実施した後であっても、HC浄化達成時間が非常に短かった。
また、貴金属の種類が同じである参考例1、5、6、比較例4、5について、貫通孔3の全容量に対する、A領域に属する貫通孔3の容量比(以下、A領域の容量比とする)と、HC浄化達成時間との相関関係とを検討した。その結果を図6に示す。また、貴金属の種類が同じである実施例2、、参考例9、比較例7、8についても、A領域の容量比と、HC浄化達成時間との相関関係とを検討した。その結果を図7に示す。これら図6及び図7から明らかなように、A領域の容量比が6〜40vol%の範囲であるものは、その範囲外であるものよりも、HC浄化達成時間が短くなっている。
この理由は、次のように考えられる。A領域の容量比が6vol%以上であれば、A領域が広くなるので、A領域にあるPtやPdの密度が高くなり過ぎることがなく、PtやPdの粒成長(シンタリング)を防止することができる。また、A領域の容量比が40vol%以下であることにより、B領域を広くすることができ、B領域に存在するRhと、PtやPdとの合金化を一層起こりにくくすることができる。
また、貴金属の種類が同じである参考例1、3、4、比較例1、3について、Ptの総量のうち、A領域触媒コート層11に含まれる比率(以下、A領域Pt比率とする)と、HC浄化達成時間との相関関係を検討した。その結果を図8に示す。また、貴金属の種類が同じである実施例2、7、8、比較例2、6についても、A領域Pt比率と、HC浄化達成時間との相関関係を検討した。その結果を図9に示す。これら図8及び図9から明らかなように、A領域Pt比率が31〜80重量%の範囲にあるものは、その範囲外であるものよりも、HC浄化達成時間が短くなっている。
それに対し、比較例1では、触媒コート層がA〜C領域に分かれておらず、Ptの総重量のうち、上流領域触媒コート層103に含まれる比率は2重量%である(30〜80重量%の範囲外である)。そのため、HC浄化達成時間が非常に長くなってしまっている。
また、比較例2でも、触媒コート層がA〜C領域に分かれておらず、Pdの総重量のうち、上流領域触媒コート層103に含まれる比率は2重量%である(30〜80重量%の範囲外である)。そのため、HC浄化達成時間が非常に長くなってしまっている。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9において、A領域触媒コート層11、B領域触媒コート層13、及びC領域触媒コート層15に担持させる、Rh以外の貴金属は、Pt、Pdには限定されず、例えば、PtとPdとの組み合わせであってもよい。
また、前記実施例2、7、8、10、及び参考例1、3〜6、9の排ガス浄化用触媒は、担体1に、耐火性無機酸化物(アルミナ、Zr酸化物、Ce酸化物、ZrCe複合酸化物)を被覆した後、その担体1を貴金属(Pt、Rh)を含むスラリーに浸漬することにより、製造してもよい。
排ガス浄化用触媒9の構成を表す説明図である。 排ガス浄化用触媒9の構成を表す説明図である。 排ガス浄化用触媒9の構成を表す説明図である。 排ガス浄化用触媒9の構成を表す説明図である。 ウォームアップ特性の評価に用いた試験装置107の構成を表す説明図である。 A領域の容量比と、HC浄化達成時間との相関関係を示すグラフである。 A領域の容量比と、HC浄化達成時間との相関関係を示すグラフである。 A領域触媒コート層15に含まれるPtの重量比(Ptの総重量に対して)と、HC浄化達成時間の相関関係を示すグラフである。 A領域触媒コート層15に含まれるPdの重量比(Pdの総重量に対して)と、HC浄化達成時間の相関関係を示すグラフである。
1・・・担体
3・・・貫通孔
5・・・入り口側端部
7・・・出口側端部
9・・・排ガス浄化用触媒
11・・・A領域触媒コート層
13・・・B領域触媒コート層
15・・・C領域触媒コート層

Claims (2)

  1. 軸方向に貫通する貫通孔を有する担体と、
    (a)Rh、(b)Pt及び/又はPd、及び(c)耐火性無機酸化物を含み、前記貫通孔の内面に形成された触媒コート層と、
    を有し、
    前記貫通孔により排ガスの流路を形成する排ガス浄化用触媒であって、
    排ガスの流れ方向に関し、上流側から順に、
    前記触媒コート層に前記(a)成分及びPdを含み、Pdの重量が、前記(a)成分の重量よりも大きいA領域、
    前記触媒コート層における前記(a)成分と前記(b)成分との重量比が1:0〜1.0の範囲となるB領域、及び
    前記触媒コート層における前記(b)成分の重量が、前記(a)成分の重量よりも大きいC領域
    を有し、
    前記流路のうち、前記A領域に属する部分の容量は、前記流路の全容量の30〜40vol%であり、
    前記(b)成分の全量のうち、30〜80wt%は、前記A領域に形成された前記触媒コート層に含まれることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記流路のうち、前記C領域に属する部分の容量は、前記流路の全容量の6〜40vol%であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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