JP5092612B2 - カラー撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ホワイトバランス調整機能を搭載したカラー撮像装置に関する。
画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出するに当たり、その画像の撮影時に使用された照明の種類を判別する方法が特許文献1に記載されている。この方法は、画像の特定の色成分(例えばR成分)を特徴量とした教師有り学習により判別基準を予め算出し、その判別基準と、個々の画像から抽出された特徴量とに基づき、撮影時に使用された照明の種類が特定の種類であるか否かを判別するものである。
特開2006−129442号公報
しかしながら、撮影時に使用された照明の種類が複数である場合など、微妙な色を持った画像に関する判別は難しいため、誤判別を起こし、ホワイトバランス調整に失敗する確率が高い。
そこで本発明は、ホワイトバランス調整に失敗する確率を抑えることのできるカラー撮像装置を提供することを目的とする。
本発明のカラー撮像装置は、撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、前記撮影シーンで撮影された画像の無彩色検出範囲の広さを前記距離に応じて制限し、制限後の前記無彩色検出範囲に属する各色の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のカラー撮像装置は、撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、前記撮影シーンで撮影された画像において無彩色検出範囲に属する各色の頻度を求める際に、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に属する色の頻度に対して前記距離に応じた重みを付与し、前記無彩色検出範囲に属する各色の重み付け後の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のカラー撮像装置は、撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合には、前記撮影シーンで撮影された画像の無彩色検出範囲を、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に制限し、制限後の前記無彩色検出範囲に属する各色の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備え、前記判別手段は、前記撮影シーンが前記特定グループに属しているか否かの判別が困難となるような前記距離の範囲を前記判別基準のグレーゾーンとして予め記憶し、前記算出手段は、前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合であっても、前記距離が前記グレーゾーンに入る場合には、前記無彩色検出範囲を前記照明色範囲より広く設定することを特徴とする。
本発明のカラー撮像装置は、撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合には、前記撮影シーンで撮影された画像において無彩色検出範囲に属する各色の頻度を求める際に、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に属する色の頻度に対して重みを付与し、前記無彩色検出範囲に属する各色の重み付け後の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備え、前記判別手段は、前記撮影シーンが前記特定グループに属しているか否かの判別が困難となるような前記距離の範囲を前記判別基準のグレーゾーンとして予め記憶し、前記算出手段は、前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合であっても、前記距離が前記グレーゾーンに入る場合には、前記重みを小さめに設定することを特徴とする。
なお、前記判別手段は、前記特徴量ベクトルと前記判別基準とのベクトル空間上のユークリッド距離を前記確度の指標として算出することが望ましい。
また、前記判別手段は、照明色の異なる複数の特定グループの各々に関して前記距離を算出してもよい。
また、前記算出手段は、前記各色の頻度に付与すべき重み値を、前記複数の特定グループの各々に関して算出された距離と、それら特定グループの照明色と前記各色との類似度とに応じて設定してもよい。
また、前記算出手段は、前記複数の特定グループのうち、他のグループとの判別が容易な特定グループに関して算出された距離を、他のグループとの判別が困難な特定グループに関して算出された距離よりも重要視してもよい。
また、前記複数の特定グループは、照明色が低色温度照明の色度範囲に属するようなグループ、照明色が蛍光灯又は水銀灯の色度範囲に属するようなグループ、照明色が演色性の良い蛍光灯又は自然太陽光の色度範囲に属するようなグループ、照明色が日陰又は曇天の色度範囲に属するようなグループのうち何れか3つであってもよい。
また、前記判別手段は、前記確度の算出を撮影前の期間に行い、前記算出手段は、前記調整量の算出を撮影直後に行うことが望ましい。
また、前記判別手段は、サポートベクターマシンであることが望ましい。
また、本発明の何れかのカラー撮像装置は、前記算出手段が算出した調整量で前記画像に対しホワイトバランス調整を施す調整手段を更に備えてもよい。
本発明によれば、ホワイトバランス調整に失敗する確率を抑えることのできるカラー撮像装置が実現する。
[第1実施形態]
本実施形態は、電子カメラの実施形態である。ここでは電子カメラが一眼レフレックスタイプであると仮定する。
先ず、電子カメラの撮影機構を説明する。図1は、電子カメラの光学系の構成を示す模式図である。図1に示すとおり電子カメラは、カメラ本体11と、撮影レンズ12を収容したレンズユニット13とを有する。レンズユニット13は、不図示のマウントを介してカメラ本体11に交換可能に装着される。
カメラ本体11には、メインミラー14と、メカニカルシャッタ15と、カラー撮像素子16と、ファインダ光学系(17〜20)とが配置される。メインミラー14、メカニカルシャッタ15およびカラー撮像素子16は、撮影レンズ12の光軸に沿って配置され、ファインダ光学系(17〜20)はカメラ本体11の上部領域に配置される。
メインミラー14は不図示の回動軸の周りを回動し、それによって観察状態と退避状態との間で切り替えられる。観察状態のメインミラー14は、メカニカルシャッタ15およびカラー撮像素子16の前方で傾斜配置される。この観察状態のメインミラー14は、撮影レンズ12が捉えた光束を上方へ反射してファインダ光学系(17〜20)へ導く。なお、メインミラー14の中央はハーフミラーとなっており、観察状態のメインミラー14を透過した一部の光束はサブミラーによって不図示の焦点検出部に導かれる。
一方、退避状態のメインミラー14は、上方に跳ね上げられて撮影光路から外れた位置にある。メインミラー14が退避状態にあるときは、撮影レンズ12の捉えた光束がメカニカルシャッタ15およびカラー撮像素子16に導かれる。
ファインダ光学系(17〜20)は、焦点板17と、コンデンサレンズ18と、ペンタプリズム19と、接眼レンズ20とを有している。このうちペンタプリズム19の近傍には再結像レンズ21および分割測光センサ22が配置されている。
焦点板17はメインミラー14の上方に位置している。この焦点板17で結像した光束はコンデンサレンズ18を介してペンタプリズム19の下面の入射面へ入射する。その入射面へ入射した一部の光束は、ペンタプリズム19の内面を反射した後、入射面と垂直な射出面からペンタプリズム19の外部へ射出し、接眼レンズ20へ向かう。
また、前記入射面へ入射した他の一部の光束は、ペンタプリズム19の内面を反射した後、前記射出面からペンタプリズム19の外部へ射出し、再結像レンズ21を介して分割測光センサ22に導かれる。
次に、電子カメラの回路構成を説明する。図2は、電子カメラの回路構成を示すブロック図である。図2に示すとおりカメラ本体11には、カラー撮像素子16と、AFE16aと、分割測光センサ22と、A/D変換回路22aと、画像処理回路23と、バッファメモリ(MEM)24と、記録インタフェース(記録I/F)25と、操作スイッチ(SW)26と、CPU29と、RAM28と、ROM27と、バス31とが備えられる。このうち画像処理回路23、バッファメモリ24、記録インタフェース25、CPU29、RAM28、ROM27は、バス31を介して互いに接続されている。また、操作スイッチ26は、CPU29に接続されている。
カラー撮像素子16は、記録用の画像(本画像)を生成するために備えられたカラー撮像素子である。カラー撮像素子16は、その撮像面に形成された被写界像を光電変換することにより本画像のアナログ画像信号を生成する。なお、カラー撮像素子16の撮像面には、その被写界像をカラー検出するために、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3種類のカラーフィルタが例えばベイヤ配列で配置されている。よって、本画像のアナログ画像信号はR成分、G成分、B成分の3成分から構成される。
AFE16aは、カラー撮像素子16が生成するアナログ画像信号に対して信号処理を施すアナログフロントエンド回路である。このAFE16aは、画像信号の相関二重サンプリングや、画像信号のゲインの調整や、画像信号のA/D変換を行う。このAFE16aが出力する画像信号(ディジタル画像信号)は、本画像の画像データとして画像処理回路23へ入力される。
分割測光センサ22は、非撮影時における被写界の色度分布及び明るさ分布を監視するために備えられたカラー撮像素子である。分割測光センサ22の撮像面には、カラー撮像素子16の撮像面に形成されるのと同じ範囲の被写界像が形成される。分割測光センサ22は、その撮像面に形成された被写界像を光電変換することにより被写界像のアナログ画像信号を生成する。なお、分割測光センサ22の撮像面には、被写界像をカラー検出するためにカラーフィルタが配置されている。よって、この被写界像の画像信号も、R成分、G成分、B成分の3成分から構成される。なお、この分割測光センサ22が出力する被写界像のアナログ画像信号は、A/D変換回路22aを介してCPU29へ入力される。
画像処理回路23は、AFE16aから入力される本画像の画像データに対して各種の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整など)を施す。それら各処理のパラメータ(階調変換特性、輪郭強調強度、ホワイトバランス調整量など)は、CPU29によって適宜算出される。このうちホワイトバランス調整量は、R/Gゲインの値と、B/Gゲインの値とで構成される。
バッファメモリ24は、画像処理回路23による個々の処理の速度差を補償するため、画像処理回路23の動作中の必要なタイミングで本画像の画像データを一時的に記憶する。
記録インタフェース25には、記憶媒体32を接続するためのコネクタが形成されている。記録インタフェース25は、そのコネクタに接続された記憶媒体32にアクセスし、本画像の画像データの書き込みや読み込みを行う。なお、記憶媒体32はハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードなどで構成される。
操作スイッチ26は、レリーズボタン、コマンドダイヤル、十字状のカーソルキーなどであり、ユーザによる操作内容に応じてCPU29へ信号を与える。例えばユーザは、レリーズボタンを全押しすることにより撮影の指示をCPU29へ与える。また、ユーザは、操作スイッチ26を操作することにより記録モードの切り替え指示をCPU29に与える。
なお、記録モードには通常記録モードとRAW記録モードとがあり、通常記録モードはCPU29が画像処理後の本画像の画像データを記憶媒体32に記録する記録モードであり、RAW記録モードは、CPU29が画像処理前の本画像の画像データ(RAWデータ)を記憶媒体32に記録する記録モードである。
CPU29は、電子カメラの統括的な制御を行うプロセッサである。CPU29は、ROM27に予め格納されたシーケンスプログラムをRAM28へ読み出し、そのプログラムを実行することにより各処理のパラメータを算出したり、電子カメラの各部を制御したりする。この際、CPU29は、必要に応じてレンズユニット13の不図示のレンズCPUからレンズ情報を取り込む。このレンズ情報には、撮影レンズ12の焦点距離、被写体距離、絞り値などの情報が含まれる。
また、CPU29は、プログラムの実行によって、現在の撮影シーンが特定のグループD1に属する確度の算出(第1の判別)を行うサポートベクターマシン(SVM)として機能する。また、このSVMは、現在の撮影シーンが別のグループD2に属する確度の算出(第2の判別)、及び現在の撮影シーンがグループD3に属する確度の算出(第3の判別)を行うことも可能である。
ここで、グループD1、グループD2、グループD3は、様々な撮影シーンをその照明色によってグループ分けしてできる各グループである。また、SVMによる第1の判別、第2の判別、第3の判別の各々の判別基準は、SVMが教師有り学習によって予め算出したものである。これらの判別基準は、識別面S1,S2,S3のデータとして予めROM27に格納されている。
次に、各グループを詳しく説明する。図3に示すのは、各種の無彩色検出範囲を色度座標上で表した図である。これら無彩色検出範囲のデータは、ROM27に予め予め格納されている。これらの無彩色検出範囲は、黒体放射軌跡の近傍に分布した以下の無彩色検出範囲CL,CSSL,CFL1,CFL2,CHG,CS,CCL,CSHからなる。
無彩色検出範囲CL…電球の色度範囲(=電球で照らされた無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CSSL…夕日の色度範囲(=夕日で照らされた無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CFL1…第1の蛍光灯の色度範囲(=第1の蛍光灯で照らされた無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CFL2…第2の蛍光灯の色度範囲(=第2の蛍光灯で照らされた無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CHG…水銀灯の色度範囲(=水銀灯で照らされた無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CS…晴天の色度範囲(=晴天下に存在する無彩色物体の色度範囲)。なお、演色性の良いものであれば蛍光灯の色度もこの色度範囲に属する。
無彩色検出範囲CCL…曇天の色度範囲(=曇天下に存在する無彩色物体の色度範囲)。
無彩色検出範囲CSH…日陰の色度範囲(=日陰に存在する無彩色物体の色度範囲)。
そして、グループD1,D2,D3は、以下のグループである。
グループD1…照明色が比較的色温度の低い無彩色検出範囲CL,CSSLの何れかに属するような撮影シーンのグループ。
グループD2…照明色が無彩色検出範囲CFL1,CFL2,CHGの何れかに属するような撮影シーンのグループ。
グループD3…照明色が無彩色検出範囲CSに属するような撮影シーンのグループ。
また、グループD4,D0を以下のとおり定義する。
グループD4…照明色が無彩色検出範囲CCL,CSHの何れかに属するような撮影シーンのグループ。
グループD0…照明色が無彩色検出範囲CL,CSSL,CFL1,CFL2,CHG,CS,CCL,CSHの何れかに属するような撮影シーンのグループ。
次に、識別面S1,S2,S3を算出するための教師有り学習の内容を説明する。
この学習で使用される学習サンプルは、電子カメラに想定され得る多数の撮影シーンであり、グループD1,グループD2,グループD3、グループD4の何れに属するかがそれぞれラベリングされている。
個々の学習サンプルの各々からは、ベクトル成分x1,x2,…,x15を持った15次の特徴量ベクトルが抽出される。個々のベクトル成分x1,x2,…,x15は、以下の量からなる。
1=被写界の平均Bv値,
2=被写界の最大Bv値,
3=被写界の最小Bv値,
4=被写界のBv値の標準偏差,
5=被写界の平均B/G値,
6=被写界の最大B/G値,
7=被写界の最小B/G値,
8=被写界のB/G値の標準偏差,
9=被写界の平均R/G値,
10=被写界の最大R/G値,
11=被写界の最小R/G値,
12=被写界のR/G値の標準偏差,
13=被写界中に存在するエッジ量,
14=撮影レンズの焦点距離,
15=撮影レンズの被写体距離
このうちベクトル成分x1〜x13は、分割測光センサ22が生成した画像信号に基づき算出される。一方、ベクトル成分x14,x15は、レンズCPUから取り込まれたレンズ情報によって決定される。また、ベクトル成分x13は、次のようにして算出される。
先ず、分割測光センサ22が生成した画像信号のG成分に対しX方向のエッジフィルタ処理及びY方向のエッジフィルタ処理が施される。これによって、被写界のX方向のエッジ量とY方向のエッジ量とが算出される。そして、X方向のエッジ量とY方向のエッジ量との和が算出される。その和がベクトル成分x13である。
学習では、全ての学習サンプルの特徴量ベクトルがベクトル空間上の点で表わされる。このうちグループD1に属する各学習サンプルの特徴量ベクトルと、グループD1に属さない各学習サンプルの特徴量ベクトルとでは、図4に点線で示すとおり、分布領域が異なる。なお、図4では簡単のため15次元のベクトル空間Pを2次元で表した。
次に、グループD1に属する学習サンプルと、グループD1に属さない学習サンプルとの間のマージンが最大となるような超平面が算出され、その超平面が識別面S1とされる。この識別面S1のデータがROM27に書き込まれる。
ここで、図4中に示すとおり、識別面S1から個々の学習サンプルまでのユークリッド距離d1を考える。なお、距離d1の極性は、グループD1に属さない学習サンプルの多くが分布する側を正、グループD1に属する学習サンプルの多くが分布する側を負にとる。
図5は、この距離d1とサンプル数mとの関係を示す図である。図5に示すとおり、グループD1に属する学習サンプルの多くは距離d1が負となり、グループD1に属さない学習サンプルの多くは距離d1が正となるが、グループD1に属するにも拘わらず距離d1が正となるような学習サンプルや、グループD1に属さないにも拘わらず距離d1が負となるような学習サンプルも存在する。ここでは、このような学習サンプルの距離d1の範囲Zg1を「グレーゾーンZg1」という。このグレーゾーンZg1が狭いほど、第1の判別の判別性能は高い(つまりグループD1は他のグループとの判別が容易である)とみなせる。
そこで本実施形態では、識別面S1を算出する際に、このグレーゾーンZg1のプラス側の境界値Thpos1とマイナス側の境界値Thneg1とを算出しておく。これらの境界値Thpog1,Thneg1のデータも、識別面S1のデータと共にROM27に書き込まれる。
次に、ベクトル空間P上でグループD2に属する学習サンプルと、グループD2に属さない学習サンプルとの間のマージンが最大となるような超平面が算出され、その超平面が識別面S2とされる。また、その識別面S2の近傍のグレーゾーンZg2が算出され、グレーゾーンZg2のプラス側の境界値Thpos2と、マイナス側の境界値Thneg2とが算出される(図6参照)。これら識別面S2、境界値Thpos2、Thneg2のデータは、ROM27に書き込まれる。
なお、図6に示すグレーゾーンZg2は、図5に示したグレーゾーンZg1よりも広いものとする。つまり、第2の判別の判別性能は第1の判別の判別性能よりも低い(グループD2はグループD1よりも他のグループとの判別が困難)とする。
次に、ベクトル空間P上でグループD3に属する学習サンプルと、グループD3に属さない学習サンプルとの間のマージンが最大となるような超平面が算出され、その超平面が識別面S3とされる。また、その識別面S3の近傍のグレーゾーンZg3が算出され、グレーゾーンZg3のプラス側の境界値Thpos3と、マイナス側の境界値Thneg3とが算出される(図7参照)。これら識別面S3、境界値Thpos3、Thneg3のデータは、ROM27に書き込まれる。
なお、図7に示すグレーゾーンZg3は、図6に示したグレーゾーンZg2よりも広いものとする。つまり、第3の判別の判別性能は第2の判別の判別性能よりも低い(グループD3はグループD2よりも他のグループとの判別が困難)とする。
次に、撮影に関するCPU29の動作の流れを説明する。図8は、撮影に関するCPU29の動作フローチャートである。ここでは、電子カメラのオートホワイトバランス機能がオンされ、電子カメラの記録モードが通常記録モードに設定されていると仮定する。また、フローチャートの開始時点では、メインミラー14は観察状態の位置にあり、ユーザが被写界を接眼レンズ20から観察できるものとする。
ステップS101:CPU29は、レリーズボタンが半押しされたか否かを判別し、レリーズ釦が半押しされた場合はステップS102に移行し、レリーズボタンが半押しされていない場合はステップS101を繰り返す。
ステップS102:CPU29は、撮影レンズ12の焦点調節を実行すると共に、分割測光センサ22に被写界の画像信号の出力を開始させる。なお、焦点調節は、焦点検出部が生成するデフォーカス信号をCPU29がレンズCPUへ与えることによって行われる。このときレンズCPUは、CPU29から与えられるデフォーカス信号がゼロに近づくように撮影レンズ12のレンズポジションを変化させ、それによって撮影レンズ12の焦点を被写界中の物体(被写体)に合わせる。
ステップS103:CPU29は、SVMの機能により、現在の撮影シーンから特徴量ベクトルを抽出する。この抽出は、分割測光センサ22から出力される被写界の画像信号と、レンズCPUから与えられるレンズ情報(焦点調節後のレンズ情報)とに基づき行われる。その特徴量ベクトルは、学習時に抽出された特徴量ベクトルと同じベクトル成分を持った特徴量ベクトルである。
ステップS104:CPU29は、SVMの機能により、ステップS103で抽出された特徴量ベクトルと識別面S1との距離d1を算出する(第1の判別)。この距離d1が小さいほど、現在の撮影シーンがグループD1に属する確度は高く、距離d1が大きいほど、現在の撮影シーンがグループD1に属する確度は低い。
ステップS105:CPU29は、SVMの機能により、ステップS103で抽出された特徴量ベクトルと識別面S2との距離d2を算出する(第2の判別)。この距離d2が小さいほど、現在の撮影シーンがグループD2に属する確度は高く、距離d2が大きいほど、現在の撮影シーンがグループD2に属する確度は低い。
ステップS106:CPU29は、SVMの機能により、ステップS103で抽出された特徴量ベクトルと識別面S3との距離d3を算出する(第3の判別)。この距離d3が小さいほど、現在の撮影シーンがグループD3に属する確度は高く、距離d3が大きいほど、現在の撮影シーンがグループD3に属する確度は低い。
ステップS107:CPU29は、レリーズボタンが全押しされたか否かを判別する。レリーズボタンが全押しされていない場合はS108に移行し、レリーズボタンが全押しされた場合はS109に移行する。
ステップS108:CPU29は、レリーズボタンの半押しが解除されたか否かを判別し、レリーズボタンの半押しが解除された場合には、分割測光センサ22の信号の出力を停止させてステップS101に戻り、レリーズボタンの半押しが継続している場合は、ステップS103に戻る。
ステップS109:CPU29は、撮像処理を実行し、本画像の画像データを取得する。すなわちCPU29は、メインミラー14を退避状態の位置に移動させ、さらにカラー撮像素子16を駆動することにより、本画像の画像データを取得する。その本画像のデータは、AFE16aおよび画像処理部23をパイプライン式に通過してからバッファメモリ24にバッファリングされる。撮影処理が終了すると、メインミラー14は観察状態の位置に戻される。
ステップS110:CPU29は、ステップS104,105,106で算出した距離d1,d2,d3の値を参照し、その中で値が最も小さいものを見出す。
距離d1の値が最小であった場合、CPU29は、現在の撮影シーンがグループD1に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「1」に設定する。但し、d1が最小であったとしても、Thpos1<d1であった場合は、現在の撮影シーンがグループD4に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「4」に設定する。また、Thneg1<d1<Thpos1であった場合(d1がグレーゾーンZg1に位置していた場合)は、現在の撮影シーンがグループD0に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「0」に設定する。
距離d2が最小であった場合、CPU29は、現在の撮影シーンがグループD2に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「2」に設定する。但し、d2が最小であったとしても、Thpos2<d2であった場合は、現在の撮影シーンがグループD4に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「4」に設定する。また、Thneg2<d2<Thpos2であった場合(d2がグレーゾーンZg2に位置していた場合)は、現在の撮影シーンがグループD0に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「0」に設定する。
距離d3が最小であった場合、CPU29は、現在の撮影シーンがグループD3に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「3」に設定する。但し、d3が最小であったとしても、Thpos3<d3であった場合は、現在の撮影シーンがグループD4に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「4」に設定する。また、Thneg3<d3<Thpos3であった場合(d3がグレーゾーンZg3に位置していた場合)は、現在の撮影シーンがグループD0に属するとみなし、現在の撮影シーンのグループ番号iを「0」に設定する。
ステップS111:CPU29は、色度座標上に規定されている無彩色検出範囲(図3)を、現在設定中のグループ番号iに対応するもののみに制限する。つまり、グループ番号iが「1」であった場合には無彩色検出範囲CL,CSSL以外の無彩色検出範囲を無効とし、グループ番号iが「2」であった場合には無彩色検出範囲CFL1,CFL2,CHG以外の無彩色検出範囲を無効とし、グループ番号iが「3」であった場合には無彩色検出範囲CS以外の無彩色検出範囲を無効とし、グループ番号iが「4」であった場合には、無彩色検出範囲CCL,CSH以外の無彩色検出範囲を無効とし、グループ番号iが「0」であった場合には全ての無彩色検出領域を有効にする。
ステップS112:CPU29は、本画像を複数の小領域に分割する。
ステップS113:CPU29は、本画像の個々の小領域の色度(小領域内の平均色度)を算出し、その色度に応じて個々の小領域を色度座標上へ写像する。さらにCPU29は、各小領域の中で有効な無彩色検出範囲に写像される小領域を見出し、それら小領域の色度座標上の重心位置を算出する。そしてCPU29は、その重心位置に相当する色度を、撮影時に使用された照明色とみなす。
なお、重心位置の算出は、各小領域の色度を相関色温度に換算してから行うことが望ましい。相関色温度は、色温度成分Tcと、黒体放射軌跡からのずれ成分duvとからなり、複数の色度を平均(重み付け平均)する際の演算が簡単になる。また、重心位置を算出する際には、各小領域の輝度を考慮し、輝度の高い小領域の個数(頻度)を多めに計上してもよい。
ステップS114:CPU29は、算出された重心位置の相関色温度(Tc,duv)からホワイトバランス調整量を算出する。このホワイトバランス調整量は、ホワイトバランス調整前の本画像上で相関色温度(Tc,duv)と同じ色度を持つような領域を無彩色に表現するためのホワイトバランス調整量である。
ステップS115:CPU29は、算出されたホワイトバランス調整量を画像処理回路23へ与え、かつ画像処理回路23に対し画像処理の指示を与える。画像処理回路23は、その指示に応じて本画像の画像データに対しホワイトバランス調整、及びその他の画像処理を施す。画像処理後の本画像の画像データは、CPU29によって記憶媒体32に記録される。
以上、本実施形態のCPU29は、撮影シーンの特徴量ベクトルと教師有り学習で予め算出された判別基準とに基づき、その撮影シーンが特定グループに属している確度を算出し、その確度と本画像とに基づき撮影時の照明色を推定する。
つまり、本実施形態のCPU29は、本画像から撮影時の照明色を推定するに当たり、撮影シーンが特定グループに属するか否か、という大まかな判別結果を利用するのではなく、撮影シーンが特定グループに属する確度、という詳細な判別結果を利用する。
したがって、本実施形態のCPU29は、特定グループに属するか否かが微妙な撮影シーンにおいて照明色を誤って推定する確率を低減することができる。このため、ホワイトバランス調整に失敗する確率は軽減される。
また、本実施形態のCPU29は、撮影シーンが特定グループに属している確度の指標として、撮影シーンの特徴量ベクトルと識別面とのベクトル空間上のユークリッド距離を算出するので、その確度は正しく検知される。
また、本実施形態のCPU29は、撮影シーンが特定グループに属している確度の算出を撮影前の期間に行うので、撮影直後に照明色を推定する際の演算量を抑えることができる。
また、本実施形態の判別はSVMによって行われるので、未知の撮影シーンに対する判別能力が高く、汎化性に優れている。
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の変形例である。ここでは第1実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、CPU29の動作にある。
本実施形態のCPU29は、図8のステップS110〜S113に代えて、図9のステップS121〜S128を実行する点にある。
ステップS121:CPU29は、先のステップS104,105,106で算出した距離d1,d2,d3を参照し、距離d1に基づきグループD1のウェイト係数WD1を算出し、距離d2に基づきグループD2のウェイト係数WD2を算出し、距離d3に基づきグループD3のウェイト係数WD3を算出する。
なお、ここで算出されるウェイト係数WD1と距離d1との関係は、図10に示すとおりであり、ウェイト係数WD2と距離d2との関係は、図11に示すとおりであり、ウェイト係数WD3と距離d3との関係は、図12に示すとおりである。つまり、グループDiのウェイト係数WDiは、距離diと、グレーゾーンZgiの境界値Thnegi,Thposiとによって以下の式で算出される。
Figure 0005092612
ステップS122:CPU29は、グループD1のウェイト係数WD1の値が「1」であるか否かを判別し、「1」であった場合にはステップS123へ移行し、「1」でなかった場合にはステップS124へ移行する。
ステップS123:CPU29は、グループD2のウェイト係数WD2の値を「0」に置換してからステップS125へ移行する。
ステップS124:CPU29は、グループD2のウェイト係数WD2の値が「1」であるか否かを判別し、「1」であった場合にはステップS125へ移行し、「1」でなかった場合にはステップS126へ移行する。
ステップS125:CPU29は、グループD3のウェイト係数WD3の値を「0」に置換してからステップS126へ移行する。
ステップS126:CPU29は、現時点でのウェイト係数WD1,WD2,WD3に基づき、無彩色検出範囲CLのウェイト値WL、無彩色検出範囲CSSLのウェイト値WSSL、無彩色検出範囲CFL1のウェイト値WFL1、無彩色検出範囲CFL2のウェイト値WFL2、無彩色検出範囲CHGのウェイト値WHG、無彩色検出範囲CSのウェイト値WS、無彩色検出範囲CCLのウェイト値WCL、無彩色検出範囲CSHのウェイト値WSHをそれぞれ算出する。
ここで、無彩色検出範囲CLのウェイト値WLと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
L=K(CL,D1)・WD1+K(CL,D2)・WD2+K(CL,D3)・WD3+Of(CL
但し、式中の係数K(CL,Di)は、無彩色検出範囲CLとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CL)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CSSLのウェイト値WSSLと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
SSL=K(CSSL,D1)・WD1+K(CSSL,D2)・WD2+K(CSSL,D3)・WD3+Of(CSSL
但し、式中の係数K(CSSL,Di)は、無彩色検出範囲CSSLとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CSSL)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CFL1のウェイト値WFL1と、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
FL1=K(CFL1,D1)・WD1+K(CFL1,D2)・WD2+K(CFL1,D3)・WD3+Of(CFL1
但し、式中の係数K(CFL1,Di)は、無彩色検出範囲CFL1とグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CFL1)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CFL2のウェイト値WFL2と、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
FL2=K(CFL2,D1)・WD1+K(CFL2,D2)・WD2+K(CFL2,D3)・WD3+Of(CFL2
但し、式中の係数K(CFL2,Di)は、無彩色検出範囲CFL2とグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CFL2)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CHGのウェイト値WHGと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
HG=K(CHG,D1)・WD1+K(CHG,D2)・WD2+K(CHG,D3)・WD3+Of(CHG
但し、式中の係数K(CHG,Di)は、無彩色検出範囲CHGとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CHG)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CSのウェイト値WSと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
S=K(CS,D1)・WD1+K(CS,D2)・WD2+K(CS,D3)・WD3+Of(CS
但し、式中の係数K(CS,Di)は、無彩色検出範囲CSとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CS)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CCLのウェイト値WCLと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
CL=K(CCL,D1)・WD1+K(CCL,D2)・WD2+K(CCL,D3)・WD3+Of(CCL
但し、式中の係数K(CCL,Di)は、無彩色検出範囲CCLとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CCL)は予め決められたオフセット値である。
また、無彩色検出範囲CSHのウェイト値WSHと、ウェイト係数WD1,WD2,WD3との関係は、以下のとおりである。
SH=K(CSH,D1)・WD1+K(CSH,D2)・WD2+K(CSH,D3)・WD3+Of(CSH
但し、式中の係数K(CSH,Di)は、無彩色検出範囲CSHとグループDiの照明色との類似度によって決まる値であり、係数Of(CSH)は予め決められたオフセット値である。
なお、以上の各式における係数K,Ofの大小関係は、例えば図13のとおりとなる。図13において「高」は+1又はそれに近い値であり、「低」は−1又はそれに近い値であり、「中」は−1と+1との中間の値(−0.5,+0.5など)である。
ステップS127:CPU29は、本画像を複数の小領域に分割する。
ステップS128:CPU29は、本画像の個々の小領域の色度(領域内の平均色度)を算出し、その色度に応じて個々の小領域を色度座標上へ写像する。さらにCPU29は、各小領域の中から無彩色検出範囲CL,CSSL,CFL1,CFL2,CHG,CS,CCL,CSHに写像される小領域を見出し、それら小領域の色度座標上の重心位置を算出する。
但し、この際、個々の無彩色検出範囲CL,CSSL,CFL1,CFL2,CHG,CS,CCL,CSHに写像される小領域の個数(頻度)には、ステップS126で算出したウェイト値WL,WSSL,WFL1,WFL2,WHG,WS,WCL,WSHがそれぞれ乗算される。つまり、無彩色検出範囲CLに写像される小領域の頻度にはウェイト値WLが乗算され、無彩色検出範囲CSSLに写像される小領域の頻度にはウェイト値WSSLが乗算され、無彩色検出範囲CFL1に写像される小領域の頻度にはウェイト値WFL1が乗算され、無彩色検出範囲CFL2に写像される小領域の頻度にはウェイト値WFL2が乗算され、無彩色検出範囲CHGに写像される小領域の頻度にはウェイト値WHGが乗算され、無彩色検出範囲CSに写像される小領域の頻度にはウェイト値WSが乗算され、無彩色検出範囲CCLに写像される小領域の頻度にはウェイト値WCLが乗算され、無彩色検出範囲CSHに写像される小領域の頻度にはウェイト値WSHが乗算される。なお、この際に、各小領域の輝度を考慮し、輝度の高い小領域の個数(頻度)を多めに計上してもよい。
以上、本実施形態のCPU29は、撮影シーンがグループD1に属する確度(距離d1)と、グループD2に属する確度(距離d2)と、グループD3に属する確度(距離d3)とに応じて本画像中に存在する各色の頻度に重み付けをするので、どのグループに属するのかが微妙な撮影シーンの撮影であっても、撮影時の照明色を誤って推定する確率は低い。
また、本実施形態のCPU29は、各色の頻度に付与すべきウェイト値を、それら各色とグループD1,D2,D3の照明色との類似度に応じて決定するので、撮影時の照明色は高精度に推定される。
また、本実施形態のCPU29は、撮影時の照明色を推定する際に、判別の容易なグループに関する判別結果(ウェイト係数)を、判別の困難なグループに関する判別結果(ウェイト係数)よりも重視する。したがって、照明色が誤って推定される確率は低く抑えられる。
[その他の実施形態]
なお、上記第2実施形態のCPU29は、グループ毎のウェイト係数から無彩色検出範囲毎のウェイト値を算出するために計算式を使用したが、ルックアップテーブルを使用してもよい。ルックアップテーブルを使用すれば、撮影後に照明色を推定するまでの処理速度を高めることができる。
また、上記何れかの実施形態のCPU29は、第1の判別の処理と、第2の判別の処理と、第3の判別の処理とを直列的に実行したが、並列的に実行してもよい。
また、上記何れかの実施形態では、閃光発光装置が使用されないことを前提としたが、閃光発光装置が使用される可能性を考慮し、特徴量ベクトルのベクトル成分に、閃光の発光強度を含めてもよい。
また、上記何れかの実施形態では、特徴量ベクトルのベクトル成分に、撮影条件として撮影レンズの焦点距離と被写体距離とを含めたが、撮影レンズの絞り値などの他の撮影条件をを含めてもよい。
また、上記何れかの実施形態では、特徴量ベクトルのベクトル成分に、被写体条件として被写界のエッジ量を含めたが、被写界のコントラストなどの他の被写体条件を含めてもよい。
また、上記何れかの実施形態のCPU29は、無彩色検出範囲の分割数を8とし、グループの分割数を4とした。しかし、無彩色検出範囲の分割数とグループの分割数との組み合わせは、他の組み合わせであってもよい。
また、上記した何れかの実施形態では、SVMの学習は予め行われ、識別面等のデータ(S1,S2,S3,Thpos1,Thneg1,Thpos2,Thneg2,Thpos3,Thneg2)は書き換えられないことを前提としたが、ユーザから指定された照明種類に応じてホワイトバランス調整を行う手動ホワイトバランス機能が電子カメラに搭載されている場合は、その照明種類が指定される度にSVMが学習を行い、そのデータを更新してもよい。なお、その場合は、データの格納先が書き換え可能なメモリとなる。
また、上記した何れかの実施形態では、撮影シーンの判別処理がレリーズボタンの半押し期間中に繰り返されたが、レリーズボタンの半押直後に1回だけ行われることとしてもよい。この場合、レリーズボタンの半押し直後の判別結果がレリーズボタンの半押し期間中に保持されることになる。
また、上記した何れかの実施形態では、被写界の監視と本画像の取得とを異なる撮像素子で行う一眼レフレックスタイプの電子カメラを説明したが、共通の撮像素子で行うコンパクトタイプの電子カメラにも本発明は適用可能である。
また、上記した何れかの実施形態では、電子カメラの記録モードが通常記録モードである場合を想定したが、RAW記録モードであった場合、CPU29は、判別によって得られたデータを含む付帯情報を作成し、その付帯情報を本画像のRAWデータと共に記憶媒体32へ記録すればよい。その後、RAWデータの現像処理を行う際に、CPU29が記憶媒体32からRAWデータを読み込んで、上述したステップS110〜S115(又はS121〜115)を実行すればよい。
また、上記した何れかの実施形態では、ホワイトバランス調整量の算出処理を電子カメラが実行したが、それら処理の一部又は全部をコンピュータに実行させてもよい。その場合、処理に必要なプログラムがコンピュータへインストールされる。そのインストールは、CD−ROMなどの記憶媒体やインターネットなどを介して行われる。
電子カメラの光学系の構成を示す模式図である。 電子カメラの回路構成を示すブロック図である。 第1実施形態の無彩色検出範囲を示す図である。 ベクトル空間上の学習サンプルの分布例を示す図である。 距離d1とサンプル数との関係(一例)を示す図である。 距離d2とサンプル数との関係(一例)を示す図である。 距離d3とサンプル数との関係(一例)を示す図である。 撮影に関する第1実施形態のCPU29の動作フローチャートである。 撮影に関する第2実施形態のCPU29の動作フローチャートである。 ウェイト係数WD1と距離d1との関係を示す図である。 ウェイト係数WD2と距離d2との関係を示す図である。 ウェイト係数WD3と距離d3との関係を示す図である。 係数Kの大きさの関係を示す図である。
符号の説明
11…カメラ本体,16…カラー撮像素子,16a…AFE,22…分割測光センサ,22a…A/D変換回路,23…画像処理回路,24…バッファメモリ,25…記録インタフェース,26…操作スイッチ,29…CPU,28…RAM,27…ROM,31…バス

Claims (12)

  1. 撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、
    前記撮影シーンで撮影された画像の無彩色検出範囲の広さを前記距離に応じて制限し、制限後の前記無彩色検出範囲に属する各色の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段と
    を備えたことを特徴とするカラー撮像装置。
  2. 撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、
    前記撮影シーンで撮影された画像において無彩色検出範囲に属する各色の頻度を求める際に、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に属する色の頻度に対して前記距離に応じた重みを付与し、前記無彩色検出範囲に属する各色の重み付け後の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段と
    を備えたことを特徴とするカラー撮像装置。
  3. 撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合には、前記撮影シーンで撮影された画像の無彩色検出範囲を、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に制限し、制限後の前記無彩色検出範囲に属する各色の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備え、
    前記判別手段は、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属しているか否かの判別が困難となるような前記距離の範囲を前記判別基準のグレーゾーンとして予め記憶し、
    前記算出手段は、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合であっても、前記距離が前記グレーゾーンに入る場合には、前記無彩色検出範囲を前記照明色範囲より広く設定する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  4. 撮影シーンの特徴量ベクトルと、教師有り学習で予め算出された判別基準との間のベクトル空間上の距離を、照明色の類似した特定グループに前記撮影シーンが属している確度の指標として算出する判別手段と、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合には、前記撮影シーンで撮影された画像において無彩色検出範囲に属する各色の頻度を求める際に、前記特定グループの照明色範囲と同じ色範囲に属する色の頻度に対して重みを付与し、前記無彩色検出範囲に属する各色の重み付け後の頻度に基づき、前記画像に施すべきホワイトバランス調整の調整量を算出する算出手段とを備え、
    前記判別手段は、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属しているか否かの判別が困難となるような前記距離の範囲を前記判別基準のグレーゾーンとして予め記憶し、
    前記算出手段は、
    前記撮影シーンが前記特定グループに属する可能性を前記距離が示していた場合であっても、前記距離が前記グレーゾーンに入る場合には、前記重みを小さめに設定する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記判別手段は、
    前記特徴量ベクトルと前記判別基準とのベクトル空間上のユークリッド距離を前記確度の指標として算出する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記判別手段は、
    照明色の異なる複数の特定グループの各々に関して前記距離を算出する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  7. 請求項2又は請求項4に記載のカラー撮像装置において、
    前記判別手段は、
    照明色の異なる複数の特定グループの各々に関して前記距離を算出し、
    前記算出手段は、
    前記各色の頻度に付与すべき重み値を、前記複数の特定グループの各々に関して算出された距離と、それら特定グループの照明色と前記各色との類似度とに応じて設定する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  8. 請求項7に記載のカラー撮像装置において、
    前記算出手段は、
    前記複数の特定グループのうち、他のグループとの判別が容易な特定グループに関して算出された距離を、他のグループとの判別が困難な特定グループに関して算出された距離よりも重要視する
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  9. 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記複数の特定グループは、
    照明色が低色温度照明の色度範囲に属するようなグループ、照明色が蛍光灯又は水銀灯の色度範囲に属するようなグループ、照明色が演色性の良い蛍光灯又は自然太陽光の色度範囲に属するようなグループ、照明色が日陰又は曇天の色度範囲に属するようなグループのうち何れか3つである
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  10. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記判別手段は、
    前記距離の算出を撮影前の期間に行い、
    前記算出手段は、
    前記調整量の算出を撮影直後に行う
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記判別手段は、
    サポートベクターマシンである
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか一項に記載のカラー撮像装置において、
    前記算出手段が算出した調整量で前記画像に対しホワイトバランス調整を施す調整手段を更に備えた
    ことを特徴とするカラー撮像装置。
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