JP5093610B2 - 無線タグ通信システム及び無線タグ通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の通信形式を切り替えて通信可能な無線タグ通信システム及び無線タグ通信装置に関する。
情報を記憶する無線タグ回路素子に対し非接触で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
このRFIDシステムの1つとして、複数の異なる種別の無線タグに対し、それぞれに対応する通信形式を切り替えて各種別の無線タグと通信可能な情報通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この情報通信システムは、各種別に対して通信回数の多い順で優先順位を決定し、種別不明の一つの無線タグに対して優先順位の高い種別の順で複数の通信形式を順次切り替えて通信を行う。
国際公開2002/041158号公報
上記従来技術では、各通信形式に対応した通信プロトコルを切り替えることで互いに異なる複数種類の通信形式を順次切り替える。しかしながら、各通信形式を等間隔で切り替えていくときの順番を、優先順位が高い順となるように工夫しているに過ぎず、ある一定時間内でみたときに各通信形式が占める時間割合はほぼ均等である。この結果、例えば操作者が無線タグをかざし無線タグ回路素子を通信範囲内に位置させたとき、通信形式が合致し直ちに情報読み取りが完了する確率は、使用頻度が低くめったに登場しない通信形式でも使用頻度が高い通信形式でも、ほぼ同等となる。したがって、操作者が無線タグをかざした後に情報読み取りが完了するまでの時間の期待値は、上記のように使用頻度が低い通信形式にも無駄に高い通信可能機会を提供する分、全体的に見ると低くなる。この結果、必ずしも迅速で効率のよい無線通信ができるとは言えなかった。
本発明の目的は、無線タグ回路素子に対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる無線タグ通信システム、及び無線タグ通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとをそれぞれ備え、各種類で互いに通信互換因子が異なり通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子に対して、複数の通信形式を用いて通信可能な無線タグ通信システムであって、前記無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信アンテナと、過去に使用された前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて決定した前記複数の通信形式それぞれを少なくとも1回含む切替順序情報の配列を1つの切替周期として、複数回繰り返すような前記切替順序情報を生成する切替順序生成手段と、前記切替順序生成手段で生成した前記切替周期の前記切替順序情報に応じて、前記複数の通信形式を順次切り替える形式切替手段と、前記形式切替手段で順次切り替えられる各通信形式を用いて、前記無線タグ回路素子より無線通信により情報取得を図る取得処理を行う情報取得手段とを有し、前記切替順序生成手段は、前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて、1つの前記切替周期に占める各通信形式の回数を算出する回数算出手段と、前記複数の通信形式のそれぞれを、1つの前記切替周期に前記回数算出手段で算出された回数だけ含まれ、かつ1つの前記切替周期の全体に渡って均等に分布するように振り分けた、前記切替順序情報を生成する形式振り分け手段とを備えることを特徴とする。
本願第1発明の無線タグ通信システムは、互いに通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子と通信可能であり、それら複数種類の無線タグ回路素子の各種類にそれぞれ対応した複数の通信形式を用いて通信可能に構成されている。
このとき、本願第1発明においては、形式切替手段が複数の通信形式を順次切り替えていくとき、切替順序生成手段が使用頻度実績に応じて決定した1つの切替周期の切替順序情報を生成することにより、形式切替手段は、その切替周期の切替順序情報に応じた切り替え順序で切り替えを行い、かつその切替を切替周期による一定周期で繰り返し行うことができる。その際、切替順序情報生成手段は、回数算出手段で、各通信形式の1つの切替周期中における出現頻度を、過去の使用頻度の高低に対応した値に設定し、このようにして出現頻度が設定された各通信形式について、形式振り分け手段が切替周期の全体に渡って均等に分布するように順序を振り分けたような切替順序情報を生成する。これにより、その切替時に、過去に使用頻度が高かった通信形式が数多く登場するように、あるいは過去に使用頻度が低かった通信形式はめったに登場しないように等、現実の使用実態に合致した態様の切り替え順序で切り替えを行うことが可能となる。この結果、使用頻度が高いものも低いものも区別せず単純に各通信形式を同じ割合で切り換えていく場合や、所定の優先順位に従って複数の通信形式を順次切り替えていく場合に比べ、例えば操作者が無線タグをかざし無線タグ回路素子を通信範囲内に位置させた後、情報読み取りが実行されるまでの時間の期待値を短縮することができる。この結果、通信機会の偏分布を防止できるとともに、無駄な切り替え時間をなくし、迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
また、切替順序情報の生成と通信形式の切り替えとを別々の手段とすることで、切替順序生成手段での切替順序情報の生成タイミングを、実際に形式切替手段で通信形式を切り替えて通信を行うタイミングから分離することができる。すなわち、切替順序生成手段では(無線タグ回路素子と通信を行うかどうかに関係なく)随時所定のタイミングでそのときの最新の使用頻度実績に基づき切替順序情報を生成しておき、形式切替手段では(切替順序生成手段による生成タイミングとは関係なく)その時点で生成されている切替順序情報に基づいて通信形式を切り替え、通信を行うことができる。これにより、無線タグ回路素子との無線通信をさらに効率よく行うことができる。また、1つの切替周期中に各通信形式を少なくとも1回は含めることにより、過去に使用したことがほとんどないか全くない通信形式についても、必要最低限の通信チャンスを確保することができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記切替周期は、前記複数種類の無線タグ回路素子の種類総数を所定数倍した前記切替順序情報の配列の基準長である。
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績を蓄積する実績蓄積手段を有し、前記実績蓄積手段の蓄積結果に基づく、使用頻度実績情報を取得する頻度情報取得手段とを有し、前記回数算出手段は、前記頻度情報取得手段で取得された前記使用頻度情報に応じて、前記各通信形式の回数を算出することを特徴とする。
これにより、予め用意された複数の通信形式のいずれかを用いて無線タグ回路素子と通信が実行されるたび、その実績が実績蓄積手段に蓄積され、その蓄積結果に応じて頻度情報取得手段で使用頻度実績情報が取得される。そして、その使用頻度情報に基づき、切替順序生成手段の回数算出手段が、過去に使用頻度が高い通信形式は多い回数となるように、過去に使用頻度が低い通信形式は少ない回数となるように、1切替周期中の回数を算出し設定することができる。
第4発明は、上記第3発明において、前記切替順序生成手段は、所定の一定間隔で、新たな前記切替順序情報を生成し、前記形式切替手段は、前記切替順序生成手段で生成された新たな前記切替順序情報を用いて、前記複数の通信形式を順次切り替えることを特徴とする。
これにより、無線タグ回路素子に対して無線通信を行おうとするとき、その時点での最新の使用頻度実績に応じた切替順序で通信形式を切り替え、情報取得を図ることができる。この結果、無線タグ回路素子との無線通信をさらに効率よく行うことができる。
第5発明は、上記第3又は第4発明において、前記通信アンテナを備えた無線タグ通信装置と、少なくとも、前記形式切替手段、前記情報取得手段、前記切替順序生成手段、前記実績蓄積手段、及び前記頻度情報取得手段を備え、前記無線タグ通信装置を操作可能な操作端末とを有することを特徴とする。
操作端末で無線タグ通信装置を操作し、通信アンテナを介して無線タグ回路素子と無線通信を行い、情報取得を行う。具体的には、操作端末において、実績蓄積手段の蓄積結果に基づき頻度情報取得手段で使用頻度実績情報を取得し、さらにそれに応じて切替順序生成手段で切替順序情報を生成し、さらにそれに応じて形式切替手段により複数の通信形式を順次切り替え、切り換えられた通信形式を用いて無線タグ回路素子より情報取得を図る。これにより、無駄な切り替え時間をなくし、無線タグ回路素子に対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。また、このように操作端末と無線タグ通信装置とで機能を分担することにより、例えば操作端末側に各手段の機能を実現するアプリケーションをインストールするだけで、無線タグ通信装置としては汎用の装置を用意すれば足りることとなり、本願第8発明によるシステムの実現が容易となる。
第6発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記通信形式は、通信プロトコル、使用コマンド種類、及び通信パラメータのうち少なくとも1つの通信互換因子を含むことを特徴とする。
例えば2つの無線タグ回路素子について、通信互換因子として対応する通信プロトコル、使用コマンド、通信パラメータのうち1つでも互いに異なると、無線タグ通信装置から同一の通信形式では通信できない(=通信互換性のない)別種類の無線タグ回路素子となる。本願第9発明においてはこれら通信形式を複数用意し、それら複数の通信形式を順次切り替えることで、複数種類の無線タグ回路素子と通信可能に構成している。そしてこのとき、各通信形式の使用頻度実績に応じた切り替え順序で切り替えることで、無線タグ回路素子に対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
上記目的を達成するために、第7発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとをそれぞれ備え、各種類で互いに通信互換因子が異なり通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子に対して、複数の通信形式を用いて通信可能な無線タグ通信システムであって、前記無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信アンテナと、過去に使用された前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて決定した前記複数の通信形式それぞれを少なくとも1回含む切替順序情報の配列を1つの切替周期として、複数回繰り返すような前記切替順序情報を生成する切替順序生成手段と、前記切替順序生成手段で生成した前記切替周期の前記切替順序情報に応じて、前記複数の通信形式を順次切り替える形式切替手段と、前記形式切替手段で順次切り替えられる各通信形式を用いて、前記無線タグ回路素子より無線通信により情報取得を図る取得処理を行う情報取得手段とを有し、前記切替順序生成手段は、前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて、1つの前記切替周期に占める各通信形式の回数を算出する回数算出手段と、前記複数の通信形式のそれぞれを、1つの前記切替周期に前記回数算出手段で算出された回数だけ含まれ、かつ1つの前記切替周期の全体に渡って均等に分布するように振り分けた、前記切替順序情報を生成する形式振り分け手段とを備えることを特徴とする。
本願第7発明の無線タグ通信装置は、互いに通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子と通信可能であり、それら複数種類の無線タグ回路素子の各種類にそれぞれ対応した複数の通信形式を用いて通信可能に構成されている。
無線タグ回路素子と通信を行う際には、形式切替手段により複数の通信形式を順次切り替えつつ、各通信形式を用いて情報取得手段が無線タグ回路素子より無線通信により情報取得を図る。このようにして通信形式を順次切り換えていくことで、通信対象の無線タグ回路素子の通信形式と合致したときに無線通信が完遂され、当該無線タグ回路素子から情報読み取りを行うことができる。こうして、無線タグ回路素子がいずれの種類であるかに係わらず、無線通信によって確実に情報を取得することができる。
このとき、形式切替手段が複数の通信形式を順次切り替えていくとき、切替順序生成手段が使用頻度実績に応じて決定した1つの切替周期の切替順序情報を生成することにより、形式切替手段は、その切替周期の切替順序情報に応じた切り替え順序で切り替えを行い、かつその切替を切替周期による一定周期で繰り返し行うことができる。その際、切替順序情報生成手段は、回数算出手段で、各通信形式の1つの切替周期中における出現頻度を、過去の使用頻度の高低に対応した値に設定し、このようにして出現頻度が設定された各通信形式について、形式振り分け手段が切替周期の全体に渡って均等に分布するように順序を振り分けて切替順序情報を生成する。これにより、その切替時に、現実の使用実態に合致した態様の切り替え順序で切り替えを行うことが可能となる。この結果、通信機会の偏分布を防止できるとともに、無駄な切り替え時間をなくし、無線タグ回路素子に対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
本発明によれば、無線タグ回路素子に対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態の無線タグ通信装置を備えた無線タグ通信システムを示す。
図1に示すこの無線タグ通信システムRSは、互いに異なる複数の通信形式(詳細は後述)を選択的に切り替えて用いて通信可能な無線タグ通信装置100と、この無線タグ通信装置100と例えばUSBケーブル等を介して接続され、無線タグ通信装置100を操作可能な操作端末200とを有している。操作端末200は、一般に市販されている汎用パーソナルコンピュータであり、液晶ディスプレイ等の表示部201及びキーボードやマウス等の操作部202を有している。なお、ここでは無線タグ通信装置100と操作端末200とを有線接続させた場合を例示したが、無線通信を介して無線接続させてもよい。
図2に、上記無線タグ通信システムRSのシステム全体の機能構成を示す。
この図2において、操作端末200は、CPU(中央演算装置)203と、例えばRAMやROM等からなるメモリ204と、操作者からの指示や情報が入力される上記操作部202と、各種情報やメッセージを表示する上記表示部201と、ハードディスク装置からなり各種情報を記憶する大容量記憶装置205(実績蓄積手段)と、USBなどの規格に準拠するインターフェース接続を介して無線タグ通信装置100との情報信号の授受の制御を行う通信制御部206とを備えている。
CPU203は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって無線タグ通信装置100との間で各種の指示信号・情報信号の送受を行うようになっている。
一方、無線タグ通信装置100は、前述したように、異なる複数の通信形式を選択的に切り替えて用い、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えた複数の無線タグ回路素子Toに対し、情報の読み取り及び書き込みが可能なリーダ・ライタである。
この無線タグ通信装置100は、通信範囲(図示せず)を形成してその中に存在する無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う通信アンテナ101と、この通信アンテナ101を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路102と、上記操作端末200との間で行われる通信の制御を行う通信制御部104とを有している。上記高周波回路102と操作端末200のCPU203とは、通信制御部104,206を介して情報の送受信が可能となっている。
なお、後に詳述するように、上記無線タグ回路素子Toを備える無線タグTには、当該無線タグ回路素子Toに固有の通信形式が存在している。つまり、一つの無線タグTは、それが備える無線タグ回路素子Toに対応した通信形式に基づいて一つの種別に分類される。
図3に、操作端末200内における処理制御上の機能的構成の一例を示す。
この図3において、操作端末200の上記メモリ(RAM)204上に、複数のアプリケーションプログラム、通信処理プログラム、及び通信ドライバプログラムがそれぞれ展開して起動しており、これらのプログラムの起動により機能的に構成されるアプリケーション処理部AP、通信処理部CP、及び通信ドライバCDは、相互に指示信号と情報信号を送受可能となっている。また、通信ドライバCDは上記通信制御部206,104同士のインターフェース接続を介して無線タグ通信装置100と信号を送受するようになっている。
上記アプリケーション処理部APは、上記操作部202による操作者の操作入力に対し、所定のアプリケーションプログラムに沿った処理を行い、対応する処理指示信号(読み取りコマンド、書き込みコマンド等)を生成し、通信処理部CPに出力する。通信処理部CPは、上記アプリケーション処理部APで生成された処理指示信号に基づき対応する制御信号を生成し、通信ドライバCDを介して無線タグ通信装置100に送信することにより、無線タグ通信装置100を制御する。
図4に、上記無線タグ通信装置100の高周波回路102の詳細構成を示す。
この図4において、高周波回路102は、上記通信アンテナ101を介し上記無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。この高周波回路102には、操作端末200のCPU203により生成される、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すと共に無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスして所望の情報を書き込むための各種コマンドが、通信制御部206,104を介して入力される。なお、煩雑防止のため図4では通信制御部206,104の図示を省略している。
高周波回路102は、通信アンテナ101を介し無線タグTの無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、通信アンテナ101により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、CPU203の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記CPU203から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU203からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例ではCPU203からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し通信アンテナ101に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部143は、通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU203に入力されて処理される。
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU203に入力される。これにより、無線タグ通信装置100では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
そして上記の高周波回路102は、上記通信処理部PCの処理に基づくCPU203からの制御信号の制御により、全ての通信形式に対応して無線通信を行えるようになっている。
図5に、上記無線タグTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を示す。なお、図示するハードウェア的構成は、各通信形式やコマンドの種類によらず共通のものである。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したように無線タグ通信装置100の通信アンテナ101と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記無線タグ通信装置100の通信アンテナ101からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6は、操作端末200が管理するタグ種別テーブルの一例を概念的に表す図である。このタグ種別テーブルは、操作端末200の大容量記憶装置205に記憶保持されて通信処理部CPのみが管理する情報である。
図6に示すように、タグ種別テーブルには、通信処理部CPが登録した全てのタグ種別に対し、登録順の通し番号で設定されたタグ種別番号の項目(最も左端の「タグ種別」の項目)が設けられている。そして各タグ種別番号に対応して(つまり各タグ種別に対応して)、通信互換因子を構成する規格、送信コマンド、通信パラメータの各項目と、実績読取回数、及び頻度クラスをそれぞれ記録する項目が設けられている。これらのうち、「規格」「送信コマンド」「通信パラメータ」は、対応するタグ種別に固定的に設定される(すなわち上述した各タグ種別固有の通信形式に対応する)。「実績読取回数」「頻度クラス」は、多くの無線タグTを読み取った過程を経て累積変化する。
「規格」項目には、無線タグTの通信プロトコル(送信プロトコル)の標準的仕様として規定された規格が記録される。「送信コマンド」項目には、対応する規格に準じたコマンド種類か又は専用のコマンド種類が記録される。ここで、通信プロトコルとしては、例えばISO(International Organization for Standardization)/IEC 14443のTypeAやTypeB、ISO/IEC 15693、Felica(登録商標)等が挙げられる。
「通信パラメータ」項目には、通信速度や変調度などといった無線通信に必要とされる各種設定が記録され、対応する規格が許容する範囲内で多様に調整される。そして、これらの規格、送信コマンド、及び通信パラメータ等の通信互換因子の組み合わせによって通信形式が決定される。したがって、これら規格、送信コマンド、及び通信パラメータの各設定のいずれか一つでも異なれば互いに異なる通信形式であり、ある種別の無線タグに対しては、当該無線タグに固有の通信形式でない通信形式を用いた場合には正常に無線通信を行うことができない。つまり、タグ種別テーブル中に登録されている所定のタグ種別と正常に無線通信を行うためには、当該タグ種別に対応する規格、送信コマンド、及び通信パラメータを参照し、それらに基づいた通信形式の無線通信を行う必要がある。
「実績読取回数」項目には、それまでに通信アンテナ101を介して読み取った回数(使用頻度実績)をタグ種別ごとに集計されて記録される。「頻度クラス」項目は、その実績読取回数の高さ順位を示す。この例では、実績読取回数の高い順に応じてアルファベット文字の“A”,“B”,“C”,“D”,・・・を割り当てて表記している。なお、特に詳しく説明しないが、このような頻度クラスの割り当て設定は、通信処理部CPが適宜のタイミング(例えば無線タグTの読み取りを行うたびに)で自動的に実績読取回数に連動して設定する。なお、この例では、頻度クラスを、各タグ種別に対して一意的に設定し(つまり全てのタグ種別にそれぞれ異なる頻度クラスが設定され)ている。この結果、各タグ種別をタグ種別番号を用いて個別に特定できるのみならず、頻度クラスを用いても個別に特定できるようにしているが、必ずしもこれに限られるものではない。
次に図7、図8、図9を用いて、本実施形態の無線タグ通信システムRSにおける通信形式(言い換えれば、通信対象とするタグ種別)の切り替え手法について説明する。
まず、本発明の無線タグ情報システムRSにおいては、操作端末200を介した所定の操作により無線タグTの読み取り処理を開始させ、それからは一つの無線タグTを読み取る無線通信を繰り返し継続して行う。そしてこの間は、常に通信対象とするタグ種別(すなわち通信形式。以下同様)を切り替え、この切り替えの都度、対応する通信互換因子(この例では規格、送信コマンド、及び通信パラメータ)を上記タグ種別テーブルから参照して無線通信を行う。そしてそのように無線通信を繰り返している間に、ユーザが種別不明の無線タグTを通信アンテナ101の通信可能範囲内に位置させることで無線タグTの読み取りを行わせる。無線タグ情報システムRSは常にタグ種別を切り替えて無線通信を繰り返しているため、通信可能範囲内に存在する無線タグTのタグ種別に対応した無線通信を行った際に適正な読み取りが行われることになる。
このとき、タグ種別を切り替えて無線通信を繰り返す際、この例では、ランダムにタグ種別を切り替えるのではなく、タグ種別の切り替え順序を一定周期で同じ順序パターンを繰り返すように切り替える。このようにタグ種別を周期的に切り替えるための順序パターン(切替順序情報)を、以下「マルチリード配列情報」と称する。本実施形態におけるマルチリード配列情報の手法原理を以下、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、既存の無線タグ通信システムにおいて実行されている、最も単純なマルチリード配列情報の一例であり、全てのタグ種別を頻度クラスの高い順で1回ずつ切り替えるパターンである。図示する例では、“ABCD”の計4回分の無線通信で一つのマルチリード配列情報が構成されている。
しかし、この図7に示すマルチリード配列情報では、過去の読み取り実績に関係なく全てのタグ種別に対して均等な回数で割り当てるよう切り替えられるため、頻度クラス別で過去の実績読取回数に大きな偏りがある場合には、読み取り効率が著しく低下してしまうことが予想される。
つまり、過去の実績読取回数に基づいて頻度クラスが“A”であるタグ種別は将来的にも最も多くの頻度で読み取られることが予想されるが、例えばその頻度が全体の半分を超える場合であっても、図7に示すマルチリード配列情報に従うと頻度クラス“A”のタグ種別を読み取る機会は全体の4分の1でしかないため、ユーザが任意のタイミングで種別不明の無線タグTを通信可能領域内へ位置させた際に直ちに当該無線タグTの種別に応じた無線通信が行われる確率的期待値はかなり低いことが予想される。
また一方、頻度クラス“D”のタグ種別に対しては、将来的にも読み取られる可能性が非常に低い(過去の実績読取回数が0又は0に近い)場合であっても、図7に示すマルチリード配列情報に従うとその読み取る機会が全体の4分の1も設けられているため、明らかに無応答となる無駄な無線通信が過剰に繰り返されることが予想される。
そこで、本実施形態の無線タグ通信システムRSでは、図8に示すようなマルチリード配列情報に従ってタグ種別の切り替え順序を繰り返すことにより、種別不明の無線タグTの読み取り効率を向上させるものである。このマルチリード配列情報の特徴として、タグ種別の総数(タグ種別番号の最大値)の3倍の通信回数をタグ種別切替周期(つまりマルチリード配列情報の全長)の基準長として設定しつつ、そのうち各タグ種別の実績読取回数の比率に応じてそれぞれ対応する頻度クラスの通信回数(出現頻度)が設定されている。なお、たとえ過去に一度も読み取られていないタグ種別(つまり対応する実績読取回数が0のタグ種別)であっても、本実施形態のマルチリード配列情報中においては全てのタグ種別がそれぞれ必ず1度は無線通信を行う機会が設定されるようになっている。また、通信回数が複数回設定される頻度クラスのタグ種別はマルチリード配列情報の全体に渡って均等に分布させるように配置した配列情報となっている。
図8に示すマルチリード配列情報の例は、上記図6に示したタグ種別テーブルの内容例に対応して設定されたものであり、頻度クラスが“A”〜“D”となる4種類のタグ種別に対してその3倍、つまり4×3=12回の通信回数で切替周期長が設定されている。そして各頻度クラス“A”,“B”,“C”,“D”のそれぞれの実績読取回数が17回,8回,5回,0回であることに基づき、各読み取り回数が総読み取り回数(計30回)に占める割合にほぼ対応した6回,3回,2回,1回(計12回)でマルチリード配列情報内の通信回数を設定している。すなわち、まず、実績読取回数の比率で単純に計算すると、“A”クラスについては(17/30)×12=6.8[回]となり、“B”クラスについては(8/30)×12=3.2[回]となり、“C”クラスについては、(5/30)×12=2.0[回]となる。一方、頻度クラス“D”の実績読取回数が0回であるため、同様の計算に基づくとそのままでは設定される通信回数は0[回]となる。しかしながら、前述の理由によりこのマルチリード配列情報内で1回の通信回数を確保するようにしており、この結果、この例では“A”クラス6回、“B”クラス3回、“C”クラス2回と設定することで、“D”クラス1回を含め、合計12回となるように調和させている(=調和補正。後述の図12参照)。そして、通信回数が複数回設定されている頻度クラス“A”,“B”,“C”については、それぞれ無線通信を行う機会がマルチリード配列情報の全体に渡って均等に分布するよう配置されている。
この状況において、過去の実績読取回数が最も多い頻度クラス“A”のタグ種別は将来的にも読み取りが行われる可能性が高く、ユーザが任意のタイミングでこの頻度クラス“A”のタグ種別の無線タグTを通信可能領域内へ位置させた際には直ちに当該無線タグTの種別に応じた無線通信が行われる確率的期待値がかなり高いことが予想される。また次いで頻度クラスが“B”,“C”であって将来的に読み取りが行われる可能性の高いタグ種別の無線タグTに対しても、順次相応の確率的期待値で迅速に当該タグ種別に応じた無線通信が行われることが予想される。上記のように、過去の実績読み取り回数に応じ、頻度“A” “B”“C”“D”クラスそれぞれに対して6[回]、3[回]、2[回]、1[回]と設定することにより、種別不明の無線タグTに対して迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
次に、上記のようにして1つのマルチリード配列情報中における設定回数が決まった各頻度クラスについて、通信機会がマルチリード配列情報の全体に渡ってなるべく均等になるようにするための手法について説明する。
図9は、上記図6に示したタグ種別テーブルの内容例に対応して図8に示したマルチリード配列情報を生成する手順を説明する図である。図中における右側半分が図6のタグ種別テーブルの内容例に基づいたクラス頻度別の通信回数の払い出し過程を示しており、図中の左側半分が生成目的であるマルチリード配列情報の生成過程を示している。つまり、図中の右側半分において、予めマルチリード配列情報中における各頻度クラス別の通信回数がそれぞれ設定されている状況で、所定の法則に基づき通信機会を一つずつ図示の左側半分へ払い出し図中の左詰めで配列することでマルチリード配列情報を生成する過程を示している。
ここで上記の通信機会の払い出しに関する法則とは、所定の頻度クラスの残存通信回数が、当該「所定の頻度クラス」も含めて下位側にあたる全ての頻度クラスのそれぞれの残存通信回数の総計と比較してとても多いと判定された場合には、当該「所定の頻度クラス」の残存通信回数から通信機会を一つマルチリード配列情報に払い出す、というものであり、これを最上位の頻度クラス(つまり“A”)から下位に向かう順に推移して通信機会の払い出しを繰り返すものである。そしてこの例では、上記の「比較してとても多い」の判定基準を2分の1より大きいか否かとしている。
まず初めに、図9(a)において、図中の右側半分には、上記図6のタグ種別テーブルの内容例に基づき前述のようにして1つのマルチリード配列情報について予め設定された、各クラス頻度別の通信回数が保持されている。つまり、この状態では、各頻度クラス“A”,“B”,“C”,“D”の残存通信回数がそれぞれ6回,3回,2回,1回(計12回)に設定された初期状態となっている。
ここで上記通信機会の払い出しに関する法則を適用すると、まず最上位クラスの“A”の残存通信回数(=6)が、当該クラスも含めた下位側全ての頻度クラス(つまり“A”〜“D”の全クラス)のそれぞれの残存通信回数の総計(=12)と比較してとても多い(2分の1より大きい)か否かを判定する。この場合、6=12/2であるため、「比較してとても多い」の判定は満たされず、頻度クラス“A”の残存通信回数から通信機会の払い出しは行われない。そして次に下位にあたる頻度クラス“B”について判定が推移する。
頻度クラス“B”については、対応する残存通信回数(=3)が、当該クラスも含めた下位側全クラス(つまり“B”〜“D”のクラス)の残存通信回数の総計(=6)の2分の1であるため、上記同様、判定は満たされない。このため、頻度クラス“A”と同様に対応する残存通信回数から通信機会の払い出しは行われずに、次に下位にあたる頻度クラス“C”について判定が推移する。
次の頻度クラス“C”については、対応する残存通信回数(=2)が、当該クラスも含めた下位側全クラス(つまり“C”,“D”のクラス)の残存通信回数の総計(=3)の2分の1(=1.5)より大きいため、判定が満たされる。これにより、図9(b)に示すように、頻度クラス“C”に対応する残存通信回数から一つの通信機会“C”が払い出され(残存通信回数は1減算)、図中の左側半分のマルチリード配列情報に左詰め(つまりタグ種別切替順)で配列される。
このような通信機会の払い出しを行うたびに、判定を最上位の頻度クラス“A”に戻す。つまり次に図9(b)の状態において、最上位クラスの“A”の残存通信回数(=6)が、当該クラスも含めた下位側全クラス(つまり“A”〜“D”の全クラス)の残存通信回数の総計(=11)の2分の1より大きいか否かを判定する。この場合、6>11/2(=5.5)であるため、判定が満たされる。これにより、図9(c)に示すように、頻度クラス“A”に対応する残存通信回数から一つの通信機会“A”が払い出され、マルチリード配列情報に左詰め(先に払い出された“C”の右隣り)で配列される。そしてまた判定を最上位の頻度クラス“A”に戻す。
以降、同様にして判定と残存通信回数の払い出しを繰り返すことで、図9(m)に示すように全ての通信機会の払い出しが終了した際には、各頻度クラス別の通信機会を全体に渡って均等に分布させるよう配置したマルチリード配列情報(図8参照)が生成される。なお、この図9に示す均等分布化(通信機会の偏分布防止化)の手法は一例であり、他の手法によってもよい。
図10は、操作端末200のCPU203によって実行されるマルチリード処理の制御手順を表すフローチャートである。なお、このマルチリード処理は上述の通信処理部CPにおいて実行される処理の一つであり、操作部202の操作などを介して実行開始が指示された際にこのフローが開始される。また、このフロー開始時には、タグ種別テーブルの頻度クラスが実績読取回数に応じて既に設定されているものとする。
図10において、まず、ステップS5では、最新のマルチリード配列情報を取得する。このマルチリード配列情報については、後述するマルチリード配列情報更新処理を所定の時間間隔で定期的に実行することにより、各タグ種別の実績読取回数及び頻度クラスの経時変化に対応して最新の内容に更新されたマルチリード配列情報を取得することができる。
次にステップS10へ移り、上記ステップS5で取得したマルチリード配列情報の配列要素数S(上述の例ではタグ種別数×3によりS=12)を取得する。これは、取得したマルチリード配列情報中に設定された全ての通信回数を数えることにより取得することができる。
次にステップS15へ移り、カウンタ変数Iに1を代入して初期設定する。
次にステップS20へ移り、マルチリード配列情報中においてI番目に位置する配列要素の頻度クラスを参照し、それに対応するタグ種別(言い換えれば通信形式)を通信対象のタグ種別(通信形式)として設定する。
次にステップS25へ移り、上記ステップS20で設定した通信形式に対応する通信互換因子(この例では規格、送信コマンド、及び通信パラメータ)をタグ種別テーブルから取得して、それに基づいた無線通信を行い無線タグTの読み取りを行う。
次にステップS30へ移り、カウンタ変数Iの値が上記ステップS10で取得した配列要素数Sの値より小さいか否か、つまりマルチリード配列情報内の全ての配列要素を一巡してそれぞれに対応したタグ種別の無線通信を終えたか否かを判定する。カウンタ変数Iの値が配列要素数Sの値より小さい場合、判定は満たされ、すなわちまだマルチリード配列情報1回分の切替周期の途中の状態にあるとみなされ、次のステップS35でカウンタ変数Iの値が1増加された後にステップS20へ戻って同様の手順を繰り返す。一方、カウンタ変数Iの値が配列要素数Sの値と同じであった場合、判定は満たされず、すなわちマルチリード配列情報1回分の切替周期が終了したものとみなされ、次のステップS40へ移る。
ステップS40では、操作部202を介して所定の終了操作が入力されたか否かを判定し、終了操作が入力されている場合は判定が満たされてこのフローを終了し、入力されていない場合は判定が満たされずステップS15に戻り同様の手順を繰り返す。
上記のフローによる制御手順を行うことにより、マルチリード配列情報に従ったパターン順序でタグ種別を切り替えて行う無線タグTの読み取り通信を行うことができ、この切替周期を所定の終了操作が入力されるまで繰り返し継続して行うことができる。
図11は、操作端末200のCPU203によって実行されるマルチリード配列情報更新処理の制御手順を表すフローチャートである。なお、このマルチリード配列情報更新処理もまた上述の通信処理部CPにおいて実行される処理の一つであり、所定の時間間隔で自動的にこのフローが開始される。また、このフロー開始時においても、タグ種別テーブルの頻度クラスが実績読取回数に応じて既に設定されているものとする。
図11において、まずステップS200で マルチリード配列情報の配列要素数のうち、各頻度クラスに対応するタグ種別にそれぞれ割り当てる通信回数を算出する、種別回数割当処理を実行する(後述の図12参照)。
次にステップS300へ移り、上記図9に示した手法によって各頻度クラス別の通信機会をマルチリード配列情報の全体に渡って均等に分布させる、種別均等配分処理を実行する(後述の図13参照)。
次にステップS105へ移り、上記のステップS200及びステップS300によって新たに生成されたマルチリード配列情報を用いて、マルチリード配列情報の更新を行う。これは、例えば古いマルチリード配列情報に上書きするか、又は古いマルチリード配列情報と明確に区別できるように記憶して更新すればよい。
図12は、図11中のステップS200において実行される種別回数割当処理の詳細手順を表すフローチャートである。
この図12において、まず、ステップS205では、タグ種別数TSを取得する。このタグ種別数TSは、上記図6に示したタグ種別テーブルに登録されているタグ種別の総数であり、つまりタグ種別番号の最大値と同じ値となる。なおこのフローにおいては、タグ種別番号によりタグ種別の特定を行う。
次にステップS210へ移り、同じタグ種別テーブルを参照して、各タグ種別に対応する実績読取回数(使用頻度実績情報)をJ(1〜TS)の配列情報として取得する。ここで、配列情報J(X)はタグ種別番号がXであるタグ種別に対応する実績読取回数が代入されるものを意味している。また、実績読取回数J(1〜TS)は、実績読取回数J(1)から実績読取回数J(TS)までのTS個の情報の集合である(以下同様とする)。
次にステップS215へ移り、各タグ種別の実績読取回数比R(1〜TS)を算出する。この実績読取回数比R(X)は、(J(X)/(J(1)+・・・+J(TS))で求めることができ、すなわち過去に読み取った無線タグTの総数のうちにおけるタグ種別Xの割合を示す値である。
次にステップS220へ移り、タグ種別番号に対応させるカウンタ変数Iに1を代入して初期設定する。
次にステップS225へ移り、割当読取回数N(I)をR(I)×3×TSで算出する。すなわち、この例では、マルチリード配列情報の基準長として、タグ総数TSの3倍の値(3×TS)を用いている(これに限られず、他の値でもよい)。そして、このステップS225では、この3TSに実績読取回数比R(I)をかけることで、タグ種別番号がIであるタグ種別(以下において「タグ種別I」と表記する)の過去の読み取り割合に応じた、1つのマルチリード配列情報内におけるタグ種別Iの通信機会の割当数が算出される。なお、この割当読取回数N(I)は、切り上げ、切り捨て、四捨五入等の適宜の手法により小数点以下の端数を処理し、整数化しておく(但し必ずしもこれには限られない)。以下、この整数化した割当読み取り回数を単にN(I)のように表記する。
次にステップS230へ移り、上記ステップS225で算出した割当読取回数N(I)が1未満であるか否かを判定する。割当読取回数N(I)が1未満である場合、判定は満たされ、マルチリード配列情報内におけるタグ種別Iの通信機会を少なくとも1回は確保する必要があることから、次のステップS235でN(I)=1とし、次のステップS240へ移る。一方、割当読取回数N(I)が1以上である場合、判定は満たされず、すなわちマルチリード配列情報内におけるタグ種別Iの通信機会が少なくとも1回は確保されているものとみなされ、そのままステップS240へ移る。
ステップS240では、カウンタ変数Iの値がタグ種別数TSの値より小さいか否か、つまり全てのタグ種別に対して割当読取回数N(I)が算出されたか否かを判定する。カウンタ変数Iの値がタグ種別数TSの値より小さい場合、判定は満たされ、次のステップS245でカウンタ変数Iの値が1増加された後にステップS225へ戻って同様の手順を繰り返す。一方、カウンタ変数Iの値がタグ種別数TSの値と同じであった場合、判定は満たされず、このフローを終了する。
上記のフローによる制御手順を行うことにより、マルチリード配列情報を生成するための各タグ種別1〜TSの残存通信回数である割当読取回数N(1〜TS)が設定される。
図13は、先に図9で示したマルチリード配列情報の生成手法を実行するために、図11中のステップS300において実行される種別均等配分処理の詳細手順を表すフローチャートである。なおこのフローにおいては、特に注記しない限りタグ種別番号によりタグ種別を特定するものとし、また例えば「N(クラス:A)」のように表記している場合には頻度クラスによりタグ種別を特定するものとする。また、この図13においては、図示の煩雑を回避するために、上記図6のタグ種別テーブルや図9において説明した例に対応した、タグ種別数TSが4つ(頻度クラスが“A”〜“D”の4種類)である場合のフローを例にとって示している。
この図13において、まず、ステップS305では、生成しようとするマルチリード配列情報の配列要素数Sを算出する。この配列要素数Sは、上記図12の種別回数割当処理で算出した割当読取回数N(1〜TS)の累計(N(1)+・・・+N(TS))で求めることができ、つまり1つのマルチリード配列情報における通信回数の総数であって、言い換えれば1回分の切替周期におけるタグ種別の切替回数となる。なお、この配列要素数Sは、ステップS225、ステップS230、及びステップS235等における割当読取回数N(1〜TS)の小数点以下の端数の処理によって、前述の基準長3×TSと異なる場合がありうる。
次にステップS310へ移り、マルチリード配列情報MD(1〜S)の内容を初期化する。具体的には、上記ステップS305で算出した配列要素数Sの長さでマルチリード配列情報MDを生成するものと定義し、そしてこのマルチリード配列情報MD(1〜S)中の各要素には頻度クラスを表記するアルファベット文字が代入されるものとして、無記入文字(いわゆるヌル文字“”)を各要素に代入して初期化を行う。
次にステップS315へ移り、カウンタ変数Iに1を代入して初期設定する。
次にステップS320へ移り、判定比較値XA=(S−I+1)/2を算出する。この判定比較値XAは、頻度クラス“A”に対応するタグ種別の残存通信回数であるN(クラス:A)と比較させる値である。
次にステップS325へ移り、N(クラス:A)>XAであるか否か、すなわち頻度クラス“A”の残存通信回数(=N(クラス:A))が、当該クラスも含めた下位側全ての頻度クラス(つまり“A”〜“D”の全クラス)のそれぞれの残存通信回数の総計(=S−I+1)と比較してとても多い(2分の1より大きい)か否かを判定する。割当読取回数N(クラス:A)が判定比較値XAより大きい場合、判定が満たされ、すなわち頻度クラス“A”に対応する残存通信回数から一つの通信機会“A”がマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきものとして次のステップS330へ移る。
ステップS330では、マルチリード配列情報MD(I)の内容にアルファベットの文字“A”を代入する。つまり、マルチリード配列情報MDにおけるI番目の無線通信を、頻度クラス“A”に対応するタグ種別に対して行わせるように設定する。
次にステップS335へ移り、割当読取回数N(クラス:A)の値を1減算する。つまり、頻度クラス“A”の残存通信回数(=N(クラス:A))を一つ減算することになり、上記のステップS330とこのステップS335によって頻度クラス“A”の残存通信回数から一つの通信機会“A”がマルチリード配列情報MDに払い出しされることになる。そして次のステップS390へ移る。
また一方、上記ステップS325の判定において、割当読取回数N(クラス:A)が判定比較値XA以下である場合、判定は満たされず、すなわち頻度クラス“A”に対応する残存通信回数からは通信機会“A”をマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきではないとし、その次の下位クラスにあたる頻度クラス“B”に判定を推移するようステップS340へ移る。
ステップS340では、判定比較値XB=(S−I+1−N(クラス:A))/2を算出する。この判定比較値XBは、頻度クラス“B”に対応するタグ種別の残存通信回数であるN(クラス:B)と比較させる値である。
次にステップS345へ移り、N(クラス:B)>XBであるか否か、すなわち頻度クラス“B”の残存通信回数(=N(クラス:B))が、当該クラスも含めた下位側全ての頻度クラス(つまり“B”〜“D”のクラス)のそれぞれの残存通信回数の総計(=S−I+1−N(クラス:A))と比較してとても多い(2分の1より大きい)か否かを判定する。割当読取回数N(クラス:B)が判定比較値XBより大きい場合、判定が満たされ、すなわち頻度クラス“B”に対応する残存通信回数から一つの通信機会“B”がマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきものとして次のステップS350へ移る。
ステップS350では、マルチリード配列情報MD(I)の内容にアルファベットの文字“B”を代入し、次のステップS355では割当読取回数N(クラス:B)の値を1減算する。これらステップS350とステップS355により頻度クラス“B”の残存通信回数から一つの通信機会“B”がマルチリード配列情報MDに払い出しされることになる。そして次のステップS390へ移る。
また一方、上記ステップS345の判定において、割当読取回数N(クラス:B)が判定比較値XB以下である場合、判定は満たされず、すなわち頻度クラス“B”に対応する残存通信回数からは通信機会“B”をマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきではないとし、その次の下位クラスにあたる頻度クラス“C”に判定を推移するようステップS360へ移る。
ステップS360では、判定比較値XC=(S−I+1−N(クラス:A)−N(クラス:B))/2を算出する。この判定比較値XCは、頻度クラス“C”に対応するタグ種別の残存通信回数であるN(クラス:C)と比較させる値である。
次にステップS365へ移り、N(クラス:C)>XCであるか否か、すなわち頻度クラス“C”の残存通信回数(=N(クラス:C))が、当該クラスも含めた下位側全ての頻度クラス(つまり“C”,“D”のクラス)のそれぞれの残存通信回数の総計(=S−I+1−N(クラス:A)−N(クラス:B))と比較してとても多い(2分の1より大きい)か否かを判定する。割当読取回数N(クラス:C)が判定比較値XCより大きい場合、判定が満たされ、すなわち頻度クラス“C”に対応する残存通信回数から一つの通信機会“C”がマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきものとして次のステップS370へ移る。
ステップS370では、マルチリード配列情報MD(I)の内容にアルファベットの文字“C”を代入し、次のステップS375では割当読取回数N(クラス:C)の値を1減算する。これらステップS370とステップS375により頻度クラス“C”の残存通信回数から一つの通信機会“C”がマルチリード配列情報MDに払い出しされることになる。そして次のステップS390へ移る。
また一方、上記ステップS365の判定において、割当読取回数N(クラス:C)が判定比較値XC以下である場合、判定は満たされず、すなわち頻度クラス“C”に対応する残存通信回数からは通信機会“C”をマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきではないとし、最下位クラスにあたる頻度クラス“D”に対応する残存通信回数から通信機会“D”をマルチリード配列情報MD(I)に払い出すべきとして次のステップS380へ移る。
ステップS380では、マルチリード配列情報MD(I)の内容にアルファベットの文字“D”を代入し、次のステップS385では割当読取回数N(クラス:D)の値を1減算する。これらステップS380とステップS385により頻度クラス“D”の残存通信回数から一つの通信機会“D”がマルチリード配列情報MDに払い出しされることになる。そして次のステップS390へ移る。
ステップS390では、カウンタ変数Iの値が上記ステップS305で取得した配列要素数Sの値より小さいか否か、つまりマルチリード配列情報MD内の全ての配列要素MD(1〜S)にそれぞれ頻度クラスを設定してマルチリード配列情報MDの生成が終了したか否かを判定する。カウンタ変数Iの値が配列要素数Sの値より小さい場合、判定は満たされ、すなわちまだマルチリード配列情報MDの生成途中の状態にあるとみなされ、次のステップS395でカウンタ変数Iの値が1増加された後にステップS320へ戻って同様の手順を繰り返す。一方、カウンタ変数Iの値が配列要素数Sの値と同じであった場合、判定は満たされず、すなわちマルチリード配列情報MDの生成が終了したものとみなされ、このフローを終了する。
上記のフローによる制御手順を行うことにより、上記図9に示した手法に基づいて、各頻度クラス別の通信機会をマルチリード配列情報MD(1〜S)の全体に渡って均等に分布させるよう配置することができる。
以上において、上記図10のフローにおけるステップS20の手順が、形式切替手段として機能し、またステップS25の手順が情報取得手段として機能する。また、図12に示すフローのステップS215〜ステップS245の手順が回数算出手段として機能し、図11のステップS300の手順が形式振り分け手段として機能し、これらとステップS105の手順とが、切替順序生成手段として機能する。また、図12のステップS210の手順が、頻度情報取得手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態においては、図10のステップS20において、複数のタグ種別に対応した各通信形式を順次切り替えていくとき、それまでの過去に使用された各タグ種別の実績読取回数に応じた切り替え順序で切り替える。これにより、その切替時に、過去に使用頻度が高かったタグ種別(前述の“A”クラス等)が数多く登場するように、あるいは過去に使用頻度が低かったタグ種別(前述の“D”クラス等)はめったに登場しないように等、現実の使用実態に合致した態様の切り替え順序で切り替えを行うことができる。この結果、使用頻度が高いものも低いものも区別せず単純に各タグ種別を同じ割合で切り換えていく場合や、所定の優先順位に従って複数の通信形式を順次切り替えていく場合に比べ、例えば操作者が無線タグTをかざし無線タグ回路素子Toを通信範囲内に位置させた後、無線タグ通信装置100で情報読み取りが実行されるまでの時間の期待値を短縮することができる。この結果、迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
また、この実施形態では特に、実績読取回数に応じたマルチリード配列情報MDを生成し、ステップS20において、そのマルチリード配列情報MDに応じ、現実の使用実態に合致した態様の切り替え順序で切り替えを行う。具体的には、使用頻度が過去に高かったタグ種別は今後も高い確率で使用されることが予想されるので、そのようなタグ種別を高い頻度で出現させるようにマルチリード配列情報MDを生成する。これにより、現実の使用実態に合致した態様で、効率のよい通信を行うことができる。このとき特に、1つのマルチリード配列情報MD中に各タグ種別を少なくとも1回は含めることにより、過去に使用したことがほとんどないか全くないタグ種別についても、必要最低限の通信機会を確保することができる。
また、この実施形態では特に、予め用意された複数のタグ種別のいずれかを用いて無線タグ回路素子Toと通信が実行されるたび、その実績が大容量記憶装置205のタグ種別テーブルに実績読取回数として蓄積され、その蓄積結果に応じて図12のステップS210で実績読取回数J(1〜TS)が取得される。そして、その実績読取回数J(1〜TS)に基づき、ステップS215〜ステップS245において、過去に使用頻度が高いタグ種別は多い回数となるように、過去に使用頻度が低いタグ種別は少ない回数となるように、1切替周期中の回数を算出し設定することができる。
また、この実施形態では特に、図11のフローによるマルチリード配列情報MDの生成と、図10のフローによるタグ種別(通信形式)の切り替えとを別々の処理で行うことで、マルチリード配列情報MDの生成タイミングを、実際にステップS20で各タグ種別を切り替えて通信を行うタイミングから分離することができる。すなわち、マルチリード配列情報更新処理では(無線タグ回路素子Toと通信を行うかどうかに関係なく)、前述したように随時所定のタイミング(あるいは所定の一定間隔)でそのときの最新の実績読取回数に基づきマルチリード配列情報MDを生成しておく。そして、ステップS20では(マルチリード配列情報更新処理による生成タイミングとは関係なく)、その時点で生成されているマルチリード配列情報MDに基づいて各タグ種別を切り替え、通信を行うことができる。これにより、無線タグ回路素子Toに対して無線通信を行おうとするとき、その時点での最新の実績読取回数に応じた切替順序でタグ種別を切り替え、情報取得を図ることができる。この結果、無線タグ回路素子Toとの無線通信をさらに効率よく行うことができる。
また、この実施形態では特に、操作端末200と無線タグ通信装置100とで機能を分担することにより、例えば操作端末200側に各制御手順や処理の機能を実現するアプリケーションをインストールするだけで、無線タグ通信装置100としては汎用の装置を用意すれば足りることとなり、本実施形態の無線タグ通信システムの実現が容易となる。
なお、本発明は、上記実施形態のように操作端末200と無線タグ通信装置100とを別体で構成して情報送受可能に接続した構成に限られない。すなわち、例えば携帯型のハンディリーダ(特に図示せず)のようにCPU203、メモリ204、表示部201、操作部202、大容量記憶装置205、高周波回路102、通信アンテナ101の全てを一体にまとめた無線タグ通信装置の構成(いわゆるオールインワンタイプ)としてもよい。この場合にも、CPU203が上記のステップS20とステップS25を実行できるようにする。
この場合には、ステップS20において複数のタグ種別(通信形式)を順次切り替えていくとき、それまでの過去に使用された各タグ種別の使用頻度実績に応じた切り替え順序で切り替える。これにより、上記実施形態と同様、その切替時に、現実の使用実態に合致した態様の切り替え順序で切り替えを行うことが可能となる。この結果、上記同様、無駄な切り替え時間をなくし、無線タグ回路素子Toに対し迅速で効率のよい無線通信を行うことができる。
なお、マルチリード配列情報MDは、上記図8、図9に示したように全体に渡ってタグ種別を均等に分布させる配列以外にも、例えば図14に示すように頻度クラスの高い順にそれぞれまとめて配置するようにしてもよい。この場合でも、各タグ種別の実績読取回数に応じた通信回数を設定することで、それぞれ相応の確率的期待値で迅速にタグ種別に応じた無線通信が行うことができる。この場合にはステップS300の種別均等配分処理が不要となるため、マルチリード配列情報MDを迅速かつ容易に生成することができる。
なお、以上において、図3、図4、図5等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図10、図11、図12、図13等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の一実施形態の無線タグ通信装置を備えた無線タグ通信システムを表すシステム構成図である。 無線タグ通信システムのシステム全体の機能構成を表す機能ブロック図である。 操作端末内における処理制御上の機能的構成の一例を表すブロック図である。 無線タグ通信装置の高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。 無線タグに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。 操作端末が管理するタグ種別テーブルの一例を概念的に表す図である。 最も単純なマルチリード配列情報を表した図である。 実施形態に用いるマルチリード配列情報を表した図である。 図6に示したタグ種別テーブルの内容例に対応して図8に示したマルチリード配列情報を生成する手順を説明する図である。 操作端末のCPUによって実行されるマルチリード処理の制御手順を表すフローチャートである。 操作端末のCPUによって実行されるマルチリード配列情報更新処理の制御手順を表すフローチャートである。 図11中のステップS200において実行される種別回数割当処理の詳細手順を表すフローチャートである。 図11中のステップS300において実行される種別均等配分処理の詳細手順を表すフローチャートである。 マルチリード配列情報の変形例を表す図である。
符号の説明
100 無線タグ通信装置
101 通信アンテナ
142 送信部
143 受信部
150 IC回路部
151 タグアンテナ
200 操作端末
201 表示部
202 操作部
205 大容量記憶装置(実績蓄積手段)
AP アプリケーション処理部
CP 通信処理部
RS 無線タグ通信システム
T 無線タグ
To 無線タグ回路素子

Claims (7)

  1. 情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとをそれぞれ備え、各種類で互いに通信互換因子が異なり通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子に対して、複数の通信形式を用いて通信可能な無線タグ通信システムであって、
    前記無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信アンテナと、
    過去に使用された前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて決定した前記複数の通信形式それぞれを少なくとも1回含む切替順序情報の配列を1つの切替周期として、複数回繰り返すような前記切替順序情報を生成する切替順序生成手段と、
    前記切替順序生成手段で生成した前記切替周期の前記切替順序情報に応じて、前記複数の通信形式を順次切り替える形式切替手段と、
    前記形式切替手段で順次切り替えられる各通信形式を用いて、前記無線タグ回路素子より無線通信により情報取得を図る取得処理を行う情報取得手段と
    を有し、
    前記切替順序生成手段は、
    前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて、1つの前記切替周期に占める各通信形式の回数を算出する回数算出手段と、
    前記複数の通信形式のそれぞれを、1つの前記切替周期に前記回数算出手段で算出された回数だけ含まれ、かつ1つの前記切替周期の全体に渡って均等に分布するように振り分けた、前記切替順序情報を生成する形式振り分け手段と
    を備えることを特徴とする無線タグ通信システム。
  2. 請求項1記載の無線タグ通信システムにおいて、
    前記切替周期は、前記複数種類の無線タグ回路素子の種類総数を所定数倍した前記切替順序情報の配列の基準長であることを特徴とする無線タグ通信システム。
  3. 請求項1又は2記載の無線タグ通信システムにおいて、
    前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績を蓄積する実績蓄積手段を有し、
    前記実績蓄積手段の蓄積結果に基づく、使用頻度実績情報を取得する頻度情報取得手段と
    を有し、
    前記回数算出手段は、
    前記頻度情報取得手段で取得された前記使用頻度情報に応じて、前記各通信形式の回数を算出する
    ことを特徴とする無線タグ通信システム。
  4. 請求項3記載の無線タグ通信システムにおいて、
    前記切替順序生成手段は、
    所定の一定間隔で、新たな前記切替順序情報を生成し、
    前記形式切替手段は、
    前記切替順序生成手段で生成された新たな前記切替順序情報を用いて、前記複数の通信形式を順次切り替える
    ことを特徴とする無線タグ通信システム。
  5. 請求項3又は請求項4記載の無線タグ通信システムにおいて、
    前記通信アンテナを備えた無線タグ通信装置と、
    少なくとも、前記形式切替手段、前記情報取得手段、前記切替順序生成手段、前記実績蓄積手段、及び前記頻度情報取得手段を備え、前記無線タグ通信装置を操作可能な操作端末と
    を有することを特徴とする無線タグ通信システム。
  6. 請求項1乃至請求項5記載の無線タグ通信システムにおいて、
    前記通信形式は、
    通信プロトコル、使用コマンド種類、及び通信パラメータのうち少なくとも1つの通信互換因子を含む
    ことを特徴とする無線タグ通信システム。
  7. 情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとをそれぞれ備え、各種類で互いに通信互換因子が異なり通信互換性のない複数種類の無線タグ回路素子に対し、複数の通信形式を用いて通信可能な無線タグ通信装置であって、
    前記無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信アンテナと、
    過去に使用された前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて決定した前記複数の通信形式それぞれを少なくとも1回含む切替順序情報の配列を1つの切替周期として、複数回繰り返すような前記切替順序情報を生成する切替順序生成手段と、
    前記切替順序生成手段で生成した前記切替周期の前記切替順序情報に応じて、前記複数の通信形式を順次切り替える形式切替手段と、
    前記形式切替手段で順次切り替えられる各通信形式を用いて、前記無線タグ回路素子より無線通信により情報取得を図る取得処理を行う情報取得手段と
    を有し、
    前記切替順序生成手段は、
    前記複数の通信形式それぞれの使用頻度実績に応じて、1つの前記切替周期に占める各通信形式の回数を算出する回数算出手段と、
    前記複数の通信形式のそれぞれを、1つの前記切替周期に前記回数算出手段で算出された回数だけ含まれ、かつ1つの前記切替周期の全体に渡って均等に分布するように振り分けた、前記切替順序情報を生成する形式振り分け手段と
    を備えることを特徴とする無線タグ通信装置。
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