JP5087466B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。さらに詳細には、本発明は、高温から低温までの広い温度環境にて、高容量・高出力特性に優れ、且つ発熱や発火などを生じない安全性の高い電気二重層キャパシタに関する。本発明は、ハイブリッド自動車、電気自動車等に好適な電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、化学反応を伴わないために長寿命である。また二次電池に比べ大電流による急速充放電が可能で且つ過充放電に強いという特長を有している。
その特長を活かして、電気二重層キャパシタはメモリーバックアップ電源等に主に使用されてきた。また、電気二重層キャパシタは太陽電池や燃料電池などと組み合わせた電力貯蔵システム、ハイブリッド自動車のエンジンアシスト等への活用も検討されている。
また、近年では、携帯電話機、コードレス電話機、電動シェーバー、電動歯ブラシ、ノート型パソコン、携帯型音楽プレーヤーなどの携帯可能な電気・電子機器に用いられている二次電池に並列接続する技術、または該二次電池を完全に置き換える技術の開発が進められている。さらに、電気・電子機器や、電気自動車(Electric Vehicle),ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle)用の電気駆動システム等に充電器の端子を接触させないで充電可能な非接触充電式蓄電源としての開発が進められている。ところが、従来の電気二重層キャパシタは、エネルギー密度が低く、高い出力容量にすることが困難であった。
特許文献1には、炭素化物にアルカリ賦活処理を施して、電気二重層キャパシタの電極用活性炭を製造するに当り、前記炭素化物として、平均真比重MGが1.450≦MG≦1.650であり、且つ真比重の範囲rがr≦0.025であるものを用いることを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用活性炭の製造方法が記載されている。
特許文献2には、コアとなる炭素粒子と、該炭素粒子の表面および/または内部に形成されたグラフェン構造を有する繊維状炭素との炭素複合体が記載されている。該炭素複合体は全メソ孔容積が0.005〜1.0cm3/g、細孔径100〜400Åのメソ孔が全メソ孔容積の25%以上を占めている。この炭素複合体を用いてリチウムイオン二次電池や、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせたハイブリッドタイプの蓄電デバイスであるリチウムイオンキャパシタを製造したことが記載されている。また、特許文献3には、活性炭を含む炭素材料をメカノケミカル処理して得られる、黒鉛類似の層状結晶構造を有する微結晶炭素を含み且つ比表面積が30m2/g以上の炭素材料を電気二重層キャパシタの電極に用いることが記載されている。
特開2006−286657号公報 特開2008−66053号公報 特開2006−4997号公報
一方、特許文献4には、気相法炭素繊維(カーボンナノチューブ)にイオン性液体の存在下でせん断力を加えることでカーボンナノチューブを含むゲル状組成物を提供できることが記載されている。そして、該ゲル状組成物を電極材料に使用して電気二重層キャパシタを得たことが記載されている。
特開2005−79505号公報
本発明の目的は、高温から低温までの広い温度環境にて、高容量・高出力特性に優れ、且つ発熱や発火などを生じない安全性の高い電気二重層キャパシタを提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、炭素繊維をイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し、次いでイオン性液体を除去することによって、直径5μm以上の炭素繊維凝集体が含まれない炭素材料が得られ、該炭素材料を用いて分極性電極層を製造すると、体積当たりの電気容量(F/cm3)の高い電気二重層キャパシタが得られることを見出した。
また、直径5μm以上の炭素繊維凝集体が含まれない炭素繊維と活性炭とを含む炭素材料をメカノケミカル処理すると、炭素繊維が活性炭粒子表面を被覆してなる炭素材料が得られ、該炭素材料を用いて分極性電極層を製造すると、広い温度環境にて体積当たりの電気容量(F/cm3)の高い電気二重層キャパシタが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討することによって完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
(1)炭素繊維1〜20質量部と活性炭100質量部とを含んでなる分極性電極層を有する分極性電極を備えた電気二重層キャパシタであって、
該炭素繊維はBET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まない、電気二重層キャパシタ。
(2) 分極性電極層は、炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕したものを用いて得たものである前記(1)に記載の電気二重層キャパシタ。
(3) イオン性液体は、アルキルイミダゾリウイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、およびアルキルホスホニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヘキサフロオロホスフェート、テトラフルオロボレート、メチルスルフェート、およびトリフルオロメタンスルフェートからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとで形成されるものである、前記(2)に記載の電気二重層キャパシタ。
(4) 炭素繊維は、窒素吸着法によるBJH法解析により求めた細孔分布において、1〜2nmの範囲に少なくとも1つのピークを有し、且つ炭素繊維の軸方向に対してグラフェンシート面の角度が0°より大きく且つ90°未満である前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(5) 炭素繊維は、繊維の長さ方向に沿って中空が不連続に複数並んで有するものまたはカップ状になったグラフェンシートが積み重ねられた構造を有するものが含まれるものであり、平均繊維径が1〜500nmで、且つアスペクト比が10〜15000である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(6) 炭素繊維が、単層カーボンナノチューブである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(7) 分極性電極層は、メカノケミカル処理により炭素繊維が活性炭粒子表面に被覆されたものを含む前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(8) メカノケミカル処理が、ハイブリタイゼーション法、メカノフュージョン法、シータコンポザ法、メカノミル法およびボールミル法からなる群から選ばれる少なくとも一つの手法で行われる処理である前記(7)に記載の電気二重層キャパシタ。
(9) 活性炭の比表面積と炭素繊維の比表面積との合計値が800〜2300m2/gである前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(10) 活性炭は、Ar吸着等温線からHK法により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が0.08〜0.11cm3/gの範囲にあり且つ全細孔容積値の8〜11%の大きさであり、且つBET比表面積が700〜2200m2/gである前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(11) 分極性電極層は、さらに導電性カーボンと、結着剤とを含有する、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(12) 分極性電極は、集電体、導電性接着層および分極性電極層が積層されてなるものであり、該導電性接着層がイオン透過性を有する化合物と炭素微粒子とを含有するものからなる前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(13) イオン透過性を有する化合物が多糖類を架橋した化合物である前記(12)に記載の電気二重層キャパシタ。
(14) イオン透過性を有する化合物が、アクリルアミド、アクリロニトリル、キトサンピロリドンカルボン酸塩、およびヒドロキシプロピルキトサンからなる群から選ばれる1種以上の架橋剤で、多糖類を架橋した化合物である前記(12)に記載の電気二重層キャパシタ。
(15) 炭素微粒子が、針状あるいは棒状の炭素微粒子である前記(12)〜(14)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(16) 前記分極性電極を浸す電解質液をさらに備えており、該電解質液は、電解質のカチオンが第四級アンモニウムイオンおよび/または第四級イミダゾリウムイオンであり、カチオン半径が0.8nm以下であり、且つ粘度が25℃±1℃において40mPas以下である、前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(17) 分極性電極が、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびガラスからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる蓋シール材により封口されたステンレス鋼製又はアルミニウム製の容器に封入されてなる、前記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(18) 分極性電極は、正極用分極性電極層及び負極用分極性電極層の対が並列に2以上接続されているものである前記(1)〜(17)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
(19) Ar吸着等温線からHK法により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が0.08〜0.11cm3/gの範囲にあり且つ全細孔容積値の8〜11%の大きさであり、且つBET比表面積が700〜2200m2/gである活性炭と、
BET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まない炭素繊維とを含む炭素材料。
(20) メカノケミカル処理により炭素繊維が活性炭粒子表面に被覆されたものを含む前記(19)に記載の炭素材料。
(21) 前記(19)または(20)に記載の炭素材料を含む分極性電極。
(22) 前記(1)〜(18)のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタを備える蓄電源装置。
(23) 二次電池をさらに備える、前記(22)に記載の蓄電源装置。
(24) 温度センサと、該温度センサの検出値に基づいて充電電流を制御する手段とをさらに備える、前記(23)に記載の蓄電源装置。
(25) 温度センサは、二次電池の内面若しくは外面に設置されている、前記(24)に記載の蓄電源装置。
(26) 非接触式受電手段をさらに備える前記(22)〜(25)のいずれか1項に記載の蓄電源装置。
(27) 非接触式受電手段が、電磁誘導型電力供給方式、電波受信型電力供給方式、および共鳴型電力供給方式からなる群から選ばれる少なくとも1つの方式によってワイヤレス伝送された電力を受電するものである、前記(26)に記載の蓄電源装置。
(28) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えた電気・電子機器。
(29) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えた自動車。
(30) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えたロボット。
(31) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)。
(32) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えたおもちゃ。
(33) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えた医療機器。
(34) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えたセンサ。
(35) 前記(22)〜(27)のいずれか1項に記載の蓄電源装置を備えた暖房器具。
(36) 前記(26)または(27)に記載の蓄電源装置、および非接触式送電手段を備える別体の非接触式電力伝送器からなる非接触充電システム。
(37) 前記非接触式送電手段は、電磁誘導型電力供給方式、電波受信型電力供給方式、および共鳴型電力供給方式からなる群から選ばれる少なくとも1つの方式によって電力をワイヤレス伝送するものである、前記(36)に記載の非接触充電システム。
(38) 前記(36)または(37)に記載の非接触充電システムを備えた電気・電子機器の充電システム。
(39) 前記(36)または(37)に記載の非接触充電システムを備えた自動車の充電システム。
(40) 前記(36)または(37)に記載の非接触充電システムを備えた電気・電子機器。
(41) 前記(36)または(37)に記載の非接触充電システムを備えた自動車。
(42) BET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まない炭素繊維1〜20質量部と、活性炭100質量部とを含んでなる分極性電極層を有する電気二重層キャパシタ用分極性電極。
(43) 炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し、次いでイオン性液体を除去し、 前記のイオン性液体で処理された炭素繊維と、活性炭と、結着剤とを混合して合剤を得、 該合剤を成形して分極性電極層を得る工程を含む電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
(44) 炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し、次いでイオン性液体を除去し、 前記のイオン性液体で処理された炭素繊維と、活性炭とをメカノケミカル処理して炭素材料を得、 該炭素材料と結着剤とを混合して合剤を得、
該合剤を成形して分極性電極層を得る工程を含む電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
(45) 炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し、次いでイオン性液体を除去する工程を含む、炭素材料の製法。
(46) 炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し、次いでイオン性液体を除去し、 前記のイオン性液体で処理された炭素繊維と、活性炭とをメカノケミカル処理する工程を含む、炭素材料の製法。
本発明の電気二重層キャパシタは、高温から低温までの広い温度環境にて、高容量・高出力特性に優れ、且つ発熱や発火などを生じない安全性の高いものである。
本発明の電気二重層キャパシタは、ハイブリッド自動車、電気自動車等への適用に好適である。また非接触充電システム等にも適用することができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、炭素繊維と活性炭を含んでなる分極性電極層を有する分極性電極を備えたものである。該分極性電極間には、セパレータが、通常、配置される。また、電気二重層キャパシタには、それらを浸す電解質液が含まれる。
分極性電極は、通常、集電体と、該集電体の表面に積層された分極性電極層とによって構成される。集電体と分極性電極層との間に導電性接着層が介在していてもよい。
分極性電極層には炭素繊維が含まれている。分極性電極層に用いられる炭素繊維は、分極性電極層に分散させるのに適した、細い炭素繊維である。該炭素繊維は、平均繊維径が、好ましくは1〜500nmであり、アスペクト比が、好ましくは10〜15000である。炭素繊維は、分岐したものであってもよいし、線状のものであってもよいし、またそれらの混合物であってもよい。
炭素繊維は、繊維長さが後述の活性炭の平均粒子径の0.5〜100倍のものが好ましく、1〜50倍のものがより好ましく、1〜10倍のものが特に好ましい。該炭素繊維の長さが短すぎると活性炭粒子間の橋渡しができず導電性が不十分となるおそれがあり、該炭素繊維の長さが長すぎると活性炭粒子の隙間に炭素繊維が入れず分極性電極の強度が低下するおそれがある。なお、活性炭の平均粒子径は、レーザー回折光散乱法によって計測した体積基準による平均値である。
本発明に用いられる炭素繊維は、グラフェンシートを丸めて円筒状にした構造を有し両端または片端がフラーレンの半球のような構造のもので閉じられているものが含まれている。炭素繊維には、一枚のグラフェンシートで構成される単層カーボンナノチューブ(SWCNT)と、複数枚のグラフェンシートで構成される多層カーボンナノチューブ(MWCNT)とがある。また、グラフェンシートの構造の違いからカイラル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分類される。単層カーボンナノチューブとしては、FeやNi−Yを触媒として用いたAPJ法(アーク放電)やFH−arc法(アーク放電)によって得られるものが例示できる。
本発明に用いられる炭素繊維は、繊維の軸方向に対してグラフェンシート面の角度が0°より大きく且つ90°未満であるもの(ヘリンボーン型)、軸方向に対してグラフェンシート面の角度が90°のもの(プレートレット型)、軸方向に対してグラフェンシート面の角度が0°のもの(チューブラー型)がある。本発明では、炭素繊維の軸方向に対してグラフェンシート面の角度が0°より大きく且つ90°未満である炭素繊維(ヘリンボーン型)が好ましい。ヘリンボーン型炭素繊維はグラフェンシートのエッジが表面に多く在る。このエッジが電気容量を向上させる働きを持つと考えられる。
また、本発明に用いられる炭素繊維は、カップ状になったグラフェンシートが積み重ねられた構造(カップスタック構造)を有するもの、または繊維の軸方向に沿って中空が不連続に複数並んで有するものが含まれているものが好ましい。例えば、図1に示す炭素繊維Fは、カップ状になったグラフェンシートGが積み重ねられた構造を有し、且つ繊維の軸方向に沿って中空Vが不連続に並んで有する炭素繊維である。グラフェンシートGはヘリンボーン型の構造をしている。
本発明に用いる炭素繊維の比表面積は、好ましくは30〜1000m2/g、より好ましくは50〜500m2/gである。なお、比表面積は窒素吸着に基づくBET法によって求められたものである。
炭素繊維は、その表面の少なくとも一部が互いに固着している部分を有することが好ましい。固着しているとは、1本の炭素繊維の表面が別の炭素繊維の表面と化学的に結合し合一化していることを意味する。このように固着部があることによって分極性電極層に導電パスがより多く構築され、電気二重層キャパシタの内部抵抗の低減および大電流高速充電特性の向上に寄与する。
炭素繊維は、ラマンスペクトルにおけるR値が好ましくは1〜2であり、さらに好ましくは1.2〜1.8である。R値とは、ラマン分光スペクトルで測定される1360cm-1の付近にあるピーク強度(ID)と1580cm-1の付近にあるピーク強度(IG)との比(ID/IG)である。このR値は炭素繊維中の黒鉛層の成長度合いを示すものである。黒鉛層の成長度合いが大きいものほどR値が小さくなる。このR値が上記範囲を満たしていると、電気伝導性と電気容量を両立させることが可能である。
炭素繊維は、窒素吸着法によるBJH法解析により求めた細孔分布において、1〜2nmの範囲に少なくとも1つのピークを有するものであることが好ましい。BJH法自体は公知の方法であり、例えば、J.Amer.Chem.Soc.73.373.(1951)に開示された方法に従って行うことができる。
炭素繊維は、その製造方法によって特に限定されないが、気相法で製造された炭素繊維が導電性の観点から好ましい。
気相法は、炭素源を気相中で熱分解し、触媒粒子を核として炭素を繊維状に成長させていく方法である。
炭素繊維の製造に用いられる炭素源としては、メタン、エタン、プロパン、ブテン、イソブテン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ナフタレン、アントラセン、シクロペンタン、シクロヘキサン、クメン、エチルベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトンなどの有機化合物や、一酸化炭素などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、揮発油、灯油などを炭素源として用いることもできる。
触媒粒子と炭素源とを接触させる気相には、通常、水素ガスなどの還元性ガスが使用される。還元性ガスの量は反応形式によって適宜選択できるが、炭素源1モル部に対して通常1〜70モル部である。炭素源と還元性ガスとの比率や、反応器内滞留時間を調整することによって炭素繊維の繊維径等を任意に制御することができる。還元性ガス以外に、窒素ガスなどの不活性ガスを同時に使用してもよい。
触媒粒子には金属単体または金属化合物が用いられる。触媒に用いる金属元素は、Fe、Co、Ni、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Y、Zr、Nb、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、ランタノイド、Hf、Ta、Re、Os、Ir、Pt、Au、W、Moなどから選ばれ、適宜組み合わせられる。また上記金属元素は担体に担持して用いてもよい。担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウム、炭素粉、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ホウ素含有量が0.1〜5質量%の黒鉛化カーボンブラックなどが挙げられる。担体は粉粒状のものが好ましく用いられる。なお、気相成長時の温度は特に制限されないが、通常550℃〜750℃である。
また、本発明に用いられる炭素繊維は、上記気相法によって製造した後、1000〜1500℃で焼成したものであってもよい。また、1000〜1500℃で焼成後に2500℃以上の温度で黒鉛化処理したものを分極性電極層用炭素繊維として用いることができる。
本発明に用いられる炭素繊維は、賦活処理されたものであることが好ましい。上記気相法によって炭素繊維を製造した後に、アルカリ金属水酸化物の存在下で加熱することによって炭素繊維の賦活ができる。賦活処理を経ることによって、窒素吸着法によるBJH法解析により求めた細孔分布において、1〜2nmの範囲に少なくとも1つのピークを有する炭素繊維が得られ易い。また、炭素繊維同士が固着した炭素繊維や、繊維の長さ方向に沿って並列して2つ以上の中空を有する炭素繊維が得られ易い。賦活された炭素繊維を用いると、導電性と電気容量の両立がはかれるので好ましい。なお、アルカリ金属水酸化物としては苛性ソーダー、苛性カリ、水酸化セシウムなどが挙げられる。賦活処理における温度は、通常650℃〜850℃、好ましくは700℃〜750℃である。賦活処理は、不活性ガス雰囲気で通常行われる。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。また、必要に応じて水蒸気、炭酸ガス等を導入して賦活処理を行っても良い。賦活された炭素繊維は、必要に応じて、酸や水で洗浄することができる。洗浄方法は、後述の活性炭の製造法の説明で述べる洗浄方法と同様の方法である。
本発明に用いられる炭素繊維は、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kg、好ましくは60〜110mmol/kgであり、水酸基の量が50〜150mmol/kg、好ましくは70〜120mmol/kgである。
ラクトール基及び水酸基の量は、アルカリ賦活条件等を制御することにより、任意に調整することができる。ラクトール基または水酸基の量がこの範囲より少ないと炭素繊維の凝集物の直径を小さくし難くなる。また、ラクトール基または水酸基の量がこの範囲より多いと電気二重層キャパシタの信頼性および耐久性に影響を及ぼすことがある。また、本発明に用いられる炭素繊維は、中和適定法により求められるカルボキシル基(ラクトン型カルボキシル基を除く。)の量が60mmol/kg未満であることが好ましい。
炭素繊維の表面には、化学式(a)〜(d)に示す構造の官能基があると考えられている(例えば,炭素材料学会編「改訂 炭素材料入門」P.187などを参照。)。
本発明に用いる炭素繊維では、ラクトール基が式(b)で表される形態(ラクトン型カルボキシル基またはラクトン基)で存在すると考えられる。また、水酸基は、式(c)で表されるフェノール性水酸基の形態で存在すると考えられる。カルボキシル基が式(a)で表される形態(カルボキシル基または無水カルボン酸基)で存在すると考えられる。
Figure 0005087466
本発明では、Boehm,H.P.[Boehm,H.P.:Adv. In Catalysis.,16,198(1996)]が提案している中和適定法で、カルボキシル基、ラクトール基および水酸基の定量を行う。まず、炭素繊維にNaHCO3を加えて、ろ過し、ろ液を塩酸で逆滴定してカルボキシル基を定量する。
次にNaHCO3に代えてNa2CO3を用いて同様の逆滴定を行う。これによりカルボキシル基とラクトール基が定量される。
次にNaOHを用いて同様の逆滴定を行う。これによりカルボキシル基とラクトール基と水酸基が定量される。
これらの定量分析から、カルボキシル基、ラクトール基、および水酸基の量をそれぞれ算出することができる。
本発明に用いられる炭素繊維は、分極性電極層の中において、直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まないものである。
このような凝集体を含まない炭素繊維は、炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し分散させることにより得ることができる。本発明では、後述する活性炭に対する炭素繊維の分散性を向上させる観点から、炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕し分散させることが好ましい。
炭素繊維とイオン性液体を単に攪拌混合するだけでは凝集体の含まれない炭素繊維は得られない。さらに、通常の有機溶媒や溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4未満のイオン性液体を用いて炭素繊維にせん断力を加えても凝集体の含まれない炭素繊維は得られない。
せん断力を加える手段は特に限定されない。例えば、実験室におけるような小規模の製造の場合は手動または自動の乳鉢ですり潰すことによってもよく、また、多量の製造を目的とする場合には、ボールミル、ローラーミル、振動ミルなどの高せん断力を付与することができる湿式粉砕装置を使用することができる。さらに、ニーダータイプの混練機も使用可能である。解砕・分散に要する時間は、特に限定されない。通常5分間〜1時間程度である。
本発明に用いられるイオン性液体(ionic liquid)とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で液体状態を呈する塩である。本発明では、溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上、好ましくは5以上のイオン性液体を使用する。なお、溶媒極性パラメータは、Reichadt's色素をイオン性液体に溶解した際の吸収波長の変化によって求めることができる。
本発明で好適に用いられるイオン性液体としては、下記の一般式(I)〜(IV)で表わされるカチオン(好ましくは、第4級アンモニウムイオン)と、陰イオン(X-)とより成るものを例示することができる。
Figure 0005087466
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上記の式(I)〜(IV)において、Rは炭素数10以下のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が10以下のアルキル基を表わし、式(I)においてR1は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表わし、特に炭素数1のメチル基が好ましい。式(I)において、RとR1は同一でないことが好ましい。式(III)および(IV)において、xは1から4の整数である。
陰イオン(X-)としては、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-(すなわち、ビス(トリフロロメチルスルホニル)イミド アニオン(TFSI))、RSO3 -およびRSO4 -(なお、Rは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基等であり、水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)を挙げることができる。具体的には、CF3SO3 -、(CF3SO23-、CHF2CF2CF2CF2CH2OSO3 -、CHF2CF2CF2CF2CH2SO3 -などが例示できる。
炭素繊維とイオン性液体の混合比率は、炭素繊維とイオン性液体の種類にもよるが、一般的には、質量比で、炭素繊維に対して100倍以上のイオン性液体を使用する。
炭素繊維と活性炭との混合物または炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt's Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕する。該解砕物をそのまま用いて分極性電極層を製造してもよいが、本発明では、この解砕物からイオン性液体を除去して炭素材料を得、該炭素材料を用いて分極性電極層を製造する方が好ましい。イオン性液体の除去方法は特に限定されない。例えば、イオン性液体を溶解し得る溶媒(例えば、水、アルコール等)に接触させる(例えば、その溶媒に浸漬して抽出除去したり、その溶媒で洗浄する)方法、または、イオン性液体を吸収し得る吸収材(例えば、濾紙や濾布)に接触させる方法が挙げられる。
分極性電極層にはさらに活性炭が含まれている。活性炭の量は、分極性電極層100質量部に対して、通常60〜95質量部、好ましくは65〜85質量部である。
活性炭は、大部分の炭素と、酸素、水素、アルカリ土類金属、アルカリ金属などの他の微量成分とからなる多孔質物質である。本発明に用いられる活性炭は、通常、破砕状、粒状、および粉末状のものである。活性炭の平均粒子径は、通常2〜30μm、好ましくは3〜15μmである。
本発明に好適な活性炭は、Ar(アルゴン)吸着等温線からHK法(Horbath-Kawazoe法)により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が好ましくは0.08〜0.11cm3/gの範囲に、より好ましくは0.09〜0.11cm3/gの範囲にある。本発明に好適な活性炭は、前記ピークaの値が全細孔容積値の好ましくは8〜11%、より好ましくは9〜11%の大きさのものである。
また、本発明に好適な活性炭は、BET比表面積が好ましくは700〜2200m2/g、より好ましくは800〜1100m2/gである。BET比表面積がこの範囲内にあると分極性電極層への充填密度を適度の高さにすることができ、また低温での充放電特性が良好となる。
活性炭は、その製造方法によって特に制限されず、公知の製法で得られた活性炭の中から上記特性を有するものを選択することができる。
活性炭の原料としては、ヤシガラ、ピッチ、石炭コークス、石油コークス、合成樹脂(例えば塩化ビニル、ポリエチレンなど)、天然樹脂(セルロースなど)が使用可能である。
本発明に用いられる好適な活性炭の製造方法として、
(A)周期律表の第2族の元素(いわゆる、アルカリ土類金属元素:Be、Mg、Ca、Sr、Ba及びRa)、第4周期第3族〜第11族の元素(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni及びCu)又は第5周期第4族の元素(Zr)を含む化学物質の存在下に、ピッチを炭化処理して易黒鉛化性炭素化物を得、アルカリ金属化合物の存在下に、前記易黒鉛化性炭素化物を賦活処理し、次いで、この賦活された炭素化物を洗浄する工程を含む方法と、
(B)ピッチを炭化処理して易黒鉛化性炭素化物を得、該炭素化物に周期律表の第2族の元素(いわゆる、アルカリ土類金属元素:Be、Mg、Ca、Sr、Ba及びRa)、第4周期第3族〜第11族の元素(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni及びCu)又は第5周期第4族の元素(Zr)を含む化学物質を混合して混合物を得、アルカリ金属化合物の存在下に、前記混合物を賦活処理し、次いで、この賦活された混合物を洗浄することを含む方法とを挙げることができる。
活性炭の製造方法に用いられるピッチは、軟化点の低いものが好ましく、100℃以下のものがより好ましく、60℃〜90℃のものが特に好ましい。ピッチには、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、及びそれらの有機溶剤可溶分などがある。
周期律表の第2族のいずれかの元素、第4周期第3族〜第11族のいずれかの元素又は第5周期第4族の元素を含む化学物質は、単体、無機化合物及び有機化合物のいずれも使用することができる。無機化合物としては、酸化物、水酸化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、リン酸塩、炭酸塩、硫化物、硫酸塩及び硝酸塩を例示することができる。有機化合物としては、アセチルアセトンやシクロペンタジエン等を配位子とする有機金属錯体が挙げられる。
炭化処理では、先ず400〜700℃、好ましくは450〜550℃の温度範囲で第一炭化処理を行い、次いで500℃以上700℃未満、好ましくは540〜670℃の温度範囲で第二炭化処理を行うことが好ましい。また第二炭化処理の温度は第一炭化処理の温度よりも通常高くする。この炭化処理によって、ピッチは熱分解反応を起こす。熱分解反応によって、ピッチから、ガス・軽質留分が脱離し、残渣は重縮合して最終的には固化する。
この第一炭化処理において、昇温速度は好ましくは3〜10℃/hr、より好ましくは4〜6℃/hrであり、最高温度での保持時間は好ましくは5〜20時間、より好ましくは8〜12時間である。第二炭化処理においては、昇温速度は好ましくは3〜100℃/hr、より好ましくは4〜60℃/hrであり、最高温度での保持時間は好ましくは0.1〜8時間、より好ましくは0.5〜5時間である。第二炭化処理において、昇温を素早く行い、最高温度での保持時間を短くし、降温をゆっくりにすることによって本発明に用いられる好適な活性炭を容易に得ることができる。最高温度から室温まで下げるために、5時間〜170時間掛けることが好ましい。
上記炭化処理によって得られた易黒鉛化性炭素化物は、次のアルカリ金属化合物による賦活処理前に平均粒径1〜30μmに粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に限定されず、例えば、ジェットミル、振動ミル、バルベライザなどの公知の粉砕方法が挙げられる。易黒鉛化性炭素化物を粉砕せずにそのままで賦活処理した場合、賦活処理後の洗浄において粒内部に含まれる金属不純物が十分に除去できないことがあり、その金属不純物が活性炭の耐久性を落とす傾向がある。
賦活処理に用いられるアルカリ金属化合物は、特に制限されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、などのアルカリ金属の水酸化物が好ましい。アルカリ金属化合物は、炭素化物の質量に対して、好ましくは1.5〜5.0倍量、より好ましくは1.7〜3.0倍量使用する。賦活処理における温度は、通常600℃〜800℃、好ましくは700℃〜760℃である。賦活処理は、不活性ガス雰囲気で通常行われる。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。また、必要に応じて水蒸気、炭酸ガス等を導入して賦活処理を行っても良い。
そして、最後に、賦活された炭素化物を水、酸などによって洗浄する。酸洗浄に用いられる酸としては、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類;蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸類などが挙げられる。洗浄効率と残存物の少なさの観点から、塩酸、クエン酸が好ましい。酸濃度は好ましくは0.01〜20規定、より好ましくは0.1〜1規定である。洗浄は、炭素化物に酸を添加し攪拌すれば良いが、洗浄効率を高めるために、煮沸または50〜90℃で加温することが好ましい。また、超音波洗浄機を使用するとより効果的である。洗浄時間は、0.5時間〜24時間、好ましくは1〜5時間である。
分極性電極層には、前記炭素繊維と前記活性炭とを単に混合しただけの炭素材料を用いてもよいが、ピッチの炭化処理で得られた易黒鉛化性炭素化物と前記炭素繊維とを混合し、該混合物を賦活処理することによって得られる炭素材料を用いることが好ましい。
また、本発明では、メカノケミカル処理によって、炭素繊維が活性炭粒子表面に被覆されたものを分極性電極層に含むことが好ましい。炭素繊維で被覆されている面積は活性炭粒子全表面積の20%以上であることが好ましい。炭素繊維による被覆厚さは0.1μm〜50μmであることが好ましい。被覆厚さがこの範囲にあると、分極性電極層の容量および電極密度の両方を高くできる。
メカノケミカル処理とは、固体に圧縮力や摩擦力などの機械的エネルギーを加えることによって該固体を構成する物質の構造・結合状態を変化させ、また周囲の物質との相互作用を変化させる処理法である。
メカノケミカル処理の手法としては、ハイブリタイゼーション法、メカノフュージョン法、シータコンポザ法、メカノミル法およびボールミル法が挙げられる。
炭素繊維を活性炭粒子表面に被覆する方法としては、メカノケミカル処理以外に、CVD法による有機物の熱分解物被覆法、プラズマを用いた被覆法などがある。メカノケミカル処理による被覆法は、活性炭粒子と炭素繊維との結合を極めて強固にすることができる。
分極性電極層に用いられる、炭素繊維と活性炭との質量比は、活性炭に対する炭素繊維の質量として、好ましくは0.02〜20質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。この範囲の量で炭素繊維を使用することによって、電気二重層キャパシタの体積あたり電気容量(F/cm3)が大きくなり、品質の安定性に優れる。正負極の分極性電極層それぞれにおける、炭素繊維と活性炭との質量比は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の電気二重層キャパシタでは、活性炭の比表面積と炭素繊維の比表面積との合計値の範囲は特に制限されないが、好ましくは800〜2300m2/gである。好ましくは800〜1000m2/gである。
分極性電極層にはさらに導電性カーボンを含有させてもよい。導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラックなどが挙げられる。これらのうち、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)が好ましく、特にケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JD(いずれも、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)が好ましい。導電性カーボンの量は、分極性電極層100質量部に対して通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。正の分極性電極層に含まれる導電性カーボンの量と負の分極性電極層に含まれる導電性カーボンの量は同じであってもよいし異なっていてもよい。
分極性電極層は、通常、活性炭および炭素繊維ならびに必要に応じて添加される導電性カーボンに結着剤を加えて混練圧延する方法;活性炭および炭素繊維ならびに必要に応じて添加される導電性カーボンに結着剤、必要に応じて溶剤を加えてスラリー状又はペースト状にして集電体に塗布する方法;活性炭および炭素繊維ならびに必要に応じて添加される導電性カーボンに未炭化樹脂類を混合して焼結する方法等によって製造することができる。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、アクリレート系ゴム、ブタジエン系ゴムなどが挙げられる。また、溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルメチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類など沸点200℃以下の有機溶剤が挙げられる。これらのうちトルエン、アセトン、エタノールなどが好適である。
分極性電極層の厚さは、特に限定されないが、通常10〜150μm、好ましくは10〜50μmである。
分極性電極を構成する集電体は、少なくとも導電性シートを含むものである。導電性シートは孔の開いていない箔だけでなく、パンチングメタル箔や網のような孔の開いた箔などを含む。導電性シートは導電性材料で構成されるものであれば特に制限されず、導電性金属製のものや導電性樹脂製のものが挙げられる。特にアルミニウム製、アルミニウム合金製のものが好ましいものとして挙げられる。アルミニウム箔としてはA1085材、A3003材などの箔が通常用いられる。
導電性シートは、表面が平滑なものでもよいが、電気的又は化学的なエッチング処理などによって表面が粗面化されたもの(エッチング箔)が好適である。
導電性シートは、厚さによって特に制限されないが、通常、5μm〜100μmのものが好ましい。厚さが薄すぎると機械的強度が不足するようになり、導電性シートの破断などが生じやすくなる。逆に厚さが厚すぎると、電気二重層キャパシタの体積あたりの電気容量が低くなりやすい。
集電体と分極性電極層との間に導電性接着層を介在させることが好ましい。本発明に好適な導電性接着層は、イオン透過性を有する化合物と炭素微粒子とを含有してなるものである。
炭素微粒子は、炭素を主構成成分とする導電性の微粒子である。炭素微粒子としては、アセチレンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)などの導電性カーボン;カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、気相法炭素繊維;グラファイト(黒鉛)などが好適である。
炭素微粒子は、粉体での電気抵抗が100%の圧粉体で1×10-1Ω・cm以下のものが好ましい。これら炭素微粒子は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭素微粒子は、その粒子サイズによって特に制限されないが、体積基準の平均粒径が10nm〜50μmのものが好ましく、10nm〜100nmのものがより好ましい。
炭素微粒子は、その形が球状のものであってもよいが、針状若しくは棒状のもの(異方形状のもの)が好ましい。異方形状の炭素微粒子は質量あたりの表面積が大きく、導電性シートや分極性電極層等との接触面積が大きくなるので、少量の添加量でも集電体と分極性電極層との間の導電性を高くすることができる。異方形状の炭素微粒子としては、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーが挙げられる。カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーは繊維径が通常0.001〜0.5μm、好ましくは0.003〜0.2μmであり、繊維長が通常1〜100μm、好ましくは1〜30μmであるものが電気伝導性や熱伝導性の向上において好適である。また、金属炭化物や金属窒化物などの導電性微粒子を炭素微粒子と併用することができる。炭素微粒子は、電子伝導性の観点から、X線回折によって求められる格子面間隔(d002)が0.335〜0.338nm、結晶子の積み重なり厚さ(Lc002)が50〜80nmであるものが好ましい。
本発明に用いられるイオン透過性化合物は、イオンが透過できる性能を有するものであれば特に制限されない。
イオン透過性化合物は、イオン伝導度の大きいものが好ましい。具体的にはフッ素イオンの伝導度が1×10-2S/cm以上を有する化合物が好適である。また、イオン透過性化合物は数平均分子量が5万以下であるものが好ましい。
本発明に用いられるイオン透過性化合物は、有機溶剤に対して膨潤性の無い化合物であることが好ましい。また、本発明に用いられるイオン透過性化合物は、有機溶剤による摩擦剥離試験において剥がれの生じない化合物であることが好ましい。電気二重層キャパシタの電解質液に有機溶剤を用いることがあるので、電解質液によって被膜が膨潤又は溶解しないことが好ましいからである。
なお、有機溶剤に対する膨潤性は、イオン透過性化合物の膜を電解質液に用いる有機溶剤(30℃)に60分間浸漬し、膨潤したか否かで判断する。
有機溶剤による摩擦剥離試験は、イオン透過性化合物の膜表面を電解質液に用いる有機溶剤が浸み込んだ布で、100g重の力を加えて10回擦り、膜が剥がれるか否かを観察した。
イオン透過性化合物の好適例としては、多糖類、又は多糖類を架橋させたものが挙げられる。
多糖類は、単糖類がグリコシド結合によって多数重合した高分子化合物のことである。多糖類は、加水分解によって多数の単糖類を生ずるものである。通常10以上の単糖類が重合したものを多糖類という。多糖類は置換基を有していてもよく、例えばアルコール性水酸基がアミノ基で置換された多糖類(アミノ糖)、カルボキシル基やアルキル基で置換されたもの、多糖類を脱アセチル化したものなどが含まれる。多糖類はホモ多糖、ヘテロ多糖のいずれでもよい。
多糖類の具体例としては、アガロース、アミロース、アミロペクチン、アラバン、アラビナン、アラガビノガラクタン、アルギン酸、イヌリン、カラギーナン、ガラクタン、ガラクトサミン(コンドロサミン)、グルカン、キシラン、キシログルカン、カルボキシアルキルキチン、キチン、グリコーゲン、グルコマナン、ケラタン硫酸、コロミン酸、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、コンドロイチン硫酸C、セルロース、デキストラン、デンプン、ヒアルロン酸、フルクタン、ペクチン酸、ペクチン質、ヘパラン酸、ヘパリン、ヘミセルロース、ペントザン、β−1,4’−マンナン、α−1,6’−マンナン、リケナン、レバン、レンチナン、キトサン等が挙げられる。これらのうち、キチン、キトサンが好ましい。
多糖類を架橋させるために用いる架橋剤としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、キトサンピロリドンカルボン酸塩、ヒドロキシプロピルキトサン、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、酸無水物などが挙げられる。これらのうちアクリルアミド、アクリロニトリル、キトサンピロリドンカルボン酸塩、およびヒドロキシプロピルキトサンからなる群から選ばれる1種以上の架橋剤が好適である。
イオン透過性化合物のより具体的な例としては、セルロースのアクリルアミドによる架橋重合体、セルロースのキトサンピロリドンカルボン酸塩による架橋重合体、キトサン、キチン等を架橋剤で架橋したもの、多糖類をアクリル系添加剤や酸無水物で架橋したもの、などが挙げられる。イオン透過性化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電性接着層中に含まれるイオン透過性化合物と炭素微粒子との質量比(=イオン透過性化合物/炭素微粒子)は、好ましくは20/80〜99/1、より好ましくは40/60〜90/10である。導電性接着層には、必要に応じて活性炭が含まれていてもよい。活性炭が含まれることによって、電気二重層キャパシタの電気容量が高くなる。なお、導電性接着層に使用する活性炭は特に制限されず、前記分極性電極層に使用されるものと同じ活性炭を用いることもできる。
導電性接着層は、その形成方法によって特に制限されない。例えば、イオン透過性化合物と炭素微粒子と、必要に応じて活性炭とを溶剤に分散又は溶解して塗布剤を調製し、この塗布剤を導電性シートに塗布し乾燥することによって形成できる。塗布方法としては、キャスト法、バーコーター法、ディップ法、印刷法などが挙げられる。これらの方法の内、被膜の厚さを制御しやすい点からバーコーター法、キャスト法が好適である。
塗布剤に用いる溶剤は、イオン透過性化合物と炭素微粒子とを分散又は溶解できるものであれば特に制限されない。塗布剤の粘度を調整するために塗布剤の固形分率を10質量%〜100質量%になるように溶剤を添加することが好ましい。なお、溶剤は塗布後の乾燥によってほぼ100%が除去される。乾燥後、塗膜を熱硬化させることが好ましい。多糖類又は多糖類を架橋させたものなどからなるイオン透過性化合物には加熱によって硬化するものが含まれている。導電性接着層を熱によってさらに硬化させるために、前述の架橋剤を塗布剤に添加することができる。
導電性接着層の厚さは、好ましくは0.01μm以上50μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。厚さが薄すぎると内部インピーダンスの低下などの所望効果が得られない傾向になる。厚さが厚すぎると電気二重層キャパシタの体積あたりの電気容量が低くなりやすい。
導電性接着層は、導電性シートと分極性電極層とに密着し、剥がれないものが好ましく、具体的にはテープ剥離試験(JIS D0202−1988)において剥離しないことが好ましい。
電気二重層キャパシタの電解質液としては公知の非水系電解質液や水系電解質液が使用できる。非水系電解質としては高分子固体電解質、高分子ゲル電解質、イオン性液体が挙げられる。
電解質液の粘度は、25℃±1℃において、好ましくは40mPas以下、より好ましくは30mPas以下、さらに好ましくは10mPas以下、特に好ましくは5mPas以下である。25℃±1℃における粘度が40mPasを超えると低温から高温までの広い温度環境にての、特に低い温度域での大電流高速充電特性が低下傾向になる。
電解質液中のカチオンの半径は0.8nm以下であることが特に好ましい。電解質液中のカチオン半径が0.8nmより大きいと活性炭の1.0〜1.3nmの細孔径を有する細孔中で動きが鈍くなり、大電流での高速充電特性が低下傾向になる。
電気二重層キャパシタが発熱した時においても高い安全性を確保するために、燃え難い電解質液を用いることが好ましい。難燃性の電解質液として、イオン性液体がある。イオン性液体(ionic liquid)は、常温溶融塩(もしくは室温溶融塩、Ambient temperature molten salt, Room temperature molten salt)とも呼ばれている。
イオン性液体は、カチオンの種類で、イミダゾリウム塩類・ピリジニウム塩類などのアンモニウム系イオン性液体、ホスホニウム系イオン性液体などに分類される。これらカチオンに組み合わせるアニオンの種類を選択することで、多様な構造のイオン性液体を選択できる。
カチオンとしては、アンモニウムおよびその誘導体、イミダゾリウムおよびその誘導体、ピリジニウムおよびその誘導体、ピロリジニウムおよびその誘導体、ピロリニウムおよびその誘導体、ピラジニウムおよびその誘導体、ピリミジニウムおよびその誘導体、トリアゾニウムおよびその誘導体、トリアジニウムおよびその誘導体、トリアジンおよびその誘導体、キノリニウムおよびその誘導体、イソキノリニウムおよびその誘導体、インドリニウムおよびその誘導体、キノキサリニウムおよびその誘導体、ピペラジニウムおよびその誘導体、オキサゾリニウムおよびその誘導体、チアゾリニウムおよびその誘導体、モルフォリニウムおよびその誘導体、ピペラジンおよびその誘導体がある。これらの中でもイミダゾリウム誘導体、アンモニウム誘導体、ピリジニウム誘導体が好ましい。
ここで誘導体とは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、カルボン酸およびエステル基、各種エーテル基、各種アシル基、各種アミノ基などの置換基(置換基中の水素原子はフッ素原子で置き換わっていてもよい。)を持つものを言う。これら置換基は上記カチオンの任意の位置に置換される。また、イオン性液体のカチオン成分は排除体積が比較的小さいものが有利であり、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンは本発明に良好に使用できる。
カチオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウム(TEA:0.7nm)、テトラエチルメチルアンモニム(TEMA:0.6nm)、ジエチルメチル(2−メトキエチル)アンモニウム(DEME:0.8nm)などの第四級アンモニウムイオン(R1234+で表されるカチオン);エチルメチルイミダゾリウム(EMI:0.3nm)、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム(SBP:0.4nm)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなどの第四級イミダゾリウムイオン、4級ホスホニウム(R1234+で表されるカチオン)が挙げられる。なお、括弧内の記号はカチオンの略号であり、数字はイオン半径である。R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基またはアリル基である。これらのうち、第四級アンモニウムイオンおよび/または第四級イミダゾリウムイオンが好ましい。
対アニオンとしては、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO22-(すなわちビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)アニオン(TFSI))、RSO3 -、RSO4 -(ここでRは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などであり、水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)を挙げることができる。RSO3 -、RSO4 -の好ましいものとしては、CF3SO3 -、(CF3SO23-、CHF2CF2CF2CF2CH2OSO3 -、CHF2CF2CF2CF2CH2SO3 -、を挙げることができる。またイオン性液体のアニオン成分は排除体積が比較的小さいものが有利であり、BF4 -、CF3SO3 -は本発明に良好に使用できる。
本発明に使用できるイオン性液体の具体例として、以下のものが挙げられる。
イミダゾリウム塩:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=クロライド、3−ジエチルイミダゾリウム=ブロマイド、1−エチルイミダゾリウム=テトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム=ヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム=ヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=トリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=トシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=ベンゼンスルホネート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム=トリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、1−イソブチル−3−メチルイミダゾリウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−メチルイミダゾリウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=ヘプタフルオロブタノエート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタン硫酸、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブチル硫酸、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル硫酸。
ピリジニウム塩:N−ブチルピリジニウム=クロライド、N−ブチルピリジニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ピリジニウム=テトラフルオロボレート、N−エチルピリジニウム=トシレート、N−ブチルピリジニウム=ベンゼンスルホネート、N−エチルピリジニウム=トリフルオロメタンスルホネート、N−ブチルピリジニウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、N−ブチルピリジニウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、N−ブチルピリジニウム=2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル硫酸。
ピロリジニウム塩:2−メチルピロリジニウム=クロライド、3−エチルピロリジニウム=ヘキサフルオロホスフェート、2−メチルピロリジニウム=テトラフルオロボレート、3−エチルピロリジニウム=トシレート、ピロリジニウム=ベンゼンスルホネート、2−メチルピロリジニウム=トリフルオロメタンスルホネート、3−ブチルピロリジニウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、2−ブチルピロリジニウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、2−メチルピロリジニウム=2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル硫酸。
アンモニウム塩:トリメチルブチルアンモニウム=クロライド、トリメチルブチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、トリメチルブチルアンモニウム=テトラフルオロボレート、トリエチルブチルアンモニウム=トシレート、テトラブチルアンモニウム=ベンゼンスルホネート、トリメチルエチルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホネート、テトラメチルアンモニウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、トリメチルオクチルアンモニウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、テトラエチルアンモニウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、トリメチルブチルアンモニウム=2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル硫酸。
トリアジニウム塩:1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウム=クロライド、1,3−ジエチル−5−ブチルトリアジニウム=ヘキサフルオロホスフェート、1,3−ジメチル−5−エチルトリアジニウム=テトラフルオロボレート、1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウム=トシレート、1,3−ジエチル−5−ブチルトリアジニウム=ベンゼンスルホネート、1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウム=トリフルオロメタンスルホネート、1,3、5−トリブチルトリアジニウム=ビス((トリフルオロメチル)スルホニル)アミド、1,3−ジブチル−メチルトリアジニウム=2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタン硫酸、1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウム=2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル硫酸。
イオン性液体は一般に粘度が高いため、イオン性液体単独の電気伝導度は十分でないことがある。そこで、イオン性液体は、通常、非水系溶剤と混合させて用いられる。イオン性液体を非水系溶剤に混合させることによって、低温でも凝固しにくく、電気伝導度が高く、難燃性である電解質液が得られる。この電解質液を使用することにより、電気二重層キャパシタの電気容量、充放電速度を向上させることができ、且つ燃焼性を低下させ発火などの危険性を下げることができる。
本発明で使用する非水系溶剤は、イオン性液体と混合することができるものであれば特に制限されないが、イオン性液体の比率が比較的高く、低粘度の混合液を与えるものが望ましい。また、耐電圧性の観点から、十分な電位窓を持つ非水系溶剤を使用することが望ましい。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水系溶剤、アセトニトリル、γ−ブチルラクトンなどが挙げられる。
本発明においては、イオン性液体または非水系溶剤をそれぞれ二種類以上組み合わせて用いることもできる。
本発明に好ましく用いられる電解質液は、非水系溶剤及びイオン性液体の合計質量に対するイオン性液体の量が、好ましくは0質量%超80質量%未満、より好ましくは30〜70質量%である。
イオン性液体と非水系溶剤は、それらの混合によって得られる電解質液の電気伝導度が最大となる混合比を中心にしてイオン性液体の量が±50%以内の範囲の比率(体積比)であれば、任意の比率で混合しても十分な電気伝導度を持つ電解質液を作製でき、本発明の目的に良好に使用可能である。電気容量および充放電速度を向上させるという観点から、より望ましい混合比は、電気伝導度が最大となる混合比からイオン性液体の量が±20%以内の範囲の比率(体積比)、特に望ましい混合比率は、電気伝導度が最大となる混合比からイオン性液体の量が±10%以内の範囲の比率(体積比)である。具体的な好ましい混合比率は、イオン性液体:非水系溶剤=1:5〜5:1(体積比)の範囲にある。
分極性電極の間に介在させるセパレータは、イオンを透過する多孔質セパレータであれば良く、例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、エチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ガラス繊維混抄不織布などが好ましく使用できる。
本発明の電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極の間にセパレータを介して電解質液と共に金属ケースに収納したコイン型、一対の電極をセパレータを介して巻回してなる巻回型、セパレータと電極とを複数積み重ねた積層型などのいずれの構成のものであってもよい。該電気二重層キャパシタは、ステンレス鋼製又はアルミニウム製容器により封口されていることが好ましい。また、発熱時においても電解質液の揮発等を生じないようにするという観点から、また電気二重層キャパシタの高温安定性を確保する目的から耐熱性の高い絶縁材料を容器のシール部に用いるのが好ましく、特にポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびガラスからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。また、正および負の分極性電極は、2対以上の正及び負の分極性電極層が並列接続されて構成されているものであってもよい。
本発明の電気二重層キャパシタは除湿雰囲気または不活性ガス雰囲気で組み立てることが望ましい。また、組み立てる部品も事前に乾燥しておくことが好ましい。ペレットやシートおよびその他の部品の乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができる。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、セル全体で2000ppm以下が好ましく、分極性電極や電解質ではそれぞれ50ppm以下にすることが充放電サイクル性向上の点で好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタは電源システムの蓄電源装置に適用することができる。そして、この電源システムは、自動車(電気自動車、ハイブリッド電気自動車(HEV)、アイドリングストップ機能を備えたマイクロハイブリッド自動車、電力エネルギー回生やブレーキ回生機能を備えたストロングハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車など)、鉄道などの車両用電源システム;船舶用電源システム;航空機用電源システム;携帯電話、携帯情報端末、携帯電子計算機などの携帯電子機器用電源システム;事務機器用電源システム;太陽電池発電システム、風力発電システムなどの発電システム用電源システム;などに適用することができる。また、本発明の電気二重層キャパシタは非接触充電式蓄電源装置に好適である。
本発明の蓄電源装置は前記の電気二重層キャパシタを備えたものである。また、本発明の非接触充電式蓄電源装置は、非接触式受電手段と前記の電気二重層キャパシタとを備えたものである。
前記非接触式受電手段は、ワイヤレス伝送された電力を受電するものであり、好ましくは電磁誘導型電力供給方式、電波受信型電力供給方式、および共鳴型電力供給方式からなる群から選ばれる少なくとも1つの方式によってワイヤレス伝送された電力を受電するものである。非接触式受電手段は、例えば、電磁誘導型電力供給方式においては受電用のコイルと、必要に応じ設けられる共振用のコンデンサおよび整流回路によって構成され;電波受信型電力供給方式においてはアンテナ、共振回路、および整流回路によって構成され;共鳴型電力供給方式においてはLC共振器を備えたアンテナまたは高誘電率で且つ低誘電損失の誘電体からなるアンテナによって構成される。
本発明の蓄電源装置は、さらに二次電池を備えることが好ましい。該二次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等が挙げられる。これらのうちリチウムイオン電池が好適である。
二次電池は、前記電気二重層キャパシタと並列に接続させることが好ましい。急速充電時に受けた電力をそのまま二次電池に供給して充電を行うと、二次電池に大きな負荷がかかり二次電池が発熱し発火するおそれがある。二次電池を電気二重層キャパシタに並列で接続すると、急速充電時の高い電流の一部を電気二重層キャパシタが受けとめ、二次電池に掛かる負荷を低減でき、発熱や発火などの不具合を防ぐことができる。
また、パルス発振時などの高電流の供給を要するときには、二次電池と電気二重層キャパシタとの両方で電力を供給でき、二次電池の大幅な電圧降下を防止できる。また二次電池の容量低下等によって電力供給率が低下した場合にも、本発明の電気二重層キャパシタは高容量であるので電力の供給を補い続けることができるので、携帯電子機器などの使用可能時間を大幅に延ばすことができる。
本発明の蓄電源装置は、温度センサと、該温度センサの検出値に基づいて充電電流を制御する手段とをさらに備えることが好ましい。温度センサとしては、サーミスタに限らず、熱電対や測温抵抗体等も採用できる。
温度センサは、二次電池の内面もしくは外面に設置することが好ましい。そして、この温度センサによって、蓄電源装置の温度、特に二次電池の温度を検出し、検出温度値を充電電流を制御する手段に送信し、二次電池または電気二重層キャパシタに送る充電電流のレベルを調整する。例えば、二次電池または電気二重層キャパシタの温度が、急速充電時の高電流やNiなどの異物混入などの原因で閾値を超えるような高温になった場合には、充電電流制御手段によって、充電電流を低下または遮断させることができる。これによって、発火等を防ぎながら最適な充電電流で蓄電源装置に充電を行い、充電時間の短縮化をはかることができる。
本発明の非接触充電システムは、本発明の非接触充電式蓄電源装置と、非接触送電手段を備える別体の非接触式電力伝送器とからなるものである。非接触充電式蓄電源装置と非接触式電力伝送器とはそれぞれ別体のものであり、分離独立したものとして存在するものである。
本発明の非接触充電システムでは、非接触式電力伝送器から電力をワイヤレス伝送し、それを本発明の非接触充電式蓄電源装置が受けて電力を貯めこむことができる。例えば、非接触充電式蓄電源装置を内臓した機器と非接触式電力伝送器を内蔵した機器とがワイヤレス伝送できる距離内に入ったときに、非接触式電力伝送器を構成する非接触送電手段から非接触受電手段に電力がワイヤレス伝送され非接触充電式蓄電源装置に供給される。
非接触充電システムにおける非接触式電力伝送器は非接触式送電手段を備えるものである。非接触式送電手段は電力をワイヤレス伝送するものである。電力をワイヤレス伝送する方式としては、電磁誘導型電力供給方式、電波受信型電力供給方式、および共鳴型電力供給方式からなる群から選ばれる少なくとも1つの方式が好ましい。ワイヤレス伝送できる距離は電力供給方式によって異なり、例えば、電磁誘導型電力供給方式では数cm程度であり、電波受信型電力供給方式では数cm〜数十mであり、共鳴型電力供給方式では数m〜数十mであると言われているが、それらに限定されない。ワイヤレス伝送できる出力は電力供給方式によって異なるが、これも特に限定されない。
本発明の蓄電源装置は、大電流での急速な充電や、低温下での電流負荷の上昇に対応した安定した電力供給ができ、発熱や発火などの問題を生じない安全性の高い非接触充電システムを構築できるので、各種用途に適用可能である。
本発明の蓄電源装置は、例えば、パーソナルコンピューター、キーボード、マウス、外付けハードディスクドライブ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、電動シェーバー、電動歯ブラシ、電気自動車、ハイブリッド電気自動車(HEV)、アイドリングストップ機能を備えたマイクロハイブリッド自動車、電力エネルギー回生やブレーキ回生機能を備えたストロングハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、ロボット、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、ゴーカート、携帯型電動機器、ビデオゲーム機、各種玩具、美容・化粧器具、照明器具、医療機器、センサ、暖房器具、携帯型音楽プレーヤー、ビデオプレーヤー(DVDプレーヤーなど)、デジタル録音機、ラジオ受信機、テレビ受像機、液晶表示装置、有機EL表示装置、デジタルカメラ、デジタルムービー、電気掃除機、補聴器、ペースメーカー、無線タグ、アクティブ型センサ、腕時計などの様々な機器の電源装置として用いられる。
そして本発明の非接触充電システムでは、1以上の非接触式電力伝送器を、屋内外の各所(例えば、鉄道の駅、バス停留所、空港の待合所、船舶の港の待合所、売店、喫茶店、レストラン、駐車場、ガレージ、化粧室、喫煙室、机、壁、床、天井、柱、道路など)に設置される。そして、本発明の非接触充電式蓄電源装置を内臓した機器等が、前記非接触式電力伝送器のうちの一つのワイヤレス伝送範囲内に入ったときに、非接触式電力伝送器から非接触充電式蓄電源装置に電力を供給できるようになっている。その結果、非接触充電式蓄電源装置にある電気二重層キャパシタおよび/または二次電池に、非接触充電式蓄電源装置が非接触式電力伝送器のワイヤレス伝送範囲内に入る度に充電でき、電力を貯えさせることができ、これにより電力切れによって電気・電子機器が使えなくなったり、電気自動車等が動かなくなったりということが少なくなる。また、プラグイン方式のように、端子を接触式充電器の接点に接続する手間がないので、充電し忘れなどが防止される。さらに剥き出しの金属接点を持たないので、漏電、短絡などのトラブルの発生頻度を低減できる。
さらに、非接触充電システムを備えた電気・電子機器や自動車、すなわち、非接触充電式蓄電源装置と非接触式電力電送器とを併せ持った電気・電子機器や自動車では、それら相互間において電力のワイヤレス伝送が可能である。例えば、非接触充電システムを備えた携帯電話機や電気自動車では、該携帯電話機や電気自動車の電力が少なくなってしまって動かなくなってしまったときに、電力が未だ残っている別の非接触充電システムを備えた携帯電話機や電気自動車から、電力を供給し、電力切れになった機器や自動車を救出することができる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔表面官能基量の測定〕
炭素繊維(1g)に、0.1N(規定)−NaHCO3水溶液(50mL)を加えて48時間振盪した。これをろ過し、ろ液を10mL採取し、水50mLに入れ、0.1N(規定)−HCl水溶液で逆滴定した。滴定量から、カルボキシル基の量を求めた。同様にして、振盪液に0.1N(規定)−Na2CO3水溶液(50mL)を用いることで、カルボキシル基+ラクトール基の量を求めた。さらに、同様にして、振盪液に0.1N(規定)−NaOH水溶液(50mL)を用いることで、カルボキシル基+ラクトール基+水酸基の量を求めた。
〔凝集体の有無評価〕
炭素繊維を1000倍でSEM観察し、視野範囲内において直径5μm以上の毛玉(凝集体)が無いか否かで判定した。
実施例1(炭素材料の製造)
炭素繊維a(ヘリンボーン型賦活炭素繊維、繊維径20nm、アスペクト比400、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークがある、比表面積437m2/g、ラクトール基含量80mmol/kg、水酸基含量110mmol/kg、ラマンR値=1.59)1質量部と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI/BF4、融点14℃、極性パラメータ9)120質量部とを100℃、窒素雰囲気下にて、乳鉢で1時間磨りあわせた。次いでそれをメタノールに分散させて、該分散液を0.1μmのメンブランフィルタでろ過した。ろ過固形分をメタノール10mlで6回ろ過洗浄した。200℃で12時間減圧乾燥して、炭素繊維材Aを得た。炭素繊維材Aは、炭素繊維aと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Aは、5μm以上の凝集体が視野範囲内に一つも無いものであった。
(電極の作製)
前記炭素繊維材A 8質量部、および活性炭(BET比表面積802m2/g、平均径10.4μm、HK法による細孔容積分布において0.6〜0.8nmの範囲にピークがあり、ピーク値が0.010cm3/gで且つ全細孔容積値の0.7%)73質量部を、圧縮磨砕式微粉砕機に入れ、回転速度1800rpmでメカノフュージョン法による処理を20分間行って、活性炭粒子表面に炭素繊維材Aが被覆された炭素材料Aを得た。
該圧縮磨砕式微粉砕機は、回転軸を中心にして高速回転可能な円筒形の容器と、固定軸に固定された作用片と、かきとり片とを含んでなるものである。該容器に活性炭および炭素繊維材を入れると、容器の回転によって生じる遠心力で、活性炭等は容器の内壁に押しつけられる。押し付けられた活性炭等に作用片による圧力が加わる。容器内壁と作用片との最接近距離は3mmに設定した。この加圧によって活性炭と炭素繊維材との間に圧縮力や磨砕力が働き、これによって表面が凹凸化し、さらに活性炭表面に炭素繊維材が圧延、被覆される。かきとり片は容器内壁に押しつけられた活性炭等をかきとり、活性炭と炭素繊維材とを撹拌混合する機能を有している。これにより活性炭表面に効率的に炭素繊維材が被覆される。炭素繊維材の活性炭表面への被覆状態は走査型電子顕微鏡(SEM)および電子プローブ精密分析(EPMA)等によって確認できる。
炭素材料A 81質量部、フッ素樹脂(PTFE)10質量部、およびアセチレンブラック9質量部をメノウ乳鉢で混練して合剤を得た。
該合剤をロール圧延して、合剤を厚さ0.5mmのシートに成形した。
このシートを直径20mmの円板に打ち抜き、200℃で12時間減圧乾燥して、分極性電極層を得た。
高純度アルゴンを循環させているグローブボックス内において、該分極性電極を用いて、図3に示す評価用セルを組み立てた。図3において、1はアルミニウム製の上蓋、2はフッ素ゴム製Oリング、3はアルミニウムからなる集電体、4はテフロン(登録商標)からなる絶縁体、5はアルミニウム製容器、6はアルミニウム製板ばね、7は分極性電極層、8はガラス繊維からなる厚さ1mmのセパレータである。プロピレンカーボネート(PC)を溶媒とし、(C253(CH3)NBF4を電解質とする濃度1.8mol/lの溶液(東洋合成社製)を電解質液として用いた。
充放電測定は、北斗電工社製の測定器HJ−1001SM8を使用して、0と2.6Vとの間で充放電を行った。充放電電流密度1.6mA/cm2にて評価した。放電カーブから、評価用セルの静電容量(F/cc)を求めた。その結果を表1に示した。
実施例2
炭素繊維aに代えて炭素繊維b(チューブラー型賦活炭素繊維、繊維径20nm、アスペクト比500、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークがある、比表面積455m2/g、ラクトール基含量68mmol/kg、水酸基含量85mmol/kg、ラマンR値=1.63)を用いた以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維材Bを得た。炭素繊維材Bは、炭素繊維bと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Bは、5μm以上の凝集体が視野範囲内に一つも無いものであった。
前記炭素繊維材B 12質量部、および活性炭(BET比表面積802m2/g、平均径10.4μm、HK法による細孔容積分布において0.6〜0.8nmの範囲にピークがあり、ピーク値が0.010cm3/gで且つ全細孔容積値の0.7%)73質量部を、圧縮磨砕式微粉砕機に入れ、回転速度1800rpmでメカノフュージョン法による処理を20分間行って、活性炭粒子表面に炭素繊維材Aが被覆された炭素材料Bを得た。
前記炭素材料B 85質量部、フッ素樹脂(PTFE)10質量部、およびアセチレンブラック9質量部をメノウ乳鉢で混練して合剤を得た。この合剤を用いて実施例1と同じ方法で評価用セルを得、それの静電容量を測定した。その結果を表1に示した。
実施例3
炭素繊維aに代えて炭素繊維c(チューブラー型賦活炭素繊維、繊維径150nm、アスペクト比60、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークがある、比表面積226m2/g、ラクトール基含量100mmol/kg、水酸基含量75mmol/kg、ラマンR値=1.32)を用いた以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維材Cを得た。炭素繊維材Cは、炭素繊維cと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Cは、5μm以上の凝集体が視野範囲内に一つも無いものであった。
この炭素繊維材Cを用いて実施例1と同じ方法で評価用セルを得、それの静電容量を測定した。その結果を表1に示した。
実施例4
炭素繊維aに代えて単層カーボンナノチューブ(繊維径10nm、アスペクト比1000、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークがある、比表面積428m2/g、ラクトール基含量64mmol/kg、水酸基含量80mmol/kg、ラマンR値=1.60)を用いた以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維材Dを得た。炭素繊維材Dは、単層カーボンナノチューブと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Dは、5μm以上の凝集体が視野範囲内に一つも無いものであった。
この炭素繊維材Dを用いて実施例1と同じ方法で評価用セルを得、それの静電容量を測定した。その結果を表1に示した。
比較例1
炭素繊維e(ヘリンボーン型賦活炭素繊維、繊維径20nm、アスペクト比400、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークがある、比表面積455m2/g、ラクトール基含量80mmol/kg、水酸基含量110mmol/kg、ラマンR値=1.59)1質量部をエタノール(極性パラメータ4)に分散させて100℃、窒素雰囲気下にて、乳鉢で1時間磨りあわせた。該液をメタノールに分散させ、次いで0.1μmのメンブランフィルタでろ過した。ろ過固形分をメタノール10mlで6回ろ過洗浄した。200℃で12時間減圧乾燥して、炭素繊維材Eを得た。炭素繊維材Eは、炭素繊維eと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Eは、図4に示すように、5μm以上の凝集体(毛玉)が視野範囲内に多数存在するものであった。なお、実施例1で用いた炭素繊維aも図4に示すような凝集体を有していたが、前述のようにイオン性液体による処理によって凝集体を有しない炭素繊維材Aを調製することができた。
炭素繊維材Aに代えて炭素繊維材Eを用いた以外は実施例1と同じ方法で評価用セルを得、それの静電容量を測定した。その結果を表1に示した。
比較例2
炭素繊維aに代えてヘリンボーン型炭素繊維f(繊維径20nm、アスペクト比400、BJH法解析による細孔分布において1〜2nmの範囲にピークが無い、比表面積167m2/g、ラクトール基含量40mmol/kg、水酸基含量30mmol/kg、ラマンR値=1.60)を用いた以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維材Fを得た。炭素繊維材Fは、炭素繊維fと同じ繊維径、アスペクト比、細孔分布、ラマンR値、比表面積、ラクトール基含量、および水酸基含量を有するものであった。また、炭素繊維材Fは5μm以上の凝集体が視野範囲内に多数存在するものであった。
炭素繊維材Aに代えて炭素繊維材Fを用いた以外は実施例1と同じ方法で評価用セルを得、それの静電容量を測定した。その結果を表1に示した。
Figure 0005087466
表1に示すように、5μm以上の凝集体を含む炭素繊維を用いた電気二重層キャパシタ(比較例1および2)は、電極密度が高くても、電気容量が低い。これに対して、BET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まない、炭素繊維を用いた、本発明の電気二重層キャパシタでは、電極密度が高く且つ電気容量が高い。
本発明の電気二重層キャパシタに用いられる、炭素繊維の軸方向に対してグラフェンシート面の角度が大きいへリンボーン型炭素繊維を示す図である。 図1に示した炭素繊維の模式図(カップ状のグラフェンシートが積み重ねられ、且つ中空が軸方向に不連続に複数在る炭素繊維) 実施例で用いた評価用セルの断面図。 比較例1で用いた炭素繊維のSEM観察写真を示す図。
符号の説明
F:炭素繊維
V:中空
G:グラフェンシート面
1:上蓋
2:Oリング
3:集電体
4:絶縁体
5:容器
6:板ばね
7:分極性電極層
8:セパレータ

Claims (23)

  1. 炭素繊維1〜20質量部と活性炭100質量部とを含んでなる分極性電極層を有する分極性電極を備えた電気二重層キャパシタであって、
    該炭素繊維はBET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まず、
    前記活性炭はAr吸着等温線からHK法により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が0.08〜0.11cm 3 /gの範囲にあり且つ全細孔容積値の8〜11%の大きさであり、且つBET比表面積が700〜2200m 2 /gである、電気二重層キャパシタ。
  2. 分極性電極層は、炭素繊維を溶媒極性パラメータ(Reichadt’s Scale)4以上のイオン性液体の存在下にてせん断力を加えて解砕したものを用いて得たものである請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. イオン性液体は、アルキルイミダゾリウイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、およびアルキルホスホニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヘキサフロオロホスフェート、テトラフルオロボレート、メチルスルフェート、およびトリフルオロメタンスルフェートからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとで形成されるものである、請求項2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 炭素繊維1〜20質量部と活性炭100質量部とを含んでなる分極性電極層を有する分極性電極を備えた電気二重層キャパシタであって、
    炭素繊維はBET比表面積が30〜1000m 2 /gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで、直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まず、窒素吸着法によるBJH法解析により求めた細孔分布において、1〜2nmの範囲に少なくとも1つのピークを有し、且つ炭素繊維の軸方向に対してグラフェンシート面の角度が0°より大きく且つ90°未満である電気二重層キャパシタ。
  5. 炭素繊維は、繊維の長さ方向に沿って中空が不連続に複数並んで有するものまたはカップ状になったグラフェンシートが積み重ねられた構造を有するものが含まれるものであり、平均繊維径が1〜500nmで、且つアスペクト比が10〜15000である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 炭素繊維が、単層カーボンナノチューブである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  7. 炭素繊維1〜20質量部と活性炭100質量部とを含んでなる分極性電極層を有する分極性電極を備えた電気二重層キャパシタであって、
    該炭素繊維はBET比表面積が30〜1000m 2 /gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まず、
    分極性電極層は、メカノケミカル処理により炭素繊維が活性炭粒子表面に被覆されたものを含む電気二重層キャパシタ。
  8. メカノケミカル処理が、ハイブリタイゼーション法、メカノフュージョン法、シータコンポザ法、メカノミル法およびボールミル法からなる群から選ばれる少なくとも一つの手法で行われる処理である請求項7に記載の電気二重層キャパシタ。
  9. 活性炭の比表面積と炭素繊維の比表面積との合計値が800〜2300m2/gである請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  10. 活性炭は、Ar吸着等温線からHK法により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が0.08〜0.11cm3/gの範囲にあり且つ全細孔容積値の8〜11%の大きさであり、且つBET比表面積が700〜2200m2/gである請求項4、7または8に記載の電気二重層キャパシタ。
  11. 分極性電極層は、さらに導電性カーボンと、結着剤とを含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  12. 分極性電極は、集電体、導電性接着層および分極性電極層が積層されてなるものであり、該導電性接着層がイオン透過性を有する化合物と炭素微粒子とを含有するものからなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  13. イオン透過性を有する化合物が多糖類を架橋した化合物である請求項12に記載の電気二重層キャパシタ。
  14. イオン透過性を有する化合物が、アクリルアミド、アクリロニトリル、キトサンピロリドンカルボン酸塩、およびヒドロキシプロピルキトサンからなる群から選ばれる1種以上の架橋剤で、多糖類を架橋した化合物である請求項12に記載の電気二重層キャパシタ。
  15. 炭素微粒子が、針状あるいは棒状の炭素微粒子である請求項12〜14のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  16. 前記分極性電極を浸す電解質液をさらに備えており、
    該電解質液は、電解質のカチオンが第四級アンモニウムイオンおよび/または第四級イミダゾリウムイオンであり、カチオン半径が0.8nm以下であり、且つ粘度が25℃±1℃において40mPas以下である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  17. 分極性電極が、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびガラスからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる蓋シール材により封口されたステンレス鋼製又はアルミニウム製の容器に封入されてなる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  18. 分極性電極は、正極用分極性電極層及び負極用分極性電極層の対が並列に2以上接続されているものである請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  19. Ar吸着等温線からHK法により求めた細孔容積分布において、細孔径0.6〜0.8nmの範囲に細孔容積の最大値を示すピークaがあり、そのピークaの値が0.08〜0.11cm3/gの範囲にあり且つ全細孔容積値の8〜11%の大きさであり、且つBET比表面積が700〜2200m2/gである活性炭と、
    BET比表面積が30〜1000m2/gで、中和適定法により求められるラクトール基の量が50〜150mmol/kgで、水酸基の量が50〜150mmol/kgで且つ直径5μm以上の炭素繊維凝集体を含まない炭素繊維とを含む炭素材料。
  20. メカノケミカル処理により炭素繊維が活性炭粒子表面に被覆されたものを含む請求項19に記載の炭素材料。
  21. 請求項19または20に記載の炭素材料を含む分極性電極。
  22. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタを備える蓄電源装置。
  23. 二次電池をさらに備える、請求項22に記載の蓄電源装置。
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