JP5094459B2 - アルカンを不飽和カルボン酸に変換するための改良法 - Google Patents

アルカンを不飽和カルボン酸に変換するための改良法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカンを選択的に部分酸化して、不飽和カルボン酸にするための改善された方法に関し、これにより、最終酸化生成物中に含まれる副生成物飽和カルボン酸の濃度が従来のアルカン部分酸化法に由来するものと比較して低減される。
本明細書において用いられる場合、「(メタ)アクリレート」なる用語はアクリレートおよびメタクリレートの両方をさす。同様に、「(メタ)アクリル」なる用語は、アクリルまたはメタクリルのいずれかをさし;「(メタ)アクリル酸」なる用語は、アクリル酸またはメタクリル酸のいずれかをさす。
不飽和カルボン酸の一例であるアクリル酸(AA)は、様々な用途において用いられる。典型的な最終用途は:アクリルプラスチックシート;成形用樹脂;ポリ塩化ビニル改質剤;加工助剤;アクリルラッカー;フロアポリッシュ;シーラント;オートマティックトランスミッション液;クランクケース油改質剤;自動車用コーティング;イオン交換樹脂;セメント改質剤;水処理ポリマー;電子接着剤;金属コーティング:およびアクリル繊維を包含する。AAは、これが使用される製品に付与する硬度のために、特にこれらおよび他の用途において重宝される。これはまた、ある製品において使用される場合、化学安定性および光安定性、ならびに紫外線抵抗性を向上させる。従って、AAは、樹脂の優れた透明性、強度、および屋外耐久性を必要とする用途においてしばしば用いられる。AA市場は非常に原価重視であり;従って、プロセス収率における改善は、僅かであっても、著しい費用節減をもたらし得る。
プロピオン酸(PA)は、プロパンの選択的部分酸化により製造されるAA中の不純物として存在するが、望ましくない揮発性有機化合物である。プロペンの2段階部分酸化を採用する現行の商業的AAプロセスは、典型的な指定レベルである、1000ppm未満のPA濃度をもたらす。一方、プロパンの部分酸化により製造されるAAは、プロペンの2段階部分酸化と比べて、プロパンにおけるPAの固有の、より高い選択性のために、3000から30000ppm(重量基準)の間のPAを含有し得る。特に、AAおよびPAはその沸点がほぼ同じであるために通常の蒸留により分離できないので、PAのこれらの濃度は、プロパン酸化により製造されるAAに顕著な製品品質問題をもたらす。さらに、イソプロピルアセテート、トルエンまたはジフェニルエーテルなどの通常の溶媒を用いたAAからのPAの抽出も、溶解度における類似性のためにうまくいかない。プロパン酸化はAAへの経済的に魅力的な経路になりつつあるので、PA除去のための新規技術がAAの純度の増加を達成するために必要である。
AA純度を増加させるための1つの試みが米国特許出願公開2005/0272952号において見出される。この文献は一般に高純度生成物の重要性を認識しているが、反応中に形成される副生成物を区別できない。選択性がないために、US2005/0272952号は全ての副生成物の合計を減少させ、これらの副生成物の部分的燃焼法を開示する。これは、特定の副生成物、例えば、酢酸は価値があり、下流の分離において回収され得るので、望ましくない。
米国特許出願公開2005/0272952号明細書
本発明は、プロセス条件を調節し、AAプロセス流れ内のPAを他の化合物、例えば、AAそれ自体または不純物としてより容易に分離できるか、または許容され得るものへ変換するための選択的化学反応を行うことにより、特にプロパン由来のAAにおいて、高純度不飽和カルボン酸を得ることに関連するこれらの問題を解決する。この問題は、イソブタンの選択的部分酸化により得られるメタクリル酸中に存在する高級炭素類似体、例えば、イソ酪酸不純物についてと同様に存在し、本発明は、特に、2種の酸が同じ数の炭素原子および類似した沸点を有する場合に、不飽和カルボン酸から飽和カルボン酸を除去する問題を解決することを目指す。表1に記載し、以下でさらに記載する有用な化学反応は、酸化的脱水素化(ODH)およびアルドール縮合反応を包含する。
表1はまた、PAが基質である場合の主な反応生成物を記載する。
Figure 0005094459
本発明は、
i)部分酸化触媒の存在下で、アルカンを酸素または酸素含有ガス、例えば空気と反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸およびある濃度の飽和カルボン酸を含む生成物を生じさせ;および
ii)飽和カルボン酸への部分酸化反応選択性を低下させるか、または飽和カルボン酸の少なくとも一部を破壊するか、変換するか、もしくは分離することにより、飽和カルボン酸の不純物濃度を低下させること:を含むプロセスにおいて、C3からC8アルカンの部分酸化に由来する飽和および不飽和カルボン酸の混合物中に存在する飽和カルボン酸の濃度を低下させる方法である。
本発明に従って、化学反応プロセスの有効性は、「フィード変換率」および「生成物収率」に関して特徴づけることができる。さらに詳細には、フィード変換率、または単に「変換率」は、反応により消費されたフィード(例えば、CからCアルカン、例えば、プロパンおよびイソブタン、またはそれらの混合物)の合計モル数のパーセンテージである。生成物収率、または単に「収率」は、望まれる不飽和カルボン酸生成物、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸であって、望まれない副生成物に相対するものとしてのその生成物に、フィードの全部が変換された場合に、形成されるであろう望まれる不飽和カルボン酸生成物の理論的合計モル数のパーセンテージである。例えば、プロパン酸化の場合において、望まれない副生成物は、酢酸、CO、およびCOを包含する。前記用語は、一般に次のように定義される:
Figure 0005094459
本発明の1つの態様において、方法は、1つの反応容器中で、少なくとも1種のC−C直鎖または分岐アルカンを反応させることを含む。本明細書において用いられる場合、用語「C−C直鎖または分岐アルカン」は、アルカン分子あたり3から8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカン、例えば、プロパン、ブタンおよびペンタンを意味する。特に、C−C直鎖または分岐アルカンは、本発明のアルカンの例である。
本発明によると、アルカンは、プロパンを含み、不飽和カルボン酸はアクリル酸を含む。触媒の存在下で、550℃、480℃、および400℃の上限から250℃、275℃、および300℃の下限までの範囲の温度で、アルカンを酸素または不活性ガス、例えば、窒素との混合物中に存在する酸素と反応させる。全ての温度範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。
1つの実施形態において、触媒は、実験式
AaMbNcXdZeOf
(式中、Aは、MoおよびWからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり;MはVおよびCeからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり;NはTe、SbおよびSeからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり;XはNb、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pt、Sb、Bi、B、In、As、Ge、Sn、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Hf、Pb、P、Pm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり;ZはZn、Ga、Ir、Sm、Pd、Au、Ag、Cu、Sc、Y、Pr、NdおよびTbからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり;a=1である場合、b=0.01〜1.0、c=0.01〜1.0、d=0.01〜1.0、e=0〜0.1、およびfは他の元素の酸化状態に依存する)
を有する混合金属酸化物(MMO)を含む。
本発明によると、反応物質を希釈剤と混合するか、または他の方法で希釈剤が与えられる。希釈剤は、好ましくは、室温および周囲圧力で気体であり;かつ既存の反応条件下で反応環境に対して不活性である。好適な気体は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどを包含する。希釈剤の量は特に重要でないが、使用される場合に、好ましくは、リアクターへの合計フィード基準で、0.1モルパーセント以上から70モルパーセント未満の量で存在する。さらに、水蒸気はフィードガス中に、0から50パーセントまで変化する量で存在し得る。
本発明によると、好適な反応容器は、気相異種反応を行うために設計され、これに限定されないが、固定床、流動床、プレートアンドフレーム(plate and frame)、ならびにマイクロチャンネルリアクターを包含する。プロパンが出発アルカンとして使用され、空気が酸素供給源として使用される場合、反応容器は固定床系または流動床系であってもよい。しかしながら、反応は発熱反応であるので、反応温度の制御が容易である流動床系が好ましくは用いられ得る。反応系に供給される空気の割合は、結果として得られるアクリル酸についての選択性に関して重要であり、通常、プロパン1モルあたり、最高25モルであるが、通常、0.2〜18モルの範囲であり、これにより、アクリル酸について高い選択性を得ることができる。この反応は、大気圧下で行うことができる。しかしながら、反応は、若干高められた圧力または若干低減された圧力下で行うこともできる。他のアルカン、たとえば、イソブタンについて、フィードガスの組成は、プロパンの状態に従って選択することができる。
アクリル酸またはメタクリル酸へのプロパンの酸化のための典型的な反応条件を、本発明の実施において利用できる。プロセスは、新鮮なフィードのみがリアクターに供給されるシングルパスモード、またはリアクター流出物の少なくとも一部がリアクターに戻されるリサイクルモードにおいて実施できる。本発明のプロセスの一般的条件は、次の通りである;反応温度は550℃、480℃、400℃の上限から、250℃、275℃、および300℃の下限まで変化し;気相リアクターにおけるガス空間速度、「SV」は、典型的には、10000、6000、および2000hr−1の上限から300、200、および100hr−1の下限までの範囲であり;触媒との平均接触時間は、10、8、6、および2秒の上限から0.01、.01、.5、および1秒の下限までの範囲であることができ;反応ゾーンにおける圧力は、通常、0から75psigの範囲であるが、典型的には50psig以下である。前記範囲値のすべては両端を含み、所定の組の中で組み合わせ可能である。シングルパスモードプロセスにおいて、酸素が酸素含有ガス、例えば、空気から供給されるのが好ましい。シングルパスモードプロセスは、酸素を添加して実施することもできる。リサイクルモードプロセスの実施においては、反応ゾーンにおける不活性ガスの蓄積を回避するために、酸素ガスそれ自体が好ましい供給源である。
驚くべきことに、約370℃よりも高い触媒床温度は、プロピオン酸濃度の有意な低下に寄与することが見出された。いくつかの例において、特に、比較的低温で高い変換率を達成する高活性プロパン酸化触媒に関して、触媒床温度を上昇させる必要がある場合がある。所定の程度のプロパン変換率のためにそれを行うために、触媒重量基準の滞留時間を減少させなければならず、それにより、最大収率を得るためにより高い温度が必要である。この条件は、同じ量の触媒について供給速度を増大させるか、または同じ供給速度について触媒の量を減少させることにより達成できる。置き換えられる触媒は、リアクター中で不活性希釈剤により置換される。供給速度の増加により滞留時間が減少するならば、増大したスループットも達成される。さらに、フィードガス中の低いプロパン対酸素比は、PA濃度を減少させることが見出された。例えば、プロパン対酸素比を0.71(7.1%プロパン、10.0%酸素、23.0%水、および59.9%窒素フィードについて)から0.20(3.0%プロパン、14.7%酸素、23.0%水、および59.3%窒素フィード)へ低下させると、PA濃度が18500ppmから10700ppmまで減少した。反応温度上昇およびプロパン対酸素比低下のこれらのプロセス調節は、個々に、または互いに組み合わせて行うことができる。
少なくとも1種の触媒の存在下で、少なくとも1種のアルカンを酸素または酸素含有ガス、例えば空気と反応させた結果として、少なくとも1種の不飽和カルボン酸およびある濃度の飽和カルボン酸を含む生成物が形成される。当該濃度の飽和カルボン酸の少なくとも一部が次に変換または分離される。本明細書において用いられる場合、「変換される」とは、飽和カルボン酸が、燃焼を除いて、別の活性物質と反応して、飽和カルボン酸以外のものである副生成物を形成することを意味する。本明細書において用いられる場合、「除去化学反応」とは、飽和カルボン酸の変換において用いられる化学反応を意味する。本明細書において用いられる場合、「分離される」とは、飽和カルボン酸それ自体が、系から除去されうる様な方法で不飽和カルボン酸から分けられることを意味する。
PAの変換を実施するために、2つの主なプロセス解決法が考えられる。飽和カルボン酸のその場での(in−situ)除去のために、助触媒(co−catalyst)をアルカン酸化リアクター内に配置することができるか(「助触媒」オプション)」、または除去化学反応をAA製造プロセスに組み入れるための可能な選択肢として、別の下流の仕上げ(finishing)リアクター(「仕上げリアクター」オプション)を組み入れることができる。
助触媒オプションの場合、助触媒をアルカン酸化リアクターの通常の触媒床内、例えば、シェル・アンド・チューブリアクターの触媒充填チューブ内またはリアクター内の他の利用可能な反応容積内、例えば、チューブシートとリアクター出口との間のヘッドスペース内に含めることができ、飽和カルボン酸を除去することができる。その触媒は、ニートで存在してもよいし、または不活性物質で希釈されてもよく、およびアルカン酸化触媒から分けられていてもよいし、またはアルカン酸化触媒と混合されていてもよい。助触媒およびその関連する化学反応は、アルカン酸化プロセスおよびプロセス流れと適合性であるはずであり、従って、それは、アルカン酸化プロセスと同じ相中でも進むはずであり;酸化が気相において行われるならば、触媒飽和カルボン酸除去プロセスもそのはずである。
ODH反応を行うための好適な助触媒は、これに限定されないが:米国特許第US3,948,959号に記載されているようなリン酸鉄および促進されたリン酸鉄触媒;およびMo、P、Fe、およびVまたはそれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1種の金属の非担持または担持酸化物が挙げられる。さらに、触媒は、8族金属で促進された還元性金属酸化物でありうる。従って、触媒は、二元、三元、四元またはより高次の化合物であってよい。還元性金属酸化物は、Cu、Cr、V、Mn、Nb、Mo、W、Re、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、Te、As,Se、Zn、Y、Zr、Ta、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよびそれらの混合物からなる群から選択される金属の酸化物でありうる。好ましくは、還元性金属酸化物は、Cu、Cr、V、Mn、Znおよびそれらの混合物からなる群から選択される。プロモーターは元素の周期表の8族からの金属(Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、PdおよびPt)、好ましくはPt、Pd、Rh、Ir、Ruおよびそれらの混合物からなる群から選択される金属である。プロモーターは好ましくは触媒組成物(プロモーターおよび還元性金属酸化物を含む)の10、5、および2重量%の上限から0.0001重量%、0.001重量%、および0.01重量%の下限までの範囲の量において存在することができる。全ての範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。
仕上げリアクターオプションの場合、別の下流の仕上げリアクターをAA製造プロセス中に含める。このオプションは、選択された除去化学反応に望まれるまたは最適なように、前記リアクターがアルカン酸化反応から下流の多くの地点でプロセス中に挿入されうる点で、より大きな自由度を提供する。例えば、アルカン酸化生成物ガスではなく、粗または精製AAを仕上げリアクターに付すことができる。さらに、アルカン酸化反応に対してその場以外(ex−situ)で飽和カルボン酸除去が行われるので、この場合の除去化学反応は、アルカン酸化プロセス流れと直接的に適合性である必要はない。例えば、酸素が選択された除去化学反応に対して有害であるならば、これは仕上げリアクター前に分離することができる。さらに、仕上げリアクター中で実行される化学反応はアルカン酸化反応相以外の相においてであってよい。
1つの実施形態において、米国特許第US3,948,959号において記載されているようなプロピオン酸のアクリル酸へのODHは、AAが反応の主生成物であるので、PA除去についての本質的に選択的な経路を提供し;この技術は、理論的には、所望の生成物AAが変換されることなくPAが除去されることを可能にする。しかしながら、ODH触媒によるAAの過剰な酸化(over−oxidation)(例えば、酢酸、COおよびCOへ)は、AAを破壊し得る寄生性反応である。プロパン酸化およびPA ODHプロセスは、両システムが気相において行われ、フィードとして酸素を必要とし、および同じ主反応生成物AAを有するので、その場での(in−situ)適合性を有する。従って、アルカン酸化生成物流れは、流出酸基準で、飽和酸がフィードであるODH生成物流れと類似している。高い変換率で、すなわち、フィードの実質的または完全な変換について、これらの2つのプロセスの生成物酸流れは同じである。例えば、プロパン酸化は主にAAを生成し、プロピオン酸ODHも主にAAを生成する。本発明者らの研究は、ODH触媒、例えば、FePOがプロピオン酸ODHについて活性かつ選択的であり、および驚くべきことに、AA過剰酸化について調査したプロセス条件下では不活性であることを示した。ODHは従って、助触媒オプションについて優れた選択肢である。
もう一つ別の実施形態において、アルドール縮合反応は、塩基性触媒の存在下で、飽和カルボン酸をアルデヒド共反応物質と選択的に反応させる仕上げリアクターにおいて用いられて、飽和カルボン酸の不飽和付加物を得る。特許文献において教唆され、商業的に実施されるようなアルドール縮合反応(LuciteのAlphaプロセスにより、メチルメタクリレートを製造するためのホルムアルデヒドとのメチルプロピオネート縮合)は、酸素の存在下で行われず、従って、この反応はアルカン酸化反応に対してその場以外で、仕上げリアクター中で行われなければならない。アルドール縮合は、C−C結合の形成を可能にし、その結果、より高い分子量の酸を有する付加物が得られる。従って、これらの、より高い分子量種は不飽和カルボン酸からより容易に分離することができる。さらに、アルデヒド前駆体は、アルデヒドの代わりにアルドール縮合に供給することができる。好適なホルムアルデヒド前駆体は、例えば、これに限定されないが、水性メチラールおよびヘキサメチレンテトラアミンを包含する。アルドール縮合反応のための好適な塩基性触媒は、これに限定されないが:シリカに担持されたCs、Nb、およびSbの酸化物;シリカに担持されたSnCl;およびアルミノシリケートを包含する。
PAをAAから除去するために前記実施形態を行う1つの手段において、PA不純物をホルムアルデヒドと反応させて、メタクリル酸を形成する。この手段は、プロパンの酸化により生成するもう一つ別の不純物である酢酸がホルムアルデヒドとのアルドール縮合を受けてAAを形成するというさらなる利点を有する。従って、AA、PA、および酢酸を含む粗AA流れを、アルドール縮合プロセスに付すことができ、酢酸を除去するための典型的な粗AAの蒸留を回避できる。
本発明のもう一つ別の態様において、AA中のPAの相対的揮発性を増大させるためにオレフィン−金属イオン錯体形成が使用される、吸着蒸留プロセスにより、PAはAAから分離される。全ての実用的目的に関して、通常の工業的アクリル酸精製カラムにおいて、アクリル酸およびプロピオン酸は同時に蒸留されるが;共蒸留は必要不可欠ではない。本発明において、カラムを上昇するアクリル酸(オレフィン部分を含有するオキシゲネート(oxygenate))の動きを遅らせる活性パッキングを有する充填蒸留カラムは、プロピオン酸(NBP=141.1℃;オーバーヘッドカット)のアクリル酸(NBP=141.6℃;ボトムカット)からの分離を向上させる。共沸混合物のブレイキング(breaking)などの困難な分離に作用するために、固定活性パッキングを用いる吸着蒸留プロセスは、当業者に周知である。本発明のための好適な活性パッキングは、アクリル酸との選択的可逆性相互作用を示すものを包含する。ある遷移金属、特に銀はオレフィンとの錯体を形成し、この挙動はクロマトグラフィー法を用いた様々な不飽和度を有する脂肪酸を分離するために使用される。同様に、オレフィン錯体形成は、吸収プロセス、例えば、エタン−エチレン混合物からのエチレンの選択的吸収のための銀および銅イオンの使用、において使用される。しかしながら驚くべきことに、オレフィン錯体を形成する金属を含有するか、またはその表面上に前記金属が分布した高表面積活性パッキングで充填された蒸留カラムを、アクリル酸およびプロピオン酸を含む流れからプロピオン酸を分離するために使用できる。かかる金属は、これに限定されないが、20より上の原子番号を有する元素の周期律表の遷移金属を包含する。これらの金属に含まれるのは、原子番号21から29を有する第一遷移系列の金属、例えば、クロム、銅、特に第一銅イオン、マンガンおよび鉄族金属、例えば、ニッケルおよび鉄を包含する。他の有用な錯体形成金属は、第二および第三遷移系列、すなわち、原子番号39〜47または57〜79を有するもの、ならびに水銀、特に第二水銀イオンである。従って、貴金属、例えば、銀、金および白金族(白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびオスミウムが含まれる)を用いることができる。第二および第三遷移系列の有用な卑金属は、例えば、モリブデン、タングステンおよびレニウムを包含する。これらの錯体形成金属の様々な組み合わせを本発明において、他の非金属または非錯体形成金属カチオンの存在下または不在下のいずれかで用いることもできる。
本発明のもう一つ別の態様において、ルイス塩基が酸と錯体形成する抽出蒸留プロセスによりPAがAAから分離される。AA(pKa=4.26)はPA(pKa=4.88)より酸性が高く、ルイス塩基はしたがってAAと優先的に錯体形成する。ルイス塩基、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ブチロラクトン、またはジメチルアセトアミドが蒸留カラムにAAおよびPAを含むフィードとともに同時供給される場合、さらに多くの酸−塩基複合体がAAとともに形成され、AAの揮発性はPAと比較して減少する。AAを次にPAから分離し、これによりAA純度が増大する。
比較例1
MoV0.285Te0.21Nb0.17Pd0.01酸化物バルク組成(X線蛍光により測定)を有するバルク粉体混合金属酸化物(MMO)触媒を合成し、プレスして、14から20メッシュ粒子サイズの粒子にした。4ccの不活性カーボランダムパッキングと混合された4.43gのMMO触媒を含む長さ4cmの触媒床を、直径1.27cm、長さ1.16mのステンレス鋼プラグフロー管状リアクターに装填し、中心に置いた。リアクターチューブの残りの容積に不活性カーボランダムパッキングを装填した。
その中にリアクターチューブが取り付けられた、触媒床のまわりの環状電気炉によりリアクターを加熱した。炉の内径および長さは、それぞれ4.128cmおよび30.48cmであった。リアクターチューブと炉の内部表面間の環状空間中に取り付けられた熱電対により炉温度を測定した。床温度の測定のために、リアクターチューブ内のサーモウェル中にも可動性熱電対を取り付けた。
7.0%プロパン、70.0%空気、および23%水を含む蒸気フィードをリアクターに80立方センチメートル/分の全流速で供給した。凝縮性流出物(例えば、アクリル酸、酢酸、およびプロピオン酸)および非凝縮性流出物(酸素、窒素、および炭素酸化物)の分析を当業者に周知のガスクロマトグラフィー法により行った。
反応を300〜344℃の範囲の炉温度で、各温度条件について少なくとも3.5時間の定常状態期間で行った。結果として得られたアクリル酸収率(Y)、プロピオン酸濃度([PA])、および炭素アカウンタビリティーは次のように計算された:
Figure 0005094459
*プロパン、プロピレン、アクリル酸、酢酸、プロピオン酸、一酸化炭素、および二酸化炭素を包含する全ての主要な炭素質種の合計についてのリアクター流出物のガスクロマトグラフィー分析により定量化。
SRI Instruments タイプ8610C ガスクロマトグラフを用いてリアクター流出物を分析した。O、N、CO、CO、プロパンおよびプロピレンを包含する非凝縮性ガスを、直列モレキュラシーブ5A(91.4cm×0.318cm直径)およびシリカゲル(182.9cm×0.318cm直径)充填カラムにより分離し;これらのガスの検出は、熱伝導性によった。カーボワックスキャピラリーカラム(30m×0.53mm直径、1.2μmフィルム)を用いて流出物液体(例えば、酢酸、プロピオン酸、およびアクリル酸)を分離し、炎イオン化により検出した。
結果を表2に示す。
Figure 0005094459
実施例1
FeP1.75.8バルク組成(X線蛍光により測定)を有するバルク粉体リン酸鉄触媒を合成し、プレスして14〜20メッシュ粒子の粒子にした。
二段階触媒床を比較例1において記載されたのと同じデザインのステンレス鋼プラグフロー管状リアクター中に装填した。第一触媒段階は、4ccの不活性カーボランダムパッキングと混合された4.47gのMMO触媒を含む長さ4cmの触媒床であった。この実験(実施例1)において用いられるMMOサンプルは、比較例1に関して製造された同じ触媒バッチの新しいアリコートであった。第二の触媒段階は、ニートな1.7gのリン酸鉄触媒床を含んでいた。第一段階触媒床をリアクターチューブの長さ方向にも中心になるようにリアクターチューブに装填し、第二段階を第一段階の直後に配置し、すなわち、2つの触媒段階は互いに接触していた。リアクターチューブの残りの容積に不活性カーボランダムパッキングを装填した。
7.0%プロパン、70.0%空気、および23%水を含む蒸気フィードを80立方センチメートル/分の全流速でリアクターに供給した。フィードはまず第一触媒段階(MMO触媒およびカーボランダムパッキングを含む)と接触し、酸化反応の生成物は第一段階を出て、直ちに第二触媒段階(ニートなリン酸鉄触媒を含む)に入った。
反応を300から342℃の範囲の炉温度で、各温度条件について少なくとも3.5時間の定常状態期間で行った。結果として得られるプロパンに関するアクリル酸収率、およびアクリル酸基準のプロピオン酸の濃度を比較例1において定義されたとおりに計算した。実施例1の結果を表3に示す。
Figure 0005094459
実施例2
CsMo12PAsV0.2Cu0.2Sb0.1酸化物バルク組成を有するバルク粉体混合金属酸化物触媒を合成し、プレスして、14〜20メッシュの粒子サイズの粒子にした。
この触媒を、実施例1において示されたものと類似した実験において第二触媒段の代わりに使用した。CsMo12PAsV0.2Cu0.2Sb0.1酸化物触媒のニートな2.4g装填をこの場合に使用した。
プロパン酸化反応を実施例1における手順と同じように行った。実施例2の結果を表4に示す。
Figure 0005094459
実施例3
アルデヒドとのアルドール縮合反応により生成物AA流れからPAを除去する。
AAはプロパンまたはプロピレンの選択的気相酸化により得られ、この選択的気相酸化は、これらの選択的部分酸化の典型的な構成成分(例えば、酸化およびフィード水蒸気の水、未変換の酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素および副反応生成物)に加えて、アクリル酸、酢酸およびプロピオン酸を含有する酸化生成物を得るために当業者に周知の触媒を使用する。
公知の分離技術、例えば、酸を水中に吸収させ、続いて酸を溶媒中に抽出するか、または酸を溶媒中に直接吸収させることにより、生成物ガスから酸が単離される。次いで、軽溶媒の場合は、溶媒を酸/溶媒混合物から蒸留し、あるいは重溶媒の場合は、酸を酸/溶媒混合物から蒸留することにより、実質的に水を含まない生成物酸流れが得られる。
結果として得られる実質的に水を含まない生成物酸流れを次に気化させ、アルデヒド、たとえば、ホルムアルデヒドとともにアルドール縮合リアクターに供給する。アルドール縮合リアクターは、当業者に公知のように触媒気相アルドール縮合を行うために設計されている。好適な触媒は、シリカ上に担持されたナトリウム、カリウム、セシウム、およびニオブの酸化物を含む。
アルドール縮合反応が、飽和炭素−炭素結合を有する種とアルデヒド間で起こり、不飽和付加物を形成するので、アルドール縮合リアクターに供給されたアクリル酸は、予想されるように未反応のままプロセスを通過する。従って、飽和脂肪酸が変換される。ホルムアルデヒドがアルデヒドである場合、酢酸およびPAがそれぞれAAおよびメタクリル酸に変換される。酢酸から形成されるAAはプロセス収率を向上させる。プロピオン酸から形成されるメタクリル酸は、蒸留(ボトム生成物として)によりアクリル酸から除去されうるか、または不純物(ポリマー最終用途の場合は、共重合性のもの)として許容されうる。
比較例2
5000ppmのPA(NBP 141.1℃)、ならびに数重量パーセントの低沸点成分(例えば、酢酸;NBP 118.5℃)および数重量パーセントの高沸点成分(例えば、アクリルオキシプロピオン酸)を含有するAA(NBP 141.6℃)の流れを、不活性物質(例えば、セラミックRaschigリングまたはサドル)で充填された単純蒸留カラムの下部に供給する。目的は、等量のAAおよび低沸点物質を用いてオーバーヘッドでそれを蒸留することによりPAのレベルを約10倍減少させること、およびAAおよび高沸点物質をボトム生成物として回収することである。PA/AA相対揮発度を約1.01と仮定して、分離を行うために必要な最小パッキング高さは約800の理論段数に等しく、AA分離の目的は非現実的になる。
前記の通常の沸点は、CRC「Handbook of Chemistry and Physics」から入手した。他の供給源、例えばDIPPR(AIChEにより提供されるDesign Institute for Physical Property Data)は、アクリル酸とプロピオン酸間のちょうど正反対方向のごく僅かの差を示唆している。これは、単純蒸留による分離が困難であることを強調する。全ての実用目的に関して、通常の工業的AA精製カラムにおいて、AAおよびPAは共蒸留する(co−distill)。
実施例4
Rohm and Haas CompanyのAmberlyst(商標)15樹脂(スルホン酸官能性(4.9meq/g)を有する強酸性マクロ網状イオン交換樹脂)を硝酸銀水溶液で処理して、樹脂を酸形態から銀イオン形態に変換する。変換された樹脂を水ですすぎ、真空オーブン中で乾燥する。
比較例2と同様の、5000ppmのPAならびに数重量パーセントの低沸点成分(例えば、酢酸)および数重量パーセントの高沸点成分(例えば、アクリルオキシプロピオン酸)を含有するアクリル酸の流れを、Ag形態Amberlyst15で充填された蒸留カラムの上部に供給する。パッキング高さは非官能化樹脂の100の理論段数に等しい。カラムを1000の還流比で、等量のAAおよび低沸点物質を用いてオーバーヘッドでそれを蒸留し、アクリル酸および高沸点物質をボトム生成物として回収することにより、PAレベルを約10倍減少させる目的で操作する。低沸点物質およびPAの実質的な部分をオーバーヘッドで得る。プロピオン酸含量が減少したAAをボトム流れとして回収する。
比較例3
気−液平衡データを二元イソ酪酸(IBA)およびメタクリル酸(MAA)系について、当業者に周知の方法、例えば、Vapor−Liquid Equilibrium Data Collection,J.Gmehlingら、DECHEMA Chemistry Data Series、第I巻、40部、DECHEMA、Frankfurt,第1巻 1977に記載されているものを用いて実験的に入手した。これらのデータから、全還流での理論蒸留段の最小数を、MMAフィード中の2モル%IBA、5モル%MAAを含有するオーバーヘッドIBA流れ、および0.01モル%未満のIBAを含有するボトムMAA流れについてFenske式から計算した。理論段数の最小数は47であった。
実施例5
気−液平衡データを、3成分IBA、MAAおよびジメチルスルホキシド(DMSO)系(DMSO対MAA比は2:1であった)について実験的に得た。これらのデータから、合計還流での理論的蒸留段の最低数を、IBA/MAAデータをDMSO不含基準で計算した以外は比較例3と同じ方法を用いて計算した。理論段数の最小数は27であった。

Claims (3)

  1. アルカンの選択的部分酸化により不飽和カルボン酸生成物を製造する方法であって、
    i 触媒の存在下で、アルカンを酸素または酸素含有ガスと反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸および3000から30000ppm(重量基準)の飽和カルボン酸を含む生成物を生成し;並びに
    ii 飽和カルボン酸をアルデヒドと反応させる飽和カルボン酸のアルドール縮合を行うことによって飽和カルボン酸の少なくとも一部を変換することにより、不飽和カルボン酸生成物中の不純物としての飽和カルボン酸の濃度を低下させること;
    む、方法。
  2. アルカンの選択的部分酸化により不飽和カルボン酸生成物を製造する方法であって、
    i 触媒の存在下で、アルカンを酸素または酸素含有ガスと反応させて、少なくとも1種の不飽和カルボン酸および3000から30000ppm(重量基準)の飽和カルボン酸を含む生成物を生成し;並びに
    ii 吸着蒸留により飽和カルボン酸の少なくとも一部を分離することにより、不飽和カルボン酸生成物中の不純物としての飽和カルボン酸の濃度を低下させること;
    を含む、方法。
  3. プロパンの選択的部分酸化によりアクリル酸生成物を製造する方法であって、
    i 触媒の存在下で、プロパンを酸素または酸素含有ガスと反応させて、アクリル酸および3000から30000ppm(重量基準)のプロピオン酸を含む生成物を生成し;並びに
    ii (1)ルイス塩基をアクリル酸と錯体形成させおよび(2)ルイス塩基と錯体形成したアクリル酸をプロピオン酸から分離する抽出蒸留プロセスを行うことによってアクリル酸の少なくとも一部を分離することにより、アクリル酸生成物中の不純物としてのプロピオン酸の濃度を低下させること;
    を含、方法。
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