実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。
eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
非特許文献7及び非特許文献8に開示されているとおり、3GPPでは、リリース10として「ロングタームエボリューション アドヴァンスド」(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている。
LTE−AシステムではLTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。
そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。
LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
コンポーネントキャリアの構造が現在の3GPP(リリース8)仕様に従えば、LTE対応の移動端末は、単独のコンポーネントキャリア上のみで、受信と送信が可能となる。
LTE対応の移動端末は、3GPPリリース8対応の移動端末とも言い換えることができる。つまり、LTE対応の移動端末がLTE−Aシステム上で動作可能とする、互換可能とすることが考えられている。
非特許文献8にLTE−Aシステムにおけるシステム情報の報知方法が記載されている。また、キャリアアグリゲーション対応の基地局における、シングルキャリアアンカー(Single carrier anchor)とマルチキャリアアンカー(Multi carrier anchor)について開示されている。
シングルキャリアアンカーにおいて、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。シングルキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアアンカーのキャリアを示す情報が通知される。シングルキャリアアンカーにおいては、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。
一方、マルチキャリアアンカーにおいても、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。マルチキャリアアンカーにおいても、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。マルチキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアのシステム情報が報知される。
実施の形態1にて解決する課題について説明する。
非特許文献8には、シングルキャリアアンカーにおいても、マルチキャリアアンカーにおいても、ともに現在の3GPP(リリース8)のシステム情報が報知されることが開示されている。しかし、シングルキャリアアンカーの場合でも、マルチキャリアアンカーの場合でも、LTE−Aシステムのアンカーキャリアにおいて報知される現在の3GPP(リリース8)のシステム情報などについて留意事項の開示はない。
現在の3GPP(リリース8)のシステム情報のうちマスタ情報(Master Information)には送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)が含まれる(非特許文献9)。
図13は、LTE−Aシステムの周波数帯域の構成を示す図である。図13を用いて、具体例を示しながら課題について説明する。
図13の1301は物理下り制御チャネル(PDCCH)を示す。図13においては、コンポーネントキャリア毎に物理下り制御チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、物理下り制御チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、物理下り制御チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。
1302、1303、1304、1305、1306は、下り同期信号および物理報知チャネル(PBCH)を示す。図13においては、コンポーネントキャリア毎に下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。
LTE−Aシステムにてコンポーネントキャリアとして20MHzの帯域幅を持ち、当該コンポーネントキャリアを5つ(fa、fb、fc、fd、fe)有する基地局を考える。つまり下り送信帯域幅が100MHzである基地局を考える。また、シングルキャリアアンカーとしてfa、fc、feがあり、マルチキャリアアンカーとしてfb、fdがあると考える。ここで、コンポーネントキャリアの帯域幅は20MHzに限らず、20MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。また、LTE−Aシステムの基地局の下り送信帯域幅は100MHzに限らず、100MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。
図13の基地局においては、送信帯域幅は100MHzとなる。よってアンカーキャリアから報知されるシステム情報のマスタ情報中の送信帯域幅としては100MHzを示す情報がマッピングされることになる。
次にLTE対応の移動端末が図13に示す基地局をセル選択し、キャンプオンする動作について図12を用いて検討する。例えば非特許文献8の技術を用いて、LTE対応の移動端末は、図13の基地局のfa、fb、fc、fd、feにて受信と送信が可能とする。
例えばステップST1203にてアンカーキャリアfeの参照信号RSの受信品質が最も良いと判断されたとする。
次にステップST1204でアンカーキャリアfeにおいて報知されているPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、MIBがマッピングされる。非特許文献8にはシングルキャリアアンカー、マルチキャリアアンカーにおいても現在の3GPP(リリース8)のシステム情報が報知されることが開示されている。よってアンカーキャリアfe(fa、fb、fc、fdも同様)において移動端末へMIBの情報として送信帯域幅が報知される。図13の基地局の送信帯域幅は100MHzであるので、当該MIBの情報にも送信帯域幅として100MHzを示す情報がマッピングされる。
次にステップ1205で移動端末は、MIBで通知された送信帯域幅をもとにPDCCHを受信する。また、移動端末は、PDCCHにマッピングされるPDSCHの割当情報(スケジューリング情報とも称される)に従って、PDSCH上にマッピングされるDL−SCHを受信して、報知情報であるSIB(System Information Block)1を得ようとする。上記ステップST1204で示した通り、当該アンカーキャリアで報知されるMIB情報中には、基地局の送信帯域幅を示す情報がマッピングされる。このことにより、LTE対応移動端末はコンポーネントキャリアの送信帯域幅を知ることが出来ない。よってコンポーネントキャリアの送信帯域幅全体を用いて送信されるPDCCHを受信することが不可能となる。それにともないPDSCH上にマッピングされるBCCH中のSIB情報が受信不可能となる。このため、LTE対応移動端末がアンカーキャリア上で受信と送信が不可能になるという問題が発生する。つまり、LTE−AシステムとLTEシステムとの間で互換性を維持できないという課題が発生する。
本実施の形態1での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、アンカーキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のマスタ情報として、または、システム情報中のマスタ情報中の送信帯域幅情報として、基地局の送信帯域幅を示す情報を報知しない。ここで、キャリアアグリゲーション可能なセルは、LTE−Aシステム対応の基地局である。あるいは、リリース10対応の基地局であっても良い。アンカーキャリアは、シングルキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアであっても、マルチキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアであっても良い。あるいは、コンポーネントキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のマスタ情報として、または、システム情報中のマスタ情報中の送信帯域幅情報として、基地局の送信帯域幅を示す情報を報知しない。
または、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、アンカーキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のマスタ情報として、または、システム情報中のマスタ情報中の送信帯域幅情報として、当該アンカーキャリアの送信帯域幅を示す情報を報知してもよい。あるいは、コンポーネントキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のマスタ情報として、または、システム情報中のマスタ情報中の送信帯域幅情報として、当該アンカーキャリアの送信帯域幅を示す情報を報知してもよい。
これにより、LTE対応の移動端末がアンカーキャリアにて当該アンカーキャリアの送信帯域幅を知ることができる。よってアンカーキャリアの送信帯域幅全体を用いて送信されるPDCCHを受信することが可能となる。よってPDCCH上にマッピングされるPDSCHの割当情報を受信可能となる。それにともない、PDSCH上にマッピングされるBCCH中のSIB情報が受信可能となり、LTE対応移動端末がアンカーキャリア上で受信と送信が可能となる効果を有する。
または、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、基地局の送信帯域幅を示す情報(送信帯域幅設定であっても良い)は、マルチキャリア(集合キャリア)のシステム情報として報知してもよい。マルチキャリアのシステム情報は、LTE−Aシステム用のシステム情報であっても、リリース10用のシステム情報であってもよい。
LTE対応移動端末の受信帯域幅の能力としては20MHzである。また、非特許文献7に開示されているようにLTE対応移動端末は、単独のコンポーネントキャリア上のみで、受信と送信が可能となることが考えられている。よってLTE対応移動端末にとっては受信帯域幅の能力以上となると考えられるLTE−Aシステム対応の基地局の送信帯域幅を示す情報は不要な情報となる。
LTE対応移動端末には不要な情報である、LTE−Aシステム対応の基地局の送信帯域幅を示す情報は、アンカーキャリアのシステム情報としては通知されず、マルチキャリアのシステム情報として報知されることになる。よって不要な情報をLTE対応移動端末が受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末がデコードする必要のあるデータ量の削減が可能となり、処理負荷を軽減できるという効果を得ることができる。また、LTE−A対応移動端末にとって必要な情報を、マルチキャリアのシステム情報として基地局傘下のLTE−A対応移動端末全体に報知可能となる効果を得ることができる。
上記解決策にて、アンカーキャリアはマスタキャリア、第一(Primary)キャリア、特有(Specific)キャリアとも呼ばれる。
図14は、移動端末の動作の一例を示すフローチャートである。図14において図12と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
ステップST1401にて受信品質が最も良いアンカーキャリア(ベストキャリアと称する)を選択する。
ステップST1402において、ステップST1401にて選択したベストキャリアのPBCHを受信して、報知情報を運ぶBCCHを得る。BCCHには、MIB(Master Information Block)がマッピングされる。MIBの情報として、当該アンカーキャリアの送信帯域幅を示す情報を受信する。
ステップST1403にて、ステップST1402で受信した当該ベストキャリアの送信帯域幅および、その他のMIB情報をもとに該ベストキャリアのPDCCHを受信する。このとき得られたPDCCH上のスケジューリング情報に従い、PDSCH上にマッピングされる報知情報であるSIB(System Information Block)1を受信する。SIB1にはアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。またステップST1403、あるいはステップST1402にてマルチキャリアアンカーのキャリアに関する情報(周波数帯域の情報)を受信する。
ステップST1404にて当該移動端末がLTE−A対応(リリース10対応であっても良い)であるか否かを判断する。LTE−A対応であればステップST1405へ移行する。LTE−A対応でなければステップST1408へ移行する。あるいはステップST1404にて当該移動端末がLTE対応(リリース8対応であっても良い)であるか否かを判断する。LTE対応でなければステップST1405へ移行する。LTE対応であればステップST1408へ移行する。
ステップST1405にてステップST1402、あるいはステップST1403で受信したマルチキャリアアンカーのキャリアに関する情報を基に、当該情報が示すマルチキャリアアンカーの周波数へ設定を変更する。
ステップST1405にて移行したマルチキャリアアンカーのPBCHをステップST1406にて受信して、報知情報を運ぶBCCHを得る。BCCHには、MIB(Master Information Block)がマッピングされている。MIBの情報として、当該アンカーキャリアの送信帯域幅を示す情報を受信する。
ステップST1407にてステップST1406で受信した当該アンカーキャリアの送信帯域幅および、その他のMIB情報をもとに、該アンカーキャリアのPDCCHを受信する。このとき得られたPDCCH上のスケジューリング情報に従い、PDSCH上にマッピングされる報知情報であるSIB(System Information Block)1を受信する。SIB1にはアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。またステップST1406、あるいはステップST1407にてマルチキャリアのシステム情報を受信する。マルチキャリアのシステム情報として、基地局の送信帯域幅を示す情報を受信する。当該基地局の送信帯域幅を示す情報は、キャリアアグリゲーションの際に用いられる。
ステップST1408で、移動端末は、ステップST1403、あるいはステップST1407で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACとを比較する。比較した結果が同じならば、ステップST1409へ移行する。比較して異なる場合は、ステップST1410へ移行する。
ステップST1409にて移動端末は、待ち受け動作に入る。
ステップST1410にて移動端末はコアネットワーク(Core Network, EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する信号を送信する。コアネットワークには、MMEなどが含まれる。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末はステップST1403、あるいはステップST1407で受信したTACにて、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)、あるいは追加する。その後移動端末はステップST1409へ移行し、待ち受け動作に入る。
ステップST1402における、別の解決策を以下に開示する。
コンポーネントキャリアの帯域幅は20MHzに限らず、20MHz以下とすることが3GPP会合において議論されている。
本解決策においては、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、アンカーキャリアの送信帯域幅を固定値とする。具体例としては、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、アンカーキャリアの送信帯域幅を20MHzとする。あるいは、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、コンポーネントキャリアの送信帯域幅を固定値とする。具体例としては、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、コンポーネントキャリアの送信帯域幅を20MHzとする。
これにより、LTE対応の移動端末がアンカーキャリアにて当該アンカーキャリアの送信帯域幅を知ることができる。よってアンカーキャリアの送信帯域幅全体を用いて送信されるPDCCHを受信することが可能となる。よってPDCCH上にマッピングされるPDSCHの割当情報を受信可能となる。それにともない、PDSCH上にマッピングされるBCCH中のSIB情報が受信可能となり、LTE対応移動端末がアンカーキャリア上で受信と送信が可能となる効果を有する。
このとき、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、アンカーキャリアあるいはコンポーネントキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のマスタ情報として、または、システム情報中のマスタ上表中の送信帯域幅情報として、リリース8対応のシステム情報同様、基地局の送信帯域幅を示す情報を報知しても良いし、報知しなくても良い。これによりLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
移動端末の動作の一例を、図14を用いて説明する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。
移動端末は、ステップST1402にて、ステップST1401にて選択したベストキャリアがLTE−A対応の基地局であるか否かを判断する。移動端末が、LTE−Aシステム対応、あるいはリリース10対応の基地局、あるいはLTEシステム対応の基地局ではないと判断すれば、システム情報中の送信帯域幅情報を以降の受信処理に用いない。移動端末は、ステップST1402にて受信した送信帯域幅情報に関わらず、コンポーネントキャリアの送信帯域幅を上記固定値として、以降の受信処理を行う。
LTEシステム対応の基地局であるか否かの判断の具体例は、基地局の報知情報(MIBなど)にて基地局対応リリースを傘下の移動端末へ通知する。その際、LTE−A対応(リリース10対応)の基地局からのみ基地局の対応リリースを通知しても良い。これにて、既存のLTEシステムへの変更を抑えることができるという効果を得ることが出来る。これにより、傘下の移動端末が選択したセルの対応リリースを知ることができる。
実施の形態1により以下の効果を得ることが出来る。
LTE−A対応基地局、つまりキャリアアグリゲーション可能な基地局におけるアンカーキャリア、あるいはコンポーネントキャリアにおいて当該アンカーキャリア、あるいはコンポーネントキャリアの送信帯域幅を報知することにより、LTE対応の移動端末がアンカーキャリア、あるいはコンポーネントキャリアの送信帯域幅を知ることが出来る。これにより、LTE対応の移動端末がLTE−A対応基地局のアンカーキャリア、あるいはコンポーネントキャリア上のPDCCHを受信することが可能になる。よって、LTE−Aシステムとしてはキャリアアグリゲーションを実現しつつ、LTE対応の移動端末がLTE−A対応基地局のアンカーキャリア、あるいはコンポーネントキャリア上にて受信と送信が可能になる。つまり、LTE−AシステムとLTEシステムとの互換性を実現できるという効果を有する。これは、ネットワーク側の対応するバージョンが3GPPのリリース8から3GPPのリリース10へと進化しキャリアアグリゲーションを実現する場合であっても、リリース8対応(LTE対応)の移動端末を所有するユーザが移動体通信システムを使用可能という効果を有する。
さらに、マルチキャリアのシステム情報中にLTE−A対応基地局の送信帯域幅をマッピングすることにより、LTE対応移動端末のデコードが必要なデータ量の削減が可能となる。よって、処理負荷を増加させることなく、LTE−A対応移動端末のキャリアアグリゲーションを実現することが可能になる。キャリアアグリゲーションにより、通信速度の向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態1.変形例1
実施の形態1の変形例1にて解決する課題について説明する。
非特許文献8には、シングルキャリアアンカーの場合でも、マルチキャリアアンカーの場合でも、ともに現在の3GPP(リリース8)のシステム情報が報知されることが開示されている。しかし、LTE−Aシステムのアンカーキャリアにおいて報知される現在の3GPP(リリース8)のシステム情報などについて留意事項の開示はない。LTE−Aシステムのアンカーキャリアは、シングルキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアおよびマルチキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアをともに含む。
現在の3GPP(リリース8)のシステム情報のうち、システム情報ブロックタイプ1(SystemInformationBlockType1)にはトラッキングエリアコード(trackingAreaCode)(追跡エリアコード)がマッピングされる(非特許文献9)。
移動端末は、保有しているTACと受信したTACが異なれば、トラッキングエリアアップデート(TAU)の処理を行う必要がある。
LTE−A対応の移動端末がアンカーキャリアを複数含んで、キャリアアグリゲーションを行う場合、複数のアンカーキャリアでトラッキングエリアコードが異なることが考えられる。アンカーキャリアは、コンポーネントキャリアであっても良い。その場合、TAUを行うか否かの判断に、どちらのアンカーキャリアのTACを用いるべきか不明となる。よって、どちらのTACを用いるか等、移動体通信システムとしての制御が複雑になるという課題が発生する。
本実施の形態1の変形例1での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、トラッキングエリアコードを1種類(同一)とする。言い換えれば、キャリアアグリゲーション可能なセルにおいて、アンカーキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のSIB情報として、または、システム情報中のSIB1情報として通知するトラッキングエリアコードは同一とする。
具体例は図13を用いて説明する。シングルキャリアアンカー(fa、fc、fe)、マルチキャリアアンカー(fb、fd)において報知されるシステム情報として、または、システム情報中のSIB情報として、または、システム情報中のSIB情報として同じトラッキングエリアコードを報知する。
具体例は図14を用いて説明する。移動端末がステップST1403にて受信するTACとステップST1407にて受信するTACは同一になる。
実施の形態1の変形例1により以下の効果を得ることが出来る。
LTE−A対応の移動端末がアンカーキャリアを複数含んで、キャリアアグリゲーションさせた場合であっても、複数のアンカーキャリアで通知されるトラッキングエリアコードが異なることがない。よって、TAU制御において複雑性を増すことなく、キャリアアグリゲーションを実現することが可能になる。キャリアアグリゲーションにより、通信速度の向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態1の変形例1は、実施の形態1と組み合わせて用いることが出来る。
実施の形態1.変形例2
実施の形態1の変形例2にて解決する課題は、実施の形態1の変形例1と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態1の変形例2での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、キャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードを、アンカーキャリアのトラッキングエリアコードとは別に設ける。キャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードと、アンカーキャリアのトラッキングエリアコードは同じであっても、異なっても構わない。また複数のアンカーキャリアが存在する場合は、複数のアンカーキャリアのトラッキングエリアコードは同じであっても、異なっても構わない。
または、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、LTE−A対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードを、LTE対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードとは別に設けてもよい。LTE−A対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードとLTE対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードは同じであっても、異なっても構わない。
上記、新たに別に設けたトラッキングエリアコードは、キャリアアグリゲーション可能な基地局から、マルチキャリア(集合キャリア)のシステム情報として報知する。
LTE対応移動端末は、キャリアアグリゲーションを行うことはできない。よってLTE対応移動端末にとってキャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードは不要な情報となる。
LTE対応移動端末には不要な情報である、キャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードは、アンカーキャリアのシステム情報としては通知されず、マルチキャリアのシステム情報として報知されることになる。よってLTE対応移動端末が不要な情報を受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末のデコードが必要なデータ量の削減が可能となり、処理負荷の軽減という効果を得ることができる。また、LTE−A対応移動端末にとって必要な情報をマルチキャリアのシステム情報として基地局傘下のLTE−A対応移動端末全体に報知可能となる効果を得ることができる。
具体例は図13を用いて説明する。
シングルキャリアアンカーのアンカーキャリア(fa、fc、fe)、あるいはマルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)において報知されるトラッキングエリアコードとは別に、マルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)において報知されるマルチキャリアのシステム情報として、キャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードを報知する。
ここで、マルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)においては、キャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードとは別の、トラッキングエリアコードが報知されてもよい。これにより、シングルキャリアアンカー、マルチキャリアアンカーを問わず、基地局内の全てのアンカーキャリア(fa、fb、fc、fd、fe)においてLTE対応移動端末の動作が可能になるという効果を得ることができる。
具体例は図14を用いて説明する。移動端末がステップST1403、あるいはステップST1407にて受信するトラッキングエリアコードとは別に、ステップST1407にてマルチキャリアのシステム情報としてキャリアアグリゲーションを行う場合のトラッキングエリアコードを受信する。
実施の形態1の変形例2により実施の形態1の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
トラッキングエリアを管理するエンティティーとしては、MMEがある。実施の形態1の変形例2により、LTE−A対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードと、LTE対応移動端末として動作する場合のトラッキングエリアコードとを別に設けることが出来る。このため、LTE−AシステムとLTEシステムにおいて異なるMMEを設けることが容易となる。既存のLTEシステムのMMEに変更を加えることなく、新たにLTE−Aシステム用のMMEを新設することが容易となる。よって既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、柔軟な移動体通信システムが構築可能という効果を得ることが出来る。
実施の形態1の変形例2は、実施の形態1と組み合わせて用いることが出来る。
実施の形態1.変形例3
実施の形態1の変形例3にて解決する課題について説明する。
非特許文献8には、シングルキャリアアンカーの場合でも、マルチキャリアアンカーの場合でも、ともに現在の3GPP(リリース8)のシステム情報が報知されることが開示されている。しかし、LTE−Aシステムのアンカーキャリアにおいて報知される現在の3GPP(リリース8)のシステム情報などについて留意事項の開示はない。LTE−Aシステムのアンカーキャリアは、シングルキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアおよびマルチキャリアアンカーの場合のアンカーキャリアをともに含む。
非特許文献4に現在の3GPP(リリース8)におけるページング通知方法が以下の通り記載されている。
ページングオケージョン(Paging occasion:PO)とは、呼が発生したことを示すページングメッセージを通知するために、PDCCH上にページング識別子(P−RNTIと称されることもある)が存在する可能性のあるサブフレームを表す。すなわち、特定のサブフレームを表示することによって、呼の発生を通知するタイミングを示している。
1ページングフレーム(Paging Frame:PF)は1無線フレームを表す。1ページングフレームは、1あるいは複数のページングオケージョンを含む。
PF、POを導出するのに必要なパラメータは、「IMSI」「T」「nB」の3種類が存在する。
IMSIは移動端末の識別子である。UE−IDなどと称されることもある。
TはDRX周期である。間欠受信周期と称されることもある。
nBはPFの発生周期、POの発生サブフレーム数、発生サブフレーム番号を算出するために用いられる。
TとnBは基地局から傘下の移動端末へシステム情報中のSIB2にマッピングされて報知される。
現在の3GPP(リリース8)では1ページングフレーム中に1、あるいは2、あるいは4つのページングオケージョンを含むことができる。
移動端末は、受信したページング関連のパラメータに基づきPF、PO、ページングオケージョンのサブフレームパターンを算出する必要がある。
LTE−A対応の移動端末がアンカーキャリアを複数含んで、キャリアアグリゲーションを行う場合、複数のアンカーキャリアでページング関連のパラメータが異なることが考えられる。アンカーキャリアは、コンポーネントキャリアであっても良い。その場合、どちらのアンカーキャリアのページング関連のパラメータを用いるべきか不明となる。よって、どちらのページング関連のパラメータを用いるか等、移動体通信システムとしての制御が複雑になるという課題が発生する。
本実施の形態1の変形例2での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、ページング関連のパラメータを1種類(同一)とする。言い換えれば、キャリアアグリゲーション可能なセルにおいて、アンカーキャリアのシステム情報として、または、システム情報中のSIB情報として、または、システム情報中のSIB2情報として通知するページング関連のパラメータは同一とする。
具体例は図13を用いて説明する。シングルキャリアアンカー(fa、fc、fe)、マルチキャリアアンカー(fb、fd)において報知されるシステム情報として、または、システム情報中のSIB情報として、または、システム情報中のSIB2情報として同じページング関連のパラメータを報知する。
これにより、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、PF、PO、ページングオケージョンのサブフレームパターンは1種類(同一)となる。
具体例は図14を用いて説明する。移動端末がステップST1403にて受信するページング関連のパラメータとステップST1407にて受信するページング関連のパラメータは同一になる。
実施の形態1の変形例2により以下の効果を得ることが出来る。
LTE−A対応の移動端末がアンカーキャリアを複数含んで、キャリアアグリゲーションさせた場合であっても、複数のアンカーキャリアで通知されるページング関連のパラメータが異なることがない。よって、ページング処理において複雑性を増すことなく、キャリアアグリゲーションを実現することが可能になる。キャリアアグリゲーションにより、通信速度の向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態1の変形例3は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2との組合せて用いることができる。
実施の形態1.変形例4
実施の形態1の変形例4にて解決する課題は、実施の形態1の変形例3と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態1の変形例4での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、キャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータを、アンカーキャリアのページング関連のパラメータとは別に設ける。キャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータと、アンカーキャリアのページング関連のパラメータは同じであっても、異なっても構わない。また複数のアンカーキャリアが存在する場合は、複数のアンカーキャリアのページング関連のパラメータは同じであっても、異なっても構わない。
これにより、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、複数のアンカーキャリアのPF、PO、ページングオケージョンのサブフレームパターンは、異なっても良い。
または、キャリアアグリゲーション可能な基地局において、LTE−A対応移動端末として動作する場合のページング関連のパラメータを、LTE対応移動端末として動作する場合のページング関連のパラメータとは別に設けてもよい。LTE−A対応移動端末として動作する場合のページング関連のパラメータとLTE対応移動端末として動作する場合のページング関連のパラメータは同じであっても、異なっても構わない。
上記、新たに別に設けたページング関連のパラメータは、キャリアアグリゲーション可能な基地局から、マルチキャリア(集合キャリア)のシステム情報として報知する。
LTE対応移動端末は、キャリアアグリゲーションを行うことはできない。よってLTE対応移動端末にとってキャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータは不要な情報となる。
LTE対応移動端末には不要な情報である、キャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータは、アンカーキャリアのシステム情報としては通知されず、マルチキャリアのシステム情報として報知されることになる。よってLTE対応移動端末が不要な情報を受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末のデコードが必要なデータ量の削減が可能となり、処理負荷の軽減という効果を得ることができる。また、LTE−A対応移動端末にとって必要な情報をマルチキャリアのシステム情報として基地局傘下のLTE−A対応移動端末全体に報知可能となる効果を得ることができる。
具体例は図13を用いて説明する。
シングルキャリアアンカーのアンカーキャリア(fa、fc、fe)、あるいはマルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)において報知されるページング関連のパラメータとは別に、マルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)において報知されるマルチキャリアのシステム情報として、キャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータを報知する。
ここで、マルチキャリアアンカーのアンカーキャリア(fb、fd)においては、キャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータとは別の、ページング関連のパラメータも報知される。これにより、シングルキャリアアンカー、マルチキャリアアンカーを問わず、基地局内の全てのアンカーキャリア(fa、fb、fc、fd、fe)においてLTE対応移動端末の動作が可能になるという効果を得ることができる。
具体例は図14を用いて説明する。移動端末がステップST1403、あるいはステップST1407にて受信するページング関連のパラメータとは別に、ステップST1407にてマルチキャリアのシステム情報としてキャリアアグリゲーションを行う場合のページング関連のパラメータを受信する。
実施の形態1の変形例4により実施の形態1の変形例3の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
LTE対応の移動端末は、単独のコンポーネントキャリアでのみ動作可能である。よって各コンポーネントキャリアの傘下の移動端末数は大きく異なることも考えられる。本実施の形態1の変形例4では、複数のアンカーキャリアが存在する場合は、複数のアンカーキャリアのページング関連のパラメータが異なっても構わない。よって実施の形態1の変形例3と比較して、移動体通信システムとして傘下の移動端末の数に応じてページング関連のパラメータを調整することが可能になり、より柔軟な制御が可能となる。よって既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、柔軟な移動体通信システムが構築可能という効果を得ることが出来る。
実施の形態1の変形例4は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2との組合せて用いることができる。
実施の形態2.
実施の形態2にて解決する課題について説明する。
非特許文献4に現在の3GPP(リリース8)におけるページング通知方法が以下の通り記載されている。
ページングオケージョン(Paging occasion:PO)とは、呼が発生したことを示すページングメッセージを通知するために、PDCCH上にページング識別子(P−RNTIと称されることもある)が存在する可能性のあるサブフレームを表す。すなわち、特定のサブフレームを表示することによって、呼の発生を通知するタイミングを示している。
1ページングフレーム(Paging Frame:PF)は1無線フレームを表す。1ページングフレームは、1あるいは複数のページングオケージョンを含む。
PF、POを導出するのに必要なパラメータは、「IMSI」「T」「nB」の3種類が存在する。
IMSIは移動端末の識別子である。UE−IDなどと称されることもある。
TはDRX周期である。間欠受信周期と称されることもある。
nBはPFの発生周期、POの発生サブフレーム数、発生サブフレーム番号を算出するために用いられる。
TとnBは基地局から傘下の移動端末へシステム情報中のSIB2にマッピングされて報知される。
現在の3GPP(リリース8)では1ページングフレーム中に1、あるいは2、あるいは4つのページングオケージョンを含むことができる。
非特許文献7及び非特許文献8に開示されているとおり、LTE−AシステムではLTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。
周波数帯域幅が広がることによってLTE−A対応の基地局は、LTE対応の基地局と比較して傘下の移動端末が多くなることが考えられる。傘下に待受けている移動端末の数が多くなるにも関わらず、ページングオケージョンの種類が同じであれば、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数が多くなる。
移動端末がP−RNTI有りと判断した場合、PDSCH上のPCHをモニタする。正確な移動端末の識別子はPCH上で判明する。
つまり、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数が多くなれば、他の移動端末へのページングであるにも関わらず、PDCCH上ではP-RNTI有りと判断され、PDSCH上のPCHをモニタする確率が高くなるという問題が発生する。これは、移動端末の消費電力増加という課題につながる。
また、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末に、同じタイミングにてページングが発生した場合は、いずれか1つの移動端末へのページング通知が実行され、他の移動端末のページング通知は待機となる。
つまり、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数が多くなれば、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP-RNTIの有無をモニタする移動端末に、同じタイミングにてページングが発生する確率が高くなるという問題が発生する。これは、移動体通信システム全体として制御遅延が増大するという課題につながる。
本実施の形態2での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション可能な基地局において、キャリアアグリゲーション不可能な基地局と比較して、1ページングフレーム中に含むことのできるページングオケージョン数を増やす。キャリアアグリゲーション可能な基地局としては、LTE−Aシステム対応基地局であっても、リリース10対応基地局であってもよい。キャリアアグリゲーション不可能な基地局としては、LTEシステム対応基地局であっても、リリース8対応基地局であってもよい。具体例としては、1ページングフレーム中のページングオケージョンのサブフレームパターンに含まれるサブフレーム数を増やす。
本実施の形態では、具体例としてnBのとり得る値に、現在のとり得る値より更に大きい値を導入する。これにより、1ページングフレーム中に含むページングオケージョン数が増える。
一方、無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。よって1ページングフレーム中に含まれるページングオケージョン数を10より大きくしても、全てのページングオケージョンを異なるサブフレームに割当てることは不可能となる。つまり、1ページングフレーム中に含まれるページングオケージョンの数を10より大きくしても、実際にサブフレームにマッピングする際に、異なるサブフレームにマッピングすることが不可能となる。ページングを異なるサブフレームにマッピングすることが出来ない場合、課題解決につながらない。また、基地局から移動端末へnBとして大きな値を報知する場合、ビット数を多く消費することになり無線リソースの有効活用という点が問題となる。
よって、本実施の形態では、具体例としてnBのとり得る値を、「10T」を上限として、現在の3GPP(リリース8)にてnBのとり得る値より更に大きい値を導入する。
これにより、報知情報としてのnBの情報量を抑えつつ1ページングフレーム中に含むページングオケージョン数を増やすことが出来るという効果を得ることができる。
具体例としては、nBとして現行の「4T、2T、T、T/2、T/4、T/8、T/16、T/32」の上限値「4T」を「5T」、あるいは「6T」、あるいは「7T」、あるいは「8T」、あるいは「9T」、あるいは「10T」に変更する。
また、別の解決策としては、ページングの有無を確認する周期である、DRX中に発生し得るページングフレーム数を増やす。
図15に動作の一例を示す。
ステップST1501にて基地局は、ページング関連のパラメータを傘下の移動端末へ報知する。ページング関連のパラメータの具体例としては、「T」「nB」がある。報知方法の具体例としては、アンカーキャリアにおいてシステム情報として報知する。これにより基地局傘下のLTE対応端末、LTE−A対応端末を問わずページングパラメータが受信可能という効果を得ることができる。または、当該ページングパラメータをシステム情報中のSIB2へマッピングする。現在の3GPP(リリース8)(LTEシステム)においてページングパラメータは同様にSIB2にマッピングされている。よってLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
ステップST1502にて移動端末は、ステップST1501にて基地局から報知されたページング関連のパラメータと自移動端末の識別子(IMSI、UE−IDとも呼ばれる)を用いて、ページングフレームおよびページングオケージョンの算出を行う。算出の具体例としては、現在の3GPP(リリース8)(LTEシステム)における方法と同様にする。これにより、LTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
ステップST1503にて移動端末は、ステップST1502にて算出したページングフレーム、ページングオケージョンに従って間欠受信(DRXとも呼ばれる)動作を行う。
ステップST1504にて当該移動端末に対する着呼が発生する。
ステップST1505にてMMEは当該移動端末が属する1つあるいは複数のトラッキングエリアに属する1つあるいは複数の基地局に対してページング情報を通知する。ページング情報としては、当該移動端末の識別子などが考えられる。
ステップST1506にてMMEから当該移動端末宛のページング情報を受信した基地局は、ステップ1505にてMMEから通知されたページング情報に含まれる当該移動端末の識別子、ステップST1501にて傘下の移動端末へ報知した「T」「nB」を用いてページングフレーム、ページングオケージョンを算出する。算出方法はステップST1502と同様とする。
ステップST1507にて基地局は、算出したページングフレーム、ページングオケージョンに従ってPDCCH上にてP-RNTIを用いて、PCH割当情報を移動端末に通知する。
ステップST1508にて基地局は、ステップST1507のPCH割当情報に従って、PDSCH上にてPCHを移動端末に通知する。
ステップST1509にて移動端末は、ステップST1502にて算出したページングフレーム、ページングオケージョンに従ってPDCCH上のPCH割当情報があるか否かをP-RNTIを用いてモニタし、PCH割当情報を受信した場合、ステップST1510へ移行する。
ステップST1510にて移動端末は、ステップST1509にて受信したPCH割当情報に従ってPDSCH上のPCHを受信する。PCHにて自移動端末に対するページングと確認した場合は、ステップST1511へ移行する。
ステップST1511にて移動端末は、PDSCH上の自移動端末に対するページングメッセージに従って着呼処理を実行する。
実施の形態2により以下の効果を得ることが出来る。
1ページングフレーム中に含むことのできるページングオケージョン数を増やす、あるいはページングの有無を確認する周期であるDRX中の発生し得るページングフレーム数を増やすことが可能になる。よって同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数を抑制することが可能となる。これにより、他の移動端末へのページングであるにも関わらず、PDSCH上のPCHをモニタする確率を抑制することが可能となる。これにより、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。
また、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP-RNTIの有無をモニタする移動端末に、同じタイミングにてページングが発生する確率を抑制することが可能となる。これにより、移動体通信システム全体として制御遅延を縮小可能となる効果を得ることができる。
また、LTE−A対応基地局傘下のLTE対応移動端末、LTE−A対応移動端末でページング受信動作、およびページング送信動作を同じとすることが出来る。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
実施の形態2は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4との組合せで用いることができる。LTE対応移動端末、LTE−A対応移動端末でページング受信動作、ページング送信動作を同じとすることができるという点において、実施の形態1の変形例2と比較して実施の形態1の変形例1との方が親和性が高い。
実施の形態2.変形例1
実施の形態2の変形例1にて解決する課題は、実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態2の変形例1での解決策を以下に示す。
ページング関連のパラメータをLTE対応移動端末用と、LTE−A対応移動端末用に分離する。あるいは、ページング関連のパラメータをLTE−A用に新たに設ける。これによりネットワーク側は、LTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用にページングパラメータを別個に調整可能となる。よって既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数を抑制することが可能となる効果を得る。
ページング関連のパラメータをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に分離する具体例を以下に示す。
無線リソース設定共通情報(Radio Resource Configure Common information Elementとも称される)をLTE対応移動端末用と、LTE−A対応移動端末用に分離する。あるいは無線リソース設定共通情報を、あるいは無線リソース設定共通情報相当の情報をLTE−A用に新たに設ける。これにより、PO、PFをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。
または、SIB2をLTE対応移動端末用と、LTE−A対応移動端末用に分離する。
あるいはSIB2、あるいはSIB2相当の情報をLTE−A用に新たに設ける。これにより、PO、PFをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。SIB2には、移動端末共通の無線リソース設定の情報がマッピングされる。
例えば、LTE−A対応移動端末用のSIB2相当の情報をマッピングするために、新たなSIBを設ける。これにより、PO、PFをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。
または、例えば、LTE−A対応移動端末用のSIB2相当の情報をマルチキャリアのシステム情報として報知する。これにより、PO、PFをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。LTE対応移動端末には不要な情報であるLTE−A対応移動端末用ページングパラメータがアンカーキャリアからのシステム情報として通知されず、マルチキャリアのシステム情報として報知されることになる。よって不要な情報を、LTE対応移動端末が受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末がデコードする必要のあるデータ量の削減が可能となり、処理負荷の軽減という効果を得ることができる。また、LTE−A対応移動端末にとって必要な情報を、マルチキャリアのシステム情報として基地局傘下のLTE−A対応移動端末全体に報知可能となる効果を得ることができる。
または、SIB2をLTE対応移動端末用と、LTE−A対応移動端末用に分離せずに、ページング関連のパラメータであるT、nBをLTE対応移動端末用(例えばT_LTE、nB_LTE)と、LTE−A対応移動端末用(例えばT_LTE−A、nB_LTE−A)に分離する。あるいはT、nB、あるいはT、nB相当のページングパラメータをLTE−A用に新たに設ける。これにより、PO、PFをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。
または、POの発生サブフレームパターンをLTE対応移動端末用と、LTE−A対応移動端末用に分離する。あるいは、発生サブフレームパターンをLTE−A用に新たに設ける。発生サブフレームパターンは静的に決定しても良い。発生サブフレームパターンを静的に決定することにより、ネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。またページング関連のパラメータを共通にすることにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。これにより、POが発生するサブフレームをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に別個となるように調整することが可能となる。あわせて、ページング関連のパラメータをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に分離しても良い。
または、PDCCH上のページング識別子(P−RNTIと称されることもある)をLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末ように分離する。具体例としては、LTE対応移動端末用としてP-RNTI_LTE、LTE−A対応移動端末用としてP−RNTI_LTE−Aとする。これにより、PDCCH上にLTE対応移動端末用とLTE−A移動端末用の領域を別個に持つことができる。言い換えると、LTE対応移動端末は、PDCCH上にPCH割当情報があるか否かをP-RNTI_LTEを用いてモニタし、LTE−A対応移動端末は、PDCCH上にPCH割当情報があるか否かをP-RNTI_LTE−Aを用いてモニタすることになる。例え、POやPFが同じであってもモニタに用いる識別子を別個に設けることにより、同じページングオケージョンにてPDCCH上で同じ識別子を用いて有無をモニタする移動端末の数を抑制することが可能になる。あわせて、ページング関連のパラメータをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に分離しても良い。
基地局は移動端末に対して着呼が発生した場合、当該移動端末の対応システムを確認し、対応システムに応じたページングフレーム、ページングオケージョンの算出、あるいは発生サブフレームパターンの参照、ページング識別子の選択を行う。
基地局が移動端末の対応システムを確認する方法の具体例を以下に示す。
方法1として、ネットワーク側の要求(UECapabilityEnquiryとも称される)に応答して、移動端末がUE能力(Capability)情報としてページング関連能力(Capability)情報を送信する。ページング関連能力情報の具体例としては、ページング関連のパラメータとしてLTE対応移動端末用を用いるのか、LTE−A対応移動端末用を用いるのかを示す情報がある。
または、現在の3GPP(リリース8)対応の移動端末は、LTE対応移動端末用のページング関連パラメータを用いるとし、リリース10対応の移動端末は、LTE−A対応移動端末用のページング関連パラメータを用いるとする。この場合、ページング関連能力情報の具体例としては、移動端末の対応リリース(リリース8、リリース10など)がある。
LTE−A対応移動端末のみUE能力情報としてページング関連能力情報をネットワーク側へ通知するとしても良い。移動端末からUE能力情報としてページング関連能力情報をネットワーク側への通知が無ければ、ネットワーク側が、当該移動端末にてLTE対応移動端末用のページング関連パラメータを用いると判断すればよい。これによりLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
また方法2として、ネットワーク側の要求無しに、移動端末がTAUの際にページング関連能力情報を送信する。ページング関連能力情報の具体例は、方法1と同様であるので説明を省略する。移動端末内にセル選択したセルのTACを保存していなければ、つまり登録していないTAに移動した際は、移動端末が自発的にTAUを送信する。方法2は、ネットワーク側からの要求が不要であるため、無線リソースの有効活用が図れる。また方法1と同様、LTE−A対応移動端末のみTAUの際にページング関連能力情報を送信するとしても良い。移動端末からTAUの際にページング関連能力情報をネットワーク側への通知が無ければ、ネットワーク側が、当該移動端末にてLTE対応移動端末用のページング関連パラメータを用いると判断すればよい。これによりLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
また方法3として、ネットワーク側の要求無しに、移動端末のTAUの送信とは無関係に、移動端末がページング関連能力情報を送信する。移動端末がページング関連能力情報を送信する場合の具体例を以下に記す。移動端末がキャリアアグリゲーション可能な基地局をセル再選択した場合、あるいはハンドオーバ先とした場合にページング関連能力情報を送信する。また移動端末がキャリアアグリゲーション可能な基地局内のマルチキャリアアンカーのキャリアを再選択した場合、あるいはハンドオーバ先とした場合にページング関連能力情報を送信する。通知方法としては、DCCHにマッピングする方法が考えられる。これにより、ページング関連のパラメータをLTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用に分離するキャリアアグリゲーション可能な基地局を移動端末がセル再選択した場合、あるいはキャリアアグリゲーション可能な基地局へ移動端末がハンドオーバした場合にのみ移動端末から基地局に対してページング関連能力情報が送信されることになる。よって無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また方法1と同様、LTE−A対応移動端末のみページング関連能力情報を送信するとしても良い。移動端末からページング関連能力情報をネットワーク側への通知が無ければ、ネットワーク側が、当該移動端末にてLTE対応移動端末用のページング関連パラメータを用いると判断すればよい。これによりLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
なお、上記基地局が移動端末の対応システムを確認する方法は、移動端末に対して着呼が発生した場合に限らず移動体通信システムにおいて利用可能である。
図16に動作の一例を示す。図16において図15と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。なお、例として、基地局が移動端末の対応システムを確認する方法として方法2を用いて説明する。
ステップST1601にて移動端末は、移動端末内にセル選択したセルのTACと、移動端末が既に保有しているTACを比較して異なれば、あるいはセル選択したセルのTACを移動端末が保存していなければ、基地局へTAUを送信する。TAUには移動端末の識別情報(識別子とも呼ばれる。IMSI、UE-IDなどと称される)などが含まれる。
ステップST1602にて基地局は、ステップST1601にて移動端末から受信したTAUをMMEへ通知する。
ステップST1603にて移動端末は、ページング関連能力を基地局に通知する。ページング関連能力の具体例は上記の通りである。
ステップST1604にて基地局は、ステップST1603にて移動端末から受信したページング関連能力をMMEへ通知する。これにより、移動端末のページング関連能力情報を基地局で管理する必要がなく、MMEにて一括して管理できるという効果を得ることができる。一方、当該MMEへの通知は省略し、移動端末のページング関連能力情報の管理を基地局にて行っても良い。その場合、基地局とMME間の通信リソースの有効活用という効果を得ることができる。
ステップST1605にて基地局は、LTE対応移動端末用のページング関連パラメータ(例えばT_LTE、nB_LTE)と、LTE−A対応移動端末用ページングパラメータ(例えばT_LTE−A、nB_LTE−A)を傘下の移動端末へ報知する。報知方法の具体例としては、アンカーキャリアにおいてシステム情報中のSIB2としてページング関連パラメータを報知する。アンカーキャリアは、シングルキャリアアンカーのアンカーキャリアおよびマルチキャリアアンカーのアンカーキャリアを含む。
ステップ1606にて移動端末は、自移動端末のページング関連能力情報を確認する。
ページング関連のパラメータとしてLTE−A対応移動端末用を用いるか否か判断する。
LTE−A対応移動端末用を用いる場合、ステップST1607へ移行する。LTE−A対応移動端末用を用いない場合、LTE対応移動端末用を用いる場合、ステップST1609に移行する。
ステップST1607にて移動端末は、ステップST1605にて基地局から報知されたページング関連のパラメータのうちLTE−A対応移動端末用ページングパラメータ(例えばT_LTE−A、nB_LTE−A)と自移動端末の識別子(IMSI、UE−IDとも呼ばれる)を用いて、ページングフレーム、ページングオケージョンの算出を行う。算出の具体例としては、現在の3GPP(リリース8)(LTEシステム)における方法と同様としてもよい。これにより、LTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
ステップST1608にて移動端末は、ステップST1607にて算出したページングフレーム、ページングオケージョンに従って間欠受信(DRXとも呼ばれる)動作を行う。
ステップST1609にて移動端末は、ステップST1605にて基地局から報知されたページング関連のパラメータのうちLTE対応移動端末用ページングパラメータ(例えばT_LTE、nB_LTE)と自移動端末の識別子(IMSI、UE−IDとも呼ばれる)を用いて、ページングフレーム、ページングオケージョンの算出を行う。算出の具体例としては、現在の3GPP(リリース8)(LTEシステム)における方法と同様としてもよい。これにより、LTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
ステップST1610にて移動端末は、ステップST1609にて算出したページングフレーム、ページングオケージョンに従って間欠受信(DRXとも呼ばれる)動作を行う。
ステップST1611にて、MMEは当該移動端末が属する1つあるいは複数のトラッキングエリアに属する1つあるいは複数の基地局に対して、ページング情報とステップST1604にて受信した当該移動端末のページング関連能力情報を通知する。ページング情報とページング関連能力情報の通知は同時であっても別々であっても構わない。ステップST1604にてページング関連能力情報のMMEへの通知が省略された場合、当該ステップにてMMEから基地局へのページング関連の能力情報の基地局への通知は行われない。
ステップ1612にて基地局は、着呼が発生している移動端末のページング関連能力情報を確認する。ページング関連のパラメータとしてLTE−A対応移動端末用を用いるか否か判断する。LTE−A対応移動端末用のページング関連のパラメータを用いる場合であって、かつLTE対応移動端末用のページング関連のパラメータを用いない場合、ステップST1613へ移行する。LTE−A対応移動端末用のページング関連のパラメータを用いない場合であって、かつLTE対応移動端末用のページング関連のパラメータを用いる場合、ステップST1614に移行する。
ステップST1613にて基地局は、ページング関連のパラメータのうちLTE−A対応移動端末用ページングパラメータ(例えばT_LTE−A、nB_LTE−A)と当該移動端末の識別子(IMSI、UE−IDとも呼ばれる)を用いて、ページングフレーム、ページングオケージョンの算出を行う。算出方法は移動端末と同じ方法を用いる。
ステップST1614にて基地局は、ページング関連のパラメータのうちLTE対応移動端末用ページングパラメータ(例えばT_LTE、nB_LTE)と当該動端末の識別子(IMSI、UE−IDとも呼ばれる)を用いて、ページングフレーム、ページングオケージョンの算出を行う。算出方法は移動端末と同じ方法を用いる。
上記において、LTE−A対応の移動端末がLTE対応移動端末用ページング関連パラメータを用いることも可能である。その際、その旨を移動端末からネットワーク側(基地局、あるいはMME)へ個別に通知する。通知方法としては、DCCHにマッピングする方法が考えられる。これにより、LTE−A対応の移動端末の柔軟な運用が実現可能となる効果を得ることが出来る。
また、LTE−A対応の移動端末がLTE対応(リリース8対応)の基地局傘下で動作する場合が考えられる。
基地局の報知情報(SIB、MIBなど)にて基地局対応リリースを傘下の移動端末へ通知する。その際、LTE−A対応(リリース10対応)の基地局からのみ基地局の対応リリースを通知しても良い。これにて、既存のLTEシステムへの変更を抑えることができるという効果を得ることが出来る。これにより、傘下の移動端末が選択したセルの対応リリースを知ることができる。
移動端末はセル選択の際に基地局がLTE対応であるか、LTE−A対応の基地局であるか判断する。LTE−A対応の基地局であった場合、上記実施の形態2の変形例1の方法を用い、LTE対応の基地局であった場合、上記実施の形態2の変形例1の方法を用いず、LTE対応移動端末と同様の動作を行う。LTE対応移動端末と同様の動作とは、システム情報中のSIB2にマッピングされているページング関連パラメータ(T、nB)に従ってページングフレーム、ページングオケージョンを算出し、LTE対応移動端末用の発生サブフレームパターンを用いて間欠受信動作を実行することである。これにより、実施の形態2の変形例1を用いてLTE−Aシステムにおける同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数を抑制しつつ、LTE−A対応移動端末のLTE対応基地局傘下での動作を可能にするという効果を得ることが出来る。
実施の形態2の変形例1により、実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
ネットワーク側は、LTE対応移動端末用とLTE−A対応移動端末用にページングパラメータを別個に調整可能となる。よって既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、同じページングオケージョンにてPDCCH上のP−RNTIの有無をモニタする移動端末の数を抑制することが可能となる効果を得る。
実施の形態2の変形例1は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4との組合せて用いることができる。LTE対応移動端末、LTE−A対応移動端末でページング受信動作、ページング送信動作を異ならせることができるという点において、実施の形態1の変形例1と比較して実施の形態1の変形例2との方が親和性が高い。
実施の形態3.
実施の形態3にて解決する課題について説明する。
非特許文献7及び非特許文献8に開示されているとおり、LTE−AシステムではLTEシステムの送信帯域幅(transmission bandwidths)より大きい送信帯域幅をサポートすることが考えられている。
選択するアンカーキャリア(コンポーネントキャリアでも良い)が異なれば、キャリア周波数が異なることになる。周波数が違うと波長・周期が違うために、同じ距離・経路を通って伝わったとしても受信地点での影響、受信品質が異なる。よって、下り信号の受信品質に応じたコンポーネントキャリアの変更は受信品質向上に有効な手段となる。
移動端末はコンポーネントキャリアとしてのアンカーキャリアにてシステム情報を受信するので、受信品質に応じてアンカーキャリアを変更することは、受信品質向上に有効な手段となる。
他方、現在の3GPP(リリース8)の異周波数間の再選択方法では、移動端末はシステム情報中のSIB5で与えられている優先周波数に応じた再選択評価を実行するだけとされている(非特許文献4、非特許文献9)。サービング周波数より高い優先度、あるいは等しい優先度の周波数のセルの受信品質がセル再選択の基準を満たさない場合に、サービング周波数より低い優先度(Priority)の周波数のセル再選択が実行される(非特許文献4)。周波数の優先度を示すパラメータとしては、SIB5で与えられる「CellReselectionPriority」がある。
よって、現在の技術においては、移動端末はサービング基地局内で優先度が低い他のキャリア(アンカーキャリア、コンポーネントキャリアなど)に関する再選択評価よりも、優先度が高い周波数を持つ他の基地局の再選択評価を優先して実行する。つまり、高い優先度の周波数を持つ他の基地局にて受信品質がセル再選択基準を満たせば、サービング基地局内の低い優先度の他のキャリアの再選択評価は行われないことになる。
図17、図18を用いて具体例を用いながら、キャリアアグリゲーション対応の基地局におけるセル再選択動作の一例について説明する。
図17(a)の1701、1702は物理下り制御チャネル(PDCCH)を示す。図17においては、コンポーネントキャリア毎に物理下り制御チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、物理下り制御チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、物理下り制御チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。
1703、1704、1705、1706、1707、1708、1709、1710、1711、1712は、下り同期信号および物理報知チャネル(PBCH)を示す。図13においては、コンポーネントキャリア毎に下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。
図17(a)にてLTE−Aシステムにてコンポーネントキャリアとして20MHzの帯域幅を持ち、当該コンポーネントキャリアを5つ(fa、fb、fc、fd、fe)有するセルA、セルBを考える。シングルキャリアアンカーのアンカーキャリアとしてfa、fc、feがあり、マルチキャリアアンカーのアンカーキャリアとしてfb、fdがあると考える。図17(b)にセルAのシステム情報であるSIB5にて報知される優先度パラメータ(CellReselectionPriorityとも称される)の具体例を示す。例えば「7」が最も優先順位が高く、「0」が最も優先順位が低いとする。
図18に図17のセルAのfeにて待受け動作を行っている移動端末のセル再選択動作の一例について記載する。
ステップST1801にて、セルAのアンカーキャリアfeからセル再選択に用いるパラメータを受信する。セル再選択に用いるパラメータの具体例としては、S_intrasearch、Q_Hyst、Q_offset、T_reselection、S_nonintrasearch、cellReselectionPriorityなどがある。
S_intrasearchは同周波数における測定のための閾値である。
Q_Hystはランキング基準におけるヒステリシス値である。
Q_offsetは二つのセル間のオフセット値である。
T_reselectionはセル再選択タイマ値である。
S_nonintrasearchは異周波数と異システムにおける測定のための閾値である。
CellReselectionPriorityはキャリア周波数の絶対優先度である。
ステップST1802にてセル再選択のための同周波数(fe)内の測定を行うか否かの判断を行う。セル再選択のための測定を行わないと判断した場合、ステップST1806へ移行する。セル再選択のための測定を行うと判断した場合、ステップST1803へ移行する。セル再選択を行うか否かの判断の具体例としては、セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_intrasearch)より大きい場合は測定を行わないと判断する。一方セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_intrasearch)以下の場合は測定を行うと判断する。
ステップST1803にて同周波数内、つまりfe内にてセルランキングを行う。図17においては、セルランキング対象は、セルBのfeとなる。セルランキングの具体例としては、セルAのfeにおける受信品質の測定値に調整パラメータ(Q_Hyst)を加えた値と、セルBのfeにおける測定値から調整パラメータ(Q_offset)を減じた値とを用いて順位付けを行うことが挙げられる。
ステップST1804にてセル再選択を行うか否かを判断する。具体例としては、ある期間(T_reselection)、新しいセルBのfeにおける受信品質がセルAのfeにおける受信品質より良く(あるいは上位に)順位付けされ、かつ、現在のセルAのfeへキャンプオン(camped on)して1秒以上経過している場合は、セル再選択を行うと判断し、ステップST1805へ移行する。当該条件を満たさない場合はセル再選択を行わないと判断し、ステップST1806へ移行する。
ステップST1805にてセル再選択を行う。その後ステップST1801へ戻る。
ステップST1806にてセル再選択のための異周波数(fe以外)内の測定を行うか否かの判断を行う。セル再選択のための測定を行わないと判断した場合、ステップST1802へ移行する。セル再選択のための測定を行うと判断した場合、ステップST1807へ遷移する。セル再選択を行うか否かの判断の具体例としては、セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_nonintrasearch)より大きい場合は測定を行わないと判断する。
一方セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_nonintrasearch)以下の場合は測定を行うと判断する。
ステップST1807にてサービングセルにおける現在のキャリア(セルAのfe)の優先度を確認する。具体例としては、サービングセルからシステム情報のSIB5として報知されるパラメータ「cellReselectionPriority」を用いて確認する。具体例においては、図17(b)より現在のキャリア(セルAのfe)の優先度は「7」となる。例えば優先度は「0」が最も優先度が低く、「7」が最も優先度が高いとする。その場合、現在のキャリアの優先度は最も高いことになる。
ステップST1808にて現在のキャリアの優先度以上の優先度を持つ異周波数のキャリアにおいてセルランキングを行う。具体例(図17)においては、現在のキャリアの優先度以上の優先度は「7」である。優先度「7」以上の周波数のキャリア、つまりfe内にてセルランキングを行う。セルランキング対象は、セルBのfeのみとなる。セルランキングの具体例は、ステップST1803と同様であるので説明を省略する。
ステップST1809にてセル再選択を行うか否かを判断する。具体例としてはステップST1804と同様であるので説明を省略する。
ステップST1810にてセル再選択を行う。その後ステップST1801へ戻る。
ステップST1811にて現在のキャリアの優先度より低い優先度を持つ異周波数のキャリアにおいてセルランキングを行う。具体例(図17)においては、現在のキャリアの優先度「7」より低い優先度は「3」および「5」である。優先度「7」より低い優先度を持つ周波数のキャリア、つまりfa、fb、fc、fd内にてセルランキングを行う。
セルランキングの具体例は、ステップST1803と同様であるので説明を省略する。
ステップST1812にてセル再選択を行うか否かを判断する。具体例としてはステップST1804と同様であるので説明を省略する。
ここで、優先度順にセルランキングを行っても良い。具体例としては、現在のキャリアの優先度より低い優先度のうち、もっとも高い優先度は「5」である。まず、優先度「5」を持つ周波数、つまりfc、fd内にてセルランキングを行う。当該セルランキングにてセル再選択先がなければ、次に高い優先度「3」を持つ周波数、つまりfa、fb内にてセルランキングを行っても良い。
ステップST1802からステップST1805までの処理と、ステップST1806からステップST1812までの処理の順序は任意であり、同時に処理されても構わない。
上記図17、図18で示したように(特に図18のステップST1808)サービングセル(セルA)の現在のキャリア(fe)以外のキャリア(fa、fb、fc、fd)より、サービングセル以外の周辺セル(セルB)の現在のキャリアの優先度以上の優先度を持つ周波数のキャリア(fe)に対するセルランキングの方が優先して実行されることになる。
これにより移動端末と物理的に近く、受信品質として良好となる可能性があるにも拘らず、同じ基地局内の現在のキャリアの優先度より低い周波数を持つ他のキャリアを優先して再選択できないという問題がある。これは、移動体通信システムとして下りデータスループットの減少、無線リソースの有効活用が図れていないという課題を生じる。
本実施の形態3での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション対応の基地局に複数のキャリアが存在する場合、当該基地局の傘下の移動端末は、周波数の優先度設定に関わらず、当該基地局内の複数のキャリアについて再選択評価を行う。例えば当該基地局の他のキャリアが現在のキャリアの優先度より低い優先度が設定されている場合であっても、再選択評価を行う。
図19に図17のセルAのfeにて待受け動作を行っていた移動端末の本実施の形態3を用いたセル再選択動作の一例について記載する。図19において図18と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
ステップST1901にてサービングセルがキャリアアグリゲーション対応のセルであるか否かを判断する。判断の具体例を以下に示す。
(1)非特許文献8に示すシングルキャリアアンカー(マルチキャリアアンカーであっても良い)のアンカーキャリアにてマルチキャリアアンカーのキャリアを示す情報が通知されれば、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルと判断する。他方、マルチキャリアアンカーのキャリアを示す情報が通知されなければ、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルではないと判断する。
(2)非特許文献8に示すマルチキャリアアンカーのアンカーキャリアにてマルチキャリアのシステム情報が報知されれば、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルと判断する。他方、マルチキャリアのシステム情報が通知されなければ、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルではないと判断する。
(3)実施の形態2の変形例1に示した基地局から報知される基地局対応リリースを用いることが出来る。基地局対応リリースの具体例については、実施の形態2の変形例1と同様であるので説明を省略する。LTE−A対応であれば、あるいはLTE対応でなければ、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルと判断する。他方、LTE−A対応でなければ、あるいはLTE対応であれば、当該セルはキャリアアグリゲーション対応のセルではないと判断する。キャリアアグリゲーション対応のセルであると判断した場合は、ステップST1902へ移行する。キャリアアグリゲーション対応のセルでないと判断した場合は、図18のステップST1802へ移行する。
ステップST1902にてサービングセルのキャリア情報を受信する。具体例としては、アンカーキャリアの周波数を受信する。アンカーキャリアは、シングルキャリアアンカーのものでもマルチキャリアアンカーのものでも良い。図17においては、セルAのアンカーキャリアの周波数はfa、fb、fc、fd、feとなる。
基地局から移動端末へのキャリア情報の通知方法の具体例を以下に示す。
(1)マルチキャリアアンカーのアンカーキャリアにてマルチキャリアのシステム情報としてキャリア情報を通知する。これにより、LTE対応移動端末が不要な情報を受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末のデコードが必要なデータ量の削減が可能となり、処理負荷の軽減という効果を得ることができる。また、LTE−A対応移動端末にとって必要な情報をマルチキャリアのシステム情報として基地局傘下のLTE−A対応移動端末全体に報知可能となる効果を得ることができる。
(2)アンカーキャリアにて伝送されるシステム情報の情報要素にキャリア情報を新規に追加する。具体例としては、システム情報のうちSIB3にキャリア情報をマッピングする。SIB3にキャリア情報をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。
現在の3GPPでは、SIB3には、セル再選択共通の設定がマッピングされる方向である。セル再選択のパラメータであるキャリア情報が、同様のパラメータが含まれるSIB3へ追加されるならば、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
または、システム情報のうちSIB5にキャリア情報をマッピングする。SIB5にキャリア情報をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB5には、異周波数間のセル再選択におけるパラメータがマッピングされる方向である。異周波数間のセル再選択におけるパラメータであるキャリア情報が、同様のパラメータが含まれるSIB5へ追加されるならば、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
または、新たなSIBを新設しキャリア情報をマッピングする。これにより既存のLTEシステムへの変更を抑えることができる効果を得る。このように、アンカーキャリアからシステム情報の情報要素として、キャリア情報を新規に追加する場合、LTE対応の移動端末であっても受信可能となる。よってLTE対応の移動端末においても同じ基地局内のキャリアを再選択することが可能となる。よってLTE対応の移動端末においてもLTE−A対応の移動端末同様に、キャリアの受信品質に応じた再選択により、受信品質向上が図れるという効果を得ることができる。
ステップST1903にてセル再選択のための同基地局内の測定を行うか否かの判断を行う。セル再選択のための測定を行わないと判断した場合、図18のステップST1802へ移行する。セル再選択のための測定を行うと判断した場合、ステップST1904へ移行する。セル再選択を行うか否かの判断の具体例としては、セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_intercarrier)より大きい場合は測定を行わないと判断する。一方セルAのfeの受信レベル値がパラメータ(S_intercarrier)以下の場合は測定を行うと判断する。上記「S_intercarrier」は、同基地局内の再選択のための測定を行うか否かを判断するために本実施の形態3において新たに設けたパラメータである。従来の「S_intrasearch」「S_nonintrasearch」とは別に新たに設けたことにより、移動体通信システムとして柔軟なセル再選択制御が行えるという効果を得ることが出来る。「S_intercarrier」の基地局から移動端末への通知方法はステップST1902の「キャリア情報」の通知方法と同様であるので説明を省略する。または、「S_intercarrier」は、従来の「S_intrasearch」、あるいは「S_nonintrasearch」と併用しても良い。これにより、基地局から移動端末へ通知する情報量の削減が可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、柔軟な移動体通信システムが構築可能という効果を得ることが出来る。
ステップST1904にて周波数の優先度設定に関わらず、同基地局内のキャリア、つまりセルAのfa、fb、fc、fd、feにてセルランキングを行う。セルランキングの具体例は、ステップST1803と同様であるので説明を省略する。同基地局内の判断としてPCIを用いることができる。
実施の形態3により以下の効果を得ることが出来る。
移動端末が物理的に近く、受信品質が良好となる可能性があるような、サービング基地局内の現在のキャリアの優先度より低い周波数を持つ他のキャリアを、優先して再選択可能となる。これにより、再選択後に受信品質が良好なキャリアにおいて通信可能となる効果を得ることが出来る。これは、移動体通信システムとして下りデータスループットの向上、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
実施の形態3は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態2、実施の形態2の変形例1と組合せて用いることができる。
実施の形態3.変形例1
実施の形態3の変形例1にて解決する課題について説明する。
サービングセルの周辺セルがキャリアアグリゲーション対応の基地局であった場合について考える。サービングセル傘下の移動端末がセル選択を実施する際、当該周辺セルに対して実施の形態3を適用し、周波数の優先度設定に関わらず周辺セルの複数のキャリアについて再選択評価を行うとする。
周波数が違うと波長・周期が違うために、同じ距離・経路を通って伝わったとしても、受信地点での影響、受信品質が異なる。よって、周辺セルの下り信号を受信するコンポーネントキャリアの再選択を受信品質に応じて実行することは、受信品質向上に有効な手段となる。
しかし、実施の形態3の実現においては当該セル(周辺セル)がキャリアアグリゲーション対応のセルであるか否かを判断する必要がある(図19のステップST1901)。
このための具体的方法としては、移動端末は当該セルの報知情報、マルチキャリアのシステム情報などを受信する必要がある。また、当該セルのキャリア情報を得る必要がある(図19のステップST1902)。このための具体的方法としては、マルチキャリアのシステム情報、アンカーキャリアにおけるシステム情報などを受信する必要がある。
これらは、再選択動作においてキャリアアグリゲーション対応の周辺セルに対して実施の形態3を用いた場合、周辺セルの測定にあたって移動端末が周辺セルの報知情報(MIB、SIBなど)を受信、デコードする必要があることを示す。図12を用いて説明すると、再選択動作においてキャリアアグリゲーション対応の周辺セルに対して実施の形態3を用いた場合、当該周辺セルに対してステップST1204、ステップST1205が必要となる。
周辺セルの報知情報を受信し、デコードすることが必要となる点において、制御遅延が増大する。
特にSIB情報は、PDSCHにマッピングされる。よって移動端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHにマッピングされているスケジューリング情報を基に、PDSCH上のSIB情報を受信する必要があり、制御遅延が増大する。
上記のように周辺セルに対して実施の形態3を適用し、優先度設定に関わらず周辺セルの複数のキャリアについて再選択評価を行う場合、移動体通信システムの制御遅延が増大し、また移動端末の処理負荷が増大し、消費電力増大という課題が発生する。
本実施の形態3の変形例1での解決策を以下に示す。
再選択動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、再選択評価の対象キャリアは、現在のキャリア(周波数)のみ、あるいはシステム周波数のみ、あるいは最も優先度の高い周波数のみとする。ここでいう再選択評価は、再選択用の単なる測定であっても良い。移動端末は、システム周波数、最も優先度の高い周波数をサービングセルからの報知情報(MIB、SIBなど)で得る。
実施の形態3の変形例1により以下の効果を得ることが出来る。
再選択動作において、移動体通信システムの制御遅延を抑制し、また移動端末の処理負荷を抑制し、移動端末の消費電力を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態3の変形例1は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3と組合せて用いることができる。
実施の形態3.変形例2
実施の形態3の変形例2にて解決する課題は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
他方、現在の3GPP(リリース8)では、通信中の移動端末におけるサービングセル及び周辺セルの測定結果をもとに、ネットワーク側(基地局など)にてハンドオーバを行うか否かを決定している。基地局から移動端末へ通知されるメジャメント設定情報中には、同一セル内のキャリアに関する設定情報は存在しない。また、移動端末から基地局へ報告されるメジャメントレポートに関しても、同一セル内のキャリアに関する情報は存在しない。
よって現在の技術においては、例えキャリアアグリゲーション対応の基地局内に、受信品質として良好となるキャリアが存在した場合であっても、ハンドオーバ、あるいはキャリアを変更するための対象とすることは出来ないという問題がある。
これは、移動体通信システムとして下りデータスループットの減少、無線リソースの有効活用が図れていないという課題を生じる。
本実施の形態3の変形例2での解決策を以下に示す。
基地局から移動端末へ通知されるメジャメント設定情報中に、同一セル(サービングセル、周辺セルを含む)内のキャリアに関する設定情報を新たに設ける。または、移動端末から基地局へ報告されるメジャメントレポートに、同一セル内のキャリアに関する情報を新たに設ける。
図20に図17のセルAのfeにて通信動作を行っている移動端末の動作の一例について記載する。
ステップST2001にて基地局は移動端末へメジャメント設定情報を送信する。
当該メジャメント設定(Measurement Configuration)情報に、新たに設ける設定情報の具体例について以下に述べる。
(1)サービングセル内のキャリアに関する設定情報を新たに設ける。具体例としては、メジャメント設定情報中のメジャメントオブジェクト情報に、サービングセルの設定情報を新たに設ける。または、メジャメント設定情報中のメジャメントオブジェクト情報に、サービングセルの同期信号(P-SS、S-SSなど)が送信されている周波数情報(図17においてはfa、fb、fc、fd)を新たに設ける。この方法により、キャリアアグリゲーション対応の基地局傘下のLTE対応移動端末およびLTE−A対応移動端末に関し、メジャメント設定動作を共通化することが出来る。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
または、周波数情報の代わりにキャリア識別子をマッピングしてもよい。キャリア識別子と実際の周波数情報の対応は、静的あるいは準静的とする。これにより、周波数情報を通知する場合と比較してキャリア識別子を通知する方が情報量を削減でき、無線リソースの有効活用が図れる。
(2)サービングセル内のキャリアに関する設定情報を新たに設ける。具体例としては、既存のメジャメント設定情報とは別にマルチキャリアのシステム情報にメジャメント設定情報としてサービングセルの設定情報を新たに設ける。マルチキャリアのシステム情報は、LTE−Aシステム用のシステム情報であっても、リリース10用のシステム情報であってもよい。現在の3GPP(リリース8)のメジャメント設定情報とは別に、サービングセルの同期信号(P-SS、S-SSなど)が送信されるキャリアの周波数情報が含まれるメジャメント設定情報を新たに設ける。この方法により、既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、柔軟な移動体通信システムが構築可能という効果を得ることが出来る。または、周波数情報の代わりにキャリア識別子をマッピングしてもよい。キャリア識別子と実際の周波数情報の対応は、静的あるいは準静的とする。これにより、周波数情報を通知する場合と比較してキャリア識別子を通知する方が情報量を削減でき、無線リソースの有効活用が図れる。
(3)周辺セル内のキャリアに関する設定情報を新たに設ける。具体例としては、上記(1)(2)のサービングセル内のキャリアに関する設定情報を、周辺セル内のキャリアに関する設定情報に置き換えるのみであるため、説明を省略する。
ステップST2002にて移動端末は、基地局から送られてきたメジャメント設定情報を受信する。
ステップST2003にて移動端末は、ステップST2002にて受信したメジャメント設定情報に基づいてサービングセル、周辺セルの測定を行う。具体例としては、移動端末は通知された周波数情報(図17においてはfa、fb、fc、fd)に従って受信周波数設定を変更し、同期信号を用いて同期処理を行う(図12のステップ1201)。その後、参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。
ステップST2004にて移動端末は基地局に対してメジャメントレポートを送信する。現在の3GPP(リリース8)では、メジャメントレポート中にPCI(Physical Cell Identity)、あるいはGCI(Global Cell Identity)が含まれる(非特許文献9)。
当該メジャメントレポート(Measurement Report)には以下の設定を新たに設ける。
(1)メジャメントレポート中にキャリアに関する情報を新たに設ける。キャリアに関する情報の具体例としては、レポート対象の同期信号(P-SS、S-SSなど)が送信されるキャリアの周波数情報(図17においてはfa、fb、fc、fd)を新たに設ける。この方法により、キャリアアグリゲーション対応の基地局傘下のLTE対応移動端末およびLTE−A対応移動端末に関して、メジャメント設定動作を同じとすることが出来る。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。または、周波数情報の代わりにキャリア識別子をマッピングしてもよい。
(2)現在の3GPP(リリース8)のメジャメントレポートとは別に、キャリアに関する情報が含まれるメジャメントレポートを新たに設ける。この方法により、既存のLTEシステムへの変更を抑えつつ、柔軟な移動体通信システムが構築可能という効果を得ることが出来る。周波数情報の代わりにキャリア識別子をマッピングしてもよい。新たに設けるメジャメントレポートの具体例を示す。(ア)現在のキャリアの受信品質がスレッショルドより良くなったことをレポートするイベントを設ける。(イ)現在のキャリアの受信品質がスレッショルドより悪くなったことをレポートするイベントを設ける。(ウ)同一のセル内(あるいは同一のPCI内)の他のキャリアの受信品質が現在のキャリアの受信品質より良くなったことをレポートするイベントを設ける。(エ)同一のセル内(あるいは同一のPCI内)の他のキャリアの受信品質がスレッショルドより良くなったことをレポートするイベントを設ける。(オ)現在のキャリアの受信品質がスレッショルドより悪くなり、同一のセル内(同一のPCI内)の他のキャリアの受信品質がスレッショルドより良くなったことをレポートするイベントを設ける。
ステップST2005にて基地局は、移動端末よりメジャメントレポートを受信する。
ステップST2006にて基地局は、ハンドオーバを実行するか否か判断する。ハンドオーバを実行すると判断した場合、移動体通信システム(基地局、移動端末など)としてハンドオーバ処理を行う。ハンドオーバ先の基地局の処理負荷などの要因から、ハンドオーバを実行しないと判断した場合、処理を終了する。
実施の形態3の変形例2により以下の効果を得ることが出来る。
キャリアアグリゲーション対応の基地局に対して、移動端末がキャリア毎に受信品質を測定可能となり、移動端末が基地局に対して、キャリア毎に測定結果を報告可能となる。
キャリア毎とは、アンカーキャリア毎、または同期信号(P-SS、S-SSなど)が送信されている周波数毎とも言える。よってサービング基地局は、キャリアアグリゲーション対応の基地局のそれぞれのキャリアが、ハンドオーバ先として選択することが出来るか否かについて判断可能となる。これにより、ハンドオーバ後に受信品質が良好なキャリアにおいて通信可能となる効果を得ることが出来る。これは、移動体通信システムとして下りデータスループットの向上、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
実施の形態3の変形例2は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3、実施の形態3の変形例1と組合せて用いることができる。
本発明については、各コンポーネントキャリアが隣接して配置されている図面を中心に説明した。各コンポーネントキャリアが非隣接に配置されている場合であっても、本発明は適用可能である。
本発明については、LTEシステム(E−UTRAN)、LTEアドバンスド(LTE-Advanced)システムを中心に記載したが、W−CDMAシステム(UTRAN、UMTS)についても適用可能である。
実施の形態4.
実施の形態4にて解決する課題は、実施の形態3の変形例1と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態4での解決策を以下に示す。
再選択動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、再選択評価の対象キャリアは、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)とする。ここでいう再選択評価は、再選択用の単なる測定であっても良い。
または、再選択動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであって、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリアをサポートしているか否か不明であっても、再選択評価の対象キャリアは、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)としても良い。
RRC_IDLE時のアンカーキャリアとは、RRC_IDLE時にページング情報またはシステム情報をモニタするコンポーネントとする。アンカーキャリアは、マルチキャリアアンカーまたはシングルキャリアアンカーであっても良い。アンカーキャリアは1つであっても複数であっても良い。
または、再選択動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、再選択評価の対象キャリアは、現在のキャンプオンしているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアとする。ここでいう再選択評価は、再選択用の単なる測定であっても良い。
または、再選択動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであって、現在のキャンプオンしているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアをサポートしているか否か不明であっても、再選択評価の対象キャリアは、現在のキャンプオンしているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアとする。ここでいう再選択評価は、再選択用の単なる測定であっても良い。
UTRA、LTE、LTE−Aなどのシステムでは、上り、下りともに、いくつかの連続した周波数からなる周波数帯域で動作するように設計されている。これら各々の周波数帯域を、以下、周波数バンドと称する。同一の周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアは、共通する物理特性または無線特性を有する。
周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアの移動端末への通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。または、移動体通信システムとして静的に決定されていても良い。静的に決定されていた場合、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなう通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
実施の形態4により以下の効果を得ることが出来る。
キャリアアグリゲーション対応の基地局が含まれる移動体通信システムにおいて、再選択動作にて、移動体通信システムの制御遅延を抑制し、また移動端末の処理負荷を抑制し、移動端末の消費電力を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態4 変形例1
実施の形態4の変形例1にて解決する課題について説明する。
周波数が違うと波長・周期が違うために、同じ距離・経路を通って伝わったとしても、受信地点での影響、受信品質が異なる。よって、周辺セルの下り信号を受信するコンポーネントキャリアの再選択を受信品質に応じて実行することは、受信品質向上に有効な手段となる。
一方、実施の形態3同様、周辺セルに含まれる複数のマルチキャリア、あるいはコンポーネントキャリアのセル選択評価を行う場合を考える。
当該周辺セルに含まれる複数のマルチキャリア、あるいはコンポーネントキャリアを示す情報を受信するために、当該周辺セルの報知情報を受信・デコードする必要がでてくる。移動体通信システムとして制御遅延が増大し、また移動端末の消費電力が増大するという課題が発生する。
そこで、実施の形態3の変形例1、実施の形態4にて周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであった場合の再選択動作について開示した。しかし、当該再選択動作では、移動体通信システムとしての制御遅延の増大、移動端末の消費電力増大を抑制することは可能であるが、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うことによる受信品質向上を十分得られないという課題が発生する。
本実施の形態4の変形例1では、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得る方法を考える。
本実施の形態4の変形例1での解決策を以下に示す。
サービング基地局(サービングセル)から移動端末へ周辺セルのコンポーネントキャリア情報を通知する。
周辺セルのコンポーネントキャリア情報を受信した移動端末は、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を用いてセル再選択動作を行う。
周辺セルのコンポーネントキャリア情報の通知方法の具体例を以下に示す。
報知情報に周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより、セルの再選択というRRC_IDLE時の移動端末が関係する情報を、RRC_IDLE時の移動端末がモニタする情報である報知情報にて通知することが可能となる。これにより、RRC_IDLE時の移動端末が追加の情報を受信する必要が無くなる。これにより、移動端末の消費電力の増大を防ぐという効果を得ることが出来る。
報知情報のうち、マルチキャリアのシステム情報に周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより、不要な情報をLTE対応移動端末が受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末がデコードする必要のあるデータ量の削減が可能となり、処理負荷を軽減できるという効果を得ることができる。
報知情報のうちSIBを用いて周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより、報知情報のうちMIBの情報量増大を防ぐことができる。MIBはPBCHを用いて報知されることから、情報量の増大を極力防ぐ必要がある。
報知情報のうちSIBに含まれるSIB4に周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより以下の効果を得ることができる。SIB4には、周辺セルに関する情報がマッピングされる方向である。周辺セルの情報である、周辺セルのコンポーネントキャリア情報が、同様のパラメータが含まれるSIB4へ追加されるならば、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。または、SIB4は同周波数の周辺セルに関する情報が送信される方向であるが、SIB4に異周波数の周辺セルに関する情報を追加し、異周波数の周辺セルの情報である周辺セルのコンポーネントキャリア情報の通知に用いても良い。これにより、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
報知情報のうちSIBに含まれる周辺セルリストに周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより以下の効果を得ることができる。周辺セルリストには、周辺セルのPCIが含まれる。セル再選択の制御遅延防止、移動端末の消費電力削減のために移動端末が用いることが出来る周辺セルのパラメータである、周辺セルのPCIと周辺セルのコンポーネントキャリア情報を同じシステム情報、または同じリストの受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。該周辺セルリストは、SIB4に含まれる周辺セル情報に含まれていても良く、同様の効果を得ることが出来る。
LTE−Aにて新たに追加されるSIBに周辺セルのコンポーネントキャリア情報を追加することにより、不要な情報をLTE対応移動端末が受信しないことを選択することができる。これにより、LTE対応移動端末がデコードする必要のあるデータ量の削減が可能となり、処理負荷を軽減できるという効果を得ることができる。
周辺セルのコンポーネントキャリア情報の具体例を以下に示す。
第一の具体例としては、コンポーネントキャリア周波数がある。図21を用いて説明する。2101から2107は当該基地局において、キャリアアグリゲーションを行うことが可能なコンポーネントを示す。f1からf10は、各コンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。第一の具体例では、コンポーネントキャリア情報として、図21に示すコンポーネントキャリア周波数を用いる。具体例としては、図21のコンポーネント2104である場合、コンポーネントキャリア情報は、コンポーネントキャリア周波数f6となる。本具体例は、絶対的な値をマッピングするため、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点がある。
または、コンポーネントキャリア周波数の絶対値から、予め決められた導出式を用いて導出した値としても良い。同様の効果を得ることが出来る。
なお、図21では、横軸は周波数を示す。FDDにおいては、DLの周波数とULの周波数は異なるが、簡単化のため、DLの周波数とULの周波数を同じ軸上に記載している。同じく簡単化のため、下りのコンポーネント(下りCC、DL CC)と、各DL CCに対応する(ペアバンドとなる)上りのコンポーネン(上りCC、UL CC)を同じとし、いずれもコンポーネント1501から1507として図で示している。これに限らず下りCCとそれに対応する上りCCとで、周波数軸上の配置の順番が異なっていても構わない。なお本明細書では特に断らない限り、コンポーネント、あるいはコンポーネントキャリアと称した場合、下りコンポーネントのことを示す、あるいは下りコンポーネント及びそれに対応する(ペアバンドである)上りCCのことをあわせて示すこととする。
第二の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図22を用いて説明する。図21と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。2101から2107、及び2201から2203は、移動体通信システムとして用いられるコンポーネントを示す。第二の具体例では、コンポーネントキャリア情報として、図22(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。移動体通信システムとして、例えばLTE−Aシステムとして用いられるコンポーネント(2101から2107、及び2201から2203)のキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図22(b))。具体例としては、図22のコンポーネント2104に対するコンポーネントキャリア情報である場合、コンポーネントキャリア情報としてコンポーネント識別子「CC#6」の情報を用いる。コンポーネント識別子「CC#6」を受信した受信側は、図22(b)の移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#6」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、第二の具体例は識別子をマッピングする。よって第二の具体例の方が、報知情報に追加する情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
図22(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知する。このようにコンポーネントキャリアの物理情報とコンポーネントキャリアを識別する情報とを対応付ける情報をネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、コンポーネントキャリア情報の情報量の削減という効果を得ることができる。
または、図22(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、対応表をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
第三の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図23を用いて説明する。図21と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。第三の具体例では、コンポーネントキャリア情報として、図23(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図23(b))。具体例としては、図23のコンポーネント2104である場合、コンポーネントキャリア情報としてコンポーネント識別子「CC#4」を用いる。コンポーネント識別子「CC#4」を受信した受信側は、図23(b)のコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#4」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、また第二の具体例は移動体通信システムが取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングするのと比較して、第三の具体例は当該基地局が取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングする。よって第三の具体例の方が、コンポーネントキャリア情報の情報量、及びコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表の情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
図23(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。このようにコンポーネントキャリアの物理情報とコンポーネントキャリアを識別する情報とを対応付ける情報をネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、コンポーネントキャリア情報の情報量、及びコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表の情報量の削減という効果を得ることができる。
第四の具体例としては、周波数バンドがある。図24(b)を用いて説明する。例えば周辺セルにてf8とf9のコンポーネントキャリアが存在した場合を考える。その場合、周辺セルのコンポーネントキャリア情報として「BandIV」の情報を用いる。周波数バンドに含まり得るコンポーネントキャリアの情報は、ネットワーク側から移動端末に対して通知される。図24(b)に例示した周波数バンドの構成における、周波数バンドに含まり得るコンポーネントキャリア情報を図24(c)に示す。例えば、周波数バンド「BandI」に含まり得るコンポーネントキャリアは「f1」「f2」となり、周波数バンド「BandII」に含まり得るコンポーネントキャリアは「f3」「f4」となり、周波数バンド「BandIII」に含まり得るコンポーネントキャリアは「f5」「f6」「f7」となり、周波数バンド「BandIV」に含まり得るコンポーネントキャリアは「f8」「f9」「f10」となる。なお、含まり得るコンポーネントキャリアの情報としては、第二の具体例、第三の具体例のコンポーネント識別子を用いることが出来る。第四の具体例は、第一の具体例、第二の具体例、第三の具体例と比較して1つ以上のコンポーネントに対するコンポーネント情報を1つの周波数バンドの情報と置換できるので、コンポーネントキャリア情報の情報量を削減でき、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
周波数バンドに含まり得るコンポーネントキャリア情報の通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。または、周波数バンドに含まり得るコンポーネントキャリアの情報は、移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、周波数バンドに含まり得るコンポーネントキャリアの情報をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
またコンポーネント識別子の番号付けの具体例を以下に示す。
第一の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局としてコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。連続の番号付けの具体例としては、図24(a)に示すよう低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。
第二の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局として周波数バンド毎に当該周波数バンドに含まれるコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。連続の番号付けの具体例としては、図24(b)に示すように周波数バンド毎に低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。この場合、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報に、上記第二の具体例、あるいは第三の具体例に示すコンポーネント識別子を用いる場合、周波数バンドおよびコンポーネント識別子によりコンポーネントキャリア情報を示すこととする。
報知情報に、いずれの周辺セルの、いずれのコンポーネントキャリアの情報を追加するかの具体例を以下に示す。
第一の具体例としては、全ての周辺セルの、当該周辺セルがサポートする全てのコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加する。第一の具体例では、移動端末がセル選択し得る全ての情報を得ることができるので、受信品質向上という効果を得ることができる。
第二の具体例としては、全ての周辺セルに対して、当該周辺セルがサポートする、全てのコンポーネントキャリア情報のうち、部分集合となる周辺セルの、当該周辺セルがサポートする部分集合となるコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加する。言い換えると、移動端末がセル選択し得る全てのコンポーネントキャリア情報のサブセットのコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加する。第二の具体例では、移動端末がセル再選択動作に用いる周辺セルのコンポーネントキャリア情報が、第一の具体例と比較して削減されるので移動体通信システムの処理負荷軽減、制御遅延増加の抑制、及びコンポーネントキャリア情報の情報量が削減されるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
ネットワーク側にてコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加するサブセットの選択方法の具体例について以下に示す。
第一の具体例としては、ネットワーク側が移動端末のセル再選択の対象に含めたいと考える周辺セルのコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加する。第一の具体例にて、移動体通信システムとして柔軟な制御か可能という効果を得ることが出来る。
第二の具体例としては、移動端末がキャンプオン可能なコンポーネントのキャリア情報を報知情報に追加する。キャンプオン可能なコンポーネントの具体例としては、(1)システム情報を報知しているコンポーネント、(2)同期信号を報知しているコンポーネント、(3)ページング情報を送信しているコンポーネント、(4)RRC_IDLE時のアンカーキャリアなどがある。第二の具体例にて、セル再選択動作にて実際にセル選択可能なコンポーネントキャリア情報を追加することができ、移動体通信システムの処理負荷軽減、制御遅延増加の抑制の効果を得ることができる。
図25にて移動端末の本実施の形態4の変形例1を用いたセル再選択動作の一例について記載する。図25において図18、図19と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
ステップST2501にて周辺セルのコンポーネント情報を受信したか否か判断する。周辺セルのコンポーネント情報を受信したと判断した場合は、ステップST1903へ移行する。周辺セルのコンポーネント情報を受信していないと判断した場合は、処理を終了する。
ステップ2502にて、受信した周辺セルのコンポーネント情報に含まれる情報を基にセルランキングを行う。具体例としては、受信した周辺セルのPCI、受信した周辺セルのコンポーネント情報から導き出すコンポーネントキャリア毎にてセルランキングを行う。セルランキングの具体例は、ステップST1803と同様であるので説明を省略する。ネットワーク側から対象のPCI、コンポーネントキャリア周波数を指定されることにより、実施の形態3を用いた場合のように、当該周辺セルのシステム情報などからコンポーネント情報を得る必要はなくなり、当該周辺セルの報知情報を受信・デコードする必要がなくなるので、移動体通信システムとしての制御遅延増大の抑制、及び移動端末の消費電力低減などの効果を得ることが出来る。
また、実施の形態4の変形例1、具体例としては図25に示す動作は、実施の形態3、具体例としては図19に示す動作、または/かつ従来のセル再選択動作、具体例としては図18に示す動作は組み合わせて用いることができる。その際の順序は任意であってよい。
実施の形態4の変形例1によれば、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態4 変形例2
実施の形態4の変形例2にて解決する課題について説明する。
実施の形態4の変形例1では、基地局から移動端末へ、報知情報を用いて、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を通知することにより、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得た。
一方、報知情報の情報量の増加は、無線リソースの有効活用という観点において極力抑制する必要がある。
本実施の形態4の変形例2では報知情報の情報量を極力抑制しつつ、実施の形態4の変形例1と同様の課題を解決する方法を開示する。
本実施の形態4の変形例2での解決策を以下に示す。
基地局から移動端末へ周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を通知する。
周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を受信した移動端末は、キャリアアグリゲーション対応か否かに応じて、再選択動作を異ならせる。
または、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応であった場合には、移動端末は当該周辺セルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うとする。一方、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応でない場合には、移動端末は当該周辺セルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じた再選択動作は行わないとする。
周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の通知方法の具体例を以下に示す。
実施の形態4の変形例1の周辺セルのコンポーネントキャリア情報の通知方法の具体例に加えて以下の具体例を用いることができる。
報知情報のうちSIBに含まれるSIB3、あるいはSIB5に周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を追加することにより以下の効果を得ることができる。SIB3、あるいはSIB5には、周辺セルに関する情報がマッピングされる方向である。周辺セルの情報である周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報が、同様のパラメータが含まれるSIB3、あるいはSIB5へ追加されるならば、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
報知情報のうちSIBに含まれるSIB3、あるいはSIB5に含まれる周辺セル設定(neighCellConfig)に周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を追加することにより以下の効果を得ることができる。周辺セルの情報である周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報が、同様のパラメータが含まれる周辺セル設定へ追加されるならば、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例としては、次のものが考えられる。
(1)当該周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報とする。例えば、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応であれば「1」、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応でなければ「0」とする。
(2)サービングセルの周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルが存在するか否かを示す情報とする。例えば、サービングセルの周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルが1つ以上あれば「1」、サービングセルの周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルがなければ「0」とする。
上記具体例では「1」あるいは「0」の1ビットの情報として表したが、情報量はこの限りではない。また対応であれば「0」、対応でなければ「1」としても良い。
また、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報として、対応の場合に情報を通知し、対応で無い場合は情報を通知しないとしても良い。逆に、対応の場合は情報を通知せずに、対応で無い場合は情報を通知するとしても良い。
周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例にて上記(2)を用いた場合、周辺セル毎に周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を追加する必要は無い。よって無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
報知情報に、いずれの周辺セルの、キャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を追加するかの具体例を以下に示す。
第一の具体例としては、全ての周辺セルの、キャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加する。第一の具体例では、移動端末がセル選択し得る全ての情報を得ることができるので、受信品質向上という効果を得ることができる。
第二の具体例としては、全ての周辺セルではなく部分集合となる周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加する。言い換えると、サブセットの周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加する。第二の具体例では、移動端末がセル再選択動作に用いる周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報が、第一の具体例と比較して削減されるので移動体通信システムの処理負荷軽減、制御遅延増加の抑制、及びコンポーネントキャリア情報の情報量が削減されるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
ネットワーク側にて周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加するサブセットの選択方法の具体例について以下に示す。
第一の具体例としては、ネットワーク側が移動端末のセル再選択の対象に含めたいと考える周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加する。第一の具体例にて、移動体通信システムとして柔軟な制御が可能という効果を得ることが出来る。
図26にて移動端末の本実施の形態4の変形例2を用いたセル再選択動作の一例について記載する。周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例として上記(1)を用いて説明する。図26において図18、図19、図25と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
ステップST2601にて周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルか否か判断する。周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルである場合は、ステップST1903へ移行する。周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルでない場合は、処理を終了する。
ステップST2602にてキャリアアグリゲーション対応の当該周辺セルのキャリア情報を受信する。移動端末は、周辺セルにおけるシステム情報を受信して当該周辺セルのキャリア情報を得る。周辺セルのキャリア情報の通知方法の具体例としては、実施の形態3に示したキャリア情報の通知方法の具体例を用いることが出来るので説明を省略する。
また、実施の形態4の変形例2、具体例として図26に示す動作、実施の形態3、具体例として図19に示す動作、実施の形態3 変形例1、実施の形態4、従来のセル再選択動作、具体例として図18に示す動作は、組み合わせて用いることができる。その際の順序は任意であってよい。
図26を用いて、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例として上記(2)を用いた場合の移動端末のセル再選択動作の一例を説明する。周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例として上記(1)を用いた場合と異なる部分を中心に説明する。
ステップST2601にて周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルが有るか否か判断する。周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルが存在する場合は、ステップST1903へ移行する。周辺セルにキャリアアグリゲーション対応のセルが存在しない場合は、処理を終了する。
ステップST2602にてサービングセルの周辺セルに含まれるセルのキャリア情報を受信する。移動端末は、周辺セルにおけるシステム情報を受信して当該周辺セルのキャリア情報を得る。周辺セルのキャリア情報の通知方法の具体例としては、実施の形態3に示したキャリア情報の通知方法の具体例を用いることが出来るので説明を省略する。
また、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例(1)の当該周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を用いて、移動端末は以下のセル再選択動作が可能となる。
高速通信を望む移動端末、あるいはLTE−A対応の移動端末、あるいは3GPPリリース10以降の対応の移動端末、あるいはキャリアアグリゲーションを望む移動端末、あるいはキャリアアグリゲーション対応の移動端末は、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を用いて、当該セルを再選択するか否か判断してもよい。
または、高速通信を望む移動端末は、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて当該周辺セルがキャリアアグリゲーション対応を示す場合には、当該周辺セルをセル再選択の対象として含めても良い。一方、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて、当該周辺セルがキャリアアグリゲーション非対応を示す場合には、当該周辺セルをセル再選択の対象に含めないとしても良い。
これにより、当該移動端末が継続してキャリアアグリゲーション可能となる、つまり高速通信可能となるという効果を得ることが出来る。
実施の形態4の変形例2により以下の効果を得ることが出来る。
報知情報の情報量を極力抑制しつつ、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じて再選択動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態5.
実施の形態5にて解決する課題について説明する。実施の形態3の変形例2の解決策で示した、ネットワーク側から移動端末へメジャメント設定がされなかった場合、周辺のキャリアアグリゲーション対応の基地局のコンポーネント毎の受信品質を測定する方法が無くなる。よって、ネットワーク側から移動端末へ該メジャメント設定がされなかった場合、実施の形態3の変形例2の課題が再発する。
本実施の形態5での解決策を以下に示す。周辺セルにおけるシステム情報を受信して当該周辺セルのキャリア情報を基に、当該周辺セルのコンポーネント毎の受信品質を測定し、測定結果をネットワーク側へ通知する。周辺セルのキャリア情報の通知方法の具体例は、実施の形態3に示したキャリア情報の通知方法の具体例を用いることが出来るので説明を省略する。測定結果のネットワーク側への通知方法は、実施の形態3の変形例2のメジャメントレポートを用いることが出来るので、説明を省略する。
実施の形態5により以下の効果を得ることが出来る。ネットワーク側から移動端末へメジャメント設定がされなかった場合であっても、周辺のキャリアアグリゲーション対応の基地局のコンポーネント毎の受信品質を測定することが可能となる。よって移動端末が基地局に対して、キャリア毎に測定結果を報告可能となる。これにより、サービング基地局は、キャリアアグリゲーション対応の基地局のそれぞれのキャリアがハンドオーバ先として選択することに適しているか否かについて、判断可能となる。これにより、ハンドオーバ後に受信品質が良好なキャリアにおいて通信可能となる効果を得ることが出来る。これは、移動体通信システムとしてスループットの向上、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
実施の形態5 変形例1
実施の形態5の変形例1にて解決する課題について説明する。周波数が違うと波長・周期が違うために、同じ距離・経路を通って伝わったとしても、受信地点での影響、受信品質が異なる。よって、周辺セルの下り信号を受信するコンポーネントキャリアの再選択を受信品質に応じて実行することは、受信品質向上に有効な手段となる。
しかし、実施の形態5の実現においては周辺セルのキャリア情報を受信する必要がある。具体的方法としては、当該周辺セルのシステム情報、マルチキャリアのシステム情報、アンカーキャリアにおけるシステム情報などを受信する必要がある。
これらは、ハンドオーバ動作において実施の形態5を用いた場合、周辺セルの受信品質測定にあたって移動端末が周辺セルの報知情報(MIB、SIBなど)を受信、デコードする必要があることを示す。
周辺セルの報知情報を受信し、デコードすることが必要となる点において、制御遅延が増大する。特にSIB情報は、PDSCHにマッピングされる。よって移動端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHにマッピングされているスケジューリング情報を基に、PDSCH上のSIB情報を受信する必要があり、制御遅延が増大する。
上記のように周辺セルに対して実施の形態5を適用し、周辺セルの複数のキャリアについてハンドオーバ動作のための受信品質測定を行う場合、移動体通信システムの制御遅延が増大し、また移動端末の処理負荷が増大し、消費電力増大という課題が発生する。
本実施の形態5の変形例1での解決策を以下に示す。移動端末は、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かによらず、あるいは周辺セルのサポートするコンポーネントキャリアによらず、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象とするコンポーネントキャリアを制限する。あるいは、ブラインド検出、つまりネットワーク側からの設定によらない受信品質の測定対象を制限する。ここでいうハンドオーバ動作は、ハンドオーバ用の単なる測定であっても良い。
ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、あるいはメジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、現在のキャリア(周波数)、あるいはシステム周波数、あるいは最も優先度の高い周波数とする。
移動端末は、システム周波数、最も優先度の高い周波数をサービングセルの報知情報(MIB、SIBなど)で得る。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、あるいはメジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)、あるいはRRC_CONNECTED時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)とする。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであって、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリア、あるいはRRC_CONNECTED時のアンカーキャリアをサポートしているか否か不明であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、サービングセルのRRC_IDLE時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)、あるいはRRC_CONNECTED時のアンカーキャリアと同じキャリア(周波数)としても良い。
RRC_IDLE時にページング情報またはシステム情報をモニタするコンポーネントをRRC_IDLE時のアンカーキャリアと称する。アンカーキャリアは、マルチキャリアアンカーまたはシングルキャリアアンカーであっても良い。アンカーキャリアは1つであっても複数であっても良い。
RRC_CONNECTED時のアンカーキャリアとは、移動端末が必ずメジャメントまたはモニタするコンポーネントのキャリアとして、例えば、非特許文献10に示されるアンカーキャリアとしても良い。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、あるいはメジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、現在の通信しているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアとしても良い。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであって、現在のキャンプオンしているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアをサポートしているか否か不明であっても、再選択評価の対象キャリアは、現在の通信しているキャリア(周波数)が含まれる周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアとしてもよい。
周波数バンド内に含まれるコンポーネントキャリアの移動端末への通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。あるいは、移動体通信システムとして静的に決定されていても良い。静的に決定されていた場合、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであっても、あるいはメジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、サービングセルの当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリア、あるいはサービングセルの当該移動端末に対するスケジューリングコンポーネントキャリアとしても良い。
または、ハンドオーバ動作において、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであって、サービングセルの当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリア、あるいはサービングセルの当該移動端末に対するスケジューリングコンポーネントキャリアをサポートしているか否か不明であっても、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアは、サービングセルの当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリア、あるいはサービングセルの当該移動端末に対するスケジューリングコンポーネントキャリアとしても良い。
キャンディデートコンポーネントキャリアセット(Candidate Component Carrier Set)とは、非特許文献10に、キャリアアグリゲーション対応の基地局(セルであっても良い)において、RRC接続状態(RRC_CONNECTED state、単にRRC_CONNECTEDとも称する)でUEとのデータ送受信が可能な一つまたは複数のコンポーネントキャリアのセットとして提案されている。
スケジューリングコンポーネントキャリア(Scheduling Component Carrier)とは、非特許文献10に、実際のデータ送受信が行われている一つまたは複数のコンポーネントキャリアとして提案されている。
実施の形態5の変形例1により以下の効果を得ることが出来る。ハンドオーバ動作において、移動体通信システムの制御遅延を抑制し、また移動端末の処理負荷を抑制し、移動端末の消費電力を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態5 変形例2
実施の形態5の変形例2にて解決する課題について説明する。周波数が違うと波長・周期が違うために、同じ距離・経路を通って伝わったとしても、受信地点での影響、受信品質が異なる。よって、ハンドオーバ動作を周辺セルの下り信号を受信するコンポーネントキャリアの受信品質に応じて実行することは、受信品質向上に有効な手段となる。
一方、実施の形態5同様、周辺セルに含まれる複数のマルチキャリア、あるいはコンポーネントキャリアの受信品質評価を行う場合を考える。
当該周辺セルに含まれる複数のマルチキャリア、あるいはコンポーネントキャリアを示す情報を受信するために、当該周辺セルの報知情報を受信・デコードする必要がでてくる。従って、移動体通信システムとして制御遅延が増大し、移動端末の消費電力が増大するという課題が発生する。
そこで、実施の形態5の変形例1にて周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルであった場合のハンドオーバ動作について開示した。しかし、当該ハンドオーバ動作では、移動体通信システムとしての制御遅延の増大、移動端末の消費電力増大を抑制することは可能であるが、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うことによる受信品質向上を十分得られないという課題が発生する。
本実施の形態5の変形例2では、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得る方法を考える。
本実施の形態5の変形例2での解決策を以下に示す。サービング基地局から移動端末へ周辺セルのコンポーネントキャリア情報を通知する。周辺セルのコンポーネントキャリア情報を受信した移動端末は、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を用いてハンドオーバ動作を行う。
または、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を受信した移動端末は、メジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、当該設定されているキャリア周波数によらず、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を用いてハンドオーバ動作を行うとしても良い。ここでいうハンドオーバ動作は、ハンドオーバ用の単なる測定であっても良い。
周辺セルのコンポーネントキャリア情報の通知方法の具体例は、実施の形態4の変形例1と同様の方法を用いることが出来るので説明を省略する。周辺セルのコンポーネントキャリア情報の具体例は、実施の形態4の変形例1の具体例と同様であるので説明を省略する。コンポーネント識別子の番号付けの具体例は、実施の形態4の変形例1の具体例と同様であるので説明を省略する。報知情報に、いずれの周辺セルの、いずれのコンポーネントキャリア情報を追加するかの具体例は、実施の形態4の変形例1の具体例と同様であるので説明を省略する。ネットワーク側にてコンポーネントキャリア情報を報知情報に追加するサブセットの選択方法の具体例は、実施の形態4の変形例1の具体例と同様であるので説明を省略する。
実施の形態5の変形例2を用いた場合の移動端末の動作の一例について図20を用いて説明する。ステップST2001にてサービング基地局(サービングセル)は移動端末へ周辺セルのコンポーネントキャリア情報を送信する。ステップST2002にて移動端末は、サービング基地局から送られてきた周辺セルのコンポーネントキャリア情報を受信する。
ステップST2003にて移動端末は、ステップST2002にて受信した周辺セルのコンポーネントキャリア情報に基づいて周辺セルの測定を行う。
具体例としては、受信した周辺セルのPCI、受信した周辺セルのコンポーネント情報から導き出すコンポーネントキャリア毎にて受信品質の測定を行う。ネットワーク側(サービング基地局)から対象のPCI、コンポーネントキャリア周波数を指定されることにより、実施の形態5を用いた場合のように、当該周辺セルのシステム情報などからコンポーネント情報を得る必要はなくなり、移動体通信システムとしての制御遅延増大の抑制、及び移動端末の消費電力低減などの効果を得ることが出来る。
また、移動端末は、メジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ステップST2002にて受信した周辺セルのコンポーネントキャリア情報に基づいてのみ周辺セルの測定を行うとしても良い。これによりメジャメント設定中にセルリストが含まれない場合であっても、移動端末は、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を使って発見セル(Detected cells)の測定報告を行うことが可能となる。このことは、移動体通信システムの制御遅延抑制、および移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。
ステップST2004にて移動端末は基地局に対してメジャメントレポートを送信する。メジャメントレポートの具体例は、実施の形態3の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
ステップST2006にて基地局は、ハンドオーバを実行するか否か判断する。ハンドオーバを実行すると判断した場合、移動体通信システム(基地局、移動端末など)としてハンドオーバ処理を行う。ハンドオーバ先の基地局の処理負荷などの要因から、ハンドオーバを実行しないと判断した場合、処理を終了する。
実施の形態5の変形例2では、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態5 変形例3
実施の形態5の変形例3にて解決する課題について説明する。実施の形態5の変形例2では、サービング基地局から移動端末へ、報知情報を用いて、周辺セルのコンポーネントキャリア情報を通知することにより、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得た。
一方、報知情報の情報量の増加は、無線リソースの有効活用という観点において極力抑制する必要がある。
本実施の形態5の変形例3では報知情報の情報量を極力抑制しつつ、実施の形態5の変形例2と同様の課題を解決する方法を開示する。
本実施の形態5の変形例3での解決策を以下に示す。基地局から移動端末へ周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を通知する。周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を受信した移動端末は、キャリアアグリゲーション対応か否かに応じて、ハンドオーバ動作を異ならせる。または、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応であった場合には、移動端末は当該周辺セルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うとする。一方、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応でない場合には、移動端末は当該周辺セルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じたハンドオーバ動作は行わないとする。ここでいうハンドオーバ動作は、ハンドオーバ用の単なる測定であっても良い。
周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の通知方法の具体例は、実施の形態4の変形例2と同様であるので、説明を省略する。周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例は、実施の形態4の変形例2と同様であるので、説明を省略する。報知情報に、いずれの周辺セルの、キャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を追加するかの具体例は実施の形態4の変形例2と同様であるので、説明を省略する。ネットワーク側にて周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を報知情報に追加するサブセットの選択方法の具体例は実施の形態4の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態5の変形例3を用いた場合の移動端末の動作の一例について図20を用いて説明する。ステップST2001にて基地局は移動端末へ周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を送信する。ステップST2002にて移動端末は、基地局から送られてきた周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を受信する。
ステップST2003にて移動端末は、周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルである場合は、キャリアアグリゲーション対応の周辺セルのキャリア情報を受信する。移動端末は、当該周辺セルにおけるシステム情報を受信して当該周辺セルのキャリア情報を得る。当該周辺セルのキャリア情報に基づいて周辺セル測定を行う。周辺セルがキャリアアグリゲーション対応のセルでない場合は、当該周辺セルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じたハンドオーバ動作は行わない。
また、移動端末は、メジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ステップST2002にて受信した周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて、キャリアアグリゲーション対応である周辺セルについてのみ周辺セルの測定を行うとしても良い。
また、移動端末は、メジャメント設定中にセルリストがなく、複数のキャリア周波数が設定されている場合であっても、ステップST2002にて受信した周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて、キャリアアグリゲーション対応である周辺セルについてのみ、当該周辺セルにおけるシステム情報を受信して当該周辺セルのキャリア情報を得て、当該周辺セルのキャリア情報に基づいて周辺セル測定を行うとしても良い。
ステップST2004にて移動端末は基地局に対してメジャメントレポートを送信する。メジャメントレポートの具体例は、実施の形態3の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
ステップST2006にて基地局は、ハンドオーバを実行するか否か判断する。ハンドオーバを実行すると判断した場合、移動体通信システム(基地局、移動端末など)としてハンドオーバ処理を行う。ハンドオーバ先の基地局の処理負荷などの要因から、ハンドオーバを実行しないと判断した場合、処理を終了する。
また、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報の具体例(1)の当該周辺セルがキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を用いて、移動端末は以下のハンドオーバ動作が可能となる。
高速通信を望む移動端末、あるいはLTE−A対応の移動端末、あるいは3GPPリリース10以降の対応の移動端末、あるいはキャリアアグリゲーションを望む移動端末、あるいはキャリアアグリゲーション対応の移動端末は、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報を用いて、当該セルに対するメジャメントレポートを送信するか否か判断してもよい。
または、高速通信を望む移動端末は、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて当該周辺セルがキャリアアグリゲーション対応を示す場合には、当該周辺セルをメジャメントレポートの対象として含めても良い。一方、周辺セルのキャリアアグリゲーション対応か否かを示す情報にて当該周辺セルがキャリアアグリゲーション非対応を示す場合には、当該周辺セルをメジャメントレポートの対象に含めないとしても良い。
これにより、当該移動端末が継続してキャリアアグリゲーション可能となる、つまり高速通信可能となるという効果を得ることが出来る。
実施の形態5の変形例3では、報知情報の情報量を極力抑制しつつ、制御遅延、移動端末の消費電力増大という課題を抑制しつつ、キャリアアグリゲーション対応のセルにてコンポーネントキャリア毎の受信品質に応じてハンドオーバ動作を行うことにより、受信品質向上という効果を得ることが出来る。
実施の形態5 変形例4
実施の形態3の変形例2の解決策で示した、ネットワーク側から移動端末へメジャメント設定がされなかった場合に生じる課題を解決するため、実施の形態5の変形例2では、周辺セルのコンポーネントキャリア情報をサービング基地局から移動端末へ通知することとした。ここでは、上記課題を解決するため、ハンドオーバ動作においてネットワーク側から移動端末に通知されるターゲットセル情報として、ターゲットとなるセルのコンポーネントキャリアに関する情報を新たに設ける。該ターゲットとなるセル情報とともに新たに設けた該ターゲットセルのコンポーネントキャリアに関する情報を、ネットワーク側から移動端末へ通知する。
該セルのコンポーネントキャリアに関する情報としては、実施の形態3の変形例2で開示したメジャメント設定情報に新たに設ける設定情報が適用できる。
ハンドオーバ動作において、移動端末は、ネットワーク側から通知されたターゲットセル情報とともに該ターゲットセルのコンポーネントキャリア情報を受信し、該ターゲットセル情報とコンポーネントキャリア情報にもとづいてハンドオーバ先のセルと該セルのコンポーネントキャリアを決定する。
これにより、実施の形態5で述べたような当該周辺セルのシステム情報などからコンポーネント情報を得る必要はなくなり、移動体通信システムとしての制御遅延増大の抑制、及び移動端末の消費電力低減などの効果を得ることが出来る。
ハンドオーバ動作においてネットワーク側から移動端末に通知されるターゲットセル情報の具体例としてモビリティ制御情報としても良い。モビリティ制御情報はLTE(リリース8)において既に存在する制御情報である。これによりLTEシステムの方法に変更を加える必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
新たに設定するコンポーネントキャリア数を一つとしても良いし複数としても良い。一つの場合は、移動端末はターゲットセルの該コンポーネントキャリアのみに対して同期設立動作などのハンドオーバ動作を行なう。従って、ハンドオーバの際の制御時間を大きく削減でき、また、移動端末の消費電力も大きく削減可能となる。
複数のコンポーネントキャリアが設定される場合、各コンポーネントキャリアに優先順位を設けると良い。移動端末は、該優先順位に従ってコンポーネントキャリアに対してハンドオーバ動作を行なうようにする。優先順位一位のコンポーネントキャリアでハンドオーバ動作を行なう際に、移動端末が該コンポーネントキャリアの受信品質を測定し、ハンドオーバ可能な閾値より低いと判断した場合、次の優先順位のコンポーネントキャリアにハンドオーバするようにする。あるいは、ハンドオーバ失敗した場合なども、次の優先順位のコンポーネントキャリアにハンドオーバするようにすると良い。優先順位はネットワーク側が決定して該コンポーネントキャリア情報とともに移動端末に通知しても良いし、移動端末が決定するようにしても良い。ネットワーク側が決定することで、セルのロードバランスなどを考慮することが可能となるため、ハンドオーバ後のセル全体、あるいはシステム全体のスループットの向上を図ることが出来る。移動端末で優先順位を決定する方法として、設定された複数のコンポーネントキャリアの受信品質を各々測定して、該受信品質にもとづいて決定するようにすると良い。こうすることで、該移動端末と基地局間の受信品質の最も良いコンポーネントキャリアにハンドオーバ可能となる効果が得られる。この場合、受信品質の測定が必要となる。この受信品質の測定を行わないようにするため、移動端末で、設定された複数のコンポーネントキャリアから、一つのコンポーネントキャリアをランダムに決定するようにしても良い。測定をする必要が無いため、ハンドオーバ動作時間を短縮でき、移動端末の消費電力も削減できる効果が得られる。
また、複数のコンポーネントキャリアが設定される場合、ハンドオーバ後に移動端末が、該複数のコンポーネントキャリアでハンドオーバ先の基地局と通信可能としても良い。
ターゲットセルのいずれのコンポーネントキャリアを、ハンドオーバ先のコンポーネントキャリアとするか、については、実施の形態5の変形例1で開示した、ハンドオーバ動作における受信品質評価の対象キャリアの設定方法が適用できる。
本変形例で開示した方法は、ネットワークが移動端末によるメジャメント結果を用いずにハンドオーバを指示する方法(ブラインドハンドオーバ)にも適用できる。
実施の形態6.
実施の形態6にて解決する課題は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態6での解決策を以下に示す。
キャリアアグリゲーション対応の基地局に複数のキャリアが存在する場合、再選択評価を実施するコンポーネントを、当該基地局に含まれる全てのコンポーネントに対してではなく、各周波数バンドに1つ以上のコンポーネントに対してとしてもよい、または各周波数バンドに1つのコンポーネントとしても良い。
各周波数バンドにて再選択評価を実施するコンポーネントの移動端末への通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。あるいは、移動体通信システムとして静的に決定されていても良い。静的に決定されていた場合、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。あるいは、移動端末側で選択しても良い。移動端末側で選択された場合、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなう通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
実施の形態6は、実施の形態3と組み合わせて用いることができる。
実施の形態6では、移動端末が、サービング基地局内の全てのコンポーネントキャリアで再選択評価をする必要がなくなるので、移動体通信システムとして制御遅延の増加を抑制することが可能となり、移動端末の消費電力削減という効果を得ることが出来る。
また、周波数バンドとは、いくつかの連続した周波数からなる周波数帯域である。よって周波数バンドに含まれる1つ以上のコンポーネントにおいては、キャリア周波数が近くなるため受信品質が類似することもある。よって、実施の形態6を用いて各周波数バンドに1つ以上のコンポーネントに対して再選択評価を行うことは、様々な無線特性を持ち受信品質の異なる可能性の高い、コンポーネントから再選択先を選択できる可能性が高くなるという効果を得ることが出来る。
実施の形態7.
実施の形態7にて解決する課題について説明する。
スケジューリングコンポーネント、キャンディデートコンポーネントキャリアセットを選択する方法の一例として、移動端末から基地局へ通知されるCQI、メジャメントレポートを基に基地局が選択する方法が考えられている。
CQIは、基地局から指定される周期にて周期的に報告される。メジャメントレポートは、基地局から指定される周期にて周期的に報告される。または、移動端末における受信品質測定の結果がメジャメントレポートを送信するための条件を満たした場合、つまりトリガが発生した場合に送信される。
CQIの利点は、周波数スケジューリングを効率的に行える点である。一方、移動端末が静止していて各コンポーネントの受信品質に変更がなくても、周期的にCQIの通知が必要となる。周期的に受信品質を報告する必要があるため、CQIの方が、トリガによるメジャメントレポートと比較して、移動端末の消費電力が増加する。
キャンディデートコンポーネントキャリアセット、スケジューリングコンポーネントを選択するための移動端末から基地局への受信品質報告の最適な報告方法を開示する。
本実施の形態7での解決策を以下に示す。
図27に実施の形態7の解決策の概念図を示す。2701から2707は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な下りコンポーネントである。2708から2712は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な上りコンポーネントである。fD1からfD10は、各下りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。fU1からfU9は、各上りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。
コンポーネント2701と2708、2702と2709、2703と2710、2704と2711は下り、上りのペアーバンドとする。なお2705、2706、2707と2712は非対称(Asymmetric)のペアーバンドを示す。
2713は移動端末に対して実際のデータ送受信が行われているコンポーネントであるスケジューリングコンポーネントを示す。スケジューリングコンポーネント2713には、コンポーネント2701、2782、2708、2709が含まれる。2714は当該移動端末とデータの送受信が可能なキャンディデートコンポーネントキャリアセットを示す。キャンディデートキャリアセットには、コンポーネント2701、2702、2703、2708、2709、2710が含まれる。
本実施の形態7での解決策としては、当該基地局に含まれるコンポーネントからキャンディデートコンポーネントキャリアセットを選択するための受信品質報告の報告方法と、キャンディデートコンポーネントキャリアセットからスケジューリングコンポーネントを選択するための受信品質報告の報告方法を分離する。
分離方法の具体例について以下に示す。
第一の具体例は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれない当該基地局に含まれるコンポーネントの受信品質報告にはメジャメントレポートを用い、スケジューリングコンポーネントに含まれないキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの受信品質報告にはCQIを用い、スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントの受信品質報告にはCQIを用いる。
つまり、キャンディデートコンポーネントキャリアセット選択にはメジャメントレポートとCQIを併用し、スケジューリングコンポーネントの選択はCQIを用いる。つまり、コンポーネントのスケジューリングにはCQIを用いる。
図27を用いて説明する。コンポーネント2704、2705、2706、2707についてはメジャメントレポートを用い、コンポーネント2703、及びコンポーネント2701、2702についてはCQIを用いる。
この具体例により、スケジューリングコンポーネントに関する受信品質測定には、周波数スケジューリングにより効果的なCQIを用いることが可能となる。よって、効果的な周波数スケジューリングを実現しつつ、移動端末の消費電力が増加を抑制することができるという効果を得ることができる。
第二の具体例は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれない当該基地局に含まれるコンポーネントの受信品質報告にはメジャメントレポートを用い、スケジューリングコンポーネントに含まれないキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの受信品質報告にはメジャメントレポートを用い、スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントの受信品質報告にはCQIを用いる。
つまり、キャンディデートコンポーネントキャリアセット選択にも、スケジューリングコンポーネントの選択にもメジャメントレポートとCQIを併用する。つまり、移動端末と基地局にて実際のデータ送受信されているコンポーネントに対してCQIを用いる。
この具体例により、移動端末と基地局にて実際のデータ送受信を行っているコンポーネントにはCQIを用いることとなる。実際のデータ送受信を行っていないコンポーネントについてはCQIを用いないこととなる。よってLTEシステムと比較してスケジューリングのための移動端末の処理負荷増大を可能な限り抑制するという効果を得ることが出来る。
実施の形態8.
実施の形態8にて解決する課題について説明する。
異なる周波数バンドに属するコンポーネントキャリアを用いたキャリアアグリゲーションがサポートされる。具体例について、図24(b)を用いて説明する。移動端末が、周波数バンド「BandI」に含まれるコンポーネントキャリア「f2」と、周波数バンド「BandIV」に含まれるコンポーネントキャリア「f9」を用いて、基地局によりスケジューリングされた場合などである。
一方、移動端末において、異なる周波数バンドの送受信を可能とするには、例えば各周波数バンドに対応する複数のアンテナ(図8の807)などが必要な場合がある。異なる周波数バンドの送受信が可能な移動端末と、異なる周波数バンドの送受信が不可能な移動端末が存在する場合が考えられる。
例えば、移動端末が該周波数バンド(例えば上記「BandIV」)に対応するアンテナを持っていない場合において、異なる周波数バンド(BandI、BandIV)に含まれるコンポーネントキャリア(例えば上記「f2」と「f9」)を用いたキャリアアグリゲーションがスケジューリングされた場合、以下課題が発生する。下りスケジューリングの場合は、該移動端末は、該スケジューリングされたリソース(例えば上記「f9」)により受信を行うことが不可能となる。これにより、受信エラーが発生し、無駄な再送が繰り返される。よって無線リソースの無駄が発生という課題が生じる。上りスケジューリングの場合は、該移動端末は、該スケジューリングされたリソース(例えば上記「f9」)により送信を行うことが不可能となる。これにより、別の移動端末へスケジューリングすれば用いることが出来た無線リソース(例えば上記「f9」)を用いることが出来ない。よって無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
本実施の形態8での解決策を以下に示す。
移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を、移動端末からネットワーク側へ通知する。
ネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末へのスケジューリングを行う。スケジューリングには、上りスケジューリング、下りスケジューリングが含まれる。スケジューリングとして、スケジューリングコンポーネントキャリアを選択するとしても良い。あるいはネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリアを選択する。
上記、ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の具体例として、以下4つ開示する。
(1)異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)の周波数バンドにて、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能か否かの情報であっても良い。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンドの通知方法の具体例としては、報知情報を用いる。報知情報の具体例としては、SIB1がある。SIB1はあらかじめ報知されるタイミングが決められているので、UEは早期に受信可能となるという効果を得られる。SIB1中の情報の具体例としては、SIB1中の「freqBandindicator」(非特許文献9)を複数持つことにより実現する。これにより、移動体通信システムの互換性を維持しやすくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。あるいは、実施の形態3の基地局から移動端末へのキャリア情報の通知方法を用いることができる。また、周波数バンド毎に異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報であっても良い。
(2)異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能な旨の情報。上記(1)と同様に、サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)の周波数バンドにて、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能な情報であっても良い。また、周波数バンド毎に異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能な旨の情報であっても良い。
(3)異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション不可能な旨の情報。また、周波数バンド毎に異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション不可能な旨の情報であっても良い。
(4)キャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)の周波数バンド中にて、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報であっても良い。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンド数が少ない場合においては、移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報全てを通知する場合と比較して、情報量を削減できるという効果を得ることができる。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンドの通知方法は上記(1)と同様であるので説明を省略する。また、周波数バンド毎に異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報であっても良い。
異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を基に、該移動端末へのスケジューリングの具体例として、以下2つ開示する。
(1)該移動端末が、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能である場合は、スケジューラにおいて、異なる周波数バンドに属する複数のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可する。一方、該移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション不可能である場合は、スケジューラにおいて、異なる周波数バンドに属する複数のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを禁止する。本具体例は、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の具体例(1)(2)(3)と親和性が高い。スケジューラにおいて、異なる周波数バンドに属する複数のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可するか、許可しないかを判断するため、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か、あるいは不可能かの情報があれば足りるためである。
(2)該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンドに属する複数のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可する。該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンドに属さないコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを禁止する。本具体例は、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の具体例(4)と親和性が高い。スケジューラにおいて、キャリアアグリゲーション可能な周波数バンドに属する複数のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可するか、許可しないかを判断するため、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か、あるいは不可能かの情報では足りず、キャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報が必要だからである。
移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ、いつ通知するかの具体例として以下7つ開示する。
(1)移動端末にて上り送信要求(スケジューリングリクエスト)が発生した場合
(2)移動端末へページングが発生し、該移動端末がページング応答を行う場合
(3)基地局をセル選択、あるいはセル再選択した場合。キャリアアグリゲーション対応の基地局をセル選択した場合のみとしても良い。無駄な上り送信を行う必要がなくなり移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。キャリアアグリゲーション対応のセルであるか否かの判断方法は、実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
(4)トラッキングエリアアップデート(TAU)を通知する場合
(5)アタッチリクエスト(Attach Request)を通知する場合
(6)メジャメントレポートを通知する場合。メジャメントレポートの対象基地局がキャリアアグリゲーション対応のセルである場合のみとしても良い。無駄な上り送信を行う必要がなくなり移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。あるいは、ハンドオーバ時は、移動端末からの再度の通知は不要として、ソースセルからターゲットセルへ移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を通知しても良い。その場合、S1インタフェース、X2インタフェースを用いると良い。これにより移動端末の上り送信を削減することができ、移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。
(7)RACHプロシジャーを実行する場合
移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ、通知する方法の具体例を以下2つ開示する。
(1)RACHプロシジャーを用いる。
(2)個別制御チャネル(DCCH) を用いる。
各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にて、どのように記憶するかの具体例について以下3つ開示する。
(1)基地局において記憶する。移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかの具体例において、基地局毎に通知する場合、例えば具体例(1)(2)(3)(6)において、本記憶方法は親和性が高い。親和性が高い理由は以下の通りである。(1)における上り送信要求は、移動端末から基地局に対して通知される信号だからである。また(2)におけるページング応答は、移動端末から基地局に対して通知される信号だからである。また(3)におけるセル選択は、基地局毎に行われる処理だからである。また(6)におけるメジャメントレポートは、移動端末から基地局に対して通知される信号だからである。
(2)MMEにおいて記憶する。移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかの具体例において、基地局毎に通知しない場合、例えば具体例(4)(5)において、本記憶方法は親和性が高い。親和性が高い理由は以下の通りある。(4)におけるトラッキングエリアの管理は、MMEが行うからである。またセルの再選択が行われても、再選択前のセルと再選択後のセルが同じトラッキングエリアに属していた場合、移動端末からのトラッキングエリアアップデートの通知は行われない。よって(4)の場合に、基地局にて各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を記憶するのは難しい。よってより上位のエンティティにより記憶することが望まれるからである。(5)におけるアタッチリクエストは、例えば移動端末が電源を入れた際に行われる。よってセルの再選択が行われても、移動端末からアタッチリクエストの通知が行われない場合がある。よって(5)の場合に、基地局にて各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を記憶するのは難しい。よってより上位のエンティティにより記憶することが望まれるからである。
(3)HSS(Home Subscriber Server)において記憶する。HSSとは、3GPP移動体通信網における加入者情報データベースであり、認証情報及び在圏情報の管理を行うエンティティである。移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかの具体例において、基地局毎に通知しない場合、例えば具体例(4)(5)において、本記憶方法は親和性が高い。親和性が高い理由は以下の通りある。(4)において、セルの再選択が行われても、再選択前のセルと再選択後のセルが同じトラッキングエリアに属していた場合、移動端末からのトラッキングエリアアップデートの通知は行われない。よって(4)の場合に、基地局にて各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を記憶するのは難しい。よってより上位のエンティティにより記憶することが望まれるからである。(5)におけるアタッチリクエストは、例えば移動端末が電源を入れた際に行われる。よってセルの再選択が行われても、移動端末からアタッチリクエストの通知が行われない場合がある。よって(5)の場合に、基地局にて各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を記憶するのは難しい。よってより上位のエンティティにより記憶することが望まれるからである。
また、「周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報」をUE能力情報の1つの要素として新たに追加しても良い。これにより、「周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報」を、移動端末とネットワーク間で、他の移動端末能力情報と一括してやり取りすることができ、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることできる。
その場合、移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ、いつ通知するかの具体例としては、上記6つに加えて以下が挙げられる。ネットワーク側の要求(UECapabilityEnquiryとも称される)に応答して、移動端末がUE能力情報として異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を送信する。
また、上記異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報は、上りリンクと下りリンクで別の情報としても良い。移動端末のハードウェア構成などが上りリンクと下りリンクで別の場合において、上りリンクと下りリンクで別に制御可能となり、柔軟なスケジューリングができるという効果を得ることができる。
図28に動作の一例を示す。図28においては、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報としては具体例(4)を用い、移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかについては具体例(4)を用い、各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にて、どのように記憶するかについては具体例(2)を用いた場合について示す。
ステップST2801にて移動端末は、トラッキングエリアが変更されたか否かを判断する。トラッキングエリアが変更された場合は、ステップST2802へ移行する。一方トラッキングエリアが変更されない場合は、ステップST2801の判断を繰り返す。
ステップST2802にて移動端末は基地局(サービングセル)経由でMMEに対して、キャリアアグリゲーション(CA)可能な周波数バンド情報を通知する。該通知はTAUと共に行っても良い。また、該移動端末の識別子をともに通知しても良い。
ステップST2803にてMMEは、ステップST2802にて受信した、該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報を記憶する。該移動端末の識別子をともに記憶しても良い。
ステップST2804にて、例えば移動端末は基地局(サービングセル)へスケジューリングリクエストを通知する。
ステップST2805にて基地局はMMEへ、該移動端末のキャリアアグリゲーション(CA)可能な周波数バンド情報を問い合わせる。該問い合わせには、対象の移動端末の識別子をともに通知しても良い。該問合せにはS1インタフェースを用いる。
ステップST2806にてMMEは基地局に対して、ステップST2805の応答を通知する。該応答には、問合せ対象の移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報が含まれる。該応答には、対象の移動端末の識別子をともに通知しても良い。該応答にはS1インタフェースを用いる。
ステップST2807にて基地局(サービングセル)は、ステップST2806にて受信した該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報に基づき、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能な周波数バンドを用いてスケジューリングを行う。
ステップST2808にて基地局(サービングセル)は移動端末へ、ステップST2807のスケジューリング結果を通知する。
図29に別の動作の一例を示す。図29においては、異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報としては具体例(4)のサービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)の周波数バンド中にて、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報を用いる。移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかについては具体例(3)を用いる。各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にて、どのように記憶するかについては具体例(1)を用いる。図29において図28と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
ステップST2901にて移動端末は、セルの選択が行われた否かを判断する。セルの選択が行われた場合は、ステップST2902へ移行する。一方セルの選択が行われない場合は、ステップST2901の判断を繰り返す。
ステップST2902にて基地局(サービングセル)は移動端末へキャリアアグリゲーション(CA)可能な実行中の周波数バンドを通知する。
ステップST2903にて移動端末は、ステップST2902にて受信したサービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンド中にて、自移動端末がキャリアアグリゲーション可能な周波数バンドを判断、あるいは選択する。
ステップST2904にて移動端末は基地局(サービングセル)へ、ステップST2903にて選択した、サービングセルがキャリアアグリゲーション(CA)可能な実行中の周波数バンド中にてキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報を通知する。
ステップSTST2905にて基地局(サービングセル)は、ステップST2904にて受信した、該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報を記憶する。該移動端末の識別子をともに記憶しても良い。
ステップST2906にて基地局(サービングセル)は、ステップST2905にて記憶している該移動端末のキャリアアグリゲーション可能な周波数バンド情報に基づき、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能な周波数バンドを用いてスケジューリングを行う。
実施の形態8により以下の効果を得ることが出来る。
基地局が移動端末の能力に応じてキャリアアグリゲーションのスケジューリングを行うことが可能となる。これにより、移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーションが不可能であることに起因する無線リソースの無駄を削減することが可能となる。
実施の形態8.変形例1
実施の形態8の変形例1にて解決する課題について説明する。
移動端末において、キャリアアグリゲーションを実現する上で、コンポーネントキャリア単位のハードウェア構成が存在する場合がある。移動端末ごとにキャリアアグリゲーション可能なコンポーネントキャリア数が異なる場合が考えられる。
移動端末が、基地局からスケジューリングされたコンポーネントキャリア数より少ないコンポーネントキャリア数のハードウェアしか実装していない場合において、以下課題が発生する。下りスケジューリングの場合は、該移動端末は、該移動端末の実装数を超えたコンポーネントキャリア上にスケジューリングされたリソースの受信を行うことが不可能となる。これにより、受信エラーが発生し、無駄な再送が繰り返される。よって無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。上りスケジューリングの場合は、該移動端末は、該移動端末の実装数を超えたコンポーネントキャリア上にスケジューリングされたリソースにより送信を行うことが不可能となる。これにより、別の移動端末へスケジューリングすれば用いることが出来た無線リソースを用いることが出来ない。よって無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
本実施の形態8の変形例1での解決策を以下に示す。
移動端末がキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報を、移動端末からネットワーク側へ通知する。
ネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末へのスケジューリングを行う。スケジューリングには、上りスケジューリング、下りスケジューリングが含まれる。スケジューリングとして、スケジューリングコンポーネントキャリアを選択するとしても良い。あるいはネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリアを選択する。
上記、ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報の具体例として、以下2つ開示する。
(1)キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)のコンポーネントキャリアにて、該移動端末がキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数であっても良い。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中のコンポーネントキャリアの通知方法の具体例は、実施の形態8のサービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンドの通知方法と同様であるので説明を省略する。また、周波数バンド毎にキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数であっても良い。
(2)キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数のインデックス。キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数と比較して、通知に必要な情報量を削減でき、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。具体例としては、キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数が1の場合はインデックス「0」、キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数が2、3の場合はインデックス「1」、キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数が4の場合はインデックス「2」、キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数が5の場合はインデックス「3」などである。キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数とインデックスとの関係は、準静的に決定する、あるいは静的に決定するとしても良い。準静的な場合は、サービングセルからの報知情報などで通知すれば良い。これにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能という効果を得ることができる。静的に決定することにより、ネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、周波数バンド毎にキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数のインデックスであっても良い。
キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報を基に、該移動端末へのスケジューリングの具体例として、以下開示する。スケジューラにおいて、移動端末から通知されたキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数以下のコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可する。スケジューラにおいて、移動端末から通知されたキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数を超えるコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを禁止する。
移動端末がキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報をネットワーク側へ、いつ通知するかの具体例は、実施の形態8の移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかの具体例と同様であるので説明を省略する。
移動端末がキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報をネットワーク側へ通知する方法の具体例は、実施の形態8の移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ通知する方法の具体例と同様であるので説明を省略する。
各移動端末のキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報をネットワーク側にてどのように記憶するかの具体例については、実施の形態8の各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にてどのように記憶するかの具体例と同様であるので説明を省略する。
また実施の形態8と同様に、「キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報」をUE能力情報の1つの要素として新たに追加しても良い。
また実施の形態8と同様に、「キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報」は、上りリンクと下りリンクで別の情報としても良い。
動作の一例は、実施の形態8で示した図28、図29と同様であるので説明を省略する。
実施の形態8の変形例1は、実施の形態8と組合せて用いることができる。
実施の形態8の変形例1により以下の効果を得ることが出来る。
基地局が移動端末の能力に応じてキャリアアグリゲーションのスケジューリングを行うことが可能となる。これにより、移動端末のキャリアアグリゲーション可能なコンポーネントキャリア数を超えるコンポーネントキャリア上へのスケジューリングに起因する、無線リソースの無駄を削減することが可能となる。
実施の形態8.変形例2
実施の形態8の変形例2にて解決する課題について説明する。
非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーションする場合が考えられる。
移動端末において、非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能とする場合と、可能としない場合とでハードウェアの構成が異なることが考えられる。非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な移動端末と、非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な移動端末が存在することが考えられる。
非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な移動端末に対して、基地局により非隣接なコンポーネントを用いたキャリアアグリゲーションのスケジューリングがされた場合、以下の課題が発生する。
下りスケジューリングの場合は、該移動端末は、非隣接なコンポーネントキャリア上にスケジューリングされたリソースの受信を行うことが不可能となる。これにより、受信エラーが発生し、無駄な再送が繰り返される。よって無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。上りスケジューリングの場合は、該移動端末は、非隣接なコンポーネントキャリア上にスケジューリングされたリソースにより送信を行うことが不可能となる。これにより、別の移動端末へスケジューリングすれば用いることが出来た無線リソースを用いることが出来ない。よって無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
本実施の形態8の変形例2での解決策を以下に示す。
移動端末が非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を、移動端末からネットワーク側へ通知する。
ネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末へのスケジューリングを行う。スケジューリングには、上りスケジューリング、下りスケジューリングが含まれる。スケジューリングとして、スケジューリングコンポーネントキャリアを選択するとしても良い。あるいはネットワーク側は、該情報を基に、該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントキャリアを選択する。
上記、ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の具体例として、以下3つ開示する。
(1)非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)のコンポーネントキャリアにて、該移動端末が非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報であっても良い。サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中のコンポーネントキャリアの通知方法の具体例は、実施の形態8のサービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中の周波数バンドの通知方法と同様であるので説明を省略する。また、周波数バンド毎に非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報であっても良い。
(2)非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な旨の情報。あるいは、隣接コンポーネントキャリア及び非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な旨の情報であっても良い。上記(1)と同様に、サービングセルのキャリアアグリゲーション可能な実行中(operating)のコンポーネントキャリアにて、該移動端末が非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な情報であっても良い。また、周波数バンド毎に非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な旨の情報であっても良い。
(3)非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な旨の情報。あるいは、隣接コンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な旨の情報であっても良い。また、周波数バンド毎に非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な旨の情報であっても良い。
非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を基に、該移動端末へのスケジューリングの具体例として、以下開示する。非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能である場合は、スケジューラにおいて、非隣接なコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを許可する。一方、非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能である場合は、スケジューラにおいて、非隣接なコンポーネントキャリア上にスケジューリングすることを禁止する。
移動端末が非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ、いつ通知するかの具体例は、実施の形態8の移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へいつ通知するかの具体例と同様であるので説明を省略する。
移動端末が非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ通知する方法の具体例は、実施の形態8の移動端末が異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側へ通知する方法の具体例と同様であるので説明を省略する。
各移動端末の非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にてどのように記憶するかの具体例については、実施の形態8の各移動端末の異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報をネットワーク側にてどのように記憶するかの具体例と同様であるので説明を省略する。
また実施の形態8と同様に、「非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報」をUE能力情報の1つの要素として新たに追加しても良い。
また実施の形態8と同様に、「非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報」は、上りリンクと下りリンクで別の情報としても良い。
動作の一例は、実施の形態8で示した図28、図29と同様であるので説明を省略する。
実施の形態8の変形例2は、実施の形態8、実施の形態8の変形例1と組合せて用いることができる。
実施の形態8の変形例2と実施の形態8の変形例1との組合せにおいては、以下としても良い。
非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能な場合、移動端末が非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報とキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報を通知する。あるいは、キャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数の情報の通知がある場合は、該移動端末は非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能であることを示すとし、非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の通知を省略しても良い。移動端末からネットワーク側へ通知される情報量を削減することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な場合、移動端末が非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報とキャリアアグリゲーション可能な最大周波数帯域を通知する。コンポーネントキャリアの帯域幅が均等である場合、最大周波数帯域からキャリアアグリゲーション可能なコンポーネントキャリア数を導出可能である。あるいは、最大周波数帯域の通知がある場合は、該移動端末は非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能であることを示すとし、非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の通知を省略しても良い。移動端末からネットワーク側へ通知される情報量を削減することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
また実施の形態8の変形例2と実施の形態8との組合せにおいては、以下としても良い。移動端末からネットワーク側へ通知する情報を以下としても良い。
異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能か否かの情報を通知する。
異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション不可能な場合は、非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の通知を省略しても良い。移動端末からネットワーク側へ通知される情報量を削減することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
異なる周波数バンド間でキャリアアグリゲーション可能な場合は、非隣接(non-contiguous)なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション可能か否かの情報の通知を行う。
実施の形態8の変形例2により以下の効果を得ることが出来る。
基地局が移動端末の能力に応じてキャリアアグリゲーションのスケジューリングを行うことが可能となる。これにより、非隣接なコンポーネントキャリアをキャリアアグリゲーション不可能な移動端末への非隣接なコンポーネントキャリア上へのスケジューリングに起因する、無線リソースの無駄を削減することが可能となる。
上記全ての実施の形態にて用いる「スケジューリングコンポーネントキャリア」のうち、下りリンクに関するものは、「UE DL Component Carrier set」とも称される。これは、移動端末が下りリンクにてPDSCHを受信するためにスケジューリングされ、個別シグナリングによって設定される下りコンポーネントキャリアのセットである。
上記全ての実施の形態にて用いる「スケジューリングコンポーネントキャリア」のうち、上りリンクに関するものは、「UE UL Component Carrier set」とも称される。これは、移動端末が上りリンクにてPUSCHを送信するためにスケジューリングされた上りコンポーネントキャリアのセットである。
上記全ての実施の形態にて用いる3GPP(リリース8)仕様に従ったコンポーネントキャリアは、「Backwards compatible carrier」とも称される。これは、既存の全てのLTE対応の移動端末がアクセスできるキャリアである。
また、反対に上記全ての実施の形態にて、既存のLTE対応の移動端末はアクセスできないキャリアは、「Non-backwards compatible carrier」とも称される。このようなキャリアは、そのようなキャリアを定義するリリースの移動端末にとっては、アクセスしやすいキャリアとなる。