JP5086779B2 - 磁気検出コイルおよび磁場計測装置 - Google Patents

磁気検出コイルおよび磁場計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気検出コイルおよび磁場計測装置の技術に関する。
従来、心磁計測や脳磁計測に用いられる生体磁場計測装置は、対象となる生体の磁気信号を超伝導線から構成される磁気検出コイルによって検出し、超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device:以後SQUIDと略す)に伝達するという方法が採用されている。SQUIDは、超伝導リングにJosephson接合を持つ構造を持ち、SQUIDを貫く磁束に応じて、Josephson接合両端の電圧が周期Φ=h/2e(Wb)で周期的に変化する。
心磁計あるいは脳磁計などの生体磁場計測装置では、一般的に、超伝導線で構成される磁気検出コイルにより計測対象の磁気信号を磁束として検出し、検出した磁束をSQUIDに伝達するという方法が採用されている。磁気検出コイルは、環境磁場によるノイズを除去し、S/N(Signal/Noise)比を高める役割を担う。
図9は、一般的な磁場計測装置におけるFLL(Flux Locked Loop)回路の構成を示す図である。
FLL回路1300において、磁気検出コイル1301を貫く磁束によって発生する電流は、磁気検出コイル1301と入力コイル1302とを流れる。その結果、入力コイル1302は磁束を発生し、これがSQUID1303に伝達される。SQUID1303は、超伝導リングにJosephson接合を持つ構造であり、バイアス電流源1305により、SQUID1303にはバイアス電流が印加される。SQUID1303を貫く磁束に応じて、SQUID1303の両端の電圧は周期Φ=h/2e(Wb)で周期的に変化する。FLL回路1300においては、SQUID1303の後段にフィードバック回路を設け、プリアンプ1306、積分器1307、フィードバック抵抗1308を介した後に、フィードバックコイル1304によってSQUID1303を貫く磁束の変化を打ち消すように磁束がフィードバックされる。
そして、フィードバック抵抗1308の両端の電位差を取得することで、フィードバックコイル1304を流れる電流値を得ることができる。そして、この電流値を基に、SQUID1303を貫く磁束を算出することができる。
このような構成を持つ回路はFLL回路と呼ばれる。FLL回路1300により磁気検出コイル1301で検出した磁場に比例した電圧出力を得ることができる。
ここで、図10を参照して、生体磁場計測装置に使用される一般的な磁気検出コイルについて説明する。
図10は、生体磁場計測装置に使用される一般的な磁気検出コイルの模式図であり、(a)は、0次微分型コイル(マグネトメータ)、(b)は、1次微分型コイル、(c)は、2次微分型コイル、(d)は、薄膜基板上に形成された0次微分型コイル、(e)は、薄膜基板上に形成された1次微分型コイルである。
このように、磁気検出コイルは、超伝導線を円柱型のボビンに巻きつけて構成する方式、あるいは基板上に薄膜を形成して構成する方式が一般的に採用されている。
図10(a)の0次微分型コイル181は、ボビン1811に超伝導線材を1ターン巻きつけて形成したコイル181aを持つ。この構成により、0次微分型コイル181が検出する下記(式1)の磁束Φはコイル181aを貫く磁束Φ181aを用いて、次のように表される。
Φ=Φ181a ・・・(式1)
つまり、磁束Φはコイル181aを貫く磁束Φ181aと等しいので、0次微分型コイル181は、後記する1次微分型コイルまたは2次微分型コイルに比べて大きい磁気信号が得られる一方で、環境磁場が全く低減されない。すなわち環境磁場によるノイズの影響をダイレクトに検出してしまう。従って、0次微分型コイル181は、磁気シールドルーム内で使用されることが多い。
なお、本明細書では、コイルの中心間の距離を中心間距離と記載することとする。
また、図10(a)に示す磁束Φが正の磁気信号であるとしたとき、0次微分型コイル181には検出コイルに沿って描かれた細い矢印の方向に電流が流れる。以後、図10(a)にように磁束が上向きの磁気信号を正の磁気信号であるとし、正の磁気信号が検出されたときにコイルに流れる電流の方向を細い矢印によって表すものとする。
図10(b)の1次微分型コイル182は、ボビン1821に超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル182aと、コイル182aから後記する垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向とは逆向きである第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル182bを持つ。この構成により、1次微分型コイル182が検出する下記(式2)の磁束ΦG1は、コイル182aを貫く磁束Φ182aとコイル182bを貫く磁束Φ182bとを用いて、次のように表される。
ΦG1=Φ182a−Φ182b ・・・(式2)
ここで、磁束Φ182bが負の値となっているのは、コイル182bが逆向きに巻かれていることに起因する。
なお、本明細書では、このように差分をとることを適宜「微分する」と表現する。そして、1回差分をとることを1次微分、2回差分をとることを2次微分と表現する。
ここで、コイル182aは、検出対象の近傍に存在し、コイル182bは、比較的遠方に存在する。このため、空間的に一様な環境磁場は打ち消され、検出対象の磁束のみが検出される。
なお、本明細書では、コイル面に対し、垂直な方向を垂直方向、コイル面に対し平行な方向を水平方向とする。なお、垂直方向を磁場計測方向とすることができる。
図10(c)の2次微分型コイル183は、ボビン1831に超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル183aと、コイル183aから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向とは逆向きの第2の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル183bと、コイル183bから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル183cを持つ。この構成により、2次微分型コイル183が検出する下記(式3)の磁束ΦG2は、コイル183aを貫く磁束Φ183aとコイル183bを貫く磁束Φ183bとコイル183cを貫く磁束Φ183cとを用いて、次のように表される。
ΦG2=Φ183a−2Φ183b+Φ183c ・・・(式3)
このように、2次微分型コイル183では、垂直方向に対し、2段階に分けて微分することによって、空間的に一様な環境磁場または1次勾配をもつ環境磁場を低減することができる。その結果、空間的に一様な環境磁場のみを低減することができる1次微分型コイルを用いた場合よりも環境磁場を低減することができる。一方で、磁気信号がコイル183bを貫く磁束Φ183bやコイル183cを貫く磁束Φ183cに含まれる場合は磁気信号も低減されて2次微分型コイル183に検出される。
超伝導線材を用いずに磁気検出コイルを構成する方法として、超伝導薄膜を用いる方法がある。図10(d)では、超伝導薄膜を基板1841上に形成させることによって、0次微分型コイル184を構成している。コイル184aで検出された磁束Φ184aは、基板1841上に形成されたSQUID1842に伝達される。図10(e)では、同様に超伝導薄膜を基板1851上に、互いに逆向きのコイル185a,185bを形成することによって、1次微分型コイル185を構成している。コイル185aで検出された磁束Φ185aと、コイル22bで検出された磁束Φ185bの差分Φ185a−Φ185bが基板1851上に形成されたSQUID1852に伝達される。この超伝導薄膜を用いる方法の効果としては、磁気検出コイルの面積を正確に指定して形成できるという点がある。
また、これらの微分型コイルの考え方を基本として、これまでに磁気検出コイルの配置の形状として、幾つかの種類が提案されており、そのような配置のひとつとして、微分次数の異なる複数種の磁気検出コイルを同一測定点に配置し、生体内の磁場源または磁場源分布を演算し、推定する方法が特許文献1にて提案されている。
図11は、特許文献2に係る磁気検出コイルを示す斜視図である。
特許文献2では、例えば図11の磁気検出コイル200のように、異なる2方向の磁場勾配を差分する磁気検出コイルが提案されている。ここで、図11に示す磁気検出コイル200は、図10(c)に示す2次微分型コイル201a,201bを、x軸方向に差分をとるよう構成されている。
特開平09−084777号公報 特開2007−108083号公報
しかしながら、従来の微分型コイルは、図10に示すような、ある1方向に微分された磁場を検出する構成では、磁気シールドレス環境など、環境磁場が大きい場合において環境磁場が十分に低減されないという課題があった。環境磁場を低減するためには、微分型コイルの次数を高くするという方法があるが、この方法では、環境磁場は低減するものの、検出対象である磁気信号も同時に低減してしまうという問題がある。
また、超伝導薄膜を用いる方法では、薄膜の性質上、磁気検出コイルを立体的な構造に形成するのが困難であるという問題がある。
また、微分型コイルの次数を上げれば、環境磁場は低減するが、一方で磁気信号も低減するというトレードオフが存在する。従来、生体磁場計測においては、環境磁場の大きさに応じて、磁気シールドルームを併用しながら、マグネトメータ、1次微分型コイルまたは2次微分型コイルが一般的に採用されてきた。
さらに、図10(a)〜(c)に示す立体構造を有する種類の磁気検出コイルと、図10(d)および(e)に示す超伝導薄膜上に形成される種類の磁気検出コイルとは、その使用目的、構造および製造方法が異なるため、これら2種類のコイルを組み合わせることを発想するのは困難である。
また、特許文献2の方法では、特許文献1に記載の技術などよりも環境磁場は低減するものの、信号源となる電流の方向によって信号強度も減少してしまうという問題がある。すなわち、図11を参照して説明すると、x軸に対し、平行に流れる電流では、良好な検出感度を示すが、y軸に対し、平行に流れる電流、すなわち、磁気検出コイル200を構成する2次微分型コイルの中心を結ぶ線に対し、垂直な方向に流れる電流に対しては、検出感度が、大幅に低減するという問題がある。さらに、環境磁場が、大きい場合には十分に環境磁場が低減されないという問題がある。
すなわち、従来の微分型コイルでは、環境磁場が大きい場合には、環境磁場が十分に低減されないという問題や、信号源となる電流の方向によって信号強度も環境磁場と共に減少してしまうという問題がある。
前記問題に鑑みて、本発明では、信号源の電流方向によらずに、安定した磁気信号の検出を可能とすることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、1本の線材である超伝導体または金属部材によって構成される磁気検出コイルであって、第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う第2の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、第3の微分型コイル、および前記第3の微分型コイルと隣り合う第4の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、前記第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う前記第3の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、当該4つの微分型コイルの中心を結んだ図形が平行四辺形となるよう配置されることを特徴とする磁気検出コイル、およびこの磁気検出コイルを使用した磁場計測装置である。
本発明によれば、信号源の電流方向によらずに、安定した磁気信号の検出が可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の図面においては、同一機能をもつ構成要素には同じ参照番号を付している。
以下の実施形態における装置で使用される磁気検出コイル1を構成する超伝導材料として、低温(例えば、液体ヘリウム温度)において超伝導体として作用する低温の超伝導転移温度をもつ低温超伝導材料、または高温(例えば、液体窒素温度)で超伝導体として作用する高温の超伝導転移温度をもつ高温超伝導材料が使用できる。液体ヘリウム温度と液体窒素温度の間の超伝導転移温度とをもつ超伝導材料、液体窒素温度より高い超伝導転移温度をもつ超伝導材料を使用してもよい。また、磁気検出コイル1を構成する部材は、銅等の電気伝導率の高い金属も使用できるものとする。
[磁気検出コイル その1]
図1は、本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である。
本実施形態の磁気検出コイル1a(1)は、1本の線材で構成されている1次微分型コイル11〜14を有して構成されている。
1次微分型コイル11(第1の微分型コイル)は、ボビンに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル11aと、コイル11aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向とは逆向きの第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル11bとを有している。コイル11aと、コイル11bとを逆向きとすることで、コイル11aで検出した磁束から、コイル11bで検出した磁束を差分する(第1の方向の差分)。
そして、1次微分型コイル12(第2の微分型コイル)は、1次微分型コイル11と隣り合い、コイル11aからx軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル12aと、コイル12aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル12bとを有している。さらに、1次微分型コイル13(第3の微分型コイル)は、1次微分型コイル11と隣り合い、コイル11aからy軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル13aと、コイル13aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル13bとを有している。また、1次微分型コイル14(第4の微分型コイル)は、1次微分型コイル13と隣り合い、コイル13aからx軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル14aと、コイル14aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル14bとを有してなる。
1次微分型コイル12〜14においても、1次微分型コイル11と同様の方法で、第1の方向の差分をとる。
そして、交差部15で線材を交差させることにより、1次微分型コイル12で検出した磁束から、1次微分型コイル11で検出した磁束を差分する(第2の方向の差分)。同様に、交差部16で線材を交差させることにより、1次微分型コイル14で検出した磁束から、1次微分型コイル13で検出した磁束を差分する(第2の方向の差分)。
さらに、交差部17で線材を交差させることにより、1次微分型コイル13および1次微分型コイル14における第2の方向の差分結果から、1次微分型コイル12および1次微分型コイル11における第2の方向の差分結果をさらに差分する(第3の方向の差分)。
ここで、磁気検出コイル1aは、前記したように、1本の線材からなる。また、コイル11a、コイル12a、コイル13a、コイル14aはそれぞれ同一平面上に存在し、またコイル11b、コイル12b、コイル13b、コイル14bはそれぞれ同一平面上に存在する。つまり、4個の1次微分型コイルが、所定の間隔で並列に配置されている。
この構成により、磁気検出コイル1aが検出する磁束ΦP1は、コイル11a、11b、12a、12b、13a、13b、14a、14bの各コイルを貫く磁束をそれぞれ、Φ11a、Φ11b、Φ12a、Φ12b、Φ13a、Φ13b、Φ14a、Φ14bとおくと、(式4)のように表すことができる。
ΦP1=[(Φ11a−Φ11b)−(Φ12a−Φ12b)]−[(Φ13a−Φ13b)−(Φ14a−Φ14b)] ・・・(式4)
つまり、本実施形態の磁気検出コイル1aは、z軸方向に1次微分(小括弧内:第1の方向の差分)された磁場をx軸方向に1次微分し(大括弧内:第2の方向の差分)、さらにy軸方向に1次微分(第3の方向の差分)する磁気検出コイルである。すなわち、磁気検出コイル1aは、3つの異なる方向にそれぞれ1次微分された磁場を検出する磁気検出コイルである。この構成により、磁気検出コイル1aは、図10(b)の1次微分型コイル182を用いた場合よりも、計3回にわたって環境磁場を減算するため、環境磁場を低減することができる。
[磁気検出コイル その2]
図2は、本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である。
磁気検出コイル1b(1)は、1本の線材で構成されている2次微分型コイル21〜24を有して構成されている。
2次微分型コイル21(第1の微分型コイル)は、ボビンに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル21aと、コイル21aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向とは逆向きの第2の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル21bと、コイル21bからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル21cとを有してなる。このような構成とすることで、コイル21aで検出した磁束およびコイル21cで検出した磁束の加算値から、コイル21bで検出した磁束の2倍の値を減算する(第1の方向の差分)。
そして、2次微分型コイル22(第2の微分型コイル)は、2次微分型コイル21と隣り合い、コイル21aからx軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル22aと、コイル22aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル22bと、コイル22bからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル22cとを有してなる。
さらに、2次微分型コイル23(第3の微分型コイル)は、2次微分型コイル21と隣り合い、コイル21aからy軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル23aと、コイル23aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル23bと、コイル23bからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル23cとを有してなる。また、2次微分型コイル24(第3の微分型コイル)は、2次微分型コイル23と隣り合い、コイル23aからx軸の負の方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビンに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル24aと、コイル24aからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第2の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル24bと、コイル24bからz軸の正の方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル24cとを有する。
2次微分型コイル22〜24においても、2次微分型コイル21と同様の方法で、第1の方向の差分をとる。
そして、交差部25で線材を交差させることにより、2次微分型コイル22で検出した磁束から、2次微分型コイル21で検出した磁束を差分する(第2の方向の差分)。同様に、交差部26で線材を交差させることにより、2次微分型コイル24で検出した磁束から、2次微分型コイル23で検出した磁束を差分する(第2の方向の差分)。
さらに、交差部27で線材を交差させることにより、2次微分型コイル23および2次微分型コイル24における第2の方向の差分結果から、2次微分型コイル22および2次微分型コイル21における第2の方向の差分結果をさらに差分する(第3の方向の差分)。
ここで、磁気検出コイル1bは、前記したように1本の線材からなる。ここで、コイル21a、コイル22a、コイル23a、コイル24aはそれぞれ同一平面上に存在し、コイル21b、コイル22b、コイル23b、コイル24bはそれぞれ同一平面上に存在し、またコイル21c、コイル22c、コイル23c、コイル24cはそれぞれ同一平面上に存在する。つまり、4個の2次微分型コイルが、所定の間隔で並列に配置されている。
この構成により、磁気検出コイル1bが検出する下記(式5)の磁束ΦP2は、コイル21a、21b、21c、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24cの各コイルを貫く磁束をそれぞれ、Φ21a、Φ21b、Φ21c、Φ22a、Φ22b、Φ22c、Φ23a、Φ23b、Φ23c、Φ24a、Φ24b、Φ24cとおくと、次のように表すことができる。
ΦP2=[(Φ21a−2Φ21b+Φ21c)−(Φ22a−2Φ22b+Φ22c)]−[(Φ23a−2Φ23b+Φ23c)−(Φ24a−2Φ24b+Φ24c)] ・・・(式5)
つまり、本実施形態の磁気検出コイル1bは、z軸方向に2次微分された(小括弧内:第1の方向の差分)磁場をx軸方向に1次微分し(大括弧内:第2の方向の差分)、さらにy軸方向に1次微分する(第3の方向の差分)磁気検出コイル1bである。すなわち、磁気検出コイル1bは、3つの異なる方向にそれぞれ1次微分あるいは2次微分された磁場を検出する磁気検出コイルである。この構成により、磁気検出コイル1bは、図10(c)の2次微分型コイル183を用いた場合よりも環境磁場を低減することができる。
なお、図1および図2に示す磁気検出コイル1a,1bは、コイルの形状が円筒状であるとしているが、これに限らず、例えば多角形状のコイルを用いてもよい。また、図1および図2に示す磁気検出コイル1a,1bは、磁場を微分する3方向が直交するとしているが、これに限らず、微分する3方向が直交していなくてもよい。このとき、各コイルの中心を結んだ図形が平行四辺形を形成する必要がある。この場合、例えば図2において、コイル21a、コイル22a、コイル23a、コイル24aはそれぞれ同一平面上に存在しなくてもよい。他のコイルについても同様に、それぞれが同一平面状に存在するとは限らない。
[シミュレーション結果]
次に、図3から図4を参照して、本実施形態における磁気検出コイル1が検出する磁気信号の信号強度(以降、信号強度と記載する)に対する効果を説明する。
シミュレーションに用いた磁場信号源として、約30週の典型的な胎児の心筋電流ダイポールを仮定した(“A vector fetal magnetocardiogram system with high sensitivity”A. Kandori, T. Miyashita, and K. Tsukada, Review of Scientific Instruments (米国), 1999年12月,第70巻,p.4702 参照)。電流ダイポールQは、電流が1点 r=(0,0,−z) に集中していると仮定し、電流密度をJ(r)として以下の式で定義される(“Basic mathematical and electromagnetic concepts of the biomagnetic inverse problem”J. Sarvas, Physics in Medicine and Biology, 1987年1月, 第32巻, p.11参照)。
J(r)=δ(r−r)・Q ・・・(式6)
ここで、δ(r−r)はデルタ関数を表す。したがって、電流ダイポールQがつくる磁場B(r)は以下の式で表される。
B(r)=(μ/4π)Q×(r−r) /|r−r ・・・(式7)
ここで、胎児の心筋電流ダイポールをQ=(250cosθ,250sinθ,0)(nA・m)とし、磁気検出コイルから電流ダイポールQまでの距離をz=49(mm)、軸方向のコイル間距離は50(mm)をとした。μ=4π/10は真空の透磁率を表す。
ここで、図10(c)、図11、図2を参照しつつ、図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)および図4を参照して、各磁気検出コイル1b,183,200が検出する信号強度の説明をする。
図3は、θ=0(度)、すなわち、電流ダイポールQ=(250,0,0)(nA・m)が存在する時の各磁気検出コイル1b,183,200の信号強度の分布であり、(a)は、図10(c)に示す2次微分型コイルを使用した場合、(b)は、図11に示す磁気検出コイルを使用した場合、(c)は、図2に示す磁気検出コイルを使用した場合を示す。
図3(a)は、図10(c)に示される2次微分型コイル183が検出する信号強度の分布である。図3(a)では、2次微分型コイル183のコイル183aの中心位置をグラフ上の(x,y,0)(m)とする。ここで、信号強度の絶対値は、(x,y)=(0,±30)(mm)で最大値2.8pTをとる。
図3(b)は、図11に示される磁気検出コイル200が検出する信号強度の分布である。図3(b)では、磁気検出コイル200におけるコイル201aの中心P201aとコイル202aの中心P202aの中点をグラフ上の(x,y,0)(m)とする。ここで、信号強度の絶対値は、(x,y)=(−35,±30)(mm)で最大値2.3pTをとる。
図3(c)は、図2に示される磁気検出コイル1bが検出する信号強度の分布である。磁気検出コイル1bにおけるコイル21a、22a、23a、24aの中心をそれぞれP21a、P22a、P23a、P24aとすると、図3(c)では、P21a、P22a、P23a、P24aの重心をグラフ上の(x,y,0)(m)とする。ここで、信号強度の絶対値は、(x,y)=(±35,0)(mm)で最大値4.5pTをとる。したがって、θ=0(度)の場合では、3つの磁気検出コイル1b,183,200のうち、図2に示される磁気検出コイル1bが最大の信号強度を検出することがわかる。
なお、ここで、r,r,J(r),B(r)およびQは、それぞれベクトルである。
図4は、電流ダイポールの角度θと、各磁気検出コイルが検出する信号強度の絶対値の最大値との関係を表すグラフである。
ここで、図4における曲線103、曲線102および曲線101は、それぞれ、図10(c)に示される2次微分型コイル183、図11に示される磁気検出コイル200および図2に示される磁気検出コイル1b)が検出する信号強度の絶対値の最大値を表す。図10(c)に示される2次微分型コイル183が検出する信号強度の絶対値の最大値は、電流ダイポールの角度θによらず2.8pTで一定である。また、図11に示される磁気検出コイル200が検出する信号強度の絶対値の最大値は、θ=0の時に最小値2.3pTをとり、θ=90の時に最大値5.6pTをとる。さらに、図2に示される磁気検出コイル1bが検出する信号強度の絶対値の最大値は、θ=45の時に最小値3.2pTをとり、θ=0および90のときに最大値4.5pTをとる。
以上の結果より、曲線101〜103のうち、電流ダイポールの角度θによらず安定に信号強度を確保するのは最小値が最も大きい曲線101であることがわかる。すなわち、図2に示される磁気検出コイル1bが安定に信号強度を確保するという観点から最も望ましいことがわかる。つまり、図2に示される磁気検出コイル1bは、信号源の電流方向によらずに、安定した磁気信号の検出を可能とする。
さらに、(式5)から、図2に示す磁気検出コイル1bは、2次微分型コイル183および磁気検出コイル200に比べて、環境磁場をより低減することが期待されることから、磁気検出コイル1bは、2次微分型コイル183および磁気検出コイル200よりも高いS/N比が得られると考えられる。同様のことは、(式4)から、図1に示す磁気検出コイル1aについてもいえる。
[磁気検出コイル その3]
図5は、本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である。
磁気検出コイル1c(1)は、x、y、z軸の各方向の電流成分の磁場について、3方向の磁場勾配を検出する磁気検出コイル組である。
磁気検出コイル1cは、コイル組61〜64を有してなる。
コイル組61は、図2の2次微分型コイル21〜24と同様の構成を有している2次微分型コイル61zと、2次微分型コイル61zにおける各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル61xと、2次微分型コイル61z,61xの各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル61yとを有する。各2次微分型コイル61y,61zのループは、z軸方向に対し、一番下方のループが、1回ループを形成し、このループの上のループが、2回ループを形成し、z軸方向に対し、一番上方のループが、1回ループを形成している。また、ここでは、各2次微分型コイル61x,61y,61zの各ループ面は、直交しているとしたが、これに限らず、各ループ面の方向が同じでなければ、必ずしも直交していなくてもよい。
コイル組61と同様に、コイル組62は、図2の2次微分型コイル21〜24と同様の構成を有している2次微分型コイル62zと、2次微分型コイル62zにおける各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル62xと、2次微分型コイル62z,62xの各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル62yとを有する。
また、コイル組63は、図2の2次微分型コイル21〜24と同様の構成を有している2次微分型コイル63zと、2次微分型コイル63zにおける各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル63xと、2次微分型コイル63z,63xの各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル63yとを有する。
さらに、コイル組64は、図2の2次微分型コイル21〜24と同様の構成を有している2次微分型コイル64zと、2次微分型コイル64zにおける各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル64xと、2次微分型コイル64z,64xの各ループ面に対して、直交しているループ面を有する2次微分型コイル64yとを有する。
2次微分型コイル61x〜64xは、1本の超伝導線材などの線材で構成されている。同様に、2次微分型コイル61y〜64yおよび2次微分型コイル61z〜64zも、1本の超伝導線材などの線材で構成されている。ここで、2次微分型コイル61x〜64x、2次微分型コイル61y〜64yおよび2次微分型コイル61z〜64zは、異なる線材で構成されている。すなわち、2次微分型コイル61x〜64x、2次微分型コイル61y〜64yおよび2次微分型コイル61z〜64zは、それぞれ独立した磁気検出コイル6x,6y,6zである。磁気検出コイル6x,6y,6zは、各コイル61〜64のz軸に対し上方で、束となり(図5の太線部分)、交差部65および交差部66で各線材を交差させることにより、図2と同様に第2の方向の差分をとり、交差部67で線材を交差させることにより、図2と同様に第3の方向の差分をとる。
このような構成により、x、y、z軸の各方向(異なる方向)の成分の磁場を検出できる。通常、磁気信号はz成分のみならず、x成分、y成分にも存在するので、各成分を合成することにより信号強度が増大し、その結果、z成分の磁場のみを検出する図2の磁気検出コイル1bよりも高いS/N比が得られると考えられる。
本実施形態は、磁気検出コイル1cを構成する各コイルは、2次微分型コイルであるとしたが、これに限らず、1次微分型コイルとしてもよい。
[磁気検出コイルの利用例:心磁計測装置]
ここで、図1、図2、および図5を参照しつつ、図6に沿って本実施形態の磁気検出コイル1を用いた生体磁場計測装置1000(磁場計測装置)の説明をする。
図6は、本実施形態における生体磁場計測装置の全体構成を示す斜視図である。
生体磁場計測装置1000において、図1に示される磁気検出コイル1aあるいは図2に示される磁気検出コイル1bあるいは図5に示される磁気検出コイル1c、およびSQUIDはクライオスタット1001内で低温に保持されている。ここで、クライオスタット1001の底面とz軸が垂直であるとする。クライオスタット1001内には液体ヘリウムが充填され、外界と真空層で断熱されている。クライオスタット1001はガントリ1002によって支持される。生体磁場計測の被検者はベッド1003に横たわり、計測部位(心磁計側であれば胸部あるいは背面)をクライオスタット1001の底面に近づけるようにベッド1003の高さと水平方向の位置を調節する。計測・制御回路1004により、SQUID磁束計を制御し、検出した磁気信号を電圧信号に変換して、信号処理・表示装置1005に伝達する。信号処理・表示装置1005では、DSPを用いて環境磁場を除去する処理を行い、被検者の生体の磁気信号を検出して信号処理・表示装置1005にリアルタイムで心磁波形または脳磁波形、等磁場線図、電流分布図等を表示することができる。
[磁気検出コイルの利用例:胎児心磁計測装置]
ここで、図1、図2、および図5を参照しつつ、図7に沿って本実施形態の磁気検出コイル1を用いた磁場計測装置の一種である胎児心磁計測装置1100の説明をする。
図7は、本実施形態における胎児心磁計測装置を示す斜視図である。
胎児心磁計測装置1100において、図1に示される磁気検出コイル1aあるいは図2に示される磁気検出コイル1bあるいは図5に示される磁気検出コイル1c、およびSQUIDはクライオスタット1101内で低温に保持される。ここで、クライオスタット1101の底面とz軸が垂直であるとする。クライオスタット1101内には液体ヘリウムが充填され、外界と真空層で断熱されている。クライオスタット1101はガントリ1102によって支持される。ただし、クライオスタット1101は可動であり、水平方向または上下方向に移動し、またクライオスタット1101自体の傾きも調整できるものとする。被検者である母体1103の腹部に磁気検出コイル1を近づけるようにクライオスタット1101の位置を調整する。計測・制御回路1105により、SQUID磁束計を制御し、検出した磁気信号を電圧信号に変換して信号処理・表示装置1106に伝達する。信号処理・表示装置1106では、DSPを用いて環境磁場や母体1103由来の心磁信号を除去する処理を行い、胎児1104の心磁信号を検出して信号処理・表示装置1106にリアルタイムで胎児心磁波形1107を表示するとともに、胎児1104の心磁信号から心拍数を計算してリアルタイムに心拍数1108を表示する。以上の構成をもつ胎児心磁計測装置1100により、胎児1104の心磁波形1107および心拍数1108をリアルタイムでモニタリングすることができる。
[磁気検出コイルの利用例:脳磁計測装置]
ここで、図1、図2、および図5を参照しつつ、図8に沿って本実施形態の磁気検出コイル1を用いた脳磁計測装置1200の説明をする。
図8は本実施形態における磁場計測装置の一種である脳磁計測装置を示す斜視図である。
図1に示される磁気検出コイル1aあるいは図2に示される磁気検出コイル1bあるいは図5に示される磁気検出コイル1c、およびSQUIDはクライオスタット1201a,1201b内で低温に保持される。ここで、クライオスタット1201a,1201bの側面とz軸が垂直であるとする。クライオスタット1201a,1201b内には液体ヘリウムが充填され、外界と真空層で断熱されている。クライオスタット1201a,1201bはガントリ1202によって支持される。ただし、クライオスタット1201a,1201bは可動であり、水平方向または上下方向に移動し、またクライオスタット1201a,1201b自体の傾きも調整できるものとする。被検者1203の頭部の計測位置にクライオスタット1201a,1201b内の磁気検出コイル1を近づけるようにクライオスタット1201a,1201bの位置を調整する。計測・制御回路1205a,1205bにより、SQUID磁束計を制御し、検出した磁気信号を電圧信号に変換して、信号処理・表示装置1206に伝達する。信号処理・表示装置1206では、DSPを用いて環境磁場を除去する処理を行い、被検者1203の脳磁信号を検出して信号処理・表示装置1206にリアルタイムで脳磁波形1207a,1207bを表示する。また、神経の伝達時間を計測するために、聴覚刺激装置1204を用いて被検者1203の耳に音声刺激を行い、その反応をリアルタイムにモニタリングし、さらに、脳磁波形1207a,1207bより、それぞれピークの時間差を計算して、伝達時間1208をリアルタイムに表示することができる。ここで、前記の聴覚刺激や視覚刺激、体性感覚刺激等の応答に起因する感覚刺激誘発脳磁場の他に、自発脳磁場や事象関連脳磁場も計測することができる。
以上で説明した本実施形態の磁気検出コイル1の実施形態では、垂直方向に1次微分又は2次微分する磁気検出コイル1を例として説明したが、本実施形態の磁気検出コイル1では、異なる3方向に微分された信号を検出する構成をもっており、例えばz方向に3次以上微分する磁気検出コイル1でもよい。
また、以上で説明した実施形態では、磁気検出コイル1の検出した磁束を電圧値に変換する磁束計としてSQUID磁束計を例にとったが、その他にも磁束計として、磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗素子、フラックスゲート磁束計、光ポンピング磁束計等の他の磁束計を用いてもよい。また、SQUIDとして、液体ヘリウムを用いて冷却する例を説明したが、冷凍機や、高温超電導部材から構成されるSQUIDであれば液体窒素を用いて冷却してもよい。
本実施形態によれば、信号源の電流方向によらずに、安定した磁気信号の検出を可能となる。
本実施形態によれば、S/N比を向上させ、より高感度で正確な計測が可能な生体磁場計測装置を実現でき、磁気シールドの無い環境においても生体磁場計測を行うことが可能となる。
本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である(その1)。 本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である(その2)。 θ=0(度)、すなわち、電流ダイポールQ=(250,0,0)(nA・m)が存在する時の各検出コイルの信号強度の分布であり、(a)は、図10(c)に示す2次微分型コイルを使用した場合、(b)は、図11に示す磁気検出コイルを使用した場合、(c)は、図2に示す磁気検出コイルを使用した場合を示す。 電流ダイポールの角度θと、各磁気検出コイルが検出する信号強度の絶対値の最大値との関係を表すグラフである。 本実施形態における磁気検出コイルを示す斜視図である。 本実施形態における生体磁場計測装置の全体構成を示す斜視図である(その3)。 本実施形態における胎児心磁計測装置を示す斜視図である。 本実施形態における脳磁計測装置を示す斜視図である。 一般的な磁場計測装置におけるFLL回路の構成を示す図である。 生体磁場計測装置に使用される一般的な磁気検出コイルの模式図であり、(a)は、0次微分型コイル(マグネトメータ)、(b)は、1次微分型コイル、(c)は、2次微分型コイル、(d)は、薄膜基板上に形成された0次微分型コイル、(e)は、薄膜基板上に形成された1次微分型コイルである。 特許文献2に係る磁気検出コイルを示す斜視図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c 磁気検出コイル
11〜14 1次微分型コイル(磁気検出コイル1a)
15〜17 交差部(磁気検出コイル1a)
21〜24 2次微分型コイル(磁気検出コイル1b)
25〜27 交差部(磁気検出コイル1b)
61〜64 コイル組(磁気検出コイル1c)
6x〜6z 磁気検出コイル(磁気検出コイル1c)
65〜67 交差部(磁気検出コイル1c)
1000 生体磁場計測装置
1001 クライオスタット(生体磁場計測装置)
1002 ガントリ(生体磁場計測装置)
1003 ベッド
1004 計測・制御回路
1005 信号処理・表示装置
1100 胎児心磁計測装置
1101 クライオスタット(胎児心磁計測装置)
1102 ガントリ(胎児心磁計測装置)
1105 計測・制御回路
1106 信号処理・表示装置
1107 胎児心磁波形
1107 心磁波形
1200 脳磁計測装置
1201a,1201b クライオスタット(脳磁計測装置)
1202 ガントリ(脳磁計測装置)
1204 聴覚刺激装置
1205a 計測・制御回路
1206 信号処理・表示装置
1207a,1207b 脳磁波形
1208 伝達時間
1300 FLL回路
1301 磁気検出コイル(FLL回路)
1302 入力コイル
1303 SQUID
1304 フィードバックコイル
1305 バイアス電流源
1306 プリアンプ
1307 積分器
1308 フィードバック抵抗

Claims (9)

  1. 1本の線材である超伝導体または金属部材によって構成される磁気検出コイルであって、
    第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う第2の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    第3の微分型コイル、および前記第3の微分型コイルと隣り合う第4の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    前記第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う前記第3の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    当該4つの微分型コイルの中心を結んだ図形が平行四辺形となるよう配置されることを特徴とする磁気検出コイル。
  2. 前記平行四辺形は、正方形であることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出コイル。
  3. 前記微分型コイルとは、1次微分型コイルであることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出コイル。
  4. 前記微分型コイルとは、2次微分型コイルであることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出コイル。
  5. 請求項1に記載の磁気検出コイルを3つ組み合わせた磁気検出コイルであって、
    各磁気検出コイルのコイル面は、互いに直交していることを特徴とする磁気検出コイル。
  6. 磁気検出コイルが検出した磁気信号を、超伝導量子干渉素子に伝達する磁場計測装置であって、
    前記磁気検出コイルは、
    1本の線材である超伝導体または金属部材によって構成され、
    第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う第2の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    第3の微分型コイル、および前記第3の微分型コイルと隣り合う第4の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    前記第1の微分型コイル、および前記第1の微分型コイルと隣り合う前記第3の微分型コイルは、当該各微分型コイルを貫く磁束の値が差分されるよう接続され、
    当該4つの微分型コイルの中心を結んだ図形が平行四辺形となるよう配置されることを特徴とする磁場計測装置。
  7. 心臓から発生する磁気信号を検出することを特徴とする請求項に記載の磁場計測装置。
  8. 前記心臓とは、胎児の心臓であることを特徴とする請求項に記載の磁場計測装置。
  9. 脳から発生する磁気信号を検出し、神経の伝達時間をモニタリングすることを特徴とする請求項に記載の磁場計測装置。
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