JP5086163B2 - 内燃機関の点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の点火装置に関し、特に、コイルケースの内部に充填された絶縁性樹脂に生じるクラックを防止させる際に用いて好適のものである。
内燃機関に用いられる点火装置は、プラグホール内に点火コイルを挿通させた状態にて固定される。かかる点火コイルは、コイルケース内にコイルアセンブリを配しており、当該コイルアセンブリは、中心鉄芯の外部に二次コイル及び一次コイルを円環状に配して構成され、これにより、トランスとしての電磁回路を形成させている。
かかる点火装置は、コイルアセンブリによって数十kボルトもの高電圧を発生させるため、コイルケースとその内部の部品とによって形成される間隙に絶縁性樹脂が充填される。かかる絶縁性樹脂は、エンジンで生じる振動等の過酷な使用環境から内部の部品を保護するため、熱硬化性樹脂等の樹脂材料が用いられ、間隙に充填された後に適宜の工程を経て硬化される。
かかる構成とされた内燃機関の点火装置では、コイルケースの一部がエンジンブロックのプラグホールに挿入されるため、シリンダ内で発生した熱量が点火プラグ又はエンジンブロックを介して当該点火装置へと供給される。このとき、絶縁性樹脂は、コイルケース内において体積膨張を起こすスペースが限定されるので、かかる如く熱量が供給されると、絶縁性樹脂の内部にエネルギーが蓄積され、これに応じて熱応力が発生する。そして、絶縁性樹脂に熱応力が発生すると、当該絶縁性樹脂に当接する膨張係数の異なる物体から反力を受け、当該反力の大きさ如何によっては、絶縁性材料にクラックを生じさせる。また、シリンダ内で生じる熱量は燃焼行程に応じて断発的に発生するので、内燃機関の点火装置では、供給される熱量の変動が激しくなる。従って、点火装置内の絶縁性樹脂では、供給される熱量の変動に応じて膨張収縮を繰り返し、所謂、ヒートショックを発生させる。このとき、点火装置内の絶縁性樹脂では、当該絶縁性樹脂に当接する物体から断続的な反力を受け、クラックの発生が加速される。
特開2006−278424号公報(特許文献1)では、中心鉄芯周辺における絶縁性樹脂のクラックを抑制させる内燃機関用点火コイルが紹介されている。特許文献1に係る内燃機関用点火コイルは、中心鉄芯と二次コイルと一次コイルとがコイルケース内へ配され、各部材間に絶縁性樹脂が充填される。ここで、中心鉄芯は、周面に保護部材(特許請求の範囲における保護層材)が積層され、当該中心鉄芯の両端には、弾性部材が取り付けられている。そして、かかる構成を具備する内燃機関用点火コイルでは、中心鉄芯の端部に位置する絶縁性樹脂で熱応力が発生すると、かかる熱応力が弾性キャップによって緩和され、これにより、中心鉄芯の端部周辺において、絶縁性樹脂に生じるクラックが抑制される。
また、特開2007−324436号公報(特許文献2)では、特許文献1で用いられる弾性部材を中心鉄芯の一端にのみ配置する構成とされるので、特許文献2に係る内燃機関の点火装置では、部品点数が少なくなり、コストの低下が図られている。
特開2006−278424号公報 特開2007−324436号公報
しかしながら、特許文献2の技術では、反発性について検討されていない単なる弾力性を具備する弾性部材が用いられると、絶縁性樹脂の体積膨張が顕著な場所では、かかる弾性部材が絶縁性樹脂の変形に対応できなくなり、弾性部材に当接された絶縁性樹脂の領域でも熱応力によるクラックを生じさせてしまうとの問題が生じる。特に、内燃機関の点火装置では、イグナイタが配される頭部における絶縁性樹脂の体積が大きくなるため、これに応じて体積膨張が顕著となり、当該点火装置の頭部に弾性部材が設けられても、弾性部材の有する応力緩和機能が十分に発揮されなくなるとの問題が発生する。
また、特許文献2の技術では、アクリル材から成る保護テープが弾性部材の周面全域を包囲してしまう構成とされるので、保護テープの弾力性が弾性部材の弾力性より劣る場合、弾性部材の応力緩和機能が保護テープの介在によって低下し、当接された絶縁性樹脂の熱応力を効果的に吸収できなくなるとの問題も発生する。
従って、本発明は上記課題に鑑み、中心鉄芯の端部にて生じる絶縁性樹脂のクラックを効果的に抑制させ、併せて、装置の高コスト化を防止させ得る内燃機関の点火装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような内燃機関の点火装置の構成とする。即ち、コイルケースに形成された間隙のうち広い間隙を有するケース頭部から少なくとも注入されて前記コイルケースの内部の間隙に充填される絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂のうち高い熱応力を生じる高加圧領域に一端部が配され且つ前記絶縁性樹脂のうち前記高加圧領域よりも低い熱応力を生じる低加圧領域に他端部が配された中心鉄芯と、前記中心鉄芯の周面に一次コイル及び二次コイルが同心的に配置されたコイルアセンブリとを備える内燃機関の点火装置において、前記中心鉄芯は、前記高加圧領域へ配される一方の端部に低反発性材料を備え、前記中心鉄芯の周面と前記低反発性材料の周面の一部とが保護層材によって一体的に被覆されていることとする。
本発明に係る内燃機関の点火装置によると、中心鉄芯の端部に配される低反発性材料は大きな収縮が可能とされるので、高加圧領域の絶縁性樹脂では、当該絶縁性樹脂の体積が比較的大きい場合でも、大きな熱応力を発生させることなく、境界面におけるクラックの発生が抑制される。
また、中心鉄芯に固定された低反発性材料は、周面の一部のみが保護層材に被覆されるので、当該低反発性材料と絶縁性樹脂との当接面積が広くなり、これにより、低反発性材料の応力吸収能力が十分に発揮され、絶縁性樹脂の熱応力が効果的に抑制される。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。先ず、図1を参照して、内燃機関の点火装置(以下、点火装置と呼ぶ)の断面構造について説明する。図1に示す如く、点火装置10は、コイルケース110とコイルアセンブリ120と中心鉄芯120aと高圧端子150と外装鉄芯160とイグナイタ170とから構成され、内部に絶縁性樹脂180が充填されている。
コイルケース110は、ケース頭部110aとコイル収納部110bとプラグ接続部110cとが一体的に成形されている。かかるケース頭部110aは、イグナイタ170を嵌着させる嵌合部と接続ボルトを挿通させる挿通孔とが設けられている。当該ケース頭部110aの内側では、イグナイタ170が嵌着された際、上部に開口を有する空間が形成される。そして、ケース頭部110aの空間には、イグナイタ170及びコイルアセンブリ120が当該空間にレイアウトされて、これにより、間隙が形成される。尚、挿通孔に通された接続ボルトは、エンジンヘッドのプラグホール近傍に形成された雌ネジタップへ螺着され、プラグホールに挿通されたコイルケース110をエンジンヘッドへ固定させる。
コイル収納部110bは、円筒体に形成され、コイルアセンブリ120を格納させる。かかるコイル収納部110bは、図示の如く、一端にケース頭部110aが形成され、他端にプラグ接続部110cが形成される。尚、本実施の形態では、コイル収納部110bとプラグ接続部110cとの中間的位置に高圧端子150が配されている。かかる高圧端子150は、コイルアセンブリ120によって生成された昇圧電圧を点火プラグ(図示なし)へと中継させる。また、図1に示されている内燃機関の点火装置では、コイル収納部110bの外周面に外装鉄芯160が設けられている。但し、本実施例では、かかる外装鉄芯160を排除させても良く、かかる外装鉄芯160をコイルケース110の内部に配置させても良い。
コイルアセンブリ120は、二次コイル120bと一次コイル120cとから構成され、イグナイタ170へ印加された入力電圧を電磁誘導の作用によって昇圧させる。二次コイル120bは、絶縁性のボビンに二次巻線が巻回されており、一端がグランドにアースされ、他端が高圧端子130に接続されている。かかる二次ボビンは、内部に円筒状の空間が形成され中心鉄芯120aが挿入される。一次コイル120cは、一次ボビンに一次巻線が巻回されており、一端がイグナイタ170側壁の電源端子に導通され、他端がイグナイタ170側壁のグランド端子に接続されている。そして、コイルアセンブリ120は、中心鉄芯120aが二次ボビンへ挿入された際、当該中心鉄芯120aの周面に一次コイル及び二次コイルが同心的に配置され、トランスとしての電磁回路が構成される。
イグナイタ170は、コネクタ部170aと回路格納部170bとから構成される。かかるコネクタ部170aは、接続端子が適宜設けられ、電源電圧又は駆動信号等が入力されると共に、一次コイル120c及びイグナイタ内の所定の電力をグランドにアースさせる。回路格納部170bには、パワースイッチング素子又は他の電気的素子を実装させた制御回路が格納されている。かかる制御回路は、種々の電気的素子によって、信号生成回路又はセルフシャットオフ回路又はイオン検出回路等の機能的回路が適宜構成される。
コイルケース110の内部に形成された空間では、コイルアセンブリ120及びイグナイタ170がレイアウトされると、かかる部品等の占有されない空間において間隙が形成される。このとき、絶縁性樹脂180は、かかる如くコイルケースに形成された間隙へ充填され、一次巻線又は二次巻線等におけるリーク電流の発生を防止させる。かかる絶縁性樹脂180は、コイルケース110のケース頭部110aに形成された開口部から注入される。また、絶縁性樹脂の注入口を他の位置に設けて、複数個所からコイルケース110の間隙へ絶縁性樹脂180を注入させても良い。絶縁性樹脂180には、絶縁性を有するエポキシ系の熱硬化性樹脂、又は、この他、絶縁性能を発揮する樹脂材料が適宜に用いられる。
かかる構成を具備する点火装置10では、イグナイタ170のコネクタ部170aに駆動信号が入力されると、イグナイタ170に供給された電源電圧がコイルアセンブリ120へ適宜のタイミングにて印加される。このとき、コイルアセンブリ120では、電源電圧を昇圧させ、かかる如く昇圧された昇圧電圧を高圧端子150へと印加させる。従って、点火装置10に接続された点火プラグでは、高圧端子150を介して昇圧端子が接続され、エンジンブロックのシリンダ内にレイアウトされたプラグギャップで放電が発生する。
図2(a)には中心鉄芯の構成が示されている。かかる中心鉄芯120aは、複数枚の珪素鋼板121aが積層され、当該珪素鋼板121aの板幅を変化させることにより円柱体が形成される。図示の如く、それぞれの珪素鋼板121aには、複数のノッチ122aが適宜のピッチにて形成され、これにより、隣接する珪素鋼板が互いに固定されている。かかる形状とされた中心鉄芯120aは、周面123aと端面124aと端面125aとによって当該中心鉄芯120aの表面を成している。周面123aは、珪素鋼板121aのサイドエッジと端面に配された珪素鋼板121aの表面とによって形成される。端面124a及び端面125aは、軸方向fxの両端に配され、珪素鋼板121aの各フロントエッジ又は各バックエッジによって形成される。
図2(b)には低反発性材料が示されている。当該低反発性材料130は、図示の如く、背の低い円柱体とされ、中心鉄芯120aの端面124a又は125aと略同径の端面132及び133が形成される。また、端面132及び133によって周面131が画定される。かかる低反発性材料は、弾性を抑えると共に粘性を向上させ、これによって、高い衝撃吸収性能等が備わっており、当該材料に外力を取り除いた後にゆっくりと元の形状へと回復する。低反発性材料には、種々の材料が商品化されているが、例えば、ポリオール及びイソシアネートを主成分とする低反発弾性フォームを用いるのが好ましい。かかる低反発弾性フォームは、ウレタンフォームを形成させる主成分とその他の調整材料とを適宜に配合させて組成され、衝撃吸収性能、制振性能、体圧分散性能、形状記憶性能等が調整されている。低反発性材料の一例を紹介すると、ヴィコエラスティックフォームを基として組成されたテンピュール(登録商標)等が代表的である。尚、ここで挙げられる低反発性材料は、シリコン又は合成ゴム等の弾性材料と比較して、一般的に高価な製品として市場で流通される材料である。
図3(a)には、中心鉄芯120aと低反発性材料130と保護層材140から成る鉄心組立体120xが示されている。尚、同図には、鉄芯組立体120xの表面に当接された他の物体から加わる外力が比較的大きくなる高加圧領域Pと、当該他の物体から受ける外力が高加圧領域より低くなる低加圧領域Qとが追加図示されている。ここで、保護層材140は、表面にシリコン又はウレタン等を積層させた粘着テープとされ、0.02〜0.10mm程度のものが好ましい。図示の如く、鉄芯組立体120xは、中心鉄芯120aの端面124aと低反発性材料130の端面133とが互いの周面を略一致させた状態で当接されている。そして、鉄芯組立体120xは、中心鉄芯120aの周面123aと低反発性材料130の周面131とが保護層材140によって一体的に被覆されている。このとき、中心鉄芯120aの周面123aの全領域が保護層材140によって被覆されるのが好ましい。即ち、保護層材140では珪素鋼板121aのサイドエッジの凹凸表面が緩やかな表面に改善され、これにより、中心鉄芯120aの周面123aに他の物体から外力が加えられる場合であっても、当該外力に伴って周面123aに反力が発生するとき、サイドエッジに生じる応力集中が低減されることとなる。
図示の如く、低反発性材料130は高加圧領域Pに配置されている。これにより、低反発性材料130の有する衝撃吸収性能等が作用し、かかる領域に当接された物体から受ける外力が効果的に緩和される。また、保護層材140は、低反発性材料130の周面131の一部を被覆させるのが好ましい。これにより、中心鉄芯120aと低反発性材料130とが固着される共に、低反発性材料130の露出面積が広く確保され、かかる低反発性材料130の露出面では、外力を効果的に吸収させることができる。
図3(b)には、図3(a)における鉄心組立体120xの低加圧領域Qを下方から観察した様子が示されている。図3(b)に示す如く、鉄心組立体120xの低下圧領域Qでは、保護層材140を巻き付けた際に生じる端部140aが中心鉄芯120aの端面125aへ適宜に折り込まれている(140a参照)。即ち、本実施の形態にて用いられる鉄心組立体120xは、低加圧領域Qに低反発性材料130を設けることなく、中心鉄芯120aにおけるもう一方の端面124aにのみに低反発性材料130を配することとなる。このとき低加圧領域Qでは、上述の如く加えられる外力が低く抑えられた領域とされるので、中心鉄芯120aの端面125aに当接する物体に与える反力も低く抑えられる。かかる如く、低反発性材料130が一方のみに配した構成とされると、これに応じて、材料コストの低減が図られる。
図1に戻り、鉄心組立体120xから絶縁性樹脂180へ加えられる力の状態について説明する。上述の如く、コイルケース110の内部に形成された間隙には、絶縁性樹脂180が充填される。このとき、鉄心組立体120xの表面に間隙が形成されていると、鉄心組立体120xの表面では、絶縁性樹脂180が当接される。同図を参照すると、ケース頭部110aの近傍に上述した高加圧領域Pが示され、高圧端子150の近傍に低加圧領域Qが示されている。また、中心鉄芯120aは、一端が高加圧領域Pに配され、且つ、他端が低加圧領域Qに配されている。
図示の如く、高加圧領域Pでは、一次ボビン、二次ボビン、低反発性材料130、イグナイタ170の底面との間によって形成された間隙へ絶縁性樹脂180が充填される。一方、低加圧領域Qでは、二次ボビンの内部に形成された円柱孔の底面と中心鉄芯120aの端面125aとの間隙へ絶縁性樹脂180が充填される。尚、低加圧領域Qでは、中心鉄芯120aの端面125aの近傍において、円柱孔の側面と中心鉄芯120aの周面123aとの間隙へ絶縁性樹脂180が充填されている場合も有る。そして、高加圧領域Pの間隙と低加圧領域Qの間隙とを比較すると、低加圧領域Qでは、当該低加圧領域Qの隙間が小さく抑えられ、充填される絶縁性樹脂180の体積が低く抑えられている。一方、高加圧領域Pでは、当該高加圧領域Pの隙間が低加圧領域Qの隙間より広くなっており、充填される絶縁性樹脂180の体積もこれに応じて大きくなる。
ここで、絶縁性樹脂180は、配置環境から熱量が供給されると、当該絶縁性樹脂180の表面で拘束力が働かないときに体積膨張を生じさせる。一方、絶縁性樹脂180の表面に拘束力が働く場所に配置されると、絶縁性樹脂180は、体積膨張を起こすスペースが限定されるため、膨張によって変換できなかったエネルギーが内部エネルギーとなって蓄積される。即ち、かかる内部エネルギーに基づいて内部に生じる応力が、絶縁性樹脂180の内部に生じる熱応力とされる。かかる熱応力は、膨張する領域の絶縁性樹脂の体積に比例して増加し、当該絶縁性樹脂180の表面に接触する物体表面へ斥力を与える。尚、絶縁性樹脂180から熱量が抽出されると、当該絶縁性樹脂180は、これに応じて体積を減少させる。
従って、上述の如く、高加圧領域Pでは、低加圧領域Qより広い容積の隙間が形成されるので、絶縁性樹脂180の体積もこれに応じて大きくなり、当該高加圧領域Pの内部に高い熱応力が発生する。一方、低加圧領域Qでは、これと反対に、高加圧領域Pより狭い容積の隙間が形成されるので、絶縁性樹脂180の体積もこれに応じて小さくなり、当該低加圧領域Qの内部に発生する熱応力は、高加圧領域Pにて発生する熱応力よりも小さい値とされる。尚、ヒートショックに伴って発生する熱応力も、高加圧領域Pでは大きくなり、低加圧領域Qでは小さくなる。
このとき、鉄芯組立体120xの高加圧領域Pにて熱応力が発生すると、かかる熱応力が低反発性材料130によって吸収される。即ち、高加圧領域Pにおける絶縁性樹脂180では、内部に生じる熱応力が緩和されるので、鉄芯組立体120xから受ける反力もこれに応じて減少し、かかる領域の絶縁性樹脂180では、クラックの発生が抑制される。一方、鉄心組立体120xの高加圧領域Qにて熱応力が発生すると、中心鉄芯120aの端面125a又は当該端面125aの近傍の周面123aには、熱応力が直接的に加えられる。しかし、かかる領域で発生する熱応力は高加圧領域Qにて生じる熱応力より十分低いので、端面125a及び当該端面125aの近傍の周面123aに当接する絶縁性樹脂180にあっても、クラックの発生が抑制される。
上述の如く、本実施の形態に係る内燃機関の点火装置10によると、高加圧領域Pには中心鉄芯120aへ設けられた低反発性材料130が配置されるので、高加圧領域Pの絶縁性樹脂180では、当該絶縁性樹脂180の体積が比較的大きい場合でも、大きな熱応力を発生させることなく、境界面におけるクラックの発生が抑制される。また、低加圧領域Qの絶縁性樹脂180は、当該絶縁性樹脂180の体積が十分に低く抑えられているので、低加圧領域Pにおける中心鉄芯120aの端面に低反発性材料130を設けることなく、境界面におけるクラックの発生を抑制できる。
また、中心鉄芯120aの端部に配される低反発性材料130は大きな収縮が可能とされるので、高加圧領域の絶縁性樹脂180では、当該絶縁性樹脂180の体積が比較的大きい場合でも、大きな熱応力を発生させることなく、境界面におけるクラックの発生が抑制される。
更に、中心鉄芯120aに固定された低反発性材料130は、周面の一部のみが保護層材130に被覆されるので、当該低反発性材料130と絶縁性樹脂180との当接面積が広くなり、これにより、低反発性材料130の応力吸収能力が十分に発揮され、絶縁性樹脂180の熱応力が効果的に抑制される。
加えて、中心鉄芯120aは、何れか一方の端面にのみ低反発性材料130が設けられるので、これにより、点火装置10におけるコストの高騰を防止させることが可能となる。
尚、図1を参照すると、ケース頭部110aに充填された絶縁性樹脂180は、一次ボビンの内部に充填された領域と一次ボビンの外部に充填された領域とに分けられる。ここで、同図では、一次ボビンの外部に充填された絶縁性樹脂が、高加圧領域Pの範囲に内包されている。但し、これに限らず、一次ボビンの外部にて絶縁性樹脂の熱応力が顕著とされ、且つ、当該熱応力が一次ボビンの内部の絶縁性樹脂に影響を与える場合には、高加圧領域Pは、かかる一次ボビンの外部の絶縁性樹脂を含むこととしても良い。尚、特許請求の範囲における「ケース頭部に充填された絶縁性樹脂の少なくとも一部を含む領域」とは、ケース頭部110aに絶縁性樹脂180が充填された領域のうち、全領域とされても良く一部の領域とされても良いことを意味する。
また、本発明は、上述した実施の形態に係る内燃機関の点火装置に限定するものではない。例えば、鉄心組立体120xは、中心鉄芯120aの端部の両方又は一方に永久磁石を配置させ、磁束の飽和を防止させるようにしても良い。かかる場合にあっても、鉄芯組立体120xの端部にて低反発性材料が露出した状態とされるのが好ましい。また、本発明に係る内燃機関の点火装置は、イグナイタが排除された構成をも含む。かかる点火装置にあっては、外付けのイグナイタ又はディストリビュータから電源の供給を受けることとなる。
本実施の形態に係る内燃機関の点火装置の構成を示す図 外装鉄芯及び低反発性材料を示す図。 外装鉄芯と低反発性材料との鉄芯組立体を示す図
符号の説明
10 内燃機関の点火装置
110 コイルケース
110a ケース頭部
120a 中心鉄芯
123a 中心鉄芯の周面
124a 上端部(特許請求の範囲における一端部)
120b 二次コイル
120c 一次コイル
120 コイルアセンブリ
130 低反発性材料
131 低反発性材料の周面
140 保護層材

Claims (1)

  1. コイルケースに形成された間隙のうち広い間隙を有するケース頭部から少なくとも注入されて前記コイルケースの内部の間隙に充填される絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂のうち高い熱応力を生じる高加圧領域に一端部が配され且つ前記絶縁性樹脂のうち前記高加圧領域よりも低い熱応力を生じる低加圧領域に他端部が配された中心鉄芯と、前記中心鉄芯の周面に一次コイル及び二次コイルが同心的に配置されたコイルアセンブリとを備える内燃機関の点火装置において、
    前記中心鉄芯は、前記高加圧領域へ配される一方の端部に低反発性材料を備え
    前記中心鉄芯の周面と前記低反発性材料の周面の一部とが保護層材によって一体的に被覆されていることを特徴とする内燃機関の点火装置。
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