JPH057561A - 磁気計測装置 - Google Patents

磁気計測装置

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JPH057561A
JPH057561A JP3161912A JP16191291A JPH057561A JP H057561 A JPH057561 A JP H057561A JP 3161912 A JP3161912 A JP 3161912A JP 16191291 A JP16191291 A JP 16191291A JP H057561 A JPH057561 A JP H057561A
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JP
Japan
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magnetic field
current dipole
differential
field distribution
intersection
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Withdrawn
Application number
JP3161912A
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English (en)
Inventor
Takehiko Hayashi
武彦 林
Takao Goto
隆男 後藤
Yoshiyasu Nakajima
善康 中島
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はSQUID磁束計を用いて主に生体内
で発生した電流ダイポールによって生じる磁界分布を測
定し、その磁界分布に基づいて電流ダイポールの位置を
求める磁気計測装置に関し、電流ダイポールの位置を高
速に求めることを目的とする。 【構成】多チャンネルSQUID磁束計を用いて測定さ
れた磁界分布の微分値を演算により求めるか、もしくは
微分コイルを備えた多チャンネルSQUID磁束計を用
いて磁界分布の微分値を測定し、その微分値に基づいて
磁界分布の稜線の交点を求め該交点の位置に基づいて電
流ダイポールの位置を求める構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超伝導量子干渉計(S
QUID)を磁気センサとして用いた磁気計測装置に関
する。詳しくは、主に生体内で発生した電流ダイポール
によって生じる磁界分布をSQUIDを用いて測定し、
その磁界分布に基づいて電流ダイポールの位置を高速に
求めるようにした磁気計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば人体の心臓内や脳内の微小な電流
源(電流ダイポール)によって生じる微弱な磁界を測定
する手段として、複数のジョセフソン・トンネル接合を
有する超伝導ループからなる超伝導量子干渉計(SQU
ID)が使われている。この超伝導量子干渉計を用いて
測定した磁界の分布から電流ダイポールの位置及びその
動きを求め、これにより病気の診断等に役立てることが
できる。
【0003】図10は超伝導量子干渉計(SQUID)
の原理図である。2個のジョセフソン接合11、12と
インダクタンス13が閉ループを構成するように接続さ
れたSQUID10に所定の臨界電流IC よりもやや大
きな電流Iを流し、その両端の電圧Vがモニタされる。
またこのSQUID10から離れた位置に生じる磁束Φ
を検出するピックアップコイル22と上記インダクタン
ス13と電磁的に結合するインダクタンス21とが閉ル
ープを構成するように接続された超伝導ループ20が備
えられている。
【0004】このように構成された超伝導ループ20を
含むSQUIDにおいて、例えば心臓内の電流ダイポー
ルにより生じた磁束Φがピックアップコイル22に鎖交
すると超伝導ループ20内を電流が流れ、互いに電磁的
に結合しているインダクタンス21、13を介して磁束
Φの大きさに依存する電流が上記電流Iに重畳してSQ
UID10内を流れ、これにより電圧Vが変化し、この
電圧Vをモニタすることにより磁束Φの値を求めること
ができる。
【0005】本出願人においても、上記原理に基づき、
磁束Φの値に対応する数のパルスを出力するディジタル
・スクイドが提案されている(例えば特開昭64−21
378号公報参照)。尚、どのように改良された超伝導
量子干渉計を用いるかについてはここでの主題ではない
ため、超伝導量子干渉計自体についてのこれ以上詳細な
説明は省略する。上記原理を利用して例えば図10に示
すようなSQUIDを多数備えた多チャンネルの超伝導
量子干渉計を構成し、例えば心臓内の電流ダイポールの
位置およびその動きを検出する場合に多数のピックアッ
プコイル22を胸壁に沿って多数並列的に並べて2次元
的な磁界分布を求め、この磁界分布から電流ダイポール
の位置及びその動きを求めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ピックアップコイ
ルはその径が例えば20mm程度の大きさを有するもの
であり、従ってこのピックアップコイルを多数並べるこ
とにより測定された磁界分布は互いにかなり離れた位置
の磁界が測定された離散的なものであり、一方電流ダイ
ポールは数mm程度の長さしかなく、離散的に測定され
た磁界分布から電流ダイポールの位置を如何にして求め
るかが問題となる。
【0007】これまでは、測定された磁界分布に基づい
て電流ダイポールの位置を求めるために、例えば心臓内
の電流ダイポールを測定する場合は人体を均質無限導体
であると仮定し、あるいは脳内の電流ダイポールを測定
する場合は人体を均質の導体球、もしくは脳内と頭蓋骨
とでは電気伝導率が異なることから多層の同心導体球で
あると仮定し、電流ダイポールの位置を種々に変更しな
がらそこから発生する磁界分布の理論的な計算を行な
い、この計算により求められた磁界分布と測定された磁
界分布との差が最小となるように電流ダイポールの位置
を求めていた。
【0008】しかし、このような計算により求められた
磁界分布と測定された磁界分布とを比較する方法を用い
ると、電流ダイポールの位置は正確に求めることができ
るものの、計算に時間がかかり、時々刻々移動する電流
ダイポールの動きをリアルタイムでとらえることが困難
であるという問題がある。本発明は、上記事情に鑑み、
電流ダイポールの位置を高速に求めることのできる磁気
計測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1(A)、図1(B)
は本発明のそれぞれ第1、第2の磁気計測装置の原理ブ
ロック図である。図1(A)に示す本発明の第1の磁気
計測装置を構成する多チャンネルSQUID磁束計は、
例えば図10に示すようなピックアップコイル(超伝導
コイル)を多数備えており、例えば心臓内の電流ダイポ
ールに起因する磁界分布がこの多数のピックアップコイ
ルにより互いに例えば数cm程度離れた離散的な値とし
て測定される。
【0010】このようにして測定された磁界分布は微分
演算手段2に入力される。この微分演算手段2では上記
測定された磁界分布に基づいて微分(差分を含む)演算
を行い、該磁界分布の微分値が求められる。この微分演
算手段2では、後述する実施例に示すように、測定され
た一つの磁界分布について互いに異なる2方向の微分値
を求める必要がある場合もあり、複数の磁界分布を求め
各磁界分布について−方向についての微分値を求めれば
よい場合もあり、磁界分布の測定方法に対応した微分演
算が行われる。尚、微分演算手段2における微分演算は
測定された磁界分布の全面に亘って行なう必要はなく、
後述する位置演算手段3において電流ダイポールの位置
を求めるために必要な領域のみ微分演算を行なえばよい
ことはもちろんである。
【0011】微分演算手段2により磁界分布の微分値が
求められると、この微分値は位置演算手段3に入力され
る。この位置演算手段3では、先ず上記微分値に基づい
て磁界分布の微分値が零となる点を結んだ複数の稜線の
交点が求められ、次いでこの稜線の交点に基づいて電流
ダイポールの位置が求められる。尚、後述する実施例に
示すように、磁界の測定方法によっては上記複数の稜線
の交点の位置がそのまま電流ダイポールの位置となる場
合もあり、この場合は上記複数の稜線の交点の位置を求
めた後電流ダイポールの位置を求めるための特別の演算
は不要であることはいうまでもない。
【0012】図1(B)に示す本発明の第2の磁気計測
装置を構成する多チャンネル超伝導量子干渉計4は、互
いに同一方向の鎖交磁束に対し互いに逆の起電力を生じ
るように組み合わされたピックアップコイルのペア(超
伝導微分コイル)を多数備えたものであり、各超伝導微
分コイルにより電流ダイポールに起因する磁界分布の空
間的な微分値が測定される。すなわち、この多チャンネ
ルSQUID磁束計4は、本発明の第1の磁気計測装置
(図1(A)参照)の多チャンネルSQUID磁束計1
と微分演算手段2の役割を兼ねたものである。この測定
された磁界分布の微分値は前述した位置演算手段3と同
様の機能を有する位置演算手段5に入力され、この位置
演算手段5により電流ダイポールの位置が求められる。
【0013】ここで、上記超伝導コイル、超伝導微分コ
イルは薄膜で形成することが好ましい。また上記超伝導
コイル、超伝導微分コイルを用いて上記磁界分布もしく
は磁界分布の微分値を測定する場合において、このコイ
ルの向きは特に限定されるものではなく、例えば心臓内
の電流ダイポールに起因する磁界分布もしくはその微分
値を測定する場合に、胸壁に対し垂直方向の磁界の成分
を検出するように胸壁に平行にコイルを配置してもよ
く、胸壁に平行な方向の磁界の成分を検出するように胸
壁に対し垂直にコイルを配置してもよい。この場合にお
いて、微分演算手段2、位置演算手段3、5は、例えば
後述する実施例に示すように、超伝導コイル、超伝導微
分コイルの配置に応じて適応的に構成される。
【0014】尚、上記微分演算手段2、位置演算手段
3、5はハードウェアのみで構成してもよいが、典型的
には電子計算機を用いてソフトウェアで各演算が行われ
る。電子計算機を用いソフトウェアで各演算を実行する
場合、上記各手段2、3、5の機能を満足するためのハ
ードウェアとソフトウェアとの各組合せが上記各手段
2、3、5と同一視される。
【0015】
【作用】本発明の第1の磁気計測装置は、離散的な磁界
分布を測定した後、この磁界分布の微分(差分)値を求
め、この磁界分布の互いに異なる方向に延びる稜線の交
点を求め、この交点の位置に基づいて電流ダイポールの
位置を求めるようにしたものであり、前述した実施例と
比べ演算が大幅に簡単化され、したがって例えば5cm
/10msec等の速度で移動する電流ダイポールに起
因する磁界分布を逐次測定しながら高速で演算処理する
ことができ、必要に応じて例えば核磁気共鳴装置(MR
I)等を用いて求められた断層像と組み合わせて電流ダ
イポールの位置の変化を速やかに表示すること等が可能
となる。
【0016】また、本発明の第2の磁気計測装置は、多
チャンネル超伝導量子干渉計の出力が既に磁界分布の微
分値に対応したものであるため、演算で微分値を求める
必要がなく、したがって上記第1の磁気計測装置よりも
さらに高速な処理を行うことができる。またこの第2の
磁気計測装置では微分コイルが用いられているため、周
囲の、例えば蛍光灯や各種電気電子機器から発生される
磁場の影響を受けにくく、したがって、精度の高い測定
を行なうことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2は本発明の一実施例に係る磁気計測装置の概略構成図
である。液体窒素が満たされたデュワ30内には、その
底部にそれぞれが図10に示すピックアップコイル22
に相当する多数のピックアップコイル31a,31b,
…,31nが配置されている。このピックアップコイル
31a,31b,…,31nは、スクイド・ホルダ32
内に内蔵された、図10に示すインダクタンス21に相
当する回路と接続されている。またスクイド・ホルダ3
2内には、図10に示すSQUID10に相当する回路
が内蔵されている。このスクイド・ホルダ32に内蔵さ
れた回路は、この回路を動作させるための制御回路33
に接続されている。またこの制御回路33は計算機34
に接続されており、磁界分布を表わす信号が制御回路3
3から計算機34に入力される。計算機34内では、入
力された磁界分布を表わす信号に基づいて、後述する演
算処理により電流ダイポールの位置が求められる。この
電流ダイポールの位置を表わす信号はCRTディスプレ
イ35に入力され、図示しないMRI装置で求められた
断層像とともに電流ダイポールの位置やその動きがこの
CRTディスプレイ35に表示される。
【0018】ここでピックアップコイル31a,31
b,…,31nにより例えば人体の心臓内に生じる電流
ダイポールに起因する磁界分布を測定するには、デュワ
30の底面30aが人体の心臓近傍の胸壁39に押し当
てられ、これによりこの胸壁39に沿った面の磁界分布
が測定される。以下、この心臓内の電流ダイポールを測
定する場合について説明する。
【0019】図3は胸壁に沿った面における、胸壁に対
し垂直な方向の磁界の分布を表わした図である。胸壁か
ら所定深さの位置に電流ダイポール40が存在すると胸
壁の表面の該胸壁に対し垂直の方向の磁界の強度は、図
3(A)に実線で示すようなだ円形の等強度分布曲線と
なり、図3(A)のα軸に沿って磁界の強度を示すと、
図3(B)に示すように、電流ダイポール40の位置か
ら図の左側に所定距離d/2離れた位置で+側の頂点と
なり、図の右側に所定距離d/2離れた位置で−側の頂
点となる。この所定距離d/2は電流ダイポール40の
胸壁からの深さにより定まる。
【0020】ここでこの磁界分布を図3(A)に示すx
方向に沿って微分すると、その微分値が零になる稜線4
4,45が求められる。またこの磁界分布を図3(A)
に示すy方向に沿って微分するとその微分値が零になる
稜線46が求められる。そこで上記のようにして稜線4
4,45,46を求め、稜線44と稜線46との交点
(頂点)42と稜線45と稜線46との交点(頂点)4
3とを求めることにより、これら2つの交点42,43
の中点として電流ダイポールの位置が求められる。また
これら2つの交点42,43間の距離dの大きさによ
り、電流ダイポールが存在する深さを求めることができ
る。
【0021】但し、図3は磁界分布が空間的に連続した
関数として求められた場合の図であり、実際に測定され
る磁界分布はかなり離散的なものであるため、計算機3
4(図2参照)内では上記原理に基づき以下のような演
算が行なわれる。図4は、計算機34内で実行される演
算方法を説明するための図である。図4(A)は〇印で
示した各点がピックアップコイル31a,31b,…3
1nの各中心点であり、1つの〇印に対して1つの磁界
強度が求められる。また図4(B)は図4(A)に示す
ラインL1上に並ぶ4点P1,P2,P3,P4におけ
る磁界の測定値を表わした図、図4(C)は磁界の測定
値の差分を表わした図である。ここでは簡単のため、各
点を表わす記号P1,P2,P3,P4をそのまま該各
点における測定値を表わす記号P1,P2,P3,P4
として取り扱う。
【0022】図4(B)に示すように各点P1,P2,
P3,P4の各測定値P1,P2,P3,P4は、P1
<P2<P3であり、かつP3>P4である。このこと
からラインL1に関しては頂点42に対応する点は2点
P2,P4の間にあることがわかる。そこで図4(C)
に示すように2点P2,P3の中点を通るように差分Δ
23=P3−P2に対応した傾きの直線を想定し、また2
点P3,P4の中点を通るように差分Δ34=P4−P3
に対応する傾きの直線を想定しこれら2本の直線が交わ
る座標軸上の点q1が求められる。またこれと同様にし
てラインL2に関する点q2も求められる。尚、x方向
に伸びる多数のラインのうちラインL1,L2に関して
上記演算を行なえばよいことは、y方向に並ぶ各点の測
定値を図4(B)に関して述べたと同様にして分析する
ことにより求められる。また上記と同様にしてy方向に
延びるラインL3,L4に関して各ラインL3,L4上
の点q3,q4が求められる。このようにして4点q
1,q2,q3,q4が求められると、2点q1,q2
とを結ぶ線分(稜線)と2点q3,q4とを結ぶ線分
(稜線)との交点として頂点42が求められる。
【0023】またこれと同様にして頂点43(図3参
照)も求められ、これら2つの頂点42,43の中央、
かつ2つの頂点42,43間の距離dにより定まる深さ
の位置に電流ダイポールが存在するとされる。また電流
ダイポールの方向、即ち電流の流れる向きは2つの頂点
42,43を結ぶ線分と直交する方向であると定められ
る。
【0024】以上のようにして計算機34(図2参照)
内で電流ダイポールの位置が求められると、この位置を
表わす信号はCRTディスプレイ35に送られ、図示し
ないMRIから送られてきた心臓の断層像を表わす信号
と合成され、その表示画面上に断層像に重畳されて電流
ダイポールの位置が表示される。以上のように計算機3
4内では磁界分布の微分(差分)演算およびこの微分
(差分)値に基づいて2つの頂点42,43を求めてそ
の中点を求める演算を行なうだけでよく、従って高速な
演算処理が可能となり、磁界の測定から長時間待つこと
なく電流ダイポールの動きをCRTディスプレイ44に
表示することが可能となる。
【0025】尚、上記実施例は磁界分布を測定した後演
算によりその微分値を求める本発明の第1の磁気計測装
置の一例であるが、ピックアップコイル31a,31
b,…,31n(図2参照)として微分コイルを用いる
ことにより磁界分布の微分値が直接測定され、したがっ
てこの場合は計算機43内における前述した演算のうち
微分値を求める演算は不要となる。
【0026】図5は微分コイルの例を示した図である。
図5(A)は、互いに同一の方向の鎖交磁束が存在する
場合に互いに逆向きに起電力が生じるように接続された
2つのコイル51,52が互いに同一平面上に隣接して
配置された微分コイルを表わしている。この微分コイル
で磁界を測定すると図5の紙面に垂直な磁界をx方向に
微分した値が得られる。この微分コイルを構成する2つ
のコイル51,52がx方向に並ぶように配置した微分
コイルとy方向に並ぶように配置した微分コイルをそれ
ぞれ多数用意することにより、x方向、y方向双方の微
分値が測定される。
【0027】図5(B)は4つのコイル53,54,5
5,56を組合わせたクローバ型の微分コイルを示して
おり、この場合コイル53,55の組合わせによりx方
向の微分値が測定され、コイル54,56の組合わせに
よりy方向の微分値が測定される。尚微分コイルを用い
ると、例えば蛍光灯からの磁界等この微分コイルから離
れた位置の電流等に起因して生じる磁界はこの微分コイ
ルの位置ではほぼ均一となり、したがって遠方からの磁
界はキャンセルされ、人体内の電流ダイポールに起因す
る微弱な磁界が高精度に測定される。
【0028】また微分コイルであるか通常のコイルであ
るかに拘らず、このピックアップコイルを例えばシリコ
ンやセラミックの基板上もしくはポリイミドフィルム上
に薄膜で形成するとその形状が高精度に定められ、した
がってピックアップコイルどうしのばらつきも低く押え
ることができ、高精度の測定が可能となる。上記の実施
例は胸壁に垂直な磁界成分もしくはその微分値を測定す
る例であるが、胸壁に水平な磁界成分もしくはその微分
値を検出するように構成してもよい。
【0029】図6は、胸壁に水平な方向の磁界を検出す
るように配置されたピックアップコイルを示した図であ
る。多数の角柱60a,60b,60c…の側面に互い
に直交する方向の成分を検出するように2つずつピック
アップコイル61a,61b,61c,…;62a,6
2b,62c,…が付されている。このピックアップコ
イル61a,61b,61c,…;62a,62b,6
2c,…は、例えばシリコンもしくはセラミックス等の
角柱に薄膜で形成されるか、もしくはポリイミド等のフ
ィルム上に薄膜で形成された後角柱に貼付される。
【0030】図7は、心臓内の電流ダイポールに起因し
て胸壁に添った面内に生じる、胸壁に平行な方向の磁界
の分布を示した図である。図7(A)は図6に示すピッ
クアップコイル61a,61b,61c,…により求め
られる磁界分布を連続関数として表示した図、図7
(B)は図6に示すピックアップコイル62a,62
b,62c,…により求められる磁界分布を連続関数と
して表示した図であり、図7(A)と図7(B)とでは
頂点70における磁界の強度は互いに異なるものの、い
ずれも互いに同一の頂点70における磁界が最も強く、
この頂点70から離れるにしたがってこの頂点70を中
心とする円形の等強度線となるようにその磁界の値が減
衰している。
【0031】ここで、実際に測定される磁界は図4
(A)に示すように離散的なものであり、したがって頂
点70はこの離散的に測定された磁界分布からは直ちに
は求められず、ここでは図7(A)、(B)の磁界分布
をそれぞれ所定の方向に微分(差分)演算することによ
り頂点70の近傍について稜線71,72が求められ、
これらの稜線71,72の交点として頂点70が求めら
れ、この頂点70の位置に電流ダイポールが存在するも
のとされる。
【0032】このように胸壁に水平な磁界を測定した場
合、互いに向きの異なるピックアップコイルにより測定
された2つの磁界分布が求められ、各磁界分布について
微分(差分)演算が行なわれ、1つの頂点70が求めら
れる。このように胸壁に水平な磁界を測定した場合は各
磁界分布について稜線は1本のみであり、頂点70を1
つのみ求めればよいため、前述した胸壁に垂直な方向の
磁界を測定する場合と比べ演算がより簡単で済むことと
なるが、一方電流ダイポールの存在する深さは不明とな
る。但し電流ダイポールの向きは以下のようにして求め
ることができる。
【0033】図8は電流ダイポールの向きを求める方法
の説明図である。図6に示すピックアップコイル61
a,61b,61c,…により求められた磁界分布(図
7(A))の頂点70における強度をピックアップコイ
ル61a,61b,61c,…で検出される磁界の方向
に延びるベクトル81で表わし、またピックアップコイ
ル62a,62b,62c,…により求められた磁界分
布(図7(B))の頂点における強度をピックアップコ
イル62a,62b,62c,…で検出される磁界の方
向に延びるベクトル82で表わし、これら2つのベクト
ル81,82の合成ベクトル83を求め、この合成ベク
トル83に直交する方向84として電流ダイポールの方
向が求められる。
【0034】また上記実施例は胸壁に水平な方向の磁界
を測定して微分演算を行なう本発明の第1の磁気計測装
置の例であるが、この場合も微分コイルを用いて微分値
を直接測定することもできる。図9は胸壁に水平な方向
の磁界の微分値を測定する微分コイルの例を示した図で
ある。
【0035】図9(A)は胸壁に水平な方向の磁界の、
胸壁に水平な方向に微分した値を測定するように構成さ
れた微分コイルの一例を表わした図であり、図7を用い
て説明した実施例における微分演算に対応する微分値が
測定される。ただしこの図9(A)に示す微分コイルは
全体の構造が複雑であり角柱90上に直接薄膜コイルを
形成するのは難しく、またフィルム上に薄膜コイルを形
成して貼付する場合もその貼付位置調整が難しいという
問題がある。
【0036】図9(B)は、胸壁に水平な方向の磁界
の、胸壁に垂直な方向に微分した値を測定する微分コイ
ルを表わした図であり、この微分コイルによる微分演算
は図7を用いて説明した実施例における微分演算とは異
なることとなるが、この微分コイルを用いて測定した微
分値のパターンは図7に示した磁界分布の微分値のパタ
ーンと近似し、したがって図9(B)に示す微分コイル
を用いてもよい。この図9(B)に示す微分コイルは、
図9(A)に示す微分コイルと比べ角柱91に直接薄膜
で形成することも容易であり、またフィルム上に薄膜で
形成したコイルを貼付する場合も容易にその位置合わせ
を行なうことができる。
【0037】以上のように本発明では胸壁に水平な方向
の磁界、垂直な方向の磁界のいずれを測定した場合であ
っても微分演算により簡単な演算で高速に電流ダイポー
ルの位置を求めることができる。また種々の微分コイル
を用いて測定された磁界の微分値に基づいて電流ダイポ
ールの位置をさらに高速に求めることができる。また上
記各実施例は胸壁に沿った磁界分布もしくはその微分値
を求めることにより心臓内の電流ダイポールを求める例
であるが、本発明で求めることのできる電流ダイポール
は心臓内の電流ダイポールに限られるものではなく、本
発明は種々の部位に生じる電流ダイポールを求める場合
に広く適用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の第
1の磁気計測装置は多チャンネル超伝導量子干渉計を用
いて電流ダイポールによって生じる磁界分布を測定し、
その微分値を求め、求められた微分値に基づいて稜線の
交点を求め、該交点の位置に基づいて電流ダイポールの
位置を求めるようにしたため、電流ダイポールの位置を
求めるための演算が従来と比べ簡単となり、高速にその
位置が求められる。
【0039】また、本発明の第2の磁気計測装置は微分
コイルを用いて磁界の微分化を直接測定するようにした
ため、上記第1の磁気イメージング装置における微分演
算が不要となり、一層高速に電流ダイポールの位置を求
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気計測装置の原理ブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例に係る磁気計測装置の概略構
成図である。
【図3】胸壁に沿った面における、胸壁に垂直な方向の
磁界の分布を表わした図である。
【図4】計算機内で実行される演算の説明図である。
【図5】微分コイルの例を示した図である。
【図6】胸壁に水平な方向の磁界を検出するように配置
されたピックアップコイルを示した図である。
【図7】胸壁に沿った面内における胸壁に水平な方向の
磁界の分布を表わした図である。
【図8】電流ダイポールの向を求める方法の説明図であ
る。
【図9】胸壁に水平な方向の磁界の微分値を測定するた
めの微分コイルの例を表わした図である。
【図10】超伝導量子干渉計の原理図である。
【符号の説明】
1、4 多チャンネルSQUID磁束計 2 微分演算手段 3、5 位置演算手段 30 デュワ 31a、31b、…、31n ピックアップコイル 32 スクイド・ホルダ 33 制御回路 34 計算機 35 CRTディスプレイ 40 電流ダイポール 42、43 稜線の交点(頂点) 44、45 稜線 70 稜線の交点(頂点) 71、72 稜線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流ダイポールによって生じる磁界分布
    を測定する、超伝導コイルを多数備えた多チャンネル超
    伝導量子干渉計と、 前記磁界分布の微分値を求める微分演算手段と、 前記微分値に基づいて、前記磁界分布の互いに異なる方
    向に伸びる稜線の交点を求め該交点の位置に基づいて前
    記電流ダイポールの位置を求める位置演算手段とを備え
    たことを特徴とする磁気計測装置。
  2. 【請求項2】 電流ダイポールによって生じる磁界分布
    の微分値を測定する、超伝導微分コイルを多数備えた多
    チャンネル超伝導量子干渉計と、 測定された前記微分値に基づいて前記磁界分布の稜線の
    交点を求め該交点の位置に基づいて前記電流ダイポール
    の位置を求める位置演算手段とを備えたことを特徴とす
    る磁気計測装置。
JP3161912A 1991-07-02 1991-07-02 磁気計測装置 Withdrawn JPH057561A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009125396A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Hitachi Ltd 磁気検出コイルおよび磁場計測装置
JP2010243480A (ja) * 2009-03-19 2010-10-28 Seiko Epson Corp 磁場測定装置
JP2014062916A (ja) * 2009-03-19 2014-04-10 Seiko Epson Corp 磁場測定装置、磁場測定装置の測定方法

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