JP5089568B2 - 放射性ガスモニタ - Google Patents
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物質から放出される放射線を半導体センサーで検出し、半導体センサーから出力される電流パルス信号を電圧パルス信号に変換して出力する放射線検出器と、試料容器の環状突出部に取り付けられ照射窓を有する線源キャップと、線源キャップの下方側に配置された診断用線源と、放射線検出器と試料容器を内包して固定するとともに環境放射線から遮蔽する遮蔽体とを備え、診断用線源は、線源キャップの照射窓を通して放射線検出器に診断用放射線を常時照射するとともに診断用放射線のスペクトルピーク位置が測定領域のエネルギーより低くなるように核種が選定され、測定部は、検出部から入力された電圧パルスの波高スペクトルを測定して診断用線源の波高スペクトルのピーク位置を監視することにより、システムゲインの健全性を確認するようにしたものである。
以下、この発明の実施の形態1を図1および図3に基づいて説明する。図1は、実施の形態1に係わる放射性ガスモニタの構成を示す断面図であり、図2は要部を示すブロック図である。これら各図において、1は測定対象のサンプルガス中に含まれるガス状放射性物質から放出される放射線を検出して電圧パルスを出力する検出部、2は検出部1から入力された電圧パルスに基づいて放射線を測定する測定部である。検出部1は、放射線を検出して電圧パルス信号を出力する放射線検出器3と、サンプルガスが流出入するとともに底部に例えば中央に空間部4bを有する環状突出部4aが形成された試料容器4と、この試料容器4の環状突出部4aに取り付けられ照射窓5aを有する線源キャップ5と、この線源キャップ5の下方側に配置、図は一例として例えば線源キャップ5の照射窓5aの裏面、すなわち、線源キャップ5の照射窓5aの表面のうち、放射線検出器が設置されている側の面とは逆の面に取り付けられた診断用線源6と、放射線検出器3と試料容器4とを内包して固定するとともに環境放射線から遮蔽する遮蔽体7とを備えている。また、サンプルガスは、試料容器4に設けられた入口ノズル8から試料容器4内に導入され、出口ノズル9から導出される構造になっている。
なお、上述した実施の形態1においては、診断用線源6を備えて放射線検出器3に診断用放射線を常時照射する場合について述べたが、この発明の実施の形態2においては、点検用線源も検出部1に搭載したものである。図4は上述した図1の構成図に対し90度回転した方向から見た状態の断面図を示し、図5はその平面図を示し、図6はこの実施の形態2に係わる点検時の波高スペクトルを示す特性図である。これら各図において、1〜17、24は上述した実施の形態1の構成と同様である。この実施の形態2における検出部1は、試料容器4の底面側に位置する遮蔽体7に試料容器4の突出部4aの空間部4bに連通する貫通部26を形成し、その貫通部26に配置される移動部25aを有する線源駆動機構25と、その線源駆動機構25の移動部25aに載置されるとともに、点検時に試料容器4の突出部4aの空間部4bに連通部26aを介して位置するように移動される点検用線源27を設けたものである。また、線源駆動機構25は例えば測定部2の駆動用電源28により駆動されるようになっており、例えばACソレノイドによる機構が使用され、吸引動作により移動部26aが移動するようになっており、電源をOFFするとバネ力により元の状態に戻るように構成されている。なお、ACソレノイド以外の駆動機構であってもよく、例えばスクリュー式、シリンダ式、ロータリー式などであってもよい。
なお、上述した実施の形態2おいては、線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源27を搭載し、通常は、線源キャップ5の照射窓5aの裏面に取り付けた診断用線源6から放出される診断用放射線を照射し、点検時は、測定部2の駆動用電源28により線源駆動機構25を動作させて点検用線源27から放出される点検用放射線も照射する場合について述べたが、この発明の実施の形態3においては、図7に示すように、診断用線源6を線源キャップ5の照射窓5aの裏面に取り付けるのではなく、診断用線源29を線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源27と並設して搭載したものであり、放射線検出器3に対し、線源キャップ5の照射窓5aを通して、通常は、診断用線源29から放出される診断用放射線を照射してシステムゲインの健全性を確認し、点検時は、測定部2の駆動用電源28により線源駆動機構25を動作させて点検用線源27から放出される点検用放射線を照射し、正味計数率を求めて放射線検出器3の健全性を確認するようにしたので、上述した実施の形態2と同様の効果を奏するとともに、点検用放射線照射時に診断用線源29が重なって点検用放射線が減衰することもなくなり、照射するβ線のエネルギー範囲が広くなり、測定エネルギーを十分カバーした精度の高い劣化診断ができる効果を奏する。また、診断用線源29と点検用線源27とを線源駆動機構25の移動部25aに並設したことにより、構造的に容易に設置が簡単となるのでコスト低減が図れる効果を奏する。
なお、上述した実施の形態2においては、線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源6を搭載し、通常は、線源キャップ5の照射窓5aの裏面に取り付けた診断用線源6から放出される診断用放射線を照射し、点検時は、測定部2の駆動用電源28により線源駆動機構25を動作させて点検用線源27から放出される点検用放射線も照射する場合について述べたが、この発明の実施の形態4においては、図8に示すように、事故時用放射性ガスモニタとしてのライブゼロ用線源30を線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源27と並設して搭載したものであり、放射線検出器3に対し、線源キャップ5の照射窓5aを通して、通常は、診断用線源6から放出される診断用放射線とライブゼロ用線源30から放出されるライブゼロ用放射線を照射し、ライブゼロ用放射線で測定部2の指示を測定レンジ下限以上に打ち上げることにより事故時用放射性ガスモニタが生きている、すなわち動作していることを確認し、診断用放射線でシステムの健全性を確認し、点検時は、測定部2の駆動用電源28により線源駆動機構25を動作させて、点検用線源27から放出される点検用放射線も照射し、正味計数率を求めて放射線検出器3の健全性を確認するようにしたので、上述した実施の形態2と同様の効果を奏する。さらに、環境放射線レベルが高い事故を想定した遮蔽が厚い放射性ガスモニタにおいて、バックグラウンド指示が測定レンジ以下になる場合に、通常の指示を測定レンジ内に容易に打ち上げることができるので、通常時モニタと事故時モニタで測定部の共用化が図れ、設計費及び予備品の削減ができる効果を奏する。また、ライブゼロ用線源30としてはSr-90または低レベル放射能のCs-137が使用され、β線またはγ線が照射されるようになっている。
なお、上述した実施の形態4においては、線源キャップ5の照射窓5aの裏面に診断用線源6を取り付け、線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源27とライブゼロ用線源30を搭載した場合について述べたが、この発明の実施の形態5においては、図9に示すように、診断用線源6を線源キャップ5の照射窓5aの裏面に取り付けるのではなく、診断用線源31を線源駆動機構25の移動部25aに点検用線源27と並設されるとともにライブゼロ用線源32と重ねられて載置、すなわちライブゼロ用線源32の上に診断用線源31が載置されて配置するようにしたので、上述した実施の形態2と同様の効果を奏するとともに、各線源を線源駆動機構25の移動部25aに共通して載置するようにしたことにより、構造的に容易に設置が簡単となるのでコスト低減が図れる効果を奏するとともに各線源の取り扱いを1箇所に統一でき線源管理が簡素になる効果を奏する。
Claims (13)
- 測定対象のサンプルガス中に含まれるガス状放射性物質から放出される放射線を検出して電圧パルスを出力する検出部と、前記検出部から入力された前記電圧パルスに基づいて前記放射線を測定する測定部とを備えた放射性ガスモニタにおいて、
前記検出部は、前記測定対象のサンプルガスが流出入するとともに底部に空間部を有する環状突出部が形成された試料容器と、前記試料容器内のサンプルガス中に含まれるガス状放射性物質から放出される放射線を半導体センサーで検出し、前記半導体センサーから出力される電流パルス信号を電圧パルス信号に変換して出力する放射線検出器と、前記試料容器の環状突出部に取り付けられ照射窓を有する線源キャップと、前記線源キャップの下方側に配置された診断用線源と、前記放射線検出器と前記試料容器とを内包して固定すると共に環境放射線から遮蔽する遮蔽体とを備え、
前記診断用線源は、前記線源キャップの照射窓を通して前記放射線検出器に診断用放射線を常時照射するとともに前記診断用放射線のスペクトルピーク位置が測定領域のエネルギーより低くなるように核種が選定され、
前記測定部は、前記検出部から入力された前記電圧パルスの波高スペクトルを測定して前記診断用線源の波高スペクトルのピーク位置を監視することにより、システムゲインの健全性を確認するようにしたこと
を特徴とする放射性ガスモニタ。 - 前記診断用線源は、前記線源キャップの照射窓の表面のうち、放射線検出器が設置されている側の面とは逆の面に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の放射性ガスモニタ。
- 前記検出部は、前記試料容器の底面側に位置する前記遮蔽体に前記試料容器の突出部の空間部に連通する貫通部を形成し、前記貫通部に配置される移動部を有する線源駆動機構と、前記線源駆動機構の移動部に載置されるとともに、点検時に前記試料容器の突出部の空間部位置に移動される点検用線源とを備え、前記放射線検出器に対し、前記照射窓を通して、通常は前記診断用線源から放出される診断用放射線を照射してシステムゲインの健全性を確認し、点検時は前記線源駆動機構を動作させて前記点検用線源から放出される点検用放射線も照射し、点検時計数率から通常時計数率の差を求めて前記放射線検出器の健
全性を確認するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性ガスモニタ。 - 前記診断用線源は、前記線源駆動機構の移動部に前記点検用線源と並設して載置されたことを特徴とする請求項3記載の放射性ガスモニタ。
- 前記検出部は、前記線源駆動機構の移動部に前記点検用線源と並設して載置された事故時に対応するライブゼロ用線源を備え、前記放射線検出器に対し、前記照射窓を通して、通常は前記診断用線源から放出される前記診断用放射線と前記ライブゼロ用線源から放出されるライブゼロ用放射線を照射し、前記ライブゼロ用放射線で前記測定部の指示を測定レンジ下限以上とし、通常は前記診断用線源から放出される診断用放射線でシステムゲインの健全性を確認し、点検時は前記線源駆動機構を動作させて前記点検用線源から放出される点検用放射線を照射し、点検時計数率から通常時計数率の差を求めて前記放射線検出器の健全性を確認するようにしたことを特徴とする請求項3記載の放射性ガスモニタ。
- 前記診断用線源は、前記線源駆動機構の移動部に前記点検用線源と並設されるとともに前記ライブゼロ用線源と重ねられて載置されたことを特徴とする請求項5記載の放射性ガスモニタ。
- 前記放射線検出器は、半導体センサーとして化合物半導体のCdTeまたはCdZnTeを用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射性ガスモニタ。
- 前記診断用線源は、Am-241を使用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射性ガスモニタ。
- 前記点検用線源は、Sr-90を使用したことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に
記載の放射性ガスモニタ。 - 前記点検用線源は、Cs-137を使用したことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の放射性ガスモニタ。
- 前記ライブゼロ用線源は、Sr-90を使用したことを特徴とする請求項5〜10のいずれ
か1項に記載の放射性ガスモニタ。 - 前記ライブゼロ用線源は、Cs-137を使用したことを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の放射性ガスモニタ。
- 前記線源キャップは、プラスチックで構成され前記試料容器の突出部に螺着されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射性ガスモニタ。
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