JP4975731B2 - 接着固定可能な包装資材 - Google Patents

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Description

本発明は、接着部分に予め塗布された前塗布された、pre−applied)新規接着剤組成物を有する包装材(stock packaging materials)、およびそのような材を作る方法ならびに前記材から包装品を成形する方法に関する。包装品を成形する方法は、前記包装品の充填および閉合を含む。
包装材には、ほぼ無限の種類の形状、大きさおよび構成がある。包装材を製造するには、ガラス、金属および金属箔、プラスチックおよびセルロース材を含む複数の材料が用いられているが、大部分の包装材はプラスチックから、大抵は、ブレンドまたは複合材料のどちらかあるいはラミネートの形で、セルロース材とプラスチック材料とのハイブリッド材料を含むセルロース材から作られている。一世紀を超える間、特に過去半世紀の間、産業界は、包装材、包装材の構成、設計および機能を改善する方途、ならびにそのような包装材を成形し、および/または充填し、閉合する方法およびプロセスを探し続け、今日でも探し続けている。この開発努力の多くは、従来の包装材料およびプロセスを改善することに集中されたが、かなりの比率は、三つの重要な目標への解決策を提供するための新しい、改善された性質および特性を有する新しい包装材の作製にも向けられた。第一は、旧来の製品のための新しい包装材の作製、例えば、ミルク製品をガラス容器からセルロースおよびプラスチック系容器へ移行させることである。第二は、旧来の製品のための新しい用途/使用法に合わせた包装材の作製、例えば、従来の冷凍食品容器から従来のオーブンまたは電子レンジ中で再加熱することができる容器への移行である。最後に、第三は、まったく新しい製品、例えば、電子レンジポップコーンのための包装材の作製である。
包装品の大きさ、形状、包装品を作る材料の種類、および包装品を製造するプロセス等を含む、具体的な包装品の設計および構築は、包装品を使用する用途に多大な努力を向ける。例えば、エクスプレスメール(Express Mail)、プライオリティーメール(Priority Mail)、フェデックス(FedEx)およびユーピーエス(UPS)の封筒のような郵送サービス用のボール紙の包装品には、段ボールのバルク容器、例えば、プラスチックペレット、化学添加剤などを包装する際に用いることを意図した10ftを超えるカートンとはまったく異なる性能要件および材料要件がある。ボール紙容器の場合のように、所定の種類の包装材料の範囲内でも、シリアル、ベーキングミックスなどのような加工乾燥食品に用いるものには、従来のオーブンおよび/または電子レンジの中で包装したまま再加熱される調理済み冷凍食品に用いるものとは、明らかに異なる材料要件、性能要件および製造要件がある。
既に述べたように、包装材料の組成的な構成および構造の設計は、例えば、段ボールにするのかボール紙にするのか、ラミネートにするのかコート紙にするのか等、包装材が利用される具体的な用途によって変わるが、包装材設計および構築のおそらく最も重要な要素の一つは、包装材の構築および成形において使用される接着剤の選択である。包装用接着剤の化学組成、調合、塗布、活性化、性質、特性、性能などは多岐に渡る。接着剤の選択は、包装材の具体的な最終使用にとって非常に重要であり、大抵の場合、包装材を成形する方法および装置にとって決定的である。ある種の接着剤は包装材の成形および閉合時に塗布するが、他の接着剤は、その後の包装材成形および閉合時の活性化に備えて、包装材料に前塗布しなければならない。さらに他の接着剤は、どちらのプロセスでも使用することができる。
かつて、包装材用途では、天然ゴムラテックスおよび蛋白質材料の水中コロイド懸濁液などの天然接着剤が大きな役割を演じたが、これらは、合成接着剤によってほぼ完全に置き換えられた。消費者向け封筒の閉合フラップ上の昔からの水分活性型接着剤でさえ、次第に感圧接着剤で置き換えられつつある。この移行は、経済性と、おそらくもっと重要なことであるが、合成接着剤を、以前は天然接着剤が解決策であった複数の用途により適したものとし、天然接着剤ではそれまで聞いたこともない用途に適したものとする広い範囲の性質および特性とによって推進されている。合成接着剤の一つの具体的な利点は、合成接着剤を利用する最終用途の特定の要請および性能要件に対応するように合成接着剤の組成を目的別調合し、従って、最適な性能を保証することができることである。
産業用包装用途で使用される接着剤の4つの主要な種類は、溶媒系接着剤、熱活性型接着剤、ホットメルト接着剤および反応性接着剤である。これらの従来の種類の接着剤のそれぞれの使用法および用途は多様であるが、それぞれに限界および問題があり、どれも高速の産業用包装材成形および/または閉合用途では、なんらかの点で、問題点あるいは難点および/または障害を伴う。プロセスおよび装置を新たに開発することによって、それぞれの特定の接着剤に関連する問題の多くに対する解決策とすることは可能ではあったが、そのようなそれぞれの開発によって、別のコストが加わり、それと同時に下記に示すように新たな懸念および問題が生じた。
早くから、溶媒系接着剤は、包装材用途にとって、広く用いられ、好まれる接着材料の代表的なものであった。これらの接着材料は、一般に、適切な有機溶媒中のエラストマーまたはゴム系材料、あるいは、蛋白質またはその他の固有粘着性材料の水中コロイド懸濁液を含む。これらのうち、有機溶媒系接着剤は、有機溶媒キャリア中の接着材料の濃度が高いこと、および有機溶媒キャリアの蒸発の速度が非常に速いことから、接着時間を速くすることが可能になった。基本的に、溶媒系接着剤は、通常、溶媒が完全に蒸発しなくても、即効性粘着接着を示す。しかし、有機溶媒の使用に対する環境上、健康上および安全上の立場からの非常に強い懸念、ならびに印刷物、表面コーティングなどに対するそのような包装材料の有機溶媒の影響への懸念によって、溶媒系接着剤はほとんど長所を失った。
水系コロイド型接着剤は、確かに、包装用途である程度の成功を収めたが、水系コロイド型接着剤の使用は限られたものであり、高速の産業用途には適していない。既に述べたように、水は蒸発するのが遅すぎ、包装材料の中に吸収され、包装材料、特に、セルロース系材料だけで、または大部分セルロース系材料で構成されている包装材料の構造および/または強度に悪影響を及ぼす。これらの不利に対して、水の蒸発速度を加速する輻射加熱器を使用すると、ある程度の解決法とはなったが、そのような拡散加熱を行うと、特に、蒸発を速めるのに必要な高温では、包装材料自体、特に包装材料の表面に塗布したコーティング、印刷物などへの、ならびに輻射加熱器の近くの区域にある組み立て装置の操作用構成部品への悪影響につながる危険性が増加した。
上記から明らかなように、一般的な溶媒系接着剤はインライン塗布され、感圧型接着剤を除けば、前塗布することはできない。感圧接着剤は前塗布することができるが、早発接着を防ぐために、前塗布した接着剤の上に剥離紙または類似物を置く必要があるために、産業用包装材成形には実際的でない。従って、包装分野での感圧接着剤の使用は、基本的に、包装の閉合手段、特に、消費者がものを入れ、封止するように想定されたボール紙封筒への使用に限定され、高速産業用充填および閉合プロセスへの使用は対象にならない。とにかく、全体として、溶媒系接着剤は、接着性能および/または強度が劣るので、あまり有用ではなく、望まれてもいない。
最も広範な化学的組成および用途を有する包装用接着剤は、熱活性型接着剤として知られるものである。熱活性型接着剤は、二つの異なる、しかし非常に広い接着化学のサブクラス、すなわち、熱可塑性接着剤および熱硬化性接着剤に属する。熱活性型接着剤は、使用ならびに用途の融通性も最大であり、一般に、インライン塗布でも前塗布でも利用することが可能である。
熱可塑性接着剤のサブクラスは、ポリエチレンおよびエチレン共重合体、特に、エチレンアクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニルおよび酢酸ビニル共重合体、特に、エチレン酢酸ビニル共重合体および酢酸ビニルアクリル酸共重合体、ポリエステルおよびスルホン化ポリエステルなどを含む広い範囲の化合物を含む。熱可塑性接着剤は、一般に、水の中の熱可塑性材料の離散的なドメインの懸濁液または乳化液の形で、多くの場合、コロイド懸濁液として塗布するが、押し出し/共押し出しによるフィルムの前塗布も知られている。熱可塑性接着剤は、包装品成形工程の直前、または包装品成形工程と同時に、包装材料の目的の接着部位にインライン塗布してもよく、あるいは、大抵は、後段の包装材成形時の活性化に備えて、包装材料またはブランクに前塗布してもよい。熱可塑性接着剤の前塗布は、包装材表面の全体または実質的に全体に対してでもよく、または意図される接着部位に対してだけでもよい。前者の場合、これらの熱可塑性コーティングおよび膜は、接着剤または結合剤として働くだけでなく、包装材料へのバリアおよび保護コーティングとしても働き、さらに、包装材に装飾的な利点を提供するのに用いてもよい。
熱可塑性体が粘着性になる、および/または融解するような、一般に、ガラス転移点および/または融点以上の温度に熱可塑性材料を加熱することによって、熱可塑性接着剤の活性化を実現する。好ましくは、熱可塑性材料を融解させ、その結果、液状メルトが接着部位の一個またはそれ以上の基材表面を濡らし、および/または物理的に浸み込むことによって接着を実現する。懸濁液として塗布する熱可塑性接着剤の場合、熱によって水キャリアも揮散する。熱可塑性体メルトが冷却すると、接着自体が形成される。
熱活性型熱可塑性接着剤は非常な成功を博したが、限界がないわけではない。例えば、熱活性型熱可塑性接着剤は、高温用途での使用に適さない。そのような高温では、接着剤が融解しないまでも軟化し、接着強度が弱まるか、または接着不良さえ起こることがあるからである。同様に、これらの熱可塑性接着剤は、包装材が非常に低温の条件に曝される用途での使用に適さない。水が少しでも捕捉されると、凍結した場合に膨張し、接着不良の原因になるからである。これは、前塗布型熱可塑性接着剤では大した問題ではないが、インライン塗布型接着剤では、熱活性化段階の滞留時間が短いために、多くの場合に、水キャリアを完全に蒸発させるには不十分である。高融点接着剤を選択し、加熱時間を長くすることを上記への解決策としてもよいが、そうすると新しい問題を生む。例えば、温度を高くし、同時に滞留時間を長くすると、接着が形成されるまでの冷却期間を長くすることが必要になる。従って、製造ラインの速度を緩め、ラインを長くして冷却サイクルの滞留時間を長くし、および/または加速型冷却手段を導入しなければならない。
他の重要な熱活性型接着剤のサブクラス、熱可塑性接着剤の限界および欠点の多くを克服するサブクラスは、熱硬化性接着剤のサブクラスである。熱可塑性接着剤と同じく、熱硬化性接着剤は、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、および熱硬化性ポリエステル樹脂を含む広い範囲の化合物を含む。これらの材料は、一般的な熱可塑性接着剤で見られるよりはるかに高い、特に高い温度抵抗を有し、高温包装材用途での、特に調理済みおよび冷凍食品、特に従来型オーブンおよび/または電子レンジの中で包装したままで再加熱される種類の調理済みおよび冷凍食品での包装のための使用に特に適している。熱可塑性接着剤と同じく、熱硬化性接着剤は、液体として前塗布してもよく、またはインライン塗布してもよい。しかし、前塗布型としての使用は、基本的に、室温では固体であり、指触乾燥状態であり、高温では軟化/液状化してから硬化または固化するような熱硬化性化合物に限定される。おそらく、最も普通の前塗布型熱硬化性接着剤は、熱硬化性ポリエステル樹脂である。これらの材料は、目的の接着部位に、あるいは、熱可塑性コーティングと同じく、包装材表面、特に内部の表面の全体、または実質的に全体にコーティングとして塗布してもよく、食品包装で用いるための優れた高温抵抗を提供する。詳しくは、これらの熱硬化性コーティングは、高温の液体、グリースなどに対する優れたバリア特性を提供し、充填、閉合および調理操作時に発生する高温に耐える。
熱硬化性接着剤は、熱可塑性型よりはるかに高い温度抵抗を有し、従って、はるかに広い用途を有するが、同時に、活性化温度が著しく高く、多くの場合、熱可塑性接着剤の場合に必要な活性化温度の二倍以上である。実際、多くの熱硬化性接着剤では、十分な接着を実現するために、225℃から550℃程度の表面温度が必要である。そのような高い温度では、加熱装置、包装材料ならびに近くにある組み立て装置の部品に対する高温の影響への別の懸念が生まれる。さらに、熱可塑性包装用接着剤では冷却時間が懸念されるのに対して、熱硬化性接着剤では長い硬化または固化時間が問題となる。熱可塑性接着剤の場合と同じく、硬化または固化時間が長引くことは、生産速度が遅くなること、および/または装置が高価になり、複雑になることを意味する。ベイカー(Baker)(米国特許第4,249,978号)など、微細な霧状の熱可塑性接着剤のコロイド懸濁液を熱硬化性膜またはコーティングの上に塗布し、これによって、熱硬化性材料の固化または硬化時に粘着結合を形成させようとする者もいるが、そのようなプロセスは、接着ラインに弱点があり、捕捉された水への懸念が再び生まれる。
しかし、所定の熱活性型包装用接着剤に関連する限界および問題への不安および懸念だけが、包装材および包装プロセスに伴う不安および懸念ではない。実際、そのような接着剤の活性化、あるいは、より正確には活性化の方法および手段は、多くの新たな、おそらくもっと大きな懸念のもとになる。
早くには、熱活性型接着剤の活性化は、放射加熱、特に、石英ランプおよびRF誘導によって発生した放射加熱に頼っていた。しかし、放射熱には、最高到達可能温度および選ばれた接着剤に必要な活性化温度に到達するのに必要な時間の長さを含む、多くの限界があった。さらに、この装置では、熱を局所化し、従って、特に、結合部位から離れた区域の包装材料それ自体、ならびに同じく放射エネルギーに曝露される組み立てラインのさまざまな要素への悪影響を防ぐことが、不可能ではないにしろ、難しいところがあった。例えば、放射加熱すると、意図した接着部位の近くの熱可塑性材料は融解したが、意図した接着部位には向かわなかったということもあった。同様に、放射熱場の範囲内の組み立て装置または製造装置の構成部分も加熱され、従って、寿命または保守サイクルが短くなった。さらに、放射加熱は、コストが高く、発熱効率が低く、利用効率が良くないため、高レベルのエネルギーを消費した。
包装技術における大きな進化は、少なくとも部分的に、熱可塑性接着剤および熱硬化性接着剤の出現と、これらの接着剤における進歩とによって推進された進化であるが、大抵、一つ以上または一連の指向性ノズルによって適用される高温空気流の使用による、放射加熱から局所化、指向性加熱への移行であった。これらの指向性ノズルは、放射加熱に伴う懸念の多く、特に、到達可能温度と、それらの温度に到達することができるスピードとに対する解決策を提供した。しかし、包装材および組み立てラインの要素への影響など、その他の懸念への解決策とすることには、全面的または部分的に失敗した。実際には、今度は、発生する温度がさらに高くなったので、包装材、特に包装材上のコーティングおよび印刷物の焦げまたは悪影響、ならびに取り扱い装置それ自体について、懸念がさらに大きくなった。詳しくは、多くの場合に、これらのヒータノズルは固定され、組み立てラインが停止するか、または組み立てライン上の包装材構成部品間にギャップがあると、包装材または組み立てラインの構成部品、特にコンベアベルトおよび関連機械部品の中に多量の熱が蓄積した。前者では、焦げ、および、おそらく火災が起ると考えられる。後者では、高い温度によって、コンベアベルトの寿命が短くなるとともに、装置中の潤滑油が劣化し、従って、潤滑油の寿命または修理および保守の間のサイクル時間が短くなった。加熱器の電源を切ることによって、これらの問題に対する解決策とすることはできたが、そのような行動をすると、加熱器が活性化温度に到達することができるまでの組み立てラインの運転停止と再起動との間の遅延を長引かせる結果を招いた。
結局、これらの懸念の多くに対しては、次々に流れてくる包装材料の間に長いギャップがあったとき、または組み立てラインそれ自体が停止したとき、コンベアの表面から後退するか、または移動して遠ざかる熱風加熱器を開発することによって、部分的な解決策とした。そのような後退手段では、熱風の流れを移動させて包装材料から遠ざけたが、多くの場合に、熱風の流れの方向をコンベアベルトおよび装置それ自体の他の構成部品の方に向け直した。従って、一つの問題への解決策を施すと、別の問題が起るか、または、前からあった場合は、多くの場合に悪化させるか、またはより深刻化させた。
それでも、これらの新しい懸念に対する解決策とするために、依然として、別の改良が工夫された。一つの特に成功した改良は、装置の中のヒータノズルと同じ領域に、熱風の流れが目的の接着材料を通り過ぎたら包装材料から吸熱し、熱風の流れを冷却する冷却手段を組み込むことであった。第二の改良は、熱風の流れが接着材料を通り過ぎたら、熱風の流れが装置にも包装材料にも影響を及ぼすことができないように、それぞれ方向を変化させ、および/または捕集する遮蔽および/または排気手段を組み込むことであった。それぞれは、熱風の流れに対する懸念への解決策としては確かに助けとなったが、問題を完全に解決したわけではなかった。そのため、とりわけ、ランドラム(Landrum)ら(米国特許第5,562,795号)は、熱風の流れのすべての悪影響からできるだけ逃れ、悪影響をできるだけ少なくするために、冷却と排気との両方の態様を使用した。
包装材成形および閉合技術ならびに熱活性型接着剤技術の改良は、互いに影響し合いながら同時に起ったが、それぞれの改良が、改善および利点だけでなく、新たな難題および課題をもたらしたことは明白である。最新の技術は、残された課題および懸念の多くに対する解決策となったが、これらの課題および懸念を完全に緩和したわけではない。例えば、ベイカーの二液系接着剤(978号特許)は、上記で言及したように、熱風の流れのノズルによって活性化を速くすることを実現した代わりに発生した障害に対する解決策として大いに役立ったが、このシステムを利用することによって新しい課題も生れた。詳しくは、微細な霧の大部分は意図した場所に沈積するが、浮遊し去り、最終的に包装品の他の区間または、さらに悪いことに、装置上に沈積し、時間の経過とともに蓄積して、清掃および/または修理のための運転停止を必要とする問題を引き起こす確率がゼロにならない。
おそらく、接着剤化学と塗布/アクティベーター手段との両方の分野のこれらの進歩のうち最大の業績は、同時に起った所定時間の生産量の増加を可能にしたライン速度の明らかな増加であった。実際、ときには、個々の開発によってライン速度の後退または低下が引き起こされたこともあったが、全体的傾向としては、例えば、ゴバレイ(Gobalet)(米国特許第2,984,598号)が1958年に非常に誇らしげに宣言した一箱あたり8.25秒の製造時間から、1995年のランドラム(Landrum)ら(米国特許第5,562,795号)の一分あたり150から200カートンの製造速度へと移り、明らかに増加した。これらの進歩は、より多くの箱の完成品をより速く提供するという点では大成功を博したが、継続する各世代および進歩によって、包装品成形および閉合装置に新たな複雑さ、新しい問題分野となり得る多数の高価な構成部品、および障害への解決策を講じるために肥大する一方の組み立てライン装置を収容する新たな空間の必要も加わった。これらのどれもが、前記包装材操作に対するコストと投下資本資源とを著しく増加させた。
さらに、進歩した熱活性型接着剤と活性化システムは、あらゆる利点および特質を有するが、包装材産業にとって万能ではない。高温および薄膜接着剤によって、下にある包装材をほとんど加熱しない迅速な活性化が可能になったが、これらの接着剤の薄膜には、前塗布状態であろうと、インライン塗布されたものであろうと、基本的に外形変化も厚さもなく、従って、対合される包装材表面の表面変化によって生じる大きなギャップに適合することができない。実際、ハインズ(Heinz)(米国特許第5,632,712号)に見られるように、遮蔽フラップを有する包装材を閉合する際に使用すると、フラップ全体または接着部位に一様な圧力を加え、それによって、一方のフラップが他方のフラップの端に重なる立ち上がり分を収容するために、専用の閉合装置が必要になる。しかし、この専用装置は、フラップそれ自体の表面の変化に対する解決策とならない。例えば、段ボールの表面には、多くの場合、下にあるボール紙の起伏に対応する一連の稜線と谷間とがある。熱可塑性接着剤または熱硬化性接着剤の薄膜を用いれば、交差する稜線のところで接触接着が可能であったが、接着剤の厚さは、大抵の場合、対向する谷間の間のギャップを埋めるには不十分であり、従って、その結果、接着は弱くなった。接着剤の膜の厚さを増加させようと努めると、ライン速度を遅くするか、または組み立てラインの加熱区間を長くして十分な加熱を可能にし、厚手の接着剤の完全な活性化または融解を確実にすることが必要になるだけである。その結果、加熱工程における滞留時間が長くなり、包装材の表面それ自体が好ましくない温度に加熱される可能性も著しく増加する。同様に、接着剤の存在量が多くなるので、熱可塑性接着剤の冷却時間、または熱硬化性接着剤の硬化または固化時間が長くなる。これは、対合および接着工程における滞留時間も長くなることを意味する。従って、包装材業界にとって確かに非常に重要ではあるが、従来の熱活性型の熱可塑性接着剤および熱硬化性接着剤は、欠点がまったくないわけではない。
最後に、熱活性型、前塗布型熱可塑性接着剤のさらに別のサブクラスは、再活性型接着剤として知られている接着剤である。とりわけ、例えば、ゴン(Gong)ら(米国特許出願公開第2003/0041963号、第2004/0164134号、第2004/0164135号および第2004/0166309号)、ノウィッキ(Nowicki)ら(米国特許出願公開第2004/0163754号、第2004/0163768号および第2004/0166238号)ならびにピアース(Pierce)ら(米国特許出願公開第2004/0166257号)に、そのような接着剤がより明らかに記載されている。これらの特許文献の最も簡単な実施態様では、これらの再活性型接着剤は、前塗布型熱可塑性材料、特に、下記でさらに説明されるホットメルト型材料であり、誘導発生熱、内部発生熱または近接発生熱によって活性化される。基本的に、これらの再活性型接着剤は、一般に、超音波、近赤外線(NIR)または電磁エネルギーの形の十分なエネルギーに曝露して、前塗布型材料を融解させることによって再活性化される。誘導再活性には、接着材料の中に、または接着材料の近くに感受体が存在すること、従って、接着剤および/または包装材構造の中に新しい要素を導入することが必要である。これらの接着剤および再活性システムは、熱風ノズルに関連する問題を回避するが、再活性プロセスでは、作業者および装置を、例えば、超音波およびNIRの有害な効果から保護する必要があるので、複数の新たな問題、特に健康上および安全上の問題が生まれた。これらのそれぞれも、必要な超音波およびNIR発生装置ならびに関連保護具のための新たなコストを加える。
さらに、再活性プロセスは、実現することができるライン速度に不利な影響を及ぼすように見え、ともに用いることができる装置および包装材成形システムの種類が限られる。例えば、ノウィッキら(米国特許出願公開第2004/0163768号)は、再活性エネルギーに曝露されると10秒以内、好ましくは5秒未満、最も好ましくは3秒未満で再活性化が起こり、その後、30秒未満、より好ましくは15秒未満圧縮されると、十分な接着が形成されることを教示している。好ましい速度を実現することができるとしても、これらの方法は、特に、上記で考察した熱風活性を用いるランドラムら(米国特許第5,562,795号)が主張した一分あたり150〜200カートンの製造速度と比較すると、生産速度のはなはだしい低下を表している。
包装材産業の接着剤技術の中で量的に最も成功している包装用接着剤の第三の重要な種類は、ホットメルト接着剤である。ホットメルト接着剤は、一般的には、熱可塑型であるが、接着される表面同士の対合の前に、熱可塑性接着材料のメルトのビーズを接着ラインにインライン塗布することを含むことを特徴とする。他の接着剤と同じく、ホットメルト接着材料の種類は、それぞれが異なる性能および性質の変化形を有する広い範囲の化学物質、例えば、ポリエチレンおよびエチレン共重合体、ポリ酢酸ビニルおよび酢酸ビニル共重合体、ポリアミドなどを包む。ホットメルト接着剤は、性能に融通性があり、同時に、塗布が比較的容易なため、多くの包装材用途で好んで選ばれるようになった。例えば、ホットメルト接着剤の比較的粘稠な状態と、ホットメルト材料を押し出すノズル先端のダイを調節する能力とを組み合わせると、分注される接着剤のビーズの変化を制御することができ、包装材料の表面変化、特に接着部位のギャップならびにさまざまな接着幅など、と共形化し、適合することが容易になる。
ホットメルト接着剤と、ホットメルト接着剤を使用する包装諸方法は、あらゆる特質を有するが、問題がないわけではない。ホットメルト接着剤の問題には、比較的低い耐熱性が含まれる。高温性能を改善した後でも、反応性ホットメルトは、依然、熱硬化性材料の多くのような高い耐熱性を実現するわけではなく、従って、ホットメルトは、電子レンジまたは従来型オーブンの中で再加熱することを想定した食品包装材には不適である。さらに、ホットメルト接着剤を保持し、分注するために必要な装置も高価であり、問題なしとしない。例えば、貯蔵タンク/メルトチャンバ中の滞留時間が長いと、ホットメルト接着剤の性能が劣化し、および/または反応性ホットメルトの場合には、早発架橋に至ることがある。さらに、分注器ノズルは、特に、ほこり、破片およびその他の汚染物など、固体粒子の存在の結果として、詰まる傾向がある。これらの固体粒子は、ホットメルトの中に存在するか、または融解ホットメルトを分注の前に貯蔵するタンクまたはチャンバに入ることがある。そのような詰まりは、組み立て/製造ラインの一時的な停止の結果としても、または所定のライン上の包装品の間のギャップが大きい場合にも起こることがある。これらの事情があると、ノズル先端またはダイのホットメルトが冷却するのを可能にするのに十分な時間、分注が停止する。ホットメルト分注装置全体を停止し、再起動する前にすっかり清掃しなければならないことがある反応性ホットメルトの場合、目詰まりは、特に懸念される。とにかく、高速の包装材および充填ラインの停止は、比較的短い時間でも、シリアルの箱の充填および閉合操作のように一見軽微なプロセスの場合でも、数十万ドルの逸失製造収入に相当することがある。
ホットメルト接着剤を使用すると、ホットメルトは、従来、一般の熱活性型接着剤より厚い量を塗布し、従って、接着を形成するのに必要な冷却時間が長くなったので、製造ラインには長い冷却区間も必要となり、そのような製造ラインを最初に建設する資本コストが非常に大きくなる。さらに、ホットメルトおよびホットメルト分注装置は、ホットメルトの融点より高い温度に維持される、関与する大きな分注装置によって、健康および安全上の見地から複数の懸念も提示する。定時保守作業時に、または製造ラインに問題があった場合に、ホットメルト分注装置または他の近接装置を清掃しようとする作業者は、高温の分注装置ならびに融解ホットメルトに曝露される。加熱器の電源を切り、放冷することはできるが、そのようなことを実行すれば、装置の中に含まれるホットメルトも冷却され、従って、ホットメルトを分注温度へ戻すために、製造ラインの立ち上げがさらに遅れることを意味する。
上記も問題ではあるが、おそらく、ホットメルトの使用に伴う最も深刻な問題の一つは、分注を停止した後のホットメルト接着剤の糸引きである。ホットメルトのこれらの糸またはこぼれは、包装材料の他の区域、さらに悪いことに、組み立てラインそれ自体および組み立てラインに組み込まれた装置の上に落ちる。前者が起っても、不良品が発生し、容易に特定し、廃棄すればよいが、後者が起ると適切な清掃を可能にするために、ライン停止に至ることがある。これらの課題に少なくとも部分的に対処するために、努力が払われた。例えば、ベイカー(米国特許第3,511,138号)は、分注装置が後退するとき、接着剤の糸が既に塗布された接着剤の上に落ちるように、前進し、後退する専用の分注装置を使用した。しかし、これは、連続式、特に高速連続式組み立てライン運転に適さない。
包装用接着剤の第四の種類は、反応性接着剤として知られている接着剤である。これらは、常温常圧条件下で硬化する一液型および二液剤型硬化性接着剤系を含むが、硬化を熱で加速してもよい。上記で言及した包装用接着剤の種類のように、これらも、例えば、アクリルエステル、ポリウレタン、フェノールホルムアルデヒド、シアノアクリル酸エステルなどを含む広い範囲の化学物質を含む。ほとんどの場合、反応性接着剤は、「100%固体」液としてインライン塗布される。すなわち、反応性接着剤には、溶媒系接着剤のような反応しない液体キャリアまたは溶媒はなく、硬化性成分自体が液体であるか、あるいは接着剤の共反応性成分の一つ以上に溶ける。これらの接着剤には、通常、一液系、多液系(大抵は二液系)、および被カプセル化系の三つの系がある。
多くの場合、硬化を実現するために環境条件に頼るという事実によって、一液型反応性接着剤の硬化または固化は遅い。例えば、水分への暴露に頼るものは、接着表面を対合する前に長い放置時間を必要とする。さらに、接着剤で濡れた表面が開放されているという事実によって、接着剤で濡れた表面の上に異物が落下する機会が生じ、異物が接着に影響し、および/または商品として受け入れられない製品を生む結果となることがある。嫌気的な条件に頼る接着剤システムなら容易に対合することはできるが、残留酸素の抑制作用によって非常にゆっくり硬化する。硬化が遅い上に、これらの反応性接着剤は、かなり粘度が低い傾向があり、その結果、接着材料が接着界面から流失するか、または、包装材基材中に吸収され、および/または滲み込むことがある。従って、良好な結合を達成するには不十分な接着材料しか接着ラインにないことがある。
二液型接着剤系は、硬化速度がはるかに速いか、または速くすることができるので、産業用途に適している。しかし、これらの接着剤系で、接着剤の分注の直前、または接着剤の分注と同時に、二つの剤を混合する高価で複雑な分注装置が必要である。この場合、硬化が開始されると粘度が高くなるので、流失および浸出はそれほど問題ではないが、たとえ2、3秒間でも製造ラインが一時停止したら分注装置の中で接着剤組成物の硬化が起こるので、多大の懸念が生じる。再加熱することによって容易に除去することができるホットメルトとは異なり、これらの反応性接着剤には熱硬化性の性格があり、装置の清掃は、清掃することが可能であっても、時間がかかる。従って、そのような二剤分注システムに関連する危険性によって、二液反応性接着剤は、高速の産業用包装材用途には不適切または望ましくない。
上述の反応性接着剤システムで可能になる高速の硬化速度を維持しながら、そのような接着剤に関連する問題の多くに対する解決策とするために、当業界では、非常に限られた程度ではあったが、前塗布型被カプセル化接着剤を使用してきた。一般に、これらの被カプセル化接着剤は、液状硬化性接着材料を含む複数のマイクロカプセルを含み、別のマイクロカプセルの中に、あるいは、マイクロカプセルを塗布する表面にマイクロカプセルを保持するための結合材料の中に、重合または硬化を実現させるための主活性剤または硬化剤(curative)の少なくとも一つを組み込む。マイクロカプセルを破断させ、反応性の成分同士を混合し、反応させることによって硬化を開始させる。通常は、一方の対合表面には被カプセル化接着剤を前塗布しておき、接着すべき二つの表面をまず対合させる。次に、これらの対合した面を一つ以上のピンチローラの中か、または固定式ブレードの下を通過させるか、あるいは、対合した接着ラインの区域を、例えば、コインの縁、かみそりの刃または直線形の刃等を用いて手動でこするなど、意図した接着の区域に圧縮力を加えることによって、マイクロカプセルの破断を実現する。マイクロカプセルは圧縮力によって破断し、それによって、硬化剤を放出し、および/または硬化剤と反応性成分の残分との混合を可能にし、液状成分の流れを作り出し、それによって、液状硬化性接着剤組成物の成分が硬化剤と混ざり合い、硬化し、従って、接着を実現する。
被カプセル化接着剤は、機械の組み立てなどで、特にねじ固定用材料として大成功を博したが、包装材の分野では非常に少なく、非常に限られた用途しかなかった。基本的に、被カプセル化接着剤の使用は、紙接着用途、特に、アクリッジ(Akridge)ら(米国特許第5,794,409号)およびハグウィッツ(Haugwitz)(米国特許第4,961,811号)が示したように、手紙、メーラーなどの紙封筒の製造および/または閉合の分野に限られていた。この分野でさえ、液状硬化性成分の粘度が低いことと、通常包装材料が多孔性であることとの複合因子を含む複数の因子のため、被カプセル化接着剤の使用は、伝統的に強い接着であるにもかかわらず、限定され、最適ではない。上記で述べたように、液状硬化性成分が包装材基材中に浸み込み、接着を形成する接着ギャップまたは界面に非常に少量の硬化性材料しか残らない。薄手の紙、および封筒で見られる非常に平らな表面の場合は、これはそれほど問題にならない。液状材料は、多くの場合、紙の表面層を飽和させ、飽和によって、接着を実現するのに十分な接着材料が提供される。しかし、ボール紙、特に厚手のボール紙など、厚手の包装材料では、異なる結果が見いだされる。液体は、多くの場合、表面下に吸収されるか、または深く滲み込み、界面には液状硬化性材料がほとんど残らず、これらの材料で多くの場合に見られる表面不規則構造に対処するには、もちろん不十分な量しか残らない。
紙封筒以外の包装材用途における被カプセル化接着剤の使用を限定する別の因子は、良好なマイクロカプセル破断を確実にするのに十分な圧縮力を供給することができない点である。ほとんどの包装材料は、圧縮力をよく吸収する傾向がある。これは、厚手のボール紙および段ボール紙の場合に特に該当する。圧縮力が吸収または緩衝されると、マイクロカプセルの破断が少なく、および/または不十分になり、従って、硬化するために接着界面で放出される液状硬化性材料の量が少なくなる。圧縮力を高くすれば、マイクロカプセルの破断および流動特性を増加させることができると考えられるが、そのような力を用いると、包装材の表面外観への悪影響、特に傷の可能性が高くなる。
前述の諸問題はさておき、おそらく、包装材分野での被カプセル化接着剤の使用に対する制限条件のうち最も深刻なものの一つは、包装品設計および構造が原因となって、対合表面に圧縮力を加えることさえできないことである。上記で言及したように、封筒を除くと、包装材にへりがあるか、またはチューブ状であって、マチをとることができなければ、接着ラインで十分な圧縮を確実にするために必要な支持または背面の圧力を下にある表面に提供する可能性はほとんどない。例えば、被カプセル化接着剤を用いて、対向する上部フラップをシリアルの箱に接着させようと試みたとすると、後ろ止めも抗力もなければ、被カプセル化接着剤を破断させるのに必要な圧縮力によって、箱がつぶれ、両方のフラップが箱の中に押し込まれてしまうであろう。さらに、マイクロカプセルは脆弱なので、特に、接着を作り出すのに十分な液状硬化性材料が存在することを確実にするためには、特に、大量、高速の産業用途で見られるような粗雑な取り扱い、積み置き、プロセス処理などによるマイクロカプセルの早発破壊、および/または意図せぬ破壊への懸念も生じる。従って、振り返って見ると、従来の被カプセル化接着剤と、従来の被カプセル化接着剤の活性化方法とは、従来の包装用接着剤で見いだされた問題の多くに対する解決策となるかに見えたが、やはり限界があり、封筒などの薄い紙の包装材以外で使用するには不適切のように見える。
上記の先行技術の接着剤系と、それらのそれぞれの塗布および活性化方法は、適切な場合には、包装材業界でそれぞれのすき間(ニッチ)を見いだしたが、どれひとつとして、包装材業界にとって普遍的な接着剤系となると考えられる可能性のあるものはないし、普遍的な接着剤系となるとも思えない。最も広い性能特性および融通性を提供するように見える従来技術の系、特に熱活性型系およびホットメルトには、それぞれ接着剤組成物を塗布し、および/または活性化/再活性化させるために、熱、特に、高い熱を必要とするという一つの共通要素がある。上記のように必要であるが、熱を使用すると、特に、ライン作業者が、組み立てラインおよび充填ライン中の作業従事区域の中で通常運転時ならびに起こり得る問題に対処する際に、熱発生手段、熱風の流れ等に曝露される可能性に関わる健康および安全の立場から不利な複数の結果、または潜在的に不利な結果がある。さらに、そのような高温は、特に熱が誤った方向に向けられると、包装材料自体ならびに包装品成形装置および閉合装置に悪影響を及ぼすことがある。前者は、あらゆるコーティング、特に、表面に塗布されることがあるワニス、および印刷物または画像、ならびに包装材基材自体に対して特に懸念され、特に、焦げおよび燃焼に至ることがある組み立てライン停止の場合に、懸念される。後者は、組み立てラインの上の包装材ブランクの間に大きなギャップがある場合、あるいは組み立てライン停止の際に懸念される。従って、単に熱を発生させること、ならびに高コストの熱発生装置それ自体に関連する高いエネルギーコストに加えて、装置および人員を保護するため、熱を散逸させ、および/または排出するための適切な安全設備を設置する際の、および/または、必要に応じた、装置に対する追加の保守のための、追加の費用が発生する。
従って、包装材業界には、普遍的に利用可能でなくても、広い範囲の包装基材、設計および用途に利用可能な接着剤系が求められている。さらに、包装材業界には、活性化/再活性化または塗布に熱を必要としないが、高速で硬化し、1秒の何分の1かの間に接着を形成する能力があるような接着剤系が求められている。さらに、当業界には、包装材およびブランクに前塗布し、それによって、成形操作、充填操作および閉合操作から接着剤塗布をなくすことができる接着剤系が求められている。
さらに言えば、上記の要求に対する解決策となる接着剤系を接着表面に前塗布した包装材ブランクを含む、包装材が必要とされている。
高速の産業用包装材成形操作および充填操作に関連する積み置きまたは粗雑な取り扱いの結果を含む、作業、貯蔵または輸送環境中で経験する高温または中程度の力に曝露されても、前塗布型接着材料が早発活性または早発放出されないような包装材も求められている。
さらに、包装材業界には、接着剤、特に液状または融解接着剤の塗布が必要なく、代わりに、指触乾燥状態の高速硬化接着材料を前塗布した包装材の使用に頼る包装品成形プロセスおよび/または閉合プロセスが必要とされており、そのようなプロセスは、包装材業界にとって非常に有意義である。
さらに、前塗布型接着剤を上に有し、前塗布型接着材料を活性化または再活性化するために、直接加熱であろうと、放射(特にNIR)または超音波エネルギーによるような間接または誘導加熱であろうと、熱の使用を必要としない包装材は、包装材業界にとって非常に有意義と考えられる。さらに、包装用接着剤を用いて適切な硬化を実現し、および/または十分な粘着接着を実現するために必要な放置時間、硬化時間または冷却時間の結果である隘路の問題のない、高速の産業包装材成形、充填および閉合プロセスがあれば、望ましいと考えられる。
さらに、包装材業界には、包装品成形および/または閉合のための室温の接着工程が、瞬間的でないまでも、ほとんど瞬間的である包装品成形、充填および閉合プロセスが必要とされている。
さらに、包装材業界は、以下のような包装品成形、充填および/または閉合装置を必要とし、そのような装置は、包装材業界にとって非常に有意義である。すなわち、そのような装置は、単純化された装置であり、熱を発生させ、熱活性/再活性型接着剤を加熱するか、または融解したホットメルト接着剤を塗布するための専門の装置の必要がない装置であり、組み立てライン、組み立てラインの作業員ならび包装材自体を保護するための保護設備および装置の必要がない装置であり、加熱および冷却サイクルの必要がなく、瞬間的またはほとんど瞬間的な接着を可能にする装置である。加熱および冷却サイクルのうち、冷却サイクルは、組み立てラインの長さおよび包装装置の複雑さを特に増加させる。
最後に、現在の包装用接着剤および関連する包装材成形装置に伴う多くの問題および欠点に対する解決策となり、従来の諸方法より高価でもなく、および/または資本集約的でもない方法で解決策となり、そのようなプロセスのスループット(through put)速度に不利な影響を及ぼさない包装材成形および/または閉合装置があれば特に望ましく、そのような装置は、包装材業界にとって特に有意義と考えられる。特に、包装材業界には、より安価であり、および/または資本集約度が低く、高速で隘路、ライン停止等の危険性が少なく、塗布、基材、成形および閉合プロセスなどに関して融通性が高い、包装プロセスが求められている。
従って、ブランクを含む、前塗布型接着剤を有する包装材を提供することが、本発明の主な目的である。本接着剤および材は、従来技術の包装用接着剤、材およびプロセスに関連する上記の問題および懸念のすべて、またはほとんどすべてを克服するか、またはそれらに対する有効な解決策となる。そのような包装材を使用し、従来技術のプロセスに関連する問題の多くを克服する、包装材成形、充填および/または閉合プロセスを提供することも本発明の主な目的である。包装品成形および閉合操作において、直接加熱であっても誘導加熱であっても、接着剤を硬化させ、および/または活性化するために熱を用いる必要がなく、熱を使用したとしても、そのような加熱は硬化または重合プロセスに対して補助的でしかなく、比較的低温であり、時間も限定される包装材成形装置を提供することも本発明の目的である。最後に、現行の包装装置に関連する複雑な、多くの場合、長大な設備を不要にする包装材成形装置を提供することは本発明の目的である。
本発明によると、少なくとも一つの接着表面の上に指触乾燥状態の接着剤組成物が予め塗布された包装材が提供される。前記接着剤組成物は、被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分と、別個の被カプセル化硬化剤組成物とを含み、前記硬化剤組成物は、前記液状硬化性成分または重合性成分を直接的または間接的に硬化または重合させることができる少なくとも一つの硬化剤を含み、非流動性であるが、所定の外力または温度が印加されると流動性になる。より詳しくは、本発明は、前記被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分が液状硬化性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーを含み、前記被カプセル化硬化剤組成物担体材料の中に含まれる前記硬化剤を含み、担体材料の物理的性質が硬化剤組成物の実質的に非流動性の特性の原因となる包装材に関する。担体は、一般に、(a)柔らかなパテ状またはゲル状の性質を有するか、あるいは、(b)(i)一緒に用いる硬化性組成物の液状硬化性マトリックス成分に可溶性であるまたは軟化する、(ii)硬化性組成物が硬化するかまたは重合する反応条件および/または環境条件によって軟化する、あるいは(iii)前記接着剤または封止剤の硬化性成分、重合性成分または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法またはプロセスによって軟化する、固体または半固体の天然材料、合成材料または組成物である。最も好ましい実施態様では、担体複合体を軟化させるために、熱、放射線および/または超音波を必要としないが、あったとしても、そのような環境因子は、軟化プロセスを促進するかまたは加速し、および/または、その他の有利な特質を接着プロセス全体にもたらす。
硬化剤は、あるいは担体中に二種類以上の硬化剤が存在すれば、複数の硬化剤は、硬化性成分(1種または複数種)を直接的または間接的に硬化または重合させることが知られている複数の材料の任意のものであってよい。これらの硬化剤は、担体の中に離散相として分散するか、あるいは全体または一部が担体の中に可溶性であるかまたは担体と混ざり合う液体、固体または半固体材料であるとよい。あるいは、硬化剤は、担体を形成する前駆体または出発原料の一つ以上と組み合わせてもよく、その場合、硬化剤は、担体の形成と同時に担体に組み込まれる。本発明は、従来の一液型液状硬化性組成物ならびに二液型以上の液状硬化性組成物を含む、カプセル化することが可能な任意の種類の硬化性接着剤、重合性接着剤または封止剤組成物に適用することが可能である。
本発明は、接着剤を前塗布するための表面が、アクティベーター手段の動作を受け入れることが可能であるなら、任意の種類の包装材のほとんどに適用することができる。アクティベーター手段は、マイクロカプセルを破断させるだけでなく、担体の適切なせん断および捏和または混合を提供し、内部に含まれる硬化剤を硬化性組成物または重合性組成物の残余部分に曝露させて硬化または重合を実現させるのに十分なせん断力を発生させ、前塗布型接着剤に加えることができる。材は、バルクロール、シートおよび包装材ブランクなどの形であってよい。本発明の一実施態様では、原材は、紙、ボール紙、厚紙およびその他のセルロース系材である。これらは、カートン、箱、ケース、トレイ、バッグ、封筒、メーラー、チューブおよびカップなどを含む包装材および容器の構築に用いられる。あるいは、被カプセル化接着剤組成物が基材材料と強い接着結合を形成する能力を有するものなら、包装材は、さまざまな重合体組成物、特に、ポリプロピレン、ポリエチレン(低密度、高密度および直鎖低密度ポリエチレンを含む)、スチレン、PET等によるものなど、フィルム、シートおよび/または繊維の形の熱可塑性重合体組成物で構成してもよい。これらの状況では、前塗布型接着剤を塗布する表面および/または対合する表面を適切なプライマおよび/または前処理剤で前処理することが必要なことがある。
本発明は、途中まで組み立てれた、所謂半完成型包装原材を含むさまざまな包装材料の製造および/または組み立てにおける前記包装材の使用、ならびに半完成型包装材を含む、前記包装材を用いる包装品成形および/または閉合の方法も目的とする。包装材は、包装品成形および/または閉合プロセスの途中で対合される二つの対向する表面の少なくとも一方に、上記で言及した種類の接着剤が前塗布される。本発明は、特に、産業用高速包装品成形および/または閉合プロセスにおけるそのような包装材の使用、特に、産業用高速包装品成形、充填および閉合プロセス、ならびに包装品成形方法自体および/または閉合方法自体を目的とする。そのようなプロセスおよび方法は、不連続的な性質であってもよい。すなわち、成形、充填およびまたは閉合操作の一つ以上の工程で、組み立てラインが停止し、進行してもよい。あるいは、これらのプロセスおよび方法は、成形、充填および/または閉合操作時の包装材料の進行に停止も遅延もない連続プロセスでの使用に特に適し、有利である。さらに別の選択肢は、連続的な要素と、不連続な要素との両方を有するプロセスである。本発明の材の使用にとって特に好ましいプロセスは、食品用の容器または包装品が単一の連続式インライン操作で成形され、充填され、閉合または封止される食品包装操作にある。これらの操作は、内部包装品またはバッグを親箱の中に挿入する工程をさらに含んでもよい。このバッグは、箱の中へ入れる前に予め充填し、封止してもよく、あるいは、箱の中へ入れた後、ただし箱の閉合の前に、充填し、封止してもよい。
本発明は、全体として、少なくとも一つの接着表面、または前記の接着表面の少なくとも一部に前塗布された、指触乾燥状態の被カプセル化液状硬化性または重合性接着剤または封止剤組成物を有する包装材に関する。前塗布型接着剤または封止剤組成物は、少なくとも二つの異なる種類のマイクロカプセルを含み、一方は、被カプセル化液状硬化性成分または重合性成分であり、他方は、被カプセル化硬化剤組成物である。被カプセル化硬化剤組成物は、液状硬化性成分または重合性成分を直接的または間接的にの硬化させるための硬化剤と、前記硬化剤を含む担体材料とを含む。前記担体材料は、外部物理力および条件および/または外部環境による力または条件の存在しない場合は、非流動性または実質的に非流動性である。
本明細書で用いられる用語「包装材(単数および複数)」は、貯蔵される能力があるか、または使用する前、特に、充填および封止する前に貯蔵することが可能なバルク材料、包装ブランクおよびこのようなブランクを途中まで組み立てた半完成包装材を意味する。包装材は、一般に、バルクロール、シートおよびブランクの形であり、カートン、箱、ケース、トレイ、バッグ、封筒、メーラー、チューブおよびカップなどを含むさまざまな種類および構成の包装材または容器を作る際に使用される。バルクロールは、成形工程の間に包装材を打ち抜くかまたは切り取るための幅広シートのロール、あるいは、包装材料、例えば筒を成形するために芯棒または類似物の上に巻き付けられるストリップ材料のロールを含む。後者の場合、成形される包装材料は、外包装材、例えば、中空の郵送用の筒でなくてもよく、例えば、トイレットペーパー、ペーパータオル等を巻き付けるのに用いられる筒状の芯であってもよい。同様に、包装材のシートは、一個の包装品または一個の包装品の一部を打ち抜くか、または切り取るための個別シートであってもよく、あるいは、複数の包装品またはそれらの一部を単一のシートから切り取るのに十分なほど大きくてもよい。包装材ブランクは、一般に、成形/形成し、接着して完成品の包装材の形にするだけでよい、予め切り取られた材である。
本発明の教示による包装材は、半完成包装材料、すなわち部分的に成形または製造されているが、製造および/または成形が完了していない包装材料も含む。好ましい点として、半完成包装材料は、完全に組み立てられた完成包装材になる前の形であり、一定の接着は既に行われているが、けがき線および折り目などの要素によって、包装材料を平らにすることが可能であり、あるいは、平らにすることができなくても、好ましくは、パイ皿を積み重ねるのとよく似たように、互いに重ね合わせて貯蔵しやすくすることができる外形を有する。半完成包装材料は、包装材の閉合部材を形成する1つまたは2つ以上の部分が、充填後に封止することができるようにまだ封止されていない点を除けば、すべて組み立てられるかまたは成形された包装材料も指す。
包装材を製造する際には、複数の天然および/または合成あるいは人工材料を用いてよい。おそらく、本発明に最も適する包装材料は、セルロース材料で構成されるかまたはセルロース材料から導かれる材料であり、紙、ボール紙、段ボール、硬質ボール紙、箱ボール紙、厚手ボール紙、ボール紙ラミネート(合成材料とのラミネートを含む)および多層ボール紙などの紙製品、ならびに化学改質セルロース系材料、特に、レーヨンおよびセルロースアセテートなどの繊維を含む。あるいは、適当な包装材料は、任意の数の合成材料、特に、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン(低密度、高密度および直鎖低密度ポリエチレンを含む)、スチレンおよびポリアミド(特にナイロン)等などの熱可塑性材料を、特に、これらの材料の合成繊維の不織布またはシート、例えば、タイベック(商標)(Tyvek(R))ポリエチレンによるものなど、の形で含んでもよい。最も好ましくは、本発明は、セルロース系材料および/または化学改質セルロース系材料で構成されるか、またはそれらから導かれる材を目的とする。
材は、包装材料を利用する用途によって少なくとも一方または両方の主表面上に、一つ以上のコーティング材料、特に、熱可塑性材料の層を有するとよく、および/または、基材原材と熱可塑性重合体の膜またはシートおよび/または箔、特にアルミニウム箔などの金属箔とのラミネートまたは複合構造物を含んでもよい。コーティング、フィルムおよび/またはシートを形成する熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、マイラー、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニルおよびワックスなどを含む。あるいは、上記のものに加えて、原材には、熱硬化性コーティング、ワニスおよび粘土等などのその他のコーティングを一方または両方の表面に施してもよい。コーティングおよび/または膜を使用することは、特に、ボール紙原料では普通であり、その一つの形は、そのような他の層、特にキャストまたは接着高分子膜の存在により、多くの場合、ボール紙ラミネートと呼ばれる。そのような材料およびコーティングなどは、当業者にすべて公知である。
一般に、使用前の包装材は、平らであるか、あるいは下記でさらに考察するように、前塗布型接着材料の活性化を実現するための適切なアクティベーター手段の動作を容易に受け入れる平らな表面、または実質的に平らな表面を有する。この構成は、活性化の容易さを可能とし、半完成包装材を作り出すために用いられるような操作を含む、連続式の高速包装操作に特に適する。この場合、例えば、包装材が活性化ステーションを通過するときに接着剤を活性化させるだけの固定式アクティベーター手段を使用してもよい。
一方、半完成原材は、形状が平らであってもなくてもよい。これらの場合には、前塗布型接着材料が存在する表面が平面または実質的に平面であり、組み立て時または組み立ての直前に、新規な接着剤システムを活性化させるのに十分な高いせん断および/または混合力を接着材料に加えるような動作を、前塗布型接着剤が受け入れることができるような配向にすることが重要である。好ましくは、前塗布型接着剤を、平面または実質的に平面であり、遮られない、すなわち、特に、連続式組み立てラインで、包装材が活性化作業ステーションを通過するとき、固定されたアクティベーター手段によって活性化することが可能であるような配向にされている包装材の表面、フラップまたはフランジの上に配置する。
本発明は、上記の構成を有する包装材に特に適しているが、前塗布型接着剤が載っている表面が遮られる、すなわち、固定式アクティベーター手段が包装材料の構造物または部品と干渉することなくして包装材が固定式アクティベーター手段を通過することができない包装材、特に半完成包装材にも適用できる。これらの場合には、使用する装置に、ロボットアームまたは組み立て部分に取り付けたアクティベーター手段を持たせる。ロボットアームまたは組み立て部分は、アクティベーター手段を活性化部位に配置し、活性化後に後退する。複雑な高価な機械および装置を使用しないと、このプロセスでは、材のそれぞれが組み立てラインの活性化ステーションを通過するとき、組み立てラインの進行を休止させるか、または少なくとも活性化ステーションでは休止させ、それによって、ロボットのアームを伸ばし、後退させることが必要になる可能性が高くなる。基本的に並行動作し、互いに時間をずらして活性化動作を行い、それぞれが活性化した材を組み立てラインに供給する複数の活性化ステーションがあったら別であろうが、この結果、スループットは完全連続式システムより遅くなる。
上記で述べたように、前塗布型接着剤を塗布する表面は、平面または実質的に平面である。用語「実質的に平面」は、真に平らな表面、ならびに表面に小さな欠陥または変化を有する表面、あるいは意図的な表面組織を有する表面、例えば、しわがある表面またはエッチングされた表面を指す。本発明の実施において使用する活性型接着剤および封止剤組成物は、活性化した後、従来の液状硬化性前塗布型接着剤および封止剤で見られるより高い、好ましくは著しく高い粘度を有するので、接着剤または封止剤が包装材料の中に滲み込むかまたは包装材料に吸収され、ギャップから漏れ出すかまたは接着表面の上の稜線、ピーク、起伏および/またはその他の表面欠陥によって生じた割れ目または空洞の中に漏れるか、あるいは、接着界面で対向する表面の間のギャップまたは空洞を満たすことができない心配はそれほどない。従って、本発明の接着剤および封止剤は、ボール紙の包装材で多くの場合に見られる粗いまたは起伏のある表面と相性がよい。用語「実質的に平面」を用いる場合、意図的な表面組織、例えば、しわがある表面またはエッチングされた表面、ならびに上記の表面欠陥などを有する表面も指すものとする。
一般的に言って、本発明の接着剤および封止剤は、接着表面の対向する面を対合したとき、対向する面の間に最大2mm、好ましくは約1mmより大きくない、より好ましくは約0.5mmより大きくない、最も好ましくは約0.26mmより大きくないオーダーのギャップまたは空洞を有する表面欠陥または変化が存在してもよいようなものである。従って、最も重要な因子はギャップまたは空洞なので、対合する相手の表面が対応する外形または表面特性を有する限り、全体的な外形が平面でない、例えば筒形、楕円形または円形の包装材等である実質的に平面の表面を使用することが可能である。
本発明の実施において使用される前塗布型接着剤および封止剤は、広い範囲にわたって使用され、基本的に、マイクロカプセル化することが可能であれば、任意の既知の液状硬化性接着剤または封止剤組成物を含む。もちろん、そのような組成物を、既に被カプセル化接着剤または封止剤を形成する際に使用したと同じ程度に、本発明の実施における使用に適したものにすることはできる。しかし、カプセル化システムの中で従来用いられていない液状硬化性接着剤および封止剤組成物でも、本発明の実施における使用に適したものにすることができる。例えば、カプセル化材料またはプロセスとの望ましくない相互作用または非適合性を生じる結果となっていた構成成分、添加剤、硬化剤または類似物を含む接着剤および封止剤組成物を、今や、多くの場合にほとんど悪影響なしに用いることができる。この場合、担体が、一方を他方から分離するように働き、担体表面に露出することがある材料の量は、カプセル化を阻害もしくは悪影響を及ぼすほどではない。
同様に、従来の一液型液状接着剤および封止剤組成物は、本発明の教示による二液型前塗布型被カプセル化組成物の調製に容易に適応することができる。今や、必須の封止剤の少なくとも一つを組成物の他成分から隔離することによって、例えば、酸素などがない場合に熱、光に暴露すると硬化または重合する一液型液状接着剤および封止剤組成物を、前塗布型用途で用いることができる。こうして組成物の他成分から封止剤を隔離すると、他の場合であれば一液型接着剤または封止剤組成物の硬化または重合を開始するかまたは実現させると考えられる条件に、被カプセル化接着剤または封止剤を前塗布した資材が偶発的に曝露されたとしても、硬化または重合は起らない。
明らかに、本発明の実施は、広い範囲の接着剤および封止剤組成物に適用可能である。本発明の実施における使用に適する接着剤および封止剤組成物の例は、2004年9月1日出願の米国特許仮出願第60/606,720号、2005年3月25日出願の第60/665,134号および2005年6月17日出願の第60/692,008号の優先権を主張する、2005年8月31日出願のシュワンツ(Schwantes)らの係属中の米国特許出願第11/216、516号、第60/606,720号に記載されているものである。これらの特許出願の内容は、参照によってすべて本明細書に組み込まれる。
任意の所定の包装材とともに用いられる特定の接着剤または封止剤組成物の選択は、(a)包装材それ自体およびその最終用途、(b)接着剤または封止剤が硬化または重合する機構、およびそれらが使用されるアクティベーター手段、組み立てプロセスなどとの適合性、(c)硬化性組成物の残りが硬化剤を利用できるようにするプロセスまたは方法、(d)担体の選択および担体硬化剤、硬化性組成物の残り、アクティベーター手段等との適合性、を含むがそれらに限定されない複数の因子によって決められる。目的の用途に適する硬化性組成物を選ぶ際に考慮するその他の要素は、接着剤および封止剤の分野の当業者に自明である。
便宜上、特に明記しない限り、または使用される状況から明らかでない限り、本明細書および添付の請求項で用いられる用語「硬化性組成物」は、すべてのそのような硬化性、重合性および/または架橋性液状接着剤および封止剤組成物を意味するものとする。同じく、本文書または請求項の状況によって、特定の用語がその通常の意味で使用されていることを明らかにしない限り、用語「硬化する」、「重合する」および、「架橋する」は、本明細書および添付の請求項では同義で用いられるものとする。同様に、特に明記しない限り、または使用される状況から明らかでない限り、本明細書および添付の請求項で用いられる用語「硬化剤」は、全体として、液状硬化性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または硬化性組成物の低分子量重合体の硬化、重合または架橋を直接的または間接的に開始し、実現し、および/または継続させるために必須の種類の材料、添加剤、共成分(co−constituents)等を指す。
本発明の実施において使用される組成物中での使用に適する硬化剤としては、架橋剤、硬化剤およびハードナー、ならびにそれらとともに重合体およびプレポリマー材料の架橋または硬化の開始、促進、触媒などのために用いられる試薬のような、重合体およびプレポリマー材料の架橋に関与する硬化剤があげられる。硬化剤の別の種類は、例えば、活性剤、補助活性剤、促進剤、補助促進剤、触媒、助触媒、開始剤および補助開始剤を含む一つ以上の重合性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または低分子量重合体の重合に関与する硬化剤、特にフリーラジカル重合に関与する硬化剤を含む。それぞれの場合に、そのような硬化剤は、硬化または重合を直接的に開始または実現させてもよく、あるいはさせなくてもよいが、それらが存在しないと、硬化はまったく、または事実上まったく起こらない(少なくとも商業的に実行可能な立場から)と理解される。例えば、硬化剤が化学反応し、化学反応が別の硬化剤に影響を及ぼし、次に、この別の硬化剤が硬化または重合を直接開始しまたは実現させてもよい。一緒に使用するさまざまな接着剤および封止剤系に関する考察に関連して、さまざまな硬化剤の具体例を下記でより詳細に開示する。
上記で述べたように、本発明の実施において使用される硬化性組成物は広い範囲にわたる。本発明の実施における使用に適するさまざまな種類の硬化性組成物には、例えば、ビニル重合を行うもの、すなわち、少なくとも一つのビニル基CH=CH‐および/または反応性不飽和基(すなわち‐C=C‐)、不飽和ポリエステル、ウレタン、エポキシ樹脂、ポリスルフィド、イソシアネート、シリコーン、シラノール縮合またはヒドロシリル化反応を行うことができるシラノール部分を有するポリエーテル、ポリウレタンおよびポリオレフィン、ならびにフェノキシ樹脂がある。本発明は、同じ機構で硬化するか異なる機構で硬化するかにかかわらず、同じ種類または異なる種類の硬化性組成物の組み合わせに適用することもできる。後者の場合、各硬化性組成物用の硬化剤は、同じまたは別の被カプセル化担体成分の中にあってよい。あるいは、特に、硬化性組成物の一つの硬化機構が長期の二次型硬化機構の場合、その硬化性組成物用の硬化剤を、他の硬化性組成物用の硬化性成分とともにカプセル化してもよい。さらに、本発明の硬化性組成物は、二段硬化または重合する能力、すなわち、二つの異なる硬化機構によって硬化または重合する能力があってもよい。例えば、一つの機構によって直鎖重合体分子鎖を形成し、別の機構によって架橋する硬化性組成物を有すると特に望ましいことがある。さらに、そのような組成物は、一次成分または一次重合体の二次反応部位とそれぞれ共重合または共反応する共重合性成分および/または二次重合性成分を含んでもよい。
硬化性組成物は、硬化または重合させることができる低分子量反応性モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/または重合体によるものである。プレポリマー調合物(formulations)は、一般に、付加共重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを含み、基本的に、前接着剤および/または前封止剤である。本発明は、もちろん、段階成長重合性組成物に適用でき、ある種の用途では、段階成長重合性組成物が好ましいが、これらの硬化性組成物は、主重合性成分とハードナーまたは共反応成分との化学量論を適切なものとすることが必要なため、用いるのが難しい。さらに、そのような組成物は、ハードナーまたは共反応成分の分子サイズによって、硬化剤がより低分子量の材料でることの多い付加重合性組成物よりはるかに大きな重量パーセントの担体粒子を必要とする。従って、本発明は、特に、付加重合性組成物に適用可能である。
好ましい付加重合性硬化性組成物は、ビニル付加するものであり、スチレンおよびα‐メチルスチレンなどの置換スチレン、アクリルアミド類、シアノアクリル酸エステルおよびメタクリロニトリルなどのニトリル、エチルビニルケトンなどのビニルケトン、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、エチレン、プロピレンおよびイソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、およびブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンなどのジエンモノマー、ならびに、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体などのようなこれらの共重合体を含む。多くの場合、そのような成分をオリゴマーの形で用い、オリゴマーは、別の重合または架橋を可能にする残留不飽和部分、別の反応部分または官能基、例えば、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、エポキシなどの基を有することが望ましい。例えば、アミン官能化ポリスチレンオリゴマーを使用し、それによって、最初の硬化または重合を不飽和部位で行わせ、同時または後で、アミン官能基のところで、例えば、イソシアネートとの架橋を行わせるとよい。
特に好ましい付加重合性成分は、多価および一価アクリレートおよびメタクリレートエステル、すなわち、一つ以上のアクリロイル(すなわち、CH=C(R)COO‐)および/またはメタクリロイル(すなわち、CH=C(CH)COO‐)末端または側鎖部分を有するモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーである。便宜上、本明細書および添付の請求項の中で用いられる用語「(メタ)アクリレート」は、指定されたモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーのアクリレートとメタクリレートとの両方を指す(例えば、「アリル(メタ)アクリレート」は、アリルアクリレートとアリルメタクリレートとの両方が可能であることを示す)ものとする。そのような材料は、例えば、ポリエステルのポリ(メタ)アクリレート、ウレタンおよびポリウレタンポリ(メタ)アクリレート(特に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアネートまたはウレタンポリイソシアネートとの反応によって調製されるもの)、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能化シリコーン、ジ‐、トリ‐およびテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジクロロアクリレート、1,3‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む広い範囲の重合性成分を含む。ジ‐およびポリアクリレートならびにメタクリレートでは、特に、ジメタクリレートが、一般に好ましい材料である。一価アクリレート、すなわちアクリレート基を一つしか含まないものを用いても有利である。典型的なモノアクリレートは、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートを含む。もちろん、(メタ)アクリレートまたはそれらの誘導体の混合物、ならびに、一つ以上の(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーまたはそれらの誘導体とアクリロニトリル類およびメタクリロニトリル類を含むその他の共重合性モノマーとの組み合わせも同様に用いてよい。
(メタ)アクリレートは、通常、フリーラジカル反応によって重合する。本発明の実施において有用なフリーラジカル重合の開始剤は、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、過エステル、過酸、パーオキシ炭酸エステル、パーオキシケトン、アゾ化合物および酸化還元開始剤ならびに前述のものの誘導体を含むが、それらに限定されない。開始剤の例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t‐ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ‐(n‐プロピル)パーオキサイド、t‐ブチルパーオキサイドアセテート、t‐ブチルパーベンゾエート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、t‐ブチルパーオキシアセテート、ジ‐t‐ブチルアゾジイソブチロニトリル、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンハイドロパーオキサイド、t‐ブチルパーオキサイド、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキシ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシソブチレート、ジ‐sec‐ブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1‐ジメチル‐3‐ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオヘプタノエート、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート、t‐アミルパーオキシアセテート、t‐アミルパーベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,2′‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)、1,1′‐アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、1,1′‐アゾビス(シアノシクロヘキサン)などが挙げられる。特に好ましい開始剤は、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、過エステルおよび過酸、最も好ましくはベンゾイルパーオキサイドである。通常、そのような開始剤は、フリーラジカル重合によって硬化し得る成分(1種または複数種)の重量を基準として、重量で約0.01%から約10%、好ましくは約0.5%から約3.0%、最も好ましくは約0.1%から約2%のレベルで存在する。
開始剤に加えて、そのようなフリーラジカル重合性組成物は、フリーラジカル重合の促進剤をさらに含む。よく知られている促進剤は、アミンおよびスルフイミドを含む。N,N‐ジメチルパラトルイジン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、N,N‐ジメチルアニリン、N,N‐ジエチルパラトルイジンおよびN,N‐ジエチルアニリンなどの第三アミンおよび3‐オキソ‐2,3‐ジヒドロベンゾ‐[d]イソチアゾール‐1,1‐ジオキシド(サッカリン)などのスルフイミドは特に有用である。有用な促進剤は、ブチルアルデヒド‐アニリンおよびブチルアルデヒド‐ブチルアミンなどのアルデヒド‐アミン反応生成物も含む。しかし、最も好ましい促進剤は、メタロセンとして知られる有機金属化合物、特にフェロセン類と、少なくとも一つのメタロセン、好ましくはフェロセン部分を含む有機金属重合体である。有機金属促進剤の例は、フェロセン、ブチルフェロセン、チタノセンおよびクプリセンを含む。促進剤は、通常、フリーラジカル重合によって硬化し得る成分(1種または複数種)の重量を基準として、約0.01%から約1.0重量%のレベルで用いられる。
本発明の実施における使用に適する(メタ)アクリレート系硬化性組成物の好ましい種類は、嫌気性接着剤および封止剤組成物として知られるものである。これらの組成物は、通常、フリーラジカル重合性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、フリーラジカル開始剤およびフリーラジカル促進剤を含み、多価フェノール、キノン等などの安定剤または抑制剤を含むことも、含まないこともある。特に好ましい重合性モノマー、オリゴマーおよびプレポリマーは、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、モノ、ジ、トリおよびテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体ならびにポリウレタン(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導体を含む。適当なキノンは、ヒドロキノン類、ベンゾキノン類、ナフトキノン類、フェナントラキノン類、アントラキノン類および前記のものの置換化合物を含む。これらの抑制剤は、好ましくは、接着剤組成物の中に、通常、約10から1000パーツパーミリオン(ppm)、より好ましくは約50から500ppmの非常に少量しか存在しない。嫌気性組成物は、ベータ‐ジケトン、エチレンジアミン四酢酸およびそのナトリウム塩などのキレート化剤も含んでよい。嫌気性組成物は、特に、接着または硬化する基材の対合より先に硬化性成分が早発硬化または早発重合する懸念のある用途に適している。
本発明は、参照によって本明細書にすべて組み込まれるデッカート(Deckert)ら(米国特許第3,746,068号)、ハート(Hart)ら(米国特許第4,536,524号)、アールズ(Earls)ら(米国特許第5,510,431号)およびシーバート(Siebert)ら(米国特許第5,157,077号および米国特許第5,140,068号)に開示されている種類のものを含むが、もちろんそれらに限定されない広い範囲のエポキシ樹脂にも適用することができる。一般的に言って、適当なエポキシ樹脂は、通常、平均して分子あたり二つ以上のエポキシド基を含む低分子量オリゴマーの混合物を含むが、前記のもののオリゴマー性プレポリマーも含んでよい。最も普通のエポキシ樹脂は、グリシジル化合物、特にビスフェノールAまたはレゾルシノールによるものなどのグリシジルエーテル、それより頻度は低いが、ジグリシジルエステル、特にフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびテトラヒドロフタル酸のグリシジルエステルである。他の適当なエポキシ樹脂は、ノボラック‐エポキシ樹脂、特にフェノールノボラックまたはクレゾールノボラックによるもの、グリセリン、ポリプロピレングリコールまたはペンタエリスリトールのグリシジルエーテル、ならびに、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ化ジエン重合体および脂環式エポキシ樹脂を含む。
エポキシ樹脂は、エポキシド基と反応するハードナーまたは硬化剤で処理して重合させてもよい。適当な硬化剤は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびジエチルアミノプロピレンなどの脂肪族一級および二級アミン、m‐フェニレンジアミン、4,4″‐ジアミノジフェニルメタンおよびジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン、無水物、特に、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ナジンメチル酸、ドデセニルコハク酸およびクロレンド酸無水物などの酸無水物、および脂肪性ポリアミドを含む。その他の適当な硬化剤は、ジシアンジアミド、メラミンおよびイミダゾール誘導体、エチレンオキシド‐およびアクリロニトリル‐エポキシ樹脂付加体およびケチミンなどの変性アミン、三フッ化ホウ素‐モノエチルアミン錯体などのルイス酸、およびo‐(ジエチルアミノエチル)フェノール、トリス‐(ジメチルアミノメチル)フェノールおよび2‐エチル‐4‐メチルイミダゾールなどのルイス塩基を含む。エポキシ化合物および樹脂を化学的に硬化または重合させるために、HCl、HBr、HI、CSOH、HSbF、HAsF、HBFまたは金属ハロゲン化物塩などのルイス酸を含む複数のカチオン開始剤を用いてもよい。加えられる硬化剤の量は、使用される特定の硬化剤によるが、通常、特に無水物の場合にはエポキシ化学量論あたり0.85から1.0モル、アミンの場合には化学量論量、あるいは、化学硬化用のカチオン開始剤の場合には硬化性エポキシの重量を基準として約0.01%から約10%、好ましくは約0.1%から約3重量%である。無水物の場合、約1%の第三アミンも触媒として使用される。使用するハードナーおよび触媒の適切な選択および量は、当業者には自明である。
多くの場合、用途によって、エポキシプレポリマーを、好ましくはポリオール、最も好ましくはポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールと反応させる。ポリエーテルポリオールは、複数のエーテル結合と少なくとも二つのヒドロキシル基を有する直鎖および/または分枝ポリエーテルを含む。ポリエーテルポリオールの例は、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリブチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンポリオールを含む。適当なポリオールは、ホモポリマおよびそれらのコポリマ、特にポリオキシアルキレンポリオールのコポリマを含む。特に好ましいポリオキシアルキレンポリオールのコポリマは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2‐エチルヘキサンジオール‐1,3,グリセリン、1,2,6‐ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物との付加体を含むとよい。
ポリエステルポリオールは、2から15の炭素原子を有する一つ以上の多価アルコールと、2から14の炭素原子を有する一つ以上のポリカルボン酸との縮合によって形成される。適当な多価アルコールの例は、エチレングリコール、1,2‐プロピレングリコールおよび1,3‐プロピレングリコールなどのプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6‐オクタントリオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンジオール、オクタンジオール、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、1,3‐ビス‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐プロパンなどを含む。ポリカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、オクタデセニルマレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸、および無水フタル酸、塩化フタロイルおよびフタル酸のジメチルエステルなどの対応する酸無水物、酸塩化物および酸エステルを含む。好ましいポリカルボン酸は、14個以下の炭素原子しか含まない脂肪族および脂環式ジカルボン酸、および14個以下の炭素原子しか含まない芳香族ジカルボン酸である。
硬化性組成物は、主として前述のポリエステルポリオールと同じモノマーから誘導された不飽和ポリエステル系によるものであってもよい。そのような不飽和ポリエステルは、多くの場合、スチレンなど、希釈剤としての不飽和モノマーとの組み合わせとして存在する。不飽和ポリエステル樹脂は、通常、一つ以上の不飽和二塩基酸と、前段落に記したものを含む一つ以上の二価アルコールとの間の反応の生成物である。不飽和ポリエステルを硬化または重合させるには、一般に、開始剤および促進剤が必要であるが、フリーラジカル重合が開始すれば、そのような重合は自己持続性である。適当な促進剤は、ジエチルアニリン、ジメチルアニリンおよびN,N‐ジメチルトルイジンなどの材料を含む。適当な開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドおよびジクロロベンゾイルパーオキサイドなどの材料を含む。もちろん、その他の不飽和ポリエステル用促進剤および開始剤も用いてよく、当業者には公知である。
本発明を適用することができる硬化性重合体樹脂の別の種類は、ポリウレタンプレポリマー樹脂である。そのようなポリウレタンプレポリマー樹脂は、分子の反応性部分または重合性部分として遊離イソシアネート部分または基を含み、一般に、ポリ(アルキレン)グリコールとポリイソシアネートとの反応生成物である。具体的なポリウレタンプレポリマーは、例えば、ポリ(1,4‐ブチレンオキシド)グリコールとトリレンジイソシアネートおよび/またはメチレンジイソシアネートとの反応生成物を含む。そのような樹脂では、5重量パーセントにも及ぶ遊離イソシアネート基を反応に利用することができることがある。ポリウレタンプレポリマー樹脂との使用に適する硬化剤は、メチレン‐ビス(o‐クロロアニリン)、ポリオール(1,4‐ブタンジオールなど)、またはトリメチロールプロパンを含み、水であってもよい。その他の適当なポリウレタン樹脂は、遊離のヒドロキシルまたはオレフィン官能基を有し、フリーラジカル重合によって硬化するものを含む。ポリウレタン用の適当な触媒は、とりわけ、スズカルボン酸塩、有機シリコーンチタン酸塩、アルキルチタン酸塩、ビスカルボン酸塩、三級アミン、アミジン、スズメルカプチド、および鉛、コバルト、マンガン、ビスマスまたは鉄のナフテン酸塩またはアルカン酸塩を含む。具体的な触媒は、二酢酸スズ(II)、二オクタン酸スズ(II)、二ラウリン酸スズ(II)、二酢酸ジブチルスズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、オクトエ酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、酢酸第一スズ、ラウリン酸スズ、2,3‐ジメチル‐3,4,5,6‐テトラヒドロピリミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′‐テトラメテチレンジアミン、1,2‐ジメチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトラプロピル等を含む。
硬化性組成物は、末端にチオール基を有するオリゴマー性ポリスルフィドを含む液状ポリスルフィドプレポリマーから作られたものであってもよい。そのようなポリスルフィドは、一般に、化学構造式HS(R‐SHを有する。式中、xは1または2〜4の小さな数であり、xは1から25の整数であり、Rはアルキレン、アリーレンまたはアルコキシアルキレンであり、詳しくは、多くの場合、分岐基‐CHCHCH‐をさらに含む、‐CHCH‐および/または‐CH(OCHCH‐を含む。好ましいオリゴマー性ポリスルフィドは、ポリエチレンスルフィドおよびポリプロピレンスルフィドなどのポリアルキレンスルフィド、ならびにポリ(2,4‐トリレンスルフィド)、ポリ(4,4′‐ビフェニレンスルフィド)およびポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)などのポリアリーレンスルフィドによるものである。チオールを末端に有するオリゴマー性ポリスルフィドは、エポキシまたはフェノール樹脂または化合物、ならびにジイソシアナートと反応させることによって重合または硬化させるとよい。好ましいポリスルフィド接着剤は、チオールを末端に有するポリスルフィドとビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどの二官能または多官能エポキシドとの反応によって形成することができる。あるいは、重合は、末端チオール基と、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのさまざまな(メタ)アクリレートを含むオレフィンとの反応によって実現してもよい。硬化性ポリスルフィド用の硬化剤は、二酸化マンガン、二酸化鉛、三酸化アンチモンおよび二酸化テルルも含む。
さらに、本発明は、シリコーン材料から作られた接着剤および封止剤組成物にも適用することができる。これらのケイ素含有材料は、一般的に、ケイ素原子に結合したヒドロキシル基または加水分解に対して不安定な基を有する。これらの材料の架橋は、一般に、シロキサン結合の形成によって起こる。適当な硬化剤は、オクトエ酸スズ、オクトエ酸鉛および二ラウリン酸ジブチルスズを含む。これらの硬化性組成物は、耐候性と耐熱性とが重要である封止用組成物として特に有用である。
上記で述べたように、硬化性組成物は、システムと相性がよく、結果として硬化または重合した接着剤または封止剤が有効な性質を有する限り、同じ一般的な化学的な種類または別の種類のモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの混合物を含んでもよい。モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの組み合わせまたは混合物を用いる場合、一次硬化性成分の組成物とともに、または一次硬化性成分の組成物の中に、二次成分を組み込む三つの機構がある。第一に、第二の重合性成分は、第一の成分と共反応または共重合するための複数の反応性部位または官能性部位を有するとよい。第二に、第二の成分は、硬化または重合した一次成分と水素結合を形成する、酸素、アミン、エーテル、エステル、ヒドロキシル、ケトン、エポキシまたはカルボキシルなどの極性基を有するとよい。第三に、第二の成分は、一次成分の対向する分子鎖の運動を立体的にもつれさせるかまたは妨げるようなものであるとよい。
一次硬化性成分と共反応または共重合する適当な二次成分は、例えば、アリル(メタ)アクリレート、アルケングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキルジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシアルカノールジ(メタ)アクリレートおよびトリアルカノールトリ(メタ)アクリレート、特に、アリル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3‐ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなど、ならびにそれらの混合物を含む。もちろん、その他の適切な材料として、重合性成分のそれぞれの種類に関して既に言及したものが含まれる。水素結合を形成するための極性基を有する二次成分の例は、例えば、アルコキシアクリレート、アルコキシメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、アクリルアルコキシフタル酸、メタクリルアルコキシフタル酸、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、シクロアルコキシアクリレート、シクロアルコキシメタクリレートなどを含む。最後に、立体的にもつれさせる結果となるか、または形成接着剤重合体の対向する分子鎖の動きを立体的に妨げる適当な二次成分は、例えば、14炭素より大きなアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、多環アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレートなどを含む。具体的な例は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびセチルアクリレートを含む。
上記は、本発明を適用することができる無数の硬化性組成物の簡単な概要を示したに過ぎず、上記に述べた硬化性組成物の種類にも、上記に述べた特定の重合性成分に限定されるものでもない。硬化性組成物は、油性金属シート上の硬化性組成物の接着強さを改善するために、例えば、テルペン、ウッドロジン樹脂、ガムロジンのエステル、スチレン化テルペンを含むテルペン樹脂、および粘着剤としてのテルペンフェノール樹脂、および/または、リモネン、ジペンテン、テルペン樹脂またはテレピン油などの脂溶性添加剤など、複数のその他の任意選択成分をさらに含んでもよい。そのような添加剤は、一般に、硬化性組成物の重量に対して1〜10重量パーセント量含まれる。もちろん、そのような硬化性組成物は、当業者に公知のように、任意選択として、染料、顔料、可塑剤、安定剤、抑制剤、増粘剤、溶媒、界面活性剤、乳化剤などを含む、任意の数の硬化性組成物のためのその他の既知の添加剤を含んでもよい。
本発明の利点および特質を提供するために、本発明の教示に従って用いられるように変更または適応させることができる別の硬化性組成物は、公知であり、当業者には自明である。とりわけ、例えば、参照によって本明細書にすべて組み込まれるマーディ(Mahdi)ら(米国特許第20020010272号)、バックマン(Bachmann)ら(米国特許第3,814,156号)、チャーナック(Chernack)(米国特許第4,940,852号および第4,808,639号)、ウォレス(Wallace)(米国特許第4,428,982号および第4,081,012号)、クリーブル(Krieble)(米国特許第3,489,599号および第3,746,068号)、ニューウェル(Newell)(米国特許第4,252,708号)、クロップ(Kropp)ら(米国特許第6,573,328号)、マツオ(Matsuo)(米国特許第6,025,074号)、フリード(Fryd)ら(米国特許第4,980,410号)、アジベド(Azevedo)(米国特許第4,417,028号)、クック(Cooke)ら(米国特許第4,497,916号)、チャオ(Chao)(米国特許第6,375,872号)、ウサミ(Usami)ら(米国特許第5,397,812号)、ウォリンスキー(Wolinski)ら(米国特許第4,126,504号)、シーバート(Siebert)ら(米国特許第5,140,068号および第5,157,077号)、デッカート(Deckert)ら(米国特許第3,746,068号)、ハート(Hart)ら(米国特許第4,536,524号)、アールズ(Earls)ら(米国特許第5,510,431号)、ヒルベリンク(Hilbelink)ら(米国特許第3,725,501号)、スウィーニー(Sweeney)(米国特許第4,830,558号および第4,555,206号)およびリッチ(Rich)ら(米国特許第5,635,546号および第5,853,520号)に、硬化性組成物の例がさらに開示されている。
上記の硬化性組成物の多くは前塗布形で用いられ、または前塗布形で用いるのに適していたが、本発明の前塗布型硬化性組成物の最も重要な、優れた態様は、本発明の前塗布型硬化性組成物のための少なくとも一つの硬化剤が被カプセル化硬化剤組成物として存在し、前記硬化剤組成物が、(i)液状硬化性成分または重合性成分の硬化または重合を、直接的または間接的に実現するための少なくとも一つの硬化剤を含み、(ii)前記硬化剤組成物に影響を及ぼす外力または条件が存在しない場合は実質的に非流動性であるという事実である。担体は、硬化剤組成物をカプセル化するために用いられるプロセスおよび材料、硬化性組成物の化学的性質、硬化性組成物を用いる最終用途、ならびに前記硬化性組成物の硬化性、重合性または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法によって、複数の異なる材料のどれであってよい。一般的に言って、(a)本来、柔らかいパテ状またはゲル状、または(b)固体または半固体の天然材料および合成材料または組成物から担体を選ぶようにする。ただし、(b)は、固体または半固体担体材料は、(i)一緒に用いられる硬化性組成物の液状硬化性マトリックス成分に可溶性であるか、またはそれらのマトリックス成分によって軟化する、(ii)硬化性組成物が硬化または重合する反応条件および/または環境条件によって軟化する、および/または(iii)前記接着剤または封止剤の硬化性、重合性または架橋性成分が硬化剤を利用できるようにする方法またはプロセスによって軟化する、場合に限定される。
担体組成物それ自体が上記の特性を示すなら、実質的に重合体成分またはオリゴマー成分および/またはモノマー成分で担体を構成してもよい。さらに、所定の硬化剤組成物は、二つ以上の硬化剤を含んでもよいものとする。あるいは、二つ以上の硬化剤組成物があり、それぞれが同じ硬化剤または異なる硬化剤、もしくは同じ担体または異なる担体を有してもよいものとする。担体は、揺変性材料または潜在的揺変性材料であってもよく、あるいは揺変性材料または潜在的揺変性材料を現場で発生させてもよいとみなされるが、マイクロカプセルの粒子サイズが小さいので、揺変性は、担体を含む組成物または材料に内因性のものであるか、または内因性のものにしなければならない。ヒュームドシリカなど、液体系に加えられる従来の無機揺変性添加剤は、現時点では、被マイクロカプセル化硬化系の粒子サイズと比べ、現状の無機揺変性添加剤の粒子サイズが相対的に大きいため、一般に、被マイクロカプセル化硬化系を調製するために用いるには不適切とみなされる。さらに、担体組成物は、担体または担体前駆体材料が、カプセル化プロセスの直前またはカプセル化プロセスの間は低粘度であるが、カプセル化の後では現場生成によって高粘度になるように、潜在的に作用する一つ以上の非揺変性性ゲル化剤または増粘剤を含んでもよい。
本願および添付の請求項で用いられる用語「柔らかな」および「パテ状」は、参照された材料が、中程度の力、一般に、少なくとも0.006894メガパスカルの力、好ましくは少なくとも0.03447メガパスカルの力が作用しないと流動も変形もしないことを意味する。これらの柔らかなまたはパテ状材料には弾性がまったくあるいはほとんどない状態から中程度の弾性を持っていてもよく、好ましくは、ケーキフロスティングの粘稠性および弾性からパン生地と同じくらいの粘稠性および弾性を有するとよい。この結果、被カプセル化担体に十分な力を繰り返し加えると、担体材料内の硬化剤の多くが露出されおよび/または利用可能になる。同様に、担体材料の軟化について言えば、例えば、担体がすべてまたは一部溶解性であるか、相溶性であるかまたは膨潤性である硬化性組成物を液状成分あるいは熱に曝露すること、あるいはゴム状担体材料の場合なら素練りすることを含む、ある種の材料および/または条件に曝露されると、担体材料が、柔らかに、パテ状に、または流動性にさえなることを意味する。
担体として用いるに適したものとなり得る材料の例は、ホットメルト、感圧接着剤、ゴム材料およびその他の低Tg重合体、半固体および固体樹脂、澱粉および澱粉系重合体、ハイドロゲルおよび低温ワックスを含む、複数の低Tg材料の任意のものを含むが、上記が前記の特性の一つ以上を満たし、硬化性組成物の硬化、重合または架橋を妨げることもなく、こうして硬化し、重合し、または架橋した組成物の所望の接着剤特性または封止剤特性を実質的に劣化させることもないという前提がある。活性化および/または硬化のために熱を必要としないことは、本発明の特に望ましい利点であるが、一実施態様では、担体は、低融点ワックス、例えば、150°F未満、好ましくは130°F未満、最も好ましくは120°F未満の融点を有するワックスであってもよいと考えられる。例えば、医薬用パラフィンワックスを担体として用いてもよいと考えられる。
上記で述べたように、担体は、有機および無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤、特に、例えば、塗料、接着剤、封止剤、エンジンオイルおよび産業用オイル、および食品の流動特性およびレオロジー特性を調節するために商業的に用いられているものを含んでもよい。適当な有機重合体増粘剤またはゲル化剤は、クラトン(Kraton)の商標で販売されているスチレン/オレフィンブロック共重合体、およびさまざまな可塑剤、増粘剤、流動調整剤等など、化学的または物理的に関連することができるさまざまな小分子を含む。既に述べたように、現時点での、従来の無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤は、一般に、そのような無機添加剤の粒子サイズが極度に小さく、カプセル化される担体材料または担体前駆体材料のビーズの粒子サイズが非常に大きくない限り、マイクロカプセル化型硬化系の調製に用いるのに適していない。ただし、技術が進化し、それによって、ナノサイズの無機揺変性付与剤、増粘剤およびゲル化剤を製造することができることになれば、もちろん、本発明の実施において、それらの材料を適用することができるとみなされる。
担体または担体の成分は、硬化性組成物および/または硬化剤に対して共反応性であってよい。例えば、硬化性組成物について言えば、担体は、重合または硬化時に、硬化性組成物の重合性モノマー、プレポリマーおよび/または重合体が反応する反応部位または架橋部位として作用する官能基を有してもよい。
あるいは、好ましくは、担体組成物は、(a)硬化性組成物の液状硬化性成分と共重合する一つ以上の液状単官能性および/または多官能性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの混合物と、(b)(i)遅効性、潜在性ゲル化剤または増粘剤、(ii)温度活性ゲル化剤または増粘剤(高温でゲルはない)および/または(iii)せん断感作性ゲル化剤または増粘剤である粘度調整剤とを含んでもよい。この実施態様では、カプセル化プロセスの間に、組成物が低粘度になる、すなわち、粘度調整剤の効果がまったくなくなるか、または実質的になくなる条件に担体組成物を置く。この時点で、カプセル化に備えて、粘度調整剤(b)を含む混合物(a)の微細なビーズまたは液滴を調製し、その後で、前もって定められた担体の特性を示すはるかに高い粘度に戻すか、または、はるかに高い粘度にする。例えば、液滴を形成したら、シェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出の前、シェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出と同時に、あるいはシェル壁材料またはシェル壁形成材料の塗布または析出の後に、粘度を低下させる高温またはせん断を取り除いてもよい。あるいは、混合物(a)と粘度調整剤(b)との液滴、乳濁液、分散物、懸濁液、コロイド等を形成したら、次に、潜在性ゲル化剤または増粘剤のゲル化する性質または増粘する性質を実現させるかまたは加速するような条件を液滴に加えてもよい。混合物(a)で構成される担体を使用すると、最終的な硬化性組成物中の液状硬化性成分の量が最大になり、その他の不活性原料および/または硬化または重合した硬化性組成物の性質に影響を及ぼすかまたは改質することがある成分の量が最小になるという別の利点がある。
担体が増粘材料、ゲル化材料、または揺変性材料である場合、ビーズの形成の時点では粘度を低くし、これによって、形成すべき被カプセル化硬化剤組成物の所望の粒子サイズおよび粒径分布と一致する微細な液滴を、低いせんだん力または中程度のせん断力によって作り出す点に注意すべきである。増粘状態、ゲル化状態または揺変性状態では、粘度は、中ないし高せん断力であっても、微細で、好ましくは実質的に一様な液滴の調製も、狭い、従来の正規分布曲線の粒径分布を有する液滴も生じない。
上記で述べたように、担体前駆体組成物の中に組み込んだ硬化剤の量が十分であり、それによって、担体の重合が完了した後、硬化性組成物の硬化を実現させることができる十分な量が残れば、硬化剤は、担体組成物の特定のまたはすべての成分の重合に関与してもよい。好ましくは、しかし、硬化性組成物のための硬化剤は、担体の硬化または重合には関与しないか、あるいは無視できる程度にしか関与しない。その代り、担体前駆体組成物は、その硬化に影響を及ぼし、被カプセル化硬化剤を硬化性組成物の硬化または重合を実現させるために利用できるように残しておくために、一つ以上の他の硬化剤を含む。いずれにせよ、被カプセル化キャリアの中の硬化剤の長期貯蔵安定性および効力を確実にするためには、担体の中に組み込まれた硬化剤が、形成されたら担体と反応しないことが重要である。もちろん、硬化剤は、もし起こるなら、担体と、硬化性組成物の硬化性成分との間の化学反応に関与してもよいし、関与している可能性が大である。重要な点は、硬化剤が、被カプセル化の形態では担体と反応しないことである。
さらに、担体複合体は、接着剤または封止剤の他の成分、あるいは、例えば、担体および/または粘着剤樹脂の可撓性または柔軟性を高める可塑剤を含む、担体それ自体に適切な他の添加物を内部に組み込んでもよい。しかし、この場合も、そのような他の成分が硬化性組成物の硬化、重合または架橋に干渉したり、こうして硬化、重合または架橋した組成物の所望の接着剤特性または封止剤特性を実質的に劣化させたりしないことが重要である。適当な可塑剤は、例えばパルミチン酸メチルおよびステアリン酸メチルを含む、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、炭化水素樹脂、オイルおよび脂肪酸エステルを含む。特に好ましい可塑剤は、参照によって本明細書に組み込まれるワイフェルズ(Wyffels)(米国特許第5,688,850号)に教示されている、ポリブテン類、ポリブテン類だけの組み合わせまたはポリブテン類と脂肪族乳酸エステルなどの他の添加剤との組み合わせによるものである。適当な粘着剤樹脂は、脂肪族および/または芳香族炭化水素樹脂およびテルペン樹脂を含む。
担体は、接着または封止の観点から、不活性材料であってもよいが、担体それ自体が、それを含む接着剤また封止剤系全体の接着または封止性能に関与することが好ましい。詳しくは、多くの場合、担体が内因性または潜在性の接着剤特性または封止剤特性を有することが望ましい。例えば、担体は、増粘され、またはゲル化された、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、エラストマー/粘着剤組成物、一つ以上のモノマー、オリゴマーまたはそれらの混合物等の塊状物等を含んでもよい。接着剤特性を有する担体を使用すると、接着される二つの基材の間に担体が初期接着および速効性接着を提供し、硬化性組成物が硬化、重合または架橋するのに十分な時間を必要に応じて準備する一方で、二つを適切な配置に保持することができる。これは、接着される二つの基材の間に1秒の何分の1かのオーダーの非常に短い時間しか圧力を加えることができない高速の産業用接着用途では、特に有利である。特に、これらの場合には、接着される基材に、製品および/または製品を作る材料の設計に固有のものであろうと、基材に関連するものでなかろうと、速効性の粘着結合がなければ、二つの基材を離れさせ、従って接着を不可能にする力が働く。例えば、放っておけば開く傾向があるシリアルの箱の対向する端のフラップを接着する際、接着剤特性を有する担体を使用すると、硬化性材料または重合性材料が硬化または重合して本来の接着を形成する間、フラップが一緒に保持される。
上記で述べたように、本発明の硬化システムは、それぞれが同じまたは異なる硬化剤および/または担体材料を含む、二つ以上の異なるマイクロカプセル化担体の混合物を含んでよいともみなされる。例えば、一部は、高い比率の潜在性接着性を有する材料を含み、他は、低接着性または非接着性担体材料を有するような担体粒子の組み合わせを使用することによって、担体が寄与する接着剤特性を調整してもよい。あるいは、担体粒子の一部は、硬化性組成物と共重合することができる単官能および/または多官能モノマー類の混合物を含むゲルを含み、残りは接着剤を含んでもよい。そのような組成物は、より多くの液状硬化性成分を用いて限定的な急速接着能力を提供し、それによって、接着剤組成物の機能を増進する一方、関与がなく反応しない担体の量を少なくする。基本的に、異なる担体粒子の混合物を用いると、最終的な接着剤組成物の速効性の接着剤特性と潜在性の接着剤特性とのバランスを取ることができる。
既に述べたように、担体材料はハイドロゲルであってよい。適当なハイドロゲルは、ゼラチン、多糖類、アルギン酸塩、架橋ポリアクリルアミド重合体、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体、架橋ポリヒドロキシエチルアクリレート、重合架橋2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸重合体、および特にナトリウム塩およびカリウム塩を含むそれらの塩、架橋ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、前記重合体同士の重合体および/または前記重合体とポリスチレンなどの他の重合体との共重合体、あるいはその他のハイドロゲルを形成しない重合体から誘導されたものを含むがそれらに限定されない。ハイドロゲルの例は、ポリ‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレートから作られたもの、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレートで架橋したものである。
担体は、エラストマー組成物であってもよい。エラストマーの例は、25℃未満、好ましくは0℃未満の二次ガラス転移点(Tg)または軟化点を示すもの、特に、(メタ)アクリレートエステルモノマーに溶けるものである。そのようなエラストマーは、塑性流動を示す合成高分子、特に、ポリクロロプレン、およびブタジエンまたはイソプレンとスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリレートエステルなどとの共重合体である。別の有用なエラストマーは、エチレンと(メタ)アクリレートエステルとの共重合体、エピクロロヒドリンの単独重合体、およびエピクロロヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体を含む。具体的な例は、CR‐ネオプレン‐ポリクロロプレン、NBR‐ニトリルゴム‐ブタジエン‐アクリロニトリル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、アクリルゴムアクリレートブタジエン共重合体、およびエチレンとメチルアクリレートおよびエチルアクリレートなどのアクリレートエステルとの共重合体を含む。もちろん、特に、硬化性組成物を高温で活性化するか、または他の方法で、活性化時に高い温度を経験する場合、例えば、混合の摩擦またはアクティベーター手段が高温を作り出す場合、高Tg材料を用いるとよい。この種類の材料には、粗製の天然ゴム、スチレン‐ブタジエンエラストマー、ポリブタジエン、ポリイソブチレンおよびポリシロキサン、ならびに水素化ロジンのグリセリルエステルなどの粘着性樹脂、熱可塑性テルペン樹脂、石油炭化水素樹脂、クマロン‐インデン樹脂、合成フェノール樹脂、低分子量ポリブテン類および粘着性シリコーン樹脂などのエラストマー原料を含む、いわゆるゴム樹脂接着剤も含まれる。
担体は、低い、好ましくは25℃未満のTgまたは低い軟化点を有し、動的機械熱分析器RSAII型(レオメトリクス社(Rheometrics Co.)製)を用いて測定して、70℃で約5×10ダイン/cm未満の弾性係数を有する接着剤材料または感圧接着剤材料であるとよい。適当な接着剤は、アクリレート系感圧接着剤、特に、粘着剤樹脂の添加を一般に必要としないものを含む。そのようなアクリレートは、一般に、分子あたり1から14の炭素原子、好ましくは分子あたり4から12の炭素原子のアルキル鎖を有する。さまざまなアクリレートモノマーの混合物を用いてもよいが、分子のアルキル尾部を形成するアルコール残基の少なくとも主要部分は、一般に、エステル結合で終わる少なくとも4つの炭素原子を有する炭素‐炭素鎖を有する。有用なアクリレート系重合体材料の例は、メチルイソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、市販ヒューズ油アクリレートおよび2‐エチルヘキシルアクリレートの単独重合体および共重合体である。共重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルを共重合モノマーとして含むとよい。他のアクリル材料は、例えば、n‐ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2‐メチルブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート等などの低Tgアクリレートモノマー、N,N‐ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ビニルピロリドン等などの官能性モノマー、および3,5‐ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4‐ビフェニ(メタ)アクリレートおよび2‐ネフチル(メタ)アクリレートなどの高Tgアクリレートモノマーを含む多成分系組成物を含む。さらに別の種類の感圧材料は、参照によって本明細書に組み込まれるマキネッリ(Macinelli)(米国特許第5,225,470号)のアクリルホットメルトPSAである。
本発明は、例えば、感圧性接着剤担体材料を含む、担体複合体のカプセル化と同時に、または担体複合体のカプセル化の後に現場重合する担体材料に特に適している。例となる系は、例えばシュワンツ(米国特許第6,592,990号)およびナガイらに開示されているものを含む。一般に、そのような系は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレート、ビシクロアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシ(アルコキシ)n(メタ)アクリレートを含む付加重合プレポリマーを含む。ここで、アルキル部分は1から16の炭素原子を有し、シクロアルキル部分は4から8の炭素原子を有し、nは1から6の整数である。
担体複合体の形成に用いるのに特に適する付加重合プレポリマーは、例えば、n‐ペンチルアクリレート、2‐メチルブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、n‐オクチルアクリレート、n‐デシルアクリレート、n‐ドデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、2‐エチルヘキシルメタクリレート、n‐オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレートなど、ならびにそれらの混合物を含む、単独重合体が、約0℃未満のTg、少なくとも75℃の引火点および少なくとも175℃の沸点を有するプレポリマーを含む。
任意選択として、現場で形成された担体は、重合性プレポリマーに加えてテルペン樹脂を含んでもよい。テルペン樹脂は、粘着剤として機能し、本発明の目的の場合、ウッドロジン樹脂、ガムロジンのエステル、スチレン化テルペンおよびテルペンフェノール樹脂(CAS登録番号259094‐71‐8を含む)を含む。テルペン樹脂の例は、シルバレス(R)(SylvaresTM)およびゾナタック(R)(ZonatacTM)の商品名で販売されているテルペン樹脂(フロリダ州パナマシティー(Panama City,Florida)のアリゾナケミカル(Arizona Chemical))などの変性テルペン樹脂、ならびにシルバライト(R)(SylvaliteTM)(CAS登録番号第8050‐26‐8)等などのエステル変性またはポリオールエステル変性テルペン樹脂を含む。
現場で形成された担体の誘導に用いられる出発組成物は、第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーを任意選択として含んでもよく、このプレポリマーは、多官能性であり、少なくとも2つの付加重合部位を有する。「実質的に非水溶性の」とは、材料が、約2%未満、好ましくは1重量%未満の水に対する溶解度を有することを意味する。前記プレポリマーの付加重合部位は、プレポリマーを被カプセル化粘着性接着材料へ変換するとき、他の付加重合性部位と相互作用する。第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの例は、アリルメタクリレート、アルケングリコールジメタクリレート、アルキルジメタクリレート、アルキルジオールジメタクリレート、アルコキシアルカノールジアクリレート、トリアルカノールトリアクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルトリアクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルジメタクリレート、アラルキルジメタクリレート、シクロアルキルジメタクリレート、アルコキシジメタクリレート、ビシクロアルキルジメタクリレート、シクロアルコキシジメタクリレート、アリルアクリレート、アルケングリコールジアクリレート、アルキルジアクリレート、アルキルジオールジアクリレート、アルコキシアルカノールジメタクリレート、トリアルカノールトリメタクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルトリメタクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキルジアクリレート、アラルキルジアクリレート、シクロアルキルジアクリレート、アルコキシジアクリレート、ビシクロアルキルジアクリレート、シクロアルコキシジアクリレートを含む。ここで、アルキル部分は1から16炭素であり、シクロアルキル部分は4から8炭素であり、nは1から6の整数である。より詳しくは、少なくとも二つの付加重合部位を有する第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、アリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3‐ブチレングリコールジアクリレート、1,4‐ブタンジオールジメタクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3ブチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ジ‐(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレートなど、ならびにそれらの混合物の任意のものから選ぶことができる。
第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、第一のプレポリマーと粘着性接着剤を形成するための少なくとも三つの異なる機構を有することができる。第二の重合性プレポリマーは、第一のプレポリマーと反応するための二つの反応部位または多官能性部位を有することができる。あるいは、第二のプレポリマーは、接着剤形成用重合体の他の極性基との水素結合を目的として、酸素、アミン、エーテル、エステル、アルコール、ケトン、ヒドロキシ、エポキシ、カルボン酸またはアリール酸などの極性基を限度なく有するように選ぶことができる。さらに第三の選択肢は、第二のプレポリマーが、形成される接着剤の対向する分子鎖の運動を立体的にもつれさせるか妨げるように、第二のプレポリマーを選ぶことである。
極性基を有する、適当な第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーは、アルコキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アルコキシ(アルコキシ)nアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアルコキシフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロアルコキシ(メタ)アクリレート、およびアシルオキシ(メタ)アクリレートからなる群から選ぶことができる。ここで、前記アルキル部分は1から16炭素であり、シクロアルキル部分は4から8炭素であり、nは1から6の整数である。第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの具体的な例は、ブチルジエチレングリコールメタクリレート、2‐メトキシエチルアクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、t‐ブチルアミノエチルメタクリレート、2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル‐エチル)メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート、2‐フェノキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化ヒドロキシエチルメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシル化ノニルフェノールメタクリレート、アルコキシル化ノニルフェノールアクリレート、カプロラクトンアクリレート、2‐アクリルオキシエトキシ‐o‐フタル酸、2‐アクリルオキシ‐1‐メチルエトキシ‐o‐フタル酸および2‐アクリルオキシ‐1‐メチルエトキシ‐o‐ジヒドロ‐(3,6)‐フタル酸からなる群から選ばれる材料を含む。
上記で述べたように、第二の実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの別の代替物は、結果として接着剤形成重合体を立体的にもつれさせるか、または対向する分子鎖の運動を立体的に妨げるプレポリマーである。そのようなプレポリマーは、例えば、14炭素より大きなアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、多環アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレートおよびシクロアルコキシ(メタ)アクリレートを含む。ここで、アルキル部分は少なくとも14炭素であり、シクロアルキル部分は少なくとも6炭素である。第一の非水溶性重合性プレポリマーを立体的に妨げる実質的に非水溶性の重合性プレポリマーの例は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、アクリレートC18〜22、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンチルオキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびセチルアクリレートである。テトラヒドロフルフリルメタクリレートおよびアクリレートなど、水素結合に参加すると既に特定された材料のいくつか、および、例えば、2‐フェノキシエチルアクリレートおよびメタクリレートも、立体障害プレポリマーとして機能することができる。
担体現場重合を実現するために、担体前駆体組成物は、一般に、1種または2種以上の付加重合性プレポリマーおよび、存在するなら、溶媒と一緒に、触媒的に有効な量の実質的に非水溶性のフリーラジカル開始剤を含む。溶媒は、さまざまなプレポリマー材料が重合を行うことができる媒質を提供する。適当な溶媒は、石油オイル、植物油、植物油エステル、液状炭化水素樹脂、液状可塑剤およびそれらのブレンドを含む。フリーラジカル開始剤は、25℃で最大10時間、より好ましくは25℃で最大1時間の半減期を有するように選ばれる。フリーラジカル開始剤は、重合性プレポリマー材料および溶媒に可溶性である必要がある。フリーラジカル開始剤は、アゾ開始剤、パーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネート、パーオキシケトンおよびパーオキシジカーボネートを含む開始剤の群から選ぶことができる。より詳しくは、フリーラジカル開始剤は、2,2′‐アゾビス(イソブチルニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)、2,2′‐アゾビス(メチルブチロニトリル)、1,1′‐アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、1,1′‐アゾビス(シアノシクロヘキサン)、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ(n‐プロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(sec‐ブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2‐エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1‐ジメチル‐3‐ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオヘプタノエート、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐ブチルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシピバレート、2,5‐ジメチル2,5‐ジ(2‐エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t‐アミルパーオキシ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシアセテート、ジ‐t‐アミルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキサイド、ジ‐t‐アミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、クメンハイドロパーオキサイド、1,1‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチル‐シクロヘキサン、1,1‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐シクロヘキサン、1,1‐ジ‐(t‐アミルパーオキシ)‐シクロヘキサン、エチル‐3,3‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)‐ブチレート、t‐アミルパーベンゾエート、t‐ブチルパーベンゾエートおよびエチル3,3‐ジ‐(t‐アミルパーオキシ)‐ブチレートから選ばれる。
本発明のさらに別の実施態様では、担体材料は、感熱性、すなわち、比較的低い高温に曝露されると、固体または半固体の状態から液体またはパテ状の状態に変化するもの、であるとよい。詳しくは、そのような担体を、常温(〜25℃)より高い融点または融解範囲を有してカプセル化用媒質に実質的に不溶性であり、好ましくは、融点より高い温度、または融解範囲を超える温度で硬化性組成物に実質的に可溶性であるか、または少なくとも部分的に可溶性である。好ましくは、担体は、35℃〜150℃の範囲、より好ましくは40℃〜85℃の範囲の融点または融解範囲を有する。適切な感熱性担体材料は、好ましくは4000から20,000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコール、酸ワックス、ステアリン酸およびステアリン酸塩を含む。特に適切な材料は、平均分子量4000のポリエチレングリコールであり、これはワックスである。参照によって本明細書に組み込まれる、クック(Cooke)ら(米国特許第4,497,916号および第3,547,851号)には、他の適切な材料が記載されている。
最後に、その他の適当な担体は、例えば、参照によって本明細書にすべて組み込まれるゴシュースキー(Gosiewski)ら(米国特許第5,206,288号)、カハラン(Cahalan)ら(米国特許第4,768,523号)、サタキ(Sataki)ら(米国特許第5,814,685号)、エバラーツ(Everaerts)ら(米国特許第5,905,099号および第5,612,136号)、マッジ(Mudge)(米国特許第4,908,268号)、サンダーソン(Sanderson)ら(米国特許第4,077,926号)、マンシネリ(Mancinelli)(米国特許第5,225,470号および第5,006,582号)、ヨバイン(lovine)ら(米国特許第4,721,748号)およびペトラス(Petras)ら(米国特許第4,061,826号)に開示されているコア材料を含む。
本発明の実施において使用される被カプセル化硬化剤は、二段階プロセスで調製される。第一は、担体中への硬化剤の組み込み、第二は、こうして改質された担体のカプセル化である。当業者には自明のように、これらの工程の両方を実現するために、任意の数のさまざまな方法を用いてよい。しかし、特定のプロセスの選択は、詳しくは、用いられる材料、硬化剤担体の中に組み込む時点、およびそのような担体材料を粒子形に変換する方法等の複数の因子によって決まる。担体が固体または半固体材料である一実施態様では、硬化剤担体材料の中に混合するかまたは捏和し、でき上がった材料が十分に剛直なら所望の粒子サイズに粉砕し、あるいは、剛直でなければ、凍結してから所望の粒子サイズに粉砕する。例えば、硬化剤担体のポリマーメルトの中に組み込んでもよく、あるいは、担体がワックスであったら、硬化剤を液状化ワックスの中にブレンドしてから、混合物を硬化させる。この場合にも、ロールミキサ、バンバリミキサまたは類似装置を用いて、硬化剤を捏和して、柔らかな、可撓性または展性の重合体またはエラストマー担体にすることができる。基本的に、プロセス条件が硬化剤に悪影響を与えたり、劣化させたりしないようであれば、固体または半固体を別の固体または半固体の中に組み込むための既知の方法のどれを使用してもよい。
硬化剤が液体であるか、または溶液の中にある場合、液体硬化剤または硬化剤溶液の溶媒を吸収するか、または液体硬化剤または硬化剤溶液の溶媒によって膨潤する、固体または半固体担体を用いることが可能である。このプロセスでは、担体は、まるでスポンジのように働き、それによって、液状硬化剤担体の中に吸収され、あるいは、溶液なら、溶媒が硬化剤担体の中に移動させる。硬化剤溶液を含む場合には、溶媒を、好ましくは、カプセル化の前に蒸発させるか、またはそのような蒸発の後担体が適切な粒子の形にならなければ、カプセル化の前に担体を粉砕する。しかし、硬化剤溶液の溶媒が担体に対して可塑剤として働き、従って、担体を軟化して、活性化したとき、硬化した接着剤または封止剤の性能または所望の性質と干渉したり、硬化した接着剤または封止剤の性能または所望の性質に悪影響を及ぼしたりせずに、硬化剤へのアクセスまたは硬化剤の曝露を容易にする場合、必ずしも溶媒を部分的あるいは完全に追い出す必要はない。
あるいは、担体自体が溶液中にある場合、硬化剤を溶液に加えてから溶媒を追い出し、改質した担体を回収してもよい。あるいは、担体および担体溶液の性質に応じて、ある種の添加剤、pH調節および/または温度変化ならびに類似方法を使用して、改質した担体を沈殿させて回収してもよい。
硬化剤担体の中に組み込む別の手法は、全体的または部分的に可溶性であろうと相溶性であろうと、担体材料を形成するために用いられる前駆体材料または反応体の一つ以上の中に硬化剤を分散させるか、または溶解させることによる。硬化剤が、担体の硬化または重合を開始し、加速し、または促進する上で有効なら、十分に過剰量の硬化剤を用いて、担体を形成後、担体の中に十分な硬化剤が確実に残るようにしなければならない。次に、この反応混合物を硬化させるかまたは重合させて改質した担体を形成させ、こうして形成させた塊状物を所望の粒子サイズに粉砕するとよい。あるいは、上記の反応混合物またはその成分を適切な液体媒質に加え、せん断混合処理してコロイド溶液、懸濁液または乳化液を形成させてもよい。次に、カプセル化の前に、コロイド溶液、懸濁液または乳濁液に反応混合物の硬化または重合を実現し、改質した担体粒子を形成させるための適切な条件を加えてもよく、あるいは、反応混合物液滴のカプセル化を実現してからカプセルまたはシェル壁を形成させるために、担体材料の同時の現場重合または硬化の有無にかかわらず、適切なカプセル化材料を溶液に加えてもよい。界面重合、コアセルベート形成などによる技法を含む、液体をカプセル化するための既知の方法のどれを使用してもよい。
担体の中に組み込まれる硬化剤の量は、使用される具体的な1種または2種以上の硬化剤およびともに用いられる硬化性組成物、硬化性組成物の硬化の開始を実現する方法、被カプセル化硬化系に対する硬化性組成物の予測される重量比、および上記で述べたように、硬化剤担体材料および/またはシェル壁の硬化または重合に関与するかどうか、または担体材料および/またはシェル壁の硬化・重合によって消費されるかどうかによって決まる。一般的に言って、硬化剤の量は、所定の硬化性組成物の硬化を実現するために一般的に用いられるレベルと一致するようにする。しかし、担体および硬化性組成物が混合されるプロセスが、念入りな、例えば反復捏和または素練りを含む場合、硬化性成分への硬化剤の曝露の効率がよいので、同じ体積の硬化性組成物に対して、多くの場合、硬化性組成物の従来の(従来のカプセル化を含む)形の場合に用いられるより低いレベルの硬化剤を使用するだけでよい。
重合性硬化性組成物に加えてカプセル化された硬化剤を使用するとき、硬化剤は、担体の約0.1重量パーセントから約25重量パーセント、好ましくは約1重量パーセントから約20重量パーセント、最も好ましくは約5重量パーセントから約15重量パーセント存在させる。上記より多い量も意図されるが、そのような多い量では、所定の粒子サイズに対して、硬化性組成物の中に組み込む被カプセル化担体は少なくなる。あるいは、硬化剤のレベルが硬化速度に直接関連し、通常より速い硬化速度が望まれる場合には、被カプセル化硬化剤の量を変化させずにそのような多い量を用いることが望ましいことがある。例えば、極めて高速の産業用途では、硬化を瞬間的またはほとんど瞬間的なものにしなければならないことがある。
硬化剤が、一般に、段階成長重合反応で使用される架橋剤またはハードナーの場合、マイクロカプセルの中のそのようなキュラティブの量は、著しく高くする。そのような硬化剤は、一般に、担体の約2重量パーセントから約50重量パーセント、好ましくは約10重量パーセントから約30重量パーセント、最も好ましくは約15重量パーセントから約25重量パーセントの量で存在させる。もっと重要なことは、これらの硬化剤の量は、一般に、硬化性組成物のための化学量論要求量と、所望の架橋度とによって適宜決まる。従って、所定の量の硬化性組成物の中に組み込む担体粒子の量を適切に調節して、担体粒子の中に用いる量を増減させてもよい。
一般的に言って、本発明の被カプセル化担体微粒子は、高度に濃縮された量の硬化剤のマイクロドメインとして働く。硬化剤担体および/またはマイクロカプセル壁のための硬化剤として働く場合、硬化剤は、一般に、担体および/または壁材料の硬化を実現するために必要なレベルの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍のレベルで組み込まれる。この場合、先行する二つの段落で挙げた量は、担体および/またはセル壁の重合および/または硬化の後の硬化剤の量を必要に応じて規定する。
本発明の被カプセル化硬化系の粒子サイズは、意図される最終用途、一緒に用いられる硬化性組成物の硬化が開始される方法、および、粒子が形成される方法の制約条件によって広く変化してよい。一般に、体積加重中央値粒子サイズは、約2ミクロンから約200ミクロン、好ましくは約5ミクロンから約50ミクロン、最も好ましくは約10ミクロンから約20ミクロンの範囲にする。体積加重中央値粒子サイズは、カリフォルニア州サンタバーバラ(Santa Barbara,CA)のパーティクルサイジングシステムズ社(Particle Sizing Systems)製のアキュサイザ(Accusizer)788を用いて測定される。
担体複合体のカプセル化は、当分野の任意の既知の手段によってよい。以下の考察は、担体のカプセル化を主に対象とするが、詳しくは、下記でさらに考察される液状硬化性成分を含む、硬化性組成物のその他の成分の離散的なマイクロカプセルまたはドメインと同じことが、カプセル化にも同様に適用できる。適切な技法は、コアセルベーション、界面重合、現場重合、空中懸濁、遠心押し出し、噴霧乾燥、パンコーティング、およびレディングジュニア(Redding Jr.)(米国特許第5,271,881号、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている、コア材料とシェル材料との分散物を形成させ、圧力衝撃波を分散液に加えることを含む。方法および材料の具体的な選択は、物理的状態および/または化学的性質等の、被カプセル化材料の性質、例えば、担体材料が液体の形であるか、または固体、半固体またはゲル状粒子の形であるかによって決まる。方法および材料の例は、以下の段落ならびに、とりわけ、例えば、シュワンツ(Schwantes)(米国特許第6,592,990号)、ナガイ(Nagai)ら(米国特許第4,708,924号)、ベイカー(Baker)ら(米国特許第4,166,152号)、ウォイチャク(Wojciak)(米国特許第4,093,556号)、マツカワ(Matsukawa)ら(米国特許第3,965,033号)、マツカワ(Matsukawa)(米国特許第3,660,304号)、オゾノ(Ozono)(米国特許第4,588,639号)、イルガラシ(Irgarashi)ら(米国特許第4,610,927号)、ブラウン(Brown)ら(米国特許第4,552,811号)、シェール(Scher)(米国特許第4,285,720号)、シオイ(Shioi)ら(米国特許第4,601,863号)、キリタニ(Kiritani)ら(米国特許第3,886,085号)、ヤーンス(Jahns)ら(米国特許第5,596,051号および第5,292,835号)、マトソン(Matson)(米国特許第3,516,941号)、チャオ(Chao)(米国特許第6,375,872号)、フォリス(Foris)ら(米国特許第4,001,140号、第4,087,376号、第4,089,802号および第4,100,103号)、グリーン(Greene)ら(米国特許第2,800,458号および第2,730,456号)、クラーク(Clark)(米国特許第6,531,156号)、サエキ(Saeki)ら(米国特許第4,251,386号および第4,356,109号)、ホシ(Hoshi)ら(米国特許第4,221,710号)、ヘイフォード(Hayford)(米国特許第4,444,699号)、ハズラー(Hasler)ら(米国特許第5,105,823号)、スティーブンス(Stevens)(米国特許第4,197,346号)、リーキ(Riecke)(米国特許第4,622,267号)、グリーナ(Greiner)ら(米国特許第4,547,429号)およびタイス(Tice)ら(米国特許第5,407,609号)によって示され、カーク‐オスマー(Kirk‐Othmer)のエンサイクロピーディアオブケミカルテクノロジー(Encyclopedia of Chemical Technology)の第二版の第13巻436〜456頁の「カプセル化」と題する章でハービグ(Herbig)、1966年5月のTAPPIの第49巻5号41A〜44A頁の「カプセル状接着剤」の中でフーバー(Huber)らによって教示されているようであり、以上のすべては、参照によって本明細書に組み込まれる。
カプセル化プロセス中の第一の工程は、担体材料または担体前駆体材料の離散的な粒子、ドメインまたはビーズの調製である。そのような材料が溶液または液体の中にあり、カプセル化が、例えば、コアセルベート形成、界面重合等によって行われる場合には、担体または担体前駆体材料を含む溶液または液体は、高せん断混合または撹拌によって処理され、必要なサイズの担体または担体前駆体の離散的なドメインの懸濁液、乳濁液またはコロイドシステムが作り出される。担体が感熱性材料、例えば、ワックスまたはワックス状材料である場合、担体を、内部に組み込んだ硬化剤とともにその融点より高温に加熱し、次に、同様な液体媒質、好ましくは水の中の高せん断混合または撹拌によって処理し、担体の離散的な液滴を作り出す。次に、冷却して固体粒子を形成させてから、カプセル化する。硬化剤が固体または実質的に固体の担体の中に組み込まれる場合には、担体を粉砕し、所望の粒子サイズに分級してから、カプセル化するとよい。カプセル化のための粒子または離散的なドメインの調製のためのそのような方法ならびに別の代替方法は、産業界で広く用いられ、当業者に公知である。
一つの好ましいマイクロカプセル化技法は、コアセルベーションである。この技法では、被カプセル化材料を、壁材料として用いられる材料の液体溶液の中に分散させるかまたは乳化させる。溶液に外力を加え、壁材料、または壁材料の一部の溶媒からの相分離を引き起こし、壁材料のすべて、または壁材料の少なくとも一部が、被カプセル化分散材料を被覆する。このプロセスでは、壁形成材料は、乳化または分散したコア材料の上に直接析出させてもよく、あるいは、コア材料の液滴の上に壁材料の液滴を後から析出させてそれ自体の乳濁液を形成してもよい。どちらの場合にも、内部相またはカプセルコア材料の分散液滴の周りに液状壁材料を連続コーティングとして析出させ、次に、壁材料を固化させる。溶液に外力を加える方法は、壁材料の溶解度に影響を及ぼす任意のものであってよく、温度の変化および別の溶媒の添加を含み、例えば、壁材料にとっての非溶媒の添加を含む。参照によって本明細書に組み込まれるグリーン(Green)(米国特許第2,800,457号および第2,800,458号)に教示されているように、ゼラチンなどの壁材料の場合には、上記のことが、壁形成工程における相分離を促進するためのpH変化を含むことは、当業者には自明である。
コアセルベーションによるカプセル化では、被被覆材料は一般に液体であり、溶媒中で乳化させて液滴を形成させ、次に、液滴を壁材料で被覆する。多くの場合、乳化剤も使用して担体材料または担体材料の前駆体の乳化を支援すると有利である。用いることができる好ましい乳化剤は両親媒性、すなわち、同一分子中に親水性基と疎水性基とをともに含む。乳化剤の例は、部分加水分解ポリビニルアルコール、澱粉誘導体、セルロース誘導体、ポリアクリルアミドなどを含むが、それらに限定されない。本発明に用いられる好ましい乳化剤は、部分加水分解ポリビニルアルコールである。好ましい方法では、水性混合物に高せん断撹拌を施し、約250ミクロンより小さい、好ましくは100ミクロンより小さい液滴サイズを実現する。
カプセル化のための条件は、担体複合体または、必要に応じて、硬化性組成物の他の成分をカプセル化するために用いられる材料の選択によって変わる。カプセル化用組成物または材料の選択は、形成されるシェル壁の所望の性質、被カプセル化材料の化学的組成および状態、あるいは、担体がシェル壁の形成の後、またはシェル壁の形成と同時に硬化または現場重合する場合には硬化剤を含む担体前駆体材料、およびカプセル化プロセスのために使用される方法を含む複数の因子によって決まる。シェル壁の所望の性質とは、強度、破断しやすさ、および、少なくとも被カプセル化担体複合体の場合、特に、担体が、担体内の硬化剤の移動、または担体の内部からの硬化剤の浸出を可能にする組成である場合には、硬化剤に対する不透過性を含む。重合体シェルを形成させるための適切な材料は、カプセル化、特に液滴または固体粒子のカプセル化の分野で既知の任意のものを含む。シェル壁材料の例は、ゼラチン、アラビアゴム、澱粉、糖、シェラックおよびロジンなどの天然材料;エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド類、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シリコーン、エポキシおよびポリウレタンなどの重合体;ホルムアルデヒドとフェノール、尿素およびメラミンとの反応生成物などのホルムアルデヒド樹脂;およびポリウレタン共ポリエーテルなどの共重合体を含む。ポリビニルアルコールは、コアセルベーションによるカプセル化に用いられる好ましい壁材料である。具体的なシェル壁材料を下記でさらに詳しく説明する。
シェル壁は、硬化性組成物の重合、硬化または架橋を開始させるための条件下で壁が破断する限り、剛直材料であっても柔軟材料であってもよい。本願の目的では、本明細書でいう「開始」、または、重合、硬化または架橋を「開始する」は、実際の重合、硬化または架橋が同時に実現されるかどうかにかかわらず、硬化剤を硬化性組成物の重合性成分と直接接触させるか、または他の方法で、硬化性組成物の重合性成分が硬化剤を利用できるようにする工程を含むものと理解される。例えば、活性化された嫌気性の硬化性組成物の場合、重合は『開始』するが、酸素が存在すると重合は抑制される。同様に、熱活性型硬化剤を、硬化性組成物の硬化性成分と緊密に混合することはできるが、熱活性化を実現するのに適する温度に達するまで重合は起こらない。基本的に、物理的条件または環境的条件、あるいは接着剤を塗布した、または塗布することになる基材が固有の性質として供給する化学的共反応体が存在しない場合以外、重合または硬化は開始する。
シェル壁の厚さは広い範囲で変化してよく、構造的な効果がないかまたはほとんどなく、硬化剤に対して不透過性または低透過性バリアとして働くだけの極めて薄い膜から、単独で構造自立性を有するシェル壁までの範囲にあってよい。そのような薄い壁は、担体が硬いかまたは剛直な材料である硬化系に特に適している。あるいは、特に接着剤または封止剤組成物の調合または塗布時のマイクロカプセル、あるいは組成物を塗布した基材に、広範なせん断条件、強い力、極端な取り扱い等が加えられる場合には、厚手のシェル壁を使用するとよい。厚手の壁は、担体が非常に柔らかいか、揺変性の性格を有し、単独ではほとんどまたは必要に満たない変形への抵抗性しか提供しない場合にも適している。
透過性は、マイクロカプセル中へのまたはマイクロカプセルからの、材料の浸透および/または漏出に対して適正な保護を提供するシェル壁の能力を指す。この能力が適正でないと、マイクロカプセルおよび/またはマイクロカプセルを組み込んだ接着剤または封止剤調合物の貯蔵寿命に影響が及ぶことがある。従って、シェル壁は、所定の寿命の間はマイクロカプセルの有用性および効力に悪影響を与えない限り、特定の材料に対して透過性であってもよい。所定の寿命は、通常は3ヶ月、好ましくは6ヶ月以上である。
一般的に言えば、薄いシェル壁、特に、現行の被マイクロカプセル化一液型接着剤系で従来実際に用いられてきたシェル壁より薄いシェル壁を使用することは、本発明の一目的である。しかし、もちろん、そのような薄手の壁は必須ではなく、従来の厚手の壁も用いてよい。しかし、薄手のシェル壁を使用すると、所定の体積の接着剤の中または接着部位の中の接着剤またはシーラントを形成するために必要な成分の存在量が多くなり、シェル壁を代表とする不活性な充填材料の存在量が少なくなるので、薄手のシェル壁が特に望ましい。一般に、本発明の実施によれば、シェル壁は、硬化系全体の約0.8重量パーセントから約25重量パーセント、好ましくは約2重量パーセントから約12重量パーセント、最も好ましくは約4重量パーセントから約10重量パーセントを含む。
染料、顔料、充填材、可塑剤、架橋剤、結合剤およびその他の添加剤を、カプセル壁の中に組み込むか、またはカプセル壁面に塗布してもよい。壁材料を調合するとき留意すべき一つの重要なパラメータは、透過性である。一般に、壁材料は、少なくとも被カプセル化材料に対して低透過性である方がよい。硬化剤の損失および硬化性組成物の早発重合を防ぐために、担体中の硬化剤に対してカプセル壁が不透過性であるか、または低透過性であることが特に重要である。同様に、硬化性組成物の硬化性成分が担体粒子の中へ浸透しないように、カプセル壁が硬化性組成物の硬化性成分に対して不透過性または低透過性であることが重要になることがある。被カプセル化材料によっては、酸素などの特定の気体に対する低透過性、または水などの液体あるいはトルエンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒に対する低透過性を有するように壁材料を調合することも望ましいことがある。必要な透過速度は、それぞれの系によって変るが、壁材料の妥当な選択によって、および壁材料の架橋度によって満たされる。一般に、架橋が増加すると、透過速度は低下する。
上記で述べたように、任意のまたは複数のさまざまなプロセスを用いて、硬化性組成物および硬化剤組成物の成分をカプセル化してよい。一つの好ましい技法は、カプセル壁材料を現場重合させることである。この技法では、被カプセル化材料の上にモノマーまたはオリゴマーを分散させ、次に、共重合モノマーまたはラジカル開始剤、硬化剤などの反応性化学種の添加、あるいは熱または紫外線照射によって、重合を実現させる。任意選択として、カプセル壁材料は、架橋剤の添加、あるいは熱、紫外線照射またはラジカル開始剤によって、現場架橋してもよい。カプセル壁材料を重合または架橋させる方法は、壁材料の選択、および被カプセル化材料によって変化させる。複数の具体的な方法およびシェル壁形成組成物は、下記に示す通りである。
マイクロカプセルの壁がポリアミドまたはポリウレアで構成されるとき、好ましいカプセル化技法は界面重合である。これは、1種または2種以上の被マイクロカプセル化接着剤モノマーを酸塩化物またはイソシアネートのどちらかと混合することによって実現するとよい。その結果得られる混合物を乳化剤で乳化して水中油型乳濁液を得る。次に、多官能アミノ化合物を乳濁液の中に加え、それによって油の各微粒子の周りにマイクロカプセル壁を形成させる。酸塩化物を多官能アミノ化合物と混合すると、ポリアミドマイクロカプセルを作り出し、イソシアネートを用いると、ポリウレアカプセルを形成する。油相の微粒子について述べたが、分散相は、本明細書中では、「ドメイン」、「ビーズ」または「液滴」などとも呼ぶものとする。
ポリアミドマイクロカプセルを製造するために本発明において用いることができる酸塩化物は、テレフタロイルクロリド、イソフタロイルクロリド、1,3,5‐ベンゼントリカルボン酸クロリド、セバシルジクロリド、4,4‐スルフォニルジベンゾイルクロリド、1,3‐ベンゼンジスルホニルクロリド、1,4‐ベンゼンジスルホニルクロリドまたはそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。本発明に用いられる好ましい酸塩化物は、イソフタロイルクロリドとテレフタロイルクロリドとの混合物である。
ポリウレアマイクロカプセルを製造するために本発明において用いることができるイソシアネート化合物は、2,4‐および2,6‐ジイソシアナートトルエン、4,4′‐ジイソシアナートジフェニルメタン、1,3,5‐トリメチルベンゼン‐2,4‐ジイソシアナート、1,6‐ジイソシアナートへキサン、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、さらにビウレット基、アロファネート基およびカルボジイミド基を含むポリイソシアネートなどを含むがそれらに限定されない。
本発明において用いることができる多官能アミンの例は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、1,6‐ヘキサンジアミン、ポリエチレンイミン、ビスヘキサメチレントリアミンなどを含むがそれらに限定されない。
マトソン(Matson)(米国特許第3,516,941号)は、被カプセル化材料、またはコア材料が、水相中に分散した有機、疎水性油相の中に溶解する重合反応を教示している。水相は、重合するとマイクロカプセルの壁を形成するアミノプラスト樹脂形成材料を溶解している。高せん断撹拌を用いて微細な油滴の分散液を調製する。酸触媒を添加して重縮合を開始させ、水相内にアミノプラスト樹脂を形成させると、どちらの相にも不溶性のアミノプラスト重合体が形成される結果となる。重合が進むと、アミノプラスト重合体は水相から分離し、分散した油相の液滴の表面上に析出して二相の界面にカプセル壁を形成し、ひいては、コア材料をカプセル化する。アミンとアルデヒドとを含む重合がアミノプラストカプセル化として知られる。尿素‐ホルムアルデヒド、尿素‐レゾルシノール‐ホルムアルデヒド、尿素‐メラミン‐ホルムアルデヒドおよびメラミン‐ホルムアルデヒドのカプセル形成は、同様に進む。界面重合では、カプセル壁を形成する材料の一方は水相、他方は油相と、別々の相の中にある。重合は、相の境界で起こる。従って、二相の界面で重合体カプセルのシェル壁が形成され、それによって、コア材料をカプセル化する。界面重合は、ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレアなどの壁材料の場合に特に有用である。
ゼラチンおよびゼラチン含有マイクロカプセル壁材料は公知であり、一般に、コアセルベーションによるカプセル化プロセスおよび相分離カプセル化プロセスで用いられる。ゼラチン/アラビアゴムカプセル化のための一つの好ましい技法は、最初にコア材料をゼラチン溶液の中に乳化させて水中油型乳濁液を得ることを含む。乳濁液をアラビアゴム溶液と混合する。次に、システムをpH調節するか、または希釈し、ゼラチン/アラビアゴムをコアセルベート形成させる。その後、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドまたはその他の類似の既知化合物などの架橋剤でカプセルを後処理する。
メラミン‐ホルムアルデヒドによる壁材料は、最初にコア材料をカルボキシルメチルセルロース溶液またはポリ(スチレン‐無水マレイン酸)溶液中に乳化させ、水中油型乳濁液を得ることによって、作ることができる。次に、乳濁液をメラミン‐ホルムアルデヒド前縮合体溶液と混合する。次に、系をpH調節し、続いて、加熱して前縮合体の高分子量化合物への重合を開始させる。カルボキシルメチルセルロースまたはポリ(スチレン‐無水マレイン酸)溶液が存在すると、重合したメラミン‐ホルムアルデヒドがコア材料表面上に析出し、それによって、コアをカプセル化するのを助ける。別の方法では、メラミンとホルムアルデヒドとをスチレンスルホン酸の存在下で重合させる。メラミン‐ホルムアルデヒド樹脂壁形成プロセスのさらに別の好ましい実施態様は、ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸誘導体ならびに類似物を乳化剤として使用し、水中油型乳濁液の形成を支援する。そのような乳化剤は、好ましくは約8から18のHLB値を有する。
あるいは、フリーラジカル重合および/または架橋によって壁材料を形成してもよい。これは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリルエステル(例えばアルキルアクリレート‐アクリル酸共重合体)、不飽和ポリエステル等などの壁材料の場合に特に有用である。フリーラジカル反応は、熱、紫外線照射または、ベンゾイルパーオキサイド、t‐アミルパーオキシネオデカノエート、t‐アミルパーオキシピバレート、t‐アミルパーオキソ2‐エチル‐ヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシソブチレート、t‐アミルパーベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,2′‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)等などの開始剤の添加によって開始するとよい。
マイクロカプセルの壁をエポキシで構成させるとき、適当な成分は、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロへキサンカルボキシレート、ビスフェノール‐A‐ジグリシジルエーテル等などの二官能または多官能エポキシドを含む。これらは、グリセリンなどのポリオールと組み合わせて用いることができる。マイクロカプセルを形成させる一つの便利な方法は、被カプセル化材料の乳濁液を形成させ、二官能または多官能エポキシドとポリオールとの組み合わせを添加し、被カプセル化材料を被覆し、次に、酸を加えて重合を実現させ、ポリエポキシドを形成させることを含む。適当な酸は、塩酸または硫酸などのブレンステッド酸を含み、三フッ化ホウ素、五フッ化アンチモン等などのルイス酸も含む。
本発明の実施において使用する前塗布型接着剤および封止剤組成物は、前塗布型接着剤および封止剤を調合し、調製するための任意の既知の方法によって調製してよい。上記で述べたように、本発明の実施による重要な態様は、本明細書に記載される被カプセル化担体複合体の使用である。一般に、被カプセル化材料またはマイクロカプセルは、多くの場合に述べられるように、適切な結合剤中に分散される。結合剤の選択は、壁材料の組成と、塗布される相手の基材、塗布され、および/または用いられる環境、および前塗布型接着剤が材の表面に塗布される方法を含む、複数の因子によって決まる。
上記で述べたように、材への塗布のための接着剤および封止剤組成物を調製する際に、カプセルを結合材料の中に分散させる。それぞれの種類のマイクロカプセルを、結合剤系の別個の部分または成分の中に分散させ、次に、それぞれを結合剤系に順番に加えるか、または同時に加えて、組み合わせることができる。担体複合体を使用するので、調製時のマイクロカプセルの破断による早発硬化の懸念は、皆無ではないにしても軽減される。ただし、依然として、マイクロカプセル、特に液状硬化性成分を含むマイクロカプセルに加えられるせん断力をできるだけ小さくすることが望ましい。この問題は、溶液の中の重合体結合剤を含む低粘度結合剤と比べて、高粘度結合剤系で大きい。
結合剤系は、シェル壁および/または接着剤または封止剤を形成するために有用な材料と同じまたは類似の硬化性または重合性材料を用いる硬化性結合剤系であるとよい。適当な硬化性結合剤系は、無水物とアリーレン、アルキレン、アルコキシレン、アルカリーレン、アラルキレン、アルコキシアルキレン、アリールオキシアルキレンおよびアリールオキシアリーレンとの反応によるものを含む。
あるいは、適当な結合剤は、ポリビニルアルコール、スチレン‐無水マレイン酸共重合体およびゼラチンなどの水溶性結合剤ならびにクロロプレン、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、カルボキシル‐またはヒドロキシ‐変性した塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテート、エポキシド、ポリテルペン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、前記のものの共重合体、ポリ(脂肪族カルボン酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸‐カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸‐ カプロラクトン)、ポリ無水物、アルブミン、カゼイン、ブチレート樹脂、ポリ酢酸ビニル、二塩基酸とジオールとのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ワニス系およびタール系樹脂ならびにワックス等などの溶媒可溶性結合剤も含む。後者のための有機溶媒は、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、塩化メチレンなどの塩素化溶媒、モノフルオロトリクロロエタンおよびジクロロジフルオロエチレンなどの塩素化/フッ素化炭化水素溶媒、ヘキサンおよびペンタンなどの炭化水素溶剤、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、およびメチルエチルケトン、トルエンおよびベンゼンなどのラッカー溶媒を含む。
参照によってここで組み込まれ、他の箇所でも組み込まれる、当業者に公知の、例えば、パーク(Park)ら(米国特許第5,827,924号)、マツオ(Matuo)(米国特許第6,025,074号)およびバックマン(Bachmann)ら(米国特許第3,814,156号)には、別の結合剤系が開示されている。
特に望ましい結合剤系は、光重合性、すなわち、光、好ましくは紫外線に曝露すると硬化または重合する結合剤系である。そのような結合剤系は、上記で述べたフリーラジカル硬化性モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、それらのための適切な光開始剤、および/または任意の光増感剤を含んでよい。適当な光開始剤は、とりわけ、ベンゾイン類および誘導体、ベンゾフェノン類および誘導体、キサントン類、ベンジル、ベンジルケタール(特にベンジルジメチルケタール)、アセトフェノン類およびそれらの誘導体(特にα,α‐ジエトキシアセトフェノン)、α‐ヒドロキシアルキルフェノン類、o‐アシル‐α‐アミノケトン、アシルホスフィンオキシド、特に2,4,6‐トリメチロールベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびアシルホスホネートを含む。別の光開始剤は、置換ピリリウム塩またはアントラセンおよびその誘導体、例えば、置換アントラセン類、あるいはアントラキノンまたはケトクマリン誘導体を含む。光開始剤は、一般に、組成物の約0.5%から約10重量%の範囲内の量で用いられ、組成物全体の約2%〜約4重量%またはそれ以上が望ましい。あるいは、さらに、光重合性結合剤は、光増感剤を含んでもよい。適当な光増感剤は、ベンゾフェノンまたはエオシン、フルオレセイン、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、キサンテン染料、アクリジニウム染料またはフェナジン染料のような染料を含む。そのような光増感剤を含むと、多くの場合、硬化を開始させるために用いられる放射への暴露の強度および/または持続時間が少なくなる。光開始重合のための全般的な指針として、全組成物の約0.005%〜約4重量%またはそれ以上の範囲内の(望ましくは約0.01%〜約1.5%範囲内の)量のパーオキサイド、パーエステル、アゾ化合物、ベンゾイン誘導体、アルファ‐ハロアセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなどの光開始型ラジカル発生成分を用いることも望ましい。
上記の考察は、主に、フリーラジカル光重合に関するものであったが、適切な結合剤系を光イオン活性してもよいと理解される。適切なカチオン性光重合開始剤は、ヨードニウム塩、特にジアリールヨードニウム塩を含む。米国特許第3,729,313号、第3,741,769号、第3,808,006号、第4,250,053号および第4,394,403号にそのようなヨードニウム塩が記載されている。ヨードニウム塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、五フッ化アンチモン、六フッ化ヒ素物または類似物などのアニオンを含む簡単な塩であってよい。望むなら、ヨードニウム塩の混合物を用いてもよい。一般に、ヨードニウムカチオン光開始剤は、増感剤および電子供与体化合物と組み合わせて用いられる。従って、特定のヨードニウム塩の選択は、ある程度、選ばれた特定の重合性成分、増感剤および電子供与体によって決まることがある。
結合剤組成物は、硬化剤の場合に、結合剤の中に含まれている硬化剤が、硬化性組成物の硬化性成分を含むマイクロカプセルが早発破断しても早発硬化または早発重合を起こさせないような硬化剤なら、接着剤または封止剤組成物のための硬化剤および添加剤など、他の成分も含んでよい。従って、所定の硬化性組成物のための開始剤が担体の中にある限り、例えば、促進剤を結合剤の中に分散させてもよい。
結合剤の中に組み込む被カプセル化成分の量は、塗布方法および塗布速度、結合剤の性質および/または組成、ならびに所望の接着または封止を実現するために必要な接着剤または封止剤材料の量によって変化する。溶液中の結合剤重合体を含む結合剤は、一般に、液状硬化性結合剤系より低いレベルの被カプセル化成分を有する。例えば、溶液中結合剤系の前塗布型接着剤および封止剤組成物は、結合剤固体と被カプセル化材料との合計重量を基準として、約30%より少ない、好ましくは約25%より少ない結合剤を含むとよい。一方、100%固体結合剤、例えばUV硬化性結合剤の場合には、結合剤は、結合剤と被カプセル化材料との合計重量を基準として、約40%以上、好ましくは約45%以上の100%固体結合剤を含むとよい。
一般に、最も有効な接着または封止を可能にするために、硬化性組成物の量をできるだけ多くすると同時に、結合材料の量をできるだけ少なくするのが好ましい。一般的に言って、これらの量を、従来の被カプセル化接着剤および封止剤の場合に用いられる量と一致するようにする。被カプセル化液状硬化性成分に対する被カプセル化担体複合体の比は、硬化性組成物の種類を含む複数のさまざまなパラメータ、すなわち、付加重合系であるかまたは段階成長重合系であるか、所望の重合度または硬化度、硬化性成分の量および/または化学量論、担体粒子中の硬化剤の量などによって決まる。当業者は適切な組み込みレベルを容易に認識し、または求めることができる。大抵の場合は、担体が存在しなかったら、すなわち、従来の被カプセル化系であったら使用されたであろう量と同じ量の硬化剤を有する被カプセル化担体複合体粒子を使用する。
被カプセル化接着剤組成物は、従来の「変換」または塗布装置および機械を用いる任意の従来のプロセスによって、包装材に塗布してよい。方法の例は、ロールコーティング、塗装、押し出し、ドライブラッシング、噴霧塗装、スロットコーティング、渦状噴霧塗装、印刷(例えばインクジェット印刷)、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷などを含むがそれらに限定されない。好ましくは、この方法は、印刷法の一つである。接着剤組成物は、予め形成されたブランクに、あるいはバルク原料包装材、例えばブランクを切り取るための原材の大きなロールおよびシートに、所望のパターンで塗布してもよい。後者のそれぞれの場合には、材を切断装置に供給するとき、前塗布型接着剤のパターンと適切に位置合わせして切断するように、必要に応じてロールまたはシートに印をつける。前塗布型接着剤を有する包装材を、次に、貯蔵するか、あるいは、別の施設に出荷して貯蔵および/または即時使用してもよい。
前塗布型接着剤を塗布するために使用する具体的な方法および装置は、変換する包装材の性質および種類、塗布する接着剤組成物の性質、塗布する接着剤のサイズ、形状、構成、パターン、量等、結合剤の硬化の方法等など、複数の因子によって決まる。ドット、盛り上がった角錐等を含む複数の異なるパターンで接着剤を塗布してよいが、好ましくは、ストリップまたはライン、多くの場合、横に並べた複数のラインまたはストリップとして接着剤を接着部位に塗布する。具体的なパターンは、包装材の用途および接着部位で必要な接着剤の量によって決まる。特定の用途に必要なパターン、ならびに必要なパターンを準備するための適当な塗布方法および装置は、当業者に自明である。さらに、簡単な実験ならびに従来の接着剤に関する過去の経験によって、ユーザは、任意の具体的な用途の場合に前塗布する接着剤の量を容易に求めることができる。この点について、塗布速度は、パターンだけでなく接着シームの直線インチあたり塗布する接着剤の量も指す。
一般的には、接着剤組成物は、高速の産業用変換プロセス中でインライン塗布される。これによって、続く包装材成形操作、ならびに包装材成形、充填および閉合操作で使用するための包装材を調製/変換する。別の好ましい実施態様は、同じ高速の産業用変換プロセスが、最終包装材の部分組み立てまたは成形、例えば図2に示した食品トレイの成形、のための工程も含むものである。このトレイは、次の充填および閉合操作での使用に備えて貯蔵される。この場合、接着剤の塗布は、変換プロセス中におそらくいくつかある作業ステーションの一つで実行される。どの場合にも、前塗布型接着剤を有する包装材は、次に、出荷され、輸送され、および/または、最終組み立ておよび、好ましくは、充填および閉合プロセスで必要となるまで、製造場所または他の場所に貯蔵される。これらの方法によれば、実際の包装材製造および/または充填/閉合プロセスは、既に完成し、貯蔵されていた包装材を使用するので、変換プロセスにおいて、特に接着剤の塗布に関して問題が起きても、包装材製造および/または充填/閉合プロセスに対する影響はない。さらに、悪影響を受けた被変換材はどれでも、最終用途の塗布へ送る前に、容易に特定し、製品から取り除くことができる。
変換プロセスは、最終用途塗布プロセスと同じく、連続式にしてもよく、または不連続式、すなわち停止および進行させ、各作業ステーションでそこで意図される作業を完了させるようにしてもよい。例えば、前塗布した接着剤が材に確実に結合し、指触乾燥状態または実質的指触乾燥状態になるように、接着剤を塗布する作業ステーションの後に、結合剤組成物の硬化または固化に有利な環境条件を準備する作業ステーションがあるとよい。変換後、本発明の実施形態によって製造した原材は、変換を行った場所で貯蔵するか、出荷し、貯蔵施設に貯蔵するか、または必要となるまで最終使用の場で貯蔵する。
最初に述べたように、本発明の実施は、複数の異なる種類および構成の包装材に適用してよい。本発明を理解する便宜を図り、支援するために、本発明の範囲内にある半完成包装材料を含む複数の異なる包装原材を図1から5に示す。
図1は、一般的なクーリエまたはエクスプレスメール型ボール紙封筒ブランク1を示す。このブランクは、二つのパネル2および3(それぞれ内面および外面を有し、図では前者が見える)、それぞれ本発明による前塗布型接着剤8を有する二つのサイドフラップ4aおよび4b、ならびに閉合フラップ5を有する。封筒を成形する際の第一の工程は、内面が互いに対向するように、二つのパネルを合わせ目10に沿って折り畳むことである。次に、サイドフラップのそれぞれの上の接着剤8を適切なアクティベーター手段(図には示していない)で活性化し、サイドフラップを合わせ目12aおよび12bに沿ってパネル2の外面の上に素早く折り畳み、それによって、袋または封筒を作り出す。これらの操作は、手動で実行してもよいが、好ましくは、自動包装品成形システムにおいて実行する。このシステムでは、包装材ブランクは、コンベアの上を矢印の方向に移動し、各サイドフラップは、アクティベーター手段が容易に近づくことができるようにコンベアの外側に置くか、またはコンベアの側端より外に張り出させる。封筒または袋は、次に、後段の配布および/または使用に備えて貯蔵してもよい。例えば、これらの封筒は、エクスプレスメール、フェデックス、ユーピーエスメール用封筒などとして使用するとよい。この場合、閉合フラップ5は、前塗布型感圧接着剤6と、感圧性接着剤6の上にある保護剥離ライナとを有する。使用時に、差し出し人は、送付する内容物を封筒に入れ、剥離ライナを取り去り、閉合フラップ5をシーム11で折ってパネル2の外面と対合させ、それによって、封筒を封止する。受取人は、開封ストリップ7を引くことによって、封筒を開く。
あるいは、図1の包装材ブランクは、上記で成形した包装材ブランクまたは半完成包装材封筒が自動装填され、閉合される大量高速の産業用郵送操作に用いるのに特に適している。この場合、閉合フラップ5は、好ましくは、前塗布型被カプセル化接着剤6のストリップを有する。前の段落と同じく、包装材ブランクは、封筒成形ステーションを通ってコンベアの上を矢印の方向に移動する。半完成品封筒を取り出さず、次の作業ステーションに封筒を進ませ、封筒を90°回転させる。それによって、充填装置が適切な内容物を入れることができるように、開口部をコンベアの一方の側端に向かせる。あるいは、一つのコンベアから、これとは垂直方向に移動する別のコンベアに封筒を移すことによって、回転を実現してもよい。充填済み封筒は、次に、第二の活性剤ステーションを通って移動し、第二の活性化ステーションは、接着剤6を活性化し、それに続いて、閉合ステーションで閉合フラップ5をパネル2の外面の上に折り畳む。仕上げ工程では、次に、印刷手段またはラベル手段を通して封止済み包装品を移動させ、適切な宛先を包装品に付与する。あるいは、同じ場所または異なる場所の二つの別の組み立てラインの上で装着と封止とを実行してもよい。この場合、操作には、感圧性接着剤ではなく、前塗布型被カプセル化接着剤を有する、前の段落で成形したと同じ半完成品封筒を使用する。
図2は、冷凍して貯蔵し、後で再加熱して消費する調理済み食品に一般的な、半完成カートン10を示す。このような包装材は、一般にボール紙で作られ、内面を耐熱性コーティング、最も一般的には、厚さ約1ミリの熱硬化性ポリエステルで被覆する。カートン10は、4つの横パネル14、16、18および20、閉合パネル22ならびに下部パネル15を有する。好ましくは、下部パネルの端に沿った横パネルの下端の長さは、閉合パネルと対合する上端の長さより短く、それによって、横パネルと下部パネルとの形が定まるカートントレイは、一方を他方の中に入れて容易に積み重ねられる。横パネル18および20から、本発明による被カプセル化前塗布型接着剤25を有するフランジ24および26がそれぞれ延在する。これらのフランジは、閉合パネル22のサイドから延在する、対応するフランジ28および30と対合する。閉合パネル22は、その自由端、すなわち、横パネル16の反対端から延在する閉合フラップ32も有し、閉合フラップ32は、閉合フラップ32を横パネル14の外面に対合させるための前塗布型接着剤27を有する。一般に、閉合パネルは、開きやすくするための一体化した開封ストリップ29も有する。
図2の半完成カートン10は、大量、高速の産業用充填および閉合操作、特に食品包装操作において容易に使用することができる。その場合、コンベア手段によって、半完成カートンを、カートントレイに食品を充填する充填ステーションと、続いて、充填したカートンを封止するための逐次の活性化および閉合手段を通して移動させる。必須ではないが、閉合フラップの前に、各フランジ要素をまず封止すると好ましい。連続操作では、カートンを90°回転させ、一方の活性化に続いて他方の活性化を実行する。このような包装材は、従来の包装用接着剤を用いて既に成形され、充填され、および閉合されたものなので、アクティベーター手段を従来の装置の中に一体化、一方、従来技術の接着剤分注および/または加熱手段を取り除くために必要な変更点は、当業者に自明である。
図3から5は、構築のさまざまな段階の、シリアル、ケーキミックス、クッキー等など、乾燥食品の包装に用いるのに一般的な遮蔽フラップ型のボール紙の包装材を示す。図3は、包装材ブランク40を示す。包装材ブランク40は、前パネル41、後パネル43、2つの横パネル42および44、上部小フラップならびに下部小フラップ、それぞれ51および53ならびに46および48、上部内側主フラップおよび下部内側主フラップ、それぞれ50および45、上部外側主フラップおよび下部外側主フラップ、それぞれ52および47、ならびに横パネル44から延在するシームフラップ56を有する。図に示したように、下部内側主フラップ49、上部内側主フラップ50およびシームフラップ56は、すべて、外面に前塗布型被カプセル化接着剤を有する。もちろん、上部外側主フラップおよび下部外側主フラップの内面に接着剤を塗布するのも容易である。上部フラップは、すべて、前、後および横パネルのそれぞれの上端から折り目54に沿って延在する。同様に、下部フラップは、すべて、前、後および横パネルのそれぞれの下端から折り目55に沿って延在する。
カートンを成形する際の第一の工程は、シームフラップ56の上の接着剤49を活性化することと、ブランクを折り目60、61、62および63の上で内側へ折り畳むことである。その結果、シームフラップ56の上の活性化済み接着剤が後パネル43の内面と接触し、それによって、折り目63は端58の上になり、端58と平行になる。図4の断面図、ならびに図4のライン5‐5に沿って見た図5の断面図の方が、この構成を分りやすく示している。結果として得られる構造体は、矩形のチューブ状構造体であり、貯蔵および/または輸送に備えて、折り目61および63または60および62の上で折り畳み、容易に平らなボール紙半完成ブランクとすることができる。
カートンを成形する際の第二の工程は、カートンブランクが折り畳まれているか、またはつぶれているなら、形を整えた後、下部副フラップを折り込み、続いて下部内側主フラップ45、次いで、下部外側主フラップ47を折り込むことである。下部内側フラップを折り込む前か同時かまたは後に、ただし、下部内側フラップと下部外側主フラップ47とを折り込むかまたは対合させる前に、接着剤を活性化させる。この第二の工程の結果得られる半完成包装品は、端の開いたカートンである。次に、この端の開いたカートンに中味を充填し、続いて閉合し、封止するとよい。閉合または封止は、上部副フラップと上部主フラップとを扱うが、下部副フラップと下部主フラップとを閉合し、封止する際に使用したと同じ工程によって実現する。
図4を見ると分りやすいが、上部および下部内側主フラップのそれぞれの上の前塗布型接着剤は、遮蔽フラップ構造を収容するために、フラップの外側の端と平行であり、フラップの外側の端の方を向いている。主フラップが包装材の幅全体に延在していたら、すなわち、主フラップの高さが横パネルの幅と同じであったら、接着剤はもっと中央に寄るか、または内側主フラップの上の折り目54および55の方へもっと近づいていたであろう。図4は、前塗布型接着剤が、好ましくは、シームフラップと内側主フラップとの先端近くで始まり、終端からある距離で終る連続なストリップの形であることも示している。ここで、先端および終端と言うときは、自動成形および組み立てプロセスに関するものである。この場合、ブランクはコンベア手段の上を運ばれ、先端は各作業ステーションに最初に入るブランクの部分である。このパターンで接着剤を、前塗布して次の事実と折り合いを付ける。事実とは、下記でより詳細に考察するように、好ましいアクティベーター手段は、実際には、前塗布型接着剤をフラップの表面から持ち上げ、後で活性化済み接着剤を置くのは、アクティベーター手段が最初に接着剤と出会う点から一定距離離れた点であるということである。
図3の包装材ブランクは、下記でより詳細に説明するように、従来の接着剤塗布装置および/または加熱装置の代わりに、装置がアクティベーター手段を有する点を除けば、従来の装置を用いる高速、大量包装材成形、充填および閉合操作において容易に使用することができることは、当業者には自明である。さらに、被カプセル化接着剤は、瞬間的ではないにせよ、非常に速く(すなわち、1、2秒、好ましくは1秒未満、最も好ましくは2分の1秒未満で)硬化するので、従来の包装用接着剤の場合のように、次の成形、充填および閉合プロセスの工程で半完成品を使用することが可能になる前に長いコンベアラインまたは冷却手段を設けて十分な冷却を可能にする必要がない。この点について、硬化は、100%完了しなくてもよいが、対合圧力または力を取り除くと開こうとするフラップの自然な屈曲または傾向に打ち勝って、フラップを接着したままに保つのに十分な硬化がこの時間内で起こっている。活性化を実現させると、接着区域に、活性化済みの接着剤と対合表面との間の接触を確実にするために圧縮力を加える点に注意すべきである。これを実現するための装置は、当分野で公知であり、従来の包装用接着剤で使用されている。しかし、本発明によれば、そのような圧縮力を加えなければならない時間は、本発明の接着剤の硬化能力が急速なため、そのような従来の接着剤の場合より短く、好ましくは大幅に短い。
既に述べたように、前塗布型接着剤または封止剤の活性化は、高せん断混合によって、あるいは、低温加熱に曝露すると流動化する担体の場合には、加熱と組み合わせた中程度のせん断混合によって行われる。担体の独特な物理的特性のため、前塗布型接着剤および封止剤の活性化のためのほとんどの従来のプロセス(例えば圧入、指圧、単一ロールプレスまたはブレードプレス)は、硬化性組成物の十分な硬化を実現するのに十分な量の硬化剤を暴露し、または利用できるようにするのに足りない。ある程度の放出および硬化をもたらすことはできるが、硬化性組成物の中の粘着結合または若干の粘度上昇を提供するのに十分な程度に終わる可能性が高い。それとは異なる十分な活性化を保証するために、担体複合体および硬化性成分を十分に捏和しなければならない。活性化するために高目の混合しきい値が必要な前塗布型接着剤を作り出し、用いることによって、従来の前塗布型材料でしばしば起こる早発硬化、予想外の接着などの問題を回避することができる。
前塗布型接着剤の活性化は、手動式で行ってもよいが、好ましくは、アクティベーター手段、すなわち、装置または機械によって自動で行われる。手動の場合、マイクロカプセルを破断させ、担体をすりつぶすか、または素練りし、それによって、十分な硬化剤を液状硬化性成分に暴露し、混合させるのに十分な圧力で、ブレードまたはその他の類似の器具を前塗布型接着剤組成物の上に繰り返し引かなければならない。手動にせよ、自動にせよ、作用を受ける材の表面が平らまたは実質的に平らであるか、あるいは、平らでなくても、アクティベーター手段の形状または外形と適合する外形であることが重要である。
好ましい実施態様では、自動アクティベーター手段によって前塗布型接着剤の活性化を行う。自動アクティベーター手段は、前塗布型接着剤を活性化する独立装置または機械、あるいは大型の産業用組み立てプロセスまたは製造プロセスに統合された機械のどちらでもよい。それぞれをいつ用いたらよいかについては、かなりの分野が重複するが、活性化済み硬化性組成物の硬化速度が非常に速い、1秒以下のオーダーの場合、インライン自動活性化および組み立てが必要になる。硬化速度が遅いと、例えば、長い放置時間をおく場合は、アクティベーター手段が独立装置であるとき、または続く組み立て工程が自動化工程ではなく手動工程である場合、または自動システムであっても、接着表面を対合させる前に、アクティベーター手段を活性化部位から後退させなければならない場合に、特に有利である。
インラインアクティベーター手段の場合、アクティベーター手段は、固定式であってもよく、あるいはロボットアームまたは類似の装置に取り付けたものであってもよく、またはロボットアームまたは類似の装置の部品であってもよい。可動式にすると、アクティベーター手段の通路がふさがっている包装材での使用を可能にするのに特に適している。アクティベーター手段は、作動モードと休止モードとの間で移動することができる。アクティベーター手段は、作動モードでは活性化作業ステーションの中でインライン状態にあり、休止モードではオフラインであり、活性化作業ステーションの実際の作業部位から後退している。あるいは、可動式にすると、活性化工程の間に、アクティベーター手段が組み立てライン装置に対して静止せず、移動するようなものであってもよい。これによって、材が、連続式または不連続式のどちらかで作業ステーションを通過するとき、アクティベーターは、前塗布型接着剤を塗布した材の区間の上を通り過ぎるかまたは強く打つ。いずれにせよ、これらの装置は、組み立てラインに直接統合され、既存のラインの場合には、存在していた場合、それまで、液状または流動性接着剤を塗布し、接着剤を硬化させていた作業ステーション、または、必要なら、従来の前塗布型包装用接着剤で使用していた加熱ステーションの代わりとするとよい。
特に好ましい本発明の実施態様は、材が平らである場合、または、包装材が活性化ステーションを通過するときでも、アクティベーター手段を移動させずに前塗布型接着剤に作用させることができるように、材がなっている場合である。この場合、プロセスを連続式となり、プロセスの速度または生産量のレベルは、包装材成形、併設されていれば充填および閉合操作のうち残る工程の速度または生産量だけで決まる。基本的に、本発明は、接着剤塗布および/または接着工程がもはや障害とはならないプロセスを提供する。
従って、本発明の教示によって作られた包装材は、きわめて高速の操作を含む、高速の操作に特に適している。そのような操作の例は、ボール紙ブランクが、最大毎分300フィート以上の速度で組み立てラインを通過する包装操作である。最適に達しない活性化の場合でも、最大毎分250フィート以上の速度を実現することができる。このような高速の組み立ては、毎分150フィート程度の速度しか実現しないほとんどの従来の自動組み立て操作とは明らかに対照的である。
おそらく、アクティベーター手段の重要な態様は、前塗布型接着剤または封止剤と直接接触し、活性化させるアクティベーター手段の部分、すなわちアクティベーターヘッドである。アクティベーターヘッドの設計、構造および性質は、担体の組成および性質、ならびに前塗布型接着剤または封止剤の硬化特性、組成および構造によって広く変化させてよい。例えば、担体がホットメルト、ワックス材料または別の感熱材料なら、近づいてくる加熱素子からの伝熱によって、またはアクティベーターヘッド自体への加熱素子の統合化によってアクティベーターヘッドを加熱し、これによって、担体をメルト状態、軟化状態または流動状態に変換する。この状態では、硬化性組成物の他成分が担体中の硬化剤を利用することが容易になり、その結果、硬化性組成物の硬化を実現するためには、中程度のせん断および/または混合しか要らなくなる。
最も簡単な実施態様では、アクティベーターヘッドは、一個または一連のブレードを含む。ブレードの端と、接着剤または封止剤を前塗布した材の表面との間には若干の角度を設け、これによって、ブレードが材を横切ると、または一個または二個以上の固定ブレードの場合に材が一個または一連のブレード上を通過するとき、硬化性成分を含むマイクロカプセルおよび担体複合体は圧壊され、磨砕される。好ましくは、適切な活性化を確実にするために、一個または一連のブレードを振動させるか、往復運動させるか、または揺動させ、これによって、必要に応じて、ブレードまたは材の通路に対して迅速な横方向または円運動を生じさせる。アクティベーターブレードのこの補助運動は、単一ブレードを使用する場合に特に重要であるが、二つ以上の連続ブレードを使用する場合にも有利である。好ましくは、ライン速度を上げるとき、補助運動の周波数または速度も上げ、適切な混合を確実にする。
好ましいアクティベーターヘッドは、動作面、すなわち、前塗布型接着剤または封止剤を塗布した原材の表面に面するアクティベーターヘッドの表面が、表面から突き出た複数の構成要素を有するものである。これらの構成要素は、操作時、基本的に、前塗布型接着剤を包装材料の表面から持ち上げ、接着剤の成分を緊密に混合する一方、接着剤を含むマイクロカプセルに外力を加え、破断させ、および/または、続いて緊密に混合してから、活性化済みの接着剤を回収し、包装材の表面に置く。このような構成要素は、一連の稜線、ダム、角錐および/またはバンプなどを含んでよい。ダムは、接着剤組成物の成分を移動させ、捏和し、混合すると同時に活性化済み接着剤の配置を誘導するために働く。基本的に、これらの要素の作用は、積雪面を除雪するときの除雪装置の除雪ブレードの作用に非常によく似ている。一般に、先導するダムの後には他の突起物、例えば、バンプ、稜線、角錐などが続き、流れせん断を作り出し、定められた区域の中の接着剤または封止剤の運動方向を変化させ、従って、それらの捏和および混合を促進する。これらの混合用要素の後に、別のダムまたは一連のダムを置く。これらは、活性化済み接着剤または封止剤を回収し、必要に応じて分割し、一個または一連の盛り上がった平行なビーズの形で原材の表面に残す。幅の広い接着剤または封止剤の帯が望ましければ、動作面と材の表面との間に若干の角度ができるように動作面を構築するとよい。こうすると、動作面と材との間のギャップは、前部、すなわち、接着剤が動作面と最初に接触する場所で、接着剤が動作面を離れる後部より大きくなる。従って、接着剤が最後のダムに沿って通過するとき、動作面がビーズを平らに延ばし、活性化済み接着剤または封止剤の帯を形成させる。あるいは、活性化済み接着剤または封止剤組成物を回収し、集める、動作面の一連のチャネルを用いて、同じ結果を実現してもよい。これらのチャネルは、高いピークを有してもよく、または、それらの深さにテーパをつけ、それによって、接着剤または封止剤の幅の広いビーズまたは帯を提供してもよい。同様に、チャネルの幅を変化させ、活性化済み接着剤または封止剤の幅の広いまたは幅の狭いビーズまたは帯を設けてもよい。参照によって本明細書に内容が組み込まれる、本願と同日出願の「前塗布型接着剤のためのアクティベーター手段(Activator Means for Pre‐Applied Adhesive)」と題するジョンレイザー(John Lazar)らの米国特許出願には、適当なアクティベーター手段が開示されている。
アクティベーターヘッド、特にその動作面の寸法を変化させてもよい。もちろん、前塗布型接着材料の使用を最適化するためには、アクティベーターヘッドの幅は、少なくとも前塗布した接着剤のすべてが動作面の作用を受けることを確実にするのに必要なものにする。アクティベーターヘッド、ひいては動作面の深さまたは長さは、所定の硬化性組成物について望まれる滞留時間、すなわち、硬化性組成物が捏和および混合力の作用を受ける時間の長さによって決まる。この滞留時間によって、接着剤を包装材表面から最初に集める包装材材の上の点と、活性化された接着剤のビーズを置き始める開始点との間の距離も定まる。
アクティベーターヘッド、ひいては動作面を設計するとき考慮する重要なパラメータは、担体の性質、および十分な硬化剤が液状硬化性成分に暴露され、利用することができることを確実にするのに必要なせん断および混合の量である。もちろん、自動組み立てライン操作の場合、組み立てラインの速度、特にアクティベーター手段を通る材の速度は、動作面の最終的な最適設計を定める上で重要である。動作面を有効部分ぎりぎりに短くし、それによって、活性化済み接着剤が、前塗布地点から移動する程度をできるだけ小さくするアクティベーターヘッドを設計することが好ましい。基本的に、短い動作面ほど、滞留時間が短くなり、従って、接着剤の移動も短くなる。
一般的に、アクティベーター手段は、作用する相手の包装材の表面との接触、あるいは、作用する相手の包装材の表面との間の一定の、または実質的に一定のギャップまたは距離を維持するようなものである。最も好ましくは、このギャップをゼロまたはほぼゼロにする。好ましくは、しかし、動作面の上の突起物のピークと包装材の表面との間に干渉がない、または実質的にないことが望ましい。さもないと、アクティベーター手段が包装材に引っかかり、自動プロセスまたはコンベア手段上の包装材の移動が乱れ、それによって、適切な活性化および組み立てに悪影響が及ぶ。
このような問題に対する解決策として、アクティベーター手段に、コンベア手段の上の材の厚さまたは高さの変化を検出するための手段を持たせ、対応したアクティベーター手段の垂直運動によって、動作面を原材の表面に対して適切な配置に保つようにするとよい。例えば、張力手段、例えばバネを使用して、アクティベーターヘッドと材表面との接触または近接触を維持することができるようにするとよい。これは、活性化が材の表面の前塗布型接着剤または封止剤の移動を含む装置では、特に重要である。例えば、ダムの上部と材の表面との間の距離が前塗布型接着剤または封止剤の高さより大きければ、接着剤または封止剤は混合も活性化もされない。この距離が前塗布型接着剤または封止剤の厚さの半分より大きいと、良好な接着または封止を提供するには不十分な混合になることがある。従って、アクティベーター手段の動作面と材の表面との間の接触、またはできるだけ近い近接度を維持することが望ましく、意図される。
既に述べたように、硬化性組成物および/または担体が感熱性である、すなわち、硬化させるためまたは硬化剤を放出させるためにそれぞれ必要に応じて熱を必要とする場合、アクティベーター手段、特にアクティベーターヘッドを加熱するとよい。しかし、このような加熱型アクティベーター手段は、硬化性組成物または担体の熱感度にかかわらず、あらゆる用途で有利なこともある。詳しくは、アクティベーター手段の中の、好ましくはアクティベーターヘッドの局所的な、最も好ましくは動作面の局所的な熱は、アクティベーターヘッドそれ自体に硬化性組成物が蓄積するおよび/または凝塊するのを防ぐことが分っている。いかなる理論にもこだわるものではないが、熱は、液状成分の粘度を低くし、それによって、アクティベーターヘッドのさまざまな要素を通過する硬化性組成物の流れを改善するのを助けると考えられる。この点について、粉砕された結合材料および/またはシェル壁が液状成分の中の充填材として働き、液状成分を増粘するが、この増粘効果は、液状成分の温度を増加させることによって打ち消されると考えられる。この点について、加熱は、既に述べたような手段によってもよく、あるいは誘導加熱および/または、例えば、超音波ホーンの使用による超音波加熱を含む他の手段によってもよい。しかし、超音波エネルギーによる流れの改善は、振動によるものだけであり、熱が発生するかどうかには関わりない点に注意すべきである。さらに、活性化ステーションにおける滞留時間は非常に短いので、接着剤に移動することができる熱は、動作面の表面と直接接触する接着剤の層、基本的に単一層に限定される可能性が高い。
上記で説明したアクティベーター手段を使用すれば、前塗布型接着剤を高さが非常に低い幅広の帯として包装材に塗布することができる。帯の幅は、基本的に、塗布される包装材表面の幅だけが上限となる。もちろん、接着剤の無駄を避けるために、幅も、実際問題として、アクティベーター手段の動作表面、すなわち、基本的に、前塗布型接着剤を包装材表面から持ち上げるか、またはかき取ることに関るアクティベーター手段の動作表面上の構造物の最大幅が上限となる。帯の実際の幅と帯の高さとの乗算によって、接着に影響を及ぼすために利用できる接着材料の量が定まる。本発明の実施によれば、適切なアクティベーター手段と、前塗布型接着剤の帯の幅および高さを選ぶことによって、活性化済み接着剤ビーズを調整することができる。例えば、3ミリ、幅2分の1インチの前塗布型ビーズを、容易に10ミリ、幅0.15インチの活性化済み接着材料のビーズに変換することができる。従って、上記で述べたように、接着基材の表面変動に適合する実質的な高さのビーズを形成させて、ギャップなどに対する解決策とすることができる。しかし、アクティベーター手段の動作区域中の接着材料の滞留時間の短さを考慮すると、活性化時に接着剤が移動しなければならない、前塗布型接着剤の帯の中央線に垂直な距離をできるだけ小さくすることが好ましい。さもないと、前塗布型接着剤を包装材表面から前塗布型接着剤の帯の中央線に持ち上げるために用いられるアクティベーター表面の稜線またはダムの角度が非常に小さくなり、その結果、接着剤のわずかな移動または流れしか実現されず、稜線またはダムの前に接着剤が蓄積する結果となる。この蓄積によって、作用する相手の包装材基材の表面に対してアクティベーター手段の面が高くなる可能性がある。こうなると、結果は、内部のギャップを含む、不均一、不規則な活性化済み接着剤のビーズ、ならびに未活性化の前塗布型接着剤の区域となる可能性が高い。好ましくは、前塗布型接着剤のバンドの中央線に対するダムまたは稜線の角度は、約30°から約70°、好ましくは約45°から約60°である。
前塗布型ビーズより高い活性化済み接着剤のビーズを作り出すことができるこのようなアクティベーター手段または任意のアクティベーター手段を使用することに伴う、本発明の実施による包装材の使用に関連する、または、本発明の実施による包装材の使用によって生じる別の利点は、接着表面が不規則な、すなわち、表面平滑性、外形などが変化する包装材に対して、前塗布型接着剤を用いることができることを含む。おそらくもっと重要なことは、本発明によって、好ましくは厚さ5ミリ未満、最も好ましくは厚さ3ミリ未満の前塗布型接着剤の薄い、幅の広い帯の塗布が可能になり、そのため、前塗布型接着剤は、包装材をかなりの高さまで積み重ねるか、または包装材のバルクロールを作り出す能力に対して、悪い影響をほとんど及ぼさないことである。詳しくは、包装原材の一端に前塗布型接着剤を持たせたとする。原材を互いに積み重ねて行ったら、接着剤のある側の端が、反対側の端より速く高くなり、そのためスタックが傾き、おそらく崩れることになる。本発明によって可能になる薄手の広い帯では、この効果が軽減される。
上述のアクティベーター手段の他に、自動組み立てラインの活性化作業ステーションまたはすぐ次の作業ステーションの装置にさらに変更を加えて加熱手段を備えてもよい。この加熱手段は、好ましくは、接着剤を有する表面とは反対の側から材の作業表面に熱を加え、熱によって活性化/硬化される接着剤組成物の場合に硬化を加速するか、または硬化させるのを補助する。加熱手段は、活性化の際および活性化後に接着剤が作用を受ける位置の材の部分への背面支持体として働く台を含んでもよい。包装材用途では、包装材料のフラップを折り、閉合するのを補助し、フラップ同士を接触させてフラップの閉合を行うガイド要素の中にも加熱手段を組み込んでよい。さらに別の形態としては、空気を加熱する加熱手段を備えることが挙げられる。加熱した空気を、作業面または作業面の反対側に向かわせ、それによって、接着剤の下の材部分を加熱させる。一般的に、本発明の実施において使用される活性化装置および組み立て装置中には、多くの場合にインライン印刷物に用いられるものを含む任意の数の加熱手段を組み込んでよく、このことは当業者には自明である。好ましくは、しかし、これらの場合、加えられる熱は、単に硬化を加速するために接着剤システムを暖める低いレベルのものであり、従来技術の包装用接着剤で必要であった高い活性化/融解温度のものではない。一般に、200℃未満、好ましくは100℃未満、最も好ましくは50℃未満のオーダーの温度は、成形、充填および閉合操作に使用しても、包装材、または包装材の表面に含まれる任意のコーティング、印刷物等、または包装材の中味に対して悪影響を与えない程度の温度である。
本発明の包装材、ならびに本発明の包装材の製造および使用のための方法には、従来の前塗布型接着剤を用いる同様な材と比べても、前塗布型であると否とにかかわらず従来の他の種類の接着剤を用いる他の組み立ておよび製造プロセスと比べても、複数の改善された特質および利点がある。これらの多くについて、既に考察するか、または述べ、あるいは本明細書によって直ちに自明であり、固有である。例えば、担体材料の性質による担体マイクロカプセルの相対的な剛性および/または軽い圧縮力に対する一般的抵抗力によって、担体マイクロカプセルが、液状硬化性成分を含むマイクロカプセルのための空間および保護体として働くことが可能である。従って、積み重ねられた材料の圧縮荷重、または産業レベルの取り扱いおよびプロセス操作においてそのような材に加えられるその他の力による、従来の前塗布型被カプセル化接着剤システムで見られる、液状硬化性成分を含むマイクロカプセルの早発破断に伴う問題は、もはや懸念するに及ばないか、あるいは、確実に懸念が小さくなる。このため、所定の重量の前塗布型接着剤組成物に対して、マイクロカプセルの壁を薄くし、ひいては、硬化性材料を多く使用することが可能になる。
材という観点から、担体複合体を使用する結果として、従来の被カプセル化接着剤および封止剤で使用するには適していない多くの材は、前塗布状態で用いることができないことは明らかである。さらに、すべての材用途で、被カプセル化担体複合体の剛性さまたは硬さのため、およびシェル壁が破断しても内部に収容された硬化剤が放出されないため、これらの材はより安定である。従って、これらの材は、硬化も早発活性化もさせずに、従来の被カプセル化接着剤では可能でないような用途で使用し、従来の被カプセル化接着剤では可能でないような方法で取り扱うことができる。最後に、これらのマイクロカプセルは、被カプセル化担体複合体のより高い強度または剛性/硬さによって、硬化性組成物の他の被カプセル化成分の空間的な保護体として働く。これによって、液状硬化性成分のために薄手のシェル壁を用い、従って、所定量の接着剤または封止剤に対して、より多くの液状硬化性材料を提供することが可能になる。
以下の非限定的な実施例によって、本発明の別の範囲および理解を例示し、提供する。
本発明の有用性を実証するために、被カプセル化硬化剤組成物、被カプセル化液状硬化性材料、およびマイクロカプセルを包装材表面に接着させるための結合剤を含む複数の新規な前塗布型接着剤組成物を調製した。前塗布型接着剤を作る際に使用したさまざまな材料の一覧を表1に示す。
被カプセル化硬化剤組成物
本発明の実施において用いられる前塗布型接着剤の重要成分である、被カプセル化硬化剤組成物(以下、「ECC」とも呼ぶ)を、多段階プロセスで作った。多段階プロセスは、ECCマイクロカプセルの内部相、すなわち、担体材料、または担体現場重合させるならそのための前駆体、および内部に収容する硬化剤の調製と、後続する一段または二段以上の壁形成工程またはカプセル化工程を含んでいた。一般的に、可塑剤、重合体増粘剤および/または粘着剤樹脂を適切な槽またはビーカー中の重合性モノマーに加え、すべての固体がモノマー中に溶解するまでこの組み合わせを室温で撹拌することによって、内部相を調製した。それから、熱的により敏感な成分、特に、担体中に組み込む硬化剤、例えばパーオキサイド系およびアゾ系開始剤をこの混合物に加え、すべての固体が完全に溶解するか、実質的に溶解するまで、高温、通常は45℃で一定の撹拌または混合を行った。樹脂のモノマーへの溶解が温度に依存しないようで、非常に長時間を要するので、最初の混合工程を室温で実行した。一方、硬化剤の混合は温度に強く依存し、従って、この工程は、高温が好ましい。もちろん、高温ですべての成分を別の順に加えてもよいが、樹脂がモノマーに溶解する速度が遅いので、長時間そのような高温にすると、硬化剤の能力または効力に悪影響を及ぼすことがある。
一相、二相または三相多段階プロセス、好ましくは、二相多段階プロセスによってECC内部相のカプセル化を行った。特に断らない限り、窒素ブランケット下、内部の成分の良好な混合を確実にするための一体化された撹拌手段を有するジャケット付きスチール槽または反応器の中ですべてのカプセル化プロセスを実行した。
二相カプセル化プロセスは、以下の一般的な工程を含んでいた。
‐ ポリアクリル酸(C‐121…)コロイド、水酸化ナトリウム(5%溶液)および水の緊密な混合物を反応槽中で調製した。
‐ その後、部分メチル化メチロールメラミン樹脂溶液(サイメル(Cymel)385)を上記の混合物に一定撹拌下で加えた。この材料は粘度が高かったので、通常は4分間かけて添加を実現した。
‐ メラミン樹脂の添加が完了したら、ECC内部相材料を一定撹拌下で混合物に加えた。
‐ ECC内部相材料を緊密に混入させたら、通常は約16分後に、室温、または好ましくは若干高い温度で、高せん断条件を反応混合物に加えて、ECC内部相材料の液滴の所望の粒子サイズを実現した。一体化型または投入型撹拌機構を用いて、高せん断条件または乳化条件を実現した。定期的に粒子サイズ測定を行って乳化の進行を評価した。
‐ 乳化プロセスの完了の少し前、普通は約5分前に、第二相カプセル化プロセスのための壁形成組成物を調製した。前と同じく、部分メチル化メチロールメラミン樹脂をポリアクリル酸コロイド、水酸化ナトリウムおよび水を含む混合物に加えることによって、第二相壁形成組成物を調製した。
‐ 乳化プロセスを停止してから約5分後に、調製済みの第二相壁形成組成物を、終始一定撹拌下に維持されていた混合物に加えた。
‐ 第二相壁形成組成物を添加したら、塩、好ましくは硫酸ナトリウムを混合物に加えてカプセル化プロセスを完了した。
‐ その後、約2時間以下、好ましくは約1時間以下の時間をかけて、反応混合物の温度を徐々に所望の反応温度に上げ、長時間この温度に維持してカプセル壁の完全な形成ならびにECC内部相材料の重合を確実にした。
Figure 0004975731
表1−a、表1−bは一つの表です。
Figure 0004975731
明らかに、上記の順序は、本発明の実施に利用することができると考えられる多くの一つに過ぎず、実施形態への多くの変更形および変化形を使用しても成功することは、当業者には自明である。例えば、壁形成材料とECC内部相材料とを同時に加えてもよく、あるいは逆の順序で加えてもよい。しかし、壁形成材料は、内部相材料の乳化プロセスを支援することがあると思われるので、指定した順序が特に望ましい。さらに、撹拌翼自体の種類、サイズおよび形状、ならびに撹拌翼の速度を含む複数の因子によって、乳化プロセスのタイミングを変化させる。せん断を高くするほど粒子サイズを小さくすることができるが、所定の時点を過ぎた後は、高せん断混合を続けても、材料の粒子サイズはそれ以上変化しないことは、当業者には自明である。カプセル化プロセスの間、およびカプセル化プロセスの後で、パーティクルサイジングシステムズ(Particle Sizing Systems)製のアキュサイザ(Accsizer)780型粒子サイズ機器を用いて、粒子サイズ測定を行った。
表2は、以下の本願の実施例で使用したECCの内部相およびシェルまたはカプセル壁の具体的な調合を示す。すべての量をグラムで示す。これらの実施例のそれぞれで、カプセル化と同時にまたはカプセル化の後に、内部相担体現場重合した。ECC6を除いて、表2のセル壁形成材料を用いる前述の二相カプセル化プロセスによって、表3の反応条件および時間で、ECCマイクロカプセルを調製した。ECC6の場合、二段階重合によってシェル/現場形成担体を形成し、最初の段階を65℃で6時間実行し、その後、温度を80℃に上げ、さらに約6時間、反応を続けた。形成されたマイクロカプセルの物性値、すなわち、平均粒子サイズおよびセル壁含有率も表3に示す。
Figure 0004975731
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被カプセル化硬化性材料
本発明の実施例において用いられる前塗布型接着剤の第二の成分は、被カプセル化硬化性材料である。(以下「ECM」とも呼ぶ)。以下の一般的なプロセスによってECMを調製した。
‐ ECM内部相のための成分を、すべての成分が溶解するまで窒素ブランケット下で混合し、以後の使用に備えて保持した。
‐ メラミン樹脂を除くセル壁相Iのすべての成分を25℃でスチール反応器に加え、低せん断、すなわち300rpmで混合した後、メラミン樹脂を加え、低せん断でさらに4分間混合した。
‐ 次に、調製したECM内部相調合物を反応器に添加し、300rpmでさらに16分間緊密に混合した。
‐ 次に、3000rpmの高せん断乳化をこの混合物に25℃で75分間加えた。この時間の間の前述の反応器混合物の乳化工程の完了の約5分前に、メラミンを第二相壁組成物の他の成分に加えて第二相壁形成材料を調製した。
‐ 乳化が完了したら、続けて、平面パドルミキサーを用いて反応器の中の混合物を低せん断、すなわち300rpmで混合した。
‐ 乳化工程の停止の約5分後、第二壁形成組成物を混合物に加えた。用いる場合は、続いて、硫酸ナトリウムを加えた。
‐ その後、約2時間かけて徐々に反応器温度を65℃に上げ、65℃でさらに8時間低せん断混合で反応混合物を維持した後、ECMマイクロカプセルを回収した。
表4は、以下の実施例の中で使用されるECMのそれぞれの内部相、すなわち硬化性材料、およびシェルまたはカプセル壁の特定の調合を示す。すべての量をグラムで示す。ECM IおよびECM Kを除くと、上記で述べた反応条件下で表4のセル壁形成材料を用いて、前述の二相カプセル化プロセスによってこれらのECMマイクロカプセルを調製した。ECM Iの場合、三相プロセスによってセル壁を形成した。ECM Kの場合、45℃、4000rpmで20分間、壁形成材料と内部相との混合物を乳化させ、続いて68℃で8時間反応させた。
結合剤組成物
本明細書の実施例の中で使用する前塗布型接着剤組成物の最後の成分は、結合剤である。いくつかの異なる結合剤系、すなわち、3つの水系溶液および7つの100%固体UV硬化性コーティングを使用して、本発明の広い概念をさらに実証した。水系結合剤のうちの2つおよびUV硬化性結合剤系のそれぞれの調合を表5に示す。すべての量を重量部で示す。UV硬化系の場合、紫外線に曝露されないように注意して、従来の混合装置を用いて周囲条件下でこれらの結合剤系を調製した。
Figure 0004975731
Figure 0004975731
〔実施例1〕
結合剤B1(合計6部)、20重量部のECM Aおよび74重量部のECC 1を一緒に混合することによって、水系前塗布型接着剤組成物を調製した。16番ロッドを用いてポリビニルアルコールの5%溶液をコーティングして一片の硬質ボール紙を前処理した。次に、50番ロッドを用いて接着剤組成物を処理済み表面に塗布した。コーティングを風乾させ、かみそりの刃を用いて、手の圧力で刃の端を前塗布型接着剤の上に素早く10回走らせることによって手動で活性化した。次に、硬質ボール紙を折り畳み、手の圧力で10秒間保持した。硬質ボール紙は、手の圧力を解除した後、接着したままであった。
〔実施例2〕
結合剤B2(合計18.9部)、52重量部のECC 3、14.2重量部のECM Bおよび14.2重量部のECM Cを一緒に混合することによって、第二の水系前塗布型接着剤組成物を調製した。この組成物を、粘土被覆ニュースバックストック(リサイクル新聞紙製のボール紙)原材の粘土側に薄膜(0.006インチ)として塗布した。コーティングを風乾させてから、かみそりの刃を用いて、手の圧力で刃の端を前塗布型接着剤の上に素早く10回走らせることによって手動で活性化した。次に、指の圧力を用いてニュースバックストックを折り畳み、シリアル用カートンのフラップの閉合を模擬した。ニュースバックストックは、手の圧力を解除した後、接着したままであり、1分後に引き剥がしてみると、強く接着されていることが分った。5分間および1時間硬化させた組み立て品を引き剥がしてみると、繊維引き裂きを観測した。
〔実施例3〜11〕
本発明の実施における評価のために、一連のUV硬化性結合剤中の前塗布型接着剤組成物も調製した。表6にこれらの前塗布型組成物の構成を示した。被カプセル化硬化性材料(ECM)の組成は表4に示した通りであり、具体的な結合剤システムの組成は表5に示した通りであり、被カプセル化硬化剤組成物(ECC)の選択は表2に示した通りである。表6の中のすべての量は重量パーセントで示してある。
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これらの各実施例では、ボール紙シリアル箱材から切り取った幅3インチ×長さ5インチのカードの主軸の中央線の上に、幅0.5インチ×厚さ0.006インチの薄膜ストリップとして接着剤組成物を塗布した。カードの繊維側に接着剤を塗布し、UV灯下で硬化させた。ここでの参照によって本明細書に内容が組み込まれるジョンレイザー(John Lazar)らの「前塗布型接着剤用アクティベーター手段(Activator Means for Pre‐Applied Adhesives)」と題する同日出願の米国特許出願に記載されている特別製のアクティベーター装置を用いて、接着剤を活性化し、カードを同様なカードに接着させた。この装置は、挿入ステーション、アクティベーターステーションおよび接着ステーションを含み、挿入ステーションからアクティベーターステーションを通って延在し、接着ステーションで終るレール、およびレールの上を移動することができるそりを有していた。調製した試料を試験する際は、接着剤側を上に向け、主軸をレールの主軸と平行にして、接着剤を前塗布したカードを、減圧吸引機能を有するそりに据え付けた。次に、そりを、毎分150から250フィートの間の速度でレールの上を移動させ、アクティベーターステーションを通過させた。アクティベーターステーションでは、一つ以上の稜線、ダムまたはその他の構造物を備える表面を有する固定式アクティベーター手段が、接着剤をカードから持ち上げ/かき取り、それによって、マイクロカプセルを破断させ、マイクロカプセルの中身を混合し、活性化済みの接着剤をカードの上に再度堆積させる。次に、接着ステーションにそりを移動させる。接着ステーションでは、約5psiの圧力を約2秒間加え、相手カードを活性化されたカードと対合させる。接着が済んだら、カード組み立て品を4週間静置し、その後、各組み立て品の最終剥離接着強さおよび最終せん断接着強さを測定した。各接着剤システムの5つの組み立て品について試験を実行し、結果を平均して、表6に示した。
200ポンドのロードセルを有するスゥイング‐アルバートイージェイエイ材料引張り試験機(Thwing‐Albert EJA Tensile Tester)を用いて、TAPPI条件下で、剥離接着強さおよびせん断接着強さ試験を実行した。試験機の設定値は、以下の通りであった。試験速度毎分12インチ、感度0.5ポンド、ゲージ長1.75インチ。試験の際には、各試料をクランプ、すなわち変形バイスグリップの中に置き、バイスの咬合部をカードの長さ方向に向け、接着部と平行に接着区域の上に当て、それによって、試験前に接着区域を固定した。クランプに張力を発生させ、締りばめとしたが、接着ラインに圧力が加わらないようにした。次に、クランプした組み立て品を折り畳み、以下の特定の試験に備えた。
剥離試験:剥離試験を実行する際には、クランプから延びている組み立てられたカードの露出した未接着の「フラップ対」を、クランプの中の組み立てられたカードに対してそれぞれ反対の方向に90°になるように、クランプの端に沿って折り返した。こうして折ったカードを一端から見ると、「T字」状になった。次に、組み立て品を引張り試験機の咬合部の中心に置き、各フラップを対向する咬合部に置いた。これで、組み立て品を試験する準備が完了した。
せん断試験:せん断試験を実行する際には、組み立てられたカードの露出した未接着の「フラップ対」のうちの一つフラップの一隅を犬の耳の形でカード組み立て品の方へ90°折り返し、カードの上にある三角形の犬の耳の形にした。次に、カード組み立て品の他方のカードの反対側の端を同様な犬の耳の形にし、こちらの犬耳をカード組み立て品に対して第一の犬耳形と反対の90°の方向に延在させた。次に、引張り試験機の各咬合部をこれらの犬耳形の一方に取り付けた。これで、組み立て品を試験する準備が完了した。
〔実施例12〕
アルミニウム、特にアルミニウム箔ラミネート類を含む包装材への本発明の適用可能性を実証するために、30重量%のECC 8、60重量%のECM Kおよび10%のラテックス結合剤、ジョンクリル(Joncryl)1680を含む前塗布型接着剤組成物を調製した。調合物を3インチ×5インチのアルミニウム板の長さ方向の中央線に厚さ6ミリ、幅1/2インチのストリップとして塗布した。ホットエアガンを用いてコーティングを乾燥させて水溶媒の蒸発を促進し、活性化された接着剤の二つのビーズを提供する構成を有する実施例3〜11の実験室用アクティベーターを用いて活性化した。活性化後、同じサイズの第二のアルミニウム板を、中程度の手の圧力で、第一の板の接着剤ビーズの上に置いた。約2日間、接着剤を硬化させると、2つのプレートは一緒に接着されていた。
〔実施例13〕
さまざまなセルロース系包装材料への本発明の適用可能性を実証するために、封筒用紙の長方形の切り抜きと、ポスタルエクスプレスメーラー(Postal Express Mailer)に似せた大体幅8インチ×長さ5インチの寸法のボール紙封筒とに、60重量%のECC 8、30重量%のECM Kおよび10%のラテックス結合剤、ジョンクリル1680を含む前塗布型コーティング組成物を、幅1/2インチ、厚さ6ミリのストリップとして塗布した。一端から約2インチのところに長さ方向に接着剤を塗布した。ボール紙封筒の場合、2組の例を調製し、接着剤を有する一方を繊維側と繊維側との接着のために繊維側に、他方をワニス側とワニス側との接着のためにワニス側に塗布した。ホットエアガンを用いて接着剤を乾燥させ、続いて、実施例3〜11のアクティベーター手段を用いて活性化させ、その結果、活性化された接着剤の2つのビーズを得た。接着剤を活性化させた後、閉合フラップを模擬して長方形の切り抜きを長さ方向に折り畳み、基本的に4インチ×5インチの長方形に形成した。次に、接着ラインの上に指の圧力を2、3秒間加え、対合表面の間の良好な接触を確実にした。接着剤を硬化させると、接着が形成されていた。
〔実施例14〕
プラスチック包装材表面への本発明の適用可能性を実証するために、大体幅8インチ×長さ5インチの寸法のタイベック(登録商標)(Tyvek(R))ポリエチレン封筒の長方形の切り抜きに、実施例13の前塗布型コーティング組成物を、幅1/2インチ、厚さ6ミリのストリップとして塗布した。一端から約2インチのところに長さ方向に接着剤を塗布した。ホットエアガンを用いて接着剤を乾燥させ、続いて、実施例3〜11のアクティベーター手段を用いて活性化させ、その結果、活性化された接着剤の2つのビーズを得た。活性化させ後、長方形の切り抜きを長さ方向に折り畳み、基本的に4インチ×5インチの長方形を形成した。次に、接着ラインの上に指の圧力を2、3秒間加え、対合表面の間の良好な接触を確実にした。接着剤を硬化させると、接着が形成されていた。
以上の特定の実施態様および実施例によって本発明を説明してきたが、本発明の概念を利用する他の実施態様は、本発明の範囲から逸脱することなく可能であると理解すべきである。本発明は、請求項に記載の要素と、請求項に記載の要素に包含され、または具現される基本原理の技術思想および範囲に属する任意およびすべての変更形、変化形または均等物とによって定義される。
メーラーブランクの平面図である。 部分的に成形された上フタ型の箱の上からの透視図である。 カートンブランクの平面図である。 部分的に成形されたカートンの透視図である。 図4の部分的に成形されたカートンのライン5‐5上での断面図である。

Claims (31)

  1. 少なくとも一つの接着表面の上に指触乾燥状態の硬化性接着剤組成物が予め塗布されている包装資材であって、前記硬化性接着剤組成物は、被カプセル化液状硬化性材料と、これとは別個の被カプセル化硬化剤組成物とを含み、前記硬化剤組成物は、前記液状硬化性材料を直接的または間接的に硬化または重合させ得る少なくとも一つの硬化剤を含み、非流動性であるが、所定の外力または温度が印加されると流動性となり、前記被カプセル化液状硬化性材料が、
    a)担体材料と、
    b)前記担体材料に含まれる硬化剤と、
    c)前記担体材料を包む重合体カプセルとを含み、
    前記担体材料は、非流動性であるが、所定の外力または温度が印加されると流動性となる、天然または合成の材料または組成物であり、前記担体材料中の硬化剤の量は、前記担体材料の1重量パーセントから50重量パーセントであり、前記液状硬化性材料を硬化し得る量である、包装材。
  2. 前記包装材は、包装材ブランクを切り取るためのシートまたはバルクロールの形である、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記硬化性接着剤組成物は、前記シートまたはバルクロールに繰り返しパターンで塗布され、前記硬化性接着剤組成物を塗布した前記表面区域は、完全に組み立てられた包装体のシーム、フラップ、タブ、フランジまたは閉合部材に対応する、請求項2に記載の包装資材。
  4. 前記包装材は、包装材ブランクまたはこれを途中まで組み立てた半完成包装材の形であり、前記硬化性接着剤組成物は、一つまたはそれ以上のフラップ、シーム、タブまたは閉合部材に塗布されている、請求項1に記載の包装資材。
  5. 前記包装材は、カートン、箱、ケース、トレイ、封筒、バッグ、メーラー、筒、コアおよびカップからなる群から選ばれる容器の製造において用いられる、請求項1に記載の包装資材。
  6. 前記筒およびコアに一つまたはそれ以上の前記包装資材のストリップが巻き付けられ、前記ストリップの一方または両方の縁に沿って前記硬化性接着剤組成物を有する、請求項5に記載の包装資材。
  7. 合成材料を含む、請求項1に記載の包装資材。
  8. 前記合成材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、スチレンおよびポリアミドからなる群から選ばれる、請求項7に記載の包装資材。
  9. 前記合成材料は、合成繊維の不織布または不織シートの形である、請求項8に記載の包装資材。
  10. セルロース系材料を含む、請求項1に記載の包装資材。
  11. 前記セルロース系材料は、紙、ボール紙、段ボール、硬質ボール紙、箱用ボール紙、厚手ボール紙、ボール紙ラミネート、多層ボール紙および化学改質セルロース材からなる群から選ばれる、請求項10に記載の包装資材。
  12. 前記セルロース系材料は、ボール紙である、請求項11に記載の包装資材。
  13. 前記セルロース系材料は、一層または二層以上のボール紙と、一層または二層以上の合成高分子膜またはシートあるいは金属箔もしくは両方とを有するボール紙ラミネートである、請求項11に記載の包装資材。
  14. レーヨン繊維または酢酸セルロース繊維を含む、請求項10に記載の包装資材。
  15. 合成膜またはシートあるいは金属箔もしくは両方をさらに含む、請求項1に記載の包装資材。
  16. コーティングをさらに含む、請求項1に記載の包装資材。
  17. 前記コーティングは、熱可塑性コーティング、熱硬化性コーティング、粘土およびワニスからなる群から選ばれる、請求項1に記載の包装資材。
  18. 前記コーティングは、ポリエチレン、ポリプロピレン、マイラー、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニルおよびワックスからなる群から選ばれた熱可塑性コーティングである、請求項16に記載の包装資材。
  19. 前記担体材料が、
    (a)パテ状もしくはゲル状の性質を有するか、または、
    (b)固体または半固体であり、且つ、
    (i)前記液状硬化性材料に可溶性であるか、
    (ii)前記液状硬化性材料によって軟化するか、
    (iii)前記液状硬化性材料が硬化する反応条件で軟化するか、
    (iv)液状硬化性材料が硬化する環境条件によって軟化するか、
    (v)前記硬化剤を前記硬化性接着剤組成物の他の成分に暴露するプロセスによって軟化するか、
    (vi)前記液状硬化性材料によって流動性になるか、
    (vii)前記液状硬化性材料が硬化する反応条件で流動性になるか、
    (viii)前記液状硬化性材料が硬化する環境条件で流動性になるか、もしくは
    (ix)前記硬化剤を前記硬化性接着剤組成物の他の成分に暴露するプロセスによって流動性になる、請求項1に記載の包装資材。
  20. 前記担体材料は、パテ状またはゲル状の性質を有し、モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー、あるいはそれらの組み合わせを含む揺変性または増粘性組成物を含み、前記組成物は、前記カプセル化状態にある前記硬化剤と反応しない、請求項1に記載の包装資材。
  21. 前記担体材料は、現場で生成されるか、あるいは前記担体材料のカプセル化と同時にまたはカプセル化の後に高粘度となる一つ以上の揺変化剤、あるいは一つ以上の揺変性または非揺変性ゲル化剤または増粘剤を含む、請求項1に記載の包装資材。
  22. 前記担体材料は、ホットメルト、感圧接着剤、ゴム材料、エラストマー/粘着剤組成物、Tgが35℃未満の重合体、半固体および固体樹脂、澱粉および澱粉系重合体、ハイドロゲル、低温ワックス、および一つ以上のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはそれらの組み合わせを含む増粘性またはゲル状の組成物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の包装資材。
  23. 前記担体材料は、接着剤であるか、またはカプセル化プロセスの直前またはカプセル化プロセスの間は低粘度であるが、カプセル化の後では高粘度になる接着剤特性を発揮する、請求項1に記載の包装資材。
  24. 前記担体材料は、少なくとも0.006894メガパスカルの力を加えられないと流動も変形もしない、請求項1に記載の包装資材。
  25. 前記担体材料は、前記硬化剤の添加の後で前駆体材料から形成され、前記硬化剤は、前記担体材料のための前記前駆体材料に可溶性か、または混和性である、請求項1に記載の包装資材。
  26. 液状硬化性材料は、一つ以上の液状硬化性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の包装資材。
  27. 前記液状硬化性材料は、ビニル重合を行うモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマー、不飽和ポリエステル、ウレタン、エポキシ樹脂、ポリスルフィド、イソシアネート、シリコーン、シラノール縮合またはヒドロシリル化反応を行う能力があるシラノール部分を有するポリエーテル、ポリウレタンおよびポリオレフィン、ならびにフェノキシ樹脂からなる群から選ばれる、請求項1に記載の包装資材。
  28. 前記被カプセル化液状硬化性材料と前記被カプセル化硬化剤組成物とは、ともに離散状態のマイクロカプセルであり、硬化性接着剤組成物が塗布される対象の表面に結合材料によって保持される、請求項1に記載の包装資材。
  29. 前記結合材料は、接着剤またはコーティング材料である、請求項2に記載の包装資材。
  30. 前記結合材料は、化学放射被硬化組成物である、請求項2に記載の包装資材。
  31. 前記結合材料は、水性乳濁液である、請求項2に記載の包装資材。
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