JP5086672B2 - クランクシャフト及びクランクシャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
(実施例1)
<接合部材>
接合部材の材料として、表1に示す成分からなるSAE1541相当の鋼Aを準備した。次に、第一実施形態に示すように(図2参照)、クランクシャフトの接合部の位置がピン部及びジャーナル部の一部となるように(表2参照)、接合部材を熱間鍛造と機械加工により製作した。なお、接合部材の総質量(クランクシャフトの総質量)が、10.3kgとなるように、ピン部及びジャーナル部に相当する接合部材に中空部が形成されるように、軸方向に沿って機械加工を行った。
厚さ30μmの硼素元素を含有したニッケル非晶質合金箔を準備した。そして、表3に示すように、窒素ガス雰囲気下で、高周波誘導加熱により接合部材を加熱して、接合温度を1200℃とし、接合部材同士の接合圧力を15MPaとし、この状態を5分間保持することにより、接合部材同士の液相拡散接合を行い、接合後の部材を室温まで冷却した。
引張試験及び単体曲げ疲労試験:クランクシャフトの接合部が試験片の中央位置に一致するように、平行部分が直径8mm、長さ60mmとなるように試験片を切り出し、引張試験と、単体曲げ疲労試験とを行った。この結果を以下の表4に示す。
元素分析:EPMA分析により、接合部及びその近傍の硼素元素を確認した。
実施例1と同じようにして、クランクシャフトを製作した。実施例1と相違する点は、表3に示ように、液相拡散接合における接合条件が異なる点である。そして、これらのクランクシャフトに対して、実施例1と同じように、引張試験、単体曲げ疲労試験、硬さ試験を行った。この結果を表4に示す。
実施例1と同じようにして、クランクシャフトを製作した。実施例4及び5が共通して、実施例1と相違する点は、表2に示すように、接合部の位置が、ジャーナル部とアーム部の境界部分(フィレット部)、及び、ジャーナル部とアーム部の境界部分(フィレット部)となるように、ピン部に相当する接合部材と、ジャーナル部に相当する接合部材と、カウンタウエイト部を含むアーム部に相当する接合部材と、を製作し(図6参照)、この接合部材を表3に示す接合温度で液相拡散接合した点が相違する。実施例4は、ピン部及びジャーナル部に相当する接合部材として、表1に示す鋼材B(JIS規格:SUJ2相当)を用いた点が実施例1とさらに相違する。そして、これらのクランクシャフトに対して、実施例1と同じように、引張試験、単体曲げ疲労試験、硬さ試験を行った。この結果を表4に示す。
実施例1と同じ材質(鋼材A)を用いてクランクシャフトを製造した。比較例1及び2が共通して、実施例1と相違する点は、表2に示すように、接合部の位置がクランクシャフトの軸方向に沿った位置となるように、軸方向に沿った半割り構造の接合部材を製作した点である。実施例1と同じようにして、これらの接合部材を接合した。なお比較例1は、接合条件を大気雰囲気とした点が、実施例1とさらに相違する。これらのクランクシャフトに対して、実施例1と同じように、引張試験、単体曲げ疲労試験、硬さ試験を行った。この結果を、表4に示す。
実施例1と同じ材質(鋼材A)を用いてクランクシャフトを製造した。実施例1及び2が共通して、実施例1と相違する点は、表2に示すように、液相拡散接合を行わず、熱間鍛造と機械加工により製作した点である。そして、これらのクランクシャフトに対して、実施例1と同じように、引張試験、単体曲げ疲労試験、硬さ試験を行った。この結果を表4に示す。
表4から、実施例1〜5の引張強度は、比較例1〜4のものに比べて高く800MPaを超えていた。また、実施例1〜5の試験片は接合部における破断はなかったが、比較例1,2の試験片は、接合部における破断があった。
元素分析の結果から硼素元素が拡散して固溶していることが確認され、図7に示すように、接合部及びその近傍の表面硬さは高くなっていた。また、実施例1〜5のピン部及びジャーナル部の平均硬さは、比較例1〜3のものに比べて、ビッカース硬度さでHv10以上高くなっていた。実施例1〜3及び5のフィレット部の平均硬さは、比較例1〜4のものに比べて高くなっていた。
結果1から、実施例1〜5のように、接合部材としてクランクシャフトの軸線と交差する面によりクランクシャフトの形状に合わせて区分された接合部材を用いた場合には、比較例1,2に比べて、接合面の面積が小さく、形状も円形とシンプルであるため、接合面を均一に加圧及び加熱することができ、接合部の強度が均質になり、接合部の信頼性が高いと考えられる。また、実施例4のように、ジャーナル部及びピン部として部分的に耐摩耗性の高い鋼材を接合させ、クランクシャフトを軸方向に沿って部分的に強化することができると考えられる。
結果2から、実施例1の接合部及びその近傍の平均硬さが高くなったのは、液相拡散接合時に、接合面から硼素元素が拡散し、接合部及びその近傍に、硼素元素が拡散した層が形成されたことによると考えられる。そして、拡散層が形成されることにより、比較例3,4に比べて、実施例1〜5の試験片の方が、引張強度が高くなったと考えられる。さらに、実施例1〜5のジャーナル部及びピン部の硬さは、比較例1〜3のものに比べて高いので、実施例1〜5のジャーナル部及びピン部は、比較例1〜3のものに比べて、優れた耐摩耗性を有していると考えられる。また、実施例1〜3及び5のフィレット部は硼素元素の拡散層が形成されているので、比較例5のロール加工をしたフィレット部の硬さよりも高くなったと考えられる。
図8から、フィレット部の平均硬さの上昇に伴い疲労強度が上昇しているので、拡散層をフィレット部に形成させることにより、クランクシャフトの疲労強度が上昇すると考えられる。
Claims (6)
- 複数の鉄系接合部材同士を接合することによりクランクシャフトを製造する方法であって、
該製造方法は、前記接合部材の接合において、該接合部材として前記クランクシャフトの軸線と垂直に交差する面により前記クランクシャフトの形状に合わせて区分された接合部材を用い、該接合部材同士の間に、接合部材の融点よりも低い低融点接合材を介在させて、前記接合部材同士を液相拡散接合するものであり、
前記低融点接合材として少なくとも硼素元素を含有したニッケル合金材料を用い、
前記接合による接合部が、接合後における前記クランクシャフトのピン部とアーム部との境界部分、及び/又は、前記クランクシャフトのジャーナル部とアーム部との境界部分となるように、前記接合部材同士の接合を行うことを特徴とするクランクシャフトの製造方法。 - 前記接合による接合部が、前記クランクシャフトのピン部及び/又は前記クランクシャフトのジャーナル部の一部となるように、前記接合部材同士の接合を行うことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの製造方法。
- 前記接合部材として、中空部材を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のクランクシャフトの製造方法。
- 複数の鉄系接合部材により接合されたクランクシャフトであって、
該クランクシャフトは、該クランクシャフトの軸線と垂直に交差する面において前記接合部材同士が接合された接合部を有しており、該接合部及びその近傍には、固溶元素が拡散した拡散層が形成され、
前記拡散層は、前記固溶元素として、少なくとも硼素元素を含み、
前記接合部は、前記クランクシャフトのピン部とアーム部との境界部分及び前記クランクシャフトのジャーナル部とアーム部との境界部分にあることを特徴とするクランクシャフト。 - 前記接合部は、前記クランクシャフトのピン部及び/又は前記クランクシャフトのジャーナル部にあることを特徴とする請求項4に記載のクランクシャフト。
- 前記クランクシャフトには、中空部が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のクランクシャフト。
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