JP5087444B2 - ミキサ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、ギルバートセル・ミキサ等に代表されるミキサ回路に関するものである。
特許文献1には、入力3次インターセプトポイントIIP3のピークを優先することは、多少なりとも変換電圧利得を犠牲にすることになり、それに伴って雑音指数NFが低下してしまうので、ミキサの性能を最大限に引出しているとは言えない。そこで、電源ライン間に第1の電流源、増幅段、スイッチ段および出力負荷が直列に接続され、前記増幅段およびスイッチ段に入力される第1および第2の信号を混合した出力を前記スイッチ段と出力負荷との間から出力するようにしたミキサ回路において、前記増幅段とスイッチ段との間にバイアス電流を供給することによって、該増幅段とスイッチ段との動作電流を個別に設定する第2の電流源を備え、前記第2の電流源によるバイパス電流の値を、出力3次インターセプトポイントOIP3が最大、つまり線形性が向上するように設定したミキサ回路が開示されている。
また、特許文献2には、カスコードではなく、反転端子を入力子とする演算増幅回路の出力がPMOSトランジスタのゲートにあたえられており、該PMOSトランジスタのドレイン側が抵抗を介して接地され、ソース側は電源に接続されている。この回路は前記抵抗の両端に入力端子に印加される電圧と同じ電圧を印加させて出力端子に電流を発生させるものである。前記PMOSトランジスタに流れる電流は入力電圧に比例したものとして取り出すことができるPLL回路が開示されている。
特開2004−104515公報 特開2006−33197公報
電気通信において情報を伝送するベースバンド信号の帯域を高周波側に周波数変換する(以下、「アップコンバージョン」という)ミキサ回路において、搬送波(高周波)とベースバンド信号を乗算する際、その搬送波の高調波を含む成分はLPFによって容易に除去し得る。しかし、ベースバンド信号の周波数は搬送波のそれと比べ低く設定されているため、基準搬送波周波数を中心としたベースバンド信号の高調波に関する成分はフィルタ等でも容易に除去できず、さらには図6に示すようにミキサ回路の中間周波数帯に入り込むおそれがある。
図6に示すω1は搬送波角周波数、ω2はベースバンド信号の角周波数である。この図6から破線で囲った不要信号が所望信号に近接することが分かる。
また、ベースバンド信号の帯域を低周波側に周波数変換する(以下、「ダウンコンバージョン」という)ミキサ回路において搬送波(高周波)とベースバンド信号を乗算する際においても、搬送波及びベースバンド信号の高調波に関する成分はLPFによって容易に除去し得る。しかし、搬送波−ベースバンド信号の高調波に関する成分はその周波数帯域が中間周波数のそれと比べても大きな違いがないため、LPF等でも容易に除去できず、さらには図7に示すようにミキサ回路の中間周波数帯に入り込むおそれがある。
図7に示すω1は搬送波角周波数、ω2はベースバンド信号の角周波数である。この図7から破線で囲った不要信号が所望信号に近接することが分かる。
以上のことから、ベースバンド信号の高調波成分が生じることは、アップコンバージョン及びダウンコンバージョン共に妨害信号を送受信することに繋がる。そのため、目的外の信号によって目的となる信号の送受信が妨げられることのないように、妨害排除能力を高めておくことが送受信性能として重要になる。
ここで、図8に上記の課題を解決することができるミキサ回路の一例を示す。
図8に示すミキサ回路は、搬送波変調部100と、ベースバンド信号の電圧−電流変換部110とにより構成される。搬送波変調部100のノードLO+、及びLO−には各々搬送波信号の同相成分、差動成分が入力され、変調された信号が負荷により差動出力OUT1及びOUT2として出力する。
このミキサ回路は、NMOSトランジスタを用い、ベースバンド信号が単相である構成となっている。ちなみにベースバンド信号が差動入力であるミキサ及び各種能動ミキサでも同様である。
電圧−電流変換部110では、ベースバンド信号を電流の形で搬送波変調部に伝達している。そのため、ベースバンド信号の高調波成分が発生しないよう、ベースバンド信号を電圧−電流変換するMOSトランジスタM1は、線形領域で動作することが望ましい。しかし、線形領域ではソース−ドレイン間電圧(片方が固定電位の場合はソースまたはドレイン電位)に変動が生じると、それがドレイン電流に比例関係で影響し、非線形要素が生じる。特に、図8に示すミキサ回路ではトランジスタM1のゲートに入力される信号が変動した際、ドレイン電流に変化が生じ、結果的にドレインの電位(ソース−ドレイン間電圧)に変動が生じる。
また、搬送波が入力される回路がトランジスタM1のドレイン側に接続されるため搬送波の影響も受けやすい。さらには線形領域で動作するため飽和領域のときに比べ利得が低くなってしまう。
当該影響を回避するためベースバンド信号を電圧−電流変換する際、トランジスタM1のドレインが変動するのを抑え、かつより高い利得を得るようにするため、トランジスタM2をカスコード接続しているような従来技術も存在する(例えば、Behzad Razavi著/黒田 忠広 監訳;アナログCMOS集積回路の設計 基礎編、第7刷、丸善株式会社、3.5節参照に記載の技術など)。なお、トランジスタM2のゲートはバイアス電圧で固定されている。
この回路において線形領域で動作しているトランジスタM1及びトランジスタM2のドレインに流れる電流I0に関する式を式(1)に示す。
Figure 0005087444
ただし、式内のβは、式(2)のようにチャネル幅W、チャネル長L及びプロセスによって決まる定数β0で表される。以降βの値は各トランジスタによって決められるものとする。
Figure 0005087444
式(1)の電流I0が流れている状態からVinが△Vinだけ変化し、それに伴いV1が△V1、I0が△I0だけ変化したものとすると、式(1)から式(3)が得られる。
Figure 0005087444
トランジスタM1に関する式(1)及び(3)から△I0に関する式(4)が求められる。
Figure 0005087444
ここで、トランジスタM1及びM2に流れる△I0は等しいので、トランジスタM1及びM2の各トランスコンダクタンスgm1、gm2を用いて式(5)が成立する。

Figure 0005087444
式(5)からトランジスタM2のトランスコンダクタンスによって、△Vinに対するトランジスタM1のドレイン電位の変動△V1が抑えられていることが分かる。
この式(5)を上述の式(4)に代入すると式(6)が得られ、その式(6)の△Vinの二乗に関する項が非線形項となる。
Figure 0005087444
式(6)からトランジスタM1のトランスコンダクタンスをより低く、トランジスタM2のトランスコンダクタンスをより高く設定することが望ましいことが分かる。そのため、トランジスタM2は飽和領域で動作させることが良いことも分かる。
しかし、ミキサ回路全体の利得もある程度必要なのでトランジスタM1の利得はゼロにはできない。それに伴いトランジスタM2のトランスコンダクタンスgm2も大きくなり、そのチャネル幅は著しく増大し、トランジスタM1及びM2のドレインに流れる電流値及びミキサ回路全体の電力消費も増大してしまうという問題点があった。
また、特許文献1で挙げられた回路によれば、回路を構成する素子が前記カスコード回路に比べ多くなり、チップ面積・消費電力量の増大や設計の煩雑さを招くという問題点があった。
さらに特許文献2では、電流に対する入力電圧の非線形成分を低く設定しようとすると線形成分も低くなり、十分な利得が得られない等の問題点があった。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、上述のように高い線形性を必要とする電圧−電流変換を行うカスコード回路において、電流に対するベースバンド信号の高い線形性を得、かつカスコード接続させるトランジスタのチャネル幅の節減及び回路全体のチップサイズの縮小化によりコスト削減を図ることができるミキサ回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、2つの入力信号を掛け合わせることによって周波数変換を行うミキサ回路において、少なくとも一つの線形領域で動作する第1MOSトランジスタを有する入力段、及び前記第1MOSトランジスタに対してカスコード接続された少なくとも1つの第2MOSトランジスタを有し、前記2つの入力信号のうち一方の信号を電圧−電流変換する電圧−電流変換回路と、前記第1MOSトランジスタのドレインと前記第2MOSトランジスタのゲートとの間に設けられ、前記第1MOSトランジスタのドレイン電位を前記第2MOSトランジスタのゲートにネガティブフィードバックするフィードバック回路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミキサ回路において、前記フィードバック回路は、レギュレーティング用増幅器を備え、前記第1MOSトランジスタのドレインに反転入力端子が接続され、出力端子が前記第2MOSトランジスタのゲートに接続されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミキサ回路において、前記レギュレーティング用増幅器は、第3MOSトランジスタによるソース接地増幅回路を含み、前記第1MOSトランジスタのドレインが前記第3MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第3MOSトランジスタのドレインが前記第2MOSトランジスタのゲートに接続されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のミキサ回路において、前記電圧−電流変換回路に入力される信号が単相であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のミキサ回路において、前記電圧−電流変換回路が2組設けられ、前記2組の電圧−電流変換回路に差動入力信号がそれぞれ入力されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のミキサ回路において、前記電圧−電流変換回路に入力される信号の帯域を高周波側に周波数変換することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のミキサ回路において、前記電圧−電流変換回路に入力される信号の帯域を低周波側に周波数変換することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のミキサ回路を2組有し、前記電圧−電流変換回路への入力信号をそれぞれ同相成分及び直交成分に分けて入力し、もう一方の入力信号である搬送波をそれぞれ同相成分及び直交成分に分けて前記各ミキサ回路に入力することを特徴とする
本発明のミキサ回路によれば、入力段として線形領域で動作し入力信号を電圧−電流変換する第1MOSトランジスタ、及びその第1MOSトランジスタにカスコード接続された第2MOSトランジスタを有し、線形領域で動作する第1MOSトランジスタのドレインもしくは第2MOSトランジスタのソースをカスコード接続された第2MOSトランジスタのゲートにネガティブフィードバックすることによって、入力信号に対する出力信号への線形性が高められる。さらには線形性向上とのトレードオフによって、カスコード接続された第2MOSトランジスタのチャネル幅の節減、及びそれに伴う消費電流の低減等、コストの削減を図ることもできる
以下、図面等を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るミキサ回路を示した図であり、第1の実施形態に係るミキサ回路は、搬送波変調部100と電圧−電流変換部1とにより構成される。搬送波変調部100のノードLO+、及びLO−には各々搬送波信号の同相成分、差動成分が入力され、変調された信号が負荷により差動出力OUT1及びOUT2として出力する。
電圧−電流変換部1は、線形領域で動作するトランジスタ(第1MOSトランジスタ)M1と、このトランジスタM1に対してカスコード接続され、ドレイン側が搬送波変調部100と接続されているトランジスタ(第2MOSトランジスタ)M2を有している。
そして、第1の実施形態では、トランジスタM1のドレイン(もしくはトランジスタM2のソース)とトランジスタM2のゲートとの間にネガティブフィードバックするフィードバック回路として、フィードバックゲインをAとするネガティブフィードバック増幅器(レギュレーティング用増幅器)A1を付加するようにした点に特徴がある。
ネガティブフィードバック増幅器A1は、トランジスタM1のドレインに反転入力端子が接続され、出力端子がトランジスタM2のゲートに接続され、トランジスタM1のドレイン電位の変動を負帰還させる回路として機能する。
具体的に式を用いて説明する。この回路において線形領域で動作しているトランジスタM1のドレインに流れる電流I0に関する式を式(7)に示す。
Figure 0005087444
式(7)の電流I0が流れている状態からVinが△Vinだけ変化し、それに伴いV1が△V1、V2がΔV2、I0が△I0だけ変化したものとすると式(7)から式(8)が得られる。
Figure 0005087444
トランジスタM1に関する式(7)及び(8)から△I0に関する式(9)が求められる。
Figure 0005087444
ここで、トランジスタM1及びM2に流れる△I0は等しいので、トランジスタM1及びM2の各トランスコンダクタンスgm1、gm2を用いて式(10)が成立する。
Figure 0005087444
さらに、ネガティブフィードバック増幅器A1において、式(11)のような関係式が成り立つので、この式(11)を上述の式(10)に代入すると式(12)が得られる。
Figure 0005087444

Figure 0005087444
式(12)と従来方法で得られた式(5)を比較してみると、当式の分母が(1+A)倍され、その分△Vinに対するトランジスタM1のドレイン電位の変動△V1を抑える効力が増えたことが分かる。
この式(12)を上述の式(9)に代入すると式(13)が得られ、その式(13)の△Vinの二乗に関する項が非線形項となる。
Figure 0005087444
式(13)からトランジスタM1のトランスコンダクタンスをより低く、トランジスタM2のトランスコンダクタンスをより高く設定することが望ましいことが分かる。そのため、トランジスタM2は飽和領域で動作させることが良いことも分かる。
以上説明したように、第1の実施形態のミキサ回路によれば、電圧−電流変換部1にネガティブフィードバック増幅器A1を付加したことにより、トランジスタM2のトランスコンダクタンスが(1+A)倍された形となり、非線形項がより低く調整できるため線形性を高めることが出来る。また、チャネル幅と線形性がトレードオフの関係となり、同じ非線形性を持つ場合においては、チップサイズの縮小及び消費電力の面からも効果的である。
次に本発明の第2の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
図2は第2の実施形態に係るミキサ回路を示した図であり、この図2に示す第2の実施形態に係るミキサ回路は、電圧−電流変換部10にレギュレーティング用増幅器として、トランジスタ(第3MOSトランジスタ)M3及び負荷Zからなるソース接地増幅器11を付加するようにした点に特徴がある。このソース接地増幅器11は、トランジスタM1のドレイン電位の変動を帰還させる回路として機能する。
トランジスタM1のドレイン電位V1は、トランジスタM3のゲートと接続されている。このドレイン電位V1の変動は、トランジスタM3を介して電流I1へと伝播される。そして負荷Zによって増幅された信号となって電位V2に表れる。
具体的に式を用いて計算する。トランジスタM3と負荷Zで構成されるソース接地増幅器11において、トランジスタM3のトランスコンダクタンスgm3を用いると式(14)のような関係式が成り立つので、前記第1の実施形態からgm3ZはゲインAに相当することが分かる。
Figure 0005087444
以上説明したように、第2の実施形態のミキサ回路によれば、フィードバック回路としてソース接地増幅器11を付加したことによりトランジスタM2のトランスコンダクタンスが(1+gm3Z)倍された形となり、非線形項がより低く調整できるため線形性を高めることが出来る。特許文献1の構成と比べても比較的少量の素子数で非線形性に対して対応が出来る。また、チャネル幅と線形性がトレードオフの関係となり、同じ非線形性を持つ場合においては、チップサイズの縮小及び消費電力の面からも効果的である。
次に本発明の第3の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
第3の実施形態のミキサ回路は、上記図1、図2に示した第1又は第2の実施形態のミキサ回路において、電圧−電流変換が単相のベースバンド信号によってなされること(シングルバランスという)を特徴とする。
このミキサ回路では、搬送波から出力へのフィードスルーが欠点としてあるが、ベースバンド入力段では電圧−電流変換によってベースバンド信号が搬送波との変調部に供給されることから、変換回路の非線形性によって生ずるベースバンド信号の高調波成分は必ずミキサ回路の出力に妨害波の発生を引き起こす。
以上説明したように、第3の実施形態に係るミキサ回路によれば、シングルバランス・ミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は肝要であることから、第1又は第2の実施形態のようなネガティブフィードバック増幅器を付加したカスコード回路で電圧−電流変換することによりその線形性を高めることは重要である。さらには妨害信号の抑制やチップサイズの縮小及び消費電力の面での効率化が図れる。
次に本発明の第4の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
図3は第4の実施形態に係るミキサ回路を示した図であり、この図3に示すミキサ回路は、搬送波変調部20及び電圧−電流変換部30からなり、搬送波変調部20及び電圧−電流変換部30は第1の実施形態のミキサ回路を二つ並べた構成になっている。特徴としては搬送波信号とベースバンド信号が共に差動入力されておりダブルバランスと呼ばれる。図3に示しているのは、その能動型の例であるギルバートセルの形式である。
第4の実施形態でも、ミキサとしての基本的な周波数変換方法は変わらない。入力段でベースバンド信号を電圧−電流変換し、ノードLO+及びLO−には各々搬送波信号の同相成分、差動成分が入力され、変調された信号が負荷によって差動出力OUT1及びOUT2として出力される。
シングルバランス・ミキサと比べ、ダブルバランス・ミキサの場合、搬送波変調部20のトランジスタM5−M6とトランジスタM7−M8の差動ペアを有しているので逆位相の搬送波信号を合わせることで、一次的な相殺を提供する。しかし、ベースバンド信号変換部は、シングルバランス・ミキサとの大きな変換方式の違いはなく、その高調波成分は直接出力へと影響する。
以上説明したように、第4の実施形態のミキサ回路によれば、ダブルバランス・ミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は肝要であるが、ネガティブフィードバック増幅器A1、A2を付加したことにより、トランジスタM2及びトランジスタM4のトランスコンダクタンスが(1+A)倍された形となり、非線形項がより低く調整できるため線形性を高めることが出来る。また、チャネル幅と線形性がトレードオフの関係となり、同じ非線形性を持つ場合においては、チップサイズの縮小及び消費電力の面からも効果的である。
次に本発明の第5の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
第5の実施形態に係るミキサ回路は、第1乃至第4の実施形態のミキサ回路において、ベースバンド信号の帯域を高周波側に周波数変換するミキサ回路を備えたものである。
このミキサ回路は、アップコンバージョンを行うため、アップコンバージョン・ミキサと呼ばれる。アップコンバージョンする際、その搬送波の高調波を含む成分はLPFによって容易に除去し得る。しかし、ベースバンド信号の周波数は搬送波のそれと比べ低く設定されているため、基準搬送波周波数を中心とした前記ベースバンド信号の高調波に関する成分は、フィルタ等でも容易に除去できず、さらにはミキサ回路の中間周波数帯に入り込むおそれがある(図6参照)。先に述べたように、図6のω1は搬送波角周波数、ω2はベースバンド信号の角周波数である。図6から破線で囲った不要信号が所望信号に近接することが分かる。
以上のことから、ベースバンド信号の高調波成分が生じることは不要信号を送受信することに繋がる。そのため、目的外の信号によって目的となる信号の送受信が妨げられることのないように、妨害排除能力を高めておくことが送受信性能として重要になる。
以上説明したように、第5の実施形態に係るミキサ回路によれば、アップコンバージョン・ミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は肝要であることから、第1乃至第4の実施形態のようなネガティブフィードバック増幅器を付加したカスコード回路で電圧−電流変換することによりその線形性を高めることは重要である。さらには妨害信号の抑制やチップサイズの縮小及び消費電力の面での効率化が図れる。
次に本発明の第6の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
第6の実施形態に係るミキサ回路は、第1乃至第4の実施形態のミキサ回路において、ベースバンド信号の帯域を低周波側に周波数変換するミキサ回路を備えたものである。
このミキサ回路は、ダウンコンバージョンを行うためダウンコンバージョン・ミキサと呼ばれる。ダウンコンバージョンする際、搬送波及びベースバンド信号の高調波に関する成分はLPFによって容易に除去し得る。しかし、搬送波−ベースバンド信号の高調波に関する成分は、その周波数帯域が中間周波数のそれと比べても大きな違いがないため、LPF等でも容易に除去できず、さらにはミキサ回路の中間周波数帯に入り込むおそれがある(図7参照)。先に述べたように、図7のω1は搬送波角周波数、ω2はベースバンド信号の角周波数である。図7から破線で囲った不要信号が所望信号に近接することが分かる。
以上のことから、ベースバンド信号の高調波成分が生じることは不要信号を送受信することに繋がる。そのため、目的外の信号によって目的となる信号の送受信が妨げられることのないように、妨害排除能力を高めておくことが送受信性能として重要になる。
以上説明したように、第6の実施形態のミキサ回路によれば、ダウンコンバージョン・ミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は肝要であることから、第1乃至4の実施形態のようなネガティブフィードバック増幅器を付加したカスコード回路で電圧−電流変換することによりその線形性を高めることは重要である。
さらには妨害信号の抑制やチップサイズの縮小及び消費電力の面での効率化が図れる。しかし、本実施形態ではベースバンド信号と搬送波信号が比較的近接するので、ベースバンド信号も比較的高周波となる。そのため、その周波数帯がフィードバック増幅器の遮断周波数を超えてしまう場合、フィードバック増幅器での利得の減少や位相遅れ等が顕著になり、変換回路の性能が十分に出せなかったり、さらにはミキサ回路全体の性能を削ぐとこにもなりかねないので注意が必要である。
次に本発明の第7の実施形態に係るミキサ回路について説明する。
図4は第7の実施形態に係るミキサ回路のブロック図であり、この図4において、第1の乗算記号MIX1及び第2の乗算記号MIX2は、第1乃至第6の実施形態におけるミキサ回路を示している。したがって、第7の実施形態では、ミキサ回路を二つ並べた構成となる。また、入力信号は大きく分けて4つあり、搬送波信号(ω1)及びベースバンド信号(ω2)とそれぞれの信号を90°位相シフトしたものが各ミキサMIX1、MIX2に入力される。
各同相信号及び直交信号が入力されると、式(15)または式(16)のような関係になり、片側波帯(シングルサイドバンド)が生成される。搬送波信号とベースバンド信号の組み合わせによってアッパー(周波数の和)かロアー(周波数の差)かが決定される。
Figure 0005087444

Figure 0005087444
ここで、各ミキサ回路は前述のミキサと同様の変換方式で周波数変換されるが、第7の実施形態のミキサ回路にはミキサが2つ含まれている。搬送波信号(ω1)とベースバンド信号(ω2)の高調波信号は、それぞれのミキサの入力において存在するために、そこでそれぞれがミキシングされ、いくつかの高調波を生み出すこととなる。そして、最終的に各ミキサ回路の出力の和が全体としての出力となる。
そのため、周波数の差を出力するミキサ回路では、ダウン及びアップコンバージョン共にベースバンド信号の高調波成分が発生する場合、所望波付近に妨害波が入り込む可能性があり、それがさらにミキサ2つ分の大きさとして現れてしまう。
同様に、周波数の和を出力するミキサ回路でもベースバンド信号の周波数帯が搬送波信号のそれと比べて小さい時、ベースバンド信号の高調波成分が発生すると所望波付近に妨害波が入り込む可能性があり、それがさらにミキサ2つ分の大きさとして現れてしまう。
このように、片側波帯(シングルサイドバンド)を生成するミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は非常に重要であることがわかる。
特に、第7の実施形態では、2つのミキサ回路の出力の和を全体の出力としているので、ベースバンド信号による高調波の発生(非線形性)には十分な注意が必要である。
さらにはミキサ回路が2つ増えることで、回路内のベースバンド信号入力段も倍増する。また、そのなかで線形性を十分に保つ入力段を2つのトランジスタを有するカスコード回路のみで構成するにはトランジスタのチャネル幅等が著しく大きくなり、チップ全体のサイズ(コスト)や消費電力の面で大きな劣化に繋がる。
以上説明したように、第7の実施形態に係るミキサ回路によれば、片側波帯(シングルサイドバンド)を生成するミキサにおいても電流に対するベースバンド信号の線形性は肝要である。さらにはミキサ回路を2つ有することから、ミキサの非線形性による妨害波やチップサイズの増大は単体のミキサに比べて回路全体の性能に大きく影響する。そのため、第1乃至6の実施形態のようなネガティブフィードバック増幅器を付加したカスコード回路で電圧−電流変換することによりその線形性を高めることは重要である。さらには妨害信号の抑制やチップサイズの縮小及び消費電力の面での効率化が図れ、その効果は単体のミキサに比べ大きなものとなる。
次に本発明の第8の実施形態に係る無線通信装置について説明する。
本発明の第8の実施形態に係る無線通信装置は、第1乃至第7の実施形態のミキサ回路を備え、電気通信において情報を伝送する信号に関して高い線形性を有している点に特徴がある。
無線通信システムを取り巻く環境は、とりわけ都市部における環境は非常に悪く、無線端末の設計には厳しい制約が課せられる。最も厳しい制約は、各利用者に割り当てられた周波数帯域が非常に狭いということである。
各利用者に割り当てられた周波数が狭いことは、ベースバンド信号入力段の設計に大きな影響を与える。送信側では歪の少ない変調をし、受信側では強い妨害信号が所望信号に隣接していてもそれを除去できなければならない。したがって、ミキサの線形性は非常に重要なこととなる。
第1乃至第7の実施形態では、ベースバンド信号が唯一つの周波数を持つとして説明したが、前述のような現実の環境では周波数帯域が非常に狭い中で多種の周波数を持つ信号が送受信されることがある。そのような環境では、ミキサ回路に非線形性があるときに2つの非常に近接した周波数が信号として入力された場合、奇数次の歪がこれらの近傍に発生してしまう。これは、本来存在していない信号を回路内部で勝手に作り出しているわけで、もしその妨害信号付近に所望する受信・送信信号があるならば、それを妨げることになる。これをインターモジュレーション(相互変調)という(図5参照)。
そのため、多くの周波数がベースバンド信号に含まれるときには、そのミキサ回路の線形性は実用上大きな問題となる。そのベースバンド信号を電圧−電流変換する部分は特に重要となる装置である。
以上説明したように、本発明の第8の実施形態によれば、電気通信において情報を伝送する信号に関して高い線形性を必要とする無線通信装置においては、相互変調の問題等も加わり、電圧−電流変換においてリニア動作をする能力が大変重要になる。そのため、第1乃至第7の実施形態のようなネガティブフィードバック増幅器を付加したカスコード回路で電圧−電流変換することによりその線形性を高めることは重要である。さらには妨害信号の抑制やチップサイズの縮小及び消費電力の面での効率化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るミキサ回路を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係るミキサ回路を示した図である。 本発明の第4の実施形態に係るミキサ回路を示した図である。 本発明の第7の実施形態に係るミキサ回路のブロック図である。 ミキサ回路におけるインターモジュレーションの説明図である。 従来のミキサ回路の問題点を説明する図である。 従来のミキサ回路の問題点を説明する図である。 従来のミキサ回路の一例を示した図である。
符号の説明
1、10、30…電流変換部、11…ソース接地増幅器、20、100…搬送波変調部、A1、A2…ネガティブフィードバック増幅器、M1〜M8…トランジスタ、MIX…ミキサ

Claims (8)

  1. 2つの入力信号を掛け合わせることによって周波数変換を行うミキサ回路において、
    少なくとも一つの線形領域で動作する第1MOSトランジスタを有する入力段、及び前記第1MOSトランジスタに対してカスコード接続された少なくとも1つの第2MOSトランジスタを有し、前記2つの入力信号のうち一方の信号を電圧−電流変換する電圧−電流変換回路と、
    前記第1MOSトランジスタのドレインと前記第2MOSトランジスタのゲートとの間に設けられ、前記第1MOSトランジスタのドレイン電位を前記第2MOSトランジスタのゲートにネガティブフィードバックするフィードバック回路と、
    を備えたことを特徴とするミキサ回路。
  2. 請求項1に記載のミキサ回路において、
    前記フィードバック回路は、レギュレーティング用増幅器を備え、前記第1MOSトランジスタのドレインに反転入力端子が接続され、出力端子が前記第2MOSトランジスタのゲートに接続されることを特徴とするミキサ回路。
  3. 請求項2に記載のミキサ回路において、
    前記レギュレーティング用増幅器は、第3MOSトランジスタによるソース接地増幅回路を含み、前記第1MOSトランジスタのドレインが前記第3MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第3MOSトランジスタのドレインが前記第2MOSトランジスタのゲートに接続されることを特徴とするミキサ回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のミキサ回路において、
    前記電圧−電流変換回路に入力される信号が単相であることを特徴とするミキサ回路。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のミキサ回路において、
    前記電圧−電流変換回路が2組設けられ、前記2組の電圧−電流変換回路に差動入力信号がそれぞれ入力されることを特徴とするミキサ回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のミキサ回路において、
    前記電圧−電流変換回路に入力される信号の帯域を高周波側に周波数変換することを特徴とするミキサ回路。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載のミキサ回路において、
    前記電圧−電流変換回路に入力される信号の帯域を低周波側に周波数変換することを特徴とするミキサ回路。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のミキサ回路を2組有し、前記電圧−電流変換回路への入力信号をそれぞれ同相成分及び直交成分に分けて入力し、もう一方の入力信号である搬送波をそれぞれ同相成分及び直交成分に分けて前記各ミキサ回路に入力することを特徴とするミキサ回路
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