JP5094791B2 - 希土類磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類磁石に関し、特に希土類元素と遷移金属とフッ素の化合物を強磁性体の主相とする希土類磁石に関する。
希土類磁石は、希土類元素と遷移金属とを含む化合物を主要構成成分とする永久磁石の総称であり、製造方法によって焼結磁石とボンド磁石に大別される。一般的な永久磁石であるフェライト等と比べ、希土類磁石は残留磁束密度や保磁力や最大エネルギー積などの磁気特性が格段に優れている。そのため、希土類磁石は、回転電機を始め情報機器や医療機器などの広範な機器で利用され、それら機器の小型軽量化・高性能化に必要不可欠な機能性材料となっている。
回転電機(モータや発電機)用の希土類磁石としては、Nd-Fe-B系組成を主相とする希土類磁石やSm-Fe-N系組成を主相とする希土類磁石が主として使用されている。Nd-Fe-B系の希土類磁石は、常温において優れた磁気特性を有しているが、熱安定性に弱点を有する(例えば、熱減磁が比較的大きい)。また、Nd-Fe-B系の希土類磁石は着磁性に課題を残していた。Sm-Fe-N系の希土類磁石は、Nd-Fe-B系の希土類磁石と比較して熱安定性に優れるが、900 K程度の温度で分解してしまうために焼結磁石の製造が困難であり、有機・高分子材料を母相としたボンド磁石として使用されている。
特許文献1(特開2003-282312号公報)には、Nd-Fe-B系の希土類磁石における着磁性の改善を目的とした発明が提案されている。特許文献1では、R2Fe14B型結晶から主として構成される主相の結晶粒界または粒界三重点に粒状の粒界相が形成され、前記粒界相がDyやTbなどの重希土類元素のフッ化物を含み、前記フッ化物の焼結磁石全体に対する含有量が3重量%から20重量%の範囲にあるR-Fe-(B,C)系焼結磁石(但し、Rは希土類元素であり、Rの50%以上はNd及び/又はPrとする)が開示されている。
一方、Nd-Fe-B粉末表面にフッ素化合物粉末を混合して作製した焼結磁石は、フッ素化合物の混合量の増加とともに、残留磁束密度が低下し最大エネルギー積が著しく低下する問題があった。そのような問題を解決することを目的として、特許文献2(特開2007-116142号公報)には、希土類元素を含有する磁粉を有し、前記磁粉の表面にアルカリ土類元素あるいは希土類元素を含有するフッ素化合物を形成し、前記フッ素化合物の酸素濃度が前記磁粉の酸素濃度よりも高くなるように制御された磁性材料が開示されている。
また、非特許文献1においては、菱面体構造を有するR2Fe17合金(R:Pr、NdまたはSm)にフッ素Fを添加した効果について論じられ、該材料の室温における磁化特性が向上すると報告されている。なお、非特許文献1では、高濃度フッ素ガス雰囲気中でのアニールによってR2Fe17合金のフッ素化合物化を試みているが、導入されたF原子はR2Fe17結晶の単位胞あたり0.5〜1原子程度であった。
Sm-Fe-N系の希土類磁石は、比較的高いキュリー温度と優れた磁気特性(保磁力や熱減磁特性)を有する希土類磁石として知られている。また、Sm-Fe-N系の希土類磁石は、非脆性であることから加工性に優れ、製造コストが低い利点もある。しかしながら、前述したように、Sm-Fe-N系の希土類磁石は焼結磁石の製造が困難であり、有機・高分子材料を母相としたボンド磁石として使用されている。特許文献3(特開平9-180919号公報)には、ボンド磁石に使用される磁粉や母相材、およびボンド磁石の製造法に関する発明が開示されている。
特開2003−282312号公報 特開2007−116142号公報 特開平9−180919号公報
J. D. Ardisson, A. I. C. Persiano, L. O. Ladeira, and F. A. Batista: "Magnetic improvement of R2Fe17 compounds due to the addition of fluorine", J. Mater. Sci. Lett. 16 (1997) 1658-1661.
特許文献1に記載のNd-Fe-B系の希土類磁石は、着磁性が改善され良好な保磁力を有しているが、DyF3の添加量の増加に伴って残留磁束密度と最大エネルギー積が低下する弱点を有する。最大エネルギー積が低下することは、高い磁束を必要とする磁気回路や高トルクを必要とする回転電機等への利用に不適当である。
特許文献2に記載のNd-Fe-B系の希土類磁石は、フッ素化合物の添加量の増加に伴う残留磁束密度と最大エネルギー積の低下を抑制できるとされているが、Nd-Fe-B系の希土類磁石が有する熱減磁の弱点は解決されておらず、更なる改善が望まれている。また、非特許文献1は、R2Fe17合金結晶全体にF原子を高濃度で導入することが困難であることを示唆している。
特許文献3に記載のSm-Fe-B系の希土類磁石は、ボンド磁石として使用するため母相の有機・高分子材料が600 K程度から軟化してしまう。このことから500 K程度が使用上限温度であり、耐熱性に弱点を有している。また、前述したように、Sm-Fe-N系の希土類磁石は、焼結磁石の製造が困難であり磁束密度が高まらないという欠点を有する。
一方、近年、自動車産業において回転電機の重要性が急速に高まっている。自動車用の回転電機には、高出力化・高効率化・小型化の要請に加えて耐熱性への要求が強い。すなわち、希土類磁石に対しては、磁気特性の更なる向上とともに熱安定性の向上(例えば、熱減磁の改善)と耐熱性の向上とが強く求められている。また、コスト低減の観点から、構成元素として重希土類元素(Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)を使用しないことが望ましい。
従って、本発明の目的は、上述した問題を解決すべく、重希土類元素を使用せずに優れた磁気特性と熱安定性と耐熱性とを併せ持つ希土類磁石を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、希土類元素と遷移金属とを有する磁性体を含む無機結晶相を具備する希土類磁石であって、
前記磁性体はその組成が化学式RxTyFz(R:希土類元素、T:遷移金属、F:フッ素、1.5≦ x ≦2.5、16.5≦ y ≦17.5、2.5≦ z ≦3.5)で表されるフッ化物結晶相からなり、
前記希土類元素RはY、Ce、Pr、Nd、Smの中から選ばれる1種類以上であり、
前記遷移金属TはFe、Coの中から選ばれる1種類以上であることを特徴とする希土類磁石を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る希土類磁石において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(1)前記無機結晶相は、前記フッ化物結晶相が70%以上の体積比率を占める主相である。
(2)前記フッ化物結晶相は、前記組成RxTyFzにおけるFの一部がC、O、Nの中の1種類以上の元素によって置換されたフッ化物を含む。
(3)前記希土類磁石を使用した回転電機である。
(4)前記フッ化物結晶相は、菱面体系結晶構造または六方晶系結晶構造を有し、a軸格子長に対するc軸格子長の比が1.5以上(c/a ≧1.5)で、単位胞体積が1.6 nm3以上である。
また、本発明は、上記目的を達成するため、希土類元素と遷移金属とを有する磁性体を含む無機結晶相を具備する希土類磁石で、前記磁性体が化学式RxTyFz(R:希土類元素、T:遷移金属、F:フッ素、1.5≦ x ≦2.5、16.5≦ y ≦17.5、2.5≦ z ≦3.5)で表される組成を有するフッ化物結晶相からなり、前記希土類元素RがY、Ce、Pr、Nd、Smの中から選ばれる1種類以上であり、前記遷移金属TがFe、Coの中から選ばれる1種類以上である希土類磁石の製造方法であって、
化学式RxTyで表される組成を有する合金から前記化学式RxTyFzで表される組成を有するフッ化物結晶相を生成するフッ素化処理工程を含むことを特徴とする希土類磁石の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る希土類磁石の製造方法において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(5)前記フッ素化処理工程は、フッ素を含むガス中における熱処理工程、またはフッ素を含む溶液によるコーティング工程とその後の拡散熱処理工程を含む。
(6)前記フッ素化処理工程の後に、He、Ne、Ar、N2の中から選ばれる1種類以上を含む不活性ガスまたはフッ素を含む非酸化性ガス雰囲気中で500℃以上の温度において、前記フッ化物結晶相を焼結する焼結工程を含む。なお、本発明において非酸化性ガス雰囲気とは、酸素を含まない雰囲気または酸素の含有率が無視できるほど小さい雰囲気を意味するものとする。
(7)前記フッ素化処理工程の前に、He、Ne、Ar、N2の中から選ばれる1種類以上を含む不活性ガスまたはフッ素を含む非酸化性ガス雰囲気中で500℃以上の温度において、前記化学式RxTyで表される組成を有する合金を焼結する焼結工程を含む。
本発明によれば、重希土類元素を使用せずに優れた磁気特性と熱安定性と耐熱性とを併せ持つ希土類磁石を提供することができる。
希土類磁石の断面組織観察におけるSEM観察像のスケッチであり、(a)は実施例1で作製した焼結磁石、(b)はSm-Fe-N系のボンド磁石、(c)はNd-Fe-B系の焼結磁石である。 粉末X線回折測定結果であり、(a)は仮焼工程前のSmF3/FeF3混合物のXRDチャート、(b)は仮焼工程後のSmF3/FeF3混合物のXRDチャートである。
以下、図を参照しながら本発明に係る実施形態を説明する。なお、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で組合せや改良が適宜可能である。
本発明に係る希土類磁石は、Y(イットリウム)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)の中から選ばれる1種類以上の希土類元素Rと、Fe(鉄)、Co(コバルト)の中から選ばれる1種類以上の遷移金属Tとを有する磁性体が化学式R2T17F3を基本とする化学式RxTyFz(F:フッ素、1.5≦ x ≦2.5、16.5≦ y ≦17.5、2.5≦ z ≦3.5)で表されるフッ化物結晶相からなることを特徴とする。
また、該フッ化物結晶相が希土類磁石中の無機結晶相の体積比率70%以上を占める主相であることを特徴とする。主相としては、80%以上を占めることがより好ましく、90%以上を占めることが更に好ましい。また、前記フッ化物結晶相は、前記組成RxTyFzにおけるFの一部がC(炭素)、O(酸素)、N(窒素)の中の1種類以上の元素によって置換されたフッ化物を含むことを特徴とする。
本発明に係る希土類磁石は、1000 K以上のキュリー温度を有することから、室温から800 K付近までの幅広い温度領域において利用可能である。また、良好な磁気異方性を有し、高い保磁力と熱減磁曲線の角型性を得ることができる。さらに、熱分解温度が十分に高いことから焼結磁石を得ることができる。その結果、最小限の(従来よりも簡易な)冷却機構でも必要十分な磁気特性を得ることが可能となり、希土類磁石を利用する機器(例えば、埋め込み磁石モータなどの回転電機や高周波磁場中に磁石が配置されるMRIなど)の小型化・高効率化に貢献できる。
(希土類磁石の製造方法)
希土類磁石の製造方法は、本発明で規定した要件を満たした希土類磁石が結果として得られれば製造方法に特段の限定はないが、Sm2Fe17F3の場合について製造方法の1例を以下に説明する。本発明に係る希土類磁石を製造するための磁性体粉末は、焼結前の段階において、その粉末粒子の9割程度以上が目的組成を有する粒子になっていることが望ましい。言い換えると、フッ素化されていない合金やフッ素化合物の異相が粉末粒子の1割程度以下となっていることが望ましい。
はじめに、例えば、SmとFeを2:17の原子比率で含む合金粉末を用意する。次に、この合金粉末に対し、後述するフッ素化合物処理溶液による溶液処理や希釈フッ素ガスを用いた気相プロセスと、拡散反応を含む仮焼工程との併用によりSm2Fe17F3の組成を有するフッ化物結晶相得ることができる(フッ素化処理工程)。また、他のフッ素化処理工程として、希土類元素の塩と遷移金属の塩(例えば、酸化物や炭酸塩などの形態)に対してフッ化水素酸(HF)などを使用してフッ素化処理することによって金属フッ素化物の混合物とし(例えば、下記の式(1)参照)、その後、希釈フッ素ガス中における仮焼工程も有効である。
Sm2O3/Fe203 + 6HF → 2SmF3/2FeF3 + 3H2O ・・・・・・(1)
なお、フッ素化処理工程においては、仮焼時における反応速度と酸化耐性とのトレードオフを考慮して粉末粒子の粒径を最適化しておくことが望ましい。また、フッ素化合物処理剤は、所望の金属フッ素化物の混合物が得られれば溶液組成や溶液調整法について特段の限定はないが、アルコール(例えば、メチルアルコールやエチルアルコールなど)を主成分とする溶媒に、フッ化水素酸等によりフッ素化したゾル状のSmF3を分散させた溶液を使用するのは好ましい(例えば、特開2006-283042号公報参照)。
次に、上記で調合した略目的組成を有する磁性体粉末を最終的な製品形状に合わせて成形する。このとき、磁性体粉末の粒度分布を制御することは好ましい。例えば、前記仮焼工程を経た磁性体粉末をジェットミル等の異物の混入しにくいプロセスにより粉砕し、その後分級してサブμm〜数μm程度の粉末を選別する。粒度を整えた磁性体粉末に対し、金型(成形工程に耐えうるものであれば材質は問わない)を用いてモールド成形することでSm2Fe17F3の仮成形体が得られる。成形にあたりバインダの添加の有無は適宜選択すればよい。
希土類磁石の磁気異方性を高めるためには磁性体粉末を磁場中で充填・成形することが好ましい。一方、等方的な磁石を作製する場合には外部磁場は無くてもよい。また、金型への充填密度を高めるため(結果として、焼結体のかさ密度を高めるため)、異なる粒度を有する粉末を混合することは好ましい。
次に、電気炉等を用いて磁性体粉末Sm2Fe17F3の仮成形体を焼結する(焼結工程)。各種焼成条件(例えば、ガス圧力やガス種などの雰囲気条件、昇温および降温速度、最高温度および保持時間など)は、磁性体粉末の材質、焼結磁石の形状・寸法、要求される磁気特性に合わせて制御されることが望ましい。例えば、雰囲気条件としては、不活性ガス中など非酸化性の(酸素を含まない/酸素が無視できるほど少ない)雰囲気としてガス圧力を問わない条件や、高真空中とする条件などが挙げられる。また、仮成形体中の磁性体粉末は予め異相がほとんど無い状態であることが好ましいが、焼結工程において、希釈フッ素ガスの与圧雰囲気中でフッ素化処理を完了させる方法でもよい。
以上のような製造方法によって、例えばSm2Fe17F3の組成を有するフッ化物結晶相が希土類磁石中の無機結晶相の体積比率70%以上を占める主相である希土類磁石を得ることができる。なお、同様の製造方法によって、Smを他の希土類元素で置換したフッ化物結晶相やFeを他の磁性遷移金属で置換したフッ化物結晶相を主相とする希土類磁石を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
原材料として純度99.9質量%(3N)以上のSmおよびFeを用意した。原材料を所定量秤量し、これを真空溶解および誘導攪拌によって合金を調合した後、融液を急冷して1〜100μmの粒度分布をもつSm2Fe17合金粗粉を得た。その後、ジェットミルによりSm2Fe17合金粗粉を更に粉砕し、サブμmの平均粒径を有する微細粉とした。
この微細粉に対して溶液法でフッ素化処理を行った。フッ化物処理剤は以下の要領で作製した。酢酸サマリウム水溶液にフッ化水素酸を添加した後、遠心分離によって溶媒を除去してゲル状物質(SmF3水和物と酢酸塩の混合物)を得た。以下、このゲル状物質をフッ素化処理剤と称する。ただし、フッ素化処理剤中の希土類元素はサマリウムに限定されるものではない。該フッ素化処理剤とSm2Fe17合金の微細粉とを混合して粘性の高いスラリーを形成し、超音波処理によって均一化して微細粉の表面をコーティングした。次に、これを不活性雰囲気(高純度Arガス)で与圧した電気炉に導入し、800℃の温度で24時間仮焼した。この仮焼工程により、Sm2Fe17合金の微細粉の中へフッ素化処理剤に含まれるSmやFが拡散・反応し、Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相が生成される。
上記仮焼工程によって凝集したSm2Fe17Fz(z ≒ 3)の粗粉に対して再度ジェットミルにより壊砕処理を施し、粒径1〜10μm程度のフッ化物結晶相粉末とした。次に、このフッ化物結晶相粉末をポリテトラフルオロエチレンコートされた非磁性金型に充填し、1 Tの磁場中で1 t/cm2の荷重を印加して仮成形体(寸法:10 × 10 × 5 mm3)を形成した。その後、仮成形体に対し、不活性雰囲気で満たした電気炉中において1200℃の温度で焼結工程を施し焼結磁石を作製した。Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)は、上記の焼成過程で熱分解しない(有意な量のα-Fe相を生成しない)ことをX線回折測定および示差熱熱重量分析(20〜1300℃)により別途確認した。また、Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)は当該焼成温度で液相焼結が可能であり、空孔率3%以下のSm2Fe17Fz(z ≒ 3)焼結体を得られることが確認された。
上記で得られたSm2Fe17Fz(z ≒ 3)焼結体に対し、各種測定・評価を行った。はじめに、X線回折(XRD)測定により結晶相の同定を行った。その結果、実施例1で作製した焼結磁石は、Sm2Fe17Fz結晶相が無機結晶相の体積比率85%以上を占める主相となっていることが確認された。なお、本発明におけるXRD測定(2θ/θ測定)には、XRD装置(株式会社リガク製、型式:RINT2500HL)を用いた。対陰極(ターゲット)は銅を用い、管電圧および管電流はそれぞれ50 kV、150 mAとした。2θ/θ測定の条件は、一般的な広角ゴニオメータを用い、2θ=10〜70°の範囲で測定した。2θ/θ測定におけるスリット条件は、発散スリットが1°、受光スリットが0.15 mm、散乱スリットが1°とした。測定した2θの角度範囲内において同定される全ての結晶相から、Sm2Fe17Fz結晶相の体積比率を算出した(算出はXRD装置に付属の解析ソフトを利用した)。
上記焼結体に対し、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による組成分析を行った。その結果、焼結体における結晶粒界や粒界の三重点領域で、Sm濃度やF濃度の高い部分が存在したり、SmF3、SmF2、SmOF等がわずかに生成していたり、Sm2Fe17FzのFをCやOやNが置換している部分が存在していることが判明した。
上記焼結体に対し、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面組織観察を行った。このとき、比較対照として、従来の希土類磁石であるSm-Fe-N系のボンド磁石とフッ化物の粒界相を有するNd-Fe-B系の焼結磁石との断面組織観察を合わせて行った。図1は、希土類磁石の断面組織観察におけるSEM観察像のスケッチであり、(a)は実施例1で作製した焼結磁石、(b)はSm-Fe-N系のボンド磁石、(c)はNd-Fe-B系の焼結磁石である。図1(a)に示すように、実施例1で作製した焼結磁石は一様な組織を有しSm2Fe17Fzの組成を持つフッ化物結晶粒子が緻密な焼結体を形成していた。これに対し、ボンド磁石では有機・高分子母相中に希土類磁性体粉末が疎に分散していた(図1(b)参照)。また、フッ化物の粒界相を有するNd-Fe-B系の焼結磁石では、Nd-Fe-B結晶の粒界領域に別相が明確に観察された(図1(c)参照)。
超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いて上記焼結磁石の磁気特性を測定した。測定結果を従来技術の磁気特性とともに表1に示す。表1に示したように、本発明に係る希土類磁石は、従来の希土類磁石に比して保磁力(磁化Is)や最大エネルギー積(BHmax)が向上していることが確認された。これは、一様な組織を有する緻密な焼結体構造が功を奏しているものと考えられる。また、キュリー温度(Tc)も大きく上昇していることが確認され、800℃程度の高温での利用が期待できる。これにより、希土類磁石の冷却機構を簡素化することができ、希土類磁石を利用する機器の小型化に貢献できる。
Figure 0005094791
原材料として純度99.9質量%(3N)以上のCeおよびFeを用意した。原材料を所定量秤量し、これを単結晶サファイアのルツボに投入し、さらに約80 kPaの高純度アルゴンガスを用いて石英ガラス中に封入した後、アーク溶解法によって略当量比のCeFe合金を得た。その後、CeFe合金を1200℃に加熱、2時間保持して1000℃まで急冷し、940℃から徐冷することで、Ce2Fe17の合金粗粉を作製した。Ce2Fe17合金粗粉に対し、ジェットミルによる粉砕を行い、1μm以下(サブμm)の平均粒径を有する微細粉とした。
この微細粉に対して次のようなフッ素化処理を行った。単結晶CaF2のオートクレーブ中にCe2Fe17合金微細粉をフッ化水素酸と共に密閉封入し、600℃で72時間保持した。処理中の内圧はおよそ6 MPaであった。フッ素化処理を行った粉末に対しXRD測定により結晶相の同定を行い、Ce2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相が生成されていることを確認した。なお、Ce2Fe17Fzは化学的に安定化しており、大気中においてもO2やH2Oの影響を受けることなく取り扱うことが可能である。
次に、Ce2Fe17Fzのフッ化物結晶相粉末をポリテトラフルオロエチレンコートされた非磁性金型に充填し、1 Tの磁場中で1 t/cm2の荷重を印加して仮成形体(寸法:10 × 10 × 5 mm3)を形成した。その後、仮成形体を単結晶CaF2の角型ルツボに投入し、単結晶サファイア管を使用した管状電気炉中において焼結工程を施し焼結磁石を作製した。焼結工程における雰囲気条件はHeで希釈した25%F2ガス雰囲気とし、温度条件は1150℃で12時間保持とした。得られた焼結体は、ペレット表面がc軸配向した多結晶体であることが確認され、18%程度の体積収縮がみられた。
上記と同様の手順によって、Ceを他の希土類元素で置換したフッ化物結晶相やFeを他の磁性遷移金属で置換したフッ化物結晶相を主相とする希土類磁石を作製した。得られた各希土類磁石に対し、XRD測定により結晶系と格子定数を調査し、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によりFの構成比(zの範囲)を調査した。調査結果を表2に示す。
Figure 0005094791
表2に示したように、本発明に係る希土類磁石は、Fの構成比(zの範囲)が「2.5≦ z ≦3.5」であることが確認された。また、本発明に係るR2T17Fzは基本的に菱面体晶のTh2Zn17型結晶構造を有しており、Y2Co17FzおよびCe2Co17Fzの場合は六方晶のTh2Ni17型結晶構造であった。なお、Sm2(Fe,Co)17Fzや(Ce,Pr)2Fe17Fzのような混晶においても、zの範囲が「2.5≦ z ≦3.5」であることを別途確認した。また、それぞれの結晶において、a軸格子長に対するc軸格子長の比が1.5以上(c/a ≧1.5)であり、単位胞体積が1.6 nm3以上であることを別途確認した。
表2に示した各希土類磁石に対し、実施例1と同様に磁気特性を測定したところ、いずれの希土類磁石においても、良好な保磁力(磁化Is)と最大エネルギー積(BHmax)を有していることが確認された。
原材料として純度99.9質量%(3N)以上のSmおよびFeを用意した。原材料を所定量秤量し、これを真空溶解および誘導攪拌によって合金を調合した後、融液を急冷して1〜100μmの粒度分布をもつSm2Fe17合金粗粉を得た。その後、水素化−分解・脱水素−再結合法(HDDR法)によりSm2Fe17合金粗粉を更に粉砕し、サブμmの平均粒径を有する微細粉とした。
実施例1と同様の手順(溶液法)により、Sm2Fe17合金微細粉の表面にフッ素化処理剤をコーティングした。次に、これを単結晶CaF2のオートクレーブに投入して800℃で焼成し(仮焼工程)、フッ素化処理を行った。フッ素化処理を行った粉末に対しXRD測定により結晶相の同定を行い、Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相が生成されていることを確認した。
該フッ化物結晶相に含まれるカチオンの元素を、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)により調査した。調査結果を表3に示す。表3に示したように、本発明に係る希土類磁石において、重希土類元素の含有率は不可避的に混入する0.003原子%程度以下であり、構成元素として重希土類元素を使用していないことを確認した。
Figure 0005094791
上記仮焼工程によって凝集したSm2Fe17Fzの粗粉に対してジェットミルにより壊砕処理を施し、粒径1〜10μm程度のフッ化物結晶相粉末とした。次に、このフッ化物結晶相粉末をポリテトラフルオロエチレンコートされた非磁性金型に充填し、1 Tの磁場中で1 t/cm2の荷重を印加して仮成形体(寸法:10 × 10 × 5 mm3)を形成した。その後、仮成形体に対し、Heで希釈した25%F2ガスで満たした電気炉中において1300℃の温度で焼結工程を施し焼結磁石を作製した。焼成用の容器には単結晶CaF2の角型ルツボを用いた。
上記焼結工程中の雰囲気を四重極型質量分析計(QMS)を使用して観測した。その結果、HeとF2以外に僅かにN2やCOが含まれていることが判った。N2やCOの発生源としてはフッ素化処理に用いたフッ素化処理剤の残留も考えられるが、雰囲気中へのN2やCOの脱離量を考慮すると、Sm2Fe17Fz結晶相中のFの一部をC原子やO原子やN原子が置換している可能性が考えられた。これは、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による組成分析の結果と合致する。
試料振動型磁力計(VSM)を用いて上記焼結磁石の磁気特性を測定した。測定雰囲気は真空中、温度条件は常温〜600℃の範囲とした。その結果、600℃の環境においても0.8 T以上の保磁力と0.5 T以上の残留磁束密度が得られ、本発明に係る希土類磁石は良好な熱安定性を有していることが確認された。また、実施例3の結果からは、RxTyFzにおけるFの一部がC、O、Nの中の1種類以上の元素によって置換されていてもよいことが示唆される。
原材料として純度99.99質量%(4N)以上のSm2O3およびFe2O3を用意した。原材料を所定量秤量し、これを373 K以上にヒータで弱熱しつつ、白金の密閉容器中で濃度48質量%のフッ化水素酸(HF)水溶液に溶解した。この時に起こる化学反応は前述の式(1)によって表され、反応が完全に完了して溶媒を除去した後は白色スラリー状のSmF3/FeF3混合物が得られた。アルコールによって残留HFを除去した後、真空加熱によりアルコールを除去した。このような溶液プロセスは、SmF3とFeF3とが均一に分散した混合物を得ることができる利点がある。
SmF3/FeF3混合物を白金ルツボに投入し、Heで希釈した25%F2ガスをフローさせた管状電気炉内において800℃で12時間保持する仮焼工程を行った。この仮焼工程によるSmF3/FeF3混合物の構造変化を調査した。図2は、粉末X線回折測定結果であり、(a)は仮焼工程前のSmF3/FeF3混合物のXRDチャート、(b)は仮焼工程後のSmF3/FeF3混合物のXRDチャートである。図2に示したように、仮焼工程前は単純にSmF3/FeF3の混合物であるのに対し、仮焼工程前はSm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相が生成されていることが確認できる。
上記仮焼工程によって凝集したSm2Fe17Fzの粗粉に対してボールミルによる壊砕処理を施し、粒径1〜10μm程度のフッ化物結晶相粉末とした。次に、このフッ化物結晶相粉末をポリテトラフルオロエチレンコートされた非磁性金型に充填し、1 Tの磁場中で1 t/cm2の荷重を印加して仮成形体(寸法:10 × 10 × 5 mm3)を形成した。その後、仮成形体に対し、内側をCaF2コートされた石英管を使用した管状電気炉を用い、Heで希釈した25%F2ガスをフローさせながら1250℃の温度で焼結工程を施し焼結磁石を作製した。
得られた焼結体(焼結磁石)は、ペレット表面がc軸配向した多結晶体であることを確認した。また、実施例3と同様に、試料振動型磁力計(VSM)を用いて上記焼結磁石の磁気特性を測定したところ、Sm2Fe17合金に比較してキュリー温度(Tc)が800 K以上上昇し、Sm2Fe17N3に比較して300℃(約600 K)以上の温度における保磁力および残留磁束密度が向上することが確認された。
原材料として純度99.9質量%(3N)以上のCeおよびCoを用意した。原材料を所定量秤量し、実施例2と同様にアーク溶解法によって略当量比のCeCo合金を得た。その後、CeCo合金を1200℃に加熱、2時間保持して1000℃まで急冷し、940℃から徐冷することで、Ce2Co17の合金粗粉を作製した。Ce2Co17合金粗粉に対し、HDDR法による粉砕を行い、1μm以下(サブμm)の平均粒径を有する微細粉とした。
PrF3を含むフッ素化処理剤を用いた以外は実施例1と同様の手順により、Ce2Co17合金の微細粉に対するフッ素化処理工程を行った。仮焼工程後の粉末に対してXRD測定を行い、(Ce,Pr)2Fe17Fz(z ≒ 3)と思われるフッ化物結晶相が生成されていることを確認した。
上記仮焼工程によって凝集した(Ce,Pr)2Fe17Fzの粗粉に対してジェットミルにより壊砕処理を施し、粒径1〜10μm程度のフッ化物結晶相粉末とした。次に、このフッ化物結晶相粉末を白金コートされた非磁性金型に充填した。焼結用の電気炉として、炉壁を隔てた外周に磁場印加用のコイルを有し、かつ金型に対して1軸加圧が可能な電気炉を用いた。
Arで希釈した10%F2ガスで炉内を満たし、1 Tの磁場と1 t/cm2の荷重とを印加しながら1200℃の温度で焼結工程を施し焼結磁石を作製した。
得られた焼結体(焼結磁石)には15〜20%の体積収縮が認められた。また、XRD測定から結晶構造の変化は認められず、CeF3、CeF2、CeOFなどの異相も極わずかしか確認されなかった。これらのことは、フッ化物結晶相の合成反応が略完全に進み、かつ良好な焼結(緻密化)が達成されたことを意味している。作製した焼結磁石に対し、室温において1 Tの外部磁場を印加して着磁した後、昇温熱減磁試験を実施した。その結果、900℃(約1200 K)以上まで磁化が残留していることが確認され、本発明に係る希土類磁石が優れた熱減磁特性を有していることが実証された。
原材料として純度99.9質量%(3N)以上のSmおよびFeを用意した。原材料を所定量秤量し、これを真空溶解および誘導攪拌によって合金を調合した後、融液を急冷して1〜100μmの粒度分布をもつSm2Fe17合金粗粉を得た。その後、ジェットミルによりSm2Fe17合金粗粉を更に粉砕し、サブμmの平均粒径を有する微細粉とした。
単結晶CaF2のオートクレーブ中にSm2Fe17合金微細粉をフッ化水素酸と共に密閉封入し、800℃に加熱してフッ素化処理を行った。フッ素化処理を行った粉末に対しXRD測定により結晶相の同定を行い、Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相が生成されていることを確認した。フッ素化処理を行った粉末から残留HFや未反応のSm2Fe17合金を除去した後、白金ルツボに投入し、内側をCaF2コートされた石英管にHeで希釈した25%F2ガスをフローさせながら赤外線集光加熱による急速熱処理(RTA)によって均質化処理を実施した。
均質化処理を施したSm2Fe17Fzの粗粉に対してジェットミルによる壊砕処理を施した。得られたフッ化物結晶相粉末が15質量%程度となるようにポリアミド系の熱可塑性高分子樹脂と混合し、加熱混練後に押し出し成形を適用することによってボンド磁石を作製した。
作製したボンド磁石に対し、室温において1 Tの外部磁場を印加して着磁した後、昇温熱減磁試験を実施した。その結果、ボンド磁石の母相であるポリイミド系ポリマーの断続使用限界温度である450℃(約750 K)においても残留磁束が確認された。この結果から、無機結晶相中の主相がSm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相である本発明に係る希土類磁石は、ボンド磁石に対しても有効であることが実証された。
実施例1と同様にして、Sm2Fe17Fz(z ≒ 3)のフッ化物結晶相を主相とする焼結磁石を作製した。この焼結磁石を永久磁石同期モータの回転子に組み込み、室温において2 Tの外部磁場を印加して着磁し、本発明に係る回転電機を作製した。一方、比較として、従来技術であるDyを添加したNd2Fe14B組成の希土類磁石を回転子に組み込んだ永久磁石同期モータを作製した。
それぞれの回転電機を運転し、性能・特性を評価した。室温におけるトルク密度を測定したところ、本発明に係る永久磁石同期モータは、従来の永久磁石同期モータに比して1.3倍のトルク密度が得られた。これは、同じ目標出力を得るにあたって印加電流を約0.8倍に抑制できることを意味し、回転電機の小型化・高効率化・省エネ化につながる。また、熱安定性を調査したところ、本発明に係る永久磁石同期モータは、300℃(約600 K)においても必要十分な動作が確認された。
以上説明したように、本発明に係る希土類磁石は、室温から500℃(約800 K)くらいまでの幅広い温度領域において、優れた保磁力・残留磁束密度・最大エネルギー積を有するものであることが確認された。また、本発明に係る希土類磁石は、重希土類元素を積極的に使用するものではない(不可避的に混入する場合を除く)。すなわち、本発明は、重希土類元素を使用せずに優れた磁気特性と熱安定性と耐熱性とを併せ持つ希土類磁石を提供することができる。本発明に係る希土類磁石を用いることにより、回転電機の高出力化、高効率化、小型化、および耐熱性向上に寄与できる。

Claims (7)

  1. 希土類元素と遷移金属とを有する磁性体を含む無機結晶相を具備する希土類磁石であって、
    前記磁性体はその組成が化学式RxTyFz(R:希土類元素、T:遷移金属、F:フッ素、1.5≦ x ≦2.5、16.5≦ y ≦17.5、2.5≦ z ≦3.5)で表されるフッ化物結晶相からなり、
    前記希土類元素RはY、Ce、Pr、Nd、Smの中から選ばれる1種類以上であり、
    前記遷移金属TはFe、Coの中から選ばれる1種類以上であり、
    前記フッ化物結晶相は、菱面体系結晶構造または六方晶系結晶構造を有し、a軸格子長に対するc軸格子長の比が1.5以上(c/a ≧1.5)で、単位胞体積が1.6 nm 3 以上であると共に、前記組成R x T y F z におけるFの一部がC、O、Nの中の1種類以上の元素によって置換されたフッ化物を含み、
    前記無機結晶相は前記フッ化物結晶相が70%以上の体積比率を占める主相であることを特徴とする希土類磁石。
  2. 請求項1に記載の希土類磁石において、
    前記無機結晶相を焼結させた焼結磁石であることを特徴とする希土類磁石。
  3. 請求項1または請求項に記載の希土類磁石を使用したことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1または請求項2に記載の希土類磁石の製造方法であって、
    化学式RxTyで表される組成を有する合金から前記化学式RxTyFzで表される組成を有するフッ化物結晶相を生成するフッ素化処理工程を含むことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  5. 請求項に記載の希土類磁石の製造方法において、
    前記フッ素化処理工程は、フッ素を含むガス中における熱処理工程、またはフッ素を含む溶液によるコーティング工程とその後の拡散熱処理工程を含むことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  6. 請求項または請求項に記載の希土類磁石の製造方法において、
    前記フッ素化処理工程の後に、He、Ne、Ar、N2の中から選ばれる1種類以上を含む不活性ガスまたはフッ素を含む非酸化性ガス雰囲気中で500℃以上の温度において、前記フッ化物結晶相を焼結する焼結工程を含むことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  7. 請求項または請求項に記載の希土類磁石の製造方法において、
    前記フッ素化処理工程の前に、He、Ne、Ar、N2の中から選ばれる1種類以上を含む不活性ガスまたはフッ素を含む非酸化性ガス雰囲気中で500℃以上の温度において、前記化学式RxTyで表される組成を有する合金を焼結する焼結工程を含むことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
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