JP5090270B2 - レンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造に関する。
レンズシャッタタイプのレンズ鏡筒では、シャッタや絞り等の光量調節ユニットはレンズ群の保持枠を介して支持されることが多い。撮影時には、シャッタ羽根や絞り羽根等の光量調節部材は光学設計上定められた位置になければならないが、撮影を行わないレンズ鏡筒の収納時には、光学的制約がなくなるため、光軸方向において光量調節ユニットをレンズ群に接近させるなどして、収納長のコンパクト化を図ることができる。シャッタユニットを光軸方向へ可動に支持する構造として、例えば特許文献1がある。
特開2004−206115号公報
特許文献1では、光軸方向に長い1本のシャフトによってシャッタユニットを可動に支持している。このような長いシャフトを、樹脂の成形品としてレンズ保持枠と一体に成形しようとした場合、パーティングラインが入ることを避けるため、シャフトの軸方向に型抜きすることが想定される。しかし、シャフトが長いと離型用の抜き勾配を設けなければならず、抜き勾配によりシャフト外面に傾斜がつくと、がたつきや傾きの原因となり、シャッタを高精度にガイドすることが難しくなる。レンズ保持枠とは別部材からなる金属製のシャフトを用いれば、精度は確保しやすくなるが、製造コストが高くなってしまう。
本発明は、光軸方向に可動の光量調節ユニットを高い精度で支持することができ、かつ構成が簡単で安価に得られるレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造を提供することを目的とする。
本発明によるレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造は、光量調節部材を保持する光量調節部材保持枠;この光量調節部材保持枠の前後に位置し、光軸方向間隔が一定に固定された前方支持部材と後方支持部材;前方支持部材に設けられ、光量調節部材保持枠の前方移動端を決める前方移動規制部;後方支持部材に設けられ、光量調節部材保持枠の後方移動端を決める後方移動規制部;前方支持部材の前方移動規制部から光軸方向後方に突出された前方ガイドピン;前方ガイドピンと同軸上に位置し、後方支持部材の後方移動規制部から光軸方向前方に突出された後方ガイドピン;光量調節部材保持枠に光軸方向へ貫通形成した貫通穴の一部からなり、前方ガイドピンが摺動可能に挿入される前方ピン支持穴;及び、光量調節部材保持枠の貫通穴における前方ピン支持穴とは異なる一部からなり、後方ガイドピンが摺動可能に挿入される後方ピン支持穴;を備え、光量調節部材保持枠が、前後のガイドピンと前後のピン支持穴によって、前方支持部材と後方支持部材の間で光軸方向へ移動可能に支持されることを特徴としている。
前方支持部材がレンズ群を保持する場合、光量調節部材保持枠は、撮影状態では該レンズ群と光量調節部材の光軸方向位置を異ならせて保持され、撮影状態から撮影を行わない収納状態になるとき、該レンズ群と光量調節部材の光軸方向位置を重ならせる位置に移動されることが好ましい。より詳しくは、光量調節部材保持枠を後方支持部材側に付勢する付勢手段を備え、撮影状態から収納状態になるとき、前方支持部材と後方支持部材が光軸方向後方に移動し、その後方への移動の途中で、光量調節部材保持枠が後方支持部材より後方に位置する別の後方部材に当接して後方移動が規制される。前方支持部材と後方支持部材は後方移動を続けるため、光量調節部材保持枠が付勢手段の付勢力に抗して前方支持部材に接近される。
また、前方支持部材と後方支持部材がレンズ群を支持しているか否かを問わず、光量調節部材保持枠を前方支持部材と後方支持部材のいずれか一方に向けて付勢する付勢手段を備え、レンズ鏡筒が撮影状態から撮影を行わない収納状態になるとき、光量調節部材保持枠は付勢手段の付勢力に抗して付勢方向と反対の方向に移動されるように構成するとよい。例えば、先に述べた態様とは逆に、光量調節部材保持枠を前方支持部材側に付勢しておき、撮影状態から収納状態になるとき、光量調節部材保持枠が後方支持部材への接近方向へ移動されるようにしてもよい。
以上の本発明によれば、前方支持部材に設けた前方ガイドピンと後方支持部材に設けた後方ガイドピンによって光量調節部材保持枠を光軸方向に案内するため、軸長の長いシャフトを用いずに済み、光量調節部材保持枠を高精度に支持することができる。また、このガイドピンは、前方支持部材や後方支持部材と一体の成形品として構成できるので、製造コストを低く抑えることができる。また、光量調節部材保持枠に形成した貫通穴の一部によって前方ピン支持穴と後方ピン支持穴を構成したことで、構造の簡略化を図ることができる。
図1から図4を参照して、本発明による光量調節ユニット支持構造を備えたズームレンズ鏡筒70の概略構造を説明する。このズームレンズ鏡筒70の撮像光学系は、物体(被写体)側から順に第1レンズ群LG1、第2レンズ群LG2、絞り兼用のシャッタ羽根S、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及び撮像素子71を備えており、以下の説明中で光軸方向とは、この撮影光学系の光軸Oと平行な方向を意味する。
ローパスフィルタ25と撮像素子71はユニット化されて撮像素子ホルダ23に固定され、撮像素子ホルダ23がハウジング22の後部に固定される。ハウジング22の外側には、ズームモータ150とAFモータ160が支持されている。
第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51は、ハウジング22に対して光軸方向に移動可能に支持されていて、AFモータ160によって駆動される。
ハウジング22の内側にはカム環11が支持されている。カム環11は、ズームモータ150の駆動力によって回転され、鏡筒収納状態(図3)から撮影状態(図4)になるまでの間は、回転しながら光軸方向に移動し、撮影状態におけるズーム域(図4上半のワイド端と図4下半のテレ端の間)では、光軸方向には定位置で回転される。
カム環11を挟んで第1繰出筒13と直進案内環10が支持されている。第1繰出筒13と直進案内環10はそれぞれハウジング22に対して光軸方向に直進案内されており、かつカム環11に対しては、相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように結合されている。
直進案内環10は、2群レンズ移動枠8を光軸方向へ相対移動可能に直進案内している。2群レンズ移動枠8の内部には、第2レンズ群LG2を保持する2群レンズ保持枠2、シャッタ羽根Sを保持するシャッタブロック100が支持されている。また、ハウジング22に対して光軸方向に直進案内された第1繰出筒13はさらに、第2繰出筒12を光軸方向へ相対移動可能に直進案内している。第2繰出筒12の内部には、1群レンズ保持枠1を介して第1レンズ群LG1が支持されている。
第2繰出筒12は内径方向に突出する1群用カムフォロアCF1を有し、この1群用カムフォロアCF1が、カム環11の外周面に形成した1群制御カム溝CG1に摺動可能に嵌合している。第2繰出筒12は第1繰出筒13を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、1群制御カム溝CG1の形状に従って、第2繰出筒12すなわち第1レンズ群LG1が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
カム環11の内周面に形成した2群制御カム溝CG2に対し、2群レンズ移動枠8の外周面に設けた2群用カムフォロアCF2が係合している。2群レンズ移動枠8は直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群制御カム溝CG2の形状に従って、2群レンズ移動枠8すなわち第2レンズ群LG2が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
2群レンズ移動枠8と第2繰出筒12の間には、圧縮ばねからなる群間付勢ばね27が挿入されており、2群レンズ移動枠8と第2繰出筒12は互いに離間する方向に付勢されている。
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒70は次のように動作する。図1及び図3に示す鏡筒収納状態では、図2及び図4に示す撮影状態よりも光軸方向の光学系の長さ(第1レンズ群LG1の物体側の面から撮像素子71の撮像面までの距離)が短くなっている。この鏡筒収納状態において撮影状態への移行信号(例えば、ズームレンズ鏡筒70が搭載されるカメラに設けたメインスイッチのオン)が入力されると、ズームモータ150が鏡筒繰出方向に駆動され、カム環11が回転しながら光軸方向前方へ繰り出される。直進案内環10と第1繰出筒13は、カム環11と共に前方に直進移動する。カム環11が回転すると、その内側では、直進案内環10を介して直進案内された2群レンズ移動枠8が、2群用カムフォロアCF2と2群制御カム溝CG2の関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。また、カム環11が回転すると、該カム環11の外側では、第1繰出筒13を介して直進案内された第2繰出筒12が、1群用カムフォロアCF1と1群制御カム溝CG1の関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。
すなわち、鏡筒収納状態からの第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出量はそれぞれ、前者が、ハウジング22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する第2繰出筒12のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、ハウジング22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する2群レンズ移動枠8のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸Oに沿って移動することにより行われる。収納状態から鏡筒繰出を行うと、まず図4の上半断面に示すワイド端の繰出状態になり、さらにズームモータ150を鏡筒繰出方向に駆動させると、図4の下半断面に示すテレ端の繰出状態となる。テレ端とワイド端の間のズーム領域では、カム環11は前述の定位置回転を行い、光軸方向へは進退しない。収納状態への移行信号(例えば、カメラのメインスイッチのオフ)が入力されると、ズームモータ150が鏡筒収納方向に駆動され、ズームレンズ鏡筒70は以上の繰出動作とは逆の収納動作を行う。
また、第2繰出筒12の前端部には、第1レンズ群LG1の前方を開閉可能なバリヤ羽根104が設けられており、鏡筒収納状態ではバリヤ羽根104が閉じており、撮影状態への繰り出し動作に応じてバリヤ羽根104が開かれる。
第3レンズ群LG3を支持する3群レンズ枠51は、以上のズームモータ150による第1レンズ群LG1及び第2レンズ群LG2の駆動とは独立して、AFモータ160によって光軸方向に前後移動させることができる。そして、光学系がワイド端からテレ端までのズーム域にあるとき、測距手段によって得られた被写体距離情報に応じてAFモータ160を駆動することにより、第3レンズ群LG3が光軸方向に移動してフォーカシングが実行される。
主に図5以下を参照して、シャッタブロック(光量調節ユニット)100の支持構造を説明する。2群レンズ移動枠8は、外周面に2群用カムフォロアCF2が形成された円筒部8aを有し、円筒部8aに形成した光軸方向の長溝であるガイド溝8bと、直進案内環10に設けた直進案内キー10a(図4)との嵌合関係によって、光軸方向に直進案内されている。図7及び図8に示すように、2群レンズ移動枠8は、円筒部8aの前端部付近の内周面上に、撮影光軸Oと略直交する環状の前方フランジ部8cを有する。前方フランジ部8cの内径側には、撮影光軸Oに近付くにつれて段階的に光軸方向後方に位置を変化させる2群保持環部8dが形成されており、2群保持環部8dと2群レンズ保持枠2の間に第2レンズ群LG2が保持されている。2群レンズ移動枠8における前方フランジ部8c及び2群保持環部8dの後部にはシャッタブロック格納空間8eが形成されている。図6に示すように、前方フランジ部8cのうちシャッタブロック格納空間8eに臨む後面側には、前方ガイドピン8fとばね支持ピン8gが突設されている。ばね支持ピン8gには、圧縮コイルばねからなるシャッタブロック付勢ばね30が支持される。前方ガイドピン8fの近傍には、円筒部8aの一部を切り欠いてストッパ取付凹部8hが形成されている。ストッパ取付凹部8hには、ビス穴8iと一対の位置決め突起8jが形成されている。2群レンズ移動枠8は、前方ガイドピン8f、ばね支持ピン8g、位置決め突起8jなどの突出部を含む全体が一体に形成された合成樹脂の成形品である。
ストッパ取付凹部8hに対して、シャッタストッパ部材5が取り付けられる。シャッタストッパ部材5は、一対の位置決め突起8jに対して係合する一対の位置決め穴5aと、2群レンズ移動枠8側のビス穴8iに連通するビス挿通穴5bを有し、ビス挿通穴5bを通してビス穴8iに固定ビス32を螺合させることにより、2群レンズ移動枠8に対して固定される。シャッタストッパ部材5は、ストッパ取付凹部8hに固定される部分から光軸方向後方にオフセットさせて、前方フランジ部8cに対向する後方移動規制部5cを有し、この後方移動規制部5cから光軸方向前方に向けて後方ガイドピン5dが突出している。シャッタストッパ部材5は、後方移動規制部5cや後方ガイドピン5dを含む全体が一体に形成された合成樹脂の成形品である。
前方ガイドピン8fと後方ガイドピン5dは、略同径の円柱状突起であり、シャッタストッパ部材5を2群レンズ移動枠8に固定させた状態で同軸上に位置される。このときの前方ガイドピン8fと後方ガイドピン5dの軸線は、撮影光軸Oと略平行である。そして、図7及び図8に示すように、この同軸上に位置する前方ガイドピン8fと後方ガイドピン5dは、互いの先端部が光軸方向に離間している。
シャッタブロック100は、シャッタ羽根(光量調節部材)Sを内部に支持するシャッタ保持枠(光量調節部材保持枠)100aを備え、シャッタ保持枠100aの外周部付近には、光軸方向に貫通する貫通スリーブ部100bの前端部付近と後端部付近に位置させて、前方ピン支持穴100cと後方ピン支持穴100dが形成されている。前方ピン支持穴100cと後方ピン支持穴100dは、それぞれの軸線が撮影光軸Oと平行をなす円形の貫通穴であり、同軸上に位置している。前方ピン支持穴100cは、前方ガイドピン8fを軸線方向へ遊びなく摺動可能に挿入させる内径サイズを有し、後方ピン支持穴100dは、後方ガイドピン5dを軸線方向へ遊びなく摺動可能に挿入させる内径サイズを有する。貫通スリーブ部100bは、前方ピン支持穴100cと後方ピン支持穴100dの間では、図6に示すように周面の一部が存在しない部分円筒状に形成されているが、この中間の部分円筒状部における貫通スリーブ部100bの内径サイズは、前方ピン支持穴100c及び後方ピン支持穴100dの内径サイズよりも大きい。前方ピン支持穴100cの前部には、光軸方向前方へ進むにつれて徐々に内径を大きくする円錐状内面のテーパ開口部100eが形成され、後方ピン支持穴100dの後部には、光軸方向後方へ進むにつれて徐々に内径を大きくする円錐状内面のテーパ開口部100fが形成されている。シャッタ保持枠100aにはまた、貫通スリーブ部100bの近傍に位置する前面側に、シャッタブロック付勢ばね30を挿入可能なばね支持穴100g(図5)が形成されている。また、シャッタ保持枠100aの外周部には、回り止めキー受け部100hが形成され、シャッタブロック格納空間8eの内周面には、回り止めキー受け部100hに対して光軸方向に摺動可能で回転は規制される回り止めキー8mが形成されている。シャッタ保持枠100aの前面側には、2群保持環部8dに対応する形状の前面凹部100jが形成されている。また、シャッタ保持枠100aの後面側には、シャッタ羽根Sの後部を塞ぐ後方カバー板100kが取り付けられている。後方カバー板100kには、シャッタ羽根Sによって開閉される円形のシャッタ開口100mが形成されている。
シャッタブロック100は次のように2群レンズ移動枠8に対して組み付けられる。まず、ばね支持ピン8gにシャッタブロック付勢ばね30を支持させた状態でシャッタブロック格納空間8e内にシャッタブロック100を組み込む。回り止めキー受け部100hに回り止めキー8mが嵌合する位相で、2群レンズ移動枠8の後端部側から前方フランジ部8cに接近させる方向(前方)にシャッタブロック100を進入させると、前方ピン支持穴100cに対して前方ガイドピン8fが挿入され、ばね支持穴100gにシャッタブロック付勢ばね30が挿入される。このとき、前方ピン支持穴100cの前部に形成されたテーパ開口部100eの存在により、前方ピン支持穴100cへの前方ガイドピン8fの挿入を容易に行わせることができる。
続いて、ストッパ取付凹部8hにシャッタストッパ部材5を取り付ける。位置決め突起8jと位置決め穴5aによってシャッタストッパ部材5を位置決めした状態で、後方ガイドピン5dは前方ガイドピン8fと同軸上に位置されるため、ストッパ取付凹部8hに対するシャッタストッパ部材5の組み付けに応じて、シャッタブロック100の後方ピン支持穴100dに対して後方ガイドピン5dが挿入される。このとき、後方ピン支持穴100dの後部に形成されたテーパ開口部100fの存在により、後方ピン支持穴100dへの後方ガイドピン5dの挿入を容易に行わせることができる。そして、固定ビス32によってシャッタストッパ部材5を固定することで、シャッタブロック100は、光軸方向において2群レンズ移動枠8の前方フランジ部8cとシャッタストッパ部材5の後方移動規制部5cの間に位置して、シャッタブロック格納空間8e内に保持される。
以上のようにして2群レンズ移動枠8にシャッタブロック100を組み付けた状態では、シャッタブロック100は、2群レンズ移動枠8及びシャッタストッパ部材5に対して、前方ガイドピン8fに対する前方ピン支持穴100cの摺接関係と、後方ガイドピン5dに対する後方ピン支持穴100dの摺接関係によって光軸方向へ可動に支持される。シャッタブロック100は、回り止めキー受け部100hと回り止めキー8mの嵌合関係によって、2群レンズ移動枠8に対する回転が規制され、光軸方向移動のみ可能に直進案内される。図7及び図8に示すように、シャッタブロック100における貫通スリーブ部100bの光軸方向長さD1は、前方フランジ部8cと後方移動規制部5cの光軸方向間隔D2よりも短く、シャッタブロック100は、前方フランジ部8cによって規定される前方移動端と、後方移動規制部5cによって規定される後方移動端の間で移動が可能である。前方ガイドピン8fの先端部と後方ガイドピン5dの先端部の間は光軸方向に離間しているが、シャッタブロック100の前後移動端の間の可動量(D2-D1)の範囲内では、前方ピン支持穴100cから前方ガイドピン8fが脱落せず、かつ後方ピン支持穴100dから後方ガイドピン5dが脱落しないように、各ガイドピン8f、5dの軸長と、各ピン支持穴100c、100dの形成位置が定められている。シャッタブロック100の組み付け状態でシャッタブロック付勢ばね30は圧縮されており、シャッタブロック付勢ばね30が復元しようとする力によって、シャッタブロック100は、貫通スリーブ部100bを後方移動規制部5cに当て付ける後方移動端側に付勢されている。
図8に示す撮影状態では、シャッタブロック100は、シャッタブロック付勢ばね30の付勢力によってシャッタブロック格納空間8e内の後方移動端に保持され、シャッタ羽根Sは、第2レンズ群LG2の後方に位置している。撮影状態から鏡筒収納状態に移行するとき、2群レンズ移動枠8はズームモータ150の駆動力によってカム環11を介して光軸方向後方に移動され、シャッタブロック格納空間8e内に保持されたシャッタブロック100も同様に後退する。2群レンズ移動枠8がある程度後退されると、シャッタブロック100に設けた第1後方突出部100n(図6)が、撮像素子ホルダ23に設けた前方突出部23a(図4)に当て付き、後方への移動が規制される。一方、2群レンズ移動枠8は後退を継続し、その結果、前方ガイドピン8fと前方ピン支持穴100c、後方ガイドピン5dと後方ピン支持穴100dの関係によって光軸方向へ移動可能に支持されたシャッタブロック100が、シャッタブロック付勢ばね30の付勢力に抗して、後方移動規制部5cから離れてシャッタブロック格納空間8e内で相対的に前方へ移動され、前方フランジ部8cに接近する。ズームレンズ鏡筒70が収納状態まで達すると、図7のように、シャッタブロック100がシャッタブロック格納空間8e内の前方移動端付近まで移動され、貫通スリーブ部100bの前端部が前方フランジ部8cに近接し、かつ前面凹部100j内に2群保持環部8dが進入する。また、シャッタ開口100mの内側に2群保持環部8dの後端部付近が進入し、シャッタ羽根Sは、第2レンズ群LG2の一部と光軸方向位置が重なる。このとき、シャッタ羽根Sは開かれてシャッタ開口100mより外径側に退避されており、第2レンズ群LG2とは干渉しない。また、シャッタブロック100と撮像素子ホルダ23の間には、第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51が位置しており、鏡筒収納動作時には、シャッタブロック100に設けた第2後方突出部100p(図6)が3群レンズ枠51に当接して、3群レンズ枠51を図7に示す光軸方向後方の移動端まで後退させることができる。そして、2群レンズ移動枠8と3群レンズ枠51がそれぞれの後方移動端に達したとき、図7のようにシャッタブロック格納空間8e内に第3レンズ群LG3が進入し、第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3の光軸方向距離が縮まる。
このように、ズームレンズ鏡筒70が撮影状態から収納状態に移行するときに、シャッタブロック100がシャッタブロック付勢ばね30の付勢力に抗してシャッタブロック格納空間8e内での光軸方向位置を相対的に変化させることにより、2レンズ群LG2からシャッタ羽根Sを挟んで第3レンズ群LG3までの光学要素が光軸方向に占める収納スペースを短くすることができ、鏡筒収納長の短縮化を図ることができる。そして、シャッタブロック100の光軸方向移動の案内手段を、2群レンズ移動枠8に設けた前方ガイドピン8fとシャッタストッパ部材5に設けた後方ガイドピン5dとに分けて配し、これら前後のガイドピン8f、5dによってシャッタ保持枠100aを両側から支持する構成としている。これにより、シャッタブロック100の貫通スリーブ部100bの光軸方向長さに対し、個々のガイドピン8f、5dの全長は短くなるため、光軸方向に長いシャフトを成形する場合のような離型用の抜き勾配が不要となり、シャッタブロック100を高精度に支持案内することができる。前述の通り、シャッタブロック格納空間8e内におけるシャッタブロック100の可動範囲全体で、常に前後のガイドピン8f、5dが対応のピン支持穴100c、100dに支持される状態が維持されるので、前後のガイドピン8f、5dが互いの先端部を離間させていても、シャッタブロック100に倒れや傾きが生じるおそれがない。特に、前後のガイドピン8f、5dが同軸上に位置しているため、シャッタブロック100の傾き防止に有効な構造となっている。また、ガイドピン8f、5dはそれぞれ2群レンズ移動枠8とシャッタストッパ部材5に一体成形されているので、金属製の別部材からなるガイドシャフトを用いるよりもコスト的に有利である。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
例えば、実施形態では、鏡筒収納時にシャッタブロック100の第1後方突出部100nを撮像素子ホルダ23の前方突出部23aに当接させて後退移動を規制しているが、シャッタブロック100の後退移動を規制する部位は、これに限定されない任意の後方部材とすることができる。
また、実施形態では、シャッタブロック100は光軸方向後方に向けて付勢され、鏡筒収納時に後方の部材(撮像素子ホルダ23の前方突出部23a)に当て付いてシャッタブロック格納空間8e内での位置が相対的に前方に変化されるが、本発明では、これと逆に、シャッタブロック100に相当する光量調節ユニットを光軸方向前方へ向けて付勢し、収納状態になるとき、この付勢力に抗して前方の支持部材から離れて後方の支持部材に接近するように構成する態様も可能である。要は、収納状態になるときに、前後の支持部材に対する光量調節部材の相対移動によって、コンパクト化が図れる構成であればよい。
また、実施形態では、光量調節ユニットとしてシャッタ羽根を有するシャッタブロックを適用した例を示しているが、本発明における光量調節部材は、シャッタ羽根に限定されるものではなく、例えば、絞り羽根やNDフィルタなどの透過光量を調整するタイプの部材にも適用が可能である。
本発明を適用したズームレンズ鏡筒の収納状態の外観斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の撮影状態の外観斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の収納状態の断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の撮影状態の断面図である。 2群レンズ移動枠によるシャッタブロック支持構造を示す、前方から見た分解斜視図である。 2群レンズ移動枠によるシャッタブロック支持構造を示す、後方から見た分解斜視図である。 ズームレンズ鏡筒の収納状態におけるシャッタブロック付近を拡大した断面図である。 ズームレンズ鏡筒の撮影状態(ワイド端)におけるシャッタブロック付近を拡大した断面図である。
符号の説明
1 1群レンズ保持枠
2 2群レンズ保持枠
5 シャッタストッパ部材
5a 位置決め穴
5b ビス挿通穴
5c 後方移動規制部
5d 後方ガイドピン
8 2群レンズ移動枠
8a 円筒部
8b ガイド溝
8c 前方フランジ部
8d 2群保持環部
8e シャッタブロック格納空間
8f 前方ガイドピン
8g ばね支持ピン
8h ストッパ取付凹部
8i ビス穴
8j 位置決め突起
8m 回り止めキー
10 直進案内環
10a 直進案内キー
11 カム環
12 第2繰出筒
13 第1繰出筒
22 ハウジング
23 撮像素子ホルダ
23a 前方突出部
25 ローパスフィルタ
27 群間付勢ばね
30 シャッタブロック付勢ばね
32 固定ビス
51 3群レンズ枠
70 ズームレンズ鏡筒
71 撮像素子
100 シャッタブロック(光量調節ユニット)
100a シャッタ保持枠(光量調節部材保持枠)
100b 貫通スリーブ部
100c 前方ピン支持穴
100d 後方ピン支持穴
100e テーパ開口部
100f テーパ開口部
100g ばね支持穴
100h 回り止めキー受け部
100j 前面凹部
100k 後方カバー板
100m シャッタ開口
100n 第1後方突出部
100p 第2後方突出部
104 バリヤ羽根
150 ズームモータ
160 AFモータ
CF1 1群用カムフォロア
CF2 2群用カムフォロア
CG1 1群制御カム溝
CG2 2群制御カム溝
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
O 撮影光学系の光軸
S シャッタ羽根(光量調節部材)

Claims (4)

  1. 光量調節部材を保持する光量調節部材保持枠;
    上記光量調節部材保持枠の前後に位置し、光軸方向間隔が一定に固定された前方支持部材と後方支持部材;
    上記前方支持部材に設けられ、上記光量調節部材保持枠の前方移動端を決める前方移動規制部;
    上記後方支持部材に設けられ、上記光量調節部材保持枠の後方移動端を決める後方移動規制部;
    上記前方支持部材の上記前方移動規制部から光軸方向後方に突出された前方ガイドピン;
    上記前方ガイドピンと同軸上に位置し、上記後方支持部材の上記後方移動規制部から光軸方向前方に突出された後方ガイドピン;
    上記光量調節部材保持枠に光軸方向へ貫通形成した貫通穴の一部からなり、上記前方ガイドピンが摺動可能に挿入される前方ピン支持穴;及び
    上記光量調節部材保持枠の上記貫通穴における上記前方ピン支持穴とは異なる一部からなり、上記後方ガイドピンが摺動可能に挿入される後方ピン支持穴;
    を備え、
    上記光量調節部材保持枠は、上記前後のガイドピンと前後のピン支持穴によって、上記前方支持部材と後方支持部材の間で光軸方向へ移動可能に支持されることを特徴とするレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造。
  2. 請求項記載のレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造において、上記前方支持部材はレンズ群を保持し、上記光量調節部材保持枠は、撮影状態では上記レンズ群と上記光量調節部材の光軸方向位置を異ならせ、撮影状態から撮影を行わない収納状態になるとき、上記レンズ群と上記光量調節部材の光軸方向位置を重ならせる位置に移動されるレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造。
  3. 請求項記載のレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造において、上記光量調節部材保持枠を上記後方支持部材側に付勢する付勢手段を備え、
    撮影状態から収納状態になるとき、上記前方支持部材と上記後方支持部材が光軸方向後方に移動し、その後方への移動の途中で、上記光量調節部材保持枠が上記後方支持部材より後方に位置する別の後方部材に当接して後方移動が規制され、上記光量調節部材保持枠が上記付勢手段の付勢力に抗して上記前方支持部材に接近されるレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造。
  4. 請求項記載の光量調節ユニット支持構造において、上記光量調節部材保持枠を上記前方支持部材と上記後方支持部材のいずれか一方に向けて付勢する付勢手段を備え、レンズ鏡筒が撮影状態から撮影を行わない収納状態になるとき、上記光量調節部材保持枠は上記付勢手段の付勢力に抗して付勢方向と反対の方向に移動するレンズ鏡筒の光量調節ユニット支持構造。
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