JP5093677B2 - 皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法及び装置 - Google Patents

皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を精度良く測定する方法及び装置に関する。
従来より、鋼板等の基材上に設けられた皮膜の付着量を測定する方法として、皮膜固有の特性吸収が生じる波長帯域の赤外光を皮膜に入射させ、当該赤外光の吸光度と皮膜の付着量との相関関係から、皮膜の付着量を算出する方法が知られている。以下、図1を参照しつつ、従来の皮膜付着量測定方法について具体的に説明する。
図1に示すように、従来の皮膜付着量測定方法においては、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光と、皮膜の特性吸収が生じない2つの第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)を順次皮膜に入射させる。この際、皮膜に入射する赤外光は、偏光子を介してp偏光(赤外光の電気ベクトルの振動方向が入射面内に含まれる直線偏光)に変換されている。
次に、従来の皮膜付着量測定方法においては、皮膜に入射した各波長帯域の赤外光の反射強度を測定する。一方、殆ど赤外光を吸収しない平坦なAuミラーについても、上記と同じ各波長帯域の赤外光を入射させ、各波長帯域の赤外光の反射強度を予め測定しておく。そして、下記の式(1)〜(3)に示すように、Auミラーに入射した各波長帯域の赤外光の反射強度に対する皮膜に入射した各波長帯域の赤外光の反射強度の比率に基づき、各波長帯域の赤外光の吸光度(実測吸光度)を算出する。
Figure 0005093677

上記の式(1)において、SIG’(λSIG)は、皮膜の特性吸収が生じる中心波長λSIGの第1波長帯域の赤外光の吸光度(実測吸光度)を意味する。BG1’(λBG1)は、皮膜の特性吸収が生じない中心波長λBG1の第2波長帯域の赤外光の吸光度(実測吸光度)を意味する。BG2’(λBG2)は、皮膜の特性吸収が生じない中心波長λBG2の第2波長帯域の赤外光の吸光度(実測吸光度)を意味する。
次に、従来の皮膜付着量測定方法においては、皮膜の特性吸収が生じない2つの第2波長帯域の赤外光の実測吸光度BG1’(λBG1)及びBG2’(λBG2)に基づいて、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域(中心波長λSIGの帯域)における皮膜の特性吸収以外の要因(基材や皮膜の表面粗さや、測定雰囲気の湿度など)に起因する赤外光の吸光度(バックグランド吸光度)を推定する。具体的には、皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光の吸光度は、赤外光の波長に対して直線的に変化するという前提の下、下記の式(4)に示すように、実測吸光度BG1’(λBG1)及びBG2’(λBG2)を外挿して、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域のバックグランド吸光度BG’(λSIG)を算出する。
Figure 0005093677
最後に、従来の皮膜付着量測定方法においては、下記の式(5)に示すように、皮膜の特性吸収が生じる中心波長λSIGの第1波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG’(λSIG)からバックグランド吸光度BG’(λSIG)を減算することにより、第1波長帯域における皮膜の特性吸収に起因する赤外光の吸光度(実質吸光度)を算出する。
Figure 0005093677

そして、上記の実質吸光度と皮膜の付着量との相関関係を予め取得しておき、この相関関係と、付着量未知の皮膜に対して算出した上記の実質吸光度とに基づき、当該付着量未知の皮膜の付着量を算出する。
一方、従来より、自動車の内外板として使用される合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、適宜、「GA鋼板」という)の成形性(表面の摺動性)を改善することを主目的とし、GA鋼板上に皮膜(例えば、リン酸亜鉛系の皮膜)を設けた皮膜付きGA鋼板が知られている(例えば、特許文献1参照)。この皮膜付きGA鋼板の皮膜付着量は、当該鋼板の成形性やスポット溶接時の連続打点性に影響を及ぼすため、所定の範囲内に制御することが重要である。そして、皮膜付着量を所定の範囲内に制御するため、皮膜付着量を精度良く測定することが望まれている。
上記皮膜付きGA鋼板の皮膜付着量を測定する方法として、前述したように、皮膜固有の特性吸収が生じる第1波長帯域の赤外光(p偏光)を皮膜に入射させ、当該赤外光の吸光度と皮膜の付着量との相関関係から、皮膜の付着量を算出する方法を適用することが考えられる。
特開2005−54203号公報
しかしながら、GA鋼板は、その表面粗さが大きいため、GA鋼板上に設けられる皮膜の表面粗さも大きくなる。このため、皮膜に入射した赤外光の反射強度は、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの影響を受けやすい。また、GA鋼板毎の表面粗さのバラツキも大きいため、GA鋼板上に設けられる皮膜の表面粗さのバラツキも大きくなる。このため、皮膜に入射した赤外光の反射強度は、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて大きく変動する。
前述のように、従来の皮膜付着量測定方法においては、平坦なAuミラーに入射した赤外光の反射強度に対する皮膜に入射した赤外光の反射強度の比率に基づき、赤外光の実測吸光度SIG’(λSIG)、BG1’(λBG1)及びBG2’(λBG2)を算出する。平坦なAuミラーに入射した赤外光の反射強度は、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの変化には何ら影響を受けない一方、皮膜に入射した赤外光の反射強度は、前述のように、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて大きく変動する。従って、赤外光の実測吸光度は、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて大きく変動することになる。
実測吸光度BG1’(λBG1)及びBG2’(λBG2)が大きく変動すれば、これらの実測吸光度に基づいて推定されるバックグランド吸光度BG’(λSIG)も大きく変動することになり、実測吸光度SIG’(λSIG)からバックグランド吸光度BG’(λSIG)を減算することにより算出される実質吸光度も大きく変動することになる。すなわち、皮膜の付着量が一定であったとしても、GA鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて、実質吸光度にバラツキが生じることになり、結果的に皮膜の付着量を精度良く測定することができないという問題がある。
また、皮膜に入射した赤外光の反射強度を測定するときの測定雰囲気の湿度が変化すると、皮膜に入射した赤外光の反射強度は、この湿度変化の影響を受けて変動する。一方、Auミラーに入射した赤外光の反射強度は、Auミラーに入射した赤外光の反射強度を測定するときの測定雰囲気の湿度が一定である限り、変動しない。従って、赤外光の実測吸光度は、皮膜に入射した赤外光の反射強度を測定するときの測定雰囲気の湿度変化の影響を受けて変動することになる。このため、バックグランド吸光度、実質吸光度も、測定雰囲気の湿度変化の影響を受けて変動し、結果的に皮膜の付着量を精度良く測定することができないという問題もある。
本発明は、斯かる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を精度良く測定する方法及び装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定する方法であって、以下の第1〜第5ステップを含むことを特徴とする。
(1)第1ステップ
前記皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域の赤外光と、前記皮膜の特性吸収が生じない2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度及びs偏光の反射強度を測定する。
(2)第2ステップ
前記第1ステップで測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光の反射強度の比率に基づき、前記各波長帯域の赤外光の実測吸光度を算出する。
(3)第3ステップ
前記第2ステップで算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光のバックグランド吸光度を推定する。
(4)第4ステップ
前記第2ステップで算出した前記第1波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記第3ステップで推定した前記第1波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収に起因する赤外光の実質吸光度を算出する。
(5)第5ステップ
予め取得した前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度と前記皮膜の付着量との相関関係と、前記第4ステップで算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度とに基づき、前記皮膜の付着量を算出する。
赤外光のp偏光の反射強度は、皮膜の特性吸収の影響を受けるのに対して、赤外光のs偏光(赤外光の電気ベクトルの振動方向が入射面に垂直な直線偏光)の反射強度は、皮膜の特性吸収の影響を殆ど受けないことが知られている。一方、赤外光のp偏光の反射強度及びs偏光の反射強度の双方が、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化や、測定雰囲気の湿度変化の影響を受けて変動する。従って、本発明のように、同一の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板についての赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光の反射強度の比率に基づいて実測吸光度を算出すれば(第2ステップ)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化や、測定雰囲気の湿度変化の影響が緩和されて高精度に実測吸光度を算出可能である。ひいては、バックグランド吸光度、実質吸光度を高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量を精度良く測定することが可能である。
なお、本発明の第1ステップにおいては、皮膜に入射させる前に赤外光をp偏光及びs偏光に変換して、各偏光の反射強度を測定しても良いし、或いは、皮膜又は皮膜と合金化溶融亜鉛めっき鋼板との界面で反射した後に赤外光をp偏光及びs偏光に変換して、各偏光の反射強度を測定することも可能である。
また、本発明の第1ステップにおいて皮膜に入射させる2つ以上の第2波長帯域の赤外光としては、全て第1波長帯域の赤外光よりも中心波長が短いか、又は、長い赤外光を選択することが可能である。この場合、第3ステップで推定するバックグランド吸光度は、例えば、各第2波長帯域の赤外光の実測吸光度を外挿することによって算出可能である。或いは、本発明の第1ステップにおいて皮膜に入射させる2つ以上の第2波長帯域の赤外光としては、何れかの赤外光が第1波長帯域の赤外光よりも中心波長が短く、残りの赤外光が第1波長帯域の赤外光よりも中心波長が長いものを選択してもよい。この場合、第3ステップで推定するバックグランド吸光度は、例えば、各第2波長帯域の赤外光の実測吸光度を内挿することによって算出可能である。
さらに、本発明の第4ステップで算出される実質吸光度は、例えば、第1波長帯域の赤外光の実測吸光度からバックグランド吸光度を減算することによって算出される。
好ましくは、前記第1ステップにおいて、それぞれ前記第1波長帯域内に中心波長を有し且つ前記第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度及びs偏光の反射強度を測定し、前記第3ステップにおいて、前記第2ステップで算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度を推定し、前記第4ステップにおいて、前記第2ステップで算出した前記各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記第3ステップで推定した前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出し、該算出した各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を積算することにより、前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出する。
斯かる好ましい方法によれば、第1波長帯域内に中心波長を有し且つ第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光を皮膜に入射させてp偏光の反射強度を測定するため、実測吸光度がピークを示す波長が、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて第1波長帯域内で変動したとしても、何れかの第3波長帯域の赤外光によって、実測吸光度がピークを示す波長に対応するp偏光の反射強度を高感度に測定可能である。これにより、何れかの第3波長帯域の赤外光によって、実質吸光度を高精度に算出可能である。そして、各第3波長帯域における実質吸光度を積算することにより、第1波長帯域における実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能である。
また、前記第1ステップにおいて、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に対してブリュースター角で入射させることが好ましい。
斯かる好ましい方法によれば、赤外光をブリュースター角で入射させることにより、p偏光の皮膜表面での反射が抑制される結果、皮膜表面でのp偏光の反射光と、皮膜と合金化溶融亜鉛めっき鋼板との界面でのp偏光の反射光の干渉が抑制され、p偏光の反射強度をより一層高精度に測定することが可能である。これにより、実測吸光度、バックグランド吸光度、実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能である。
また、前記第1ステップにおいて、前記各波長帯域の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて入射させることが好ましい。
一般的に、測定領域(赤外光の照射領域)内における合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化は、皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向(圧延方向に直交する方向)よりも圧延方向の方が少ない。従って、前記好ましい方法のように、赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて入射させれば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化によるp偏光及びs偏光の反射強度の変動が少なくなる。このため、実測吸光度、バックグランド吸光度、実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能である。
本発明に係る方法は、オフライン測定(切り出した皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板のサンプルについてその皮膜付着量を測定)と、オンライン測定(圧延方向に搬送されている状態の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を連続的に測定)の何れの場合にも適用可能である。オンライン測定に適用する場合には、前記第1ステップにおいて、圧延方向に搬送されている状態の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板からそれぞれ離間して該鋼板に対向配置され、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に入射させて前記各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定するp偏光反射強度測定手段と、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に入射させて前記各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定するs偏光反射強度測定手段とを用いればよい。
好ましくは、前記p偏光反射強度測定手段と前記s偏光反射強度測定手段とは、前記鋼板の幅方向の略同じ位置に配置される。
斯かる好ましい方法によれば、p偏光反射強度測定手段とs偏光反射強度測定手段とを皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向の略同じ位置に配置する(換言すれば、何れか一方の測定手段を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の搬送方向(圧延方向)上流側に配置し、他方の測定手段を略同じ幅方向位置の下流側に配置する)ため、実測吸光度を算出する際に用いるs偏光の反射強度を測定した皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の部位と、p偏光の反射強度を測定した皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の部位とを略合致させることも可能である。これにより、実測吸光度、バックグランド吸光度、実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能である。
一般的に、無機皮膜は、有機皮膜に比べて特性吸収が少ないため、実測吸光度とバックグランド吸光度の差が小さい。従って、実測吸光度及びバックグランド吸光度を精度良く測定できなければ、実質吸光度、ひいては皮膜付着量を精度良く測定できない。このため、本発明に係る方法は、前記皮膜が無機皮膜である場合に特に有効であるといえる。
無機皮膜としては、例えば、P−O結合を含む皮膜や、Si−O結合を含む皮膜が挙げられる。
また、前記課題を解決するため、本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定する装置であって、p偏光反射強度測定手段と、s偏光反射強度測定手段と、信号処理手段とを備え、前記p偏光反射強度測定手段は、前記皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域の赤外光と、前記皮膜の特性吸収が生じない2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定し、前記s偏光反射強度測定手段は、前記第1波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定し、前記信号処理手段は、前記s偏光反射強度測定手段で測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対する前記p偏光反射強度測定手段で測定したp偏光の反射強度の比率に基づき、前記各波長帯域の赤外光の実測吸光度を算出する実測吸光度算出手段と、前記実測吸光度算出手段で算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光のバックグランド吸光度を推定するバックグランド吸光度推定手段と、前記実測吸光度算出手段で算出した前記第1波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記バックグランド吸光度推定手段で推定した前記第1波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収に起因する赤外光の実質吸光度を算出する実質吸光度算出手段と、予め取得した前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度と前記皮膜の付着量との相関関係と、前記実質吸光度算出手段で算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度とに基づき、前記皮膜の付着量を算出する皮膜付着量算出手段とを具備することを特徴とする皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定装置としても提供される。
好ましくは、前記p偏光反射強度測定手段は、前記第1波長帯域内に中心波長を有し且つ前記第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定し、前記s偏光反射強度測定手段は、前記2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定し、前記バックグランド吸光度推定手段は、前記実測吸光度算出手段で算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度を推定し、前記実質吸光度算出手段は、前記実測吸光度算出手段で算出した前記各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記バックグランド吸光度推定手段で推定した前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出し、該算出した各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を積算することにより、前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出する構成とされる。
本発明によれば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を精度良く測定することが可能である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係る皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法及び装置の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係る皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定装置(以下、皮膜付着量測定装置という)の概略構成を説明するブロック図である。図2(a)は皮膜付着量測定装置全体の概略構成を、図2(b)は皮膜付着量測定装置を構成するs偏光反射強度測定手段及びp偏光反射強度測定手段の概略構成を示す。
図2に示すように、皮膜付着量測定装置100は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板Mの皮膜付着量を測定する装置であって、p偏光反射強度測定手段1と、s偏光反射強度測定手段2と、信号処理手段3とを備えている。p偏光反射強度測定手段1及びs偏光反射強度測定手段2は、圧延方向に搬送されている状態の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板Mからそれぞれ離間して該鋼板Mに対向し、該鋼板Mの幅方向(圧延方向と直交する方向)の略同じ位置に配置されている。
p偏光反射強度測定手段1は、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光と、皮膜の特性吸収が生じない2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光とを皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定するように構成されている。
具体的には、図2(b)に示すように、p偏光反射強度測定手段1は、光源11と、回転干渉フィルタ12と、p偏光子13と、検出器14とを具備する。
光源11としては、少なくとも第1波長帯域及び第2波長帯域の赤外光を放射する限りにおいて、その種類は限定されないが、例えば、セラミック光源などが用いられる。
回転干渉フィルタ12は、第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光を透過させる第1の干渉フィルタと、一方の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域)の赤外光を透過させる第2の干渉フィルタと、他方の第2波長帯域(中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光を透過させる第3の干渉フィルタを具備する。これら第1〜第3の干渉フィルタは、所定の軸周りに配置されている。前記軸を回転させて、第1〜第3の干渉フィルタを前記軸周りに回転させることにより、光源11から放射された赤外光は、第1〜第3の干渉フィルタに順次入射する。これにより、第1波長帯域の赤外光と、2つの第2波長帯域の赤外光とが、順次p偏光子13に向けて出射する。
p偏光子13は、回転干渉フィルタ12から順次入射された第1波長帯域の赤外光と、2つの第2波長帯域の赤外光とをp偏光に変換し、皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板Mの皮膜に向けて出射する。
検出器14は、皮膜に入射した各波長帯域の赤外光(p偏光)Liの反射光Lrを受光し、その強度(反射強度)に応じた電気信号を信号処理手段3に出力する。検出器14としては、少なくとも第1波長帯域及び第2波長帯域の赤外光に感度を有する限りにおいて、その種類は限定されないが、例えば、水銀−カドミウム−テルルの合金を素子とする半導体型検出器などが用いられる。
以上の構成を有するp偏光反射強度測定手段1により、前述のように、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光と、皮膜の特性吸収が生じない2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光とが皮膜に入射され、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度が測定される。
s偏光反射強度測定手段2は、光源21と、回転干渉フィルタ22と、s偏光子23と、検出器24とを具備する。s偏光反射強度測定手段2は、p偏光子13の代わりにs偏光子(入射された赤外光をs偏光に変換して出射する偏光子)23を具備する点を除き、p偏光反射強度測定手段1と同様の構成を有する。すなわち、s偏光反射強度測定手段2の光源21、回転干渉フィルタ22及び検出器24は、それぞれp偏光反射強度測定手段1の光源11、回転干渉フィルタ12及び検出器14と同様の構成を有する。
以上の構成を有するs偏光反射強度測定手段2により、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光と、皮膜の特性吸収が生じない2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域の赤外光(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)とが皮膜に入射され、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度が測定される。
信号処理手段3は、実測吸光度算出手段31と、バックグランド吸光度推定手段32と、実質吸光度算出手段33と、皮膜付着量算出手段34とを具備する。信号処理手段3は、例えば、上記各手段31〜34の機能を奏するソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピュータから構成される。
実測吸光度算出手段31は、下記の式(6)〜(8)に示すように、s偏光反射強度測定手段2で測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光反射強度測定手段1で測定したp偏光の反射強度の比率に基づき、前記各波長帯域の赤外光の実測吸光度を算出する。
Figure 0005093677

上記の式(6)において、SIG(λSIG)は、皮膜の特性吸収が生じる中心波長λSIGの第1波長帯域の赤外光の実測吸光度を意味する。BG1(λBG1)は、皮膜の特性吸収が生じない中心波長λBG1の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度を意味する。BG2(λBG2)は、皮膜の特性吸収が生じない中心波長λBG2の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度を意味する。
なお、図1を参照して前述したように、従来の皮膜付着量測定方法では、Auミラーに入射した各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を用いて、各波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG’(λSIG)、BG1’(λBG1)及びBG2’(λBG2)を算出している(式(1)〜(3))。これに対し、本発明は、上記のように、s偏光反射強度測定手段2で測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を用いて、各波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG(λSIG)、BG1(λBG1)及びBG2(λBG2)を算出している点で、従来方法と相違する。換言すれば、本発明は、実測吸光度の算出方法が異なる点を除き、後述のように、従来方法と同様の方法で、バックグランド吸光度を推定し、実質吸光度を算出する。
バックグランド吸光度推定手段32は、実測吸光度算出手段31で算出した2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度BG1(λBG1)及びBG2(λBG2)に基づいて、第1波長帯域における皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光のバックグランド吸光度を推定する。具体的には、皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光の吸光度は、赤外光の波長に対して直線的に変化するという前提の下、下記の式(9)に示すように、実測吸光度BG1(λBG1)及びBG2(λBG2)を外挿して、皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域のバックグランド吸光度BG(λSIG)を算出する。
Figure 0005093677
実質吸光度算出手段33は、実測吸光度算出手段31で算出した第1波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG(λSIG)と、バックグランド吸光度推定手段32で推定した第1波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度BG(λSIG)とに基づいて、第1波長帯域における皮膜の特性吸収に起因する赤外光の実質吸光度を算出する。具体的には、下記の式(10)に示すように、実測吸光度SIG(λSIG)からバックグランド吸光度BG(λSIG)を減算することにより、実質吸光度を算出する。
Figure 0005093677
皮膜付着量算出手段34は、予め取得して記憶された第1波長帯域の赤外光の実質吸光度と皮膜の付着量との相関関係(検量線)と、実質吸光度算出手段33で算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度とに基づき、皮膜の付着量を算出する。
以上に説明した本実施形態に係る皮膜付着量測定装置100を用いた皮膜付着量測定方法によれば、同一の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板Mについての赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光の反射強度の比率に基づいて実測吸光度を算出するため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化や、測定雰囲気の湿度変化の影響が緩和されて高精度に実測吸光度を算出可能である。ひいては、バックグランド吸光度、実質吸光度を高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量を精度良く測定することが可能である。
以下、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置100を用いた皮膜付着量測定方法によって、P−O結合を含むリン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例について説明する。なお、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定するに際し、リン酸亜鉛系皮膜に含まれるP−O結合に起因した特性吸収が生じる第1波長帯域の中心波長としてλSIG=8.8μmを選択し、上記特性吸収が生じない2つの第2波長帯域の中心波長としてλBG1=7.6μm、λBG2=8.2μmを選択した。
図3は、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置100を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。図3(a)は、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光の実質吸光度(式(10)参照)と、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係(検量線)を示し、図3(b)は、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)と、本実施形態に係る皮膜付着量測定方法によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係を示す。なお、図3に示す例では、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)及び第2波長帯域(中心波長λBG1=7.6μm、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2=8.2μm、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて、皮膜に対してブリュースター角(約57°)で入射させた。
図4は、前述した従来の皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。図4(a)は、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光の実質吸光度(式(5)参照)と、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係(検量線)を示し、図4(b)は、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)と、従来の皮膜付着量測定方法によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係を示す。なお、図4に示す例でも、図3に示す例と同様に、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)及び第2波長帯域(中心波長λBG1=7.6μm、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2=8.2μm、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて、皮膜に対してブリュースター角(約57°)で入射させた。
従来の皮膜付着量測定方法によれば、図4に示すように、皮膜付着量の測定精度がσ=13.26mg/mであるのに対し、本実施形態に係る皮膜付着量測定方法によれば、図3に示すように、皮膜付着量の測定精度がσ=8.88mg/mであり、皮膜付着量を精度良く測定可能であることが分かる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る皮膜付着量測定装置は、図2を参照して前述した第1実施形態に係る皮膜付着量測定装置100と同様の概略構成を有し、p偏光反射強度測定手段1と、s偏光反射強度測定手段2と、信号処理手段3とを備えている。しかしながら、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置は、p偏光反射強度測定手段1、s偏光反射強度測定手段2及び信号処理手段3の詳細な構成が、第1実施形態に係る皮膜付着量測定装置100と相違点を有する。以下、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置について、主として、第1実施形態との相違点について説明する。
本実施形態に係るp偏光反射強度測定手段1は、第1波長帯域(中心波長λSIG、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)内に中心波長を有し且つ第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域(中心波長λSIGi、帯域幅ΔλSIGi=0.04λSIGiの波長帯域(i=1〜m、m≧2))の赤外光と、2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光とを皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定するように構成されている。
具体的には、本実施形態に係るp偏光反射強度測定手段1が具備する回転干渉フィルタ12は、各第3波長帯域(中心波長λSIGi、帯域幅ΔλSIGi=0.04λSIGiの波長帯域(i=1〜m、m≧2))の赤外光をそれぞれ透過させる2つ以上の第1の干渉フィルタと、一方の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域)の赤外光を透過させる第2の干渉フィルタと、他方の第2波長帯域(中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光を透過させる第3の干渉フィルタを具備する。これら第1〜第3の干渉フィルタは、所定の軸周りに配置されている。前記軸を回転させて、第1〜第3の干渉フィルタを前記軸周りに回転させることにより、光源11から放射された赤外光は、第1〜第3の干渉フィルタに順次入射する。これにより、2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、2つの第2波長帯域の赤外光とが、順次p偏光子13に向けて出射する。そして、回転干渉フィルタ12から順次入射された2つ以上の第3波長帯域の赤外光と2つの第2波長帯域の赤外光とが、p偏光子13によってp偏光に変換された後、皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板Mの皮膜に入射される。皮膜に入射した各波長帯域の赤外光(p偏光)の反射光が検出器14によって受光され、その反射強度に応じた電気信号が信号処理手段3に出力される。
本実施形態に係るs偏光反射強度測定手段2は、p偏光子13の代わりにs偏光子23を具備する点を除き、前述した本実施形態に係るp偏光反射強度測定手段1と同様の構成を有する。本実施形態に係るs偏光反射強度測定手段2により、2つ以上の第3波長帯域(中心波長λSIGi、帯域幅ΔλSIGi=0.04λSIGiの波長帯域(i=1〜m、m≧2))の赤外光と、2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域(中心波長λBG1、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光とが皮膜に入射され、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度が測定される。
本実施形態に係る信号処理手段3が具備する実測吸光度算出手段31は、下記の式(11)に示すように、s偏光反射強度測定手段2で測定した各第3波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光反射強度測定手段1で測定したp偏光の反射強度の比率に基づき、各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG(λSIGi)を算出する。また、本実施形態に係る実測吸光度算出手段31は、第1実施形態と同様に、前述した式(7)、(8)に示すように、第2波長帯域の赤外光の実測吸光度BG1(λBG1)、BG2(λBG2)を算出する。
Figure 0005093677
本実施形態に係る信号処理手段3が具備するバックグランド吸光度推定手段32は、実測吸光度算出手段31で算出した2つ以上(本実施形態では、2つ)の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度BG1(λBG1)及びBG2(λBG2)に基づいて、各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度を推定する。具体的には、皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光の吸光度は、赤外光の波長に対して直線的に変化するという前提の下、下記の式(12)に示すように、実測吸光度BG1(λBG1)及びBG2(λBG2)を外挿して、皮膜の特性吸収が生じる各第3波長帯域のバックグランド吸光度BG(λSIGi)を算出する。
Figure 0005093677
本実施形態に係る信号処理手段3が具備する実質吸光度算出手段33は、実測吸光度算出手段31で算出した各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度SIG(λSIGi)と、バックグランド吸光度推定手段32で推定した各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度BG(λSIGi)とに基づいて、各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出する。具体的には、下記の式(13)に示すように、実測吸光度SIG(λSIGi)からバックグランド吸光度BG(λSIGi)を減算することにより、各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度(λSIGi)を算出する。
Figure 0005093677
次に、本実施形態に係る実質吸光度算出手段33は、下記の式(14)に示すように、上記のようにして算出した各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度(λSIGi)を積算することにより、第1波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出する。
Figure 0005093677
本実施形態に係る信号処理手段3が具備する皮膜付着量算出手段34は、第1実施形態と同様に、予め取得して記憶された第1波長帯域の赤外光の実質吸光度(式(14)で表される実質吸光度)と皮膜の付着量との相関関係(検量線)と、実質吸光度算出手段33で算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度(式(14)で表される実質吸光度)とに基づき、皮膜の付着量を算出する。
以上に説明した本実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によれば、第1波長帯域内に中心波長を有し且つ第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光を皮膜に入射させてp偏光の反射強度を測定するため、実測吸光度がピークを示す波長が、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化の影響を受けて第1波長帯域内で変動したとしても、何れかの第3波長帯域の赤外光によって、実測吸光度がピークを示す波長に対応するp偏光の反射強度を高感度に測定可能である。これにより、何れかの第3波長帯域の赤外光によって、実質吸光度を高精度に算出可能である。そして、各第3波長帯域における実質吸光度を積算することにより、第1波長帯域における実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能である。
以下、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、P−O結合を含むリン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例について説明する。なお、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定するに際し、リン酸亜鉛系皮膜に含まれるP−O結合に起因した特性吸収が生じる第1波長帯域の中心波長としてλSIG=8.8μmを選択し、上記特性吸収が生じない2つの第2波長帯域の中心波長としてλBG1=7.6μm、λBG2=8.2μmを選択した。そして、第1波長帯域内に中心波長を有する4つの第3波長帯域の中心波長としてλSIG1=8.7μm、λSIG2=8.8μm、λSIG3=8.9μm、λSIG4=9.0μmを選択した。
図5は、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。図5(a)は、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光の実質吸光度(式(14)参照)と、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係(検量線)を示し、図5(b)は、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)と、本実施形態に係る皮膜付着量測定方法によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係を示す。なお、図5に示す例では、第3波長帯域(中心波長λSIG1=8.7μm、帯域幅ΔλSIG1=0.04λSIG1の波長帯域と、中心波長λSIG2=8.8μm、帯域幅ΔλSIG2=0.04λSIG2の波長帯域と、中心波長λSIG3=8.9μm、帯域幅ΔλSIG3=0.04λSIG3の波長帯域と、中心波長λSIG4=9.0μm、帯域幅ΔλSIG4=0.04λSIG4の波長帯域)及び第2波長帯域(中心波長λBG1=7.6μm、帯域幅ΔλBG1=0.08λBG1の波長帯域と、中心波長λBG2=8.2μm、帯域幅ΔλBG2=0.08λBG2の波長帯域)の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて、皮膜に対してブリュースター角(約57°)で入射させた。
図5に示すように、本実施形態に係る皮膜付着量測定方法によれば、皮膜付着量の測定精度がσ=7.31mg/mであり、図3に示す結果に比べて、皮膜付着量をより一層精度良く測定可能であることが分かる。
図6は、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の他の例を示すグラフである。図6(a)は、第1波長帯域(中心波長λSIG=8.8μm、帯域幅ΔλSIG=0.08λSIGの波長帯域)の赤外光の実質吸光度(式(14)参照)と、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係(検量線)を示し、図6(b)は、蛍光X線分析によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)と、本実施形態に係る皮膜付着量測定方法によって測定した皮膜の付着量(Pの付着量)との相関関係を示す。なお、図6に示す例では、第3波長帯域及び第2波長帯域の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向(圧延方向と直交する方向)に向けて入射させた点のみが、図5に示す例と異なり、その他の点は図5に示す例と同じ条件で皮膜付着量を測定した。
図6に示す例では、皮膜付着量の測定精度がσ=10.48mg/mであり、図4に示す従来の皮膜付着量測定方法に比べて精度良く測定可能であるものの、図5に示す例よりも測定精度が低下することが分かる。これは、一般的に、測定領域(赤外光の照射領域)内における合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化は、皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向の方が圧延方向よりも大きいことが原因であると考えられる。従って、図5に示す例のように、赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて入射させれば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び皮膜の表面粗さの変化によるp偏光及びs偏光の反射強度の変動が少なくなり、実測吸光度、バックグランド吸光度、実質吸光度をより一層高精度に算出でき、結果的に皮膜付着量の算出精度をより一層高めることが可能であるといえる。
図1は、従来の皮膜付着量測定方法を説明するための説明図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定装置の概略構成を説明するブロック図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。 図4は、従来の皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。 図5は、本発明の第2実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の一例を示すグラフである。 図6は、本実施形態に係る皮膜付着量測定装置を用いた皮膜付着量測定方法によって、リン酸亜鉛系皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定した結果の他の例を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定する方法であって、
    前記皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域の赤外光と、前記皮膜の特性吸収が生じない2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度及びs偏光の反射強度を測定する第1ステップと、
    前記第1ステップで測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対するp偏光の反射強度の比率に基づき、前記各波長帯域の赤外光の実測吸光度を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップで算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光のバックグランド吸光度を推定する第3ステップと、
    前記第2ステップで算出した前記第1波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記第3ステップで推定した前記第1波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収に起因する赤外光の実質吸光度を算出する第4ステップと、
    予め取得した前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度と前記皮膜の付着量との相関関係と、前記第4ステップで算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度とに基づき、前記皮膜の付着量を算出する第5ステップとを含むことを特徴とする皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  2. 前記第1ステップにおいて、それぞれ前記第1波長帯域内に中心波長を有し且つ前記第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度及びs偏光の反射強度を測定し、
    前記第3ステップにおいて、前記第2ステップで算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度を推定し、
    前記第4ステップにおいて、前記第2ステップで算出した前記各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記第3ステップで推定した前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出し、該算出した各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を積算することにより、前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出することを特徴とする請求項1に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  3. 前記第1ステップにおいて、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に対してブリュースター角で入射させることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  4. 前記第1ステップにおいて、前記各波長帯域の赤外光を皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に向けて入射させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  5. 前記第1ステップにおいて、圧延方向に搬送されている状態の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板からそれぞれ離間して該鋼板に対向配置され、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に入射させて前記各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定するp偏光反射強度測定手段と、前記各波長帯域の赤外光を前記皮膜に入射させて前記各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定するs偏光反射強度測定手段とを用いることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  6. 前記p偏光反射強度測定手段と前記s偏光反射強度測定手段とを前記鋼板の幅方向の略同じ位置に配置することを特徴とする請求項5に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  7. 前記皮膜は、無機皮膜であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  8. 前記皮膜は、P−O結合を含む皮膜であることを特徴とする請求項7に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  9. 前記皮膜は、Si−O結合を含む皮膜であることを特徴とする請求項7に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定方法。
  10. 合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に皮膜が設けられた皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量を測定する装置であって、
    p偏光反射強度測定手段と、s偏光反射強度測定手段と、信号処理手段とを備え、
    前記p偏光反射強度測定手段は、前記皮膜の特性吸収が生じる第1波長帯域の赤外光と、前記皮膜の特性吸収が生じない2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定し、
    前記s偏光反射強度測定手段は、前記第1波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定し、
    前記信号処理手段は、
    前記s偏光反射強度測定手段で測定した各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度に対する前記p偏光反射強度測定手段で測定したp偏光の反射強度の比率に基づき、前記各波長帯域の赤外光の実測吸光度を算出する実測吸光度算出手段と、
    前記実測吸光度算出手段で算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収以外の要因に起因する赤外光のバックグランド吸光度を推定するバックグランド吸光度推定手段と、
    前記実測吸光度算出手段で算出した前記第1波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記バックグランド吸光度推定手段で推定した前記第1波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記第1波長帯域における前記皮膜の特性吸収に起因する赤外光の実質吸光度を算出する実質吸光度算出手段と、
    予め取得した前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度と前記皮膜の付着量との相関関係と、前記実質吸光度算出手段で算出した第1波長帯域の赤外光の実質吸光度とに基づき、前記皮膜の付着量を算出する皮膜付着量算出手段とを具備することを特徴とする皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定装置。
  11. 前記p偏光反射強度測定手段は、前記第1波長帯域内に中心波長を有し且つ前記第1波長帯域よりも帯域幅の狭い2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のp偏光の反射強度を測定し、
    前記s偏光反射強度測定手段は、前記2つ以上の第3波長帯域の赤外光と、前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光とを前記皮膜に入射させて、各波長帯域の赤外光のs偏光の反射強度を測定し、
    前記バックグランド吸光度推定手段は、前記実測吸光度算出手段で算出した前記2つ以上の第2波長帯域の赤外光の実測吸光度に基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度を推定し、
    前記実質吸光度算出手段は、前記実測吸光度算出手段で算出した前記各第3波長帯域の赤外光の実測吸光度と、前記バックグランド吸光度推定手段で推定した前記各第3波長帯域の赤外光のバックグランド吸光度とに基づいて、前記各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出し、該算出した各第3波長帯域の赤外光の実質吸光度を積算することにより、前記第1波長帯域の赤外光の実質吸光度を算出することを特徴とする請求項10に記載の皮膜付き合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜付着量測定装置。
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