本開示に係る電源装置の実施形態及び照明システムの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
実施形態に係る電源装置1(以下、電源装置1と略す。)は、図1に示すように、直流変換部2と、制御部3と、検出部30と、負荷電流検出部31とを備える。直流変換部2は、定電圧源12から入力する第1の直流電圧V1を第2の直流電圧V2に変換(昇圧又は降圧)する。制御部3は、直流変換部2を制御して第2の直流電圧V2を変化させる。制御部3は、例えば、マイクロコントローラを有する。制御部3は、制御用のプログラムをマイクロコントローラで実行することにより、後述する種々の制御を行う。検出部30は、直流変換部2から第2の直流電圧V2が印加される負荷(照明器具4)の電気的特性を検出する。なお、検出部30は、照明器具4の電気的特性として、所定の電流(例えば、定格電流)を流したときに照明器具4に生じる電圧降下(順方向電圧VF)を検出することが好ましい。負荷電流検出部31は、負荷である照明器具4に流れる電流(負荷電流IL)を検出する。
電源装置1は、直流変換部2から出力する第2の直流電圧V2を複数の照明負荷(図示例では2台の照明器具4)に印加する。2台の照明器具4は、第2の直流電圧V2が印加されて直流の負荷電流ILが流れることによって点灯する。なお、2台の照明器具4は、電源装置1に対して電気的に直列接続されている。したがって、第2の直流電圧V2は、2台の照明器具4のそれぞれの点灯開始電圧を合計した電圧よりも高くなければならない。また、電源装置1において、信号線80を介してコントローラ8から受け取る指令に基づいて制御部3が直流変換部2を制御し、第2の直流電圧V2を調整して出力電流(負荷電流IL)を変化させることによって各照明器具4を調光する。なお、以下の説明において、2台の照明器具4を第1の照明器具4A、第2の照明器具4Bと呼ぶ場合がある。
直流変換部2は、共振形コンバータ20と、巻数比調整部21とを有する。共振形コンバータ20は、いわゆるLLC電流共振形コンバータである。共振形コンバータ20は、二つのスイッチング素子Q1、Q2を電気的に直列接続したハーフブリッジ回路と、共振用のコンデンサC1、C2及びインダクタL1と、変圧器T1と、整流回路23と、平滑用のコンデンサC3とを有する。二つのスイッチング素子Q1、Q2は、Nチャネル・エンハンスメント形のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。ただし、スイッチング素子Q1、Q2は、バイポーラトランジスタなどのMOSFET以外のパワートランジスタであっても構わない。また、共振形コンバータ20は、ハーフブリッジ回路の代わりに、四つのスイッチング素子をブリッジ接続したフルブリッジ回路を有していても構わない。
下アームのスイッチング素子Q2に、共振用のコンデンサC1、C2、インダクタL1及び変圧器T1の入力巻線N1が電気的に接続される。変圧器T1は、二つの出力巻線(第1出力巻線N21及び第2出力巻線N22)と、一つのタップX1とを有する。タップX1は、第1出力巻線N21の第2端と第2出力巻線N22の第1端の接続部分に設けられている。
整流回路23は、三つのアーム(第1アーム231、第2アーム232及び第3アーム233)を有する。第1アーム231は、順方向に電気的に直列接続された2個のダイオードD11、D12を有する。第1アーム231の中点(ダイオードD11のアノードとダイオードD12のカソードの接続点)が第1出力巻線N21の第1端と電気的に接続されている。第1アーム231の出力端(ダイオードD11のカソード)が第1スイッチS1を介して平滑用のコンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。第1アーム231の入力端(ダイオードD12のアノード)は第2スイッチS2を介してコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
第2アーム232は、順方向に電気的に直列接続された2個のダイオードD21、D22を有する。第2アーム232の中点(ダイオードD21のアノードとダイオードD22のカソードの接続点)がタップX1と電気的に接続されている。第2アーム232の出力端(ダイオードD21のカソード)がコンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。第2アーム232の入力端(ダイオードD22のアノード)は第3スイッチS3を介してコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
第3アーム233は、順方向に電気的に直列接続された2個のダイオードD31、D32を有する。第3アーム233の中点(ダイオードD31のアノードとダイオードD32のカソードの接続点)が第2出力巻線N22の第2端と電気的に接続されている。第3アーム233の出力端(ダイオードD31のカソード)がコンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。第2アーム232の入力端(ダイオードD32のアノード)はコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
負荷電流検出部31は、例えば、負荷電流ILによって電圧降下を生じる抵抗器と、抵抗器に生じる電圧降下(検出電圧)を増幅する増幅器と、増幅器の出力によって入力電流が増減するフォトカプラとを有する。負荷電流検出部31は、フォトカプラの出力電圧(フォトトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧)を負荷電流ILの検出電圧W2として制御部3に出力する(図1参照)。
巻数比調整部21は、三つのスイッチ(第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3)と、これら三つのスイッチを駆動するスイッチ駆動回路210とを有する。
第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3はそれぞれ、MOSFETのような半導体スイッチング素子で構成されることが好ましい。ただし、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3は、電磁リレー又はソリッドステート・リレー(SSR:Solid State Relay)で構成されても構わない。
スイッチ駆動回路210は、制御部3の指示に応じて、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3をオン・オフする。スイッチ駆動回路210が第1スイッチS1及び第2スイッチS2をオンし、かつ、第3スイッチS3をオフしている場合、変圧器T1の巻数比が最も高い巻数比(第1巻数比)に調整される。また、スイッチ駆動回路210が第1スイッチS1及び第2スイッチS2をオフし、かつ、第3スイッチS3をオンしている場合、変圧器T1の巻数比が最も低い巻数比(第2巻数比)に調整される。すなわち、巻数比調整部21は、スイッチ駆動回路210によって第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3をオン・オフすることにより、変圧器T1の巻数比を第1巻数比と第2巻数比の2種類の巻数比に調整する(切り替える)ことができる。なお、変圧器T1は、三つ以上の出力巻線を有していても構わない。
共振形コンバータ20において、二つのスイッチング素子Q1、Q2は、駆動回路22によって相補的にスイッチングされる。制御部3は、駆動回路22を介して二つのスイッチング素子Q1、Q2をPFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)制御することにより、第1の直流電圧V1を方形パルス状の電圧に変換する。そして、共振用のコンデンサC1、C2、インダクタL1及び変圧器T1の入力巻線N1の直列共振回路により、前記方形パルス状の電圧が、PFM制御のスイッチング周波数に応じた周波数の正弦波電圧に変換される。この正弦波電圧は、変圧器T1によって変圧され、整流回路23で全波整流された後、コンデンサC3で平滑化されて第2の直流電圧V2に変換される。なお、変圧器T1で変圧された後の電圧(変圧器T1の2次電圧)は、変圧器T1の巻数比(出力巻線の巻回数/入力巻線の巻回数)が高くなるにつれて大きくなる。
ここで、共振形コンバータ20は、図2に実線で示す出力特性を有している。図2の横軸は共振形コンバータ20の動作周波数f(駆動回路22がスイッチング素子Q1、Q2をスイッチングする周波数)である。図2の縦軸は共振形コンバータ20の出力比(V2/V1)である。共振形コンバータ20の出力比は、動作周波数fが前記直列共振回路の共振周波数f0に一致するときに最大となり、動作周波数fが共振周波数f0から離れるにつれて低下する。そこで、電源装置1においては、共振周波数f0よりも高い周波数範囲FA(第1周波数f1から第2周波数f2までの範囲)で共振形コンバータ20の動作周波数fを変化させることにより、第2の直流電圧V2を調整する。なお、共振周波数f0よりも低い動作周波数fで共振形コンバータ20を動作させた場合、二つのスイッチング素子Q1、Q2に貫通電流が流れてスイッチング素子Q1、Q2が損傷するおそれがある。
制御部3は、検出電圧W2に基づいて負荷電流ILの大きさを判断し、負荷電流ILの大きさを目標値(例えば、照明器具4の定格電流)に一致させるように駆動回路22を介して動作周波数fを調整する。つまり、制御部3は、負荷(照明器具4)に一定の負荷電流ILを供給するように共振形コンバータ20をPFM制御する。
検出部30は、複数の抵抗器を有する。これら複数の抵抗器は、コンデンサC3の両端間に電気的に直列接続される。検出部30は、2台の照明器具4に生じる電圧降下を複数の抵抗器で分圧することにより、当該電圧降下に比例した検出電圧W1を制御部3に出力する(図1参照)。
制御部3は、コントローラ8から受け取る指令(調光レベル)に基づき、負荷電流ILの目標値を変更する。調光レベルは、電源装置1から出力される出力電流と照明器具4の定格電流との電流比に対応する。例えば、負荷電流ILの目標値が照明器具4の定格電流に等しいときの調光レベルが100%となり、負荷電流ILの目標値が低下するにつれて調光レベルが低下して照明器具4の光量が減少する。制御部3は、負荷電流ILの大きさを、調光レベルに応じた目標値に一致させるように共振形コンバータ20をPFM制御する。
2台の照明器具4はそれぞれ、図3に示すように、複数(図示例では3個)のLED(Light Emitting Diode)41を順方向に直列接続したLEDモジュール40を複数(図示例では2個)有する。これら2台の照明器具4は、電気的に直列接続されている。このように各照明器具4においては、定格電圧を下げるために、LEDモジュール40を複数(例えば、2個ずつ)有し、これら複数のLEDモジュール40が電気的に並列接続されることが好ましい(図3参照)。各照明器具4が上述のように構成されれば、定格電圧を変えずに光束を増加させることができる。ただし、LEDモジュール40に含まれる複数個のLED41のVFランクをそろえることが好ましい。つまり、同じメーカ製の同じVFランクに属する複数個のLED41によって複数のLEDモジュール40が構成されれば、順方向電圧のばらつき(定格電圧のばらつき)を抑制することができる。なお、照明器具4は、LED41に代えて有機エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザなどの固体光源を有していても構わない。
ここで、各照明器具4に生じる電圧降下は、照明器具4において電気的に並列接続されているLEDモジュール40の順方向電圧VF、具体的にはLEDモジュール40を構成する複数個のLED41のそれぞれの順方向電圧の和に等しい。したがって、同じ個数のLED41を有する2台の照明器具4であっても、LEDモジュール40を構成するLEDの個数などが異なれば、それぞれの順方向電圧VFも異なることになる。そして、順方向電圧VFが異なれば、照明器具4に所定の電流(例えば、定格電流)を流すために必要な第2の直流電圧V2の大きさも異なる。一方、共振形コンバータ20から出力される第2の直流電圧V2は、定電圧源12から入力される第1の直流電圧V1が一定であれば、変圧器T1の巻数比によって決まってしまう。つまり、変圧器T1の巻数比を調整すれば、第1の直流電圧V1が一定であっても、第2の直流電圧V2の調整可能な範囲(出力可変範囲VA:図2参照)の拡大を図ることができる。
そこで、制御部3は、巻数比調整部21に変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整させ、かつ、直流変換部2から定電流(照明器具4の定格電流よりも低い電流)を出力している状態において、検出部30が検出する検出電圧W1をしきい値Vthと比較する。検出電圧W1がしきい値Vth以上である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第1巻数比に維持するように巻数比調整部21を制御する。一方、検出電圧W1がしきい値Vth未満である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第2巻数比に調整する(切り替える)ように巻数比調整部21を制御する。さらに、制御部3は、変圧器T1の巻数比に応じて、負荷電流ILの目標値を変更する。例えば、制御部3は、検出電圧W1がしきい値Vth以上である場合は目標値を低くし、検出電圧W1がしきい値Vth未満である場合は目標値を高くすることが好ましい。つまり、2台の照明器具4が電気的に直列接続されている場合、第2の直流電圧V2を2台の照明器具4の定格電圧の和以上とする必要があるか、負荷電流ILについては1台の照明器具4の定格電流に等しくすればよい。一方、2台の照明器具4が電気的に並列接続されている場合、第2の直流電圧V2は1台の照明器具4の定格電圧に等しければよいが、負荷電流ILについては1台の照明器具4の定格電流の2倍の大きさが必要となる。
制御部3の具体的な動作について、図4A及び図4Bのタイムチャートを参照して説明する。なお、図4A及び図4Bの一番上は第1の直流電圧V1、上から二番目は検出電圧W1、上から三番目は第1スイッチS1の状態、下から二番目は第2スイッチS2の状態、一番下は第3スイッチS3の状態、をそれぞれ示している。
制御部3は、定電圧源12が起動して第1の直流電圧V1が電源装置1に入力されると、スイッチ駆動回路210に第1スイッチS1及び第2スイッチS2をオンさせる。加えて、制御部3は、第3スイッチS3をオフさせて変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整する(時間t=t0)。さらに、制御部3は、直流変換部2を制御して第2の直流電圧V2を徐々に上昇させる。検出部30から出力される検出電圧W1は、第2の直流電圧V2の上昇につれて徐々に上昇する。制御部3は、第1の直流電圧V1の入力時点(時間t=t0)から所定時間が経過した時点(時間t=t1)の検出電圧W1をしきい値Vthと比較する。
制御部3は、検出電圧W1がしきい値Vth以上であれば、スイッチ駆動回路210に第1スイッチS1及び第2スイッチS2のオンさせ続け、かつ第3スイッチS3をオフさせ続けて変圧器T1の巻数比を第1巻数比に維持させる(図4A参照)。制御部3は、更に、負荷電流ILの目標値を相対的に小さい値に調整(変更)する。
また、制御部3は、検出電圧W1がしきい値Vth未満であれば、スイッチ駆動回路210に第1スイッチS1及び第2スイッチS2をオフさせ、かつ第3スイッチS3をオンさせて変圧器T1の巻数比を第2巻数比に切り替えさせる(図4B参照)。制御部3は、更に、負荷電流ILの目標値を相対的に大きい値に調整(変更)する。
上述のように、検出部30が検出する検出電圧W1(照明器具4の順方向電圧VF)に応じて巻数比調整部21が変圧器T1の巻数比を調整し、かつ、検出電圧W1に応じて負荷電流ILの目標値を変更すれば、負荷の電気的特性に適した電力の供給を図ることができる。さらに、巻数比調整部21による巻数比の調整(切替え)によって、電源装置1の出力電流の可変範囲を拡大することができる。図5Aの曲線α及び図5Bの曲線βの各々は、電源装置1の出力電流(負荷電流IL)と出力電圧(第2の直流電圧V2)の関係を示している。図5Aの曲線αは、変圧器T1の巻数比が第2巻数比である場合において、直流変換部2の動作周波数fをf1からf2まで変化させたときの出力電流と第2の直流電圧V2の関係を表している。同様に、図5Bの曲線βは、変圧器T1の巻数比が第1巻数比である場合において、直流変換部2の動作周波数fをf1からf2まで変化させたときの出力電流と第2の直流電圧V2の関係を表している。つまり、制御部3が第1周波数f1から第2周波数f2までの範囲で動作周波数fを変化させると、出力電流及び第2の直流電圧V2が曲線α及び曲線βに沿って変化することになる。図5Aにおける直線SL1と、図5Bにおける直線SL1及びSL2は、照明器具4の理想的な負荷特性を示している。ただし、直線SL1で示される負荷特性は、順方向電圧VFが相対的に低い照明器具4の負荷特性である。一方、直線SL2で示される負荷特性は、順方向電圧VFが相対的に高い照明器具4の負荷特性である。
図5Bに示すように、変圧器T1の巻数比が第1巻数比である場合、直線SL1と曲線βが周波数範囲FAの中央付近で交差しているので、直線SL1の負荷特性を有する照明器具4の調光範囲が制限されてしまう。
一方、図5Aに示すように、変圧器T1の巻数比が第2巻数比に調整された場合、直線SL1と曲線αは交差しないので、直線SL1の負荷特性を有する照明器具4の調光範囲が制限されず、調光範囲の拡大を図ることができる。
次に、実施形態に係る電源装置1の幾つかの変形例について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する電源装置1の変形例において、実施形態の電源装置1と共通の構成については、実施形態の電源装置1と共通の符号を付すとともに、図示並びに説明を適宜省略する。
(変形例1)
変形例1の電源装置1は、図6に示すように、ダイオードブリッジからなる第1整流回路211及び第2整流回路212を有する。また、変形例1の電源装置1における巻数比調整部21は、第1スイッチS1、第2スイッチS2及びスイッチ駆動回路210を有する。第1整流回路211の第1入力端子は第1出力巻線N21の第1端と電気的に接続されている。第1整流回路211の第2入力端子は第2出力巻線N22の第2端と電気的に接続されている。第1整流回路211の第1出力端子は、コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。第1整流回路211の第2出力端子は、第1スイッチS1を介してコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
第2整流回路212の第1入力端子は変圧器T1のタップX1と電気的に接続されている。第2整流回路212の第2入力端子は第2出力巻線N22の第2端と電気的に接続されている。第2整流回路212の第1出力端子は、コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。第2整流回路212の第2出力端子は、第2スイッチS2を介してコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
第1スイッチS1と第2スイッチS2は、スイッチ駆動回路210によって相補的にオン・オフされる。第1スイッチS1がオンされ、かつ、第2スイッチS2がオフされている場合、第1出力巻線N21と第2出力巻線N22が第1整流回路211の第1入力端子と第2入力端子の間に電気的に直列接続される。そのため、変圧器T1の巻数比は、高い方の巻数比(第1巻数比)に調整される。
一方、第1スイッチS1がオフされ、かつ、第2スイッチS2がオンされている場合、第2出力巻線N22が第2整流回路212の第1入力端子と第2入力端子の間に電気的に直列接続される。そのため、変圧器T1の巻数比は、低い方の巻数比(第2巻数比)に調整される。
制御部3は、巻数比調整部21に変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整させ、かつ、直流変換部2から定電流を出力している状態において、検出部30が検出する検出電圧W1をしきい値Vthと比較する。検出電圧W1がしきい値Vth以上である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第1巻数比に維持するように巻数比調整部21を制御する。一方、検出電圧W1がしきい値Vth未満である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第2巻数比に調整する(切り替える)ように巻数比調整部21を制御する。
(変形例2)
変形例2の電源装置1は、図7に示すように、変形例1の電源装置1と同じくダイオードブリッジからなる第1整流回路211及び第2整流回路212を有する。また、変形例2の電源装置1における巻数比調整部21は、いずれもNチャネルMOSFETからなる第1スイッチS1及び第2スイッチS2と、第1スイッチS1及び第2スイッチS2を駆動するスイッチ駆動回路210とを有する。
第1スイッチS1のドレインが第1整流回路211の第2入力端子と電気的に接続されている。第1スイッチS1のソースと第2スイッチS2のソースが電気的に接続されている。第2スイッチS2のドレインがコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。第2スイッチS2のゲートとドレインの間に抵抗器R1が電気的に接続されている。また、第1スイッチS1のゲート及び第2スイッチS2のゲートがスイッチ駆動回路210の出力端子と電気的に接続されている。
スイッチ駆動回路210の出力端子から駆動信号が出力されていない場合、第1スイッチS1及び第2スイッチS2がオフするので、第1整流回路211が変圧器T1から切り離される。そのため、変圧器T1の第2出力巻線N22から出力される交流電圧が第2整流回路212で整流される。つまり、変圧器T1の巻数比が第2巻数比に調整される。
一方、スイッチ駆動回路210の出力端子から駆動信号が出力されている場合、第1スイッチS1がオンするので、第1整流回路211が変圧器T1と電気的に接続される。そのため、変圧器T1の第1出力巻線N21及び第2出力巻線N22から出力される交流電圧が第1整流回路211で整流される。つまり、変圧器T1の巻数比が第1巻数比に調整される。なお、第1スイッチS1がオンしているときに第2スイッチS2はオフしており、第2スイッチS2(MOSFET)の寄生ダイオードを通して第1スイッチS1にドレイン電流が流れる。
制御部3は、巻数比調整部21に変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整させ、かつ、直流変換部2から定電流を出力している状態において、検出部30が検出する検出電圧W1をしきい値Vthと比較する。検出電圧W1がしきい値Vth以上である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第1巻数比に維持するように巻数比調整部21を制御する。一方、検出電圧W1がしきい値Vth未満である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第2巻数比に調整する(切り替える)ように巻数比調整部21を制御する。
(変形例3)
変形例3の電源装置1において、変圧器T1は、図8に示すように、四つの出力巻線(第1出力巻線N21、第2出力巻線N22、第3出力巻線N23及び第4出力巻線N24)を有している。そして、第1出力巻線N21と第2出力巻線N22の間と、第2出力巻線N22と第3出力巻線N23の間と、第3出力巻線N23と第4出力巻線N24の間とに一つずつタップ(第1タップX1、第2タップX2及び第3タップX3)が設けられている。第1出力巻線N21の第1端及び第2端(第1タップX1)のそれぞれに整流用のダイオードD31、D32のアノードが電気的に接続されている。また、第4出力巻線N24の第1端(第3タップX3)及び第2端のそれぞれに整流用のダイオードD33、D34のアノードが電気的に接続されている。さらに、タップX2がコンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。
変形例3の電源装置1における巻数比調整部21は、三つのスイッチ(第4スイッチS4、第5スイッチS5、第6スイッチS6)、四つの抵抗器R2~R5、ダイオードD4、ツェナーダイオードZD1、コンデンサC4及びスイッチ駆動回路210を有する。
第4スイッチS4と第6スイッチS6は、いずれもNチャネルのエンハンスメント形MOSFETである。第5スイッチS5は、pnp型のバイポーラトランジスタである。第4スイッチS4のソースがコンデンサC3の低電位側の端子及び変圧器T1の第3タップX3と電気的に接続されている。第4スイッチS4のドレインが抵抗器R4の一端と電気的に接続されている。抵抗器R4の他端は抵抗器R3の一端及び第5スイッチS5のベースと電気的に接続されている。抵抗器R3の他端が第5スイッチS5のエミッタ、ダイオードD4のカソード、ツェナーダイオードZD1のカソード及びコンデンサC4の一方の端子と電気的に接続されている。ダイオードD4のアノードが抵抗器R2の一端と電気的に接続されている。抵抗器R2の他端が第6スイッチS6のドレイン、及び二つのダイオードD31、D34のカソードと電気的に接続されている。第6スイッチS6のソースは、ダイオードD32、D33のカソード、抵抗器R5の一端、ツェナーダイオードZD1のアノード、コンデンサC4の他端及びコンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。抵抗器R5の他端が第5スイッチS5のコレクタ及び第6スイッチS6のゲートと電気的に接続されている。
スイッチ駆動回路210は、第4スイッチS4をオン・オフする。第4スイッチS4がオフしているとき、第5スイッチS5がオフとなるため、第6スイッチS6もオフとなる。そして、第4~第6スイッチS4~S6が全てオフとなっている場合、第1出力巻線N21と第2出力巻線N22に誘起される電圧と、第3出力巻線N23と第4出力巻線N24に誘起される電圧とが交互にコンデンサC3に印加される。つまり、巻数比調整部21は、スイッチ駆動回路210によって第4スイッチS4をオフすることにより、変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整する。
一方、第4スイッチS4がオンしているとき、第5スイッチS5がオンとなるため、第6スイッチS6もオンとなる。そして、第4~第6スイッチS4~S6が全てオンとなっている場合、第2出力巻線N22に誘起される電圧と、第3出力巻線N23に誘起される電圧とが交互にコンデンサC3に印加される。つまり、巻数比調整部21は、スイッチ駆動回路210によって第4スイッチS4をオンすることにより、変圧器T1の巻数比を第2巻数比に調整する。
制御部3は、巻数比調整部21に変圧器T1の巻数比を第1巻数比に調整させ、かつ、直流変換部2から定電流を出力している状態において、検出部30が検出する検出電圧W1をしきい値Vthと比較する。検出電圧W1がしきい値Vth以上である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第1巻数比に維持するように巻数比調整部21を制御する。一方、検出電圧W1がしきい値Vth未満である場合、制御部3は、変圧器T1の巻数比を第2巻数比に調整する(切り替える)ように巻数比調整部21を制御する。
(変形例4)
変形例4の電源装置1において、巻数比調整部21は、変圧器T1に設けられた補助巻線N3の誘起電圧によって動作し、誘起電圧が下限値以下であるときに変圧器T1の巻数比を最小値(例えば、ゼロ)に調整することが好ましい。そのために変形例4の電源装置1は、図9に示すように、補助巻線N3に誘起される交流電圧を整流平滑し、かつ、安定化することによって定電圧の制御電圧Vccを作成する制御電源回路24を備えている。
制御電源回路24は、ダイオードD5と、抵抗器R7と、コンデンサC5と、レギュレータ回路240とを有することが好ましい。補助巻線N3の第1端にダイオードD5のアノードが電気的に接続されている。ダイオードD5のカソードは、抵抗器R7の第1端とコンデンサC5の第1端とレギュレータ回路240に入力端子に電気的に接続されている。抵抗器R7の第2端は、コンデンサC5の第2端と補助巻線N3の第2端に電気的に接続されている。なお、レギュレータ回路240は、3端子レギュレータ回路であることが好ましい。制御電源回路24は、共振形コンバータ20が動作して変圧器T1の補助巻線N3に誘起電圧が生じているとき、レギュレータ回路240で定電圧化した制御電圧Vccを巻数比調整部21に出力する。巻数比調整部21は、制御電圧Vccが供給されているときに動作して巻数比を調整し、制御電圧Vccが供給されていないときは停止する。
例えば、共振形コンバータ20のコンデンサC3が短絡故障した場合、変圧器T1の補助巻線N3に生じる誘起電圧が低下するので、制御電源回路24から制御電圧Vccが出力されなくなる。その結果、巻数比調整部21が停止して第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3が全てオフするので、変圧器T1の第1出力巻線N21及び第2出力巻線N22がコンデンサC3から電気的に切り離される。つまり、制御部3が直流変換部2の出力電流の異常を検出して共振形コンバータ20を停止する前に、巻数比調整部21が共振形コンバータ20を照明器具4から電気的に切り離すことにより、直流変換部2が確実に保護される。
次に、実施形態に係る照明システム5について図面を参照して詳細に説明する。照明システム5は、図10に示すように、複数(図示例では3台)の照明器具4と、点灯ユニット10とを備える。
3台の照明器具4は、例えば、競技場を照明する用途に用いられる投光器であり、照明柱などの先端(高所)に設置される。なお、以下の説明において、3台の照明器具4を第1の照明器具4A、第2の照明器具4B、及び第3の照明器具4Cと呼ぶ場合がある。
これら3台の照明器具4は、電気的に直列接続されている。各照明器具4においては、定格電圧を下げるために、LEDモジュール40を複数(例えば、2個ずつ)有し、これら複数のLEDモジュール40が電気的に並列接続されることが好ましい(図3参照)。
点灯ユニット10は、例えば、競技場に設けられた建物の中に設置される。ただし、照明システム5が有する照明器具4の台数及び点灯ユニット10の台数は、それぞれ3台及び1台に限定されない。
点灯ユニット10は、図10に示すように、複数(図示例では3台)の電源装置1と、1本の電源ケーブル6とを備える。3台の電源装置1は、ケース11に収容されている。ケース11は、電気的な導体(例えば、金属)によって箱形に形成されている。なお、ケース11は、安定電位を有する場所(例えば、大地)に接地されることが好ましい。
電源ケーブル6は、第1電源線61及び第2電源線62と、これら2本の電源線61、62を被覆するシース63とを有する。第1電源線61の第1端は、ケース11内において、逆流阻止用のダイオードD11、D12、D13を介して各電源装置1の高電位側の出力端子に分岐接続される。第2電源線62の第1端は、ケース11内において各電源装置1の低電位側の出力端子に分岐接続される。また、第1電源線61の第2端は、第1の照明器具4Aの正極と電気的に接続される。第2電源線62の第2端は、第3の照明器具4Cの負極と電気的に接続される。さらに、第1の照明器具4Aの負極に第2の照明器具4Bの正極が電気的に接続され、第2の照明器具4Bの負極が第3の照明器具4Cの正極と電気的に接続される。つまり、3台の照明器具4A~4Cは、第1電源線61の第2端と第2電源線62の第2端の間に電気的に直列接続されている(図10参照)。
ここで、投光器を点灯させる点灯ユニット10が投光器とともに高所に設置された場合、点灯ユニット10のメンテナンス作業が高所での作業となってしまい、メンテナンス作業を行う作業員に大きな負担がかかってしまう。これに対して、照明システム5では、点灯ユニット10を照明器具4から離れた場所に設置することができるため、点灯ユニット10を照明器具4と同じく高所に設置する場合に比べて、メンテナンス作業の作業性の向上を図ることができる。しかも、1台の点灯ユニット10と複数台(図示例では3台)の照明器具4を1本の電源ケーブル6で接続しているので、省配線化を図ることができる。
また、点灯ユニット10においては、3台の電源装置1と第1電源線61及び第2電源線62がケース11内に収容されている。例えば、ケース11を防水構造とすることにより、複数の電源装置1のそれぞれに防水構造を設ける必要がなくなる。その結果、照明システム5は、防水性能を確保するための製造コストの低減を図ることができる。また、照明システム5では、ケース11が電気的な導体(金属)で形成されているので、点灯ユニット10から発生する高周波ノイズがふく射ノイズとしてケース11の外に漏れることを抑制できる。
コントローラ8は、点灯ユニット10と信号線80を介して電気的に接続される。コントローラ8は、信号線80を介して調光信号を送信する。コントローラ8は、例えば、調光信号としてPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を点灯ユニット10に送信する。すなわち、コントローラ8は、調光信号(PWM信号)のデューティ比によって点灯ユニット10に調光レベルを指示する。
一方、点灯ユニット10は、コントローラ8から送信される調光信号を各電源装置1の制御部3で受信する。電源装置1の制御部3は、受信した調光信号から調光レベルを読み取る。電源装置1の制御部3は、読み取った調光レベルに応じて、負荷電流ILの目標値を調整して照明器具4を調光する。
次に、図11を参照して照明システム5の具体的なシステム構成を説明する。
照明システム5は、例えば、商用の電力系統7から供給される交流電力を直流電力に電力変換して照明負荷(照明器具4)に供給する。なお、以下の説明においては、3台の電源装置1を区別するために、第1の電源装置1A、第2の電源装置1B、及び第3の電源装置1Cと呼ぶ場合がある。ただし、3台の電源装置1の回路構成のうち、直流変換部2については既に説明しているので、直流変換部2の回路構成についての図示及び説明を省略する。
電源装置1(第1の電源装置1A、第2の電源装置1B、及び第3の電源装置1C)は、定電圧源12として、交直変換部13とフィルタ14を備えている。
交直変換部13は、例えば、整流回路、平滑コンデンサ、及び昇圧チョッパ回路(力率改善回路)を有する。交直変換部13は、昇圧チョッパ回路のスイッチング素子が制御部3によってPWM制御されることにより、定電圧化された第1の直流電圧V1を直流変換部2に出力する。ただし、交直変換部13から出力される第1の直流電圧V1は、制御部3によって調整可能である。
フィルタ14は、電力系統7から電源装置1に入力するノイズ(ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズ)及び交直変換部13から電力系統7に出力されるノイズをフィルタリングする。
なお、3台の電源装置1のそれぞれが交直変換部13及びフィルタ14を一つずつ備える代わりに、3台の電源装置1が一つの交直変換部13及びフィルタ14を共用しても構わない。
また、第1の電源装置1A、第2の電源装置1B、及び第3の電源装置1Cは、一つの制御部3を共用しても構わない(図11参照)。
ここで、照明システム5の変形例のシステム構成について、図12を参照して説明する。図12に示す変形例の照明システム5は、3台の照明器具4が点灯ユニット10に対して、1本の電源ケーブル6を介して電気的に並列接続されている。3台の照明器具4が電気的に並列接続される場合、3台の照明器具4が電気的に直列接続される場合に比べて、3台の照明器具4に出力すべき第2の直流電圧V2を下げることができる。
上述のように第1の態様に係る電源装置(1)は、第1の直流電圧(V1)を第2の直流電圧(V2)に変換する直流変換部(2)と、直流変換部(2)を制御して第2の直流電圧(V2)を調整する制御部(3)とを備える。第1の態様に係る電源装置(1)は、直流変換部(2)から第2の直流電圧(V2)が印加される負荷(照明器具4)の電気的特性を検出する検出部(30)と、負荷に流れる負荷電流(IL)を検出する負荷電流検出部(31)とを備える。直流変換部(2)は、出力用の変圧器(T1)を有する共振形コンバータ(20)と、変圧器(T1)の巻数比を調整する巻数比調整部(21)とを有する。制御部(3)は、負荷電流検出部(31)で検出される負荷電流(IL)を目標値に一致させるように共振形コンバータ(20)の動作周波数(f)を制御し、かつ、検出部(30)が検出する負荷の電気的特性に応じて巻数比調整部(21)に変圧器(T1)の巻数比を調整させる。制御部(3)は、更に、負荷の電気的特性に応じて(負荷電流(IL)の)目標値を変更する。
第1の態様に係る電源装置(1)は、巻数比調整部21によって変圧器(T1)の巻数比を調整し、かつ、負荷の電気的特性に応じて負荷電流(IL)の目標値を変更することにより、負荷の電気的特性に適した電力の供給を図ることができる。
第2の態様に係る電源装置(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る電源装置(1)において、制御部(3)は、外部から受け取る指令に応じて(負荷電流(IL)の)目標値を変更することが好ましい。
第2の態様に係る電源装置(1)は、外部からの指令によって負荷電流(IL)を調整することができる。
第3の態様に係る電源装置(1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る電源装置(1)において、検出部(30)は、負荷の電気的特性として、負荷電流(IL)が流れているときの負荷の両端電圧を電気的特性として検出することが好ましい。
第3の態様に係る電源装置(1)は、負荷の電気的特性を容易に検出することができる。
第4の態様に係る電源装置(1)は、第1~第3の態様のいずれかとの組合せにより実現され得る。第4の態様に係る電源装置(1)において、共振形コンバータ(20)は、変圧器(T1)が出力する交流電圧を整流する整流回路(23)を有することが好ましい。変圧器(T1)は、一つ以上のタップ(X1)が設けられた出力巻線(N21;N22)を有することが好ましい。巻数比調整部(21)は、一つ以上のタップと整流回路(23)の入力端子を電気的に接続する接続状態と電気的に接続しない非接続状態に択一的に切り替えることが好ましい。
第4の態様に係る電源装置(1)は、巻数比調整部(21)による巻数比の調整を容易に行うことができる。
第5の態様に係る電源装置(1)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る電源装置(1)において、変圧器(T1)は補助巻線(N3)を有することが好ましい。巻数比調整部(21)は、補助巻線(N3)の誘起電圧によって動作し、誘起電圧が下限値以下であるときに巻数比を最小値に調整することが好ましい。
第5の態様に係る電源装置(1)は、負荷が短絡した場合に補助巻線(N3)の誘起電圧が低下して巻数比が最小値に調整される。その結果、第5の態様に係る電源装置(1)は、直流変換部(2)を負荷から切り離して直流変換部(2)を保護することができる。
第6の態様に係る照明システム(5)は、第1~第5の態様のいずれかの電源装置(1)を複数備える。第6の態様に係る照明システム(5)は、複数の照明負荷(照明器具4)と、複数の電源装置(1)の出力する直流電力を複数の照明負荷に供給するための給電路(電源ケーブル6)とを備える。複数の電源装置(1)は、給電路の第1端に電気的に並列接続される。複数の照明負荷は、給電路の第2端に電気的に並列接続又は直列接続される。
第6の態様に係る照明システム(5)は、共振形コンバータ(20)の動作周波数(f)の調整によって調整可能な出力電圧(第2の直流電圧(V2))の調整範囲の拡大を図ることができる。
第7の態様に係る照明システム(5)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明システム(5)において、複数の照明負荷は、給電路の第2端に電気的に直列接続されることが好ましい。複数の照明負荷の各々は、複数の固体光源(LED41)を有することが好ましい。複数の照明負荷のうちの一部の照明負荷は、複数の固体光源のうちの一部の固体光源が電気的に直列接続された固体光源モジュール(LEDモジュール40)を複数有することが好ましい。複数の固体光源モジュールが電気的に並列接続されていることが好ましい。
第7の態様に係る照明システム(5)は、複数の照明負荷のそれぞれの定格電圧を変えずに各照明負荷から放射される光束を増加させることができる。