JP6179547B2 - 玉軸受の検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、玉軸受の検査装置及び検査方法に関する。
一般に、玉軸受の製造工程においては、完成した玉軸受の品質の良否を総合的に判定するために軸受単体で玉表面の傷、ゴミや加工不良の有無を検査している。この検査工程では、被検査玉軸受の内輪を回転軸に嵌着し、外輪に予圧を付与した状態で内輪を回転軸により回転駆動する。そして、内輪と外輪との相対的な回転に伴って玉軸受から発生する振動を測定し、その振動測定結果に基づいて被検査玉軸受の品質の良否を判別している。上記の検査工程に用いられる玉軸受の検査装置として、例えば特許文献1、2に開示された検査装置が知られている。
特開平10−253501号公報 特開2000−292314号公報
特許文献1に開示される玉軸受の検査装置は、2軸の回転軸を有し、これら2軸の回転軸の間に玉軸受を180度反転させる機構を備える。このため、一方の回転軸で玉軸受を回転駆動しつつ玉軸受の一面側から予圧を付与して検査を行い、検査終了後に玉軸受を180°回転して、他方の回転軸で玉軸受を回転駆動しつつ玉軸受の他面側から予圧を付与して検査を行うことが連続して行える。しかしながら、この方法では反転機構と高価なスピンドルが2軸必要となり、設備のコスト上昇の原因となる。
一方、特許文献2に開示される玉軸受の検査装置は、予圧方向とは反対方向に軸受外輪を押し戻す機構が搭載されている。一般的な振動測定装置では、予圧によって接触する軌道面は決まってしまうが、押し戻し機構で軸受外輪を微量押し戻すことで、接触面が拡大して、より広い面の欠陥の発見が可能になる。しかし、軸受外輪を押し戻す際に、大きな予圧荷重を外輪に負荷できない。そのため、玉軸受の一面側から予圧を付与する場合は振動測定が行えても、他面側から予圧を付与する場合には十分な振動測定が困難となる。
その理由は、検査装置が内輪を軸方向に拘束する構造を持たないためである。玉軸受のサイズにもよるが、振動測定時は50〜400N程度の予圧荷重を軸方向に負荷する必要がある。このような荷重を負荷したときに回転軸と内輪との摩擦力だけでは内輪の軸方向の変位を防止できない。その結果、予圧荷重が不足する場合は、内輪内径面と回転軸とが滑って内輪が空転したり、外輪が内輪と一緒に回転したりして、正確な振動測定を行うことが難しくなる。
そこで本発明は、玉軸受の一面側の振動測定が終了した後に他面側を振動測定する際の玉軸受の反転機構を不要にし、回転軸を一軸で済ませ、設備コストを低減できる玉軸受の検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
(1) 玉軸受の外輪と内輪とを相対回転させて前記玉軸受から発生する振動を検出する玉軸受の検査装置であって、
前記玉軸受の内輪を外周面に支持するアーバと、
前記アーバを回転駆動する回転駆動部と、
前記アーバに支持された前記玉軸受の外輪を軸方向に押圧して前記玉軸受に予圧を付与する第1の加圧部と、
前記外輪を前記第1の加圧部による押圧方向とは反対方向に押圧して前記玉軸受に予圧を付与する第2の加圧部と、
前記玉軸受からの振動を検出する振動検出部と、
を備え、
前記アーバは、
前記外周面から径方向外側へ突出する突き当て部と、
前記突き当て部から少なくとも前記内輪の幅を離間して配置された少なくとも1つの可動鍔と、
前記可動鍔を、前記外周面から突出させた第1の状態と、前記アーバ内に収容させた第2の状態とに切り替える鍔駆動機構と、
を有し、
前記鍔駆動機構を前記第1の状態又は前記第2の状態に切り替える駆動力を付与する駆動力供給部を更に備えたことを特徴とする玉軸受の検査装置。
(2) 前記鍔駆動機構は、前記アーバの内部に、前記軸方向へ移動自在に支持されたピストンユニットを有し、
前記ピストンユニットと前記可動鍔とは、少なくともいずれか一方に前記軸方向に対して傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面で前記ピストンユニットと前記可動鍔とが摺動し合うことで、前記ピストンユニットの軸方向移動が前記可動鍔の径方向移動に変換されることを特徴とする(1)に記載の玉軸受の検査装置。
(3) 前記アーバに前記玉軸受を供給するローディング部を備え、
前記ローディング部に前記駆動力供給部が搭載されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の玉軸受の検査装置。
(4) 前記振動検出部による振動検出結果に基づいて、前記玉軸受を評価する評価値を演算する演算部を備える(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の玉軸受の検査装置。
(5) 前記アーバは、
前記突き当て部が形成されたアーバ本体と、
前記アーバ本体の前記玉軸受の挿入側の一端部に取り付けられるカバー部材と、
を有し、
前記可動鍔は、前記アーバ本体の前記一端部に形成された本体側平面部と、前記カバー部材の前記本体側平面部に対面して、前記本体側平面部と平行に形成されたカバー部材側平面部との間に配置された、平板状の部材であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の玉軸受の検査装置。
(6) 前記本体側平面部と前記カバー部材側平面部との間に、前記可動鍔の板厚より大きな厚みを有するスペーサ部材が配置されることを特徴とする(5)に記載の玉軸受の検査装置。
(7) 前記可動鍔は、前記径方向に沿って、互いに平行な一対のガイド孔が形成され、
前記アーバ本体と前記カバー部材の少なくとも一方は、前記ガイド孔に嵌挿される一対のガイドピンを有することを特徴とする(5)又は(6)に記載の玉軸受の検査装置。
(8) (1)乃至(7)のいずれか一つに記載の玉軸受の検査装置を用いた玉軸受の検査方法であって、
前記可動鍔を前記第2の状態で、被検査用の玉軸受の内輪を前記アーバに挿入して、前記内輪が前記突き当て部に当接する位置で前記玉軸受を支持する工程と、
前記鍔駆動機構が前記可動鍔を前記外周面から突出させる工程と、
前記内輪を回転駆動した状態で、前記第1の加圧部又は前記第2の加圧部のいずれか一方により前記玉軸受に予圧を付与して前記玉軸受の振動を検出する工程と、
前記内輪を回転駆動した状態で、前記第1の加圧部又は前記第2の加圧部のいずれか他方により前記玉軸受に予圧を付与して前記玉軸受の振動を検出する工程と、
を含むことを特徴とする玉軸受の検査方法。
(9) 前記玉軸受の振動検出結果に基づいて、前記玉軸受を評価する評価値を演算する工程を更に含むことを特徴とする(8)に記載の玉軸受の検査方法。
本発明によれば、玉軸受の一面側の振動測定が終了した後に他面側を振動測定する際の玉軸受の反転機構を不要にし、回転軸を一軸で済ませ、設備コストを低減できる。
本発明の実施形態を説明するための図で、玉軸受の検査装置の全体構成図である。 (A),(B)は第1の加圧部と第2の加圧部の構成例を示す図で、(A)はボールネジナット機構を用いた加圧部の概略構成図、(B)はシリンダピストン機構を用いた加圧部の概略構成図である。 検査装置の制御ブロック図である。 (A)は玉軸受に加圧力Paで予圧を付与した状態を示す説明図、(B)は玉軸受に加圧力Pbで予圧を付与した状態を示す説明図である。 (A)はアーバの軸方向先端側から見た正面図、(B)は(A)に示すA−A線に沿ったアーバの部分断面図である。 ピストンの外観を示す斜視図である。 開閉部材の軸方向後端側から見た背面図である。 (A)は可動鍔の単体の正面図、(B)は(A)のB−B線に沿った可動鍔の断面図である。 (A)、(B)は、プッシャによりピストンユニットを軸方向に移動させ、可動鍔をアーバの外周面から突出させない状態にしたアーバを示す図で、(A)はアーバの正面図、(B)は(A)に示すC−C線に沿ったアーバの部分断面図である。 (A)〜(D)はアーバに玉軸受を取り付ける手順を段階的に示す説明図である。 第2の構成例におけるアーバの軸方向断面図である。 ピストンの軸方向先端側から見た正面図である。 可動鍔の断面図である。 (A)はピストンが圧縮バネによって軸方向先端側に付勢された状態を示す一部断面図、(B)は開閉部材が軸方向後端側に押圧された始めた状態を示す一部断面図である。 可動鍔を径方向内側に引き込んだ状態の断面図である。 (A)、(B)は可動鍔の変形例を示す断面図である。 第2の構成例のアーバに対して、径方向内側に段部を設けた可動鍔を使用した場合のアーバの断面図である。 (A)は第3の構成例におけるアーバの軸方向先端側から見た正面図、(B)は(A)のD−D線に沿ったアーバの部分断面図である。 鍔部をアーバの外周面から突出させずにアーバ内に収容した状態を示すアーバの部分断面図である。 (A)は第4の構成例におけるアーバの軸方向先端側から見た正面図、(B)は(A)のE−E線に沿ったアーバの部分断面図である。 鍔部をアーバの外周面から突出させずにアーバ内に収容した状態を示すアーバの部分断面図である。 (A)はアーバの軸方向先端側から見た正面図、(B)はアーバの側面図である。 開閉部材の軸方向後端側から見た背面図である。 (A)は可動鍔の単体の正面図、(B)は(A)のA−A線に沿った可動鍔の断面図である。 可動鍔の支持構造を模式的に示す分解斜視図である。 アーバ本体とカバー部材とスペーサ部材との関係を示すアーバの側断面図である。 可動鍔の支持構造の参考例を示す分解斜視図である。 (A)はアーバの正面図、(B)は(A)に示すB−B線に沿ったアーバの部分断面図である。 (A)はアーバの正面図、(B)は(A)に示すC−C線に沿ったアーバの部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、玉軸受の検査装置の全体構成図である。
<第1の構成例>
玉軸受の検査装置100(以下、単に検査装置と呼称する)は、被検査用の玉軸受11の外輪13と内輪15とを相対回転させて、玉軸受11から発生する振動を検出するものである。
検査装置100は、玉軸受11が外周面に嵌着される断面円形のアーバ17と、回転軸Axを中心にアーバ17を回転駆動する回転駆動部19と、玉軸受11に予圧を付与する第1の加圧部21、及び第2の加圧部23と、玉軸受11からの振動を検出する振動検出部25とを備える。
また、検査装置100は、アーバ17に玉軸受11を供給するローディング部27を備える。ローディング部27は、アーバ17の回転軸Axと同軸上で、回転駆動部19とは反対側に配置され、回転軸Axに沿って進退自在にされている。ローディング部27のアーバ17側の一端部31には、アーバ17に供給する玉軸受(図中点線で示す玉軸受11A)が着脱可能に支持される。
ローディング部27の中心軸部には、プッシャ29がアーバ17に対して軸方向に突き出し可能に搭載されている。プッシャ29は、ローディング部27に搭載されることで、検査装置100の構成を簡単化できる。なお、プッシャ29は、ローディング部27に設けることに限らず、単独で配置したり、他の部材に並設したりしてもよく、アーバ17から離反可能であればよい。
本明細書においては、アーバ17のローディング部27側を軸方向先端側(又は、先端側)と呼称し、アーバ17の回転駆動部側を軸方向後端側(又は、後端側)と呼称する。
アーバ17は、軸方向後端側の一端部に形成され図示しない回転軸を接続するテーパ部33、及びテーパ部33とは反対側の他端部35に開口を有し、詳細を後述するピストン収容部37が内部に形成されるアーバ本体39と、アーバ本体39の他端部35を覆い、ピストン収容部37の開口を閉塞するカバー部材41と、アーバ本体39とカバー部材41との間に配置される可動鍔87と、可動鍔87を駆動する詳細を後述する鍔駆動機構と、を有する。
カバー部材41の軸方向先端側の端部中心にはローディング部27のプッシャ29を挿通させる詳細を後述する挿通孔43が形成されている。
アーバ本体39とカバー部材41の内部のピストン収容部37には、ピストンユニット45と、ピストンユニット45を軸方向先端側へ付勢する圧縮バネ47とが収容される。ピストンユニット45は、開閉部材89と、ピストン91とを有し、ピストン収容部37内で軸方向へ移動自在に支持されている。
アーバ本体39は、カバー部材41の外周面51と面一となった先端側の外周面53と、この先端側の外周面53から径方向外側に突出する突き当て部55とを有する。突き当て部55は、玉軸受11の内輪15の側面に当接可能で、外輪13には干渉しない径方向高さに形成されている。突き当て部55は、先端側の外周面53の段付によって形成される他、先端側の外周面53から立設されるピンやブロック等の部材であってもよい。
回転駆動部19は、アーバ本体39のテーパ部33に接続されてアーバ17を支持する図示しない回転軸に、ギヤやベルト等を介して回転駆動力を供給するモータを備える。
アーバ17の半径方向外側には、外輪13のローディング部27側の側面に当接する有低円筒形状の先端側加圧リング61と、外輪13の回転駆動部19側の側面に当接する有低円筒形状の基端側加圧リング63とが配置されている。
先端側加圧リング61は、第1の加圧部21からの軸方向の押圧力(図中矢印Pa)を外輪13に伝達する。基端側加圧リング63は、第1の加圧部21による押圧方向とは反対方向の、第2の加圧部23からの軸方向の押圧力(図中矢印Pb)を外輪13に伝達する。
第1の加圧部21は、先端側加圧リング61を押圧駆動できるものであればよく、第2の加圧部23は基端側加圧リング63を押圧駆動できるものであればよく、その構成は問わない。例えば、図2(A)に示すように、基端側加圧リング63(或いは先端側加圧リング61)にナット65を介してボールネジ38に噛み合った押圧腕69を連結したボールネジナット機構を用いたものであってもよい。その場合、サーボモータ71によってボールネジ38を回転させることで、基端側加圧リング63(61)を介して玉軸受の外輪を軸方向に押圧して、玉軸受に予圧が付与できる。
また、図2(B)に示すように、先端側加圧リング61(或いは基端側加圧リング63)をシリンダピストン機構で駆動する構成であってもよい。その場合、シリンダ73内のピストン75が流体の流出入によって軸方向に駆動されることで、先端側加圧リング61(63)を介して外輪を軸線方向に押圧して、玉軸受に予圧が付与できる。
振動検出部25は、例えば加速度センサ、変位センサ、速度センサ、マイクロホン等からなり、検出された振動を電気信号に変換するものである。
ここで、上記構成の検査装置100を用いて玉軸受の振動を検出する基本的な検査方法の各工程を説明する。
図3に検査装置100の制御ブロック図を示す。検査装置100の制御部81は、ローディング部27を駆動して、玉軸受11をアーバ17の外周部に取り付けて玉軸受11の軸方向移動を規制させる。そして、制御部81は、回転駆動部19を駆動して図示しない回転軸を介してアーバ17を回転駆動する。これにより、玉軸受11の内輪15が回転駆動される。
制御部81が、第1の加圧部21を駆動して、外輪13の側面を軸方向に押圧すると、図4(A)に示すように、玉軸受11の外輪13が内輪15に対して図中右方向(後端側)に変位する。また、制御部81が第2の加圧部23を駆動して、外輪13の側面を軸方向に押圧すると、図4(B)に示すように、玉軸受11の外輪13が内輪15に対して図中左方向(先端側)に変位する。
制御部81は、図4(A)に示す予圧付与状態と、図4(B)に示す予圧付与状態とのそれぞれで、振動検出部25により玉軸受11からの振動を検出する。制御部81は、検出された各予圧付与状態の振動検出結果である振動データを演算部83に出力する。演算部83は、入力された振動データを周波数解析し、玉軸受11を評価する様々な評価値の周波数ごとの強度を演算により求める。そして、軸受の諸元と測定時の内外輪の相対回転速度から決定される各種の重要な周波数、例えば、外輪軌道面の傷に起因する外輪傷周波数Zfcや、内輪軌道面の傷に起因する内輪傷周波数Zfi、ボール傷周波数2fbにおける強度と予め設定された閾値とを比較して玉軸受11の良否を判定する。
ここで、外輪傷周波数Zfc[Hz]を(1)式、内輪傷周波数Zfi[Hz]を(2)式、ボール傷周波数2fb[Hz]を(3)式に示す。
fr:内輪回転速度[Hz]
Z:転動体の数
α:接触角(度)
Da:転動体直径[mm]
dm:ピッチ円直径[mm]
そして、制御部81は、判定した良否判定結果を出力部85に出力する。出力部85から出力される良否判定結果の情報は、例えば検査装置100が有する表示部に表示されたり、検査装置100に接続された外部機器に取り込まれたりして、検出信号として外部に供される。
振動測定の終了後、制御部81はローディング部27を駆動して、玉軸受11を排出する。
上記のように、軸方向に異なる方向に予圧を付与して玉軸受の振動を検出する場合、予圧による内輪15の軸方向の変位を防止する必要がある。本構成の検査装置100は、内輪15の軸方向のずれを防止するため、内輪15の一方の側面に対面するように、アーバ17の外周面に突き当て部55が形成されている。また、内輪15の他方の側面に対面するように、後述する可動鍔87がアーバ17の外周面から半径方向外側に突出している。
次に、可動鍔87をアーバ17の外周面から突出させた第1の状態と、アーバ17内に収容させた第2の状態とに切り替える機構について詳細に説明する。以下の説明では、上述した部材と同一の部材については同一の符号を付与することで、その説明を簡略化、又は省略する。
図5(A)はアーバ17を軸方向先端側から見た正面図、図5(B)は図5(A)に示すA−A線に沿ったアーバ17の部分断面図である。
アーバ本体39の先端側の外周面53には、玉軸受11の内輪15が固定されている。可動鍔87A,87B,87C,87Dは、内輪15の側面に当接可能で外輪13より低い半径方向高さに、先端側の外周面53から径方向に出没自在に配置されている。
本構成例では、可動鍔87A,87B,87C,87Dがアーバ17の円周方向に沿った4箇所に等分配置されているが、これに限らず、2等分配置、3等分配置等、任意の複数箇所に配置することもできる。
図6はピストン91の外観を示す斜視図である。ピストン91は、先端側に細径部96、後端側に段部94が形成された太径部98を有する。太径部98は、図5に示すアーバ本体39のピストン収容部37に挿入され、圧縮バネ47の一端部が段部94に係止される。この圧縮バネ47によって、ピストン91は開閉部材89側に付勢される。また、細径部96の先端は開閉部材89に当接する。これにより、細径部96は開閉部材89からの軸方向力を受け、また、圧縮バネ47の弾性復元力を開閉部材89に伝達する。
図7は開閉部材89の軸方向後端側から見た背面図である。開閉部材89は、基部95と、基部95の後端部に軸方向後方に向かって半径方向長さが漸増する傾斜ピン97A,97B,97C,97Dが放射状に等間隔で設けられている。
各傾斜面93A,93B,93C,93Dの回転軸Axからの傾斜角はそれぞれ等しく、また、各傾斜ピン97A,97B,97C,97Dの回転軸Axからの傾斜角も等しい。
各傾斜ピン97A,97B,97C,97Dは、それぞれ対応する可動鍔87A,87B,87C,87Dと係合して、各可動鍔を径方向に変位させる。開閉部材89の傾斜ピン97Aは可動鍔87Aに対応し、傾斜ピン97Bは可動鍔87Bに対応して設けられている。また、傾斜ピン97Cは可動鍔87Cに対応し、傾斜ピン97Dは可動鍔87Dに対応して設けられている。
図8(A)は可動鍔87の単体の正面図、図8(B)は図8(A)のB−B線に沿った可動鍔87の断面図である。各可動鍔87A,87B,87C,87Dは、前述のアーバ17の外周面から突出する円弧端99をそれぞれ有し、円弧端99とは反対側には、開閉部材89の対応する傾斜ピン97A,97B,97C,97Dを挿通させる連通孔101が厚み方向に対して傾斜して形成された板状片である。
各可動鍔87A,87B,87C,87Dは、図5(B)に示すように、連通孔101にそれぞれ対応する傾斜ピンが挿入された状態でアーバ本体39の他端部35とカバー部材41の後端部104との間で挟持される。これにより各可動鍔87A,87B,87C,87Dは、軸方向移動が規制され、対応する傾斜ピン97A,97B,97C,97Dの移動によって径方向へスライド可能となる。
次に、上記構成により可動鍔87をアーバ17の外周面53から径方向に出没させる動作を説明する。
図9(A)、(B)は、図1に示すローディング部27からのプッシャ29によりピストンユニット45を軸方向後端側に移動させ、可動鍔87をアーバ17の外周面53(カバー部材41の外周面51)から突出させない状態にしたアーバ17の様子を示す図で、図9(A)はアーバ17の正面図、図9(B)は図9(A)に示すC−C線に沿ったアーバ17の部分断面図である。
ピストンユニット45が可動鍔87を移動させる駆動力を供給する駆動力供給部としてのプッシャ29は、図9(B)に示すように、開閉部材89の基部95を軸方向後端側に押圧するように突き出される。
このプッシャ29の突き出しによって、開閉部材89は軸方向に沿って後端側に押圧される。すると開閉部材89は、ピストン91を介して圧縮バネ47を押し縮め、ピストン91及び可動鍔87A,87B,87C,87Dと共に後端側に移動する。
このとき、開閉部材89の傾斜ピン97A,97B,97C,97Dは、アーバ本体39の先端側に、各傾斜ピン97A,97B,97C,97Dに対応させて放射状に形成された合計4つの溝40内で回転を規制されながら軸方向に移動する。
各可動鍔87A,87B,87C,87Dは、それぞれ対応する傾斜ピン97A,97B,97C,97Dが連通孔101に挿通されているため、開閉部材89の軸方向移動に伴って、傾斜ピン97A,97B,97C,97Dと連通孔101との係合位置が変化し、各可動鍔87A,87B,87C,87Dが径方向内側に移動する。
これにより、アーバ17の外周面53(カバー部材41の外周面51)から各可動鍔87A,87B,87C,87Dの円弧端99の突出がなくなる。
また、開閉部材89を押圧するプッシャ29を軸方向先端側に退避させると、圧縮バネ47の弾性復元力によりピストン91と開閉部材89が軸方向先端側に移動して、可動鍔87A,87B,87C,87Dの円弧端99がアーバ17の外周面53から突出する。
次に、上記構成のアーバ17に玉軸受11を取り付け、内輪15の軸方向への変位を拘束させる手順を説明する。図10(A)〜(D)はアーバ17に玉軸受を取り付ける手順を段階的に示す説明図である。
図10(A)に示すように、検査対象の玉軸受11が一端部31にセットされたローディング部27を、アーバ17の軸方向に沿って移動させて、ローディング部27の一端部31の端面をアーバ17のカバー部材41の先端面に当接させる。
このとき、アーバ17内のピストンユニット45は圧縮バネ47によりアーバ17の軸方向先端側(図中左側)に付勢されている。また、カバー部材41の挿通孔43は、ローディング部27のプッシャ29に対面する位置に開口している。
次に、図10(B)に示すように、ローディング部27のプッシャ29をアーバ17側に突き出して、開閉部材89の基部95をプッシャ29で軸方向後端側へ押圧する。すると、ピストンユニット45は、圧縮バネ47を押し縮めながら軸方向後端側に移動する。ピストンユニット45の移動により開閉部材89の軸方向位置が変化すると、傾斜ピン97A,97B(以下、図示しない97C,97Dも同様)が挿通された可動鍔87A,87B(以下、図示しない87C,87Dも同様)が径方向内側に移動する。なお、以下の説明においては、図示しない傾斜ピン97C,97D、可動鍔87C,87Dについての動作は、上記の傾斜ピン97A,97B、可動鍔87A,87Bの動作と同様であるため、その説明は省略する。
ピストンユニット45が軸方向に移動すると、傾斜ピン97A,97Bの外周面(軸方向に対して傾斜する傾斜面)と可動鍔87A,87Bの連通孔101の内周面(軸方向に対して傾斜する傾斜面)とが摺動する。また、可動鍔87A,87Bの径方向内側の先端傾斜面102が、ピストン91の先端の傾斜面93Aと摺動する。これにより、可動鍔87A,87Bが径方向内側に移動する。その結果、可動鍔87A,87Bの円弧端99が、アーバ17の外周面53、及びカバー部材41の外周面51より内側に収容される。
この状態で、図10(C)に示すように、ローディング部27のワーク装着部材108を軸方向に沿ってアーバ17側に突出させて、ローディング部27に取り付けた玉軸受11を、軸方向に移動させる。これにより玉軸受11をアーバ17の突き当て部55に突き当てる。
そして、図10(D)に示すように、ワーク装着部材108をローディング部27側に引き戻し、その後にローディング部27をアーバ17から離反させ、プッシャ29をローディング部27内に引き戻す。
すると、アーバ17内のピストンユニット45は、圧縮バネ47の弾性復元力を受けて軸方向先端側へ移動する。この動作により可動鍔87A,87Bが再び径方向外側に突出して、玉軸受11が、突き当て部55と可動鍔87A,87Bとの間に内輪が配置された状態となり、内輪の軸方向移動が拘束される。
上記のように、ピストンユニット45と可動鍔87A,87Bとは、少なくともいずれか一方にアーバ17の軸方向に対して傾斜する傾斜面を有し、その傾斜面でピストンユニット45と可動鍔87A,87Bとが摺動し合うことで、ピストンユニット45の軸方向移動が可動鍔87A,87Bの径方向移動に変換される。
その結果、アーバ17に取り付けた玉軸受11は、内輪15の一方の側面が突き当て部55に対面し、他方の側面が可動鍔87A,87B,87C,87Dに対面する状態となり、軸方向の移動が拘束される。このため、図4(A),(B)に示すように、外輪13に大きな軸方向の加圧力Paを加えた場合は勿論、加圧力Paとは反対向きの大きな加圧力Pbを加えた場合であっても、玉軸受11が突き当て部55や可動鍔87を越えて軸方向にずれることはなく、安定して振動測定が行える。
上記構成の玉軸受の検査装置100により振動測定する場合には、まず、アーバ17の内側に可動鍔87を引き込んだ状態で、玉軸受11をアーバ17に挿入し、玉軸受11の内輪側面を突き当て部55に当接させる。この玉軸受11のローディング終了後、可動鍔87をアーバ17の外周面から突出させて、玉軸受11が突き当て部55と可動鍔87との間に配置された状態にする。これにより、内輪15の軸方向の変位が、アーバ17の突き当て部55と可動鍔87によって阻止され、玉軸受11の内輪15の軸方向移動が拘束される。
次に、図1に示す第1の加圧部21により、玉軸受11の外輪13を軸方向先端側から後端側に向けて加圧する。このとき、内輪15の側面は突き当て部55に当接して、図4(A)に示す図中左方向から右方向への予圧が玉軸受11に作用する。この予圧付与状態で回転駆動部19によりアーバ17を回転駆動して、内輪15と外輪13とを相対回転させて振動検出部25により玉軸受11からの振動を測定する。
その後、第1の加圧部21の加圧を停止し、第2の加圧部23により玉軸受11の外輪を軸方向後端側から先端側に向けて加圧する。このとき、内輪15の側面は可動鍔87に当接して、図4(B)に示す図中右方向から左方向への予圧が玉軸受11に作用する。この予圧付与状態で回転駆動部19によりアーバ17を回転駆動して、内輪15と外輪13とを相対回転させて振動検出部25により玉軸受11からの振動を測定する。
振動測定を終了した後、第2の加圧部23の加圧を停止し、再び可動鍔87をアーバ17の内側に収納して、玉軸受11を取り出す。
上記構成の玉軸受の検査装置100によれば、玉軸受11のローディング時には可動鍔がアーバの内部に引き込まれて玉軸受11を出し入れすることが可能となる。そして、検査対象となる玉軸受11に予圧を付与して振動測定する際、一方の予圧方向からこれとは逆の他方の予圧方向へ、加圧力の方向を反転するときに、玉軸受11を反転させる必要がない。そのため、反転機構が不要で、回転駆動軸も一軸のみで済み、検査装置を簡単化でき、設備コストを低減できる。
また、この検査装置100は、測定しようとする振動が非常に微小なため、振動測定中は玉軸受11やアーバ17に外部から振動検出器以外の部材を接触させてはならない制約がある。しかし、玉軸受11をアーバ17へ着脱するときは振動測定をしないため、プッシャ29で開閉部材89を押圧する構成としても振動測定に支障を来すことがない。
<第2の構成例>
次に、玉軸受の検査装置の第2の構成例を説明する。
図11は第2の構成例におけるアーバ17Aの軸方向断面図である。
本構成のアーバ17Aは、ピストン91Aと可動鍔88A、88B(図示しない他の可動鍔88C,88Dも同様)の形状が異なる他は、前述の第1の構成例と同様である。
図12は本構成のピストン91Aの軸方向先端側から見た正面図である。ピストン91Aは、その先端側の一端部に、軸方向先端側に向かって先細りに形成された傾斜面93A,93B,93C,93Dを有する。また、ピストン91Aの軸方向先端には、軸方向に沿って延設された突起106を有する。
図13は可動鍔88A,88B,88C,88Dの断面図である。可動鍔88A,88B,88C,88Dの円弧端99とは反対側の端部には、先端傾斜面102が形成されている。
各可動鍔の先端傾斜面102は、アーバ17Aに組み込んだ際に、ピストン91Aの対応する傾斜面93A,93B,93C,93Dと平行になるように形成されている。
次に、本構成による可動鍔88A,88B,88C,88Dの径方向への移動について説明する。
図14(A)はピストン91Aが圧縮バネ47によって軸方向先端側に付勢された状態を示す一部断面図、図14(B)は開閉部材89が軸方向後端側に押圧され始めた状態を示す一部断面図である。
図14(A)に示すように、ピストン91Aが圧縮バネ47によって付勢された状態では、ピストン91Aの傾斜面93Aが可動鍔88Aの先端傾斜面102に当接し、傾斜面93Bが可動鍔88Bの先端傾斜面102に当接する。
図14(B)に示すように、開閉部材89が軸方向後端側に押圧され始めた場合、開閉部材89の基部95にピストン91Aの突起106が当接する。更に開閉部材89が押圧され続けると、開閉部材89は突起106を介してピストン91Aを軸方向後端側に移動させる。
すると、ピストン91Aの傾斜面93A、93Bは、可動鍔88A,88Bの先端傾斜面102,102から離間する。このとき、開閉部材89の傾斜ピン97A,97Bも軸方向後端側に移動するが、可動鍔の連通孔101,101と傾斜ピン97A,97Bとのガタや、傾斜ピン97Aの剛性が高くないことから、可動鍔88A,88Bを閉じようとする動作よりも僅かに先にピストン91Aが軸方向後端側に移動する。
したがって、可動鍔88A,88Bを閉じる際は、開閉部材89の傾斜ピン97A,97Bと可動鍔の連通孔101とが摺動することによって、可動鍔88A,88Bが径方向内側に移動する。このとき、ピストン91Aの傾斜面93A,93Bと、これに対応する先端傾斜面102との間には隙間が形成され、傾斜面93A,93Bとの摩擦抵抗は生じない。
図15に可動鍔88A,88Bを径方向内側に引き込んだ状態の断面図を示す。プッシャ29を開閉部材89に突き当てることで、開閉部材89の傾斜ピン97A,97Bが可動鍔88A,88Bの連通孔101内を摺動する。その結果、可動鍔88A,88Bの円弧端99が外周面51,53よりも径方向内側となる位置まで移動する。
本構成によれば、可動鍔88A,88Bを小さな摺動抵抗で、よりスムーズに径方向に移動させることができる。
なお、上述した第1,第2の構成例における可動鍔は、いずれも平坦な板状の部材であるが、これに限らない。
図16(A)、(B)は可動鍔の変形例を示す断面図である。図16(A)は、第1の構成例の可動鍔に対し、径方向内側に厚肉の段部110を設けた可動鍔87A1を示す。図16(B)は、第2の構成例の可動鍔に対し、径方向内側に厚肉の段部110を設けた可動鍔88A1を示す。
図17に第2の構成例のアーバに対して、径方向内側に段部110を設けた可動鍔88A1を使用した場合のアーバ17Bの断面図を示す。なお、第1の構成例の場合も同様であるため、可動鍔87A1についての説明は省略する。
可動鍔88A1は、カバー部材41の内周面112に段部110が突き当たり、段部110が可動鍔88A1の抜け止めとして機能する。これにより、アーバ17Bの回転によって発生する遠心力に十分な強度で対抗できる。
<第3の構成例>
次に、玉軸受の検査装置の第3の構成例を説明する。
図18(A)は第3の構成例におけるアーバ17Cの軸方向先端側から見た正面図、図18(B)は図18(A)のD−D線に沿ったアーバ17Cの部分断面図である。
本構成のアーバ17Cは、ピストンユニット45Aが、アーバ本体39のピストン収容部37に設けた圧縮バネ47と、有底筒状のカバー部材41Aの内部に設けた圧縮バネ114によって先端側に付勢されている。
ピストンユニット45Aは、開閉部材116と、複数の可動鍔118A,118B,118C,118Dと、ピストン91Bとを有する。
可動鍔118A(他の可動鍔118B,118C,118Dも同様)は、ピストン91Bの先端側に形成された対応する傾斜面93Aと摺接する傾斜面117と、先端側に向けて延出された直状延出片119と、径方向外側に向けて延出された鍔部121とが一体に形成されている。
開閉部材116は、略円筒形状からなり、後端部に円錐状の内壁面(傾斜面)を有する凹部123が形成され、外周の一部に圧縮バネ114に当接する段部125が形成されている。
上記構成のアーバ17Cは、図18(B)に示す開閉部材116に軸方向後端側への軸方向力が作用しない状態では、鍔部121が径方向外側に突出して、玉軸受11の軸方向移動を拘束した状態となる。つまり、ピストン91Bが圧縮バネ47により軸方向先端側に付勢され、可動鍔118Aの傾斜面117がピストン91Bの傾斜面93Aによって押し当てられる。これにより、可動鍔118Aが径方向外側にスライドして、アーバ17Cの外周面127から鍔部121が突出した状態となる。
図19は、図18(A),(B)に示す鍔部121をアーバ17Cの外周面127から突出させずにアーバ17C内に収容した状態を示す部分断面図である。
プッシャ29をカバー部材41Aの挿通孔43を通して開閉部材116に突き当てて、開閉部材116を圧縮バネ114の弾性力に抗じて押圧する。すると、開閉部材116は、カバー部材41Aの内周面に沿って後方へ移動して、可動鍔118Aの直状延出片119が開閉部材116の凹部123の内壁面に沿って摺動しつつ半径方向内側に移動する。これにより、可動鍔118Aの鍔部121が、アーバ17Cの外周面127から突出した状態からアーバ17C内に収容された状態となる。
本構成のアーバ17Cによっても、可動鍔118A,118B,118C,118Dの鍔部121をアーバ17Cの外周面127から出没可能となり、より簡単な機構によって第1の構成例と同様の作用効果が得られる。
<第4の構成例>
次に、玉軸受の検査装置の第4の構成例を説明する。
図20(A)は第4の構成例におけるアーバ17Dの軸方向先端側から見た正面図、図20(B)は図20(A)のE−E線に沿ったアーバ17Dの部分断面図である。
本構成のアーバ17Dは、ピストンユニット45Bが、アーバ本体39のピストン収容部37に設けた圧縮バネ47によって先端側に付勢されている。
ピストンユニット45Bは、複数の可動鍔131A,131B,131Cと、ピストン91Cとを有する。本構成例では、3等分配置された可動鍔131A,131B,131Cを示しているが、等分数はこれに限らない。
可動鍔131A(他の可動鍔131B,131Cも同様)は、ピストン91Cの軸方向先端側に形成された傾斜面93Bと摺接する傾斜面133と、径方向外側に向けて延出された鍔部135とが一体に形成されている。
可動鍔131Aは、内周側に傾斜面133が形成され軸方向後端側に延びる摺接部137を有し、アーバ本体39は、摺接部137の外周面に対面する溝部を有する。この溝部に摺接部137の外周面138を径方向内側に弾性付勢する圧縮バネ141が収容されている。
上記構成のアーバ17Dは、図20(B)に示すピストン91Cに軸方向後端側への軸方向力が作用しない状態では、鍔部135が径方向外側に突出して、玉軸受11の軸方向移動を拘束した状態となる。つまり、ピストン91Cが圧縮バネ47により軸方向先端側に付勢され、可動鍔131Aの傾斜面133がピストン91Cの傾斜面93Aによって押し当てられる。
これにより、可動鍔131Aが径方向外側に移動して、鍔部135が玉軸受11の内輪内周面を支持するアーバ17Dの外周面143から突出した状態となる。また、他の可動鍔131B,131Cも同様に、鍔部135が外周面143から突出した状態となる。
図21は、図20(A),(B)に示す鍔部135をアーバ17Dの外周面143から突出させずにアーバ17D内に収容した状態を示す部分断面図である。
プッシャ29をカバー部材41Bの挿通孔43を通してピストン91Bに突き当てて、ピストン91Bを圧縮バネ47の弾性力に抗じて押圧する。すると、ピストン91Bは、アーバ本体39のピストン収容部37の内壁面に沿って軸方向後端側へ移動して、可動鍔131Aが、摺接部137に圧縮バネ141からの弾性付勢力が作用して径方向内側に移動する。これにより、可動鍔131Aの鍔部135が、アーバ17Dの外周面143から突出した状態からアーバ17D内に収容された状態となる。
圧縮バネ141は、可動鍔131Aを径方向内側に付勢できればよく、バネ材に限らない。例えば、Oリングを用いれば、気密性、水密性を兼ね備えた構成にできる。
<第5の構成例>
次に、玉軸受の検査装置の第5の構成例を説明する。
図22(A)はアーバ17Eを軸方向先端側から見た正面図、図22(B)はアーバ17Eの側面図である。アーバ本体39は、軸方向に挿入される玉軸受の一方の端面に当接可能な突き当て部55を有する。カバー部材41は、アーバ本体39の玉軸受11の挿入側の一端部に取り付けられる。アーバ本体39の突き当て部55と、カバー部材41との間には、3つの可動鍔151A,151B,151Cが配置される。
突き当て部55よりカバー部材41側のアーバ本体39の外周面53には、図示しない玉軸受の内輪が挿入される。
可動鍔151A,151B,151Cは、アーバ本体39の突き当て部55から、軸方向に玉軸受を挟んだ位置にそれぞれ配置される。これら可動鍔151A,151B,151Cは、アーバ本体39に挿入された玉軸受の他方の端面と当接可能に、且つ玉軸受の外輪より低い径方向高さに設けられる。これらの可動鍔151A,151B,151Cは、外周面53から径方向に出没自在にアーバ本体39に支持される。
3つの可動鍔151A,151B,151Cは、アーバ17の円周方向に沿って、中心角が120°の間隔で等分配置される。本構成の可動鍔151A,151B,151Cは、円周方向に沿った3箇所に等分配置されるが、可動鍔の配置はこれに限らない。例えば、2つの可動鍔を2等分配置した構成や、4つの可動鍔を4等分配置した構成等であってもよい。つまり、可動鍔は、任意の複数個で構成でき、アーバ17Eの円周方向に沿った任意の複数箇所に配置できる。
図23は開閉部材89Aの軸方向後端側から見た背面図である。開閉部材89Aは、基部95と、基部95の後端部に軸方向後端側に向かって放射状に、軸心からの径方向長さが漸増する傾斜ピン97A,97B,97Cと、を有する。各傾斜ピン97A,97B,97Cは、軸心を中心とする周方向に等間隔で設けられる。
傾斜ピン97A,97B,97Cは、それぞれ対応する可動鍔151A,151B,151Cと係合して、各可動鍔151A,151B,151Cを径方向に変位させる。つまり、傾斜ピン97Aは可動鍔151Aに対応し、傾斜ピン97Bは可動鍔151Bに対応し、傾斜ピン97Cは可動鍔151Cに対応して設けられる。
図24(A)は可動鍔151A,151B,151Cの単体の正面図、図24(B)は図24(A)のF−F線に沿った可動鍔の断面図である。各可動鍔151A,151B,151Cは、平板状に形成され、前述のアーバ17Aの外周面53(図22(B)参照)から突出する円弧端99をそれぞれ有する。各可動鍔151A,151B,151Cは、円弧端99の反対側に、厚み方向に対して傾斜する連通孔101が形成される。各連通孔101には、開閉部材89Aの対応する傾斜ピン97A,97B,97Cが挿通される。また、各可動鍔151A,151B,151Cには、円弧端99の反対側の連通孔101より更に先の端部には、先端傾斜面102が形成される。
各可動鍔151A,151B,151Cは、対応する傾斜ピン97A,97B,97Cが連通孔101に挿入された状態で、図22(B)に示すように、互いに平行に形成された本体側平面部105とカバー部材側平面部107との間に配置される。これにより、各可動鍔151A,151B,151Cは、軸方向移動が規制される。また、対応する傾斜ピン97A,97B,97Cの移動によって径方向へスライド可能に支持される。
次に、上記の可動鍔151A,151B,151Cが、アーバ本体39の外周面53から径方向に出没自在に支持される支持構造を更に詳細に説明する。
図25は可動鍔151A,151B,151Cの支持構造を模式的に示す分解斜視図である。可動鍔151A,151B,151Cは、アーバ本体39のカバー部材41側の一端部に形成された本体側平面部105と、カバー部材41のアーバ本体39側の端部に形成されたカバー部材側平面部107との間に配置される。
本体側平面部105とカバー部材側平面部107との間には、アーバ本体39及びカバー部材41とは別体に形成された間座である複数のスペーサ部材109が配置される。スペーサ部材109は、中心部に貫通孔111を有する円筒状部材である。図示例では、各スペーサ部材109が、周方向に沿った3箇所に等分配置されている。
各スペーサ部材109は、可動鍔151A,151B,151Cの板厚tよりも僅かに大きな厚みtaを有する。各スペーサ部材109の軸方向端面に、本体側平面部105とカバー部材側平面部107とがそれぞれ密着することにより、本体側平面部105とカバー部材側平面部107との隙間寸法がtaに設定される。各スペーサ部材109は、軸方向の両端面が研削加工や研磨加工がなされ、厚さtaが厳密に管理される。
これらのスペーサ部材109は、3つの可動鍔151A,151B,151Cに干渉せず、本体側平面部105とカバー部材側平面部107との間隔を安定して保持できる3箇所に、バランス良く配置される。
図26はアーバ本体39とカバー部材41とスペーサ部材109との関係を示すアーバ17Eの側断面図である。カバー部材41は、ボルト118によりアーバ本体39に取り付けられる。ボルト118は、先端部をスペーサ部材109の貫通孔111を通して、本体側平面部105に穿設されたネジ孔115に螺合される。これにより、カバー部材41のカバー部材側平面部107とアーバ本体39の本体側平面部105との間の軸方向寸法は、各スペーサ部材109の厚みtaに設定される。
また、図25に示すように、可動鍔151A,151B,151Cには、径方向のスライド動作を案内する一対のガイド孔103が形成される。一対のガイド孔103は、それぞれ可動鍔151A,151B,151Cが出没する径方向に沿って形成された、互いに平行な長孔である。
アーバ本体39の本体側平面部105には、可動鍔151A,151B,151Cを出没方向に案内するため、一対のガイド孔103に挿入される一対のガイドピン113が3組、立設される。ガイドピン113の軸方向高さは、スペーサ部材109の厚みtaよりも低く設定される。
一対のガイドピン113は、可動鍔151A,151B,151Cのガイド孔103にそれぞれ嵌挿され、ガイド孔103内を摺動することで、各可動鍔151A,151B,151Cをアーバ17の径方向に沿って案内する。なお、ガイドピン113は、カバー部材41のカバー部材側平面部107側に立設されていてもよい。
アーバ本体39とカバー部材41との間で、可動鍔151A,151B,151Cが収容されるスペースの軸方向寸法は、スペーサ部材109によって高精度に設定される。これにより、可動鍔151A,151B,151Cがアーバ17の外周面51,53から突出したときの軸方向の振れ量が小さく抑えられる。
この可動鍔の振れ量について更に詳述する。
例えば、3つの可動鍔151A,151B,151Cの軸方向の振れ量(遊び量)が大きくばらつくと、外周面53に挿入される玉軸受が予圧された際、内輪が回転軸に対して傾斜する可能性がある。この内輪15の傾斜は、振動測定に影響するノイズ成分を発生させ、振動測定精度を低下させる要因となる。そのため、可動鍔151A,151B,151Cの軸方向の振れ量を小さくして、内輪15が傾斜することを防止する必要がある。
ここで、可動鍔をアーバ本体の端面に形成された溝で案内する場合を参考例として考える。図27に参考例としての可動鍔の支持構造を示す。
アーバ本体239の端面201には、周方向に120°の間隔で、3つの溝203A,203B,203Cがそれぞれ径方向に沿って形成される。これらの溝203A,203B,203Cには、それぞれ可動鍔287が挿入される。そして、各可動鍔287を溝203A,203B,203C内に収容した状態で、アーバ本体239の端面201にカバー部材241が取り付けられる。
これにより、可動鍔287は、アーバ本体239に径方向へスライド自在に支持される。この場合、溝203A,203B,203Cの溝深さtbと可動鍔287の厚さtとによって、可動鍔287が収容されるスペースの軸方向幅が設定される。また、溝203A,203B,203Cの溝側面211により、可動鍔287が円周方向に位置決めされ、径方向に案内される。
ところで、可動鍔287は、平面研削盤により3つの可動鍔287を同時に研磨すれば、3つの可動鍔287の厚さtを高精度で揃えられる。しかし、可動鍔287を収容する3つの溝203A,203B,203Cについては、それぞれを個別に加工する必要がある。つまり、3つの溝203A,203B,203Cの溝底面の加工は、平面研削盤で少なくとも3パス必要となる。したがって、3つの溝203A,203B,203Cは、それぞれの溝深さtbを高精度に揃えることが難しい。
溝203A,203B,203Cの溝深さtbが高精度で揃っていないと、可動鍔287と溝203A,203B,203Cとの軸方向隙間にばらつきが生じる。可動鍔287は、その軸方向隙間の分だけ軸方向に傾斜でき、可動鍔287の軸方向の振れが大きくなる。その結果、玉軸受に予圧を付与した際、玉軸受の内輪が回転軸に対して傾斜して、振動測定に影響するノイズ成分を発生させる。
このように、図27に示す参考例では、溝深さtbにばらつきを有する溝203A,203B,203Cが、可動鍔287の可動スペースにおける軸方向幅を決定する。一方、図25に示す本構成の検査装置においては、アーバ本体39の本体側平面部105とカバー部材41のカバー部材側平面部107との間に挟持されるスペーサ部材109の厚さtaが、可動鍔151A,151B,151Cの可動スペースの軸方向幅を決定する。
また、図27に示す参考例は、溝203A,203B,203Cにより可動鍔287の径方向のスライドを案内する構成となっている。一方、本構成の検査装置においては、図25に示すように、ガイドピン113とガイド孔103により可動鍔151A,151B,151Cの径方向のスライドを案内する構成となっている。
本構成の場合、アーバ本体39の本体側平面部105は、溝等のない単純な平面であるから、平面研削盤等による加工によって、アーバ17Eの回転軸に対する直角度及び平面度が高精度に得られる。また、カバー部材41のカバー部材側平面部107についても同様に、アーバ17Eの回転軸に対する直角度及び平面度が高精度に得られる。
そして、3つの可動鍔151A,151B,151Cは平面研削盤等による同時加工が可能であり、3つのスペーサ部材109もそれぞれ同時加工が可能である。そのため、各可動鍔151A,151B,151Cの厚さtと、各スペーサ部材109の軸長とを高精度に均一化できる。上記の通り、同時加工が可能となることで、相互の寸法精度を1μm以下に高められ、個体差をなくすことができる。
これら本体側平面部105及びカバー部材側平面部107と、双方の間隔を決定するスペーサ部材109と、可動鍔151A,151B,151Cとによって、可動鍔151A,151B,151Cの可動スペースの軸方向寸法が高精度に設定される。その結果、可動鍔151A,151B,151Cの軸方向の遊びを設計通りに小さくでき、玉軸受が予圧された際の内輪の傾斜が抑制される。よって、振動検査に影響するノイズ成分の発生が低減され、高精度な測定が可能となる。
そして、高精度な加工が可能なガイドピン113とガイド孔103によって、可動鍔151A,151B,151Cを径方向に円滑、且つ高精度にスライドさせることができる。
また、アーバ17Eの製造は、溝加工のない平面研削加工や平面研磨加工で済み、加工コストが低減される。更に、可動鍔151A,151B,151Cが、玉軸受と接触して摩耗した場合には、可動鍔151A,151B,151Cとスペーサ部材109とを再度研削や研磨することにより、アーバ17Eを再利用することが可能となる。これにより、ランニングコストも低減できる。
次に、上記のアーバ17Eの構成により、可動鍔151A,151B,151Cをアーバ17Eの外周面53から径方向に出没させる動作を説明する。
図28(A)は可動鍔151A,151B,151Cの収容状態におけるアーバ17の正面図、図28(B)は図28(A)に示すG−G線に沿ったアーバ17の部分断面図である。
まず、ローディング部のプッシャ29をアーバ17E側に移動させ、ピストンユニット45を軸方向後端側に移動させる。すると、可動鍔151A,151B,151Cは、アーバ17Eの外周面53(及びカバー部材41の外周面51)から径方向に突出した状態から、アーバ17E内に収容された状態になる。
つまり、プッシャ29が開閉部材89Aの基部95を軸方向後端側に押すと、開閉部材89Aは軸方向に沿って後端側に押圧される。すると、開閉部材89Aは、ピストン91Aを介して圧縮バネ47を押し縮め、ピストン91Aと共に後端側に移動する。
このとき、開閉部材89Aの傾斜ピン97A,97B,97C(図23も参照)は、アーバ本体39の先端側に、各傾斜ピン97A,97B,97Cに対応させて放射状に形成された3つの溝40により、回転を規制されながら軸方向に移動する。
各傾斜ピン97A,97B,97Cが連通孔101に挿通された可動鍔151A,151B,151Cは、開閉部材89Aの軸方向移動に伴って、傾斜ピン97A,97B,97Cと連通孔101との係合位置が径方向内側に変化する。その結果、図28(A),(B)に示すように、各可動鍔151A,151B,151Cが径方向内側に移動して、アーバ17の外周面51(及びカバー部材41の外周面53)から各可動鍔151A,151B,151Cの円弧端99の突出がなくなる。
図29(A)は可動鍔151A,151B,151Cの突出状態におけるアーバ17Eの正面図、図29(B)は図29(A)に示すG−G線に沿ったアーバ17Eの部分断面図である。前述のローディング部のプッシャがアーバ17Eから離間すると、ピストン91及び開閉部材89Aは、圧縮バネ47の弾性復元力によって軸方向先端側に付勢される。すると、前述した第2の構成例と同様に、ピストン91Aの各傾斜面93Eが、対応する可動鍔151A,151B,151Cの先端傾斜面102に当接し、径方向外側に押し出される。これにより、可動鍔151A,151B,151Cがアーバ17の外周面53(及びカバー部材41の外周面51)から突出した状態になる。
上記の可動鍔151A,151B,151Cは、径方向へ移動する際に、可動鍔151A,151B,151Cのガイド孔103内でガイドピン113が摺動する。これにより、可動鍔151A,151B,151Cは、ガタつきなく、円滑に移動できる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
11 玉軸受
13 外輪
15 内輪
17,17A,17B,17C,17D,17E アーバ
19 回転駆動部
21 第1の加圧部
23 第2の加圧部
25 振動検出部
27 ローディング部
29 プッシャ(ピストン操作部)
41 カバー部材
45,45A,45B ピストンユニット
51 外周面
53 外周面
55 突き当て部
61 先端側加圧リング
63 基端側加圧リング
87,87A,87B,87C,87A1,88A,88B,88C,88D,88A1,118A,118B,118C,118D,151A,151B,151C 可動鍔
89,116 開閉部材
91,91A,91B ピストン
93A,93B,93C,93D 傾斜面
97A,97B,97C,97D 傾斜ピン
100 玉軸受の検査装置
101 連通孔
102 先端傾斜面
103 ガイド孔
105 本体側平面部
107 カバー部材側平面部
109 スペーサ部材
113 ガイドピン
Pa 加圧力
Pb 加圧力

Claims (9)

  1. 玉軸受の外輪と内輪とを相対回転させて前記玉軸受から発生する振動を検出する玉軸受の検査装置であって、
    前記玉軸受の内輪を外周面に支持するアーバと、
    前記アーバを回転駆動する回転駆動部と、
    前記アーバに支持された前記玉軸受の外輪を軸方向に押圧して前記玉軸受に予圧を付与する第1の加圧部と、
    前記外輪を前記第1の加圧部による押圧方向とは反対方向に押圧して前記玉軸受に予圧を付与する第2の加圧部と、
    前記玉軸受からの振動を検出する振動検出部と、
    を備え、
    前記アーバは、
    前記外周面から径方向外側へ突出する突き当て部と、
    前記突き当て部から少なくとも前記内輪の幅を離間して配置された少なくとも1つの可動鍔と、
    前記可動鍔を、前記外周面から突出させた第1の状態と、前記アーバ内に収容させた第2の状態とに切り替える鍔駆動機構と、
    を有し、
    前記鍔駆動機構を前記第1の状態又は前記第2の状態に切り替える駆動力を付与する駆動力供給部を更に備えたことを特徴とする玉軸受の検査装置。
  2. 前記鍔駆動機構は、前記アーバの内部に、前記軸方向へ移動自在に支持されたピストンユニットを有し、
    前記ピストンユニットと前記可動鍔とは、少なくともいずれか一方に前記軸方向に対して傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面で前記ピストンユニットと前記可動鍔とが摺動し合うことで、前記ピストンユニットの軸方向移動が前記可動鍔の径方向移動に変換されることを特徴とする請求項1に記載の玉軸受の検査装置。
  3. 前記アーバに前記玉軸受を供給するローディング部を備え、
    前記ローディング部に前記駆動力供給部が搭載されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玉軸受の検査装置。
  4. 前記振動検出部による振動検出結果に基づいて、前記玉軸受を評価する評価値を演算する演算部を備える請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の玉軸受の検査装置。
  5. 前記アーバは、
    前記突き当て部が形成されたアーバ本体と、
    前記アーバ本体の前記玉軸受の挿入側の一端部に取り付けられるカバー部材と、
    を有し、
    前記可動鍔は、前記アーバ本体の前記一端部に形成された本体側平面部と、前記カバー部材の前記本体側平面部に対面して、前記本体側平面部と平行に形成されたカバー部材側平面部との間に配置された、平板状の部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の玉軸受の検査装置。
  6. 前記本体側平面部と前記カバー部材側平面部との間に、前記可動鍔の板厚より大きな厚みを有するスペーサ部材が配置されることを特徴とする請求項5に記載の玉軸受の検査装置。
  7. 前記可動鍔は、前記径方向に沿って、互いに平行な一対のガイド孔が形成され、
    前記アーバ本体と前記カバー部材の少なくとも一方は、前記ガイド孔に嵌挿される一対のガイドピンを有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の玉軸受の検査装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の玉軸受の検査装置を用いた玉軸受の検査方法であって、
    前記可動鍔を前記第2の状態で、被検査用の玉軸受の内輪を前記アーバに挿入して、前記内輪が前記突き当て部に当接する位置で前記玉軸受を支持する工程と、
    前記鍔駆動機構が前記可動鍔を前記外周面から突出させる工程と、
    前記内輪を回転駆動した状態で、前記第1の加圧部又は前記第2の加圧部のいずれか一方により前記玉軸受に予圧を付与して前記玉軸受の振動を検出する工程と、
    前記内輪を回転駆動した状態で、前記第1の加圧部又は前記第2の加圧部のいずれか他方により前記玉軸受に予圧を付与して前記玉軸受の振動を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする玉軸受の検査方法。
  9. 前記玉軸受の振動検出結果に基づいて、前記玉軸受を評価する評価値を演算する工程を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の玉軸受の検査方法。
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