以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1ないし図6に基づいて、本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置について説明する。なお、図1、図2は実施例1に、図3は実施例2に、図4は実施例3に、図5は実施例4に、図6は実施例5に係る。
図1は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例1を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
なお、図1(A)、(B)、(C)は、基本的に同等な回路構成であることから図上の符号を適宜省略してある。図3以下でも同様である。
図2は、本発明の実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置に適用される発光ダイオードモジュールの概略構成を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの端面図である。なお、端面図でのハッチングは図面の見易さを考慮して省略してある。
本実施の形態に係る照明装置1は、交流電源ACSから供給された交流を直流に変換する発光ダイオード点灯回路10と、発光ダイオード点灯回路10から供給された直流によって駆動され発光(点灯)する発光ダイオードモジュール40とを備え、動作電流制御部としてのスイッチ15によって、発光ダイオードモジュール40(発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2)の発光(点灯/消灯)を制御する。
なお、発光ダイオードモジュール40は、例えば金属製の照明器具本体1bに取り付けられている。また、照明器具本体1bは、安全性を確保するためにアース電位GNDに接地された状態となっている。
また、照明装置1はスイッチ15で点灯/消灯するほか、リモートコントローラでスイッチング素子Q(スイッチングトランジスタQ)をオフすることにより消灯することも可能である(実施の形態3参照)。
本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10は、非接地側配線11および接地側配線12を有する交流電源ACSから供給される交流を整流する整流回路20と、整流回路20の整流出力をDC−DC変換して生成した直流を複数の発光ダイオードLED(発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2。以下、発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を特に区別する必要が無い場合は、単に発光ダイオードLEDとする。)が直列接続された発光ダイオードモジュール40に供給して発光ダイオードLEDを点灯する直流供給回路30とを備える。
本実施例に係る整流回路20は、非接地側配線11に接続される電源接続端子20pと、接地側配線12にスイッチ15を介して接続される電源接続端子20gと、交流を全波整流するようにブリッジ接続された整流ダイオード21、22、23、24と、整流ダイオード21、22、23、24によって形成された脈流を平滑化して直流化する平滑コンデンサCrとを備える。
ブリッジ接続された整流ダイオード21、22、23、24で構成されるブリッジの一方のブリッジで直列接続された整流ダイオード21および整流ダイオード22の中間位置に非接地側配線11(電源接続端子20p)が接続され、他方のブリッジで直列接続された整流ダイオード23および整流ダイオード24の中間位置に接地側配線12(電源接続端子20g)が接続されている。
したがって、カソードを共通に接続された整流ダイオード22および整流ダイオード23のカソード接続点からプラス側の配線経路34が導出され、アノードを共通に接続された整流ダイオード21および整流ダイオード24のアノード接続点からマイナス側の配線経路35が導出され、直流供給回路30に接続されている。なお、平滑コンデンサCrは、プラス側の配線経路34およびマイナス側の配線経路35に対応させて接続してある。
本実施例に係る直流供給回路30は、「ローサイドスイッチ型降圧チョッパー方式」とした場合であり、転流用のダイオードDおよびスイッチング素子Qの直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、ダイオードDおよびスイッチング素子Qの接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。なお、ダイオードDのカソードはプラス側の配線経路34に接続され、ダイオードDのアノードとマイナス側の配線経路35の間にスイッチング素子Qが接続され、ダイオードDおよびスイッチング素子Qの接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。
プラス側の配線経路34は、直流供給回路30の一方の出力端子となる出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は、スイッチング素子QおよびコイルLを介して直流供給回路30の他方の出力端子となる出力マイナス端子35tに接続されている。
なお、「ローサイドスイッチ型降圧チョッパー方式」では、コイルLを電源側(プラス側の配線経路34)に配置することも可能であるが、基本動作は同様であるので説明は省略する。
プラス側の配線経路34には、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31が直列で順方向(動作電流Idの電流方向に電流を流す配置)に接続してあり、平滑コンデンサCrが充電され所定の直流波形が直流供給回路30に供給されるとバイポーラトランジスタ31は、オン動作し、整流回路20から直流供給回路30を介して発光ダイオードモジュール40に直流電力が供給されることとなる。なお、バイアス抵抗Rはバイポーラトランジスタ31をオン動作させるためのバイアス電流(ベース電流)を供給する。
本実施例に係る発光ダイオードモジュール40は、例えば発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2が直列接続してあり、直流電力供給端子となるモジュールプラス端子40pおよびモジュールマイナス端子40mに順方向となるように接続してある。モジュールプラス端子40pは、発光ダイオードLED1のアノードが接続された配線パターン43fに接続され、モジュールマイナス端子40mは、発光ダイオードLED2のカソードが接続された配線パターン43tに接続されている。
また、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2は、配線パターン43sを介して相互に接続されることから、発光ダイオードモジュール40の適宜の所望された位置に配置されることとなる。
発光ダイオードモジュール40は、絶縁性基材42に積層した導体層を適宜パターニングすることによって形成された配線パターン43f、43s、43tを備えるプリント基板41と、配線パターン43f、43s、43tに接続された発光ダイオードLED1、発光ダイオードLED2を備える(図2)。配線パターン43fおよび配線パターン43sに発光ダイオードLED1が接続され、配線パターン43sおよび配線パターン43tに発光ダイオードLED2が接続されている。
配線パターン43f、配線パターン43s、配線パターン43tは、照明器具本体1bとの間に絶縁性基材42をそれぞれ挟む構成となることから、その面積に比例した寄生容量Cf、寄生容量Cs、寄生容量Ctを有することとなる。特に、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2の間に配置された配線パターン43sは、発光ダイオードLED1および発光ダイオードLED2を適宜の位置に配置するために他のパターンに比較して大きな面積(長い距離)とされることがある。
したがって、配線パターン43sによって生じる寄生容量Csは、寄生容量Cf、寄生容量Ctに比較して大きな値となり、図1(C)で説明するようにバイポーラトランジスタ31が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。なお、正周期微弱電流Ispと負周期微弱電流Ismとを区別する必要が無い場合は、単に微弱電流Isとすることがある。
なお、寄生容量Csは、真空の誘電率をε(0)、絶縁性基材42の比誘電率をε(r)、配線パターン43sの面積をS、厚さをdとした場合、寄生容量C=ε(0)・ε(r)・S/dで算出される。
発光ダイオードLEDを点灯する場合(図1(A))は、スイッチ15(動作電流制御部)をオンする。スイッチ15をオンした場合、交流電源ACSの正の半周期では動作電流Idが発光ダイオードLEDを流れ、負の半周期では動作電流Idが同様に同方向で流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に直流を供給された状態で安定した点灯状態となる。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→バイポーラトランジスタ31(プラス側の配線経路34)→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→コイルL→スイッチング素子Q→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード24→電源接続端子20g→スイッチ15→接地側配線12→接地側端子12tの経路で動作電流Idが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→スイッチ15→電源接続端子20g→整流ダイオード23→バイポーラトランジスタ31(プラス側の配線経路34)→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→コイルL→スイッチング素子Q→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p→非接地側配線11→非接地側端子11tの経路で動作電流Idが流れる。
なお、交流電源ACSの正負は、非接地側端子11tの電位と接地側端子12tの電位との相対関係で規定する。つまり、接地側端子12tの電位に対して非接地側端子11tの電位が正の場合を正の半周期とし、非接地側端子11tの電位に対して接地側端子12tの電位が正の場合を負の半周期とする。つまり、アース電位GNDに対して非接地側端子11tが正電位となる場合を正の半周期とし、アース電位GNDに対して非接地側端子11tが負電位となる場合を負の半周期とする。
また、バイポーラトランジスタ31は、npnトランジスタで構成され、コレクタ端子を整流ダイオード22(平滑コンデンサCr)側へ、エミッタ端子を出力プラス端子34t(ダイオードD)側へ配置し、コレクタ端子からエミッタ端子へ動作電流Idが流れるように配置してある。
発光ダイオードLEDを消灯する場合(図1(B))は、スイッチ15(動作電流制御部)をオフする。スイッチ15をオフした場合、バイポーラトランジスタ31はオフ状態となる。つまり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Isp(図1(C)参照)、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ism(図1(C)参照)が流れることはない。
したがって、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31をプラス側の配線経路34に配置することによって、寄生電流としての微弱電流Isが流れることを防止することが可能となり、微弱電流Isによる発光ダイオードLEDの微弱発光を防止することが可能となるので、発光ダイオードLEDを完全な消灯状態とすることが可能となる。
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図1(C))。なお、図1(C)の回路状態図では、バイポーラトランジスタ31およびバイアス抵抗Rを省いた点が図1(A)、(B)の回路状態図と異なるのみであるので、同一の符号を用いて説明する。
図1(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→コイルL→ダイオードD→プラス側の配線経路34(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の負周期微弱電流Ismが流れることが可能となる。)→平滑コンデンサCr→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないプラス側の配線経路34では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではバイポーラトランジスタ31)を備える。
この構成により、発光ダイオードモジュール40の配線パターン43sに伴う寄生容量Csを介して発光ダイオードLEDを流れる消灯時の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)の発生を防止することが可能となるので、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに発光ダイオードLEDでの消灯時の微弱発光を防止することができ、信頼性、機能性、および視認性の高い照明装置を実現できる発光ダイオード点灯回路10とすることが可能となる。
上述したとおり、本実施例では、pn接合素子は、バイポーラトランジスタ31であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)が流れる配線経路34を遮断し、消灯時に寄生容量Csに流れる微弱電流Isを確実に遮断して微弱発光を確実に防止することが可能となる。
なお、本実施の形態では、スイッチ15は、発光ダイオードLEDを駆動する動作電流Idの供給/遮断を制御する動作電流制御部として機能し、動作電流制御部(スイッチ15)によって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する構成としてある。
図3は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例2を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
なお、本実施例での照明装置1、発光ダイオード点灯回路10の基本構成は、実施例1の場合と同様であるので主に異なる事項について説明する。また、整流回路20は、実施例1の場合と同様としてあるので適宜説明を省略する。発光ダイオードモジュール40は、実施例1(図2)の場合と同様であるので適宜説明を省略する。
本実施例に係る直流供給回路30は、「ハイサイドスイッチ型降圧チョッパー方式」とした場合であり、スイッチング素子QおよびダイオードDの直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、スイッチング素子QおよびダイオードDの接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。なお、ダイオードDのカソードはスイッチング素子Q、コイルLに接続され、ダイオードDのアノードはマイナス側の配線経路35に接続してある。コイルLの他方の端子は出力プラス端子34tに接続してある。
プラス側の配線経路34は、スイッチング素子QおよびコイルLを介して出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は、ダイオードDのアノードおよび出力マイナス端子35tに接続されている。
なお、「ハイサイドスイッチ型降圧チョッパー方式」では、コイルLをグランド側(マイナス側の配線経路35)に配置することも可能であるが、基本動作は同様であるので説明は省略する。
マイナス側の配線経路35には、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31が直列で順方向(動作電流Idの電流方向に電流を流す配置)に接続してあり、平滑コンデンサCrが充電され所定の直流波形が直流供給回路30に供給されるとバイポーラトランジスタ31は、オン動作し、整流回路20から直流供給回路30を介して発光ダイオードモジュール40に直流電力が供給されることとなる。
発光ダイオードLEDを点灯する場合(図3(A))は、スイッチ15をオンする。スイッチ15をオンした場合、交流電源ACSの正の半周期では動作電流Idが発光ダイオードLEDを流れ、負の半周期では動作電流Idが同様に同方向で流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に直流を供給された状態で安定した点灯状態となる。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→スイッチング素子Q→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード24→電源接続端子20g→スイッチ15→接地側配線12→接地側端子12tの経路で動作電流Idが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→スイッチ15→電源接続端子20g→整流ダイオード23→プラス側の配線経路34→スイッチング素子Q→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p→非接地側配線11→非接地側端子11tの経路で動作電流Idが流れる。
発光ダイオードLEDを消灯する場合(図3(B))は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、バイポーラトランジスタ31はオフ状態となる。つまり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Isp(図3(C)参照)、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ism(図3(C)参照)が流れることはない。
したがって、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31をマイナス側の配線経路35に配置することによって、寄生電流としての微弱電流Isが流れることを防止することが可能となり、微弱電流Isによる発光ダイオードLEDの微弱発光を防止することが可能となるので、発光ダイオードLEDを完全な消灯状態とすることが可能となる。
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図3(C))。なお、図3(C)の回路状態図では、バイポーラトランジスタ31およびバイアス抵抗Rを省いた点が図3(A)、(B)の回路状態図と異なるのみであるので、同一の符号を用いて説明する。
図3(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→平滑コンデンサCr→マイナス側の配線経路35(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の正周期微弱電流Ispが流れることが可能となる。)→ダイオードD→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないマイナス側の配線経路35では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではバイポーラトランジスタ31)を備える。
この構成により、実施例1の場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。また、本実施例では、pn接合素子は、バイポーラトランジスタ31であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)が流れる配線経路35を遮断し、消灯時に寄生容量Csに流れる微弱電流Isを確実に遮断して微弱発光を確実に防止することが可能となる。
また、照明装置1についても、実施例1の場合と同様の構成としてあり、同様の作用効果を得ることが可能となる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例3を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
なお、本実施例での照明装置1、発光ダイオード点灯回路10の基本構成は、実施例1の場合と同様であるので主に異なる事項について説明する。また、整流回路20は、実施例1の場合と同様であるので適宜説明を省略する。発光ダイオードモジュール40は実施例1(図2)の場合と同様であるので適宜説明を省略する。
本実施例に係る直流供給回路30は、「ハーフブリッジ(同期整流)型降圧チョッパー方式」とした場合であり、スイッチング素子Q1、Q2(スイッチングトランジスタQ1、Q2)の直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、スイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2の接続点にコイルLの一方の端子が接続してある。コイルLの他方の端子は出力プラス端子34tに接続してある。
プラス側の配線経路34は、スイッチング素子Q1およびコイルLを介して出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は、スイッチング素子Q2および出力マイナス端子35tに接続されている。
なお、「ハーフブリッジ(同期整流)型降圧チョッパー方式」では、コイルLをグランド側(マイナス側の配線経路35)に配置することも可能であるが、基本動作は同様であるので説明は省略する。
マイナス側の配線経路35には、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31が直列で順方向(動作電流Idの電流方向に電流を流す配置)に接続してあり、平滑コンデンサCrが充電され所定の直流波形が直流供給回路30に供給されるとバイポーラトランジスタ31は、オン動作し、整流回路20から直流供給回路30を介して発光ダイオードモジュール40に直流電力が供給されることとなる。
発光ダイオードLEDを点灯する場合(図4(A))は、スイッチ15をオンする。スイッチ15をオンした場合、交流電源ACSの正の半周期では動作電流Idが発光ダイオードLEDを流れ、負の半周期では動作電流Idが同様に同方向で流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に直流を供給された状態で安定した点灯状態となる。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→スイッチング素子Q1→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード24→電源接続端子20g→スイッチ15→接地側配線12→接地側端子12tの経路で動作電流Idが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→スイッチ15→電源接続端子20g→整流ダイオード23→プラス側の配線経路34→スイッチング素子Q1→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p→非接地側配線11→非接地側端子11tの経路で動作電流Idが流れる。
発光ダイオードLEDを消灯する場合(図4(B))は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、バイポーラトランジスタ31はオフ状態となる。つまり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Isp(図4(C)参照)、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ism(図4(C)参照)が流れることはない。
したがって、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31をマイナス側の配線経路35に配置することによって、寄生電流としての微弱電流Isが流れることを防止することが可能となり、微弱電流Isによる発光ダイオードLEDの微弱発光を防止することが可能となるので、発光ダイオードLEDを完全な消灯状態とすることが可能となる。
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図4(C))。なお、図4(C)の回路状態図では、バイポーラトランジスタ31およびバイアス抵抗Rを省いた点が図4(A)、(B)の回路状態図と異なるのみであるので、同一の符号を用いて説明する。
図4(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→平滑コンデンサCr→マイナス側の配線経路35(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の正周期微弱電流Ispが流れることが可能となる。)→スイッチング素子Q2→コイルL→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないマイナス側の配線経路35では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではバイポーラトランジスタ31)を備える。
この構成により、実施例1の場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。また、本実施例では、pn接合素子は、バイポーラトランジスタ31であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)が流れる配線経路35を遮断し、消灯時に寄生容量Csに流れる微弱電流Isを確実に遮断して微弱発光を確実に防止することが可能となる。
また、照明装置1についても、実施例1の場合と同様の構成としてあり、同様の作用効果を得ることが可能となる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例4を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
なお、本実施例での照明装置1、発光ダイオード点灯回路10の基本構成は、実施例1の場合と同様であるので主に異なる事項について説明する。また、整流回路20は、実施例1の場合と同様であるので適宜説明を省略する。発光ダイオードモジュール40は実施例1(図2)の場合と同様であるので適宜説明を省略する。
本実施例に係る直流供給回路30は、「フライバック方式(コンデンサを変圧器の1次巻線と2次巻線の間に接続した形態)」とした場合であり、変圧器Tの1次巻線、スイッチング素子Q3(スイッチングトランジスタQ3)の直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、変圧器Tの1次巻線と2次巻線との間に電磁ノイズを抑制するノイズキャンセラとしてのコンデンサCcが接続してある。
変圧器Tの2次側には整流回路/平滑回路を構成するダイオードD1、平滑コンデンサCdが接続され、プラス側の配線経路34は出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は出力マイナス端子35tに接続してある。
プラス側の配線経路34には、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31が直列で順方向(動作電流Idの電流方向に電流を流す配置)に接続してあり、平滑コンデンサCrが充電され所定の直流波形が直流供給回路30に供給されるとバイポーラトランジスタ31は、オン動作し、整流回路20から直流供給回路30を介して発光ダイオードモジュール40に直流電力が供給されることとなる。
発光ダイオードLEDを点灯する場合(図5(A))は、スイッチ15をオンする。スイッチ15をオンした場合、交流電源ACSの正の半周期では動作電流Idが発光ダイオードLEDを流れ、負の半周期では動作電流Idが同様に同方向で流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に直流を供給された状態で安定した点灯状態となる。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、変圧器Tの1次巻線側で、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→バイポーラトランジスタ31(プラス側の配線経路34)→変圧器T(1次巻線)→スイッチング素子Q3→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード24→電源接続端子20g→スイッチ15→接地側配線12→接地側端子12tの経路で動作電流Idが流れ、他方、変圧器Tの2次巻線側で1次巻線での動作電流Idに対応して、変圧器T(2次巻線)→ダイオードD1(プラス側の配線経路34)→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→マイナス側の配線経路35→変圧器T(2次巻線)の経路で動作電流Idが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、変圧器Tの1次巻線側で、接地側端子12t→接地側配線12→スイッチ15→電源接続端子20g→整流ダイオード23→バイポーラトランジスタ31(プラス側の配線経路34)→変圧器T(1次巻線)→スイッチング素子Q3→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p→非接地側配線11→非接地側端子11tの経路で動作電流Idが流れる。なお、変圧器Tの2次巻線側では、上述した交流電源ACSの正の半周期で説明した経路と同様の経路で動作電流Idが流れる。
発光ダイオードLEDを消灯する場合(図5(B))は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、バイポーラトランジスタ31はオフ状態となる。つまり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Isp(図5(C)参照)、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ism(図5(C)参照)が流れることはない。
したがって、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31をプラス側の配線経路34に配置することによって、寄生電流としての微弱電流Isが流れることを防止することが可能となり、微弱電流Isによる発光ダイオードLEDの微弱発光を防止することが可能となるので、発光ダイオードLEDを完全な消灯状態とすることが可能となる。
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図5(C))。なお、図5(C)の回路状態図では、バイポーラトランジスタ31およびバイアス抵抗Rを省いた点が図5(A)、(B)の回路状態図と異なるのみであるので、同一の符号を用いて説明する。
図5(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→コンデンサCc→ダイオードD1→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→変圧器T(2次巻線)→コンデンサCc→プラス側の配線経路34(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の負周期微弱電流Ismが流れることが可能となる。)→平滑コンデンサCr→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないプラス側の配線経路34では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではバイポーラトランジスタ31)を備える。
この構成により、実施例1の場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。また、本実施例では、pn接合素子は、バイポーラトランジスタ31であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)が流れる配線経路34を遮断し、消灯時に寄生容量Csに流れる微弱電流Isを確実に遮断して微弱発光を確実に防止することが可能となる。
また、照明装置1についても、実施例1の場合と同様の構成としてあり、同様の作用効果を得ることが可能となる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例5を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
なお、本実施例での照明装置1、発光ダイオード点灯回路10の基本構成は、実施例1の場合と同様であるので主に異なる事項について説明する。また、整流回路20は、実施例1の場合と同様であるので適宜説明を省略する。発光ダイオードモジュール40は実施例1(図2)の場合と同様であるので適宜説明を省略する。
本実施例に係る直流供給回路30は、「フライバック方式(コンデンサを変圧器1次側のグランド側配線と変圧器2次側のグランド側配線の間に接続した形態)」とした場合であり、変圧器Tの1次巻線、スイッチング素子Q4の直列回路がプラス側の配線経路34とマイナス側の配線経路35との間に接続してある。また、変圧器Tの1次側のグランド側配線(マイナス側の配線経路35)と変圧器Tの2次側のグランド側配線(マイナス側の配線経路35)との間にコンデンサCbが接続してある。
変圧器Tの2次側は、実施例4と同様に整流回路/平滑回路を構成するダイオードD1、平滑コンデンサCdが接続され、プラス側の配線経路34は出力プラス端子34tに接続され、マイナス側の配線経路35は出力マイナス端子35tに接続してある。
マイナス側の配線経路35には、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31が直列で順方向(動作電流Idの電流方向に電流を流す配置)に接続してあり、平滑コンデンサCrが充電され所定の直流波形が直流供給回路30に供給されるとバイポーラトランジスタ31は、オン動作し、整流回路20から直流供給回路30を介して発光ダイオードモジュール40に直流電力が供給されることとなる。
発光ダイオードLEDを点灯する場合(図6(A))は、スイッチ15をオンする。スイッチ15をオンした場合、交流電源ACSの正の半周期では動作電流Idが発光ダイオードLEDを流れ、負の半周期では動作電流Idが同様に同方向で流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に直流を供給された状態で安定した点灯状態となる。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、変圧器Tの1次巻線側で、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→変圧器T(1次巻線)→スイッチング素子Q4→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード24→電源接続端子20g→スイッチ15→接地側配線12→接地側端子12tの経路で動作電流Idが流れ、他方、変圧器Tの2次巻線側で実施例4と同様に1次巻線での動作電流Idに対応して、変圧器T(2次巻線)→ダイオードD1(プラス側の配線経路34)→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→マイナス側の配線経路35→変圧器T(2次巻線)の経路で動作電流Idが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、変圧器Tの1次巻線側で、接地側端子12t→接地側配線12→スイッチ15→電源接続端子20g→整流ダイオード23→プラス側の配線経路34→変圧器T(1次巻線)→スイッチング素子Q4→バイポーラトランジスタ31(マイナス側の配線経路35)→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p→非接地側配線11→非接地側端子11tの経路で動作電流Idが流れる。なお、変圧器Tの2次巻線側では、上述した交流電源ACSの正の半周期で説明した経路と同様の経路で動作電流Idが流れる。
発光ダイオードLEDを消灯する場合(図6(B))は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、バイポーラトランジスタ31はオフ状態となる。つまり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Isp(図6(C)参照)、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ism(図6(C)参照)が流れることはない。
したがって、pn接合素子としてのバイポーラトランジスタ31をマイナス側の配線経路35に配置することによって、寄生電流としての微弱電流Isが流れることを防止することが可能となり、微弱電流Isによる発光ダイオードLEDの微弱発光を防止することが可能となるので、発光ダイオードLEDを完全な消灯状態とすることが可能となる。
次に本実施の形態での効果を比較説明するためにpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を説明する(図6(C))。なお、図6(C)の回路状態図では、バイポーラトランジスタ31およびバイアス抵抗Rを省いた点が図6(A)、(B)の回路状態図と異なるのみであるので、同一の符号を用いて説明する。
図6(B)の場合と同様、発光ダイオードLEDを消灯する場合は、スイッチ15をオフする。スイッチ15をオフした場合、交流電源ACSの正の半周期では正周期微弱電流Ispが寄生容量Csを充電する形態で発光ダイオードLED1に流れ、負の半周期では負周期微弱電流Ismが寄生容量Csを逆方向に充電する形態で発光ダイオードLED2に流れる。したがって、発光ダイオードLEDは、交流電源ACSの正負状態に関係なく、常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない。
つまり、交流電源ACSの正の半周期では、非接地側端子11t→非接地側配線11(電源接続端子20p)→整流ダイオード22→プラス側の配線経路34→平滑コンデンサCr→マイナス側の配線経路35(電流を阻止するバイポーラトランジスタ31が存在しないことから、動作電流Idと逆方向の負周期微弱電流Ismが流れることが可能となる。)→コンデンサCb→変圧器T(2次巻線)→ダイオードD1→出力プラス端子34t→モジュールプラス端子40p→発光ダイオードLED1→寄生容量Cs→アース電位GND(照明器具本体1bのアース電位GNDおよび交流電源ACSのアース電位GND)の経路で正周期微弱電流Ispが流れる。
また、交流電源ACSの負の半周期では、接地側端子12t→接地側配線12→アース電位GND(交流電源ACSのアース電位GNDおよび照明器具本体1bのアース電位GND)→寄生容量Cs→発光ダイオードLED2→モジュールマイナス端子40m→出力マイナス端子35t→マイナス側の配線経路35→コンデンサCb→マイナス側の配線経路35→整流ダイオード21→電源接続端子20p(非接地側配線11)→非接地側端子11tの経路で負周期微弱電流Ismが流れる。
したがって、バイポーラトランジスタ31が存在しないマイナス側の配線経路35では、交流電源ACSの正負の半周期にそれぞれ対応する両方向で微弱電流Is(発光ダイオードLED1を流れる正周期微弱電流Ispおよび発光ダイオードLED2を流れる負周期微弱電流Ism)が流れることとなる。すなわち、上述したとおり、バイポーラトランジスタ31が存在しない場合、交流電源ACSの正負状態に関係なく、発光ダイオードLEDには常に微弱電流Isが流れる状態となり微弱発光を防止することはできない状態となる。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではバイポーラトランジスタ31)を備える。
この構成により、実施例1の場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。また、本実施例では、pn接合素子は、バイポーラトランジスタ31であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Is(交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)が流れる配線経路35を遮断し、消灯時に寄生容量Csに流れる微弱電流Isを確実に遮断して微弱発光を確実に防止することが可能となる。
また、照明装置1についても、実施例1の場合と同様の構成としてあり、同様の作用効果を得ることが可能となる。
本実施の形態に係る条件を満たせば、上述した実施例1ないし実施例5以外のその他の回路構成であっても、同様に適用可能である。例えば、直流供給回路30としてのフライバック方式に代えてフォワード方式とすることも可能であり、整流回路としてブリッジ型全波整流方式に代えて倍電圧整流回路を適用することも可能である。また、コンデンサCc(実施例4/図5)の接続箇所も種々変更可能である。
また、実施例1ないし実施例5で示したとおり、本実施の形態に係る照明装置1は、複数の発光ダイオードLEDが直列接続された発光ダイオードモジュール40と、非接地側配線11および接地側配線12を有する交流電源ACSから供給された交流を直流に変換して発光ダイオードLEDを点灯する発光ダイオード点灯回路10とを備え、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する構成としてある。
したがって、本実施の形態に係る照明装置1では、発光ダイオード点灯回路10を備えることから、スイッチ15をオフした状態のときに発光ダイオードLEDを流れる消灯時の微弱電流Is(交流電源の正の半周期で生じる正周期微弱電流Isp、負の半周期で生じる負周期微弱電流Ism)の発生を防止することが可能となるので、スイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに発光ダイオードLEDでの消灯時の微弱発光を防止することができ、信頼性、機能性、および視認性の高い照明装置を実現することが可能となる。
上述したとおり、本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路10では、発光ダイオードLEDを駆動する動作電流Idの供給/遮断を制御する動作電流制御部(スイッチ15)によって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する構成としてある。つまり、スイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する。
また、動作電流制御部によって発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(配線経路34/配線経路35)に、動作電流制御部によって発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(バイポーラトランジスタ31)を備える。したがって、動作電流制御部としてのスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに発光ダイオードLEDでの消灯時の微弱発光を防止することができる。
<実施の形態2>
図7ないし図11に基づいて、本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置について説明する。なお、図7は実施例6に、図8は実施例7に、図9は実施例8に、図10は実施例9に、図11は実施例10に係る。
実施の形態1では、pn接合素子としてバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)を適用したのに対して、本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置では、pn接合素子としてダイオードを適用する構成としてある。その他の構成は、実施の形態1と同様であるので主に異なる事項について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例6を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
本実施例は、実施例1に対応するものであり、実施例1で適用したバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)をダイオード32で置き換えたものである。照明装置1、発光ダイオード点灯回路10(整流回路20、直流供給回路30)、発光ダイオードモジュール40の基本的な構成、作用は実施例1と同様である。
図7(C)で示すとおり、ダイオード32が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、ダイオード32が存在しない状態でスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではダイオード32)を備える。
この構成により、実施例1と同様な作用効果が得られる。また、本実施例では、pn接合素子は、ダイオード32であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Isが流れる配線経路34では、接続されたダイオード32が一方向の微弱電流Isしか流さないので、寄生容量Csが充電された後は、寄生容量Csに微弱電流Isは流れず消灯時の微弱発光を確実に防止することが可能となる。
つまり、図7(B)に示すとおり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Ispがダイオード32を介して寄生容量Csに過渡的に流れるが、寄生容量Csへの充電が終了した時点で正周期微弱電流Ispは流れなくなる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例7を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
本実施例は、実施例2に対応するものであり、実施例2で適用したバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)をダイオード32で置き換えたものである。照明装置1、発光ダイオード点灯回路10(整流回路20、直流供給回路30)、発光ダイオードモジュール40の基本的な構成、作用は実施例2と同様である。
図8(C)で示すとおり、ダイオード32が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、ダイオード32が存在しない状態でスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではダイオード32)を備える。
この構成により、実施例2と同様な作用効果が得られる。また、本実施例では、pn接合素子は、ダイオード32であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Isが流れる配線経路35では、接続されたダイオード32が一方向の微弱電流Isしか流さないので、寄生容量Csが充電された後は、寄生容量Csに微弱電流Isは流れず消灯時の微弱発光を確実に防止することが可能となる。
つまり、図8(B)に示すとおり、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ismがダイオード32を介して寄生容量Csに過渡的に流れるが、寄生容量Csへの充電が終了した時点で負周期微弱電流Ismは流れなくなる。
図9は、本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例8を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
本実施例は、実施例3に対応するものであり、実施例3で適用したバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)をダイオード32で置き換えたものである。照明装置1、発光ダイオード点灯回路10(整流回路20、直流供給回路30)、発光ダイオードモジュール40の基本的な構成、作用は実施例3と同様である。
図9(C)で示すとおり、ダイオード32が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、ダイオード32が存在しない状態でスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではダイオード32)を備える。
この構成により、実施例3と同様な作用効果が得られる。また、本実施例では、pn接合素子は、ダイオード32であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Isが流れる配線経路35では、接続されたダイオード32が一方向の微弱電流Isしか流さないので、寄生容量Csが充電された後は、寄生容量Csに微弱電流Isは流れず消灯時の微弱発光を確実に防止することが可能となる。
つまり、図9(B)に示すとおり、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ismがダイオード32を介して寄生容量Csに過渡的に流れるが、寄生容量Csへの充電が終了した時点で負周期微弱電流Ismは流れなくなる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例9を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
本実施例は、実施例4に対応するものであり、実施例4で適用したバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)をダイオード32で置き換えたものである。照明装置1、発光ダイオード点灯回路10(整流回路20、直流供給回路30)、発光ダイオードモジュール40の基本的な構成、作用は実施例4と同様である。
図10(C)で示すとおり、ダイオード32が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、ダイオード32が存在しない状態でスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではプラス側の配線経路34)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではダイオード32)を備える。
この構成により、実施例4と同様な作用効果が得られる。また、本実施例では、pn接合素子は、ダイオード32であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Isが流れる配線経路34では、接続されたダイオード32が一方向の微弱電流Isしか流さないので、寄生容量Csが充電された後は、寄生容量Csに微弱電流Isは流れず消灯時の微弱発光を確実に防止することが可能となる。
つまり、図10(B)に示すとおり、交流電源ACSの正の半周期での正周期微弱電流Ispがダイオード32を介して寄生容量Csに過渡的に流れるが、寄生容量Csへの充電が終了した時点で正周期微弱電流Ispは流れなくなる。
図11は、本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置の概略構成回路の実施例10を示す回路状態図であり、(A)はスイッチをオンして発光ダイオードを点灯した場合の電流状況を示し、(B)はスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示し、(C)は比較のためにpn接合素子を省いた状態でスイッチをオフして発光ダイオードを消灯した場合の電流状況を示す回路状態図である。
本実施例は、実施例5に対応するものであり、実施例5で適用したバイポーラトランジスタ31(およびバイアス抵抗R)をダイオード32で置き換えたものである。照明装置1、発光ダイオード点灯回路10(整流回路20、直流供給回路30)、発光ダイオードモジュール40の基本的な構成、作用は実施例5と同様である。
図11(C)で示すとおり、ダイオード32が存在しない場合にスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したとき、寄生容量Csを介して寄生電流としての微弱電流Is(正周期微弱電流Isp、負周期微弱電流Ism)が流れ、消灯時に微弱発光を生じることがある。
つまり、本実施例に係る発光ダイオード点灯回路10では、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、ダイオード32が存在しない状態でスイッチ15をオフして発光ダイオードLEDを消灯したときに交流電源ACSの正の半周期で生じる正周期微弱電流Ispと交流電源ACSの負の半周期で生じる負周期微弱電流Ismとが互いに逆方向へ流れる直流供給回路30の配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)に、スイッチ15をオンして発光ダイオードLEDを点灯したときに配線経路(本実施例ではマイナス側の配線経路35)で流れる動作電流Idの電流方向に電流を流す構成とされたpn接合素子(本実施例ではダイオード32)を備える。
この構成により、実施例5と同様な作用効果が得られる。また、本実施例では、pn接合素子は、ダイオード32であることを特徴とする。したがって、本発明を適用しないときに双方向の微弱電流Isが流れる配線経路35では、接続されたダイオード32が一方向の微弱電流Isしか流さないので、寄生容量Csが充電された後は、寄生容量Csに微弱電流Isは流れず消灯時の微弱発光を確実に防止することが可能となる。
つまり、図11(B)に示すとおり、交流電源ACSの負の半周期での負周期微弱電流Ismがダイオード32を介して寄生容量Csに過渡的に流れるが、寄生容量Csへの充電が終了した時点で負周期微弱電流Ismは流れなくなる。
本実施の形態に係る条件を満たせば、上述した実施例6ないし実施例10以外のその他の回路構成であっても、同様に適用可能である。例えば、直流供給回路30としてのフライバック方式に代えてフォワード方式とすることも可能であり、整流回路としてブリッジ型全波整流方式に代えて倍電圧整流回路を適用することも可能である。また、コンデンサCc(実施例9/図10)の接続箇所も種々変更可能である。
また、実施例6ないし実施例10で示したとおり、本実施の形態に係る照明装置1は、複数の発光ダイオードLEDが直列接続された発光ダイオードモジュール40と、非接地側配線11および接地側配線12を有する交流電源ACSから供給された交流を直流に変換して発光ダイオードLEDを点灯する発光ダイオード点灯回路10とを備え、接地側配線12(交流電源ACS)と発光ダイオード点灯回路10との間に配置されたスイッチ15のオン/オフによって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する構成としてある。
したがって、本実施の形態に係る照明装置1では、発光ダイオード点灯回路10を備えることから、実施の形態1と同様な作用効果が得られる。
上述したとおり、本実施の形態では、スイッチ15は、実施の形態1の場合と同様、発光ダイオードLEDを駆動する動作電流Idの供給/遮断を制御する動作電流制御部として機能し、実施の形態1と同様に作用する。
<実施の形態3>
本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路および照明装置について説明する。基本的な構成は実施の形態1、実施の形態2と同様であるので、図示を省略し、符号をそのまま適用して主に異なる事項について説明する。
実施の形態1、実施の形態2に係る発光ダイオード点灯回路10、照明装置1では、動作電流制御部は、スイッチ15によって構成してある。
これに対し、本実施の形態に係る発光ダイオード点灯回路10では、発光ダイオードLEDを駆動する動作電流Idの供給/遮断を制御する動作電流制御部を直流供給回路30に配置されオン/オフ制御によってDC−DC変換を実行するスイッチング素子(実施の形態1、実施の形態2でのスイッチング素子Q、またはスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4)で構成し、スイッチング素子によるDC−DC変換の実行/停止によって発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する構成としてある。
照明装置1は、リモートコントローラ(不図示)で制御される場合がある。リモートコントローラで制御される場合は、スイッチ15は通常オン状態とされており、発光ダイオードLEDの消灯(動作電流Idの遮断)には適用されない。
つまり、リモートコントローラによって発光ダイオードLEDの消灯(動作電流Idの遮断)を実行する場合、動作電流制御部としてのスイッチング素子(Q、またはQ1、Q2、Q3、Q4)によるDC−DC変換を停止して発光ダイオードLEDを消灯する。なお、スイッチング素子(Q、またはQ1、Q2、Q3、Q4)によるDC−DC変換を実行した場合は、所定の直流を生成することから発光ダイオードLEDを点灯することとなる。
したがって、本実施の形態によれば、例えばリモートコントローラによって発光ダイオードLEDの消灯を実行する場合に、実施の形態1、実施の形態2と同様に、発光ダイオードLEDでの消灯時の微弱発光を防止することができる。
つまり、リモートコントローラで発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合は、直流供給回路30に配置されDC−DC変換を実行するスイッチング素子(実施の形態1、実施の形態2でのスイッチング素子Q、またはQ1、Q2、Q3、Q4)を動作電流制御部として構成することにより、容易に発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御することが可能となる。
なお、リモートコントローラで発光ダイオードLEDの点灯/消灯を制御する場合、回路構成は次のようにすることが多い。
つまり、リモートコントローラの発光部、照明装置1(直流供給回路30)に設けられリモートコントローラの発光部からの信号を受光する受光部、受光部が受信した信号に基づいて設定された周波数での発振を制御する発振制御回路、発振制御回路からの信号に基づいてスイッチング素子をパルス駆動するパルス駆動部、およびパルス駆動に従ってスイッチング動作(およびDC−DC変換の実行/停止)を実行するスイッチング素子Q(Q1、Q2、Q3、Q4)で、リモートコントローラによる点灯/消灯を制御することが可能となる。
なお、受光部は照明器具本体1b側へ配置して発光部からの光信号を受光する形態とされる。
また、pn接合素子は、実施の形態1ではバイポーラトランジスタ31で構成し、実施の形態2ではダイオードで構成したが、これら以外の例えばサイリスタなどの半導体スイッチを適用することも可能である。