JP5093201B2 - 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法 - Google Patents

摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5093201B2
JP5093201B2 JP2009201991A JP2009201991A JP5093201B2 JP 5093201 B2 JP5093201 B2 JP 5093201B2 JP 2009201991 A JP2009201991 A JP 2009201991A JP 2009201991 A JP2009201991 A JP 2009201991A JP 5093201 B2 JP5093201 B2 JP 5093201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical portion
test piece
wear
flange
wear test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009201991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011053072A (ja
Inventor
尚之 岩田
絵美 川口
健太郎 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2009201991A priority Critical patent/JP5093201B2/ja
Publication of JP2011053072A publication Critical patent/JP2011053072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5093201B2 publication Critical patent/JP5093201B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

この発明は、材料の摩耗特性を調べるための摩耗試験機の構造及び摩耗試験方法に関するものである。また、この発明は、摩耗試験に供される摩耗試験片の構造に関するものである。
機械設計においてトライボロジーはきわめて重要であって、トライボロジーを無視した最適設計はあり得ない。機械装置は、通常、複数の部材が組み合わされて構成されるが、トライボロジーの考え方のもと、各部材を構成する材料は、当該部材の機能に応じて最適なものが選択される。各部材の設計において最適材料が選択されるためには、採用される材料の機械的強度のほか摩擦・摩耗特性が把握されている必要がある。従来から、材料の摩擦・摩耗特性を調べるための摩耗試験機が提供されている(たとえば、特許文献1〜特許文献3参照)。
ところで、機械装置を構成する部材に要求される機能はさまざまである。したがって、要請される形状、付加される荷重、温度・圧力等の環境条件も部材によって異なる。そのため、日本工業規格(JIS)では、摩耗試験において試料部材に課せられる摩擦条件について複数の態様を規定している。たとえば、すべり軸受の焼付荷重の評価などに適用される摩耗試験では、スラストシリンダ方式と称される試験が実施される(JIS K 7218:特許文献1参照)。その他、ブロックオンリング方式(特許文献2参照)やピンブロック方式(特許文献3参照)と称される摩耗試験もある。
図6は、従来のスラストシリンダ方式の摩耗試験の要領を示す図である。
同図が示すように、スラストシリンダ方式では、一対の試料部材1、2が対向配置される。各試料部材1、2は円筒状に形成され、一端面同士が当接される。各試料部材1、2の他端面3、4に切欠部5、6が設けられ、図示されていない治具が切欠部5、6のそれぞれに係合する。一方の治具(切欠部5に係合した治具)は固定され、他方の治具(切欠部6に係合した治具)が回転される。当該他方の治具は、試料部材2の中心軸7を回転軸として回転する。これにより、各試料部材1、2の一端面同士が周方向に擦れ合う。この一端面同士が擦れ合うことによる摩耗量やpv値が測定され、各測定値に基づいて当該試料部材1、2の摩擦・摩耗特性が把握される。
特開2004−101459号公報 特開2006−162301号公報 特開2001−91436号公報
この試験に際して、他方の治具は、所要の駆動機構によって一方の治具側へ一定の押圧力で押し付けられると共に、他方の治具の回転力(トルク)が上記切欠部6を作用点として試料部材2に付加される。従来のスラストシリンダ方式の摩耗試験では、上記切欠部5、6は、試料部材1、2に上記トルクを付加するために必要であるが、これら切欠部5、6が設けられているために、試料部材1、2の一端面同士が周方向に対して均一に圧接されない。つまり、試料部材1、2の一端面のうち上記切欠部5、6に対応する位置では、上記一端面の面圧が低下し、いわゆる「偏当たり」状態となる。したがって、試料部材1、2の一端面の面圧が均一ではない状態で得られた上記各測定値は、試験データとして取り扱うには問題がある。
そこで、本発明の目的は、面圧を均一に設定して高精度の摩耗試験を実施することができる摩耗試験片及び摩耗試験機を提供すること、並びにそのような高精度な摩耗試験を実施するための摩耗試験方法を提供することである。
(1) 本発明に係る摩耗試験片は、スラストシリンダ方式の摩耗試験に供される摩耗試験片であって、一端面及び摺動面である他端面を有する筒状部と、上記一端面に設けられたフランジ部と、上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部からなり、上記筒状部の中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させるための回転力が付加されるトルク受け部とを備えている。上記切欠凹部の切込深さsと、上記筒状部の外径d1と、上記フランジ部の外径d2と、上記フランジ部の肉厚tとの間に、t+s≦(d2−d1)/2の関係が成立している。
この摩耗試験片は、スラストシリンダ方式の摩耗試験を受ける。すなわち、筒状部の他端面が摺動面として所定の面と摺動され、摩耗量やpv値が測定される。この所定の面とは、上記筒状部の他端面が摺動するために特別に設けられた部材の表面であってもよいし、当該摩耗試験片に対向配置された他の摩耗試験片の他端面であってもよい。
上記筒状部が所要の保持手段により保持され、上記トルク受け部に所定の回転力が付与される。これにより、上記筒状部が上記所定の面に所定の押付力で押し付けられた状態で回転する。上記トルク受け部は、上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部からなるので、トルク受け部の構造が簡単で摩耗試験片の製造が容易であり、しかも、上記トルク受け部の存在が上記押付力の変動に影響を与えない。また、上記寸法的関係が設定されることにより、上記筒状部に付加されるトルクが上記押付力に影響を及ぼすことがなく、したがって、上記他端面すなわち摺動面の面圧が均一となる。
(2) 複数のトルク受け部が上記フランジ部の周方向に均等に配置されているのが好ましい。
この構成によれば、上記筒状部に対して周方向に均等にトルクが作用する。したがって、上記摺動面の面圧はより均一になる。
(3) 上記フランジ部のうち上記トルク受け部が設けられた部位の肉厚は、その余の部位の肉厚よりも薄く設定されているのが好ましい。
この構成では、上記トルク受け部が設けられた部位とその余の部位との間に隙間が形成されることになる。したがって、上記トルクが付与される部分は、上記押付力が付与される部分と空間的に分離されることになるので、上記トルクが上記押付力に与える影響は、きわめて小さくなる。その結果、上記摺動面の面圧は、なおいっそう均一になる。
(4) 本発明に係る摩耗試験機は、スラストシリンダ方式の摩耗試験を実施するための摩耗試験機であって、一端面及び他端面を有する筒状部、上記一端面に設けられたフランジ部、及び上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部からなり、上記筒状部の中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させるための回転力が付加されるトルク受け部を備え、上記切欠凹部の切込深さsと、上記筒状部の外径d1と、上記フランジ部の外径d2と、上記フランジ部の肉厚tとの間に、t+s≦(d2−d1)/2の関係が成立している摩耗試験片を保持するホルダと、上記筒状部の他端面が摺動面となるように上記ホルダを上記筒状部の中心軸に沿って移動させると共に当該中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させる駆動機構とを有し、上記ホルダは、上記筒状部の一端面が支持されるベース部と、当該ベース部に設けられ、上記筒状部を所定の保持力で保持すべく当該筒状部と嵌合する主軸部と、上記ベース部に設けられ、上記フランジ部に設けられたトルク受け部に係合して上記駆動機構の回転力を伝達するトルク伝達部とを備えている。
この摩耗試験機では、ホルダが摩耗試験片を保持する。具体的には、摩耗試験片の筒状部の一端面がホルダのベース部に支持される。このとき、ホルダの主軸部が上記筒状部と嵌合し、摩耗試験片がホルダに保持される。また、ホルダのトルク伝達部が上記フランジ部に設けられたトルク受け部に係合し、この状態で駆動機構が上記筒状部を中心軸に沿って移動させつつ当該中心軸を回転中心として回転させる。これにより、筒状部の他端面が所定の面に一定の押圧力で押し付けられて摺動し、摩耗量やpv値が測定される。
上記トルク受け部は、上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部による構成されるから、トルク受け部の構造が簡単で摩耗試験片の製造が容易であり、しかも、上記筒状部に上記押付力が付与された場合であっても、上記トルク受け部の存在が上記押付力の変動に影響を与えない。また、上記寸法的関係が設定されることにより、上記筒状部に付加されるトルクが上記押付力に影響を及ぼすことがなく、したがって、上記他端面すなわち摺動面の面圧は均一となる。なお、上記所定の面とは、上記筒状部の他端面が摺動するために特別に設けられた部材の表面であってもよいし、当該摩耗試験片に対向配置された他の摩耗試験片の他端面であってもよい。
(5) 上記ベース部は、上記トルク受け部との間に隙間を生じさせるための段差が設けられることにより上記筒状部を支持する座部が形成されているのが好ましい。
この構成では、上記筒状部は上記座部に載置される。この状態で、上記フランジ部に設けられたトルク受け部と上記ベース部との間に隙間が形成されるから、フランジ部の回転力が付与される部分は、筒状部に上記押付力が付与される部分と空間的に分離される。したがって、上記回転力が上記押付力に与える影響はきわめて小さくなり、その結果、上記摺動面の面圧は、いっそう均一になる。
この発明によれば、摩耗試験に際し、摩耗試験片の筒状部に押付力が付与された場合に当該摩耗試験片の摺動面の面圧が均一となる。したがって、高精度のスラストシリンダ方式摩耗試験が実施される。
図1は、本発明の一実施形態に係る摩耗試験機の斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る試験片の構造を示す斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る試験片の基端部の断面図である。 図4は、本発明の一実施形態の第1の変形例に係る摩耗試験機の要部拡大断面図である。 図5は、本発明の一実施形態の第2の変形例に係る摩耗試験機の要部拡大断面図である。 図6は、従来のスラストシリンダ方式の摩耗試験の要領を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る画像記録装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
図1は、本発明の一実施形態に係る摩耗試験機の斜視図である。
[摩耗試験機の概略構成]
この摩耗試験機10は、試験片11、12(本発明における「摩耗試験片」の一例)について摩擦・摩耗試験を行うものである。摩耗試験機10は、摩耗試験に供される試験片11、12を保持するホルダ13、14と、ホルダ13に連結された駆動部15(本発明における「駆動機構」の一例)とを備えている。この摩耗試験機10では、ホルダ13、14が所定の軸線16(本発明における「回転中心」の一例)上で対向配置されており、駆動部15は、ホルダ13を軸線16を中心として回転させると共にホルダ14に対して接離させことが可能である。なお、駆動部15は、たとえばモーター17を備えており、このモーター17がホルダ13を回転させる。また、図示されていないが、このモーター17が既知のスライド機構に連結されており、このスライド機構によりモーター17及びホルダ13がホルダ14に対して近接し、離反する。
試験片11の基端部18がホルダ13に保持されると共に、試験片12の基端部19がホルダ14に保持される。この状態で上記駆動部15が作動することにより、同図が示すように試験片11、12の先端部20、21同士が押圧され擦り合わされる。本実施形態に係る摩耗試験機の特徴とするところは、ホルダ13、14がキー22、23(本発明における「トルク伝達部」の一例)を備えており、これらが試験片11、12のキー溝24、25(本発明における「トルク受け部」の一例)に係合するようになっている点である。これにより、摩耗試験において、試験片11、12の先端面26、27(本発明における「他端面」の一例)間の面圧が一様となり、信頼性の高い試験データが得られるようになっている。なお、後述されるように、上記駆動部15の構造は同図が示すものに限定されない。上記駆動部15は、要するに、一対の試験片11、12が押圧された状態で擦り合わされるようにホルダ13、14を操作することができる構造を備えていればよい。
[試験片の構造]
図2は、試験片11、12の構造を示す斜視図である。
試験片11、12は、当該摩擦・摩耗試験を受けようとする材料から構成される。同図が示すように試験片11は、筒状部28と、フランジ部29とを備えている。本実施形態では、筒状部28は円筒状に形成されている。筒状部28の長さf、外径d1及び肉厚bは、所定の寸法に設定されている。これら各寸法は、スラストシリンダ方式摩耗試験(JIS K 7218)の規格に準拠して決定され得る。また、フランジ部29の外径d2及び肉厚寸法tも所定の寸法に設定されている。本実施形態では、フランジ部29の外径d2及び肉厚寸法tは、それぞれ、35mm、及び2.5mmに設定されている。なお、試験片12は、試験片11と同様の形状であって、筒状部30及びフランジ部31を備える。試験片12は、上記軸線16に沿って試験片11と対向配置されており、前述のように試験片11の先端面26と試験片12の先端面27とが当接するようになっている。すなわち、これら先端面26、27が当該摩耗試験における摺動面となる。
図3は、試験片11の基端部18の断面図である。
図2及び図3が示すように、筒状部28の基端にフランジ部29が一体的に形成されている。このフランジ部29の外周面32(本発明における「外周縁部」の一例)に上記キー溝24が設けられている。このキー溝24は、フランジ部29の外周面32から径方向に切り込まれた切欠凹部からなる。図2が示すように、本実施形態では、4つのキー溝24が設けられている。本実施形態では、キー溝24の幅寸法eは6mmに設定されており、切込深さsは3mmに設定されている。各キー溝24は、フランジ部29の周方向に均等に配置されている。もっとも、キー溝24の数はこれに限定されるものではない。2つ以上の複数のキー溝24が、均等に配置されるのが好ましい。
試験片12の筒状部30にも上記フランジ部31が形成されており、このフランジ部31の外周面37(本発明における「外周縁部」の一例)に上記キー溝25が設けられている。前述のように、このキー溝25は、上記キー溝24と同様の形状であり、キー溝24と同数だけ設けられている。
本実施形態では、キー溝24(25)の切込深さsは、次の関係式(a)が成立するように設定されている。
t+s≦(d2−d1)/2 −−−−−−−−−−(a)
つまり、図3が示す寸法c、すなわち、フランジ部29(31)のキー溝24(25)によって切り欠かれた残りの部分の長さcは、フランジ部29(31)の肉厚寸法t以上となるように設定されている。このようにキー溝24の切込深さsが設定されることによる作用効果については後述される。
[ホルダの構造]
図1が示すように、ホルダ13は、ベース部33と、主軸部34とを備えている。ホルダ14もホルダ13と同様の構造である。各ホルダ13、14は、それぞれ上記試験片11、12を保持するものであり、鉄鋼材料、非鉄材料、樹脂等により構成され得る。ベース部33は、円柱状に形成されている。ベース部33の基端に固定板35が設けられている。この固定板35は、ホルダ13を上記駆動部15に固定し、ホルダ14を図示されていない台座に固定する。
ベース部33の外径は、試験片11、12の外径に対応しており、ベース部33の上面36は、試験片11、12の載置面を構成している。この上面36は、上記軸線16と直交する。ただし、ベース部33の外径は、試験片11、12の外径以上に設定されていればよい。上記上面36に上記キー22、23が突設されている。このキー22、23は、ベース部33と一体的に形成されている。図1が示すように、本実施形態では、キー22、23は、それぞれ4つずつ設けられている。本実施形態では、キー22、23の幅寸法は、上記キー溝24、25の幅寸法bに対応しており、キー22、23の高さは、上記キー溝24、25の切込深さsに対応している。各キー22、23は、それぞれ、ベース部33の上面36の4箇所に設けられており、周方向に均等に配置されている。したがって、各キー22、23は、対応するキー溝24、25と嵌合する。なお、キー22、23の数はこれに限定されるものではなく、キー溝24、25の数に対応されることは言うまでもない。
主軸部34は、ベース部33の上面36の中央に設けられている。この主軸部34の中心軸は、上記軸線16と一致している。主軸部34の外径は、試験片11、12の内径に対応している。本実施形態では、主軸部34の先端部に面取加工が施されている。主軸部34の高さは、試験片11、12の筒状部28、30の長さに対応されるが、特に限定されない。試験片11、12は、主軸部34に嵌め込まれることによって、所定の保持力でベース部33に保持される。また、試験片11、12のキー溝24、25に各キー22、23が嵌合する。これにより、試験片11、12の主軸部34を中心とする回転が規制される。
[駆動部]
前述のように、本実施形態では、駆動部15は、上記モータ17と、図示されていないスライド機構とを有する。ホルダ13がモータ17により上記軸線16の周りに回転されると共にスライド機構によってホルダ13が軸線16に沿ってホルダ14側へスライドされる。ただし、駆動部15は、かかる構造に限定されない。たとえば、上記モータ17がホルダ14に連結されると共に、上記スライド機構がホルダ13に連結されてもよい。この場合、ホルダ13がホルダ14に対して上方から押し付けられ、その状態でホルダ14が回転される。すなわち、駆動部15は、要するにホルダ13とホルダ14とを押圧した状態で両者を相対的に回転させる構造を備えていればよい。
[試験方法]
この摩耗試験機10は、次の要領で試験片11、12について摩擦・摩耗試験を行う。
まず、図1が示すように、試験片11の基端部18がホルダ13装着される。具体的には、試験片11の筒状部28がホルダ13の主軸部34に嵌め込まれると共に、フランジ部29に設けられたキー溝24がホルダ13に設けられたキー22と係合する。同様にして、試験片12がホルダ14に装着される。これにより、試験片11、12は、所定の保持力でホルダ13、14に保持される。
次に、駆動部15のスライド機構が作動し、ホルダ13に保持された試験片11がホルダ14に保持された試験片12側に軸線16に沿ってスライドされ、所定の押圧力で押し付けられる。これにより、試験片11の先端面26と試験片12の先端面27(本発明における「所定の面」の一例)とが所定の押圧力で圧接される。そして、上記モータ17が回転することにより、試験片11に回転トルクが伝達され、試験片11は試験片12に対して相対的に回転する。この回転トルクは、上記キー22、23及びキー溝24、25を介して伝達される。すなわち、試験片11、12の筒状部28、30の外周面よりも径方向外側の部位を作用点として、試験片11、12に回転トルクが伝達される。
これにより、試験片11、12の先端面26、27同士が相対的に摺動し、このときの先端面26、27の摩耗量、pv値その他のデータが測定される。これらの測定データは、試験片1、12を構成する材料の摩擦・摩耗特性を示すものとなる。なお、本実施形態では、一対の試験片11、12が当接され、相対的に摺動されるが、たとえば試験片12の代わりに、試験を受けようとする試験片11が摺動するための特別の摺動部材が設けられてもよい。この場合、当該摺動部材の接触面が試験片11が摺動する所定の面を構成する。
[作用・効果]
図1が示すように、試験片11、12に設けられた上記キー溝24、25は、フランジ部29、31の外周面32、37に設けられている。すなわち、上記筒状部28、30の径方向外側にキー溝24、25が配置されている。したがって、上記駆動部15から試験片11に伝達される回転トルクは、筒状部28の外周面よりも径方向外側の部位を作用点として付与される。その結果、上記筒状部28、30に上記軸線16に沿う押付力が付与された場合であっても、上記キー溝24、25に作用する回転トルクが上記押付力を変動させることはない。
試験片11、12に付与される押付力が変動しないことから、上記筒状部28の先端面26及び上記筒状部30の先端面27の面圧は均一となる。したがって、当該摩擦・摩耗試験によって得られる測定データは、当該試験片11、12を構成する材料の摩擦・摩耗特性を示すものとして信頼性の高いものである。
また、本実施形態では、4つのキー溝24、25が上記フランジ部29、31に設けられ、しかも、フランジ部29、31の周方向に均等に配置されている。これにより、試験片11、12の筒状部28、30に対して周方向に均等に上記回転トルクが作用する。その結果、上記先端面26、27の面圧はより均一になるという利点がある。
さらに、上記キー溝24、25は、上記フランジ部29、31の外周面32、37から径方向に切り込まれた切欠凹部から構成されるので、上記回転トルクを受ける手段としてきわめて簡単な構造である。しかも、キー溝24、25の切込深さsと、筒状部28、30の外径d1と、フランジ部29、31の外径d2と、フランジ部29、31の肉厚tとの間に、上記関係式(a)が成立しているから、試験片11、12の筒状部28、30に付加される回転トルクは、当該筒状部28、30から径方向に十分に離れた部位に付加されることに加えて、当該回転トルクが付加されるフランジ部29、31の十分な剛性が確保される。その結果、当該回転トルクが上記押付力に影響を及ぼすことが確実に防止され、上記先端面26、27の面圧がよりいっそう均一になる。
[変形例]
図4は、本実施形態の第1の変形例に係る摩耗試験機40の要部拡大断面図である。
本変形例に係る摩耗試験機40が上記実施形態に係る摩耗試験機10と異なるところは、試験片11(12)のフランジ部29(31)の一部に薄肉部分が設けられている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態と同様である。
具体的には、同図が示すように、フランジ部29(31)のうち上記キー溝24(25)が設けられた部位の肉厚が寸法kだけ薄くなっている。換言すれば、フランジ部29(31)のうち当該部位以外の部位の肉厚はtであり、上記キー溝24(25)が設けられた部位は、ホルダ13(14)のベース部33との間に隙間kが形成されている。
この隙間kが形成されることにより、上記回転トルクが付与される部分は、上記押付力が付与される部分と空間的に分離されることになる。したがって、上記筒状部28(30)に付与される回転トルクが当該筒状部28(30)に付与される押付力に与える影響は、よりいっそう抑えられる。その結果、試験片11、12の先端面26、27の面圧がなおいっそう均一になる。
図5は、本実施形態の第2の変形例に係る摩耗試験機50の要部拡大断面図である。
本変形例に係る摩耗試験機50が上記実施形態に係る摩耗試験機10と異なるところは、上記実施形態では、駆動部15が試験片11に上記押付力及び回転トルクを付加するように構成されていたのに対し、本変形例では、上記回転トルクが試験片12に付加され、上記押付力が試験片11に付加されるようになっている点、及びホルダ14のベース部33の一部に段差部分51が設けられている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態と同様である。
本変形例では、試験片11は上記スライド機構によって軸線16に沿って試験片12側へスライドされ、両者が圧接される。また、同図では図示されていないが、上記モータ17は、ホルダ14に連結されている。
上記段差部分51は、ホルダ14のベース部33の一部が切り欠かれることにより構成されている。この段差部分51が設けられることにより、試験片12のキー溝25とベース部33との間に隙間mが生じている。また、この段差部分51が形成されることによって、試験片12を支持する座部52が形成されている。試験片12の筒状部30は、この座部52上に載置され、保持されるようになっている。
この座部52が設けられることにより、試験片12の筒状部30は、確実にホルダ14に支持される。しかも、試験片12のフランジ部31のうち上記キー溝25が設けられた部分は、上記ベース部33と空間的に分離される。つまり、上記回転トルクが付与される部分は、上記押付力が付与される部分と空間的に分離されることになる。したがって、上記筒状部30に付与される回転トルクが当該筒状部30に付与される押付力に与える影響は、よりいっそう抑えられ、その結果、試験片11、12の先端面26、27の面圧がなおいっそう均一になる。
1・・・試料部材
2・・・試料部材
3・・・他端面
4・・・他端面
5・・・切欠部
6・・・切欠部
7・・・中心軸
10・・・摩耗試験機
11・・・試験片
12・・・試験片
13・・・ホルダ
14・・・ホルダ
15・・・駆動部
16・・・軸線
17・・・モータ
18・・・基端部
19・・・基端部
20・・・先端部
21・・・先端部
22・・・キー
23・・・キー
24・・・キー溝
25・・・キー溝
26・・・先端面
27・・・先端面
28・・・筒状部
29・・・フランジ部
30・・・筒状部
31・・・フランジ部
32・・・外周面
33・・・ベース部
34・・・主軸部
35・・・固定板
36・・・上面
37・・・外周面
40・・・摩耗試験機
50・・・摩耗試験機
51・・・段差部
52・・・座部

Claims (5)

  1. スラストシリンダ方式の摩耗試験に供される摩耗試験片であって、
    一端面及び摺動面である他端面を有する筒状部と、
    上記一端面に設けられたフランジ部と、
    上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部からなり、上記筒状部の中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させるための回転力が付加されるトルク受け部とを備え
    上記切欠凹部の切込深さsと、上記筒状部の外径d1と、上記フランジ部の外径d2と、上記フランジ部の肉厚tとの間に、
    t+s≦(d2−d1)/2
    の関係が成立している摩耗試験片。
  2. 複数のトルク受け部が上記フランジ部の周方向に均等に配置されている請求項1に記載の摩耗試験片。
  3. 上記フランジ部のうち上記トルク受け部が設けられた部位の肉厚は、その余の部位の肉厚よりも薄く設定されている請求項1又は2に記載の摩耗試験片。
  4. スラストシリンダ方式の摩耗試験を実施するための摩耗試験機であって、
    一端面及び他端面を有する筒状部、上記一端面に設けられたフランジ部、及び上記フランジ部の外周面から径方向に切り込まれた切欠凹部からなり、上記筒状部の中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させるための回転力が付加されるトルク受け部を備え、上記切欠凹部の切込深さsと、上記筒状部の外径d1と、上記フランジ部の外径d2と、上記フランジ部の肉厚tとの間に、t+s≦(d2−d1)/2の関係が成立している摩耗試験片を保持するホルダと、
    上記筒状部の他端面が摺動面となるように上記ホルダを上記筒状部の中心軸に沿って移動させると共に当該中心軸を回転中心として当該筒状部を回転させる駆動機構とを有し、
    上記ホルダは、
    上記筒状部の一端面が支持されるベース部と、
    当該ベース部に設けられ、上記筒状部を所定の保持力で保持すべく当該筒状部と嵌合する主軸部と、
    上記ベース部に設けられ、上記フランジ部に設けられたトルク受け部に係合して上記駆動機構の回転力を伝達するトルク伝達部とを備えている摩耗試験機。
  5. 上記ベース部は、上記トルク受け部との間に隙間を生じさせるための段差が設けられることにより上記筒状部を支持する座部が形成されている請求項4に記載の摩耗試験機。

JP2009201991A 2009-09-01 2009-09-01 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法 Active JP5093201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201991A JP5093201B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201991A JP5093201B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011053072A JP2011053072A (ja) 2011-03-17
JP5093201B2 true JP5093201B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=43942236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009201991A Active JP5093201B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5093201B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6535165B2 (ja) * 2014-12-18 2019-06-26 日本トムソン株式会社 ニードルケージにおける保持器用耐摩耗試験装置
US10119940B2 (en) * 2016-08-25 2018-11-06 The Boeing Company Acoustic emission sensor holder
KR102294798B1 (ko) * 2019-12-26 2021-08-30 한국세라믹기술원 미세먼지 검출 및 분석장치

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11118693A (ja) * 1997-10-08 1999-04-30 Eagle Ind Co Ltd 摩擦摩耗試験機の試験片保持治具
JPH11118695A (ja) * 1997-10-08 1999-04-30 Eagle Ind Co Ltd 摩擦摩耗試験機の試験片保持治具
JPH11118694A (ja) * 1997-10-08 1999-04-30 Eagle Ind Co Ltd 摩擦摩耗試験機の試験片保持治具
JP3980225B2 (ja) * 1999-09-22 2007-09-26 高千穂精機株式会社 摩擦試験機および摩擦試験方法
JP2004101459A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Koyo Seiko Co Ltd 樹脂製歯車用の摩擦摩耗試験機およびその試験方法
JP2006162301A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Ricoh Co Ltd 摩耗試験機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011053072A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5056796B2 (ja) 工作機械における主軸の動剛性測定装置及び動剛性測定方法
JP5327132B2 (ja) 摩耗試験装置及び摩耗試験方法
JP5093201B2 (ja) 摩耗試験機及び摩耗試験片並びに摩耗試験方法
KR100786526B1 (ko) 초고속 주축계의 정강성 측정장치
JP6061312B2 (ja) 塑性加工方法及びそれに用いるスピニングマシン
US20110299806A1 (en) Spindle, shaft supporting device and method of supporting a rotatable shaft
JP2008121745A (ja) 軸受ユニット及び該軸受ユニットを備えた工作機械の主軸装置
JP5352247B2 (ja) 研削加工装置
JP2012127826A (ja) 測定装置
JP2008175254A (ja) 回転軸の支持方法
CN111336978B (zh) 周向间隙测量装置和周向间隙测量方法
JP2001194270A (ja) 転がり軸受用回転精度及び動トルク測定装置
JPH06339733A (ja) 回転加工機
JP4946380B2 (ja) スピンドル装置
JP2019005827A (ja) 工作機械の主軸装置
JP2006162301A (ja) 摩耗試験機
JP6179547B2 (ja) 玉軸受の検査装置及び検査方法
JP2012157963A (ja) 回転軸用アキシアル荷重測定装置の検定方法及び検定装置
US7707730B2 (en) Body having an angle scale and its use
KR20120047060A (ko) 주축의 강성 측정장치
JP2010002298A (ja) タイヤ試験装置、これに用いられるタイヤ装着軸及びタイヤ試験方法
JP2007296636A (ja) 主軸装置
JP2022087491A (ja) 表面基準検出機構、及び硬さ試験機
JP6203845B2 (ja) クランプ装置
JP2006098197A (ja) ゴムローラの外径及び振れ測定装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120821

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5093201

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3