JP5090335B2 - 接着固定可能な資材 - Google Patents

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Description

本発明は、被カプセル化接着剤または封止剤組成物が前塗付(pre-applied、プレアプライド)され、この前塗付された被カプセル化接着剤または封止剤組成物が従来の接着剤および封止剤を破砕する程度の圧力を加えても早期に活性化しない、接着固定可能および/または対合(mating)密閉可能な資材(stock material)に関する。特に本発明は、被カプセル化液体接着剤または封止剤組成物が前塗付された資材に関し、この組成物ではこれを重合または硬化させるのに必要な少なくとも1つの硬化剤(curative)成分がカプセル化されている非液状の非流動性担体材料に含まれている。好ましい態様では本発明は、ファスナー、導管および最終的に大型の装置または集合体に組み立てられる資材などの締結のためのねじ式部材を有する資材、保持を目的にまたは盲穴(blind holes)の接着用途とに利用される資材および接着用途のための平面を有するその他の資材並びに梱包用資材、特に厚紙からなる梱包材および容器に関する。
接着剤および封止剤組成物は、ほぼ無限の種類の化学的性質、形状(それがある状態または物理的構造)および硬化または重合の機構のものが利用可能である。化学的性質の種類で言えば、エポキシ類、ウレタン類、アクリルエステル類、ビニルエステル類、ポリエステル類、ポリビニルアセテート類などが挙げられる。これらの物理的状態は、水のような液体状、粘性のある流動性または非流動性材状、固体または半固体状であってもよい。粘性を有する形態のものとしては、高度に増粘された組成物、特に揺変化剤または他の増粘充填剤および高分子材料をさらに含む液系のものであってもよい。固体または半固体組成物としては、ホットメルト接着剤および再活性型接着剤などの感温性材および固有の特性または粘着付与剤および/または可塑剤の存在により元々粘着性の感圧接着剤などの材料が挙げられる。
また硬化性の接着剤および封止剤組成物もその物理的構造は、多岐に亘る。これら組成物は、接着または密閉を行うのに必要な成分全てが接着剤または封止剤組成物内に存在する、例えば嫌気性接着剤および封止剤または溶剤型接着剤および封止剤のような一液系として存在するものもある。これとは別に二液またはそれ以上の系として存在するものもあり、この場合各系が使用時まで他の系から分離または離隔されている。これら二液以上の系のものは、非常に多くの形態を取りうる。二液型エポキシ系でよく使用される最も簡単な形態のものは、各成分の半固体ビーズが並んで、テープの支持体を用いてまたは用いずに押出しされる。より複雑な系では、特別なパッケージ化設計が反応成分を使用時まで互いに離隔された状態に維持するために採用されている、例えば二重バレルまたは単独バレルの二室コーキング型チューブ、使用時に1つのコンパートメントを形成するために崩壊する個々のコンパートメントを有するミキサーカップ、または1つの成分を含む破砕可能なアンプル(多くの場合、ガラス)と液体の硬化性成分の両方が可撓性の材料からなる単独の容器に含まれ、吐出される前にアンプルを破砕させ、2つの成分を捏和させる内蔵式パッケージなどが採用されている。二液またはそれ以上の系の接着剤および封止剤の特に成功し、かつ、望ましい形態は、カプセル化された接着剤および封止剤として知られているものであり、この場合1つ以上の硬化剤がカプセル化、より具体的にはマイクロカプセル化によって残りの成分から離隔されている。
種々の接着剤および封止剤の硬化または重合のメカニズムも多岐に亘る。溶剤型接着剤および封止剤は、溶剤担体が蒸発すると効果的に「硬化」する。単量体、オリゴマーおよび/または高分子接着剤および封止剤系は、段階成長重合および/または付加重合、特にフリーラジカルカチオンまたはアニオン重合によって硬化または重合し、これら重合は、熱および/または光などの環境条件によって促進される、または化学的にまたは熱および/または光などの環境条件によって開始される。他の系、特にプレポリマーおよびポリマー系は、他のモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーとの架橋によって硬化する。
このような種々の接着剤および封止剤組成物は、多くの産業、建設業界並びに消費市場に亘って広い用途を有する。接着剤および封止剤の化学的性質、形態および硬化または重合のメカニズムにおいて非常に多くの選択肢があるが、全ての用途に適したものはない。それぞれが未硬化の系および硬化した接着剤または封止剤の両方がその所定の系または組成物が使用される場所および時に影響を与える特性および特徴を有する。例えば、溶剤型の接着剤は、粘着テープ、フローリングの接着系、木材接着剤およびその他の一般消費者向け接着剤として適しているが、この溶剤型接着剤および封止剤系は、溶剤、特に有機溶剤に関する環境および安全に関して懸念されるので殆どの工業的な組み立て作業には使用されず、また硬化の速度が重要な用途にも使用されない。
多くの異なる接着剤および封止剤組成物が工業的製造および組み立て作業に利用されているが、好適な接着剤および封止剤の選択は、特に重要である。ホットメルト型接着剤は、製造業で使用される接着剤の中で最も多くの割合を占めるが、液体硬化性接着剤および封止剤は、より多くの用途を有し、工業的用途においてより大きな汎用性を有する。工業的製造および組み立て作業に使用される液体硬化性接着剤および封止剤の最も一般的な形態は、一液系である。また多液型接着剤および封止剤組成物も使用されているが、これらは吐出と同時に混合されるようにより高度な塗付手段を必要とする。通常、混合によって硬化または重合が開始するので、必要に応じて、このような接着剤および封止剤組成物に関連するポットライフまたはオープンタイム、即ち接着剤または封止剤が機能し得る時間に注意を払わなければならない。オープンタイムまたはポットライフが短いということは、成分の結合が接着剤または封止剤の塗付と同時または直後に生じることを意味する。また液体接着剤および封止剤が接着界面からはみ出さない、および/または接合面に見られる隙間を確実に埋めることができるように粘度についても適切な対応が必要である。このような一液系または二液以上の系の液体接着剤および封止剤組成物は、工業的製造および組み立て作業において幅広く、かつ、良好に使用されているが、それらの使用にリスクが無いわけではない。具体的には、接着剤または封止剤組成物が分注器を詰まらせたり、または二液以上の系において、混合手段が成分を不適切に混合したり、適切な混合比で成分を混合できない場合、その問題が解決されるまで、その組み立て/製造工程全体を停止する必要がある。さらにその問題を作業中に解決することができる、できないに関係なく、その作業工程中に不適切な接着剤または封止剤が塗付された全ての被着体を掻き取るまたはきれいにすることができるのであればきれいにしなければならない。従って、ホットメルトおよび液体接着剤および封止剤組成物をインラインで使用することによって問題が生じた場合、それは大きな経済的な影響をもたらす。
工業的組み立ておよび製造工程にその用途がある第2の類の接着剤および封止剤は、前塗付型接着剤および封止剤として知られているものであり、即ち後に活性化させて使用するために被着体に予め塗付することができるものである。液体硬化性接着剤および封止剤のように、前塗付型接着剤および封止剤も多くの化学的性質および形態のものがある。より一般的な形態は、感圧接着剤および封止剤、殻で覆われた接着剤および封止剤、被カプセル化接着剤および封止剤および再活性型接着剤および封止剤である。これら接着剤および封止剤にはそれぞれ最適な用途があるが、それに限度がないわけではなく、場合によっては、性能および/または経済性において妥協しなければならない場合もある。さらにこれらの接着剤および封止剤は、高速で行われる工業的組み立て作業に適していない、または少なくとも著しい妥協または制限が強いられる。
感圧接着剤は、資材に使用されるなど多くの用途を有するが、性能および使用の観点から多くの制限がある。一般的には感圧接着材料は、硬化性または重合性材ほどの接着強度または性能はない。これは一般的な封筒などに使用するには問題は無いが、高接着強度を必要とする用途では、問題になる。さらに資材に感圧接着剤を使用する場合、早発および/または意図しない接着を防ぐために剥離紙またはフィルムを感圧接着剤上に塗付し、接着される面に貼り合せる前に取り除かなければならず、余分な工程を必要とする。これらの余分な工程は、材料、剥離紙またはフィルムおよびこれを貼って、剥がすのに必要な装置の点などから組み立て作業に余分な費用を必要とする。いくつかの感圧接着剤および封止剤は、潜活性可能であるが、それらの活性手段、例えば熱または溶剤の使用によって、その用途が制限され、さらなる費用も掛かってしまう。
前塗付用途に使用される接着剤および封止剤組成物の別の形態は、接着剤または封止剤組成物またはそれらの1つ以上の成分が殻で覆われている、またはカプセル化されているものである。殻で覆われた接着剤および封止剤は、液体硬化性または重合性組成物の溜まり(pool)をそれと同じ組成物が硬化または重合してできたフィルムまたは第2の硬化性または重合性組成物が硬化または重合してできたフィルムで覆って液体硬化性組成物がフィルムとそれが塗付された被着体の間に位置するようにしている。この殻で覆われた系は、光で活性化される成分を組み込んだ嫌気性系または熱活性型の系の場合もあり、この光活性成分は、液体硬化性または重合性組成物が被着体に塗付された後、適当な光に晒すことによって液体組成物の上層の硬化または重合を行って、液体硬化性または重合性組成物上に表皮を形成する。これとは別に、硬化性、重合性または溶液中にある液体のフィルム形成材料を別個の上層として、すでに液体重合性または硬化性接着剤または封止剤組成物が塗付された被着体に塗付し、その上層の硬化または重合を行うための条件に晒して最初に塗付された材料を包むまたはこの上に表皮を形成する。これらの種の接着剤および封止剤組成物は、ねじ式の組み立て体またはより一般的には例えば電気部品の注封またはカプセル化用途によく使用される。
前塗付型接着剤および封止剤組成物の最も一般的な形態は、カプセル化またはマイクロカプセル化された系として知られているものである。通常、カプセル化された系は、好適な結合剤組成物によって被着体に接合した複数のマイクロカプセル化された硬化性または重合性接着剤または封止剤組成物を含む。この系は、液体硬化性または重合性組成物を硬化させるのに必要な硬化剤がマイクロカプセル壁内に同伴される、またはカプセル壁に付着した、もしくは結合剤またはマイクロカプセル内に含まれる液体硬化性成分に同伴された単独の種類のマイクロカプセルであってもよい。これとは別に複数のマイクロカプセルを使用した系でもよく、この場合各マイクロカプセルが液体硬化性または重合性組成物の1つ以上の成分を含むが、硬化または重合を開始する、または行うのに必要な成分は、別のマイクロカプセルに含有させて、マイクロカプセルが壊れてその内容物が混合または相互作用するまで硬化または重合が生じないようにしている。さらに別のマイクロカプセル化された接着剤または封止剤系では、マイクロカプセルを被着体に接合させる結合剤が実際の接着剤または封止剤であって、かつ、マイクロカプセルが結合剤の溶剤を含んでいる。マイクロカプセルが破砕すると、溶剤が放出され、結合剤を軟化または溶解し、被着体を接合し、その後溶剤は、被接着体の1つ以上に吸収され、および/または蒸発して再度固体化された接着剤または封止剤を残す。
前塗付式のカプセル化された接着剤および封止剤は、多くの用途に利用可能であり、特にねじ込み作用および/または界面嵌合によってマイクロカプセルを破砕するのに必要な作用を供し、これによって必要に応じて液体硬化性接着剤または封止剤組成物の成分を放出および混ぜ合わせる、ネジ止め係止、スナップ嵌合および保持用途に使用される。このような組成物およびその用途は、例えば、ウォレス(Wallace)(米国特許第4,428,982号)、ミューラー(Muller et al.)ら(米国特許第4,100,954号)、スウィーニー(Sweeney)(米国特許第4,556,206号および第4,830,558号)、リッチ(Rich)ら(米国特許第5,853,520号)、マツオ(Matsuo)(米国特許第6,025,074号)、バックマン(Bachmann)ら(米国特許第3,814,156号)およびボーリ(Bohli)(米国特許第3,866,873号)に示されている。
またこれらの接着剤および封止剤は、複数の平坦なシート状の被着体同士をまたは別の平坦な被着体に接着または積層するのに使用され、この場合1つ以上のピンチローラー、固定式のブレードまたは指による圧力などの他の手段が被着体に挟まれた前塗付型接着剤を有する貼り合わされた被着体を押圧し、圧縮力によってマイクロカプセルを破砕し、硬化性または重合性組成物の成分の混合を促進させる。例えば、アクリッジ(Akridge)ら(米国特許第5,794,409号)およびハグウィッツ(Haugwitz)(米国特許第4,961,811号)は、紙の接着用途でカプセル化された接着剤組成物を使用することを教示している。
前塗付型接着剤および封止剤は、商業的に幅広い用途を有するが、それに制限および不都合が無いわけではない。被カプセル化接着剤および封止剤組成物の重要な不都合な点または制限の1つは、マイクロカプセルの脆弱性にある。従って、このような前塗付型の被マイクロカプセル化接着剤は、カプセル殻壁の早発の破砕の機会が全く無い、または殆ど無い用途に限定されてしまう。例えば、このような接着剤が資材に前塗付される場合、その資材の貯蔵および取り扱いは、被カプセル化接着剤または封止剤が塗付された領域が互いに接触しない、および/または圧縮力に晒されないようにしなければならない。接着剤が前塗付された資材を積み重ねるとマイクロカプセルの早発の破砕につながり、資材同士が不必要に接着してしまい、たとえこのような接着が生じなくても、破砕したマイクロカプセルの液体硬化性または重合性成分が消費され、最終的な接着または封止を行う際に殆どまたは多くの場合充分な量の接着剤が残らなくなる。同様に被マイクロカプセル化接着剤が小さな締め具(ネジ、ボルト、プッシュピンなど)に塗付された場合、これらの締め具はばらばらに梱包されているので、梱包および取り扱いの際に締め具同士が互いに接着してしまう場合がある。
さらに接着剤が前塗付された資材が他の被着体または取り扱いおよび組み立て装置と接触する可能性のある自動化された組み立て作業では、液体硬化性材料の早発の望ましくない接着および/または消費が生じる可能性がある。高速で行われる組立工程で、最終的に行わうことは、接着された部品を取り除くために組み立てラインを停止することである。このように部分的に接触して接着した部品は、容易に引き離すことができるが、硬化した材料は、ネジおよび/または被着体の表面に残り、不可能ではないにしても、良好なネジ止めまたははめ込みの邪魔になる場合、挿入が困難になる。他の用途では、このような硬化した材料は、貼り合わされる被着体の間でスペーサーの役割りを果たす場合があり、これにより必要の無いところに隙間ができてしまう。従って、これらの状況においては、製品を使用する前に硬化した材料を取り除く必要がある。
上述の問題点のいくつかを克服するための多くの解決策が存在するが、これらは実践的ではあるが完全に満足のいく、または総合的に効果的なものではない。例えば、製品を個々に梱包したり、接着剤が前塗付された被着体同士が接触しないようにする特別な梱包を考案することも可能であるが、これらの解決策は、特に小さな締め具などの多量の消耗品用途の場合、費用が掛かりすぎてしまう。さらに適切な梱包を行うための材料および装置のコストおよびニーズの他に、このような梱包は、それから特定の被着体を取り除いて組立工程に導入するための別の装置を必要とする。同様に資材が互いに触れないようにするために特別のラックおよび/またはスペーサー部材を採用してもよいが、コストが掛かり、生産効率にも悪影響を与える。
カプセルの早発の破砕に関する問題は、マイクロカプセルおよび/またはスペーサー粒子に厚い殻壁を使用することで緩和することができるが、これは接着または密閉面での非接着および非密閉材料の量が増加してしまうという不都合がある。固体の殻材料が多くなるほど、または固体粒子が脆弱な被マイクロカプセル化液体粒子を保護するために加えられると、所定の容量の被マイクロカプセル化接着剤または封止剤組成物で接着または封止を行う場合に利用可能な液体硬化性成分の量が少なくなってしまう。同様にこのような「フィラー」材料は、被接着体との間でたとえ隙間が存在しなくても、または望ましくなくても、スペーサーとして機能してしまうという問題を生じる。さらに保持および界面嵌合の状況、例えばピンを円筒状の凹部に挿入する場合、このような「フィラー」粒子の存在によって、被着体の適切な嵌合を妨げ、または1つの被着体が別の被着体に挿入される際に液体硬化性接着剤または封止剤材がこすり落とされてしまう。従って、これらの状況のいずれにおいても、接着が弱くなり、および/または密閉不良となってしまう。
工業的用途における従来の前塗付型被マイクロカプセル化接着剤および封止剤組成物の別の限定は、被カプセル化組成物の特に硬化または重合前の粘度に関する。液体成分を含むマイクロカプセルが一度、破裂すると、その液体成分は、表面上を流れる。同じように被着体および/または破砕した殻材の間で毛管力によって液体成分の厚みを増す場所を除いて単一層を形成する傾向がある。これはマイクロカプセルの破砕と同時に2つの被着体が張り合わされる用途では問題無いが、過剰に接着剤が流れ出たり、はみ出したりしないように、特に隙間が存在する場合、例えば貼りあわされる被着体の一方または両方が不均一な表面を有するおよび/または破壊力を生じさせる曲げを元に戻して被着体が通常の位置に戻る場合に特に注意が必要である。
上記したように、前塗付型接着剤および封止剤は、多くの資材に利用可能であるが、その使用は、一般的な前塗付型接着剤の活性化の制約およびおそらくより一般的な物理的および/または性能特性によって制限される。高粘度の材料をカプセル化するには限界があるので、前塗付型接着剤は粘度が低くなりやすく、組み立ておよび/または活性化の間に流れ出しやすく、接着面から押し出されたり、はみ出したりする。さらにカプセルの脆弱性および早発破壊の懸念から、活性剤および触媒およびその他の硬化速度向上剤の量も早発の硬化を防ぐために制限される。
工業的組み立て作業において資材に使用する前塗付型被カプセル化接着剤および封止剤並びにその他の種類の接着剤、特にホットメルトの短所および問題点を克服するために当産業界は、その関心をホットメルトおよびカプセル化された接着剤から一般的に再活性型(reactivatable)接着剤と言われているものに向けられている。これらの再活性型接着剤は、資材の所定の場所で硬化するが、種々のエネルギー、特に超音波または近赤外線(NIR)に充分に晒されると再度活性化することができる。このような材料およびそれを資材に使用することが例えばゴン(Gong)ら(米国特許出願公開第2003/0041963号、第2004/0164134号、第2004/0164135号および第2004/0166309号)、ノウィッキ(Nowicki)ら(米国特許出願公開第2004/0163754号、第2004/0163768号および第2004/0166238号)ならびにピアース(Pierce)ら(米国特許出願公開第2004/0166257号)に開示されている。しかしながら、これらの材料は、化学的性質および従って用途に制限がある。より重要な問題点は、それらは多くの新しい問題、特に健康および安全上の問題を引き起こしているということである。具体的にはこれらの接着剤は、NIRおよび超音波エネルギーを発生させる装置だけでなく、この発生するエネルギーから作業員および作業場を保護するための特別な装置を必要とする。
従って、従来の前塗付型接着剤は、特定の資材の製造にかなり使用されるが、その使用は限られ、欠陥もある。従って、被マイクロカプセル化接着剤の早発の意図しない破壊の問題が完全に克服されないにしても軽減することができる接着剤が前塗付された資材を提供することが求められている。同様に処理、輸送および/または使用中の接触または乱暴な取り扱いによる早発の意図しない接着の問題が完全に克服されないにしても軽減することができる資材を提供することも望まれている。さらに特に高速で行われる組み立ておよび製造工程用に前塗付型接着剤および封止剤組成物を塗付することが可能な資材の範囲を広げることが望まれている。また硬化速度が即時またはそれに近い前塗付型接着剤および封止剤組成物を提供することも望まれている。さらに液体または流動性の接着剤を吐出および塗布しなくて済む高速で行われる工業的組み立ておよび製造方法を提供することも望まれている。最後に上述の問題点を克服する資材上の硬化性前塗付型接着剤または封止剤組成物を迅速に活性化させる方法を提供し最小限の複雑さで高速で行われる組み立ておよび製造工程に使用できるようにすることが望まれている。
本発明によって、少なくとも1つの面またはその面の一部に指触乾燥状態のカプセル化された液体硬化性接着剤または封止剤組成物が塗付され、このカプセル化された組成物は、被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分と、別個の被カプセル化硬化剤複合体とを含み、この硬化剤複合体は、前記液状硬化性成分または重合性成分を直接的または間接的に硬化または重合させることができる少なくとも一つの硬化剤を含み、前記硬化剤複合体に外力または外的条件が加えられない場合は実質的に非流動性である。より詳しくは、本発明は、前記被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分が液状硬化性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーを含み、前記被カプセル化硬化剤複合体が担体材料の中に含まれる前記硬化剤を含み、担体材料の物理的性質が硬化剤複合体の実質的に非流動性の特性の原因となる包装資材に関する。担体は、一般に、(a)柔らかなパテ状またはゲル状の性格を有するか、あるいは、(b)(i)一緒に用いる硬化性組成物の液状硬化性マトリックス成分に可溶性であるまたは軟化する、(ii)硬化性組成物が硬化するかまたは重合する反応条件および/または環境条件によって軟化する、あるいは(iii)前記接着剤または封止剤の硬化性成分、重合性成分または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法またはプロセスによって軟化する、固体または半固体の天然材料、合成材料または組成物である。
硬化剤は、あるいは担体中に二種類以上の硬化剤が存在すれば、複数の硬化剤は、硬化性成分(1種または複数種)を直接的または間接的に硬化または重合させることが知られている複数の材料の任意のものであってよい。これらの硬化剤は、担体の中に離散相として分散するか、あるいは全体または一部が担体の中に可溶性であるかまたは担体と混ざり合う液体、固体または半固体材料であるとよい。あるいは、硬化剤は、担体を形成する前駆体または出発原料の一つ以上と組み合わせてもよく、その場合、硬化剤は、担体の形成と同時に担体に組み込まれる。本発明は、従来の一液型液状硬化性組成物ならびに二液型以上の液状硬化性組成物を含む、カプセル化することが可能な任意の種類の硬化性接着剤、重合性接着剤または封止剤組成物に適用することが可能である。
本発明は、その後の組み立てまたは製造作業において接着または封止される殆どあらゆる種類の資材に利用することが可能である。資材の利用可能性の唯一の限定事項は、本発明の前塗付型接着剤または封止剤が塗付される面が組み立て工程中に充分なせん断力を受けなければならない、またはマイクロカプセルを破砕するだけでなく、担体に含まれる硬化剤を硬化性または重合性組成物の残りの成分に晒してその組成物の硬化または重合を行うのに適切なせん断力および捏和または混合を行うのに充分なせん断力を発生させるアクティベーター手段によって活性化可能なものでなければならない。
本発明の1つの態様では、資材は、例えばパイプエンド、パイプエンドキャップ、パイプコネクター、ネジ、ボルト、ナットなどのプラスチックまたは金属製のねじ山が設けられた部材であり、この場合、指触乾燥接着剤または封止剤がこれら部材に前塗付されている。ここでは液体硬化性成分および硬化剤成分は、結合剤によってねじ山が設けられた部材の表面に保持される別個のマイクロカプセル内にあるか、硬化剤を含むマイクロカプセルが液体硬化性組成物内に分散させて、その混合物自体をねじ山が設けられた部材上でカプセル化してもよい。
本発明の別の態様では、資材は、例えばシャフト、合せピン(dowels)、ローター、スプロケット、ハブおよびベアリングなどの保持または盲穴の接着用途に採用されるプラスチックまたは金属部品であり、この場合、前塗付型接着剤が接着されるシャフトまたは合せピンの特定の部分に塗付される、または好ましくは接着される部材の腔または盲穴に含まれる。
また本発明は、部材がより大きな集合体に一体化され、取り付けのための機構が前塗付された接着剤を活性化するのに充分なせん断を供する、または硬化性接着剤が前塗付された面が貼り合せの前に手動でまたは自動で活性化されるように処理可能であるような多くの用途に利用可能である。例えば、そのような資材としては、電気モーターまたはスピーカーの製造に使用されるマグネット、モーターマウント、トリムパネルおよびハウジングパネルなどがある。
またさらに別の態様では、カートン、ボックス、ケース、トレイ、バッグ、封筒、メーラー(mailers)、管、カップなどの梱包材および容器の製造に使用される紙、ボール紙、厚紙およびその他のセルロース系資材などであり、前塗付型接着剤が所望の最終製品を形成するのに好適なパターンで塗布される。これらの用途は、液体接着剤が紙およびセルロース材に染み込むまたは吸収される傾向によって特に本発明独特のものである。
また本発明は、資材に塗付された前塗付型接着剤および封止剤組成物の活性化方法を提供する。特に本発明は、高速で行われる工業的組み立てまたは製造工程においてその前塗付された接着剤および封止剤の活性化に関する。
最後に本発明は、高速で行われる工業的組み立てまたは製造工程において本発明によって製せられる資材の使用に関する。本発明の資材は、手動で行われる組み立ておよび製造工程に特に有用であるが、この資材は、高速で、かつ、大量生産の組み立ておよび製造作業に特に適している。このような作業としては、組み立てラインが各部材が順次各連続するワークステーションに加えられる際に停止し、始動する不連続型のもの、組み立てまたは製造工程中に組み立ての進行が停止または遅れない連続型のもの、またはこれらの両方の作業工程を含むものであってもよい。
本発明は、全体として、少なくとも一つの接着表面、または前記の接着表面の少なくとも一部に前塗布された、指触乾燥状態の被カプセル化液状硬化性または重合性接着剤または封止剤組成物を有する包装資材に関する。前塗布型接着剤または封止剤組成物は、少なくとも二つの異なる種類のマイクロカプセルを含み、一方は、被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分であり、他方は、被カプセル化硬化剤複合体である。被カプセル化硬化剤複合体は、液状硬化性成分または重合性成分を直接的または間接的に硬化させるための硬化剤と、前記硬化剤を含む担体材料とを含む。前記担体材料は、外部物理力および条件および/または外部環境による力または条件の存在しない場合は、非流動性または実質的に非流動性である。
ある1つの態様では、前塗付型接着剤または封止剤組成物は、液体硬化性材中に分散された硬化剤複合体のマイクロカプセルと、マイクロカプセル内に含まれる、またはより好ましくは所定の場所で硬化した硬化性材料の薄いフィルムによって資材の表面に埋められたまたは囲われたそれ自身を組み合わせたものとを含み、後者の硬化性材は、前塗付型接着剤の液体硬化性材料と同じまたは異なる硬化性材料であってもよい。
好ましくは、前塗付型接着剤または封止剤組成物は、少なくとも2つの異なる種類のマイクロカプセルの混合物を含み、その内の1つは、被カプセル化液体硬化性または重合性成分を含み、もう一方のマイクロカプセルは、被カプセル化硬化剤組成物を含み、これらのマイクロカプセルは、物理的に混合されるが、互いに溶け合わない。
本発明で使用される前塗付型接着剤および封止剤の独自の特徴は、(a)現在まで使用されてきた資材よりより広い範囲の資材に使用できる、(b)前塗付用途に使用される接着剤および封止剤の選択肢が広がる、(c)資材に使用される従来の前塗付型被カプセル化接着剤および封止剤組成物の多くの欠点を克服することができる、(d)組み立てまたは製造作業中、特に高速で行われる作業中の接着剤および封止剤のインライン用途で見受けられる問題および悪影響の多くを克服することができる、および(e)前塗付型接着剤が使用される高速組み立ておよび製造作業の種類および数を広げることができる、ということである。
ここで言う「資材(stock materials)」とは、貯蔵される、または最終用途に使用する前に貯蔵することができ、即時に使用する場合、その最終用途において別の被着体またはそれ自身が液体接着剤または封止剤組成物で接着または封止される、もしくは接着または封止され得る完成または半完成品または物品を意味する。例えば、マグネットは、電気モーターおよびスピーカーの製造において接着される。同様に板紙資材は、カートンおよぼその他のボックスの製造において接着される。
本発明の範囲に含まれる資材としては、前塗付型接着剤または封止剤を塗付することができる接着面または接着界面を有し、前塗付型接着剤または封止剤が組立作業中またはその直前にこの新規な接着剤系を活性化させるのに充分な高せん断および/または混合力に晒される、または晒され得るものが挙げられる。この高せん断または混合力は、組立工程自体から発生するものでもよく、または活性化手段によって発生するものでもよいが、ローラーまたは固定式のアクティベーターブレードによる単純なプレス嵌合または圧力、従来の前塗付型接着剤に見られるような接着界面に亘って爪またはコインで擦ることは、この用途に使用される新規の接着剤および封止剤によって充分な接着または封止力を供することはできない。従って、好ましい態様では、ねじ式の組み立て体を除いて、資材は、その前塗付型接着剤または封止剤組成物に充分なせん断および混合力を加えることができるアクティベーター手段の作用を受けることになる。ねじ込み作用によって組み立てられる資材の場合、組み立て工程は、資材を複数の回転させたりまたは部分的な回転を繰り返し行い(即ち、ねじを締めるまたは緩める)、確実に充分な活性が得られるようにする必要がある。単に一度、ねじ式の組み立て体を90度回転させただけでは、使用した接着剤および封止剤を充分に活性化するには充分なせん断および混合力は得られない。
特に本発明は、接着面に障害物が無く、実質的に平坦な資材、特に接着剤または封止剤が塗付される面全体が実質的に平坦な資材に適している。この点に関し、本発明は、高速で行われる工業的な組み立ておよび製造工程、特に連続的な工程に採用される資材に関するので、接着面に障害物が無い、即ち接着剤を活性化させる手段が、特に資材が組み立てラインを横断する際に接着面に触れることができる資材を使用することが好ましい。
当然のことながら、表面に障害物がある資材、即ち活性化手段を連続的に横断することができない構造の資材も使用可能である。この場合、ロボットアームまたは組み立て部分は、アクティベーター手段を活性部位に配置し、活性化後に後退する。複雑かつ高価な機械および装置を使用しないと、このプロセスでは、資材のそれぞれが組み立てラインの活性化ステーションを通過するとき、組み立てラインの進行を休止させるか、または少なくとも活性化ステーションでは休止させ、それによって、ロボットのアームを伸ばし、後退させることが必要になる可能性が高くなる。基本的に並行動作し、互いに時間をずらして活性動作を行い、それぞれが活性した資材を組み立てラインに供給する複数の活性化ステーションがあったら別であろうが、この結果、スループット(through put)は完全連続式システムより遅くなる。
上記したようにこれら資材の接着面、即ち接着剤または封止剤が前塗付され、接着界面を形成する面は、活性化を促進するために実質的に平面となる。全体的に資材が実質的に平坦でない場合、実質的に平坦な面は、資材の一部を形成する、資材に一体化された、または資材に取り付けられたフランジまたはフランジ状のものを含んでもよい。本発明で使用される活性化された接着剤および封止剤組成物は、従来の液体硬化性前塗付型接着剤および封止剤より活性化後により高い粘度を有するので、接着剤が隙間から漏れたり、接着面上のピーク、起伏および/またはその他の表面欠陥によって生じた割れ目または空洞の中に漏れるか、あるいは、接着界面で対向する表面の間のギャップまたは空洞を満たすことができない心配はそれほどない。従って資材についてここで言う「実質的に平坦」という用語は、意図的な表面組織、例えば、しわがある表面またはエッチングされた表面、ならびに上記の表面欠陥などを有する表面も指すものとする。
一般的に言って、本発明の接着剤および封止剤は、接着表面の対向する面を対合したとき、対向する面の間に最大2mm、好ましくは約1mmより大きくない、より好ましくは約0.5mmより大きくない、最も好ましくは約0.26mmより大きくないオーダーのギャップまたは空洞を有する表面欠陥または変化が存在してもよいようなものである。従って、最も重要な因子はギャップまたは空洞なので、対合する相手の表面が対応する外形または表面特性を有する限り、全体的な外形が平面でない、例えば筒形、楕円形または円形の包装材等である実質的に平面の表面を使用することが可能である。
資材を構成する材料または組成は、重要ではないが、資材および接着される被着体のために好適な接着剤系を選択することが重要である。接着剤系の不適切な選択および/または資材および/または被着体の不適当な調整によっては接着が良好に行えない、または接着不良の原因になる。したがって資材は、金属、木材、紙、プラスチックなどからなるものでよい。したがって当業者であれば所定の資材および/または被着体並びに適当な表面処理、例えばクリーニング、エッチングおよび/またはプライミングを容易に選択することができるはずである。
上記したように本発明によって前塗付型接着剤が塗付される資材は、多様である。本発明は、前塗付型硬化性接着剤または封止剤組成物がネジ、ボルト、ナット、アイフック、アイボルト、ウイングナットなどの締め具のねじ山が設けられた表面の少なくとも一部を覆う、ねじ山が設けられた部材に利用可能である。これとは別にねじ山が設けられた部材は、例えばパイプ、管、エンドキャップ、スピゴット、バルブ、コネクターなどの導管手段の一部を形成する、またはこれに関連するものであってもよい。これとは別にねじ山が設けられた部材は、完成または半完成組み立て体または装置の一部を形成する、またはこれに関連し、この組み立て体をより大きな組み立て体または支持構造体またはフレームに取り付ける手段としての役割を果たしてもよい。例えば、このような完成または半完成品としては、ソレノイド、フィルター、バルブ、圧力ゲージ、センサーなどが挙げられる。
本発明が適用可能な別の類の資材としては、保持または盲穴接着用途に使用される完成および半完成品などの資材が挙げられる。これらの用途は、a)組立作業中に別の被着体の雌コネクターのオフセットした盲穴またはキー溝内にまたは介して挿入される1つ以上のピストンまたは雄コネクター、b)組立作業中に別の被着体のピストンまたは雄コネクターを受ける1つ以上の盲穴、キー溝またはその他の雌コネクター、またはc)1つ以上の雄および雌コネクターを有する資材を通常必要とする。ここでは前塗付型接着剤または封止剤は、雌コネクターの盲穴またはキー溝内にあるか、または組み立てられた状態で雌コネクターに接着される雄コネクターのピストンの部分に塗付される。これらの資材の例としては、シャフト、合せ釘、エンジンコアプラグ、プレス嵌合キャップ、ローター、スプロケット、ハブ、ベアリングなどが挙げられる。保持または盲穴接着用途の間の2つの部品間の相対移動の程度によって、単なる挿入工程の他にさらなる移動を追加して確実に担体中の硬化剤を良好に放出し、利用可能にする必要がある。
また本発明は、部材がより大きな組み立て体に組み込まれ、それを取り付けるメカニズムが前塗付された接着剤を活性化させるのに充分なせん断を供する、または硬化性接着剤組成物が前塗付された表面が対合される前に手動または自動で活性化されるように処理可能な多くの用途にも利用可能である。例えば、そのような資材としては、電気モーターまたはスピーカーの製造に使用されるマグネット、モーターマウント、トリムパネルおよびハウジングパネルなどがある。また以下に述べるように組み立てられる部品を単に合せるだけでは硬化性組成物を良好に活性化させるには不充分になりやすいので、2つの部品を合せる前に液体硬化性組成物を手動または自動で活性化させるのが好ましい。
その内容を本明細書に引用したものとする本願出願人による「梱包用資材」と題された2005年6月17日に米国仮出願第60/692,208号に開示されているように、また本発明は、資材がカートン、ボックス、ケース、トレイ、バッグ、封筒、メーラー(mailers)、管、カップなどの梱包材および容器の製造に使用されるものである場合に適している。このような梱包用資材、特に前塗付型接着剤を有するものの製造および使用に関する、かつ、この製造および使用において被る独特の要因および困難さによって、本発明の最も一般的な部分は、上述の用途において個々に対処されている。この用途において、梱包用資材は、紙、ボール紙、段ボール紙、チップボール、箱用板紙、カードボード、積層ボール紙および多層ボール紙で構成されたものでもよく、1つ以上のコーティングが施されたものでもよい。殆どの場合、このような資材は、セルロース系材料で構成されるが、セルロース系材料の他にポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリアミド(特にナイロン)、特にこれらの合成繊維並びに化学的に変性されたセルロース物質、特にレイヨンおよびセルロースアセテートなどの繊維で構成されてもよく、これらを含んでもよい。通常、積層板紙は、板紙資材の一方または両面に熱可塑性コーティングの層を1つ以上有する。当然のことながら、コーティングは、板紙に限らず、あらゆる上述の梱包用資材にも同じまたは類似のコーティングを施してもよく、および/またはポリエチレン、ポリプロピレン、マイラー、ポリビニリデンクロライド、エチレンビニルアセテートなどの熱可塑性ポリマーフィルムおよびアルミニウム箔などの箔を有する資材の複合体であってもよい。最後に当該資材は、熱硬化性コーティング、ワニス、クレイなどのその他のコーティングを含んでもよい。当該材料およびコーティング等は、当業者によく知られたものである。
本発明の実施において使用される前塗布型接着剤および封止剤は、広い範囲にわたって使用され、基本的に、マイクロカプセル化することが可能であれば、任意の既知の液状硬化性接着剤または封止剤組成物を含む。もちろん、そのような組成物を、既に被カプセル化接着剤または封止剤を形成する際に使用したと同じ程度に、本発明の実施における使用に適したものにすることはできる。しかし、カプセル化システムの中で従来用いられていない液状硬化性接着剤および封止剤組成物でも、本発明の実施における使用に適したものにすることができる。例えば、カプセル化材料またはプロセスとの望ましくない相互作用または非適合性を生じる結果となっていた構成成分、添加剤、硬化剤または類似物を含む接着剤および封止剤組成物を、今や、多くの場合にほとんど悪影響なしに用いることができる。この場合、担体が、一方を他方から分離するように働き、担体表面に露出することがある材料の量は、カプセル化を阻害もしくは悪影響を及ぼすほどではない。
同様に、従来の一液型液状接着剤および封止剤組成物は、本発明の教示による二液型前塗布型被カプセル化組成物の調製に容易に適応することができる。今や、必須の封止剤の少なくとも一つを組成物の他成分から隔離することによって、例えば、酸素などがない場合に熱、光に暴露すると硬化または重合する一液型液状接着剤および封止剤組成物を、前塗布型用途で用いることができる。こうして組成物の他成分から封止剤を隔離すると、他の場合であれば一液型接着剤または封止剤組成物の硬化または重合を開始するかまたは実現させると考えられる条件に、被カプセル化接着剤または封止剤を前塗布した資材が偶発的に曝露されたとしても、硬化または重合は起らない。
明らかに、本発明の実施は、広い範囲の接着剤および封止剤組成物に適用可能である。本発明の実施における使用に適する接着剤および封止剤組成物の例は、2004年9月1日出願の米国特許仮出願第60/606,720号、2005年3月25日出願の第60/665,134号および2005年6月17日出願の第60/692,008号の優先権を主張する、2005年8月31日出願のシュワンツ(Schwantes)らの係属中の米国特許出願第11/216、516号、第60/606,720号に記載されているものである。これらの特許出願の内容は、参照によってすべて本明細書に組み込まれる。
任意の所定の包装資材とともに用いられる特定の接着剤または封止剤組成物の選択は、(a)包装資材それ自体およびその最終用途、(b)接着剤または封止剤が硬化または重合する機構、およびそれらが使用されるアクティベーター手段、組み立てプロセスなどとの適合性、(c)硬化性組成物の残りが硬化剤を利用できるようにするプロセスまたは方法、(d)担体の選択および担体硬化剤、硬化性組成物の残り、アクティベーター手段等との適合性、を含むがそれらに限定されない複数の因子によって決められる。目的の用途に適する硬化性組成物を選ぶ際に考慮するその他の要素は、接着剤および封止剤の分野の当業者に自明である。
便宜上、特に明記しない限り、または使用される状況から明らかでない限り、本明細書および添付の請求項で用いられる用語「硬化性組成物」は、すべてのそのような硬化性、重合性および/または架橋性液状接着剤および封止剤組成物を意味するものとする。同じく、本文書または請求項の状況によって、特定の用語がその通常の意味で使用されていることを明らかにしない限り、用語「硬化する」、「重合する」および、「架橋する」は、本明細書および添付の請求項では同義で用いられるものとする。同様に、特に明記しない限り、または使用される状況から明らかでない限り、本明細書および添付の請求項で用いられる用語「硬化剤」、「硬化剤」は、全体として、液状硬化性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または硬化性組成物の低分子量重合体の硬化、重合または架橋を直接的または間接的に開始し、実現し、および/または継続させるために必須の種類の材料、添加剤、共成分(co-constituents)等を指す。
本発明の実施において使用される組成物中での使用に適する硬化剤としては、架橋剤、硬化剤およびハードナー、ならびにそれらとともに重合体およびプレポリマー材料の架橋または硬化の開始、促進、触媒などのために用いられる試薬のような、重合体およびプレポリマー材料の架橋に関与する硬化剤があげられる。硬化剤の別の種類は、例えば、活性剤、補助活性剤、促進剤、補助促進剤、触媒、助触媒、開始剤および補助開始剤を含む一つ以上の重合性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または低分子量重合体の重合に関与する硬化剤、特にフリーラジカル重合に関与する硬化剤を含む。それぞれの場合に、そのような硬化剤は、硬化または重合を直接的に開始または実現させてもよく、あるいはさせなくてもよいが、それらが存在しないと、硬化はまったく、または事実上まったく起こらない(少なくとも商業的に実行可能な立場から)と理解される。例えば、硬化剤が化学反応し、化学反応が別の硬化剤に影響を及ぼし、次に、この別の硬化剤が硬化または重合を直接開始しまたは実現させてもよい。一緒に使用するさまざまな接着剤および封止剤系に関する考察に関連して、さまざまな硬化剤の具体例を下記でより詳細に開示する。
上記で述べたように、本発明の実施において使用される硬化性組成物は広い範囲にわたる。本発明の実施における使用に適するさまざまな種類の硬化性組成物には、例えば、ビニル重合を行うもの、すなわち、少なくとも一つのビニル基CH=CH‐および/または反応性不飽和基(すなわち‐C=C‐)、不飽和ポリエステル、ウレタン、エポキシ樹脂、ポリスルフィド、イソシアネート、シリコーン、シラノール縮合またはヒドロシリル化反応を行うことができるシラノール部分を有するポリエーテル、ポリウレタンおよびポリオレフィン、ならびにフェノキシ樹脂がある。本発明は、同じ機構で硬化するか異なる機構で硬化するかにかかわらず、同じ種類または異なる種類の硬化性組成物の組み合わせに適用することもできる。後者の場合、各硬化性組成物用の硬化剤は、同じまたは別の被カプセル化担体成分の中にあってよい。あるいは、特に、硬化性組成物の一つの硬化機構が長期の二次型硬化機構の場合、その硬化性組成物用の硬化剤を、他の硬化性組成物用の硬化性成分とともにカプセル化してもよい。さらに、本発明の硬化性組成物は、二段硬化または重合する能力、すなわち、二つの異なる硬化機構によって硬化または重合する能力があってもよい。例えば、一つの機構によって直鎖重合体分子鎖を形成し、別の機構によって架橋する硬化性組成物を有すると特に望ましいことがある。さらに、そのような組成物は、一次成分または一次重合体の二次反応部位とそれぞれ共重合または共反応する共重合性成分および/または二次重合性成分を含んでもよい。
硬化性組成物は、硬化または重合させることができる低分子量反応性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または重合体によるものである。プレポリマー調合物(formulations)は、一般に、付加共重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを含み、基本的に、前接着剤および/または前封止剤である。本発明は、もちろん、段階成長重合性組成物に適用でき、ある種の用途では、段階成長重合性組成物が好ましいが、これらの硬化性組成物は、主重合性成分とハードナーまたは共反応成分との化学量論を適切なものとすることが必要なため、用いるのが難しい。さらに、そのような組成物は、ハードナーまたは共反応成分の分子サイズによって、硬化剤がより低分子量の材料でることの多い付加重合性組成物よりはるかに大きな重量パーセントの担体粒子を必要とする。従って、本発明は、特に、付加重合性組成物に適用可能である。
好ましい付加重合性硬化性組成物は、ビニル付加するものであり、スチレンおよびα‐メチルスチレンなどの置換スチレン、アクリルアミド類、シアノアクリル酸エステルおよびメタクリロニトリルなどのニトリル、エチルビニルケトンなどのビニルケトン、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、エチレン、プロピレンおよびイソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、およびブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンなどのジエンモノマー、ならびに、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体などのようなこれらの共重合体を含む。多くの場合、そのような成分をオリゴマーの形で用い、オリゴマーは、別の重合または架橋を可能にする残留不飽和部分、別の反応部分または官能基、例えば、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、エポキシなどの基を有することが望ましい。例えば、アミン官能化ポリスチレンオリゴマーを使用し、それによって、最初の硬化または重合を不飽和部位で行わせ、同時または後で、アミン官能基のところで、例えば、イソシアネートとの架橋を行わせるとよい。
特に好ましい付加重合性成分は、多価および一価アクリレートおよびメタクリレートエステル、すなわち、一つ以上のアクリロイル(すなわち、CH=C(R)COO‐)および/またはメタクリロイル(すなわち、CH=C(CH)COO‐)末端または側鎖部分を有するモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーである。便宜上、本明細書および添付の請求項の中で用いられる用語「(メタ)アクリレート」は、指定されたモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーのアクリレートとメタクリレートとの両方を指す(例えば、「アリル(メタ)アクリレート」は、アリルアクリレートとアリルメタクリレートとの両方が可能であることを示す)ものとする。そのような材料は、例えば、ポリエステルのポリ(メタ)アクリレート、ウレタンおよびポリウレタンポリ(メタ)アクリレート(特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアネートまたはウレタンポリイソシアネートとの反応によって調製されるもの)、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能化シリコーン、ジ‐、トリ‐およびテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジクロロアクリレート、1,3‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む広い範囲の重合性成分を含む。ジ‐およびポリアクリレートならびにメタクリレートでは、特に、ジメタクリレートが、一般に好ましい材料である。一価アクリレート、すなわちアクリレート基を一つしか含まないものを用いても有利である。典型的なモノアクリレートは、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートを含む。もちろん、(メタ)アクリレートまたはそれらの誘導体の混合物、ならびに、一つ以上の(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーまたはそれらの誘導体とアクリロニトリル類およびメタクリロニトリル類を含むその他の共重合性モノマーとの組み合わせも同様に用いてよい。
(メタ)アクリレートは、通常、フリーラジカル反応によって重合する。本発明の実施において有用なフリーラジカル重合の開始剤は、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、過エステル、過酸、パーオキシ炭酸エステル、パーオキシケトン、アゾ化合物および酸化還元開始剤ならびに前述のものの誘導体を含むが、それらに限定されない。開始剤の例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t‐ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ‐(n‐プロピル)パーオキサイド、t‐ブチルパーオキサイドアセテート、t‐ブチルパーベンゾエート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、t‐ブチルパーオキシアセテート、ジ‐t‐ブチルアゾジイソブチロニトリル、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンハイドロパーオキサイド、t‐ブチルパーオキサイド、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキシ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシソブチレート、ジ‐sec‐ブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1‐ジメチル‐3‐ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオヘプタノエート、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート、t‐アミルパーオキシアセテート、t‐アミルパーベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,2′‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)、1,1′‐アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、1,1′‐アゾビス(シアノシクロヘキサン)などが挙げられる。特に好ましい開始剤は、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、過エステルおよび過酸、最も好ましくはベンゾイルパーオキサイドである。通常、そのような開始剤は、フリーラジカル重合によって硬化し得る成分(1種または複数種)の重量を基準として、重量で約0.01%から約10%、好ましくは約0.5%から約3.0%、最も好ましくは約0.1%から約2%のレベルで存在する。
開始剤に加えて、そのようなフリーラジカル重合性組成物は、フリーラジカル重合の促進剤をさらに含む。よく知られている促進剤は、アミンおよびスルフイミドを含む。N,N‐ジメチルパラトルイジン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、N,N‐ジメチルアニリン、N,N‐ジエチルパラトルイジン、N,N‐ジエチルアニリンなどの第三アミンおよび3‐オキソ‐2,3‐ジヒドロベンゾ‐[d]イソチアゾール‐1,1‐ジオキシド(サッカリン)などのスルフイミドは特に有用である。有用な促進剤は、ブチルアルデヒド‐アニリンおよびブチルアルデヒド‐ブチルアミンなどのアルデヒド‐アミン反応生成物も含む。しかし、最も好ましい促進剤は、メタロセンとして知られる有機金属化合物、特にフェロセン類と、少なくとも一つのメタロセン、好ましくはフェロセン部分を含む有機金属重合体である。有機金属促進剤の例は、フェロセン、ブチルフェロセン、チタノセンおよびクプリセンを含む。促進剤は、通常、フリーラジカル重合によって硬化し得る成分(1種または複数種)の重量を基準として、約0.01%から約1.0重量%のレベルで用いられる。
本発明の実施における使用に適する(メタ)アクリレート系硬化性組成物の好ましい種類は、嫌気性接着剤および封止剤組成物として知られるものである。これらの組成物は、通常、フリーラジカル重合性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、フリーラジカル開始剤およびフリーラジカル促進剤を含み、多価フェノール、キノン等などの安定剤または抑制剤を含むことも、含まないこともある。特に好ましい重合性モノマー、オリゴマーおよびプレポリマーは、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、モノ、ジ、トリおよびテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体ならびにポリウレタン(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体を含む。適当なキノンは、ヒドロキノン類、ベンゾキノン類、ナフトキノン類、フェナントラキノン類、アントラキノン類および前記のものの置換化合物を含む。これらの抑制剤は、好ましくは、接着剤組成物の中に、通常、約10から1000パーツパーミリオン(ppm)、より好ましくは約50から500ppmの非常に少量しか存在しない。嫌気性組成物は、ベータ‐ジケトン、エチレンジアミン四酢酸およびそのナトリウム塩などのキレート化剤も含んでよい。嫌気性組成物は、特に、接着または硬化する基材の対合より先に硬化性成分が早発硬化または早発重合する懸念のある用途に適している。
本発明は、参照によって本明細書にすべて組み込まれるデッカート(Deckert)ら(米国特許第3,746,068号)、ハート(Hart)ら(米国特許第4,536,524号)、アールズ(Earls)ら(米国特許第5,510,431号)およびシーバート(Siebert)ら(米国特許第5,157,077号および米国特許第5,140,068号)に開示されている種類のものを含むが、もちろんそれらに限定されない広い範囲のエポキシ樹脂にも適用することができる。一般的に言って、適当なエポキシ樹脂は、通常、平均して分子あたり二つ以上のエポキシド基を含む低分子量オリゴマーの混合物を含むが、前記のもののオリゴマー性プレポリマーも含んでよい。最も普通のエポキシ樹脂は、グリシジル化合物、特にビスフェノールAまたはレゾルシノールによるものなどのグリシジルエーテル、それより頻度は低いが、ジグリシジルエステル、特にフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびテトラヒドロフタル酸のグリシジルエステルである。他の適当なエポキシ樹脂は、ノボラック‐エポキシ樹脂、特にフェノールノボラックまたはクレゾールノボラックによるもの、グリセリン、ポリプロピレングリコールまたはペンタエリスリトールのグリシジルエーテル、ならびに、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ化ジエン重合体および脂環式エポキシ樹脂を含む。
エポキシ樹脂は、エポキシド基と反応するハードナーまたは硬化剤で処理して重合させてもよい。適当な硬化剤は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびジエチルアミノプロピレンなどの脂肪族一級および二級アミン、m‐フェニレンジアミン、4,4″‐ジアミノジフェニルメタンおよびジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン、無水物、特に、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ナジンメチル酸、ドデセニルコハク酸およびクロレンド酸無水物などの酸無水物、および脂肪性ポリアミドを含む。その他の適当な硬化剤は、ジシアンジアミド、メラミンおよびイミダゾール誘導体、エチレンオキシド‐およびアクリロニトリル‐エポキシ樹脂付加体およびケチミンなどの変性アミン、三フッ化ホウ素‐モノエチルアミン錯体などのルイス酸、およびo‐(ジエチルアミノエチル)フェノール、トリス‐(ジメチルアミノメチル)フェノールおよび2‐エチル‐4‐メチルイミダゾールなどのルイス塩基を含む。エポキシ化合物および樹脂を化学的に硬化または重合させるために、HCl、HBr、HI、CSOH、HSbF、HAsF、HBFまたは金属ハロゲン化物塩などのルイス酸を含む複数のカチオン開始剤を用いてもよい。加えられる硬化剤の量は、使用される特定の硬化剤によるが、通常、特に無水物の場合にはエポキシ化学量論あたり0.85から1.0モル、アミンの場合には化学量論量、あるいは、化学硬化用のカチオン開始剤の場合には硬化性エポキシの重量を基準として約0.01%から約10%、好ましくは約0.1%から約3重量%である。無水物の場合、約1%の第三アミンも触媒として使用される。使用するハードナーおよび触媒の適切な選択および量は、当業者には自明である。
多くの場合、用途によって、エポキシプレポリマーを、好ましくはポリオール、最も好ましくはポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールと反応させる。ポリエーテルポリオールは、複数のエーテル結合と少なくとも二つのヒドロキシル基を有する直鎖および/または分枝ポリエーテルを含む。ポリエーテルポリオールの例は、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリブチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンポリオールを含む。適当なポリオールは、ホモポリマおよびそれらのコポリマ、特にポリオキシアルキレンポリオールのコポリマを含む。特に好ましいポリオキシアルキレンポリオールのコポリマは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2‐エチルヘキサンジオール‐1,3,グリセリン、1,2,6‐ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物との付加体を含むとよい。
ポリエステルポリオールは、2から15の炭素原子を有する一つ以上の多価アルコールと、2から14の炭素原子を有する一つ以上のポリカルボン酸との縮合によって形成される。適当な多価アルコールの例は、エチレングリコール、1,2‐プロピレングリコールおよび1,3‐プロピレングリコールなどのプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6‐オクタントリオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンジオール、オクタンジオール、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、1,3‐ビス‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐プロパンなどを含む。ポリカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、オクタデセニルマレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸、および無水フタル酸、塩化フタロイルおよびフタル酸のジメチルエステルなどの対応する酸無水物、酸塩化物および酸エステルを含む。好ましいポリカルボン酸は、14個以下の炭素原子しか含まない脂肪族および脂環式ジカルボン酸、および14個以下の炭素原子しか含まない芳香族ジカルボン酸である。
硬化性組成物は、主として前述のポリエステルポリオールと同じモノマーから誘導された不飽和ポリエステル系によるものであってもよい。そのような不飽和ポリエステルは、多くの場合、スチレンなど、希釈剤としての不飽和モノマーとの組み合わせとして存在する。不飽和ポリエステル樹脂は、通常、一つ以上の不飽和二塩基酸と、前段落に記したものを含む一つ以上の二価アルコールとの間の反応の生成物である。不飽和ポリエステルを硬化または重合させるには、一般に、開始剤および促進剤が必要であるが、フリーラジカル重合が開始すれば、そのような重合は自己持続性である。適当な促進剤は、ジエチルアニリン、ジメチルアニリンおよびN,N‐ジメチルトルイジンなどの材料を含む。適当な開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドおよびジクロロベンゾイルパーオキサイドなどの材料を含む。もちろん、その他の不飽和ポリエステル用促進剤および開始剤も用いてよく、当業者には公知である。
本発明を適用することができる硬化性重合体樹脂の別の種類は、ポリウレタンプレポリマー樹脂である。そのようなポリウレタンプレポリマー樹脂は、分子の反応性部分または重合性部分として遊離イソシアネート部分または基を含み、一般に、ポリ(アルキレン)グリコールとポリイソシアネートとの反応生成物である。具体的なポリウレタンプレポリマーは、例えば、ポリ(1,4‐ブチレンオキシド)グリコールとトリレンジイソシアネートおよび/またはメチレンジイソシアネートとの反応生成物を含む。そのような樹脂では、5重量パーセントにも及ぶ遊離イソシアネート基を反応に利用することができることがある。ポリウレタンプレポリマー樹脂との使用に適する硬化剤は、メチレン‐ビス(o‐クロロアニリン)、ポリオール(1,4‐ブタンジオールなど)、またはトリメチロールプロパンを含み、水であってもよい。その他の適当なポリウレタン樹脂は、遊離のヒドロキシルまたはオレフィン官能基を有し、フリーラジカル重合によって硬化するものを含む。ポリウレタン用の適当な触媒は、とりわけ、スズカルボン酸塩、有機シリコーンチタン酸塩、アルキルチタン酸塩、ビスカルボン酸塩、三級アミン、アミジン、スズメルカプチド、および鉛、コバルト、マンガン、ビスマスまたは鉄のナフテン酸塩またはアルカン酸塩を含む。具体的な触媒は、二酢酸スズ(II)、二オクタン酸スズ(II)、二ラウリン酸スズ(II)、二酢酸ジブチルスズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、オクトエ酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、酢酸第一スズ、ラウリン酸スズ、2,3‐ジメチル‐3,4,5,6‐テトラヒドロピリミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′‐テトラメテチレンジアミン、1,2‐ジメチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトラプロピル等を含む。
硬化性組成物は、末端にチオール基を有するオリゴマー性ポリスルフィドを含む液状ポリスルフィドプレポリマーから作られたものであってもよい。そのようなポリスルフィドは、一般に、化学構造式HS(R‐SHを有する。式中、xは1または2〜4の小さな数であり、xは1から25の整数であり、Rはアルキレン、アリーレンまたはアルコキシアルキレンであり、詳しくは、多くの場合、分岐基‐CHCHCH‐をさらに含む、‐CHCH‐および/または‐CH(OCHCH‐を含む。好ましいオリゴマー性ポリスルフィドは、ポリエチレンスルフィドおよびポリプロピレンスルフィドなどのポリアルキレンスルフィド、ならびにポリ(2,4‐トリレンスルフィド)、ポリ(4,4′‐ビフェニレンスルフィド)およびポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)などのポリアリーレンスルフィドによるものである。チオールを末端に有するオリゴマー性ポリスルフィドは、エポキシまたはフェノール樹脂または化合物、ならびにジイソシアナートと反応させることによって重合または硬化させるとよい。好ましいポリスルフィド接着剤は、チオールを末端に有するポリスルフィドとビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどの二官能または多官能エポキシドとの反応によって形成することができる。あるいは、重合は、末端チオール基と、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのさまざまな(メタ)アクリレートを含むオレフィンとの反応によって実現してもよい。硬化性ポリスルフィド用の硬化剤は、二酸化マンガン、二酸化鉛、三酸化アンチモンおよび二酸化テルルも含む。
さらに、本発明は、シリコーン材料から作られた接着剤および封止剤組成物にも適用することができる。これらのケイ素含有材料は、一般的に、ケイ素原子に結合したヒドロキシル基または加水分解に対して不安定な基を有する。これらの材料の架橋は、一般に、シロキサン結合の形成によって起こる。適当な硬化剤は、オクトエ酸スズ、オクトエ酸鉛および二ラウリン酸ジブチルスズを含む。これらの硬化性組成物は、耐候性と耐熱性とが重要である封止用組成物として特に有用である。
上記で述べたように、硬化性組成物は、システムと相性がよく、結果として硬化または重合した接着剤または封止剤が有効な性質を有する限り、同じ一般的な化学的な種類または別の種類のモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの混合物を含んでもよい。モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの組み合わせまたは混合物を用いる場合、一次硬化性成分の組成物とともに、または一次硬化性成分の組成物の中に、二次成分を組み込む三つの機構がある。第一に、第二の重合性成分は、第一の成分と共反応または共重合するための複数の反応性部位または官能性部位を有するとよい。第二に、第二の成分は、硬化または重合した一次成分と水素結合を形成する、酸素、アミン、エーテル、エステル、ヒドロキシル、ケトン、エポキシまたはカルボキシルなどの極性基を有するとよい。第三に、第二の成分は、一次成分の対向する分子鎖の運動を立体的にもつれさせるかまたは妨げるようなものであるとよい。
一次硬化性成分と共反応または共重合する適当な二次成分は、例えば、アリル(メタ)アクリレート、アルケングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキルジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシアルカノールジ(メタ)アクリレートおよびトリアルカノールトリ(メタ)アクリレート、特に、アリル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3‐ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなど、ならびにそれらの混合物を含む。もちろん、その他の適切な材料として、重合性成分のそれぞれの種類に関して既に言及したものが含まれる。水素結合を形成するための極性基を有する二次成分の例は、例えば、アルコキシアクリレート、アルコキシメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、アクリルアルコキシフタル酸、メタクリルアルコキシフタル酸、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、シクロアルコキシアクリレート、シクロアルコキシメタクリレートなどを含む。最後に、立体的にもつれさせる結果となるか、または形成接着剤重合体の対向する分子鎖の動きを立体的に妨げる適当な二次成分は、例えば、14炭素より大きなアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、多環アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレートなどを含む。具体的な例は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびセチルアクリレートを含む。
上記は、本発明を適用することができる無数の硬化性組成物の簡単な概要を示したに過ぎず、上記に述べた硬化性組成物の種類にも、上記に述べた特定の重合性成分に限定されるものでもない。硬化性組成物は、油性金属シート上の硬化性組成物の接着強さを改善するために、例えば、テルペン、ウッドロジン樹脂、ガムロジンのエステル、スチレン化テルペンを含むテルペン樹脂、および粘着剤としてのテルペンフェノール樹脂、および/または、リモネン、ジペンテン、テルペン樹脂またはテレピン油などの脂溶性添加剤など、複数のその他の任意選択成分をさらに含んでもよい。そのような添加剤は、一般に、硬化性組成物の重量に対して1〜10重量パーセント量含まれる。もちろん、そのような硬化性組成物は、当業者に公知のように、任意選択として、染料、顔料、可塑剤、安定剤、抑制剤、増粘剤、溶媒、界面活性剤、乳化剤などを含む、任意の数の硬化性組成物のためのその他の既知の添加剤を含んでもよい。
本発明の利点および特質を提供するために、本発明の教示に従って用いられるように変更または適応させることができる別の硬化性組成物は、公知であり、当業者には自明である。とりわけ、例えば、参照によって本明細書にすべて組み込まれるマーディ(Mahdi)ら(米国特許第20020010272号)、バックマン(Bachmann)ら(米国特許第3,814,156号)、チャーナック(Chernack)(米国特許第4,940,852号および第4,808,639号)、ウォレス(Wallace)(米国特許第4,428,982号および第4,081,012号)、クリーブル(Krieble)(米国特許第3,489,599号および第3,746,068号)、ニューウェル(Newell)(米国特許第4,252,708号)、クロップ(Kropp)ら(米国特許第6,573,328号)、マツオ(Matsuo)(米国特許第6,025,074号)、フリード(Fryd)ら(米国特許第4,980,410号)、アジベド(Azevedo)(米国特許第4,417,028号)、クック(Cooke)ら(米国特許第4,497,916号)、チャオ(Chao)(米国特許第6,375,872号)、ウサミ(Usami)ら(米国特許第5,397,812号)、ウォリンスキー(Wolinski)ら(米国特許第4,126,504号)、シーバート(Siebert)ら(米国特許第5,140,068号および第5,157,077号)、デッカート(Deckert)ら(米国特許第3,746,068号)、ハート(Hart)ら(米国特許第4,536,524号)、アールズ(Earls)ら(米国特許第5,510,431号)、ヒルベリンク(Hilbelink)ら(米国特許第3,725,501号)、スウィーニー(Sweeney)(米国特許第4,830,558号および第4,555,206号)およびリッチ(Rich)ら(米国特許第5,635,546号および第5,853,520号)に、硬化性組成物の例がさらに開示されている。
上記の硬化性組成物の多くは前塗布形で用いられ、または前塗布形で用いるのに適していたが、本発明の前塗布型硬化性組成物の最も重要な、優れた態様は、本発明の前塗布型硬化性組成物のための少なくとも一つの硬化剤が被カプセル化硬化剤組成物として存在し、前記硬化剤組成物が、(i)液状硬化性成分または重合性成分の硬化または重合を、直接的または間接的に実現するための少なくとも一つの硬化剤を含み、(ii)前記硬化剤組成物に影響を及ぼす外力または条件が存在しない場合は実質的に非流動性であるという事実である。担体は、硬化剤組成物をカプセル化するために用いられるプロセスおよび材料、硬化性組成物の化学的性質、硬化性組成物を用いる最終用途、ならびに前記硬化性組成物の硬化性、重合性または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法によって、複数の異なる材料のどれであってよい。一般的に言って、(a)本来、柔らかいパテ状またはゲル状、または(b)固体または半固体の天然材料および合成材料または組成物から担体を選ぶようにする。ただし、(b)は、固体または半固体担体材料は、(i)一緒に用いられる硬化性組成物の液状硬化性マトリックス成分に可溶性であるか、またはそれらのマトリックス成分によって軟化する、(ii)硬化性組成物が硬化または重合する反応条件および/または環境条件によって軟化する、および/または(iii)前記接着剤または封止剤の硬化性、重合性または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法またはプロセスによって軟化する、場合に限定される。
担体組成物それ自体が上記の特性を示すなら、実質的に重合体成分またはオリゴマー成分および/またはモノマー成分で担体を構成してもよい。さらに、所定の硬化剤組成物は、二つ以上の硬化剤を含んでもよいものとする。あるいは、二つ以上の硬化剤組成物があり、それぞれが同じ硬化剤または異なる硬化剤、もしくは同じ担体または異なる担体を有してもよいものとする。担体は、揺変性材料または潜在的揺変性材料であってもよく、あるいは揺変性材料または潜在的揺変性材料をインサイチュ発生させてもよいとみなされるが、マイクロカプセルの粒子サイズが小さいので、揺変性は、担体を含む組成物または材料に内因性のものであるか、または内因性のものにしなければならない。ヒュームドシリカなど、液体系に加えられる従来の無機揺変性添加剤は、現時点では、被マイクロカプセル化硬化系の粒子サイズと比べ、現状の無機揺変性添加剤の粒子サイズが相対的に大きいため、一般に、被マイクロカプセル化硬化系を調製するために用いるには不適切とみなされる。さらに、担体組成物は、担体または担体前駆体材料が、カプセル化プロセスの直前またはカプセル化プロセスの間は低粘度であるが、カプセル化の後ではインサイチュ生成によって高粘度になるように、潜在的に作用する一つ以上の非揺変性性ゲル化剤または増粘剤を含んでもよい。
本願および添付の請求項で用いられる用語「柔らかな」および「パテ状」は、参照された材料が、中程度の力、一般に、少なくとも1psiの力、好ましくは少なくとも5psiの力が作用しないと流動も変形もしないことを意味する。これらの柔らかなまたはパテ状材料には弾性がまったくあるいはほとんどない状態から中程度の弾性を持っていてもよく、好ましくは、ケーキフロスティングの粘稠性および弾性からパン生地と同じくらいの粘稠性および弾性を有するとよい。この結果、被カプセル化担体に十分な力を繰り返し加えると、担体材料内の硬化剤の多くが露出されおよび/または利用可能になる。同様に、担体材料の軟化について言えば、例えば、担体がすべてまたは一部溶解性であるか、相溶性であるかまたは膨潤性である硬化性組成物を液状成分あるいは熱に曝露すること、あるいはゴム状担体材料の場合なら素練りすることを含む、ある種の材料および/または条件に曝露されると、担体材料が、柔らかに、パテ状に、または流動性にさえなることを意味する。
担体として用いるに適したものとなり得る材料の例は、ホットメルト、感圧接着剤、ゴム材料およびその他の低Tg重合体、半固体および固体樹脂、澱粉および澱粉系重合体、ハイドロゲルおよび低温ワックスを含む、複数の低Tg材料の任意のものを含むが、上記が前記の特性の一つ以上を満たし、硬化性組成物の硬化、重合または架橋を妨げることもなく、こうして硬化し、重合し、または架橋した組成物の所望の接着剤特性または封止剤特性を実質的に劣化させることもないという前提がある。活性および/または硬化のために熱を必要としないことは、本発明の特に望ましい利点であるが、一実施態様では、担体は、低融点ワックス、例えば、150°F未満、好ましくは130°F未満、最も好ましくは120°F未満の融点を有するワックスであってもよいと考えられる。例えば、医薬用パラフィンワックスを担体として用いてもよいと考えられる。
上記で述べたように、担体は、有機および無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤、特に、例えば、塗料、接着剤、封止剤、エンジンオイルおよび産業用オイル、および食品の流動特性およびレオロジー特性を調節するために商業的に用いられているものを含んでもよい。適当な有機重合体増粘剤またはゲル化剤は、クラトン(Kraton)の商標で販売されているスチレン/オレフィンブロック共重合体、およびさまざまな可塑剤、増粘剤、流動調整剤等など、化学的または物理的に関連することができるさまざまな小分子を含む。既に述べたように、現時点での、従来の無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤は、一般に、そのような無機添加剤の粒子サイズが極度に小さく、カプセル化される担体材料または担体前駆体材料のビーズの粒子サイズが非常に大きくない限り、マイクロカプセル化型硬化系の調製に用いるのに適していない。ただし、技術が進化し、それによって、ナノサイズの無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤を製造することができることになれば、もちろん、本発明の実施において、それらの材料を適用することができるとみなされる。
担体または担体の成分は、硬化性組成物および/または硬化剤に対して共反応性であってよい。例えば、硬化性組成物について言えば、担体は、重合または硬化時に、硬化性組成物の重合性モノマー、プレポリマーおよび/または重合体が反応する反応部位または架橋部位として作用する官能基を有してもよい。
あるいは、好ましくは、担体組成物は、(a)硬化性組成物の液状硬化性成分と共重合する一つ以上の液状単官能性および/または多官能性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの混合物と、(b)(i)遅効性、潜在性ゲル化剤または増粘剤、(ii)温度活性ゲル化剤または増粘剤(高温でゲルはない)および/または(iii)せん断感作性ゲル化剤または増粘剤である粘度調整剤とを含んでもよい。この実施態様では、カプセル化プロセスの間に、組成物が低粘度になる、すなわち、粘度調整剤の効果がまったくなくなるか、または実質的になくなる条件に担体組成物を置く。この時点で、カプセル化に備えて、粘度調整剤(b)を含む混合物(a)の微細なビーズまたは液滴を調製し、その後で、前もって定められた担体の特性を示すはるかに高い粘度に戻すか、または、はるかに高い粘度にする。例えば、液滴を形成したら、シェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出の前、シェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出と同時に、あるいはシェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出の後に、粘度を低下させる高温またはせん断を取り除いてもよい。あるいは、混合物(a)と粘度調整剤(b)との液滴、乳濁液、分散物、懸濁液、コロイド等を形成したら、次に、潜在性ゲル化剤または増粘剤のゲル化する性質または増粘する性質を実現させるかまたは加速するような条件を液滴に加えてもよい。混合物(a)で構成される担体を使用すると、最終的な硬化性組成物中の液状硬化性成分の量が最大になり、その他の不活性原料および/または硬化または重合した硬化性組成物の性質に影響を及ぼすかまたは改質することがある成分の量が最小になるという別の利点がある。
担体が増粘材料、ゲル化材料、または揺変性材料である場合、ビーズの形成の時点では粘度を低くし、これによって、形成すべき被カプセル化硬化剤複合体の所望の粒子サイズおよび粒径分布と一致する微細な液滴を、低いせんだん力または中程度のせん断力によって作り出す点に注意すべきである。増粘状態、ゲル化状態または揺変性状態では、粘度は、中ないし高せん断力であっても、微細で、好ましくは実質的に一様な液滴の調製も、狭い、従来の正規分布曲線の粒径分布を有する液滴も生じない。
上記で述べたように、担体前駆体組成物の中に組み込んだ硬化剤の量が十分であり、それによって、担体の重合が完了した後、硬化性組成物の硬化を実現させることができる十分な量が残れば、硬化剤は、担体組成物の特定のまたはすべての成分の重合に関与してもよい。好ましくは、しかし、硬化性組成物のための硬化剤は、担体の硬化または重合には関与しないか、あるいは無視できる程度にしか関与しない。その代り、担体前駆体組成物は、その硬化に影響を及ぼし、被カプセル化硬化剤を硬化性組成物の硬化または重合を実現させるために利用できるように残しておくために、一つ以上の他の硬化剤を含む。いずれにせよ、被カプセル化担体の中の硬化剤の長期貯蔵安定性および効力を確実にするためには、担体の中に組み込まれた硬化剤が、形成されたら担体と反応しないことが重要である。もちろん、硬化剤は、もし起こるなら、担体と、硬化性組成物の硬化性成分との間の化学反応に関与してもよいし、関与している可能性が大である。重要な点は、硬化剤が、被カプセル化の形態では担体と反応しないことである。
さらに、担体複合体は、接着剤または封止剤の他の成分、あるいは、例えば、担体および/または粘着剤樹脂の可撓性または柔軟性を高める可塑剤を含む、担体それ自体に適切な他の添加物を内部に組み込んでもよい。しかし、この場合も、そのような他の成分が硬化性組成物の硬化、重合または架橋に干渉したり、こうして硬化、重合または架橋した組成物の所望の接着剤特性または封止剤特性を実質的に劣化させたりしないことが重要である。適当な可塑剤は、例えばパルミチン酸メチルおよびステアリン酸メチルを含む、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、炭化水素樹脂、オイルおよび脂肪酸エステルを含む。特に好ましい可塑剤は、参照によって本明細書に組み込まれるワイフェルズ(Wyffels)(米国特許第5,688,850号)に教示されている、ポリブテン類、ポリブテン類だけの組み合わせまたはポリブテン類と脂肪族乳酸エステルなどの他の添加剤との組み合わせによるものである。適当な粘着剤樹脂は、脂肪族および/または芳香族炭化水素樹脂およびテルペン樹脂を含む。
担体は、接着または封止の観点から、不活性材料であってもよいが、担体それ自体が、それを含む接着剤また封止剤系全体の接着または封止性能に関与することが好ましい。詳しくは、多くの場合、担体が内因性または潜在性の接着剤特性または封止剤特性を有することが望ましい。例えば、担体は、増粘され、またはゲル化された、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、エラストマー/粘着剤組成物、一つ以上のモノマー、オリゴマーまたはそれらの混合物等の塊状物等を含んでもよい。接着剤特性を有する担体を使用すると、接着される二つの基材の間に担体が初期接着および速効性接着を提供し、硬化性組成物が硬化、重合または架橋するのに十分な時間を必要に応じて準備する一方で、二つを適切な配置に保持することができる。これは、接着される二つの基材の間に1秒の何分の1かのオーダーの非常に短い時間しか圧力を加えることができない高速の産業用接着用途では、特に有利である。特に、これらの場合には、接着される基材に、製品および/または製品を作る材料の設計に固有のものであろうと、基材に関連するものでなかろうと、速効性の粘着結合がなければ、二つの基材を離れさせ、従って接着を不可能にする力が働く。例えば、放っておけば開く傾向があるシリアルの箱の対向する端のフラップを接着する際、接着剤特性を有する担体を使用すると、硬化性材料または重合性材料が硬化または重合して本来の接着を形成する間、フラップが一緒に保持される。
上記で述べたように、本発明の硬化システムは、それぞれが同じまたは異なる硬化剤および/または担体材料を含む、二つ以上の異なるマイクロカプセル化担体の混合物を含んでよいともみなされる。例えば、一部は、高い比率の潜在性接着性を有する材料を含み、他は、低接着性または非接着性担体材料を有するような担体粒子の組み合わせを使用することによって、担体が寄与する接着剤特性を調整してもよい。あるいは、担体粒子の一部は、硬化性組成物と共重合することができる単官能および/または多官能モノマー類の混合物を含むゲルを含み、残りは接着剤を含んでもよい。そのような組成物は、より多くの液状硬化性成分を用いて限定的な急速接着能力を提供し、それによって、接着剤組成物の機能を増進する一方、関与がなく反応しない担体の量を少なくする。基本的に、異なる担体粒子の混合物を用いると、最終的な接着剤組成物の速効性の接着剤特性と潜在性の接着剤特性とのバランスを取ることができる。
既に述べたように、担体材料はハイドロゲルであってよい。適当なハイドロゲルは、ゼラチン、多糖類、アルギン酸塩、架橋ポリアクリルアミド重合体、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体、架橋ポリヒドロキシエチルアクリレート、重合架橋2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸重合体、および特にナトリウム塩およびカリウム塩を含むそれらの塩、架橋ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、前記重合体同士の重合体および/または前記重合体とポリスチレンなどの他の重合体との共重合体、あるいはその他のハイドロゲルを形成しない重合体から誘導されたものを含むがそれらに限定されない。ハイドロゲルの例は、ポリ‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレートから作られたもの、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレートで架橋したものである。
担体は、エラストマー組成物であってもよい。エラストマーの例は、25℃未満、好ましくは0℃未満の二次ガラス転移点(Tg)または軟化点を示すもの、特に、(メタ)アクリレートエステルモノマーに溶けるものである。そのようなエラストマーは、塑性流動を示す合成高分子、特に、ポリクロロプレン、およびブタジエンまたはイソプレンとスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリレートエステルなどとの共重合体である。別の有用なエラストマーは、エチレンと(メタ)アクリレートエステルとの共重合体、エピクロロヒドリンの単独重合体、およびエピクロロヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体を含む。具体的な例は、CR‐ネオプレン‐ポリクロロプレン、NBR‐ニトリルゴム‐ブタジエン‐アクリロニトリル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、アクリルゴムアクリレートブタジエン共重合体、およびエチレンとメチルアクリレートおよびエチルアクリレートなどのアクリレートエステルとの共重合体を含む。もちろん、特に、硬化性組成物を高温で活性化するか、または他の方法で、活性時に高い温度を経験する場合、例えば、混合の摩擦またはアクティベーター手段が高温を作り出す場合、高Tg材料を用いるとよい。この種類の材料には、粗製の天然ゴム、スチレン‐ブタジエンエラストマー、ポリブタジエン、ポリイソブチレンおよびポリシロキサン、ならびに水素化ロジンのグリセリルエステルなどの粘着性樹脂、熱可塑性テルペン樹脂、石油炭化水素樹脂、クマロン‐インデン樹脂、合成フェノール樹脂、低分子量ポリブテン類および粘着性シリコーン樹脂などのエラストマー原料を含む、いわゆるゴム樹脂接着剤も含まれる。
担体は、低い、好ましくは25℃未満のTgまたは低い軟化点を有し、動的機械熱分析器RSAII型(レオメトリクス社(Rheometrics Co.)製)を用いて測定して、70℃で約5×10ダイン/cm未満の弾性係数を有する接着剤材料または感圧接着剤材料であるとよい。適当な接着剤は、アクリレート系感圧接着剤、特に、粘着剤樹脂の添加を一般に必要としないものを含む。そのようなアクリレートは、一般に、分子あたり1から14の炭素原子、好ましくは分子あたり4から12の炭素原子のアルキル鎖を有する。さまざまなアクリレートモノマーの混合物を用いてもよいが、分子のアルキル尾部を形成するアルコール残基の少なくとも主要部分は、一般に、エステル結合で終わる少なくとも4つの炭素原子を有する炭素‐炭素鎖を有する。有用なアクリレート系重合体材料の例は、メチルイソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、市販ヒューズ油アクリレートおよび2‐エチルヘキシルアクリレートの単独重合体および共重合体である。共重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルを共重合モノマーとして含むとよい。他のアクリル材料は、例えば、n‐ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2‐メチルブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート等などの低Tgアクリレートモノマー、N,N‐ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ビニルピロリドン等などの官能性モノマー、および3,5‐ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4‐ビフェニ(メタ)アクリレートおよび2‐ネフチル(メタ)アクリレートなどの高Tgアクリレートモノマーを含む多成分系組成物を含む。さらに別の種類の感圧材料は、参照によって本明細書に組み込まれるマキネッリ(Macinelli)(米国特許第5,225,470号)のアクリルホットメルトPSAである。
本発明は、例えば、感圧性接着剤担体材料を含む、担体組成物複合体のカプセル化と同時に、または担体組成物のカプセル化の後にインサイチュ重合する担体材料に特に適している。例となる系は、例えばシュワンツ(米国特許第6,592,990号)およびナガイらに開示されているものを含む。一般に、そのような系は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレート、ビシクロアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシ(アルコキシ)n(メタ)アクリレートを含む付加重合プレポリマーを含む。ここで、アルキル部分は1から16の炭素原子を有し、シクロアルキル部分は4から8の炭素原子を有し、nは1から6の整数である。
担体組成物の形成に用いるのに特に適する付加重合プレポリマーは、例えば、n‐ペンチルアクリレート、2‐メチルブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、n‐オクチルアクリレート、n‐デシルアクリレート、n‐ドデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、2‐エチルヘキシルメタクリレート、n‐オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレートなど、ならびにそれらの混合物を含む、単独重合体が、約0℃未満のTg、少なくとも75℃の引火点および少なくとも175℃の沸点を有するプレポリマーを含む。
任意選択として、インサイチュ形成された担体は、重合性プレポリマーに加えてテルペン樹脂を含んでもよい。テルペン樹脂は、粘着剤として機能し、本発明の目的の場合、ウッドロジン樹脂、ガムロジンのエステル、スチレン化テルペンおよびテルペンフェノール樹脂(CAS登録番号259094‐71‐8を含む)を含む。テルペン樹脂の例は、シルバレス(R)(SylvaresTM)およびゾナタック(R)(ZonatacTM)の商品名で販売されているテルペン樹脂(フロリダ州パナマシティー(Panama City,Florida)のアリゾナケミカル(Arizona Chemical))などの変性テルペン樹脂、ならびにシルバライト(R)(SylvaliteTM)(CAS登録番号第8050‐26‐8)等などのエステル変性またはポリオールエステル変性テルペン樹脂を含む。
インサイチュ形成された担体の誘導に用いられる出発組成物は、第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーを任意選択として含んでもよく、このプレポリマーは、多官能性であり、少なくとも2つの付加重合部位を有する。「実質的に非水溶性の」とは、材料が、約2%未満、好ましくは1重量%未満の水に対する溶解度を有することを意味する。前記プレポリマーの付加重合部位は、プレポリマーを被カプセル化粘着性接着材料へ変換するとき、他の付加重合性部位と相互作用する。第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの例は、アリルメタクリレート、アルケングリコールジメタクリレート、アルキルジメタクリレート、アルキルジオールジメタクリレート、アルコキシアルカノールジアクリレート、トリアルカノールトリアクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルトリアクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルジメタクリレート、アラルキルジメタクリレート、シクロアルキルジメタクリレート、アルコキシジメタクリレート、ビシクロアルキルジメタクリレート、シクロアルコキシジメタクリレート、アリルアクリレート、アルケングリコールジアクリレート、アルキルジアクリレート、アルキルジオールジアクリレート、アルコキシアルカノールジメタクリレート、トリアルカノールトリメタクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルトリメタクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルジアクリレート、アラルキルジアクリレート、シクロアルキルジアクリレート、アルコキシジアクリレート、ビシクロアルキルジアクリレート、シクロアルコキシジアクリレートを含む。ここで、アルキル部分は1から16炭素であり、シクロアルキル部分は4から8炭素であり、nは1から6の整数である。より詳しくは、少なくとも二つの付加重合部位を有する第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、アリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3‐ブチレングリコールジアクリレート、1,4‐ブタンジオールジメタクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3ブチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ジ‐(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレートなど、ならびにそれらの混合物の任意のものから選ぶことができる。
第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、第一のプレポリマーと粘着性接着剤を形成するための少なくとも三つの異なる機構を有することができる。第二の重合性プレポリマーは、第一のプレポリマーと反応するための二つの反応部位または多官能性部位を有することができる。あるいは、第二のプレポリマーは、接着剤形成用重合体の他の極性基との水素結合を目的として、酸素、アミン、エーテル、エステル、アルコール、ケトン、ヒドロキシ、エポキシ、カルボン酸またはアリール酸などの極性基を限度なく有するように選ぶことができる。さらに第三の選択肢は、第二のプレポリマーが、形成される接着剤の対向する分子鎖の運動を立体的にもつれさせるか妨げるように、第二のプレポリマーを選ぶことである。
極性基を有する、適当な第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、アルコキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアルコキシフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレート、およびアシルオキシ(メタ)アクリレートからなる群から選ぶことができる。ここで、前記アルキル部分は1から16炭素であり、シクロアルキル部分は4から8炭素であり、nは1から6の整数である。第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの具体的な例は、ブチルジエチレングリコールメタクリレート、2‐メトキシエチルアクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、t‐ブチルアミノエチルメタクリレート、2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル‐エチル)メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート、2‐フェノキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化ヒドロキシエチルメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシル化ノニルフェノールメタクリレート、アルコキシル化ノニルフェノールアクリレート、カプロラクトンアクリレート、2‐アクリルオキシエトキシ‐o‐フタル酸、2‐アクリルオキシ‐1‐メチルエトキシ‐o‐フタル酸および2‐アクリルオキシ‐1‐メチルエトキシ‐o‐ジヒドロ‐(3,6)‐フタル酸からなる群から選ばれる材料を含む。
上記で述べたように、第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの別の代替物は、結果として接着剤形成重合体を立体的にもつれさせるか、または対向する分子鎖の運動を立体的に妨げるプレポリマーである。そのようなプレポリマーは、例えば、14炭素より大きなアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、多環アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレートおよびシクロアルコキシ(メタ)アクリレートを含む。ここで、アルキル部分は少なくとも14炭素であり、シクロアルキル部分は少なくとも6炭素である。第一の非水溶性重合性プレポリマーを立体的に妨げる実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの例は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、アクリレートC18〜22、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンチルオキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびセチルアクリレートである。テトラヒドロフルフリルメタクリレートおよびアクリレートなど、水素結合に参加すると既に特定された材料のいくつか、および、例えば、2‐フェノキシエチルアクリレートおよびメタクリレートも、立体障害プレポリマーとして機能することができる。
担体のインサイチュ重合を実現するために、担体前駆体組成物は、一般に、1種または2種以上の付加重合性プレポリマーおよび、存在するなら、溶媒と一緒に、触媒的に有効な量の実質的に非水溶性のフリーラジカル開始剤を含む。溶媒は、さまざまなプレポリマー材料が重合を行うことができる媒質を提供する。適当な溶媒は、石油オイル、植物油、植物油エステル、液状炭化水素樹脂、液状可塑剤およびそれらのブレンドを含む。フリーラジカル開始剤は、25℃で最大10時間、より好ましくは25℃で最大1時間の半減期を有するように選ばれる。フリーラジカル開始剤は、重合性プレポリマー材料および溶媒に可溶性である必要がある。フリーラジカル開始剤は、アゾ開始剤、パーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネート、パーオキシケトンおよびパーオキシジカーボネートを含む開始剤の群から選ぶことができる。より詳しくは、フリーラジカル開始剤は、2,2′‐アゾビス(イソブチルニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)、2,2′‐アゾビス(メチルブチロニトリル)、1,1′‐アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、1,1′‐アゾビス(シアノシクロヘキサン)、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ(n‐プロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(sec‐ブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2‐エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1‐ジメチル‐3‐ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオヘプタノエート、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐ブチルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシピバレート、2,5‐ジメチル2,5‐ジ(2‐エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t‐アミルパーオキシ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシアセテート、ジ‐t‐アミルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキサイド、ジ‐t‐アミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、クメンハイドロパーオキサイド、1,1‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチル‐シクロヘキサン、1,1‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐シクロヘキサン、1,1‐ジ‐(t‐アミルパーオキシ)‐シクロヘキサン、エチル‐3,3‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐ブチレート、t‐アミルパーベンゾエート、t‐ブチルパーベンゾエートおよびエチル3,3‐ジ‐(t‐アミルパーオキシ)‐ブチレートから選ばれる。
本発明のさらに別の実施態様では、担体材料は、感熱性、すなわち、比較的低い高温に曝露されると、固体または半固体の状態から液体またはパテ状の状態に変化するもの、であるとよい。詳しくは、そのような担体を、常温(〜25℃)より高い融点または融解範囲を有してカプセル化用媒質に実質的に不溶性であり、好ましくは、融点より高い温度、または融解範囲を超える温度で硬化性組成物に実質的に可溶性であるか、または少なくとも部分的に可溶性である。好ましくは、担体は、35℃〜150℃の範囲、より好ましくは40℃〜85℃の範囲の融点または融解範囲を有する。適切な感熱性担体材料は、好ましくは4000から20,000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコール、酸ワックス、ステアリン酸およびステアリン酸塩を含む。特に適切な材料は、平均分子量4000のポリエチレングリコールであり、これはワックスである。参照によって本明細書に組み込まれる、クック(Cooke)ら(米国特許第4,497,916号および第3,547,851号)には、他の適切な材料が記載されている。
最後に、その他の適当な担体は、例えば、参照によって本明細書にすべて組み込まれるゴシュースキー(Gosiewski)ら(米国特許第5,206,288号)、カハラン(Cahalan)ら(米国特許第4,768,523号)、サタキ(Sataki)ら(米国特許第5,814,685号)、エバラーツ(Everaerts)ら(米国特許第5,905,099号および第5,612,136号)、マッジ(Mudge)(米国特許第4,908,268号)、サンダーソン(Sanderson)ら(米国特許第4,077,926号)、マンシネリ(Mancinelli)(米国特許第5,225,470号および第5,006,582号)、ヨバイン(lovine)ら(米国特許第4,721,748号)およびペトラス(Petras)ら(米国特許第4,061,826号)に開示されているコア材料を含む。
本発明の実施において使用される被カプセル化硬化剤は、二段階プロセスで調製される。第一は、担体中への硬化剤の組み込み、第二は、こうして改質された担体のカプセル化である。当業者には自明のように、これらの工程の両方を実現するために、任意の数のさまざまな方法を用いてよい。しかし、特定のプロセスの選択は、詳しくは、用いられる材料、硬化剤担体の中に組み込む時点、およびそのような担体材料を粒子形に変換する方法等の複数の因子によって決まる。担体が固体または半固体材料である一実施態様では、硬化剤担体材料の中に混合するかまたは捏和し、でき上がった材料が十分に剛直なら所望の粒子サイズに粉砕し、あるいは、剛直でなければ、凍結してから所望の粒子サイズに粉砕する。例えば、硬化剤担体のポリマーメルトの中に組み込んでもよく、あるいは、担体がワックスであったら、硬化剤を液状化ワックスの中にブレンドしてから、混合物を硬化させる。この場合にも、ロールミキサ、バンバリミキサまたは類似装置を用いて、硬化剤を捏和して、柔らかな、可撓性または展性の重合体またはエラストマー担体にすることができる。基本的に、プロセス条件が硬化剤に悪影響を与えたり、劣化させたりしないようであれば、固体または半固体を別の固体または半固体の中に組み込むための既知の方法のどれを使用してもよい。
硬化剤が液体であるか、または溶液の中にある場合、液体硬化剤または硬化剤溶液の溶媒を吸収するか、または液体硬化剤または硬化剤溶液の溶媒によって膨潤する、固体または半固体担体を用いることが可能である。このプロセスでは、担体は、まるでスポンジのように働き、それによって、液状硬化剤担体の中に吸収され、あるいは、溶液なら、溶媒が硬化剤担体の中に移動させる。硬化剤溶液を含む場合には、溶媒を、好ましくは、カプセル化の前に蒸発させるか、またはそのような蒸発の後担体が適切な粒子の形にならなければ、カプセル化の前に担体を粉砕する。しかし、硬化剤溶液の溶媒が担体に対して可塑剤として働き、従って、担体を軟化して、活性化したとき、硬化した接着剤または封止剤の性能または所望の性質と干渉したり、硬化した接着剤または封止剤の性能または所望の性質に悪影響を及ぼしたりせずに、硬化剤へのアクセスまたは硬化剤の曝露を容易にする場合、必ずしも溶媒を部分的あるいは完全に追い出す必要はない。
あるいは、担体自体が溶液中にある場合、硬化剤を溶液に加えてから溶媒を追い出し、改質した担体を回収してもよい。あるいは、担体および担体溶液の性質に応じて、ある種の添加剤、pH調節および/または温度変化ならびに類似方法を使用して、改質した担体を沈殿させて回収してもよい。
硬化剤担体の中に組み込む別の手法は、全体的または部分的に可溶性であろうと相溶性であろうと、担体材料を形成するために用いられる前駆体材料または反応体の一つ以上の中に硬化剤を分散させるか、または溶解させることによる。硬化剤が、担体の硬化または重合を開始し、加速し、または促進する上で有効なら、十分に過剰量の硬化剤を用いて、担体を形成後、担体の中に十分な硬化剤が確実に残るようにしなければならない。次に、この反応混合物を硬化させるかまたは重合させて改質した担体を形成させ、こうして形成させた塊状物を所望の粒子サイズに粉砕するとよい。あるいは、上記の反応混合物またはその成分を適切な液体媒質に加え、せん断混合処理してコロイド溶液、懸濁液または乳化液を形成させてもよい。次に、カプセル化の前に、コロイド溶液、懸濁液または乳濁液に反応混合物の硬化または重合を実現し、改質した担体粒子を形成させるための適切な条件を加えてもよく、あるいは、反応混合物液滴のカプセル化を実現してからカプセルまたはシェル壁を形成させるために、担体材料の同時のインサイチュ重合または硬化の有無にかかわらず、適切なカプセル化材料を溶液に加えてもよい。界面重合、コアセルベート形成などによる技法を含む、液体をカプセル化するための既知の方法のどれを使用してもよい。
担体の中に組み込まれる硬化剤の量は、使用される具体的な1種または2種以上の硬化剤およびともに用いられる硬化性組成物、硬化性組成物の硬化の開始を実現する方法、被カプセル化硬化系に対する硬化性組成物の予測される重量比、および上記で述べたように、硬化剤担体材料および/またはシェル壁の硬化または重合に関与するかどうか、または担体材料および/またはシェル壁の硬化・重合によって消費されるかどうかによって決まる。一般的に言って、硬化剤の量は、所定の硬化性組成物の硬化を実現するために一般的に用いられるレベルと一致するようにする。しかし、担体および硬化性組成物が混合されるプロセスが、念入りな、例えば反復捏和または素練りを含む場合、硬化性成分への硬化剤の曝露の効率がよいので、同じ体積の硬化性組成物に対して、多くの場合、硬化性組成物の従来の(従来のカプセル化を含む)形の場合に用いられるより低いレベルの硬化剤を使用するだけでよい。
重合性硬化性組成物に加えてカプセル化された硬化剤を使用するとき、硬化剤は、担体の約0.1重量パーセントから約25重量パーセント、好ましくは約1重量パーセントから約20重量パーセント、最も好ましくは約5重量パーセントから約15重量パーセント存在させる。上記より多い量も意図されるが、そのような多い量では、所定の粒子サイズに対して、硬化性組成物の中に組み込む被カプセル化担体は少なくなる。あるいは、硬化剤のレベルが硬化速度に直接関連し、通常より速い硬化速度が望まれる場合には、被カプセル化硬化剤の量を変化させずにそのような多い量を用いることが望ましいことがある。例えば、極めて高速の産業用途では、硬化を瞬間的またはほとんど瞬間的なものにしなければならないことがある。
硬化剤が、一般に、段階成長重合反応で使用される架橋剤またはハードナーの場合、マイクロカプセルの中のそのような硬化剤の量は、著しく高くする。そのような硬化剤は、一般に、担体の約2重量パーセントから約50重量パーセント、好ましくは約10重量パーセントから約30重量パーセント、最も好ましくは約15重量パーセントから約25重量パーセントの量で存在させる。もっと重要なことは、これらの硬化剤の量は、一般に、硬化性組成物のための化学量論要求量と、所望の架橋度とによって適宜決まる。従って、所定の量の硬化性組成物の中に組み込む担体粒子の量を適切に調節して、担体粒子の中に用いる量を増減させてもよい。
一般的に言って、本発明の被カプセル化担体微粒子は、高度に濃縮された量の硬化剤のマイクロドメインとして働く。硬化剤担体および/またはマイクロカプセル壁のための硬化剤として働く場合、硬化剤は、一般に、担体および/または壁材料の硬化を実現するために必要なレベルの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍のレベルで組み込まれる。この場合、先行する二つの段落で挙げた量は、担体および/またはセル壁の重合および/または硬化の後の硬化剤の量を必要に応じて規定する。
本発明の被カプセル化硬化系の粒子サイズは、意図される最終用途、一緒に用いられる硬化性組成物の硬化が開始される方法、および、粒子が形成される方法の制約条件によって広く変化してよい。一般に、体積加重中央値粒子サイズは、約2ミクロンから約200ミクロン、好ましくは約5ミクロンから約50ミクロン、最も好ましくは約10ミクロンから約20ミクロンの範囲にする。体積加重中央値粒子サイズは、カリフォルニア州サンタバーバラ(Santa Barbara,CA)のパーティクルサイジングシステムズ社(Particle Sizing Systems)製のアキュサイザ(Accusizer)788を用いて測定される。
担体複合体のカプセル化は、当分野の任意の既知の手段によってよい。以下の考察は、担体のカプセル化を主に対象とするが、詳しくは、下記でさらに考察される液状硬化性成分を含む、硬化性組成物のその他の成分の離散的なマイクロカプセルまたはドメインと同じことが、カプセル化にも同様に適用できる。適切な技法は、コアセルベーション、界面重合、インサイチュ重合、空中懸濁、遠心押し出し、噴霧乾燥、パンコーティング、およびレディングジュニア(Redding Jr.)(米国特許第5,271,881号、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている、コア材料とシェル材料との分散物を形成させ、圧力衝撃波を分散液に加えることを含む。方法および材料の具体的な選択は、物理的状態および/または化学的性質等の、被カプセル化材料の性質、例えば、担体材料が液体の形であるか、または固体、半固体またはゲル状粒子の形であるかによって決まる。方法および材料の例は、以下の段落ならびに、とりわけ、例えば、シュワンツ(Schwantes)(米国特許第6,592,990号)、ナガイ(Nagai)ら(米国特許第4,708,924号)、ベイカー(Baker)ら(米国特許第4,166,152号)、ウォイチャク(Wojciak)(米国特許第4,093,556号)、マツカワ(Matsukawa)ら(米国特許第3,965,033号)、マツカワ(Matsukawa)(米国特許第3,660,304号)、オゾノ(Ozono)(米国特許第4,588,639号)、イルガラシ(Irgarashi)ら(米国特許第4,610,927号)、ブラウン(Brown)ら(米国特許第4,552,811号)、シェール(Scher)(米国特許第4,285,720号)、シオイ(Shioi)ら(米国特許第4,601,863号)、キリタニ(Kiritani)ら(米国特許第3,886,085号)、ヤーンス(Jahns)ら(米国特許第5,596,051号および第5,292,835号)、マトソン(Matson)(米国特許第3,516,941号)、チャオ(Chao)(米国特許第6,375,872号)、フォリス(Foris)ら(米国特許第4,001,140号、第4,087,376号、第4,089,802号および第4,100,103号)、グリーン(Greene)ら(米国特許第2,800,458号および第2,730,456号)、クラーク(Clark)(米国特許第6,531,156号)、サエキ(Saeki)ら(米国特許第4,251,386号および第4,356,109号)、ホシ(Hoshi)ら(米国特許第4,221,710号)、ヘイフォード(Hayford)(米国特許第4,444,699号)、ハズラー(Hasler)ら(米国特許第5,105,823号)、スティーブンス(Stevens)(米国特許第4,197,346号)、リーキ(Riecke)(米国特許第4,622,267号)、グリーナ(Greiner)ら(米国特許第4,547,429号)およびタイス(Tice)ら(米国特許第5,407,609号)によって示され、カーク‐オスマー(Kirk‐Othmer)のエンサイクロピーディアオブケミカルテクノロジー(Encyclopedia of Chemical Technology)の第二版の第13巻436〜456頁の「カプセル化」と題する章でハービグ(Herbig)、1966年5月のTAPPIの第49巻5号41A〜44A頁の「カプセル状接着剤」の中でフーバー(Huber)らによって教示されているようであり、以上のすべては、参照によって本明細書に組み込まれる。
カプセル化プロセス中の第一の工程は、担体材料または担体前駆体材料の離散的な粒子、ドメインまたはビーズの調製である。そのような材料が溶液または液体の中にあり、カプセル化が、例えば、コアセルベート形成、界面重合等によって行われる場合には、担体または担体前駆体材料を含む溶液または液体は、高せん断混合または撹拌によって処理され、必要なサイズの担体または担体前駆体の離散的なドメインの懸濁液、乳濁液またはコロイドシステムが作り出される。担体が感熱性材料、例えば、ワックスまたはワックス状材料である場合、担体を、内部に組み込んだ硬化剤とともにその融点より高温に加熱し、次に、同様な液体媒質、好ましくは水の中の高せん断混合または撹拌によって処理し、担体の離散的な液滴を作り出す。次に、冷却して固体粒子を形成させてから、カプセル化する。硬化剤が固体または実質的に固体の担体の中に組み込まれる場合には、担体を粉砕し、所望の粒子サイズに分級してから、カプセル化するとよい。カプセル化のための粒子または離散的なドメインの調製のためのそのような方法ならびに別の代替方法は、産業界で広く用いられ、当業者に公知である。
一つの好ましいマイクロカプセル化技法は、コアセルベーションである。この技法では、被カプセル化材料を、壁材料として用いられる材料の液体溶液の中に分散させるかまたは乳化させる。溶液に外力を加え、壁材料、または壁材料の一部の溶媒からの相分離を引き起こし、壁材料のすべて、または壁材料の少なくとも一部が、被カプセル化分散材料を被覆する。このプロセスでは、壁形成材料は、乳化または分散したコア材料の上に直接析出させてもよく、あるいは、コア材料の液滴の上に壁材料の液滴を後から析出させてそれ自体の乳濁液を形成してもよい。どちらの場合にも、内部相またはカプセルコア材料の分散液滴の周りに液状壁材料を連続コーティングとして析出させ、次に、壁材料を固化させる。溶液に外力を加える方法は、壁材料の溶解度に影響を及ぼす任意のものであってよく、温度の変化および別の溶媒の添加を含み、例えば、壁材料にとっての非溶媒の添加を含む。参照によって本明細書に組み込まれるグリーン(Green)(米国特許第2,800,457号および第2,800,458号)に教示されているように、ゼラチンなどの壁材料の場合には、上記のことが、壁形成工程における相分離を促進するためのpH変化を含むことは、当業者には自明である。
コアセルベーションによるカプセル化では、被被覆材料は一般に液体であり、溶媒中で乳化させて液滴を形成させ、次に、液滴を壁材料で被覆する。多くの場合、乳化剤も使用して担体材料または担体材料の前駆体の乳化を支援すると有利である。用いることができる好ましい乳化剤は両親媒性、すなわち、同一分子中に親水性基と疎水性基とをともに含む。乳化剤の例は、部分加水分解ポリビニルアルコール、澱粉誘導体、セルロース誘導体、ポリアクリルアミドなどを含むが、それらに限定されない。本発明に用いられる好ましい乳化剤は、部分加水分解ポリビニルアルコールである。好ましい方法では、水性混合物に高せん断撹拌を施し、約250ミクロンより小さい、好ましくは100ミクロンより小さい液滴サイズを実現する。
カプセル化のための条件は、担体複合体または、必要に応じて、硬化性組成物の他の成分をカプセル化するために用いられる材料の選択によって変わる。カプセル化用組成物または材料の選択は、形成されるシェル壁の所望の性質、被カプセル化材料の化学的組成および状態、あるいは、担体がシェル壁の形成の後、またはシェル壁の形成と同時に硬化またはインサイチュ重合する場合には硬化剤を含む担体前駆体材料、およびカプセル化プロセスのために使用される方法を含む複数の因子によって決まる。シェル壁の所望の性質とは、強度、破断しやすさ、および、少なくとも被カプセル化担体複合体の場合、特に、担体が、担体内の硬化剤の移動、または担体の内部からの硬化剤の浸出を可能にする組成である場合には、硬化剤に対する不透過性を含む。重合体シェルを形成させるための適切な材料は、カプセル化、特に液滴または固体粒子のカプセル化の分野で既知の任意のものを含む。シェル壁材料の例は、ゼラチン、アラビアゴム、澱粉、糖、シェラックおよびロジンなどの天然材料;エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド類、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シリコーン、エポキシおよびポリウレタンなどの重合体;ホルムアルデヒドとフェノール、尿素およびメラミンとの反応生成物などのホルムアルデヒド樹脂;およびポリウレタン共ポリエーテルなどの共重合体を含む。ポリビニルアルコールは、コアセルベーションによるカプセル化に用いられる好ましい壁材料である。具体的なシェル壁材料を下記でさらに詳しく説明する。
シェル壁は、硬化性組成物の重合、硬化または架橋を開始させるための条件下で壁が破断する限り、剛直材料であっても柔軟材料であってもよい。本願の目的では、本明細書でいう「開始」、または、重合、硬化または架橋を「開始する」は、実際の重合、硬化または架橋が同時に実現されるかどうかにかかわらず、硬化剤を硬化性組成物の重合性成分と直接接触させるか、または他の方法で、硬化性組成物の重合性成分が硬化剤を利用できるようにする工程を含むものと理解される。例えば、活性化された嫌気性の硬化性組成物の場合、重合は『開始』するが、酸素が存在すると重合は抑制される。同様に、熱活性型硬化剤を、硬化性組成物の硬化性成分と緊密に混合することはできるが、熱活性を実現するのに適する温度に達するまで重合は起こらない。基本的に、物理的条件または環境的条件、あるいは接着剤を塗布した、または塗布することになる基材が固有の性質として供給する化学的共反応体が存在しない場合以外、重合または硬化は開始する。
シェル壁の厚さは広い範囲で変化してよく、構造的な効果がないかまたはほとんどなく、硬化剤に対して不透過性または低透過性バリアとして働くだけの極めて薄い膜から、単独で構造自立性を有するシェル壁までの範囲にあってよい。そのような薄い壁は、担体が硬いかまたは剛直な材料である硬化系に特に適している。あるいは、特に接着剤または封止剤組成物の調合または塗布時のマイクロカプセル、あるいは組成物を塗布した基材に、広範なせん断条件、強い力、極端な取り扱い等が加えられる場合には、厚手のシェル壁を使用するとよい。厚手の壁は、担体が非常に柔らかいか、揺変性の性格を有し、単独ではほとんどまたは必要に満たない変形への抵抗性しか提供しない場合にも適している
透過性は、マイクロカプセル中へのまたはマイクロカプセルからの、材料の浸透および/または漏出に対して適正な保護を提供するシェル壁の能力を指す。この能力が適正でないと、マイクロカプセルおよび/またはマイクロカプセルを組み込んだ接着剤または封止剤調合物の貯蔵寿命に影響が及ぶことがある。従って、シェル壁は、所定の寿命の間はマイクロカプセルの有用性および効力に悪影響を与えない限り、特定の材料に対して透過性であってもよい。所定の寿命は、通常は3ヶ月、好ましくは6ヶ月以上である。
一般的に言えば、薄いシェル壁、特に、現行の被マイクロカプセル化一液型接着剤系で従来実際に用いられてきたシェル壁より薄いシェル壁を使用することは、本発明の一目的である。しかし、もちろん、そのような薄手の壁は必須ではなく、従来の厚手の壁も用いてよい。しかし、薄手のシェル壁を使用すると、所定の体積の接着剤の中または接着部位の中の接着剤または封止剤を形成するために必要な成分の存在量が多くなり、シェル壁を代表とする不活性な充填材料の存在量が少なくなるので、薄手のシェル壁が特に望ましい。一般に、本発明の実施によれば、シェル壁は、硬化系全体の約0.8重量パーセントから約25重量パーセント、好ましくは約2重量パーセントから約12重量パーセント、最も好ましくは約4重量パーセントから約10重量パーセントを含む。
染料、顔料、充填材、可塑剤、架橋剤、結合剤およびその他の添加剤を、カプセル壁の中に組み込むか、またはカプセル壁面に塗布してもよい。壁材料を調合するとき留意すべき一つの重要なパラメータは、透過性である。一般に、壁材料は、少なくとも被カプセル化材料に対して低透過性である方がよい。硬化剤の損失および硬化性組成物の早発重合を防ぐために、担体中の硬化剤に対してカプセル壁が不透過性であるか、または低透過性であることが特に重要である。同様に、硬化性組成物の硬化性成分が担体粒子の中へ浸透しないように、カプセル壁が硬化性組成物の硬化性成分に対して不透過性または低透過性であることが重要になることがある。被カプセル化材料によっては、酸素などの特定の気体に対する低透過性、または水などの液体あるいはトルエンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒に対する低透過性を有するように壁材料を調合することも望ましいことがある。必要な透過速度は、それぞれの系によって変るが、壁材料の妥当な選択によって、および壁材料の架橋度によって満たされる。一般に、架橋が増加すると、透過速度は低下する。
上記で述べたように、任意のまたは複数のさまざまなプロセスを用いて、硬化性組成物および硬化剤組成物の成分をカプセル化してよい。一つの好ましい技法は、カプセル壁材料をインサイチュ重合させることである。この技法では、被カプセル化材料の上にモノマーまたはオリゴマーを分散させ、次に、共重合モノマーまたはラジカル開始剤、硬化剤などの反応性化学種の添加、あるいは熱または紫外線照射によって、重合を実現させる。任意選択として、カプセル壁材料は、架橋剤の添加、あるいは熱、紫外線照射またはラジカル開始剤によって、インサイチュ架橋してもよい。カプセル壁材料を重合または架橋させる方法は、壁材料の選択、および被カプセル化材料によって変化させる。複数の具体的な方法およびシェル壁形成組成物は、下記に示す通りである。
マイクロカプセルの壁がポリアミドまたはポリウレアで構成されるとき、好ましいカプセル化技法は界面重合である。これは、1種または2種以上の被マイクロカプセル化接着剤モノマーを酸塩化物またはイソシアネートのどちらかと混合することによって実現するとよい。その結果得られる混合物を乳化剤で乳化して水中油型乳濁液を得る。次に、多官能アミノ化合物を乳濁液の中に加え、それによって油の各微粒子の周りにマイクロカプセル壁を形成させる。酸塩化物を多官能アミノ化合物と混合すると、ポリアミドマイクロカプセルを作り出し、イソシアネートを用いると、ポリウレアカプセルを形成する。油相の微粒子について述べたが、分散相は、本明細書中では、「ドメイン」、「ビーズ」または「液滴」などとも呼ぶものとする。
ポリアミドマイクロカプセルを製造するために本発明において用いることができる酸塩化物は、テレフタロイルクロリド、イソフタロイルクロリド、1,3,5‐ベンゼントリカルボン酸クロリド、セバシルジクロリド、4,4‐スルフォニルジベンゾイルクロリド、1,3‐ベンゼンジスルホニルクロリド、1,4‐ベンゼンジスルホニルクロリドまたはそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。本発明に用いられる好ましい酸塩化物は、イソフタロイルクロリドとテレフタロイルクロリドとの混合物である。
ポリウレアマイクロカプセルを製造するために本発明において用いることができるイソシアネート化合物は、2,4‐および2,6‐ジイソシアナートトルエン、4,4′‐ジイソシアナートジフェニルメタン、1,3,5‐トリメチルベンゼン‐2,4‐ジイソシアナート、1,6‐ジイソシアナートへキサン、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、さらにビウレット基、アロファネート基およびカルボジイミド基を含むポリイソシアネートなどを含むがそれらに限定されない。
本発明において用いることができる多官能アミンの例は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、1,6‐ヘキサンジアミン、ポリエチレンイミン、ビスヘキサメチレントリアミンなどを含むがそれらに限定されない。
マトソン(Matson)(米国特許第3,516,941号)は、被カプセル化材料、またはコア材料が、水相中に分散した有機、疎水性油相の中に溶解する重合反応を教示している。水相は、重合するとマイクロカプセルの壁を形成するアミノプラスト樹脂形成材料を溶解している。高せん断撹拌を用いて微細な油滴の分散液を調製する。酸触媒を添加して重縮合を開始させ、水相内にアミノプラスト樹脂を形成させると、どちらの相にも不溶性のアミノプラスト重合体が形成される結果となる。重合が進むと、アミノプラスト重合体は水相から分離し、分散した油相の液滴の表面上に析出して二相の界面にカプセル壁を形成し、ひいては、コア材料をカプセル化する。アミンとアルデヒドとを含む重合がアミノプラストカプセル化として知られる。尿素‐ホルムアルデヒド、尿素‐レゾルシノール‐ホルムアルデヒド、尿素‐メラミン‐ホルムアルデヒドおよびメラミン‐ホルムアルデヒドのカプセル形成は、同様に進む。界面重合では、カプセル壁を形成する材料の一方は水相、他方は油相と、別々の相の中にある。重合は、相の境界で起こる。従って、二相の界面で重合体カプセルのシェル壁が形成され、それによって、コア材料をカプセル化する。界面重合は、ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレアなどの壁材料の場合に特に有用である。
ゼラチンおよびゼラチン含有マイクロカプセル壁材料は公知であり、一般に、コアセルベーションによるカプセル化プロセスおよび相分離カプセル化プロセスで用いられる。ゼラチン/アラビアゴムカプセル化のための一つの好ましい技法は、最初にコア材料をゼラチン溶液の中に乳化させて水中油型乳濁液を得ることを含む。乳濁液をアラビアゴム溶液と混合する。次に、システムをpH調節するか、または希釈し、ゼラチン/アラビアゴムをコアセルベート形成させる。その後、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドまたはその他の類似の既知化合物などの架橋剤でカプセルを後処理する。
メラミン‐ホルムアルデヒドによる壁材料は、最初にコア材料をカルボキシルメチルセルロース溶液またはポリ(スチレン‐無水マレイン酸)溶液中に乳化させ、水中油型乳濁液を得ることによって、作ることができる。次に、乳濁液をメラミン‐ホルムアルデヒド前縮合体溶液と混合する。次に、系をpH調節し、続いて、加熱して前縮合体の高分子量化合物への重合を開始させる。カルボキシルメチルセルロースまたはポリ(スチレン‐無水マレイン酸)溶液が存在すると、重合したメラミン‐ホルムアルデヒドがコア材料表面上に析出し、それによって、コアをカプセル化するのを助ける。別の方法では、メラミンとホルムアルデヒドとをスチレンスルホン酸の存在下で重合させる。メラミン‐ホルムアルデヒド樹脂壁形成プロセスのさらに別の好ましい実施態様は、ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸誘導体ならびに類似物を乳化剤として使用し、水中油型乳濁液の形成を支援する。そのような乳化剤は、好ましくは約8から18のHLB値を有する。
あるいは、フリーラジカル重合および/または架橋によって壁材料を形成してもよい。これは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリルエステル(例えばアルキルアクリレート‐アクリル酸共重合体)、不飽和ポリエステル等などの壁材料の場合に特に有用である。フリーラジカル反応は、熱、紫外線照射または、ベンゾイルパーオキサイド、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキソ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシソブチレート、t‐アミルパーベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,2′‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)等などの開始剤の添加によって開始するとよい。
マイクロカプセルの壁をエポキシで構成させるとき、適当な成分は、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロへキサンカルボキシレート、ビスフェノール‐A‐ジグリシジルエーテル等などの二官能または多官能エポキシドを含む。これらは、グリセリンなどのポリオールと組み合わせて用いることができる。マイクロカプセルを形成させる一つの便利な方法は、被カプセル化材料の乳濁液を形成させ、二官能または多官能エポキシドとポリオールとの組み合わせを添加し、被カプセル化材料を被覆し、次に、酸を加えて重合を実現させ、ポリエポキシドを形成させることを含む。適当な酸は、塩酸または硫酸などのブレンステッド酸を含み、三フッ化ホウ素、五フッ化アンチモン等などのルイス酸も含む。
本発明の実施において使用する前塗布型接着剤および封止剤組成物は、前塗布型接着剤および封止剤を調合し、調製するための任意の既知の方法によって調製してよい。上記で述べたように、本発明の実施による重要な態様は、本明細書に記載される被カプセル化担体複合体の使用である。
本発明の一態様によれば、被カプセル化硬化剤組成物は、液状硬化性組成物中に分散され、この液状混合物は、資材の適当な表面領域に塗付され、所定の場所でカプセル化される、または埋められる。本明細書の「背景技術」で説明したように、この態様は、実質的に液状硬化性組成物のプール(pool)を含み、その中に被カプセル化硬化剤組成物が分散しており、該組成物の硬化または重合したフィルムまたは第2の硬化性または重合性組成物によって覆われ、これにより液状硬化性組成物は、硬化剤組成物とそれが塗布される被着体との間に位置する。これらのタイプの接着剤および封止剤組成物は、ねじ山が設けられた組み立て体またはより一般的には、例えば電気部品の注入(potting)またはカプセル化用途に多く見られる。ここでは、液状硬化性組成物をカプセル化したフィルムが早期に処理された場合、全くまたは産業的な硬化は、生じず、接着剤および封止剤組成物は、前塗付型接着剤または封止剤の使用または再処理のために資材から拭き取ることが可能である。
より一般的には殻被覆(encased)接着剤または封止剤と呼ばれているこの種の被カプセル化接着剤または封止剤は、多くの異なる方法で形成される。好ましく、かつ、最も便利なのは、本発明の液状硬化性組成物は、2つの硬化モードを有する液状硬化性組成物を含み、その1つの硬化モードは、化学線/光、特に紫外光に晒すことによってなされ、この液状硬化性組成物は、1つ以上の化学線/光、特に紫外光で活性化する硬化剤を含み、これにより液状硬化性組成物が適当な化学線または光に晒された場合、該組成物は、その晒された表面でまたはその付近で硬化し、液状硬化性組成物の塊の周りに硬化したポリマーのフィルムを形成する。化学線/光エネルギーは、液状重合性組成物の塊まで届かないので、重合性組成物は、未硬化のままである。
これとは別に、硬化剤組成物硬化剤によって硬化可能な第1の重合性成分を含む液状硬化性組成物は、第1の重合性成分に組み込まれた第2の重合性成分と硬化剤を含んでもよく、この硬化剤は、この第2の重合性成分の硬化条件にさらされると液状硬化性組成物の塊の周りにフィルムを形成する。この場合、確実に液状硬化性組成物の塊内の第2の重合性成分も第1の重合性成分の硬化の際に硬化するように硬化剤組成物硬化剤によって第2の重合性成分の硬化も影響を受けるようにするのが好ましく、および/または確実に第2の重合性成分が第1の重合性成分と非相溶性であり、それより密度が低くなるようにして第2の重合性成分の硬化が影響を受ける前に液状硬化性組成物の塊を覆う第2の重合性成分の液状フィルムを形成する第1の重合性成分から分離(水と油のように)するのが好ましい。第2の重合性成分の硬化剤が第1の液状硬化性成分の硬化に影響を与える効力が無い限り、あらゆる硬化機構を採用することができるが、第2重合性成分の硬化剤は、化学線/光、好ましくは紫外線で活性化されるのが好ましく、第2重合性成分は、適当なレベルおよび形態の化学線/光、最も好ましくは紫外光に晒されることによって硬化することが好ましい。
被カプセル化硬化剤組成物を含む液状硬化性組成物を殻で覆って資材の表面にカプセル化するさらに別の方法は、硬化剤組成物を含む液状硬化性組成物を資材に塗付し、この液状硬化性組成物を第2の液状フィルム形成組成物でコートし、このフィルム形成組成物を硬化させることによって行われる。フィルム形成組成物は、硬化性、重合性または溶液であってもよい。溶液の場合、その硬化は、単に溶媒を蒸発させるだけでよく、これによって液状硬化性組成物上にフィルムが残る。フィルム形成組成物のフィルムが硬化、重合または架橋によって形成される場合、第2の重合性成分の硬化剤が第1の液状硬化性成分の硬化に影響を与える効力が無い限り、実質的にあらゆる硬化機構を採用することができる。第2重合性成分の硬化剤は、化学線/光、好ましくは紫外線で活性化されるのが好ましく、第2重合性成分は、適当なレベルおよび形態の化学線/光、最も好ましくは紫外光に晒されることによって硬化することが好ましい。この工程は、前塗付型がねじ山とねじ山の間の窪みまたはネジ山が設けられた部材または盲穴に塗付される資材に特に適している。
最も好ましくは、本発明の前塗付型硬化性組成物は、硬化剤組成物とのマイクロカプセルとこれとは別個の成分として重合性成分または組成物のマイクロカプセルの両方を含む。通常、被カプセル化材料またはマイクロカプセルは、それらがよく言われるように資材の表面に分散され、適当な結合剤によって保持される。結合剤の選択は、壁材料の組成と、塗布される被接着体、塗布され、および/または用いられる環境、および前塗布型接着剤が資材の表面に塗布される方法を含む、複数の因子によって決まる。
上記で述べたように、資材への塗布のための接着剤および封止剤組成物を調製する際に、カプセルを結合材料の中に分散させる。それぞれの種類のマイクロカプセルを、結合剤系の別個の部分または成分の中に分散させ、次に、それぞれを結合剤系に順番に加えるか、または同時に加えて、組み合わせることができる。担体複合体を使用するので、調製時のマイクロカプセルの破断による早発硬化の懸念は、皆無ではないにしても軽減される。ただし、依然として、マイクロカプセル、特に液状硬化性成分を含むマイクロカプセルに加えられるせん断力をできるだけ小さくすることが望ましい。この問題は、溶液の中の重合体結合剤を含む低粘度結合剤と比べて、高粘度結合剤系で大きい。
結合剤系は、シェル壁および/または接着剤または封止剤を形成するために有用な材料と同じまたは類似の硬化性または重合性材料を用いる硬化性結合剤系であるとよい。適当な硬化性結合剤系は、無水物とアリーレン、アルキレン、アルコキシレン、アルカリーレン、アラルキレン、アルコキシアルキレン、アリールオキシアルキレンおよびアリールオキシアリーレンとの反応によるものを含む。
あるいは、適当な結合剤は、ポリビニルアルコール、スチレン‐無水マレイン酸共重合体およびゼラチンなどの水溶性結合剤ならびにクロロプレン、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、カルボキシル‐またはヒドロキシ‐変性した塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテート、エポキシド、ポリテルペン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、前記のものの共重合体、ポリ(脂肪族カルボン酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸‐カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸 ‐ カプロラクトン)、ポリ無水物、アルブミン、カゼイン、ブチレート樹脂、ポリ酢酸ビニル、二塩基酸とジオールとのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ワニス系およびタール系樹脂ならびにワックス等などの溶媒可溶性結合剤も含む。後者のための有機溶媒は、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、塩化メチレンなどの塩素化溶媒、モノフルオロトリクロロエタンおよびジクロロジフルオロエチレンなどの塩素化/フッ素化炭化水素溶媒、ヘキサンおよびペンタンなどの炭化水素溶剤、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、およびメチルエチルケトン、トルエンおよびベンゼンなどのラッカー溶媒を含む。
参照によってここで組み込まれ、他の箇所でも組み込まれる、当業者に公知の、例えば、パーク(Park)ら(米国特許第5,827,924号)、マツオ(Matuo)(米国特許第6,025,074号)およびバックマン(Bachmann)ら(米国特許第3,814,156号)には、別の結合剤系が開示されている。
特に望ましい結合剤系は、光重合性、すなわち、光、好ましくは紫外線に曝露すると硬化または重合する結合剤系である。そのような結合剤系は、上記で述べたフリーラジカル硬化性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、それらのための適切な光開始剤、および/または任意の光増感剤を含んでよい。適当な光開始剤は、とりわけ、ベンゾイン類および誘導体、ベンゾフェノン類および誘導体、キサントン類、ベンジル、ベンジルケタール(特にベンジルジメチルケタール)、アセトフェノン類およびそれらの誘導体(特にα,α‐ジエトキシアセトフェノン)、α‐ヒドロキシアルキルフェノン類、o‐アシル‐α‐アミノケトン、アシルホスフィンオキシド、特に2,4,6‐トリメチロールベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびアシルホスホネートを含む。別の光開始剤は、置換ピリリウム塩またはアントラセンおよびその誘導体、例えば、置換アントラセン類、あるいはアントラキノンまたはケトクマリン誘導体を含む。光開始剤は、一般に、組成物の約0.5%から約10重量%の範囲内の量で用いられ、組成物全体の約2%〜約4重量%またはそれ以上が望ましい。あるいは、さらに、光重合性結合剤は、光増感剤を含んでもよい。適当な光増感剤は、ベンゾフェノンまたはエオシン、フルオレセイン、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、キサンテン染料、アクリジニウム染料またはフェナジン染料のような染料を含む。そのような光増感剤を含むと、多くの場合、硬化を開始させるために用いられる放射への暴露の強度および/または持続時間が少なくなる。光開始重合のための全般的な指針として、全組成物の約0.005%〜約4重量%またはそれ以上の範囲内の(望ましくは約0.01%〜約1.5%範囲内の)量のパーオキサイド、パーエステル、アゾ化合物、ベンゾイン誘導体、アルファ‐ハロアセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなどの光開始型ラジカル発生成分を用いることも望ましい。
上記の考察は、主に、フリーラジカル光重合に関するものであったが、適切な結合剤系を光イオン活性してもよいと理解される。適切なカチオン性光重合開始剤は、ヨードニウム塩、特にジアリールヨードニウム塩を含む。米国特許第3,729,313号、第3,741,769号、第3,808,006号、第4,250,053号および第4,394,403号にそのようなヨードニウム塩が記載されている。ヨードニウム塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、五フッ化アンチモン、六フッ化ヒ素物または類似物などのアニオンを含む簡単な塩であってよい。望むなら、ヨードニウム塩の混合物を用いてもよい。一般に、ヨードニウムカチオン光開始剤は、増感剤および電子供与体化合物と組み合わせて用いられる。従って、特定のヨードニウム塩の選択は、ある程度、選ばれた特定の重合性成分、増感剤および電子供与体によって決まることがある。
結合剤組成物は、硬化剤の場合に、結合剤の中に含まれている硬化剤が、硬化性組成物の硬化性成分を含むマイクロカプセルが早発破断しても早発硬化または早発重合を起こさせないような硬化剤なら、接着剤または封止剤組成物のための硬化剤および添加剤など、他の成分も含んでよい。従って、所定の硬化性組成物のための開始剤が担体の中にある限り、例えば、促進剤を結合剤の中に分散させてもよい。
結合剤の中に組み込む被カプセル化成分の量は、塗布方法および塗布速度、結合剤の性質および/または組成、ならびに所望の接着または封止を実現するために必要な接着剤または封止剤材料の量によって変化する。溶液中の結合剤重合体を含む結合剤は、一般に、液状硬化性結合剤系より低いレベルの被カプセル化成分を有する。例えば、溶液中結合剤系の前塗布型接着剤および封止剤組成物は、結合剤固体と被カプセル化材料との合計重量を基準として、約30%より少ない、好ましくは約25%より少ない結合剤を含むとよい。一方、100%固体結合剤、例えばUV硬化性結合剤の場合には、結合剤は、結合剤と被カプセル化材料との合計重量を基準として、約40%以上、好ましくは約45%以上の100%固体結合剤を含むとよい。一般に、最も有効な接着または封止を可能にするために、硬化性組成物の量をできるだけ多くすると同時に、結合材料の量をできるだけ少なくするのが好ましい。一般的に言って、これらの量を、従来の被カプセル化接着剤および封止剤の場合に用いられる量と一致するようにする。被カプセル化液状硬化性成分に対する被カプセル化担体複合体の比は、硬化性組成物の種類を含む複数のさまざまなパラメータ、すなわち、付加重合系であるかまたは段階成長重合系であるか、所望の重合度または硬化度、硬化性成分の量および/または化学量論、担体粒子中の硬化剤の量などによって決まる。当業者は適切な組み込みレベルを容易に認識し、または求めることができる。大抵の場合は、担体が存在しなかったら、すなわち、従来の被カプセル化系であったら使用されたであろう量と同じ量の硬化剤を有する被カプセル化担体複合体粒子を使用する。
被カプセル化接着剤組成物は、従来の「変換」または塗布装置および機械を用いる任意の従来のプロセスによって、包装資材に塗布してよい。方法の例は、ロールコーティング、塗装、押し出し、ドライブラッシング、噴霧塗装、スロットコーティング、渦状噴霧塗装、印刷(例えばインクジェット印刷)、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷などを含むがそれらに限定されない。前塗布型接着剤を塗布するために使用する具体的な方法および装置は、変換する包装資材の性質および種類、塗布する接着剤組成物の性質、塗布する接着剤のサイズ、形状、構成、パターン、量等、結合剤の硬化の方法等など、複数の因子によって決まる。当業者であれば、これら特定の用途に適した塗付方法および装置を容易に認識するはずである。
例えばナット、ボルト、ネジ、パイプ、管継手などのねじ山が設けられた部材の特性を有する資材の場合、接着剤は、スプレー、ディップコーティング、はけ塗り、移送塗布(ドラムロールから)によって、または分注器から直接塗布してもよい。同じような塗付方法を資材の保持および/または盲穴の接着に採用することができるが、当然のことながら、これらのいくつかの方法は、雌コネクターの盲穴またはキー溝への前塗付型接着剤の塗付にのみ利用可能であり、一方その他の方法は、雄コネクターのピストンへの前塗付型接着剤の塗付にのみ利用可能である。例えば、ディップコーティングは、後者に利用できるが、前者には利用できない。同じようにノズルによる分注は、前者には利用できるが、後者には利用できない。液状硬化性組成物を塗付するための好適な装置は、例えばネビル(Neville)(米国特許第4,528,938号)およびオルガンザ(Organza)(米国特許第4,353,325号)に教示されており、これらを参照することによって本明細書に引用したものとする。
同様に当業者であれば、液状硬化性組成物を種々の資材、特に液状硬化性組成物を塗付する表面が手動または自動化された手段によって活性化される平坦または実質的に平面な接着面である資材に塗付するのに好適な方法は容易に認識するはずである。きちんと縁取りされたラミネート、磁石、梱包資材では、特定の資材およびその用途に応じて、液状硬化性組成物をあらゆる数の特定のパターンまたは特定のデザイン、形状、外形に塗付することが可能である。このようなパターン、デザイン等は、上述の種々の方法、特にスクリーンまたはステンシル印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、ロールコーティング、スロットコーティングなどの印刷方法で行うことが可能である。これとは別に、前塗付型接着剤をスプレー、はけ塗り、ノズル分注、押し出しなどによって資材表面に敷設してもよい。
好ましい態様では、接着剤または封止剤組成物は、高速の産業用変換プロセス中でインライン塗布される。これによって、資材が従来の装置を使用して最終用途に調製/変換される。この場合、接着剤の塗布は、変換プロセス中におそらくいくつかある作業ステーションの一つで実行される。ここでは接着剤の塗布に関して問題が起きても、資材が使用される実際の製造工程に対する影響はなく、悪影響を受けた資材は、最終用途の塗布へ送る前に、取り除くことができる。当該変換プロセスは、連続式にしてもよく、または不連続式、すなわち停止および進行させ、各作業ステーションでそこで意図される作業を完了させるようにしてもよい。例えば、前塗布した接着剤が資材に確実に結合し、指触乾燥状態または実質的指触乾燥状態になるように、接着剤を塗布する作業ステーションの後は、結合剤組成物の硬化させる作業ステーションとなる。変換後、本発明の実施形態によって製造した資材は、変換を行った場所で貯蔵するか、出荷し、貯蔵施設に貯蔵するか、または必要となるまで最終使用の場で貯蔵する。
既に述べたように、前塗布型接着剤または封止剤の活性化は、高せん断混合によって、あるいは、加熱すると流動化する担体の場合には、加熱と組み合わせた中程度のせん断混合によって行われる。担体の独特な物理的特性のため、前塗布型接着剤および封止剤の活性化のためのほとんどの従来のプロセス(例えば圧入、指圧、単一ロールプレスまたはブレードプレス)は、硬化性組成物の十分な硬化を実現するのに十分な量の硬化剤を暴露し、または利用できるようにするのに足りない。ある程度の放出および硬化をもたらすことはできるが、硬化性組成物の中の粘着結合または若干の粘度上昇を提供するのに十分な程度に終わる可能性が高い。それとは異なる十分な活性を保証するために、担体複合体および硬化性成分を十分に捏和しなければならない。活性化するために高目の混合しきい値が必要な前塗布型接着剤を作り出し、用いることによって、従来の前塗布型材料でしばしば起こる早発硬化、予想外の接着などの問題を回避することができる。
前塗布型接着剤の活性化は、手動式で行ってもよいが、好ましくは、アクティベーター手段、すなわち、装置または機械によって自動で行われる。手動の場合、マイクロカプセルを破断させ、担体をすりつぶすか、または素練りし、それによって、十分な硬化剤を液状硬化性成分に暴露し、混合させるのに十分な圧力で、ブレードまたはその他の類似の器具を前塗布型接着剤または封止剤組成物の上に繰り返し引かなければならない。ねじ山が設けられた組み立て体の場合、単なるねじ込み作業だけで、多くの場合、前塗付型接着剤および封止剤の成分をせん断混合するには充分であるが、ねじ山が設けられた部材が完全に回転するものではない場合、確実に活性化するためにねじを締めたり、緩めたりを何回か繰り返すのが好ましい。同様に保持および盲穴の接着用途の場合、対合する2つの部品の移動の度合いが硬化性組成物を適切に活性化するのに充分でない場合、一方の部品を他方の部品に対して回転させるおよび/または部品を何回か引き抜いたり、再度挿入して、充分な硬化剤が硬化性組成物に対して利用可能になるようにする必要があり、かつ、好ましい。一般的に言えば、単純な試行錯誤によって特定のねじ山が設けられた資材に必要なねじ込みの度合いおよび特定の保持または盲穴接着用途に必要な追加の動作を直ぐに確かめることができる。
好ましい態様、特に前塗付型接着剤が実質的に平面または平坦な接着面、例えば資材のフランジまたはその他の比較的平坦な表面領域に塗付される場合、前塗付型接着剤および封止剤の活性化は、自動アクティベーター手段によって行われ、自動アクティベーター手段は、前塗布型接着剤または封止剤を活性化する独立装置または機械、あるいは大型の産業用組み立てプロセスまたは製造プロセスに統合された機械のどちらでもよい。それぞれをいつ用いたらよいかについては、かなりの分野が重複するが、活性化済み硬化性組成物の硬化速度が非常に速い、1秒以下のオーダーの場合、インライン自動活性化および組み立てが必要になる。硬化速度が遅いと、例えば、長い放置時間をおく場合は、アクティベーター手段が独立装置であるとき、または続く組み立て工程が自動化工程ではなく手動工程である場合、特に有利である。例えば、接着または組み立て作業が工業的な組み立て作業工場ではなく、その場での組み立ておよび設置の場所で行われる場合、携帯アクティベーターが好ましく使用される場合がある。
インラインアクティベーター手段の場合、アクティベーター手段は、固定式であってもよく、あるいはロボットアームまたは類似の装置に取り付けたものであってもよく、またはロボットアームまたは類似の装置の部品であってもよい。非平面資材に使用するのに特に好適な後者の場合、アクティベーター手段は、作動モードでは活性化作業ステーションの中でインライン状態にあり、休止モードではオフラインであり、活性化作業ステーションの実際の作業部位から後退している。あるいは、可動式にすると、活性化工程の間に、アクティベーター手段が組み立てライン装置に対して静止せず、移動するようなものであってもよい。これによって、資材が、連続式または不連続式のどちらかで作業ステーションを通過するとき、アクティベーターは、前塗布型接着剤を塗布した資材の区間の上を通り過ぎるかまたは強打する。いずれにせよ、これらの装置は、組み立てラインに直接統合され、既存のラインの場合には、存在していた場合、それまで、液状または流動性接着剤を塗布し、接着剤を硬化させていた作業ステーション、または、必要なら、従来の前塗布型包装用接着剤で使用していた加熱ステーションの代わりとするとよい。資材が平らである場合、または、包装資材が活性化ステーションを通過するときでも、アクティベーター手段を移動させずに前塗布型接着剤または封止剤に作用させることができるように、資材が構成されている場合の特定の利点は、プロセスを連続式にすることができ、組み立てラインの残りと合う速度のプロセスにすることができるということである。従って、これらの包装資材は、きわめて高速の操作を含む、高速の操作に特に適している。そのような操作の例は、ボール紙ブランクが、最大毎分300フィート以上の速度で組み立てラインを通過する包装操作である。最適に達しない活性の場合でも、最大毎分250フィート以上の速度を実現することができる。このような高速の組み立ては、毎分150フィート程度の速度しか実現しないほとんどの従来の自動組み立て操作とは明らかに対照的である。
おそらく、アクティベーター手段の重要な態様は、前塗布型接着剤または封止剤と直接接触し、活性化させるアクティベーター手段の部分、すなわちアクティベーターヘッドである。アクティベーターヘッドの設計、構造および性質は、担体の組成および性質、ならびに前塗布型接着剤または封止剤の硬化特性、組成および構造によって広く変化させてよい。例えば、担体がホットメルト、ワックス材料または別の感熱材料なら、近づいてくる加熱素子からの伝熱によって、またはアクティベーターヘッド自体への加熱素子の統合化によってアクティベーターヘッドを加熱し、これによって、担体をメルト状態、軟化状態または流動状態に変換する。この状態では、硬化性組成物の他成分が担体中の硬化剤を利用することが容易になり、その結果、硬化性組成物の硬化を実現するためには、中程度のせん断および/または混合しか要らなくなる。
最も簡単な実施態様では、アクティベーターヘッドは、一個または一連のブレードを含む。ブレードの端と、接着剤または封止剤を前塗布した資材の表面との間には若干の角度を設け、これによって、ブレードが資材を横切ると、または一個または二個以上の固定ブレードの場合に資材が一個または一連のブレード上を通過するとき、硬化性成分を含むマイクロカプセルおよび担体複合体は圧壊され、磨砕される。好ましくは、適切な活性化を確実にするために、一個または一連のブレードを振動させるか、往復運動させるか、または揺動させ、これによって、必要に応じて、ブレードまたは資材の通路に対して迅速な横方向または円運動を生じさせる。アクティベーターブレードのこの補助運動は、単一ブレードを使用する場合に特に重要であるが、二つ以上の連続ブレードを使用する場合にも有利である。好ましくは、ライン速度を上げるとき、補助運動の周波数または速度も上げ、適切な混合を確実にする。
好ましいアクティベーターヘッドは、動作面、すなわち、前塗布型接着剤または封止剤を塗布した資材の表面に面するアクティベーターヘッドの表面が、表面から突き出た複数の構成要素を有するものである。これらの構成要素は、操作時、基本的に、接着剤または封止剤の成分を緊密に混合する一方、接着剤を含むマイクロカプセルに外力を加え、破断させ、および/または、続いて緊密に混合してから、活性化済みの接着剤を回収し、資材の表面に再度堆積させる。このような構成要素は、一連の稜線、ダム、角錐および/またはバンプなどを含んでよい。ダムは、前塗付型接着剤または封止剤組成物を移動させ、その配置を案内し、該組成物を捏和し、混合する役割を果たす。基本的に、これらの要素の作用は、積雪面を除雪するときの除雪装置の除雪ブレードの作用に非常によく似ている。先導するダムの後には他の突起物、例えば、バンプ、稜線、角錐などが続き、流れせん断を作り出し、定められた区域の中の接着剤または封止剤の運動方向を変化させ、従って、それらの捏和および混合を促進する。これらの混合用要素の後に、別のダムまたは一連のダムを置く。これらは、活性化済み接着剤または封止剤を回収し、必要に応じて分割し、一個または一連の盛り上がった平行なビーズの形で資材の表面に残す。幅の広い接着剤または封止剤の帯が望ましければ、動作面と資材の表面との間に若干の角度ができるように動作面を構築するとよい。こうすると、動作面と資材との間のギャップは、前部、すなわち、接着剤が動作面と最初に接触する場所で、接着剤が動作面を離れる後部より大きくなる。従って、接着剤が最後のダムに沿って通過するとき、動作面がビーズを平らに延ばし、活性化済み接着剤または封止剤の帯を形成させる。あるいは、活性化済み接着剤または封止剤組成物を回収し、集める、動作面の一連のチャネルを用いて、同じ結果を実現してもよい。これらのチャネルは、高いピークを有してもよく、または、それらの深さにテーパをつけ、それによって、接着剤または封止剤の幅の広いビーズまたは帯を提供してもよい。同様に、チャネルの幅を変化させ、活性化済み接着剤または封止剤の幅の広いまたは幅の狭いビーズまたは帯を設けてもよい。参照によって本明細書に内容が組み込まれる、本願と同日出願の「前塗布型接着剤のためのアクティベーター手段(Activator Means for Pre‐Applied Adhesive)」と題するジョンレイザー(John Lazar)らの米国特許出願には、適当なアクティベーター手段が開示されている。
アクティベーターヘッド、特にその動作面の寸法を変化させてもよい。もちろん、前塗布型接着材料の使用を最適化するためには、アクティベーターヘッドの幅は、少なくとも前塗布した接着剤のすべてが動作面の作用を受けることを確実にするのに必要なものにする。アクティベーターヘッド、ひいては動作面の深さまたは長さは、所定の硬化性組成物について望まれる滞留時間、すなわち、硬化性組成物が捏和および混合力の作用を受ける時間の長さによって決まる。アクティベーターヘッド、ひいては動作面を設計するとき考慮する重要なパラメータは、担体の性質、および十分な硬化剤が液状硬化性成分に暴露され、利用することができることを確実にするのに必要なせん断および混合の量である。もちろん、自動組み立てライン操作の場合、組み立てラインの速度、特にアクティベーター手段を通る資材の速度は、動作面の最終的な最適設計を定める上で重要である。
一般的に、アクティベーター手段は、作用する相手の包装資材の表面との接触、あるいは、作用する相手の包装資材の表面との間の一定の、または実質的に一定のギャップまたは距離を維持するようなものである。この点に関し、アクティベーター手段は、資材の厚さまたは表面の変化を感知する手段を有してもよく、これにより動作面の資材の表面に対する適切な配置を維持するようにアクティベーター手段が厚さの変化に対応して垂直方向に移動する。これは、資材の表面で前塗付された接着剤または封止剤を流動させることによって活性化を行う装置において特に重要である。例えば、ダムの上部と資材の表面との間の距離が前塗布型接着剤または封止剤の高さより大きければ、接着剤または封止剤は混合も活性化もされない。この距離が前塗布型接着剤または封止剤の厚さの半分より大きいと、良好な接着または封止を提供するには不十分な混合になることがある。従って、アクティベーター手段の動作面と資材の表面との間の接触、またはできるだけ近い近接度を維持することが望ましく、意図される。例えば、スプリングなどの緊張手段を用いて、アクティベーターヘッドと資材表面とが接触するまたは殆ど接触するようにすることも可能である。
既に述べたように、硬化性組成物および/または担体が感熱性である、すなわち、硬化させるためまたは硬化剤を放出させるためにそれぞれ必要に応じて熱を必要とする場合、アクティベーター手段、特にアクティベーターヘッドを加熱するとよい。しかし、このような加熱型アクティベーター手段は、硬化性組成物または担体の熱感度にかかわらず、あらゆる用途で有利なこともある。詳しくは、アクティベーター手段の中の、好ましくはアクティベーターヘッドの局所的な、最も好ましくは動作面の局所的な熱は、アクティベーターヘッドそれ自体に硬化性組成物が蓄積および/または凝塊するのを防ぐことが分っている。いかなる理論にもこだわるものではないが、熱は、液状成分の粘度を低くし、それによって、アクティベーターヘッドのさまざまな要素を通過する硬化性組成物の流れを改善するのを助けると考えられる。この点について、粉砕された結合材料および/またはシェル壁が液状成分の中の充填材として働き、液状成分を増粘するが、この増粘効果は、液状成分の温度を増加させることによって打ち消されると考えられる。この点について、加熱は、既に述べたような手段によってもよく、あるいは誘導加熱および/または、例えば、超音波ホーンの使用による超音波加熱を含む他の手段によってもよい。本発明では加熱を最小限にすることが望ましいので、可能であれば、加熱をアクティベーターヘッドの活性化に拘る領域に集中させることが最も好ましい。
上述のアクティベーター手段の他に、自動組み立てラインの活性化作業ステーションまたはすぐ次の作業ステーションの装置にさらに変更を加えて加熱手段を備えてもよい。この加熱手段は、好ましくは、接着剤を有する表面とは反対の側から材の作業表面に熱を加え、熱によって活性化/硬化される接着剤組成物の場合に硬化を加速するか、または硬化させるのを補助する。加熱手段は、活性化の際および活性化後に接着剤が作用を受ける位置の資材の部分への背面支持体として働く台を含んでもよい。包装材用途では、包装材料のフラップを折り、閉合するのを補助し、フラップ同士を接触させてフラップの閉合を行うガイド要素の中にも加熱手段を組み込んでよい。さらに別の形態としては、空気を加熱する加熱手段を備えることが挙げられる。加熱した空気を、作業面または作業面の反対側に向かわせ、それによって、接着剤の下の資材部分を加熱させる。一般的に、本発明の実施において使用される活性化装置および組み立て装置中には、多くの場合にインライン印刷物に用いられるものを含む任意の数の加熱手段を組み込んでよく、このことは当業者には自明である。
本発明の資材、ならびに本発明の資材の製造および使用のための方法には、従来の前塗布型接着剤を用いる同様な資材と比べても、前塗布型であると否とにかかわらず従来の他の種類の接着剤を用いる他の組み立ておよび製造プロセスと比べても、複数の改善された特質および利点がある。これらの多くについて、既に考察するか、または述べ、あるいは本明細書によって直ちに自明であり、固有である。
資材という観点から、担体複合体を使用する結果として、従来の被カプセル化接着剤および封止剤で使用するには適していない多くの資材は、前塗布状態で用いることができないことは明らかである。さらに、すべての資材用途で、被カプセル化担体複合体の剛性または硬さのため、およびシェル壁が破断しても内部に収容された硬化剤が放出されないため、これらの資材はより安定である。従って、これらの資材は、硬化も早発活性化もさせずに、従来の被カプセル化接着剤では可能でないような用途で使用し、従来の被カプセル化接着剤では可能でないような方法で取り扱うことができる。最後に、これらのマイクロカプセルは、被カプセル化担体複合体のより高い強度または剛性/硬さによって、硬化性組成物の他の被カプセル化成分の空間的な保護体として働く。このような高い強度は、全体または部分的にシェル壁によるものであるが、本発明は、構造的結合性に乏しいまたは強度の弱いシェル壁にも適用可能であることも重要である。具体的には担体材料によっては、被カプセル化硬化系マイクロカプセルの構造的結合性は、被カプセル化担体自身に大きく依存する場合がある。このような場合、担体内の硬化剤はまだ利用可能にはならないので、セル壁の早発の破砕または破壊に関する心配は殆どない。これによって、液状硬化性成分のために薄手のシェル壁を用い、従って、所定量の接着剤または封止剤に対して、より多くの液状硬化性材料を提供することが可能になる。
工業的用途、特に高速で行われる組み立ておよび製造作業の観点から、本発明は、現場で使用される接着剤または封止剤に代えて前塗付型接着剤を使用することを可能にする。この点に関し、自由に流れる接着剤も接着剤分注器も必要としないので、製造される製品または組み立てライン自体の装置を詰まらせたり、汚染することがない。さらに本発明の前塗付型接着剤または封止剤が不適切に塗付された資材をそれが組み立てラインに到達する前に作業から取り除くことができる。これは、液状接着剤およびホットメルト接着剤を使用する際に問題が発生した場合にプラント全体ではないにしても組み立てラインを停止しなければならなかった製造業者にとって多大な費用の節約につながる。
以下の非限定的な実施例によって、本発明の別の範囲および理解を例示し、提供する。
本発明の有用性を実証するために、被カプセル化硬化剤組成物、被カプセル化液状硬化性材料、およびマイクロカプセルを包装資材表面に接着させるための結合剤を含む複数の新規な前塗布型接着剤組成物を調製した。前塗布型接着剤を作る際に使用したさまざまな材料の一覧を表1に示す。














































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被カプセル化硬化剤組成物
本発明の実施において用いられる前塗布型接着剤の重要成分である、被カプセル化硬化剤組成物(以下、「ECC」とも呼ぶ)を、多段階プロセスで作った。多段階プロセスは、ECCマイクロカプセルの内部相、すなわち、担体材料、または担体をインサイチュ重合させるならそのための前駆体、および内部に収容する硬化剤の調製と、後続する一段または二段以上の壁形成工程またはカプセル化工程を含んでいた。一般的に、可塑剤、重合体増粘剤および/または粘着剤樹脂を適切な槽またはビーカー中の重合性モノマーに加え、すべての固体がモノマー中に溶解するまでこの組み合わせを室温で撹拌することによって、内部相を調製した。それから、熱的により敏感な成分、特に、担体中に組み込む硬化剤、例えばパーオキサイド系およびアゾ系開始剤をこの混合物に加え、すべての固体が完全に溶解するか、実質的に溶解するまで、高温、通常は45℃で一定の撹拌または混合を行った。樹脂のモノマーへの溶解が温度に依存しないようで、非常に長時間を要するので、最初の混合工程を室温で実行した。一方、硬化剤の混合は温度に強く依存し、従って、この工程は、高温が好ましい。もちろん、高温ですべての成分を別の順に加えてもよいが、樹脂がモノマーに溶解する速度が遅いので、長時間そのような高温にすると、硬化剤の能力または効力に悪影響を及ぼすことがある。
一相、二相または三相多段階プロセス、好ましくは、二相多段階プロセスによってECC内部相のカプセル化を行った。特に断らない限り、窒素ブランケット下、内部の成分の良好な混合を確実にするための一体化された撹拌手段を有するジャケット付きスチール槽または反応器の中ですべてのカプセル化プロセスを実行した。
二相カプセル化プロセスは、以下の一般的な工程を含んでいた。
‐ ポリアクリル酸(C‐121…)コロイド、水酸化ナトリウム(5%溶液)および水の緊密な混合物を反応槽中で調製した。
‐ その後、部分メチル化メチロールメラミン樹脂溶液(サイメル(Cymel)385)を上記の混合物に一定撹拌下で加えた。この材料は粘度が高かったので、通常は4分間かけて添加を実現した。
‐ メラミン樹脂の添加が完了したら、ECC内部相材料を一定撹拌下で混合物に加えた。
‐ ECC内部相材料を緊密に混入させたら、通常は約16分後に、室温、または好ましくは若干高い温度で、高せん断条件を反応混合物に加えて、ECC内部相材料の液滴の所望の粒子サイズを実現した。一体化型または投入型撹拌機構を用いて、高せん断条件または乳化条件を実現した。定期的に粒子サイズ測定を行って乳化の進行を評価した。
‐ 乳化プロセスの完了の少し前、普通は約5分前に、第二相カプセル化プロセスのための壁形成組成物を調製した。前と同じく、部分メチル化メチロールメラミン樹脂をポリアクリル酸コロイド、水酸化ナトリウムおよび水を含む混合物に加えることによって、第二相壁形成組成物を調製した。
‐ 乳化プロセスを停止してから約5分後に、調製済みの第二相壁形成組成物を、終始一定撹拌下に維持されていた混合物に加えた。
‐ 第二相壁形成組成物を添加したら、塩、好ましくは硫酸ナトリウムを混合物に加えてカプセル化プロセスを完了した。
‐ その後、約2時間以下、好ましくは約1時間以下の時間をかけて、反応混合物の温度を徐々に所望の反応温度に上げ、長時間この温度に維持してカプセル壁の完全な形成ならびにECC内部相材料の重合を確実にした。
明らかに、上記の順序は、本発明の実施に利用することができると考えられる多くの一つに過ぎず、実施形態への多くの変更形および変化形を使用しても成功することは、当業者には自明である。例えば、壁形成材料とECC内部相材料とを同時に加えてもよく、あるいは逆の順序で加えてもよい。しかし、壁形成材料は、内部相材料の乳化プロセスを支援することがあると思われるので、指定した順序が特に望ましい。さらに、撹拌翼自体の種類、サイズおよび形状、ならびに撹拌翼の速度を含む複数の因子によって、乳化プロセスのタイミングを変化させる。せん断を高くするほど粒子サイズを小さくすることができるが、所定の時点を過ぎた後は、高せん断混合を続けても、材料の粒子サイズはそれ以上変化しないことは、当業者には自明である。カプセル化プロセスの間、およびカプセル化プロセスの後で、パーティクルサイジングシステムズ(Particle Sizing Systems)製のアキュサイザ(Accsizer)780型粒子サイズ機器を用いて、粒子サイズ測定を行った。
表2は、以下の本願の実施例で使用したECCの内部相およびシェルまたはカプセル壁の具体的な調合を示す。すべての量をグラムで示す。これらの実施例のそれぞれで、カプセル化と同時にまたはカプセル化の後に、内部相担体をインサイチュ重合した。ECC6を除いて、表2のセル壁形成材料を用いる前述の二相カプセル化プロセスによって、表3の反応条件および時間で、ECCマイクロカプセルを調製した。ECC6の場合、二段階重合によってシェル/インサイチュ形成担体を形成し、最初の段階を65℃で6時間実行し、その後、温度を80℃に上げ、さらに約6時間、反応を続けた。形成されたマイクロカプセルの物性値、すなわち、平均粒子サイズおよびセル壁含有率も表3に示す。






























Figure 0005090335
Figure 0005090335
被カプセル化硬化性材料
本発明の実施例において用いられる前塗布型接着剤の第二の成分は、被カプセル化硬化性材料である。(以下「ECM」とも呼ぶ)。以下の一般的なプロセスによってECMを調製した。
‐ ECM内部相のための成分を、すべての成分が溶解するまで窒素ブランケット下で混合し、以後の使用に備えて保持した。
‐ メラミン樹脂を除くセル壁相Iのすべての成分を25℃でスチール反応器に加え、低せん断、すなわち300rpmで混合した後、メラミン樹脂を加え、低せん断でさらに4分間混合した。
‐ 次に、調製したECM内部相調合物を反応器に添加し、300rpmでさらに16分間緊密に混合した。
‐ 次に、3000rpmの高せん断乳化をこの混合物に25℃で75分間加えた。この時間の間の前述の反応器混合物の乳化工程の完了の約5分前に、メラミンを第二相壁組成物の他の成分に加えて第二相壁形成材料を調製した。
‐ 乳化が完了したら、続けて、平面パドルミキサーを用いて反応器の中の混合物を低せん断、すなわち300rpmで混合した。
‐ 乳化工程の停止の約5分後、第二壁形成組成物を混合物に加えた。用いる場合は、続いて、硫酸ナトリウムを加えた。
‐ その後、約2時間かけて徐々に反応器温度を65℃に上げ、65℃でさらに8時間低せん断混合で反応混合物を維持した後、ECMマイクロカプセルを回収した。
表4は、以下の実施例の中で使用されるECMのそれぞれの内部相、すなわち硬化性材料、およびシェルまたはカプセル壁の特定の調合を示す。すべての量をグラムで示す。ECM IおよびECM Lを除くと、上記で述べた反応条件下で表4のセル壁形成材料を用いて、前述の二相カプセル化プロセスによってこれらのECMマイクロカプセルを調製した。ECM Iの場合、三相プロセスによってセル壁を形成した。ECM Lの場合、45℃、4000rpmで20分間、壁形成材料と内部相との混合物を乳化させ、続いて68℃で8時間反応させた。
Figure 0005090335
結合剤組成物
本明細書の実施例の中で使用する前塗布型接着剤組成物の最後の成分は、結合剤である。いくつかの異なる結合剤系、すなわち、3つの水系溶液および7つの100%固体UV硬化性コーティングを使用して、本発明の広い概念をさらに実証した。水系結合剤のうちの2つおよびUV硬化性結合剤系のそれぞれの調合を表5に示す。すべての量を重量部で示す。UV硬化系の場合、紫外線に曝露されないように注意して、従来の混合装置を用いて周囲条件下でこれらの結合剤系を調製した。
〔実施例1〕
結合剤B1(合計6部)、20重量部のECM Aおよび74重量部のECC 1を一緒に混合することによって、水系前塗布型接着剤組成物を調製した。16番ロッドを用いてポリビニルアルコールの5%溶液をコーティングして一片の硬質ボール紙を前処理した。次に、50番ロッドを用いて接着剤組成物を処理済み表面に塗布した。コーティングを風乾させ、かみそりの刃を用いて、手の圧力で刃の端を前塗布型接着剤の上に素早く10回走らせることによって手動で活性化した。次に、硬質ボール紙を折り畳み、手の圧力で10秒間保持した。硬質ボール紙は、手の圧力を解除した後、接着したままであった。
〔実施例2〕
結合剤B2(合計18.9部)、52重量部のECC 3、14.2重量部のECM Bおよび14.2重量部のECM Cを一緒に混合することによって、第二の水系前塗布型接着剤組成物を調製した。この組成物を、粘土被覆ニュースバックストック(リサイクル新聞紙製のボール紙)資材の粘土側に薄膜(0.006インチ)として塗布した。コーティングを風乾させてから、かみそりの刃を用いて、手の圧力で刃の端を前塗布型接着剤の上に素早く10回走らせることによって手動で活性化した。次に、指の圧力を用いてニュースバックストックを折り畳み、シリアル用カートンのフラップの閉合を模擬した。ニュースバックストックは、手の圧力を解除した後、接着したままであり、1分後に引き剥がしてみると、強く接着されていることが分った。5分間および1時間硬化させた組み立て品を引き剥がしてみると、繊維引き裂きを観測した。
























Figure 0005090335
〔実施例3−11〕
本発明の実施における評価のために、一連のUV硬化性結合剤中の前塗布型接着剤組成物も調製した。表6にこれらの前塗布型組成物の構成を示した。被カプセル化硬化性材料(ECM)の組成は表4に示した通りであり、具体的な結合剤システムの組成は表5に示した通りであり、被カプセル化硬化剤組成物(ECC)の選択は表2に示した通りである。表6の中のすべての量は重量パーセントで示してある。
これらの各実施例では、ボール紙シリアル箱資材から切り取った幅3インチ×長さ5インチのカードの主軸の中央線の上に、幅0.5インチ×厚さ0.006インチの薄膜ストリップとして接着剤組成物を塗布した。カードの繊維側に接着剤を塗布し、UV灯下で硬化させた。ここでの参照によって本明細書に内容が組み込まれるジョンレイザー(John Lazar)らの「前塗布型接着剤用アクティベーター手段(Activator Means for Pre‐Applied Adhesives)」と題する同日出願の米国特許出願に記載されている特別製のアクティベーター装置を用いて、接着剤を活性化し、カードを同様なカードに接着させた。この装置は、挿入ステーション、アクティベーターステーションおよび接着ステーションを含み、挿入ステーションからアクティベーターステーションを通って延在し、接着ステーションで終るレール、およびレールの上を移動することができるそりを有していた。調製した試料を試験する際は、接着剤側を上に向け、主軸をレールの主軸と平行にして、接着剤を前塗布したカードを、減圧吸引機能を有するそりに据え付けた。次に、そりを、毎分150から250フィートの間の速度でレールの上を移動させ、アクティベーターステーションを通過させた。アクティベーターステーションでは、一つ以上の稜線、ダムまたはその他の構造物を備える表面を有する固定式アクティベーター手段が、接着剤をカードから持ち上げ/かき取り、それによって、マイクロカプセルを破断させ、マイクロカプセルの中身を混合し、活性化済みの接着剤をカードの上に再度堆積させる。次に、接着ステーションにそりを移動させる。接着ステーションでは、約5psiの圧力を約2秒間加え、相手カードを活性化されたカードと対合させる。接着が済んだら、カード組み立て品を4週間静置し、その後、各組み立て品の最終剥離接着強さおよび最終せん断接着強さを測定した。各接着剤システムの5つの組み立て品について試験を実行し、結果を平均して、表6に示した。
Figure 0005090335
200ポンドのロードセルを有するスゥイング‐アルバートイージェイエイ材料引張り試験機(Thwing‐Albert EJA Tensile Tester)を用いて、TAPPI条件下で、剥離接着強さおよびせん断接着強さ試験を実行した。試験機の設定値は、以下の通りであった。試験速度毎分12インチ、感度0.5ポンド、ゲージ長1.75インチ。試験の際には、各試料をクランプ、すなわち変形バイスグリップの中に置き、バイスの咬合部をカードの長さ方向に向け、接着部と平行に接着区域の上に当て、それによって、試験前に接着区域を固定した。クランプに張力を発生させ、締りばめとしたが、接着ラインに圧力が加わらないようにした。次に、クランプした組み立て品を折り畳み、以下の特定の試験に備えた。
剥離試験:剥離試験を実行する際には、クランプから延びている組み立てられたカードの露出した未接着の「フラップ対」を、クランプの中の組み立てられたカードに対してそれぞれ反対の方向に90°になるように、クランプの端に沿って折り返した。こうして折ったカードを一端から見ると、「T字」状になった。次に、組み立て品を引張り試験機の咬合部の中心に置き、各フラップを対向する咬合部に置いた。これで、組み立て品を試験する準備が完了した。
せん断試験:せん断試験を実行する際には、組み立てられたカードの露出した未接着の「フラップ対」のうちの一つフラップの一隅を犬の耳の形でカード組み立て品の方へ90°折り返し、カードの上にある三角形の犬の耳の形にした。次に、カード組み立て品の他方のカードの反対側の端を同様な犬の耳の形にし、こちらの犬耳をカード組み立て品に対して第一の犬耳形と反対の90°の方向に延在させた。次に、引張り試験機の各咬合部をこれらの犬耳形の一方に取り付けた。これで、組み立て品を試験する準備が完了した。
〔実施例12〕
本発明の組成物の締め具ねじ止め係止用途における有効性を評価するために前塗付型接着剤組成物を調製した。この場合、表5に示した23重量部の結合剤B9と、表4に示した20重量部のECM Kと、表2に示した57重量部のECC 7とを用いて組成物を調製した。
これら組成物の有効性を試験するために、0.5インチ幅の環状の接着剤組成物の帯をを複数の長さ1/2インチ、直径1/4インチのボルトのねじ山に塗付した。このコーティングされた接着剤組成物は、UV光の下で硬化させた。ナットを接着剤帯の上縁に到達するまで、ボルトに手でねじ込んだ。この組み立てられたものを数時間放置し、その後、ナットを手で取り外そうとしたが、取り外すことはできなかった。実際の接着強度は測定しなかったが、接着剤組成物は、硬化し、有効な接着面を形成したことは明らかである。
〔実施例13〕
30重量%のECC 9、60重量%のECM Lおよび10%のラテックス結合剤、ジョンクリル(Joncryl)1680を含む前塗布型接着剤組成物を調製した。この調合物を3インチ×5インチのアルミニウム板の長さ方向の中央線に厚さ6ミリ、幅1/2インチのストリップとして塗布した。ホットエアガンを用いてコーティングを乾燥させて水溶媒の蒸発を促進し、活性化された接着剤の二つのビーズを提供する構成を有する実施例3〜11の実験室用アクティベーターを用いて活性化した。活性化後、同じサイズの第2のアルミニウム板を、中程度の手の圧力で、第1の板の接着剤ビーズの上に置いた。約2日間、接着剤を硬化させると、2つのプレートは一緒に接着されていた。
〔実施例14〕
実施例13の前塗付型接着剤を直径3/8インチのパイプのねじ山にディッピングによって塗付した。余分な接着剤を取り除き、残りの接着剤をホットエアガンを用いて乾燥させた。前塗付型接着剤を含むねじ山が設けられたパイプに手でエンドキャップをねじ込み、パイプとキャップが一緒に動くまで締め付けた。この組み立てられたものを約2日間、放置した。硬化後、キャップはかなりの力を加えないと取り外すことができなかった。
〔実施例15〕
保持用途を実証するために、約3/4インチの厚さのスチールプレートにそれぞれ直径約1/2インチの穴を6個ドリルで開けた。これらの穴とほぼ同じ直径のスチールプラグを準備した。これらのペグは、穴に僅かに押し込むだけで嵌め込まれたが、手で回すと自由に回転した。これらのペグを実施例13の接着剤コーティング中に浸し、余分なコーティングを取り除き、残りのコーティングをホットエアガンを用いて乾燥させた。乾燥した前塗付型接着剤を含むペグを再度ドリルで開けた穴に挿入して、1回転またはそれ以下、回転させた。回転させた際に抵抗が感じられた。ペグを数日間放置し、その後ペグは、手でかなり力を入れないと回転しなかった。1つのペグは、トルクレンチを使用しないと回転しなかった。
〔実施例16〕
プラスチック表面への本発明の適用可能性を実証するために、大体幅8インチ×長さ5インチの寸法のタイベック(登録商標)(Tyvek(R))ポリエチレン封筒の長方形の切り抜きに、60重量%のECC 9、30重量%のECM Lおよび10%のラテックス結合剤、ジョンクリル1680を含む前塗布型コーティング組成物を、幅1/2インチ、厚さ6ミリのストリップとして塗布した。一端から約2インチのところに長さ方向に接着剤を塗布した。ホットエアガンを用いて接着剤を乾燥させ、続いて、実施例3〜11のアクティベーター手段を用いて活性化させ、その結果、活性化された接着剤の2つのビーズを得た。接着剤を活性化させた後、長方形の切り抜きを長さ方向に折り畳み、基本的に4インチ×5インチの長方形に形成した。次に、接着ラインの上に指の圧力を2、3秒間加え、対合表面の間の良好な接触を確実にした。接着剤を硬化させると、接着が形成されていた。
以上の特定の実施態様および実施例によって本発明を説明してきたが、本発明の概念を利用する他の実施態様は、本発明の範囲から逸脱することなく可能であると理解すべきである。本発明は、請求項に記載の要素と、請求項に記載の要素に包含され、または具現される基本原理の技術思想および範囲に属する任意およびすべての変更形、変化形または均等物とによって定義される。

Claims (31)

  1. 被カプセル化液状硬化性材料と、別個の被カプセル化硬化剤組成物とを含む硬化性接着剤組成物であって、前記硬化剤組成物は、少なくとも一つの硬化剤と、担体材料とを含み、該硬化剤は、液状硬化性材料を直接的または間接的に硬化させることができ、かつ非流動性であるが、所定の外力または温度が印加されると流動性とな前記担体材料は、揺変性材料又は潜在的揺変性材料であるか、又は揺変性材料又は潜在的揺変性材料をその現場で発生させる材料である、硬化性接着剤組成物。
  2. 被カプセル化硬化剤組成物が、
    a)前記担体材料と、
    b)前記担体材料に含まれる硬化剤と、
    c)前記担体を包む重合体カプセルとを含み、
    前記担体材料は、非流動性であるが、所定の外力または温度が印加されると流動性となる、天然または合成の材料または組成物である、請求項1に記載の硬化性接着剤組成物。
  3. 前記担体材料が、
    (a)パテ状もしくはゲル状の性質を有するか、または、
    (b)固体または半固体であり、且つ、
    (i)前記液状硬化性材料に可溶性であるか、
    (ii)前記液状硬化性材料によって軟化されるか、
    (iii)前記液状硬化性材料が硬化する反応条件で軟化されるか、
    (iv)前記液状硬化性材料が硬化する環境条件で軟化されるか、
    (v)前記硬化剤を前記硬化性接着剤組成物の他の成分に暴露するプロセスによって軟化されるか、
    (vi)前記液状硬化性材料によって流動性になるか、
    (vii)前記液状硬化性材料が硬化する反応条件で流動性になるか、
    (viii)前記液状硬化性材料が硬化する環境条件で流動性になるか、もしくは、
    (ix)前記硬化剤を前記硬化性接着剤組成物の他の成分に暴露するプロセスによって流動性になる、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  4. 前記担体材料は、柔らかなパテ状またはゲル状の特性を有し、モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー、あるいはそれらの組み合わせを含む揺変性または増粘性組成物を含み、前記組成物は、前記カプセル化状態にある前記硬化剤と反応しない、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  5. 前記担体材料は、現場で生成されるか、あるいは前記担体材料のカプセル化と同時にまたはカプセル化の後に潜熱により作用する一つ以上の揺変化剤、あるいは一つ以上の揺変性または非揺変性ゲル化剤または増粘剤を含む、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  6. 前記担体材料は、ホットメルト、感圧接着剤、ゴム材料、エラストマー/粘着剤組成物、Tgが35℃未満の重合体、半固体および固体樹脂、澱粉および澱粉系重合体、ハイドロゲル、低温ワックス、および一つ以上のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはそれらの組み合わせを含む増粘性またはゲル状の組成物からなる群から選択される、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  7. 前記担体材料は、接着剤であるか、または潜熱により接着剤特性を発揮する、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  8. 前記担体材料は、少なくとも0.006894メガパスカルの力を加えられないと流動も変形もしない、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  9. 前記担体材料は、前記硬化剤の添加の後で前駆体材料から形成され、前記硬化剤は、前記担体材料のための前記前駆体材料に可溶性か、または混和性である、請求項に記載の硬化性接着剤組成物。
  10. 液状硬化性材料は、一つ以上の液状硬化性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の硬化性接着剤組成物。
  11. 前記液状硬化性材料は、ビニル重合を行うモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、不飽和ポリエステル、ウレタン、エポキシ樹脂、ポリスルフィド、イソシアネート、シリコーン、シラノール縮合またはヒドロシリル化反応を行う能力があるシラノール部分を有するポリエーテル、ポリウレタンおよびポリオレフィン、ならびにフェノキシ樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性接着剤組成物。
  12. 前記被カプセル化液状硬化性材料と前記被カプセル化硬化剤組成物とは、ともに離散状態のマイクロカプセルであり、硬化性接着剤組成物が塗布される対象の表面に結合材料によって保持される、請求項2に記載の硬化性接着剤組成物。
  13. 前記結合材料は、接着剤またはコーティング材料である、請求項12に記載の硬化性接着剤組成物。
  14. 前記結合材料は、化学放射被硬化組成物である、請求項12に記載の硬化性接着剤組成物。
  15. 前記液状硬化性材料を、硬化性接着剤組成物が塗される対象の面と硬化したコーティング材料のフィルムとの間に挟むことによって前記液状硬化性材料をカプセル化し、被カプセル化硬化剤が前記液体硬化性材料中に分散した離散状態のマイクロカプセルとして存在する、請求項2に記載の硬化性接着剤組成物。
  16. 前記硬化したコーティング材は、化学放射被硬化組成物である、請求項15に記載の硬化性接着剤組成物。
  17. 製品の組み立てに使用される資材であって、前記組み立ての際に同一の資材または前記製品を構成する他の部材に接着または固定される1つ以上の面を有し、この1つ以上の面には指触乾燥状態の、請求項1〜16の何れか一項に記載の硬化性接着剤組成物が予め塗されてなる、資材。
  18. 前記資材が、ねじ山が設けられた1つ以上の表面または部分を有し、前記前塗型硬化性接着剤が、前記ねじ山が設けられた面の少なくとも一部を覆う、請求項17に記載の資材。
  19. 前記資材が、ねじ式の締め具である、請求項18に記載の資材。
  20. 前記締め具が、ネジ、ボルト、ナット、アイフック、アイボルトおよびウイングナットからなる群から選択される、請求項19に記載の資材。
  21. 前記資材が、ネジ、アイフック、アイボルトおよびウイングナットからなる群から選択される、請求項20に記載の資材。
  22. 前記資材が導管の部品である、請求項18に記載の資材。
  23. 前記資材がパイプ、管、エンドキャップ、スピゴット、バルブおよびコネクターからなる群から選択される導管の部品である、請求項22に記載の資材。
  24. 前記資材が他の部材に取り付けるためのねじ山が設けられた部材を有する装置である、請求項18に記載の資材。
  25. 前記資材がソレノイド、フィルター、バルブ、圧力ゲージおよびセンサーからなる群から選択される、請求項24に記載の資材。
  26. 前記前塗布型硬化性接着剤が、前記ねじ山が設けられた面以外の領域に塗布されている、請求項18に記載の資材。
  27. 前記資材が、ピストンを盲穴または鍵穴に挿入又は貫通することによる保持または接着用途に使用されるとともに、前記資材が、少なくとも1つのピストンまたは盲穴もしくは鍵穴またはその両方を有し、前記硬化性接着剤組成物が盲穴または鍵穴内に塗布されるか、あるいはピストンの表面に塗される、請求項17に記載の資材。
  28. 前記資材がシャフト、合せ釘、エンジンコアプラグ、プレス嵌合キャップ、ローター、スプロケット、ハブおよびベアリングから選択される、請求項27に記載の資材。
  29. 接着される前記1つ以上の面が略平面であり、その面を接着する前に前記硬化性接着剤組成物を活性化させるために手動でまたは自動で活性化することが可能な面である、請求項17に記載の資材。
  30. 前記資材がマグネット、トリムパネル、モーターマウントおよびハウジングパネルから選択される、請求項29に記載の資材。
  31. 他の部品を接着または固定される1つ以上の部分を有する基材であって、この1つ以上の部分に指触乾燥状態の、請求項1〜16の何れか一項に記載の硬化性接着剤組成物が予め塗されてなる、基材。
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