JP5090811B2 - 車両用チェッカ付きドアヒンジ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の乗降口やテールゲートを開閉するドアを支持する車両用ドアヒンジ装置に関し、特に、ボディ及びドアの一方に固着される第1ブラケットと、それらの他方に固着される第2ブラケットと、これら両ブラケットを相対回動可能に連結するヒンジピンと、前記第1ブラケットに一体的に結合されて前記ヒンジピンと同軸上に配置される内筒と、前記第2ブラケットに一体的に結合されて前記内筒を、それと相対回転可能に囲繞するように配置される外筒と、前記内筒及び外筒間に設けられてドアの所定開度位置でドアに対するチェック力を発生するチェック力発生機構とを備える、車両用チェッカ付きドアヒンジ装置の改良に関する。
かゝる車両用チェッカ付きドアヒンジ装置は、下記特許文献1に開示されるように、既に知られている。
米国特許第6、481、056号明細書
従来のかゝる車両用チェッカ付きドアヒンジ装置では、チェック力発生機構を、外筒に取り付けられてそれと共に回転するリテーナと、このリテーナに支持されて前記内筒の外周面を転動し得るディテントローラと、これらディテントローラ群の周囲に巻き付けられて、各ディテントローラを内筒の外周面側に付勢すべく半径方向の弾性収縮力を発揮するコイルばねと、内筒の外周面に、その軸方向に延びると共に周方向に間隔を存して配置されるように設けられ、内筒及び外筒の相対回転に伴ない前記ディテントローラが係脱する複数のディテント溝とで構成している。結局、こうした従来のものでは、チェック力発生機構が内筒及び外筒間にそれらの全周に亙り設けられるため、チェック付きドアヒンジ装置全体が大径となるを免れず、該装置を自動車のボディ及びドア間の狭小なスペースに配設することが困難となることがある。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、外筒に、これをを特別大径化することなくチェック力発生機構を配設し得るようにして、コンパクトな車両用チェッカ付きドアヒンジ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ボディ及びドアの一方に固着される第1ブラケットと、それらの他方に固着される第2ブラケットと、これら両ブラケットを相対回動可能に連結するヒンジピンと、前記第1ブラケットとは別々に形成されると共に該第1ブラケットに一体的に結合されて前記ヒンジピンと同軸上に配置される円筒状の内筒と、前記第2ブラケットとは別々に形成されると共に該第2ブラケットに一体的に結合されて前記内筒を、それと相対回転可能に囲繞するように配置される円筒状の外筒と、前記内筒及び外筒間に設けられてドアの所定開度位置でドアに対するチェック力を発生するチェック力発生機構とを備える、車両用チェッカ付きドアヒンジ装置であって、
前記外筒の内周面及び外周面を相互に偏心させて、その内周面及び外周面間の距離が大きい厚肉部に、前記内筒の外周面に向かって開口する取り付け凹部を設けると共に、この取り付け凹部に前記内筒の外周面に向かって進退し得るように支持される保持部材と、この保持部材を前記内筒の外周面に向かって付勢するように前記取り付け凹部に収容される弾性部材とで前記チェック力発生機構を構成し、前記保持部材には、前記内筒の外周面に当接するように突出するディテント突起を設ける一方、前記内筒の外周面には、前記内筒及び外筒の相対回転に伴ない前記ディテント突起が選択的に係脱する複数のディテント溝を周方向に並設し、前記内筒の外周面には、前記外筒の内周面及び外周面間の距離が小さい薄肉部の内周面に摺動可能に当接するスライダを、前記ヒンジピンを挟んで前記複数のディテント溝群とは反対側において配設したことを徴とする。
本発明よれば、外筒の内周面及び外周面を相互に偏心させて、その内周面及び外周面間の距離が大きい厚肉部にチェック力発生装置が設けたことで、外筒を特別大径化せずに、大容量のチェック力発生装置を外筒に効率良く配設して、チェッカ付きドアヒンジ装置のコンパクト化を図ることができ、したがって、ボディ及びドア間の狭小なスペースにおいても、チェッカ付きドアヒンジ装置の設置を容易に行うことができる。
また外筒の内周面及び外周面を相互に偏心させて形成される外筒の厚肉部に、内筒の外周面に向かって開口する取り付け凹部を設けると共に、この取り付け凹部に内筒の外周面に向かって進退し得るように支持される保持部材と、この保持部材を内筒の外周面に向かって付勢するように取り付け凹部に収容される弾性部材とでチェック力発生機構を構成し、保持部材にはディテント突起を設ける一方、内筒の外周面には、内筒及び外筒の相対回転に伴ないディテント突起が選択的に係脱する複数のディテント溝を周方向に並設したので、外筒の厚肉部にチェック力発生装置を簡単に設けることができる。
さらに内筒の外周面には、外筒の内周面及び外周面間の距離が小さい薄肉部の内周面に摺動可能に当接するスライダを、ヒンジピンを挟んで複数のディテント溝群とは反対側において配設したので、外筒が弾性部材の圧縮反発力を受けて、薄肉部の内周面をスライダに圧接させ、内筒及び外筒の相対回転時には、スライダが薄肉部側の内周面に対して摺動することになるから、スライダの材質、面粗度、摺動面積等を変更することにより、ドアの開閉フィーリングを任意に調節することができる。
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係るチェッカ付きドアヒンジ装置を備える自動車の要部平面図、図2は上記チェッカ付きドアヒンジ装置の分解斜視図、図3は同チェッカ付きドアヒンジ装置をドアの閉鎖状態で示す平面図、図4は図3の4矢視図、図5は図4の5−5線断面図、図6は同チェッカ付きドアヒンジ装置をドアの全開状態で示す、図5との対応図、図7は図5の7−7線断面図、図8は図5の8−8線断面図、図9は図5の9−9線断面図、図10は本発明の第2実施例を示す、図5との対応図、図11は本発明の第3実施例を示す、図5との対応図である。
先ず、本発明の第1実施例の説明より始める。図1において、自動車のボディBに、その乗降口を開閉すべくドアDがドアヒンジ装置Hを介して回動可能に取付けられる。
図2〜図5に示すように、ドアヒンジ装置Hは、ボディBに複数のボルト3で固着される雌ブラケット1と、ドアDに複数のボルト4で固着される雄ブラケット2と、これら両ブラケット1,2を相対回動可能に連結すべく鉛直方向に配置されるヒンジピン5とを備えている。
雌ブラケット1は上下一対の雌アーム部1aを有し、これらの内側に、雄ブラケット2の上下一対の雄アーム部2aがそれぞれ隣接して配置され、これらを上下に貫通するように前記ヒンジピン5が配置される。ヒンジピン5は、その一端の膨大頭部5aと、他端のかしめ部5bとにより雌アーム部1aに固着される。ヒンジピン5の外周には、雌アーム部1aを貫通する内筒6が嵌合され、この内筒6の両端部は雌アーム部1aに、それらの対向面にそれぞれ設けられる位置決め突起8及び位置決め凹部9(図2及び図7参照)の係合により一体的に結合される。内筒6の一端部では、一方の雄アーム部2aが第1軸受ブッシュ16を介して回転自在に支承され、また内筒6の他端部では、他方の雄アーム部2aが、第1軸受ブッシュ16よりも大径の第2軸受ブッシュ16′及びその内周面に嵌合したカラー17を回転自在に支承される(図2及び図8参照)。
内筒6の外周には、それと相対回転可能の外筒7が配置され、この外筒7の両端には、この外筒7の内部を密閉状態にしながら前記第1及び第2軸受ブッシュ16,16′の外周面に回転自在に支承される第1及び第2カバー10,10′が配設される。
図3及び図9に示すように、雄アーム部2aは、半径方向に突出する耳部11を一体に有しており、これら耳部11に上記カバー10がリベット12によりそれぞれ固着される。またこれらカバー10は、その内側面に、外筒7の外周面と同心、換言すれば外筒7の内周面に対して偏心した円形の連結突起14を備えており、この連結突起14を外筒7の端面に嵌合することにより、第1、第2カバー10,10′及び外筒7間が一体回転し得るように連結される。
図6に示すように、雌ブラケット1には、雄アーム部2aの前記耳部11が当接してドアDの全開位置を規制するストッパ壁15が一体に形成される。
図2、図5〜図7において、上記内筒6及び外筒7間に、ドアDの中間開度位置及び全開位置でドアDに対するチェック力を発生するチェック力発生機構20が設けられる。以下それについて説明する。
図5に明示するように、外筒7では、その内周面及び外周面を相互に偏心させて、その内周面及び外周面間の距離が大なる側の外筒7の一半周部分が厚肉部7aとされ、その距離は小なる側の外筒の他半周部分が薄肉部7bとされ、その厚肉部7aの内周面に1つ又は周方向に並ぶ複数(図示例では2つ)の取り付け凹部21が形成される。この取り付け凹部21は、外筒7の周方向で相対向する内側面を平行にして形成され、この取り付け凹部21には、高剛性の保持部材22が外筒7の半径方向に摺動自在に嵌合されると共に、この保持部材22を内筒6に向かって弾発するゴム製の弾性部材23が充填される。この弾性部材23には、その圧縮弾性率を調整するすぐり24が設けられる。
各保持部材22には、内筒6に向かって開口すると共に外筒7の軸方向に延びる半円柱状の保持溝25が形成され、この保持溝25に、内筒6の外周面を転動し得るディテントローラ26の略半周部分が回転自在に係合、保持される。
一方、内筒6の、前記第1及び第2軸受ブッシュ16,16′間に挟まれる中間部の外径は、第2軸受ブッシュ16′の外径より小、その内径より大となっている。この内筒6の中間部外周面には、内筒6及び外筒7の相対回転に応じて各ディテントローラ26が係脱する、内筒6の軸方向に延びる複数の断面V字状のディテント溝27が設けられる。
各ディテントローラ26は、対応する弾性部材23の弾性力をもって対応するディテント溝27に係合することで、ドアDに対するチェック力を発生するもので、図示例の場合、ドアDの2箇所の中間位置と全開位置とでチェック力を発生させるように、各ディテントローラ26に対応して3本1組のディテント溝27が設けられ、これらディテント溝27の一側に隣接して、ドアDの閉鎖位置でディテントローラ26を自由にする、溝幅がディテント溝より広いローラ解放溝28が設けられる。
上記保持部材22、弾性部材23及びディテントローラ26は、外筒7の両端を閉鎖するカバー10により軸方向の移動が拘束される。
こうして、外筒7の厚肉部7aにチェック力発生機構20が設けられる。
以上において、弾性部材23より圧力を受ける連結壁部22bの受圧面積は、ディテントローラ26及びディテント溝27の当接面積より充分に大きく設定される。
図5に示すように、内筒6の中間部外周面の、外筒7の前記薄肉部7bに対向する部分、即ちヒンジピン5を挟んで複数のディテント溝27群とは反対側の部分には凹部30が設けられ、この凹部30に、外筒7の内周面に摺動自在に当接するスライダ29が嵌め込まれる。
次に、この実施例の作用について説明する。
本発明のチェッカ付きドアヒンジ装置Hの組み立てに当たっては、図2及び図7において、先ず、内筒6及び外筒7間に保持部材22、弾性部材23、ディテントローラ26及びスライダ29を装着しながら、内筒6及び外筒7を相互に嵌合し、外筒7の両端部に第1及び第2カバー10,10′を装着して、内筒6及び外筒7の組立体を組み立てる。
次いで、一方の雄アーム部2aの第1ブッシュ孔18に第1軸受ブッシュ16を装着した後、他方の雄アーム部2aの第2ブッシュ孔18′に上記組立体を挿入して、内筒6の一端部を第1軸受ブッシュ16の内周面に嵌入する。それから第2ブッシュ孔18′に第2軸受ブッシュ16′を装着し、この第2軸受ブッシュ16′のの内周面と内筒6の他端部外周面との間にカラー17を嵌装する。そして、第1及び第2カバー10,10′を、雄アーム部2aの耳部11にリベット12により結合する。こうして内筒6及び外筒7の組立体の雄ブラケット2への組み付けは完了する。
今度は、雌ブラケット1の一対の雌アーム部2a間に上記雄ブラケット2を挿入して、内筒6の両端面の位置決め突起8を、対応する雌アーム部2aの位置決め凹部9に係合した後、ヒンジピン5を装着して、チェッカ付きドアヒンジ装置Hの組み立ては完了する。
このチェッカ付きドアヒンジ装置Hの自動車への取り付けに当たっては、雌ブラケット1をボディBにボルト3で固着する一方、雄ブラケット2をドアDにボルト4で固着する。
而して、ユーザがドアDが全閉位置と全開位置との間で回動すれば、ドアDに結合した雄ブラケット2が閉鎖位置(図3及び図5の状態)と全開位置(図6の状態)との間を回動するので、この雄ブラケット2に連結した外筒7が、雌ブラケット1に連結した内筒6に対して回転する。外筒7が回転すると、その取り付け凹部21に支持される保持部材22及び弾性部材23も同時に回転するので、保持部材22の保持溝25で保持されたディテントローラ26は、内筒6の外周面を転動しながら移動する。
その際、ドアDが所定の中間開度位置や全開位置に来ると、ディテントローラ26は、それらの位置に対応した所定のディテント溝27との係合可能位置に到達する。すると、ディテントローラ26を保持する保持部材22が弾性部材23の圧縮反発力により内筒6側に摺動してディテントローラ26をディテント溝27に押し込むことになる。
またドアDが外力による回動力を受けたとき、保持部材22に保持されたディテントローラ26が内筒6のディテント溝27から脱しようとして、ディテント溝27の斜面を登り始めると、保持部材22は、ディテントローラ26からの押圧力を受けて取り付け凹部21内を半径方向外方に摺動して、各保持部材22の受圧面全体で弾性部材23の各部を等しく圧縮するので、その圧縮比は高く、弾性部材23に大きな圧縮反発力を発生させることになる。したがって、弾性部材23より圧力を受ける保持部材22の受圧面積を、ディテントローラ26及びディテント溝27の当接面積より大きく設定することで、保持部材22は、弾性部材23より受ける圧力を効果的に増幅してディテントローラ26及びディテント溝27に伝達することができ、ディテントローラ26及びディテント溝27の係合力、延いてはドアDのチェックトルを一層効果的に強めることができ、ドアDの遊動を防ぐことができる。
また保持部材22及び弾性部材23をそれぞれ外筒7の周方向に複数配設する場合には、複数の保持部材22及び弾性部材23は個別に作動するので、一部の弾性部材23が何かの原因で弾発力を失った場合でも、他の正常な弾性部材23が対応する保持部材22を押圧し続けることで、チェック力発生機構のチェック機能の喪失を防ぎ、信頼性を高めることができる。
さらに弾性部材23より圧力を受ける保持部材22の受圧面積は、ディテントローラ26及びディテント溝27の当接面積より大きく設定されるので、保持部材22及び弾性部材23間の面圧を充分に下げることができて、それらの耐摩耗性を向上させることができるのみならず、保持部材22は、弾性部材23より受ける圧力を増幅してディテントローラ26及びディテント溝27に伝達することができ、これによりディテントローラ26及びディテント溝27の係合力、延いてはドアDのチェックトルクを効果的に強めることができる。
しかも、外筒7では、その内周面及び外周面を相互に偏心させて、その内周面及び外周面間の距離が大なる側の外筒7の一半周部分が厚肉部7aとされ、その厚肉部7aに、上記保持部材22及び弾性部材23よりなるチェック力発生機構20が設けられるので、外筒7を特別大径化せずに、大容量のチェック力発生機構20を外筒に効率良く配設することができ、チェッカ付きドアヒンジ装置Hのコンパクト化に寄与し得る。したがって、ボディB及びドアD間の狭小なスペースにおいても、チェッカ付きドアヒンジ装置Hの設置を容易に行うことができる。
さらに外筒7では、その内周面及び外周面間の距離が小なる側の外筒の他半周部分が薄肉部7bとされ、この薄肉部7bに対向する内筒6外周面には、外筒7の内周面に摺動自在に当接するスライダ29が嵌め込まれるので、外筒7が弾性部材23の圧縮反発力を受けて、薄肉部7bの内周面を合成樹脂製のスライダ29に圧接させる。したがって、内筒6及び外筒7の相対回転時には、スライダ29が薄肉部7b側の内周面に対して摺動することになるから、スライダ29の材質、面粗度、摺動面積等を変更することにより、ドアDの開閉フィーリングを任意に調節することができる。
また雌ブラケット1には、ヒンジピン5の両端部を支持すると共に、このヒンジピン5の外周に配置される内筒6と結合される一対の雌アーム部1aが設けられ、雄ブラケット2には、雌アーム部1aの内側に隣接配置されて内筒6の両端部外周に軸受ブッシュ1616′を介して相対回転自在に支承される一対の雄アーム部2aが設けられ、この両雄アーム部2aに、その間に配置される外筒7が結合されるので、一対の雌アーム部1a間に配置される一対の雄アーム部2a間のスペースを有効に利用して、内筒6、外筒7及びチェック力発生機構20を設置することができ、これもチェッカ付きドアヒンジ装置Hのコンパクト化に貢献する。
さらにまた外筒7の両端には、その内部を密閉すると共にディテントローラ26、保持部材22及び弾性部材23の軸方向移動を拘束する一対のカバー10が取り付けられるので、外筒7内のチェック力発生機構20への雨水や塵埃の侵入を防ぎ、チェック力発生機構20の正常な機能を長期に亙り確保することができる。しかも、カバー10は、ディテントローラ26、保持部材22及び弾性部材23の軸方向移動を拘束するストッパ部材を兼ねることになるから、部品点数の削減、延いては構造の簡素化に寄与し得る。
またゴム製の弾性部材23を取り付け凹部21に圧縮状態に充填し、この弾性部材23の表面を弾性部材に弾発的に密着させたので、取り付け凹部21内のスペースをゴム製の弾性部材23の充填に有効に利用できて、これもチェッカ付きドアヒンジ装置Hのコンパクト化に貢献する。
次に、図10に示す本発明の第2実施例について説明する。
この第2実施例では、外筒7の取り付け凹部21に設けられる保持部材22は板ばねで構成され、外筒7の周方向で相対向する取り付け凹部21の内壁に重ねられる一対の端壁部22aと、端壁部22a間を一体に連結する可撓性の連結壁部22bとで構成され、この連結壁部22bにディテントローラ26を保持する保持溝25が形成され、連結壁部22bを内筒6側に付勢するゴム製の弾性部材23が取り付け凹部21に充填される。その他の構成は前実施例と同様であるので、図10中、前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
この第2実施例によれば、連結壁部22bの撓みにより弾性部材23からディテントローラ26への弾発力の伝達を可能にするので、保持部材22及び取り付け凹部21間から摺動部を無くし、摩擦異音の発生を防ぐことができる。
最後に、図11に示す本発明の第3実施例について説明する。
この第3実施例は、前記第1及び第2実施例において、保持部材22には、ディテントローラ26に代えて、外筒7の軸方向に延びる半円柱状のディテント突起26を一体に形成し得るできることを示すもので、その代表例として、図5の第1実施例における保持部材22及びディテント突起26に変更を加えたものを図11に示した。その他の構成は、第1実施例と同様であるので、図11中、第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
この第3実施例によれば、ディテント突起26の保持部材22への一体形成により、部品点数の削減による構造の簡素化を図り、コストの低減をもたらすことができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、雌ブラケット1はドアDに、雄ブラケット2はボディBにそれぞれ固着することもできる。またヒンジピン5及び内筒6は、これらを一体に形成することもできる。またチェッカ付きドアヒンジ装置Hは、ワゴン型車両のテールゲート開閉用ドアを支持するヒンジ装置にも適用し得る。また弾性部材23としては、金属製のコイルばね、皿ばね、板ばね等の使用も可能である。
本発明の第1実施例に係るチェッカ付きドアヒンジ装置を備える自動車の要部平面図。 上記チェッカ付きドアヒンジ装置の分解斜視図。 同チェッカ付きドアヒンジ装置をドアの閉鎖状態で示す平面図。 図3の4矢視図。 図4の5−5線断面図図。 同チェッカ付きドアヒンジ装置をドアの全開状態で示す、図5との対応図。 図5の7−7線断面図。 図5の8−8線断面図。 図5の9−9線断面図。 本発明の第2実施例を示す、図5との対応図。 本発明の第3実施例を示す、図5との対応図。
B・・・・・ボディ
D・・・・・ドア
H・・・・・ドアヒンジ装置
1・・・・・第1ブラケット(雌ブラケット)
2・・・・・第2ブラケット(雄ブラケット)
5・・・・・ヒンジピン
6・・・・・内筒
7・・・・・外筒
7a・・・・厚肉部
7b・・・・薄肉部
20・・・・チェック力発生機構
21・・・・取り付け凹部
22・・・・保持部材
23・・・・弾性部材
26・・・・ディテント突起(ディテントローラ)
27・・・・ディテント溝
29・・・・スライダ

Claims (1)

  1. ボディ(B)及びドア(D)の一方に固着される第1ブラケット(1)と、それらの他方に固着される第2ブラケット(2)と、これら両ブラケット(1,2)を相対回動可能に連結するヒンジピン(5)と、前記第1ブラケット(1)とは別々に形成されると共に該第1ブラケット(1)に一体的に結合されて前記ヒンジピン(5)と同軸上に配置される円筒状の内筒(6)と、前記第2ブラケット(2)とは別々に形成されると共に該第2ブラケット(2)に一体的に結合されて前記内筒(6)を、それと相対回転可能に囲繞するように配置される円筒状の外筒(7)と、前記内筒(6)及び外筒(7)間に設けられてドア(D)の所定開度位置でドア(D)に対するチェック力を発生するチェック力発生機構(20)とを備える、車両用チェッカ付きドアヒンジ装置であって、
    前記外筒(7)の内周面及び外周面を相互に偏心させて、その内周面及び外周面間の距離が大きい厚肉部(7a)に、前記内筒(6)の外周面に向かって開口する取り付け凹部(21)を設けると共に、この取り付け凹部(21)に前記内筒(6)の外周面に向かって進退し得るように支持される保持部材(22)と、この保持部材(22)を前記内筒(6)の外周面に向かって付勢するように前記取り付け凹部(21)に収容される弾性部材(23)とで前記チェック力発生機構(20)を構成し、
    前記保持部材(22)には、前記内筒(6)の外周面に当接するように突出するディテント突起(26)を設ける一方、前記内筒(6)の外周面には、前記内筒(6)及び前記外筒(7)の相対回転に伴ない前記ディテント突起(26)が選択的に係脱する複数のディテント溝(27)を周方向に並設し、
    前記内筒(6)の外周面には、前記外筒(7)の内周面及び外周面間の距離が小さい薄肉部(7b)の内周面に摺動可能に当接するスライダ(29)を、前記ヒンジピン(5)を挟んで前記複数のディテント溝(27)群とは反対側において配設したことを特徴とする、車両用チェッカ付きドアヒンジ装置。
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