JP5085971B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イソシアネートの製造方法において、ホスゲンとアミンとが反応することで形成される蒸気混合物を、少なくとも1つの等温吸収処理と少なくとも1つの断熱吸収処理に供する製造方法に関する。
イソシアネートの製造は、先行技術においてよく知られている。一般に、ホスゲンは、アミン又は2もしくはそれ以上のアミンの混合物に対して、化学量論的に過剰に使用される。有機イソシアネートを第一級アミンとホスゲンとから製造するための方法は、例えばUllmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、A19巻、390頁以降、VCH Verlagsgesellschaft mbH,Weinheim,1991及びG.Oertel(Ed.)Polyurethane Handbook、第2版、Hanser出版、Munich,1993,60頁以降並びにG.Wegener他著のApplied Catalysis A:General 221(2001)、303−335頁、Elsevier Science B.Vといった文献に記載されている。
アミンホスゲン化で使用されるホスゲンの合成は、よく知られており、かつ例えばUllmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第3版、13巻、494−500頁以降に記載されている。他のホスゲンの製造方法は、例えばUS4764308号及びWO03/072237号に記載されている。工業的規模では、ホスゲンは、主に、一酸化炭素と塩素とを、有利には触媒としての活性炭上で反応させることによって製造される。高度に発熱的な気相反応は、少なくとも250℃ないし高くても600℃の温度で、一般にシェルアンドチューブ型反応器中で実施される。反応熱は、様々な様式で、例えば液状の熱交換媒体によって、例えばWO03/072237号に記載される熱交換媒体によって、又は、例えばUS4,764,308号に開示されるように、二次冷却回路を介して同時に反応熱を用いることで蒸気を生成するホット冷却によって放散させることができる。
アミンホスゲン化において、未反応のホスゲンは、主に、少なくとも部分的に気体形で、放出された塩化水素とともに生ずる。イソシアネートを含む液状の生成物流中に依然として含まれているホスゲンと塩化水素のフラクションは、イソシアネート後処理段階の過程で分離される。一般に、この生成物流は、依然として、溶剤と、例えば窒素及び一酸化炭素のような不活性ガスと、ホスゲン合成の副生成物、例えば二酸化炭素あるいは混入イソシアネートのフラクションを含有することがある。イソシアネートの製造方法をできる限り経済的に行うためには、過剰のホスゲンを、できる限り損失を少なく回収し、そしてそれをホスゲン化プロセスに再循環させることが必須である。また、化学量論的に生ずる塩化水素ガスを分離して、それを使用する必要もある。塩化水素に適した用途は、任意の所定の用途に要求される塩化水素純度に基づき決定される。
塩化水素に可能な用途は、例えば水溶液(塩酸)の市販であり、又は他の工業法もしくは化学プロセスで塩酸を使用することを含む。気体状の塩化水素を用いる最も一般的な考えられる様式の一つは、エチレンを塩化水素でオキシ塩素化して、二塩化エチレンを得ることである。塩化水素の再循環法と、塩化水素が形成される製造方法に塩素及び/又は水素を返送することも、好ましい手法に含まれる。これらの再循環法は、例えば塩化水素の接触酸化(例えばDeacon法による)、気体状塩化水素の電気分解並びに塩化水素の水溶液(塩酸)の電気分解である。WO−A−04/14845号は、Deacon法による接触酸化のための方法を開示しており、かつWO−A−97/24320号は、塩化水素の気相電気分解のための方法を開示している。電気化学的な再循環法のレビューは、Dennie Turin Mahにより"12th International Forum Electrolysis in Chemical Industry − Clean and Efficient Processing Electrochemical Technology for Synthesis, Separation, Recycle and Environmental Improvement"(1998年11月11〜15日、フロリダ州クリアウォータービーチのシェラトン・サンド・キー)で公表された文献"Chlorine Regeneration from Anhydrous Hydrogen"において示されている。
塩化水素の水溶液(塩酸)を、カソードとしてガス拡散電極を用いて電気化学的に酸化することは、WO−A−00/73538号及びWO−A−02/18675号に記載されている。
水性塩化水素をダイヤフラム法又はメンブレン法によって電気分解するにあたり、塩酸は、アノード空間並びにカソード空間における電解質として使用される。該電気分解において、アノードで塩素が生じ、そしてカソードで水素が生ずる。
前記のように塩化水素を用いうるには、ある程度の純度の要求が課され、従ってホスゲンと塩化水素とを含有する気体流中の大部分の他の成分を分離した後に精製において出費と設備が必要となる。Deacon法による塩化水素の接触酸化は、触媒を用いて実施するが、それにはホスゲン化法からの塩化水素を、精製床での吸収によって予備精製することか、又は塩化水素中に含まれる残留溶剤を触媒燃焼させることが必要となる(WO−A−04/014845号)。WO−A−97/24320号によるいわゆる固体電解質系による塩化水素の気相電気分解においては、イオン交換膜又は触媒活性材料の汚染は、ユニットの取り替えを避ける上では許容できるものではない。塩化水素の水溶液をカソードとしてガス拡散電極を用いて電気化学的に酸化させるにあたり、WO−A−02/18675号では、塩化水素(塩酸)を、活性炭により精製し、そして必要に応じて更にイオン交換樹脂によって精製することを提案している。オキシ塩素化において塩化水素ガスを使用するためには、残留溶剤のような妨害不純物を分離するために二段階の凝縮を使用することがある(US−A−6,719,957号)。
塩化水素の水溶液(塩酸)は、食品産業で使用するためには、かなり高い純度を有さねばならず、その純度は、先行技術から知られるように活性炭の床上で吸収により後精製することで達成することができる。
先行技術によるイソシアネート製造からのホスゲン及び塩化水素を含有する物質流の処理を、以下に説明する。
その一般的な目的は、ホスゲンと塩化水素を含有する物質流であってその中に溶剤のような二次成分が含まれる物質流を、できる限り経済的に所望の純度で単離して、アミンホスゲン化でホスゲンを再使用可能にし、そして塩化水素を好適な利用段階に送ることである。この目的のためには、通常は、凝縮、部分凝縮、洗浄/スクラビング、吸収、吸着及び蒸留といった方法が使用される。
プロセスガスからのホスゲンの部分凝縮は、高圧下で、例えば10〜50バールの圧力でエネルギー効率的に冷却水を用いて達成できるが、工業的規模での利用のためには、DE−A−3212510号に記載されるように、ホスゲンの逃出を伴う漏洩に関する厳密な安全措置を顧慮する必要がある。
ホスゲン化反応と高められた圧力下での気相の後処理とは、US−A−3,544,611号にも記載されている。圧力範囲10〜50バールでは、該プロセスガスは、水を用いて冷却することで、化学量論的に過剰に使用されるホスゲンの大部分が凝縮する。該塩化水素流におけるホスゲンの更なる除去には、冷却剤の使用が必要となる。この場合に、アミンホスゲン化と高められた圧力での該プロセスガスの後処理との経済的利点は、また、ホスゲン凝縮物の冷却用のエネルギーの削減に反映される。一代替策が、US−A−3,544,611号に記載されており、そこでは、塩化水素は、プロセスガス流から、33バールと冷媒温度−20℃で凝縮される。この場合に、ホスゲンは、水での冷却と予備段階での分離とによって凝縮される。2つの成分に必要とされるそれぞれの純度は、二段階の凝縮段階の間の蒸留/ストリッピング塔によって達成される。
DE−A−10260084号において、この加圧手法の故の漏洩の事態における潜在的な危険性の増大との兼ね合いでUS−A−3544611号に参照がなされている。また、記載した方法において、ホスゲン化に使用されるホスゲン中に不所望に高い濃度の塩化水素が存在し、ホスゲンが塩化水素流とともに失われることについても言及している(第一の変法)。第二の変法においては、既に述べた潜在的な危険性の補足説明とは別に、低温と高圧でのエネルギー的に望ましくない塩化水素の液化についても記載されている。更なる利用のためには、該塩化水素は次いで蒸発させねばならないが、それには再びエネルギーが使用される。
GB−A−827376号に開示された方法では、アミンホスゲン化は、約3バールの圧力で実施される。該反応の完了後に、過剰のホスゲンと形成される塩化水素とは、高められた温度で塔頂で分離される。ホスゲンは、気相から凝縮されて分離され、そして塩化水素は瞬間蒸発(膨張)されて除去される。しかしながら、塩化水素中の高いホスゲンの残留量と、回収されたホスゲン中の不所望に高い塩化水素含量とが、係る単純な分離で想定されうることである。
クロロベンゼン中でアミンをホスゲン化して、TDI及びMDIを形成させることは、US−A−3,3812,025号に記載されている。反応の完了後に、溶剤と一緒にホスゲン及び塩化水素を留去させ、ついでクロロベンゼンとホスゲンとを凝縮させ、そしてホスゲン化に再循環させて、かなりのホスゲン残留量を含有する塩化水素を吸収装置に導通して、ホスゲンが除去される。この場合にも、ホスゲン/塩化水素分離は両方の流において不完全なので、ホスゲン損失が塩化水素を通じて生じ、そして不所望に高い塩化水素フラクションがホスゲン中に含まれ、その塩化水素がホスゲン化において不利なアミン塩酸の形成を促進する。
アミンをイソシアネートへとホスゲン化するとともに、SU−A−1811161号に開示される後処理を行うことは、DE−A−10260084号に記載されている。また、DE−A−10260084号では、ホスゲンは、気体形で溶剤のクロロベンゼン中に事前の凝縮をせずにも吸収されることを報告している。ホスゲン化反応後に、塩化水素、ホスゲン、そして若干の程度まで溶剤が、気相として分離される。部分凝縮後に、その気相を吸収装置に送り、液相をストリッピング塔中に導き、そこで塩化水素とホスゲンとを塔頂で分離し、そして部分凝縮させ、それを同様に吸収装置に送る。70質量%のホスゲンがクロロベンゼン中に溶解された溶液が、吸収装置中に形成される。吸収装置頂部からの気体状の塩化水素流は、依然として約4%のホスゲンを含有しており、それを更なる処理段階に送る。DE−A−10260084号によれば、ホスゲンがクロロベンゼン中に溶解された溶液はまた、低温でクロロベンゼンが洗浄されるため、依然として比較的多量の塩化水素を含有する。DE−A−10260084号に示される詳細によれば、塩化水素とホスゲンとはそれらの分離後に、依然として、既に記載したように、塩化水素を更なる後処理なくして慣用の利用段階の1つに送ることができない程度まで互いに汚染されており、かつ得られるホスゲン溶液は、ホスゲン化法のためには非経済的である。
気相中でのアミンホスゲン化に関連する文献であるEP−A−0570799号においては、自体公知のようにして、形成されたイソシアネートの凝縮後に過剰のホスゲンを分離することについて記載がなされている。このことは、コールドトラップか、温度−10℃〜8℃に維持された不活性溶剤(例えばクロロベンゼン又はジクロロベンゼン)中での吸収か、又は活性炭上での吸着と加水分解とによって達成することができる。最後の変法は、大規模な実施計画については経済的に適しているとは考えられない。ホスゲン回収段階を通った塩化水素ガスを、自体公知のように再循環させて、ホスゲン合成に必要な塩素を回収することができる。
液相における連続的な二段階アミンホスゲン化法は、US−A−3,226,410号に記載されている。ホスゲン溶液は、化学量論的に過剰なアミン溶液中に管型反応器において90℃までの温度で混加される。第二段階は、110℃〜135℃のボイラー中で実施される。ホスゲンと、塩化水素と、溶剤フラクションとから構成される気相を、第二段階から頂部で取りだし、二段階法で凝縮させ、そしてホスゲン溶液容器に送られる。凝縮不可能なフラクションが吸収塔中に送られるが、そこでは、気流中に依然として含まれるホスゲンが、ホスゲン化の液相から留去される溶剤により吸収され、そしてホスゲン溶液容器に送られる。吸収塔からの吸収されなかったフラクションは、その大部分が塩化水素ガスであるが、そのフラクションは、水を用いて稼働されるHCl吸収装置に供給され、そこで水性塩酸が形成される。
イソシアネート製造とは異なり、アルコールをホスゲン化してクロロホルメートを形成させるにあたってはホスゲン/塩化水素分離も必要である。DE−A−69820078号に開示される方法によれば、前記分離は、反応器の下流に接続された塔中で高圧において実施される。該反応器圧力は、2〜60バール、有利には6〜40バールの範囲である。ホスゲン/塩化水素分離において高圧を使用する場合に、経済的観点から、凝縮器は、もはや低温で稼働させてはならないことが指摘されている。DE−A−3000524号及びUS−A−3,211,776号では、アルコールとホスゲンと触媒とからクロロホルメートを形成した後の後処理において過剰のホスゲンを吹き出すことについて記載が簡単になされている。
塩化水素とホスゲンとの化学的な分離は、イソシアネートの工業的製造には殆ど重要ではないが、それは例えば塩基が大規模に使用されるため、塩化水素が失われることと、副生成物の発生率が高いことが理由である。例えば、EP−A−1020435号及びDE−A−1233854号では、第三級アミンが塩化水素トラップとして使用され、該アミンは、固体として塩酸塩の形で析出する。JP−A−09208589号においては、この目的のために、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩又は酸化物が使用される。
可能な限り純粋な塩化水素と純粋なホスゲンとを、アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造するにあたり通常使用される物質混合物から得る意図は、DE−A−10260084号で採用されている。四段階法が記載され、その必須段階は、2つの分離塔と追加設備を必要とする。イソシアネート製造からのプロセスガスは、主に、ホスゲンと、塩化水素と、溶剤フラクションと、低沸点化合物と、不活性物質(例えば一酸化炭素及び二酸化炭素)とから構成される。第一の方法工程は、プロセスガスの部分凝縮であり、それは1又はそれ以上の段階で実施することができ、その際、装置圧力に応じて、その方法は、冷却水による40℃ないしブライン冷却による−40℃の範囲で実施することができる。こうして得られた部分凝縮された混合物は、次いで、ストリッピング区域と精留区域との間で、後続の蒸留塔に送られる。示された実施例においては、溶剤としてクロロベンゼンを用いており、この塔は、ストリッピング区域に22個のトレイと精留区域に11個のトレイを有する泡鐘塔として設計されている。該塔は、塩化水素とホスゲンとを分離する目的にかなっており、この目的のために強制循環蒸発器(Robert蒸発器)とシェルアンドチューブ型熱交換器を塔頂凝縮器として備えている。24.5℃の供給温度、38℃の塔底温度、−9℃の塔頂温度、そして2.5バールの塔頂圧力で、塔頂部での部分凝縮物の還流温度は、−20℃である。これらの条件下で、塔底生成物は、塩化水素含量0.01質量%、ホスゲン含量89質量%、そして塩素含量10質量%を有する。この流は、イソシアネート合成の反応部に送られる。
蒸留塔中の前記蒸発器との代替として、処理されるべきプロセス廃ガス流からの塩化水素の分離は、該処理されるべき廃ガス流から、窒素のような不活性ガスか、プロセス溶剤蒸気、ホスゲンか、又は別の気体状物質もしくは蒸発されるべき物質を用いてストリッピングすることによって実施することもできる。
凝縮されておらず、74質量%の塩化水素と26質量%のホスゲンとを含有する、蒸留塔の塔頂凝縮器中のフラクションは、金網リングの3区間を備えた吸収塔の下方領域に−20℃で導かれる。クロロベンゼンは、−25℃の温度で、洗浄器の頂部に添加され、そして塩化水素がクロロベンゼン中に溶解された溶液の熱を、−30℃で稼働する中間冷却器で取り除く。蒸気が洗浄器の頂部で形成され、それはデミスター後に−30℃で稼働する塔頂凝縮器に供給される。ここで液滴を回収し、それを凝縮された蒸気の小部分と一緒に、前記吸収装置又は洗浄器の底部に戻す。該塔の塔頂は、2.2バール及び−8℃で稼働され、そしてその塔底は6℃で稼働される。凝縮器後に塔頂から分離された生成物は、塩化水素含量99.5質量%、ホスゲン含量0.1質量%、そしてクロロベンゼン含量0.1質量%を有する。塔底から分離された生成物は、19質量%のホスゲン、78質量%のクロロベンゼン、そして3質量%の塩化水素を含有する。
DE−A−10260084号の実施例では、気体状の塔頂抽出物は、引き続き活性炭フィルタで精製される。ホスゲン又はクロロベンゼンの残分は、ガスクロマトグラフィー分析又はIR分光法によって検出できなかった。
前記の含量でホスゲン及び塩化水素を含有する、吸収装置からの塔底抽出物は、次いで、還流液として、反応塔か、ホスゲン分離用の塔か、又は反応混合物の後処理用の塔に送ることが望ましい。最後の事例では、還流液を生じさせるための蒸気凝縮器を省くことができるとの記載がなされている。
US4764308号 WO03/072237号 WO−A−00/73538号 WO−A−04/014845号 WO−A−97/24320号 WO−A−02/18675号 US−A−6,719,957号 DE−A−3212510号 US−A−3,544,611号 GB−A−827376号 US−A−3,3812,025号 SU−A−1811161号 DE−A−10260084号 EP−A−0570799号 US−A−3,226,410号 DE−A−69820078号 DE−A−3000524号 US−A−3,211,776号 EP−A−1020435号 DE−A−1233854号 JP−A−09208589号 Ullmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、A19巻、390頁以降、VCH Verlagsgesellschaft mbH,Weinheim,1991 G.Oertel(Ed.)Polyurethane Handbook、第2版、Hanser出版、Munich,1993,60頁以降 G.Wegener他著のApplied Catalysis A:General 221(2001)、303−335頁、Elsevier Science B.V Ullmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第3版、13巻、494−500頁以降 Dennie Turin Mahにより"12th International Forum Electrolysis in Chemical Industry − Clean and Efficient Processing Electrochemical Technology for Synthesis, Separation, Recycle and Environmental Improvement"(1998年11月11〜15日、フロリダ州クリアウォータービーチのシェラトン・サンド・キー)で公表された文献"Chlorine Regeneration from Anhydrous Hydrogen"
本発明の課題は、イソシアネートを製造し、かつアミンホスゲン化からの塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を精製するにあたり、塩化水素流中のホスゲンの残留濃度多くとも0.5質量%、有利には多くとも0.2質量%、最も有利には多くとも0.1質量%を達成できるように行う方法を提供することである。こうすることで、原材料のホスゲンの損失は最小限となるべきである。塩化水素流中の高いホスゲン含量のための安全性と方法上の問題点は、それにより回避されるべきである。
ここで、前記課題と当業者に明らかであろう他の課題は、少なくとも二段階シーケンスの吸収段階と、場合により凝縮段階とであって、そこには少なくとも1つの等温吸収段階と少なくとも1つの断熱吸収段階とが含まれる段階によって解決することができることが判明した。これに関連して、等温吸収は、ホスゲン化に使用された溶剤であって、既にホスゲン量を含有してもよい溶剤中で実施してよく、そして引き続いての断熱吸収は、同様に該ホスゲン化に使用された溶剤中で実施してよい。塩化水素ガスは、引き続き、残留量のホスゲン又は溶剤から、低温の熱交換器中での部分凝縮によって分離することができる。その組み合わされた方法により、こうして低ホスゲン含量及び低溶剤含量の塩化水素が提供され、該塩化水素は、後続のプロセスに有利に使用することができる。加えて、使用されるホスゲンの回収の程度が高いことで、経済的利点が提供される。
本発明による方法では、上記で議論された、ホスゲンと気体状塩化水素の取り扱いに際しての漏洩に関する従来技術に対する安全性の観点に特に注目に値する。本発明の実施において、等温吸収と、断熱吸収と、随意の後続の部分凝縮と、随意のストリッピングの方法工程は、1つの装置中で実施することができる。かかる1つの装置を用いて、漏洩の潜在的部位であるフランジ及び封止面の数は、劇的に少なくすることができる。更に、前記の作業の実行は、エネルギー的に最適な実施形態であって、再循環のために生成したホスゲン溶液の純度を、必要に応じて、アミンホスゲン化の実施の特定の要求に適合させることができる形態で実施される。
本発明は、イソシアネートの製造方法において、
a)少なくとも1つのアミンとホスゲンとを、場合により溶剤の存在下で反応させ、その際、相応のイソシアネートと、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流とが得られ、かつ
b)その塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を、少なくとも2段階シーケンスの吸収段階であって少なくとも1つの等温吸収段階と少なくとも1つの断熱吸収段階とを含む段階で分離し、その際、ホスゲンを、塩化水素流の質量に対して多くとも0.5質量%、有利には多くとも0.2質量%、最も有利には多くとも0.1質量%の濃度で含有する塩化水素流と液状ホスゲン流とが得られ、かつ
c)該液状ホスゲン流を、次いでアミンとホスゲンとの反応に再循環する
イソシアネートの製造方法に関する。
段階a)におけるアミンとホスゲンとの反応は、液相で溶剤の存在下に又は気相中で実施される。気相では、該反応は、有機溶剤の不在下で実施することが好ましい。溶剤という用語は、この関連では、有機溶剤、例えばo−ジクロロベンゼンを意味するが、不活性ガス、例えば窒素又は低温で沸騰する材料、例えばクロロホルムを意味しないと解される。不活性ガスは、以下に不活性物質として呼称され、そして低温で沸騰する材料(例えばクロロホルム)は、低沸点化合物として呼称される。
段階a)におけるアミンとホスゲンとの反応を液相で溶剤の存在下に実施するのであれば、等温吸収と断熱吸収のための吸収剤として、段階a)のホスゲン化でも溶剤として使用される溶剤を使用することが好ましい。段階c)で得られた液状ホスゲン流は、その際に、溶剤とは別に、液状ホスゲン流(すなわち混合物)の質量に対して20〜80質量%のホスゲンも含有することが好ましい。この溶剤とホスゲンとを含有する液状ホスゲン流は、次いで、段階a)の反応に、有利にはホスゲンの事前の脱着をせずに再循環させることができる。
段階a)におけるアミンとホスゲンとの反応を気相中で実施するのであれば、段階c)において同様に液状ホスゲン流が得られ、該流は、吸収剤として使用される溶剤とは別に、液状ホスゲン流(すなわち混合物)の質量に対して20〜80質量%のホスゲンも含有することが好ましい。次いでホスゲンは、有利には脱着によって、前記液状ホスゲン流から分離され、段階a)における反応に戻される。分離された溶剤(吸収剤)は、吸収において再使用することができる。
有利には、段階b)における塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流の分離は、まずホスゲンを部分的に凝縮させて、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流から分離して行われる。塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する残りの流を、次いで、少なくとも1つの等温吸収段階と少なくとも1つの断熱吸収段階において分離する。
より有利には、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流からのホスゲンの部分凝縮を出た蒸気(実質的に塩化水素及び場合により低沸点化合物並びに不活性物質)は、並流において段階a)で使用される溶剤を用いて洗浄される。
より有利には、段階a)で使用される溶剤中での等温吸収は、向流で実施される。より有利には、段階a)で使用される溶剤中での断熱吸収は、同様に向流で実施される。
より有利には、残留溶剤は、向流において、段階a)で使用される溶剤中での断熱吸収の後に塩化水素流から凝縮して分離される。有利には、この凝縮分離された溶剤を、次いで、段階a)における反応へと、場合により精製後に段階c)で得られる液状ホスゲン流と一緒に戻す。
本発明の好ましい一実施態様では、段階b)により処理された液状ホスゲン含有流を、まず塩化水素及び低沸点化合物のストリッピングにより精製し、次いで段階c)におけるアミンとホスゲンとの反応に戻す。
この関連で、吸収とは、液体中の気体及び蒸気の摂取及び溶解を意味すると解される。吸収は、熱的分離法であって、補助物質、いわゆる洗浄溶液又は吸収剤が使用される方法である。被吸収物質は、脱着又はストリッピングによって再生することができる。気体の溶剤(吸収剤)中への摂取は、一般に、低温及び高圧によって促進され、かつ反対に脱着においてはより高温及びより低圧を使用することが望ましい。気体の溶剤(吸収剤)中への吸収は、発熱的プロセスである、すなわち熱が放出され、その熱は比較的不十分な熱伝達のため、僅かな程度しか気相に移動せず、主に液相に移動する。溶剤(吸収剤)の温度上昇の結果として、ヘンリー則によれば、溶解されるべき物質について溶剤(吸収剤)の吸収能が低下する。工業的方法では、これは同時に、一定量の被吸収物質についてより多くの溶剤が要求されることを意味する。吸収の熱が、放散されないか又は吸収が行われた後にのみ放散されるのであれば、それを断熱吸収と呼ぶ。吸収の熱が、吸収の間に一様に取り除かれ、かつ溶剤の温度が同時に実質的に一定に維持されるのであれば、それを等温吸収と呼び、それが、実際には、既に記載したように、溶剤(吸収剤)をより良く利用するために好ましい。
断熱吸収は、段階a)で使用される溶剤に相当する新たな溶剤(吸収剤としての)中で行うことが好ましい。本発明による方法では、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流中に含まれる大部分のホスゲンを、場合により部分凝縮後に、等温向流吸収によってできる限り少量の溶剤(吸収剤)中に吸収させ、次いで依然として残っている残留量のホスゲンを、断熱向流吸収によって、新たな溶剤(吸収剤)を用いて、断熱温度を僅かしか増大させずに分離することが特に好ましいことが分かっている。等温吸収から得られる蒸気流(塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質)中のホスゲンの最適な流出濃度は、この関連では、断熱吸収における溶剤の量(吸収剤の量)と、断熱吸収の過程での溶剤(吸収剤)の吸収能に関して許容できる断熱温度の上昇とによって左右される。0.1℃〜20℃の、有利には2℃〜5℃の断熱温度上昇が、この場合に適切であると判明した。
この関連で、等温吸収への入口点での溶剤とホスゲンとの質量比を、0.1:1〜10:1、最も有利には1:1〜3:1に調整することが好ましい。等温吸収に使用される溶剤は、この関連で、完全にか又は部分的のいずれかで、断熱吸収の頂部で既に添加されていてよい。
アミンとホスゲンとの反応、いわゆるホスゲン化によってイソシアネートを製造することは、工業的規模では、通常、液相中で実施され、その際、ホスゲンとアミンとを溶剤中に溶解させることができる。好ましい溶剤は、塩素化された芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、相応のクロロトルエン類又はクロロキシレン類、クロロエチルベンゼン、モノクロロジフェニル、α−及びβ−ナフチルクロリド、エチルベンゾエート、フタル酸のジアルキルエステル、ジイソジエチルフタレート、トルエン及びキシレン類並びに塩化メチレン、ペルクロロエチレン、トリクロロフルオロメタン及びブチルアセテートである。例として挙げた溶剤の混合物を使用してもよい。好適な溶剤の更なる例は、従来技術から公知である。例えばWO−A−96/16028号といった従来技術からも知られるように、ホスゲン並びに形成されたイソシアネート自体も溶剤として作用しうる。もう一つの好ましい実施態様において、ホスゲン化、特に好適な芳香族及び脂肪族のジアミンのホスゲン化は、気相中で、すなわち該アミンの沸点より高温で実施される。気相ホスゲン化は、例えばEP−A−570799号に記載されている。この方法をその他で慣用の液相ホスゲン化と比較した場合の利点は、高価な溶剤の削減とホスゲン循環によるエネルギー削減である。一般に、溶剤は、気相ホスゲン化でも使用されるが、例えばDE−A−10245704号に記載されるように、液相ホスゲン化での量より少量であるので、ここでも原則的に、ホスゲン、塩化水素及び溶剤を分離することが課題である。
好適な有機アミンは、原則的に、1又はそれ以上の第一級アミノ基を有するあらゆる第一級アミンであって、ホスゲンと反応して、1又はそれ以上のイソシアネート基を有する1又は複数のイソシアネートを形成しうるアミンである。該アミンは、少なくとも1つ、有利には2つあるいは3もしくはそれ以上の第一級アミノ基を有する。好適な有機第一級アミンは、例えば脂肪族、脂環式、脂肪族/芳香族、芳香族のアミン、ジアミン及び/又はポリアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ステアリルアミン、アニリン、ハロゲン置換されたフェニルアミン類(例えば4−クロロフェニルアミン)、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノ−ヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノシクロヘキサン、リジンエチルエステル、リジンアミノエチルエステル、1,6,11−トリアミノウンデカンもしくは1,5−ナフチレンジアミン、1,4−ジアミノベンゼン、p−キシリレンジアミン、過水素化された2,4−及び/又は2,6−ジアミノトルエン、2,2′−、2,4′−及び/又は4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4−、2,6−ジアミノトルエン及びそれらの混合物、4,4′−、2,4′−及び/又は2,2′−ジフェニルメタンジアミン及びそれらの混合物並びにこれらのアミン及びポリアミンの高分子異性体誘導体、オリゴマー誘導体もしくはポリマー誘導体である。他の可能なアミンは、従来技術から公知である。本発明に好ましいアミンは、ジフェニルメタン系列のジアミン及びポリアミン(MDA、モノマー型、オリゴマー型及びポリマー型のアミン)、2,4−、2,6−ジアミノトルエン(TDA、トルイレンジアミン)、例えば2,4−、2,6−ジアミノトルエン(TDA、トルイレンジアミン)の質量比80:20の工業用混合物、イソホロンジアミン及びヘキサメチレンジアミンである。ホスゲン化において、相応のイソシアネート、つまりジイソシアナトジフェニルメタン(MDI、モノマー型、オリゴマー型及びポリマー型のイソシアネート)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)が得られる。
該アミンは、1段階、2段階あるいは多段階の反応でホスゲンと反応させることができる。同時に、連続様式又は回分様式の作業も可能である。
気相中での1段階のホスゲン化を選択した場合に、該反応は、アミンの沸点より高温で、有利には0.5〜5秒間の平均接触時間内で、かつ200℃〜600℃の温度で実施される。
液相でのホスゲン化においては、20℃〜240℃の温度と1〜約50バールの絶対圧力が通常使用される。液相中でのホスゲン化は、1段階又は多段階のプロセスとして実施してよく、そこではホスゲンを化学量論的に過剰に使用できる。アミン溶液及びホスゲン溶液を、静的混合エレメントを用いて合することが好ましく、次いで、例えば下方から上方に向かって1又はそれ以上の反応塔を通じて供給すると、そこでは、該混合物は完全に反応して、所望のイソシアネートが形成される。好適な混合エレメントを備えた反応塔の他に、撹拌装置を備えた反応容器を使用してもよい。静的混合エレメント又は特定の動的混合エレメントを使用してよい。好適な静的混合エレメント又は動的混合エレメントは、従来技術から知られている。
一般に、工業的規模でのイソシアネートの連続的な液相製造は、2段階で実施される。一般に高くても220℃、有利には高くても160℃の温度で実施される第一段階において、塩化カルバモイルがアミンとホスゲンとから形成され、そしてアミン塩酸塩が、アミンと分離された塩化水素とから形成される。この第一段階は、極めて発熱的である。第二段階において、塩化カルバモイルが開裂されて、イソシアネートが形成され、そして塩化水素とアミン塩酸塩とが反応して、塩化カルバモイルが形成される。第二段階は、少なくとも90℃、有利には100℃〜240℃の温度で実施される。
アミンホスゲン化の後に、ホスゲン化で形成されたイソシアネートは、一般に、反応混合物から分離される。これは、例えばまず当業者に公知のようにして、ホスゲン化反応混合物を液状生成物流と気体状生成物流とに分離することによって実施される。
関連の方法は、例えばUS−A−3544611号及びGB−A−827376号に記載されている。該液状生成物流は、主に、イソシアネート又はイソシアネート混合物と、使用されていてよい溶剤と、少ない割合の未反応のホスゲンとを含有する。気体状生成物流は、実質的に、塩化水素ガス、過剰のホスゲン、場合により少量の溶剤、並びにホスゲン製造からの二次生成物、例えば二酸化炭素から構成される。液状生成物流の更なる後処理により、ホスゲンの残留量の更なる分離がもたらされることがある。
ホスゲン化で再利用するためと、更なる利用のためにできる限り純粋な塩化水素を単離するために、できる限り完全に過剰のホスゲンを回収することは、従って特に経済的理由から望まれる。
通常は、工程a)で脂肪族又は芳香族のアミンとホスゲンとを液相中で反応させて、相応のイソシアネートを形成することで生ずる、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流は、20〜75質量%のホスゲン、5〜50質量%の溶剤及び5〜50質量%の塩化水素を含有することが好ましい。塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流の組成に関するこれらの範囲の幅は、種々の圧力、温度及びプロセス溶剤を特徴とし、かつ場合により気相中で又は溶剤不含で実施できるホスゲン化のための種々の多くの可能な方法によるものである。
通常は、工程a)で脂肪族又は芳香族のアミンとホスゲンとを気相中で反応させて、相応のイソシアネートを形成することで生ずる、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流は、20〜50質量%の溶剤、30〜40質量%のホスゲン、10〜50質量%の塩化水素並びに1質量%未満の低沸点化合物及び不活性物質を含有することが好ましい。
ホスゲンの洗浄液中での等温吸収で発生する吸収の熱は、熱交換面を介して均一に間接的に、そして既にその製造の間にも、有利には−40℃〜0℃、最も有利には−25℃〜−15℃の初期温度を有する好適な冷媒に放散され、その際、吸収剤の温度は、かなり低い値で一定に保たれる。このようにして、吸収物質中の被吸収物質についての分布係数が温度に好ましくない依存性があるにも拘わらず、吸収剤の高いホスゲン溶解能を達成でき、それにより特に吸収剤に課される経済的要求を満たすことができる。
等温吸収は、有利には、本発明による方法では、装置として流下薄膜型吸収装置を用いて実施される(例えば図1に図示される)。シェルアンドチューブ型の熱交換器、有利には縦置きのシングルフライト(single flight)のシェルアンドチューブ型の熱交換器が、前記目的のために通常使用される。吸収剤と装填された蒸気は、チューブの内側と外側の両側に、チューブ壁の他方側に相応して配置されている冷媒に対して並流又は向流で導くことができる。しかしながら、吸収剤と装填された蒸気は、有利にはチューブ内で向流に案内され、そして冷媒は、有利にはチューブ外側に案内される。装填された蒸気と吸収剤との間の比較的大きな濃度差のため、洗浄液消費量は、向流稼働様式で減らすことができる。チューブ直径は、10〜200mm、有利には40〜100mm、最も有利には50〜70mmであってよい。チューブ長は、通常は、1〜10m、有利には3〜8m、最も有利には5〜7mである。チューブの数は、100〜3000、有利には600〜1800といった技術的に実現可能な規模で様々である。該チューブは、できる限り大きな材料交換表面を提供するために、かつ蒸気と吸収剤との間の材料輸送係数をできる限り大きく提供するために、場合により、従来技術に相当し、かつ当業者に公知の充填材料、充填体(Packing)又は他の内部構造物(internal fittings)を備えていてよい。これらは、吸収のために慣用のタイプの充填体、例えばB1、C1(Montz社製)又はMellapak、Kerapak(Sulzer社製)又はRalupak(Rashig社製)又はRombopak(Kuehni社製)又は精留目的のために慣用のあらゆる全てのタイプの充填体又は充填材料のタイプ(VFFによって特定されるあらゆるもの)、例えばラシヒリング、ポールリング又はインタロックスサドル、バールサドル、Super−Torus(Rashig社製)又はSuper、Interpack、Top−Pak、Hacketten、Igel、VSP又はHiflowリング型(Rauschert社製)であってよく、これらは市販のサイズであり、かつ主流となる条件下でシステム中の物質に耐久性である当業者に公知の材料から製造される。更に、内部構造物、例えば静的ミキサー、例えばKoch−Glitsch社製のSMV型の静的ミキサー又は流動妨害物、例えばCal Gavin社製のHi−Tran型の流動妨害物(flow turbulator)を使用することもできる。充填材料を使用することが最も好ましい。
等温吸収から分離された精製されたホスゲン溶液(液状ホスゲン流)は、(場合により更なる後処理後又はホスゲンの脱着後に)、イソシアネート合成の反応部に戻してよい。イソシアネート製造のプラントのサイズに応じて、新たに生成する気体状ホスゲンは、ホスゲン化からの蒸気流と一緒に吸収剤中に凝縮させて溶解させるか、又は別個のホスゲン凝縮においてホスゲン製造の範囲内で凝縮させ、そして別々に反応部に導くかのいずれかであってよい。等温吸収の出口での蒸気の温度は、有利には、10℃〜−20℃、より有利には0℃〜−20℃、最も有利には−5℃〜−15℃の範囲である。等温吸収からの蒸気であって、依然として僅かな量のみのホスゲンを含有する蒸気を、次いで、有利には断熱吸収において向流で冷プロセス溶剤を用いて洗浄して、蒸気流から吸収剤へと溶解するホスゲンあるいは他の成分、例えば低沸点化合物を分離する。冷プロセス溶剤の機能は、有利には、従来技術に相当する液体分布体(liquid distributor)を介して成し遂げることができる。断熱吸収のために、交換材料のために、トレイ、充填材料又は充填体を使用してよい。構造化充填体、例えばMellapak型(Sulzer社製)の構造化充填体は、この目的に使用するのに最も好ましい。次いで、精製された塩化水素流を、有利には、吸収塔の塔頂部で分離するが、該塔は、本発明の有利な一実施態様では、等温吸収と断熱吸収の方法工程を含む。
等温吸収と断熱吸収との前記のシーケンス(有利には1つの装置において)の特に好ましい組み合わせのために、純粋な断熱吸収と比較して、ホスゲンを、僅か少量のプロセス溶剤だけを用いて効率的に吸収することが可能である。更に、外部に配置された熱交換器であって、安全性の問題が存在することがあり、かつ吸収の熱を取り除くために純粋な断熱吸収において中間冷却装置として必要とされる熱交換器は、回避される。当業者に公知の2つの吸収工程のレイアウトは、断熱吸収において吸収剤の温度上昇が依然としてホスゲン溶解度に関して許容される量でホスゲンが等温吸収されるという原理に従って実行される。
1つの装置における等温吸収と断熱吸収との好ましい組合せにおける吸収塔の塔頂温度は、有利には−40℃〜0℃、最も有利には−30℃〜−20℃である。塔頂圧は、有利には1〜35バール(絶対圧)、最も有利には1.2〜3バール(絶対圧)である。
本発明を、以下に図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することの概略図である。
塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有し、通常は脂肪族もしくは芳香族のアミンとホスゲンとを反応させて相応のイソシアネートを形成することで生ずる流1を、本発明の分離のための特定の一実施態様では、図1に図示される吸収塔51中に、等温吸収段階eの下方で直接導入する。等温吸収塔eの頂部で、断熱吸収段階fからの液状排出流12並びに場合によりホスゲンと塩化水素とで部分的に負荷された真空システムに由来する又はイソシアネート合成の溶剤分離に由来する溶剤(流10)を、場合により冷却し、そしてそれを冷却剤として、液体分布体を介して向流で、物質混合物流1の気体状フラクションに添加する。
等温吸収段階eからの被吸収物9を、吸収塔51の塔底部dに送る。精製されたホスゲン溶液8(液状ホスゲン流)は、イソシアネート合成の反応部に戻してよい。イソシアネート製造用プラントのサイズに応じて、新たに生成する気体状ホスゲンは、ホスゲン化からの蒸気流と一緒に吸収装置中で凝縮させて溶解させるか、又は別個のホスゲン凝縮においてホスゲン製造の範囲内で凝縮させ、そして別々に反応部に導くかのいずれかであってよい。等温吸収の出口での蒸気の温度は、有利には、10℃〜−20℃、より有利には0℃〜−20℃、最も有利には−5℃〜−15℃の範囲である。等温吸収eからの蒸気であって、依然として僅かな量のみのホスゲンを含有する蒸気11を、次いで、断熱吸収段階fにおいて向流で冷プロセス溶剤13を用いて洗浄して、蒸気流11から、吸収剤へと溶解するホスゲンあるいは他の成分、例えば低沸点化合物を大部分除去する。冷プロセス溶剤13の機能は、従来技術に相当する液体分布体によって実施される。断熱吸収のためには、材料交換のためにトレイ、充填材料又は充填体を使用することができ、その際、構造化充填体、例えばMellapak型(Sulzer社製)の構造化充填体がこの目的のために最も好ましく使用される。次いで、精製された塩化水素流19を、吸収塔51の塔頂部で分離するが、該塔は、この実施態様では、等温吸収と断熱吸収の方法工程を含む。
図2は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流でホスゲンの部分凝縮をすることを示す概略図である。
図2に図示される実施態様においては、できる限り多くのホスゲンを、凝縮物として熱交換器(凝縮器a)中での部分凝縮によって、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性溶剤を含有し、脂肪族もしくは芳香族のアミンとホスゲンとを反応させて、相応のイソシアネートを形成させることで生ずる流1から、既に記載した等温吸収及び断熱吸収の組合せ(図1に示される)の前に分離する。
従来技術に相当するあらゆる凝縮器が熱交換器として適している。冷ブラインに関する高価な冷却エネルギーを削減するために、物質混合物流1も冷ブラインによって冷却される一段階法の代わりに、二段階あるいは多段階の方法を使用することができる。部分凝縮及び冷却のための段階の数とそれらの温度は、局所因子に応じて様々である。
凝縮段階は、有利には、冷ブラインを用いて、有利には−40℃〜−0℃、最も有利には−20℃〜−10℃で実施される。凝縮工程は、図2に図示されるように、僅かにホスゲン(すなわち混合物の質量に対して1質量%未満、有利には0.5質量%未満)及び塩化水素で負荷された、真空ポンプの環状流体系に由来するか又はイソシアネート合成の溶剤分離に由来するか又は両方の流の任意の混合物に由来する溶剤(流5)を添加して、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流1と一緒に添加して実施することができる。冷ブラインでの凝縮段階は、有利には、空冷された冷ブラインを用いた凝縮段階によって、有利には25℃〜50℃、最も有利には30℃〜40℃で、かつ場合により加えてより温かい冷ブラインを用いた冷却段階によって、有利には0℃〜25℃で(図2には示さず)行われる。
凝縮器aにおける部分凝縮から得られた物質流6からのホスゲンを吸収させることは、図1に示される方法と同様に実施される。凝縮器aにおける部分凝縮からの凝縮物流4は、吸収塔51の塔底部dに導かれ、そして被吸収物と一緒に、ホスゲン溶液8として、イソシアネート合成の反応部分に戻してよい。イソシアネート製造用のプラントのサイズに応じて、新たに生成する気体状ホスゲンは、ホスゲン化からの蒸気流と一緒に吸収装置中で凝縮させて溶解させるか、又は別個のホスゲン凝縮においてホスゲン製造の範囲内で凝縮させ、そして別々に反応部に導くかのいずれかであってよい。1段階又は多段階の部分凝縮が上流に接続されているため、必要な吸収剤量を減らすことができ、こうすることで、プロセス溶剤用の循環流は少なくなり、従ってイソシアネート合成におけるエネルギー消費は削減される。更に、流下薄膜型吸収装置のサイズは、1又はそれ以上の凝縮段階を有することによって小さくなる。
図3は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流に接続されたホスゲンの部分凝縮をすることと、依然として含まれる溶剤を吸収塔の気体状の塔頂流から過冷却することを示す概略図である。図3に図示される実施態様では、ホスゲンは、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性溶剤を含有し、脂肪族もしくは芳香族のアミンとホスゲンとを反応させて、相応のイソシアネートを形成させることで生ずる流1から分離され、その際、図2に図示される実施態様(ホスゲンの部分凝縮並びにホスゲンの等温吸収と断熱吸収の組み合わせ)の拡大によって、吸収塔の気体状塔頂流からの依然として含まれる溶剤は、熱交換器中で過冷却することによって分離され、そして次いで該冷却エネルギーは、塔頂部で好適な付属装置を介して回収される。
塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流1はまず、図2で既に図示したように、部分凝縮に引き続く等温吸収と断熱吸収とによって部分的に分離される。
断熱吸収段階fからの蒸気14を、後続凝縮器gにおいてもう一度高度に過冷却し、そして依然として存在している溶剤を、部分的に凝縮させ、そしてそれを液状還流物15として断熱吸収段階fに添加する。凝縮できないフラクション16を、熱交換器hに供給して、エネルギーを回収し、そこでプロセス溶剤流17を冷却し、次いでそれを予備冷却流18として更なる冷却のために一段階もしくは多段階の熱交換器i中に導き、次いで流13として、吸収剤としての液状還流物15と一緒に断熱吸収段階fの塔頂部で添加する。精製された塩化水素流19は、気体形で、同時に吸収塔の塔頂部を形成する熱交換器hで分離され、その際、前記塔は、等温吸収、断熱吸収、後続凝縮及びエネルギー回収の段階を含む。従来技術に相当するあらゆる熱交換器は、後続凝縮及びエネルギー回収のための熱交換器として適しており、その際、シェルアンドチューブ型の熱交換器が有利には使用され、そして交差流−向流のスイッチングを有するシェルアンドチューブ型の熱交換器が最も有利に使用され、それらは吸収塔の塔頂部中に直接導入される。そのガスは、塔頂部から下方に向かって又は塔底部から上方に向かって交差するように、かつ向流でブラインが流通するチューブへと流れる。
吸収塔51の塔頂温度は、そのエネルギー削減配置を使用することによって、有利には−20℃〜40℃、最も有利には−10℃〜20℃である。塔頂圧は、有利には1〜35バール(絶対圧)、特に有利には1.2〜3バール(絶対圧)である。後続凝縮器とエネルギー回収との間のガス流の温度は、有利には−40℃〜−10℃、最も有利には−40℃〜−25℃である。
図4は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流でホスゲンの部分凝縮をすることと、依然として含まれる溶剤を吸収塔の気体状の塔頂流から過冷却することと、ホスゲン溶液をストリッピングすることを示す概略図である。
図4に図示される実施態様では、吸収塔51の塔底部で分離された液状ホスゲン流8(ホスゲン溶液)の純度は、特にホスゲン及び/又は溶剤中に可溶の低沸点化合物、例えば塩化水素に関してもう一度高めることができる。図4に図示される実施態様において、付加的な物質流が、図1、2及び3に示される実施態様に対して、吸収塔内で形成されるので、図4による方法を、もう一度以下に詳細に説明する。
塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有し、通常は脂肪族もしくは芳香族のアミンとホスゲンとを反応させて、相応のイソシアネートを形成することで生ずる流1は、場合により、僅かにホスゲン(すなわち混合物の質量に対して1質量%未満、有利には0.5質量%未満)及び塩化水素で負荷された溶剤流5と一緒に、まず第一の熱交換器aにおいて有利には25℃〜50℃、最も有利には30℃〜40℃の温度で部分的に凝縮させ、そして冷却される。こうして得られた冷却された物質混合物を、次いで、第二の熱交換器(図4には示されていない)において、もう一度有利には0℃〜25℃、最も有利には5℃〜15℃で部分的に凝縮され、そして冷却される。該凝縮物4は、ストリッピング区域jの頂部に添加される。凝縮されていないフラクションは、有利には、付加的な熱交換器を用いて、かつ僅かにホスゲン(すなわち混合物の質量に対して1質量%未満、有利には0.5質量%未満)及び塩化水素で負荷された、真空ポンプの環状流体系に由来するか又はイソシアネート合成の溶剤分離に由来するか又は両方の流の任意の混合物に由来する溶剤(流5)を添加しつつ、有利には−40℃〜0℃、特に有利には−10℃〜−20℃の温度で部分的に凝縮(図4には示されていない)され、そして冷却される。こうして得られた凝縮物は、同様に、ストリッピング区域jの頂部に添加することができる。
依然として多量のホスゲンを含有する凝縮されていない蒸気6並びにホスゲン溶液のストリッピング区域jからの蒸気20は、等温吸収段階eの底部に添加される。生ずる吸収の熱は、直ちに冷媒に放出される。断熱吸収塔fからの液状排出流12並びに場合によりホスゲンと塩化水素で部分的に負荷された真空システムに由来するか又はイソシアネート合成の溶剤分離に由来する溶剤(流10)は、場合により、等温吸収段階eの頂部で冷却され、そしてそれは、冷却剤として、液体分布体を介して向流で、凝縮されていない蒸気6及び20に添加される。
等温吸収段階fからの負荷された溶剤9並びに凝縮器a中での部分凝縮からの凝縮物4は、溶解度に応じて依然として一定量の低沸点化合物で負荷されているが、それらは、ストリッピング区域jの頂部に添加され、そこで蒸気流22により向流でストリッピングされる。蒸気流22は、有利には、主に、ホスゲン及びホスゲン製造における通常の不純物、例えば水素、酸素、微量の塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素などから構成される。ストリッピングされたホスゲン溶液は、吸収塔51の塔底部d中に進む。そこで、塩化水素が大部分除去されたホスゲン溶液8(液状ホスゲン流)が分離され、それはイソシアネート合成の反応部分に戻すことができる。イソシアネート製造のプラントのサイズに応じて、新たに生成する気体状ホスゲンは、ホスゲン化からの蒸気流と一緒に吸収剤装置中で凝縮させて溶解させるか、又は別個のホスゲン凝縮においてホスゲン製造の範囲内で凝縮させ、そして別々に反応部に導くかのいずれかであってよい。ホスゲン溶液の純度の要求に応じて、凝縮器a中での部分凝縮からの凝縮物流4は、吸収塔51の塔底部dに直接送ることもできる。塩化水素及び他の低沸点化合物の割合は、それにより若干高まる。
ストリッピング区域jの実装は、公知の従来技術に相当する。その設計は、底部流における低沸点化合物の所望の含量に関して、当業者に公知の様式及び方法で、かつかかる分離に通常使用される様式及び方法で行われる。該装置は、充填体区域、充填材料区域又は段塔区域を含んでよい。
低沸点化合物の分離を吸収塔中に組み込む一方で、塔外部に配置された付加的な熱交換器を削減し、かつ本発明の方法により達成された、他では別々に供給される必要がある熱エネルギー及び/又は冷却エネルギーを削減することは、投資費用と稼働費用とに関しても安全性に関しても特に好ましい。しかしながら、また外部あるいは内部に配置された熱交換器におけるホスゲン溶液のストリッピング用の蒸気流22を、吸収塔51の塔底部dを出たホスゲン溶液8(液状ホスゲン流)の一部の蒸発を通じて生じさせることも可能である。
依然として少量のホスゲンを含有するに過ぎない等温吸収段階eからの残りの蒸気11は、断熱吸収段階fの底部に供給される。引き続いての後続凝縮gから流出する冷溶剤13及び凝縮物15は、向流で前記供給物に、断熱吸収段階fの頂部で添加される。
断熱吸収段階fからの蒸気14を、後続凝縮器gにおいてもう一度激しく冷却し、そして依然として存在しているホスゲンとプロセス溶剤を、部分的に又は完全に凝縮させ、そしてそれを液状還流物15として断熱吸収段階fに添加する。凝縮されていないフラクション16を、熱交換器hを通じて導き、エネルギーを回収し、そこで溶剤流17を部分的に冷却し、次いでそれを予備冷却流18として更なる冷却のために一段階もしくは多段階の熱交換器i中に導き、次いで流13として、吸収剤としての液状還流物15と一緒に断熱吸収段階fの頂部で添加する。精製された塩化水素流19は、気体形で、同時に吸収塔の塔頂部を形成する熱交換器hで分離され、その際、前記塔は、ストリッピング、等温吸収、断熱吸収、後続凝縮及びエネルギー回収の段階を含む。
そのエネルギー削減様式では、吸収塔の塔頂温度は、有利には−20℃〜40℃、最も有利には−10℃〜20℃である。塔頂圧は、有利には1〜35バール(絶対圧)、最も有利には1.2〜3バール(絶対圧)である。
依然として存在する微量の溶剤、低沸点化合物及びホスゲンは、ホスゲン及び溶剤を含有する塩化水素流から、例えば活性炭上での吸収による後精製によって又は他の好適な方法、例えば使用されるプロセス溶剤の固定点と選択される圧力に応じて一段階もしくは多段階の凝縮分離もしくは非常に低い温度での凍結分離によって、又は凝縮された塩化水素の蒸留によって分離することができる。こうして得られた高度に純粋な塩化水素は、次いで、Deacon法において二塩化エチレン(塩化ビニル)の製造のために又は塩化水素の電気分解のために使用することができる。
等温吸収と断熱吸収との特に好ましい組み合わせのため、純粋な断熱吸収に対して、ホスゲンを、少量だけの溶剤をもってして特に効率的に吸収させることができる。これは、大規模イソシアネート合成で使用されるエネルギー集中的な溶剤循環を最少化するにあたり更なる工程を構成する。
図4に図示される本発明の実施態様では、ホスゲン溶液(液状ホスゲン流)中の塩化水素及び他の低沸点化合物の濃度は、なおも更に、必要に応じて、吸収塔中のストリッピング部によって、等温吸収の上方で、底部蒸発器及び頂部凝縮器を有する特殊な分離塔を用いる必要なく、イソシアネート合成のホスゲン製造からの蒸気流をストリッピングガスとして用いて、かつストリッピングの間に該流を凝縮させることによって低減させることができる。通常は、該イソシアネート合成におけるこの蒸気流は、別個の凝縮において液化され、次いでそれはホスゲン溶液に添加される。本発明による方法においては、凝縮は、場合により、等温吸収から流入するホスゲン溶液の潜熱によって実施される。
本発明の方法が、純粋な断熱吸収と事前の蒸留の両方を使用して、ホスゲン溶液中の塩化水素濃度を低減させる方法と比較して有する更なる利点は、冷却ブラインの顕著に低い冷却エネルギー消費であり、それは、吸収の組み合わせ、特に等温吸収及び断熱吸収とホスゲン蒸気によるストリッピングとの効果的な組み合わせにより、更なる蒸発エネルギーを必要とせず、従って更なる凝縮エネルギーを必要としないためである。ストリッピングに使用されるホスゲン蒸気の凝縮に使用されるエネルギーは、イソシアネート合成のためのホスゲン製造において削減される。
ホスゲンを取り扱う場合の、本発明の方法の安全性の観点について、等温吸収と断熱吸収とを実施し、かつ場合により引き続き後続縮合に続き、エネルギー回収及び場合によりホスゲン溶液のストリッピングを、装置の単一部、例えば1つの塔胴体において行うことが特に好ましいのは、こうして漏洩の可能性が、多くの外部に位置したパイプラインフランジ接続の数を最少化によって少なくなるからである。
塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有し、通常は脂肪族もしくは芳香族のアミンとホスゲンとを反応させて、相応のイソシアネートを形成することで生ずる流の分離は、3段階の部分凝縮によって行われ、そこでは、第三段階において、クロロベンゼンを付加的に向流で添加し、続いてホスゲンをクロロベンゼンで向流で部分等温吸収させ、引き続き残りのホスゲンをクロロベンゼンで向流において断熱吸収し、そして最後に残留クロロベンゼンを、少量のホスゲンと溶剤をと含有する塩化水素流から、図4に示されるように後凝縮させる。
吸収塔の塔底部で、形成されるホスゲン溶液を、部分凝縮からの凝縮物と一緒に、次いで、塩化水素から、ホスゲン製造からの気体状ホスゲン流で図4に相応してストリッピングによって部分的に分離する。
39.2kg/時間の塩化水素流1を、45℃(空冷)、+10℃(冷却ブライン)、そして−17℃(冷却ブライン)で稼働する3つの連続的な熱交換器中で部分凝縮させるために使用する。使用される塩化水素流は、25.3質量%の塩化水素、42.3質量%のクロロベンゼン、32.4質量%のホスゲン、イソシアネート合成に典型的な少量の低沸点化合物を含有する。最低温度での最後の凝縮工程において、更に0.53kg/時間のクロロベンゼンを並流で添加して、凝縮性能を向上させる。第二段階及び第三段階からの液状凝縮物4を、ストリッピング部に直接添加する。第三段階からの廃ガス6を、等温吸収に供給する。
等温吸収及び断熱吸収と、廃ガスからの溶剤の後続凝縮及びホスゲン溶液からの低沸点化合物のストリッピングとの以下の組み合わせは、本実施例において、実装された工程が1つの塔胴体内に配置されていれば接続された幾つかの装置の組み合わせにおいて実施される。
チューブを有する縦置きの熱交換器を、等温吸収のために使用した。冷却は、冷却ブラインで−17℃で実施した。チューブは、54.5mmの直径、3mの長さを有し、そしてサイズ15×15mmのポールリングで充填された。部分凝縮からの廃ガス流6を、13.4kg/時間及び−10℃の温度で、熱交換器の下端部に添加した。この廃ガスの組成は、約69.28質量%の塩化水素、0.04質量%のクロロベンゼン、30.68質量%のホスゲン及びイソシアネート合成に典型的な微量の低沸点化合物であった。等温吸収の頂部での供給物は、2.1kg/時間のクロロベンゼンであって、僅かにホスゲン(2.6質量%のホスゲン)で負荷されたクロロベンゼンと断熱吸収からの7.56kg/時間の排出流12(4.8質量%の塩化水素、93.9質量%の塩素及び1.3質量%のホスゲン)から構成される。等温吸収によって事前に精製された9.92kg/時間の塩化水素流11であって、98.1質量%の塩化水素、0.2質量%のクロロベンゼン、1.0質量%のホスゲン及び0.7質量%のイソシアネート合成に典型的な低沸点化合物の組成を有する流を、断熱吸収段階に供給し、そして流出するホスゲン溶液9をストリッピング部に供給した。
断熱吸収は、直径55mmを有する充填塔中で実施する。充填高さは1mであった。吸収のために、−35℃の7.08kg/時間のクロロベンゼンと、後続凝縮からの0.012kg/時間の凝縮物流15とを、向流で、断熱吸収の頂部に添加した。断熱吸収を出たホスゲンを含まない9.45kg/時間の塩化水素流14は、99.1質量%の塩化水素、0.14質量%のクロロベンゼン、0.03質量%のホスゲン、0.73質量%のイソシアネート合成に典型的な低沸点化合物から構成されていた。この流は、引き続いての後続凝縮において−35℃で溶剤の残留量も非常に大幅に除去されていた。9.44kg/時間の工業用塩化水素16が得られ、それは、99.21質量%の塩化水素、0.03質量%のクロロベンゼン、0.03質量%のホスゲン及び0.73質量%のイソシアネート合成に典型的な低沸点化合物の組成を有していた。頂部圧は、2.5バール(絶対圧)であり、かつ頂部温度は、−35℃であった。
部分凝縮から流出したホスゲン溶液4を、等温吸収からの流9と一緒に、ストリッピング塔の頂部に添加した。40.52kg/時間のホスゲン溶液であって、2.9質量%の塩化水素、64.7質量%のクロロベンゼン及び32.4質量%のホスゲンの組成を有する溶液を、向流で、ホスゲン製造からの1.39kg/時間の気体状ホスゲン流22によってストリッピングした。直径25mmを有する充填塔を、ストリッピング塔として使用し、該充填高さは、0.2mであった。流出したホスゲン溶液8は、1.4質量%の塩化水素、64.2質量%のクロロベンゼン、34.4質量%のホスゲンの組成を有し、かつ流速40.84kg/時間を有した。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。
図1は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することを示した概略図である 図2は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流でホスゲンの部分凝縮をすることを示す概略図である 図3は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流でホスゲンの部分凝縮をすることと、依然として含まれる溶剤を吸収塔の気体状の塔頂流から過冷却することを示す概略図である 図4は、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を1つの吸収塔中で分離することと、上流でホスゲンの部分凝縮をすることと、依然として含まれる溶剤を吸収塔の気体状の塔頂流から過冷却することと、ホスゲン溶液をストリッピングすることを示す概略図である
符号の説明
1 物質混合物流、 4 凝縮物流、 5 溶剤流、 6 物質流、 8 液状ホスゲン流、 9 被吸収物、 10 流、 11 蒸気流、 12 液状排出流、 13 冷プロセス溶剤、 14 蒸気流、 15 液状還流物、 16 凝縮できていないフラクション、 17 プロセス溶剤流、 18 予備冷却流、 19 精製された塩化水素流、 20 蒸気流、 22 蒸気流、 51 吸収塔、 a 凝縮器、 d 塔底部、 e 等温吸収段階、 f 断熱吸収段階、 g 後続凝縮器、 h 熱交換器、 i 熱交換器、 j ストリッピング区域

Claims (1)

  1. イソシアネートの製造方法において:
    a)少なくとも1つのアミンとホスゲンとを、溶剤の存在下又は不在下に反応させて、相応のイソシアネート及び、塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を得る工程、
    b)その塩化水素、ホスゲン及び場合により溶剤、低沸点化合物並びに不活性物質を含有する流を、少なくとも2段階シーケンスの吸収工程であって、(1)少なくとも1つの等温吸収工程と、(2)少なくとも1つの断熱吸収工程とを有する工程において分離して、(i)塩化水素流の全質量に対して0.5質量%以下のホスゲンを含有する塩化水素流と、(ii)液状ホスゲン流とを得る工程、及び
    c)液状ホスゲン流(ii)を工程a)に再循環させる工程
    を含む方法。
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