JP5084204B2 - 発光素子及び高分子混合金属錯体 - Google Patents

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Description

本発明は、銅族金属を用いた金属錯体に関するものであり、さらに詳しくは銅、銀、金のうち複数の金属を含む高分子混合金属錯体に関するものである。また、これら高分子混合金属錯体を発光材料に用いる発光素子に関するものである。
従来、銅族金属を用いた高分子錯体としては、非特許文献1に挙げる銅高分子錯体が挙げられる。具体的には、下記(10)式に表す構造式を有するものが挙げられる。
Figure 0005084204
非特許文献1の高分子金属錯体は、可視光領域に発光を示し、配位子を適切に選択することにより発光色を選択することができる。しかしながら、この錯体は金属として銅のみを用いたものである。
一方、非特許文献2は、下記構造式の高分子混合金属錯体が示されている。
Figure 0005084204
非特許文献2には、Mとして、Cu、Ag、Auから2種を選んで混合金属錯体を合成すること、及びその発光特性が示されている。
Luminescence Ranging from Red to Blue:A Series of Copper(I)−Halide Complexes Having Rhombic{Cu2(μ−X)2}(X=Br and I)Units with N−Heteroaromatic Ligands(Araki,H.;Tsuge,K.;Sasaki,Y.;Ishizaka,S.;Kitamura,N Inorg.Chem.;(Article);2005;44(26);9667−9675.) 日本化学会第86春季年会(2006)予稿集3F1−14、ジメルカプトチアジアゾールを架橋配位子とする金(I)−銀(I)及び銅(I)−銀(I)混合金属錯体の合成と発光性、田村素志・鈴木宏太・柘植清志・佐々木陽一・石坂昌司・喜多村昇
しかしながら、非特許文献1,2には、これらの錯体を発光素子に用いる発光材料としての応用に関する記述はなく、分子構造や光物理特性の研究に限定されたものである。
そこで、本発明は、高効率発光が可能な発光素子を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の発光素子は、下記一般式(4)で表される高分子混合金属錯体を発光材料として用いることを特徴とする。
また、本発明の高分子混合金属錯体は、下記一般式(4)で表されることを特徴とする。
Figure 0005084204
[但し、上記一般式()において、M1及びM2は異なる金属でありCu、Ag、Auから選ばれる。
PR 3 はPが配位原子である3級フォスフィンであり、下記構造式(5)に示すものから選ばれる。
Figure 0005084204
但し、上記構造式(5)中、フェニル基の水素原子はハロゲン原子または炭素原子数6以下の分岐または直鎖状のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。R 2 とR 3 は、炭素原子数6以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。
Xはハロゲン原子Cl、BrまたはIから選ばれる。
N−A−Nは、下記構造式(6)から選ばれる。
Figure 0005084204
但し、上記芳香環中の水素原子は、ハロゲン原子または炭素原子数2以下のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。該アルキル基やアルコキシル基中の水素原子は、フッ素原子に置換されても良い。
x1、y1及びz1は繰り返し構造の数を示し、繰り返し構造の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x1+y1+z1)<1000000である。]
本発明の錯体は、室温で安定な高効率発光が得られるため、これを用いた発光素子は、高効率発光が可能である。
本発明者等は高分子混合金属錯体に着目して発光材料として応用する検討を行った。高分子混合金属錯体とは、繰り返し単位中に金属錯体構造をもつ高分子化合物であり、さらに、この高分子化合物が2種以上の金属を含むものである。
本発明者らは、従来の高分子銅錯体が比較的強い発光を示すことから、発光特性を改善し発光素子に応用することを目的に検討を行った。そのポイントは、
(1)発光波長(発光スペクトル)
(2)発光寿命
(3)安定性
である。
この検討に関して本発明者らは錯体の金属に着目し、金属を銅と同族の銅・銀または金を混合した高分子混合金属錯体を設計・合成し発光特性への影響を調べた。高分子混合金属錯体を設計する上で重要なことは、基となるそれぞれの単金属錯体の構造がほぼ等しい構造を有することが必要である。銅・銀・金の金属錯体は、配位数が2、3、4配位などをとり、これらの金属錯体を混合して高分子混合金属錯体を作るためには、銅・銀・金の金属錯体がほぼ等しい構造をとる配位子を選択する必要がある。
本発明の高分子混合金属錯体として好ましいのは、下記一般式(1)または(2)で示される錯体である。
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(1)において、M1及びM2は異なる金属でありCu、Ag、Auから選ばれる。L1は有機化合物配位子を含む配位子群である。M111、M221及びM121は、2核錯体構造を持つ繰り返し単位である。
x1、y1及びz1は、それぞれ繰り返し単位M111、M221及びM121の単位数を示す。M111、M221及びM121の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x1+y1+z1)<1000000である。]
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(2)において、M1及びM2は異なる金属でありCu、Ag、Auから選ばれる。L2は有機化合物配位子を含む配位子群である。M12及びM22は単核錯体構造を持つ繰り返し単位である。
x2及びy2は繰り返し単位M12及びM22の単位数を示し、M11及びM21の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x2+y2)<1000000である。]
一般式(1)で示される錯体として好ましいのは、下記一般式(3)で表される錯体であり、より好ましくは下記一般式(4)で表される錯体である。
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(3)において、R1はN原子またはP原子を配位原子とする一座配位子である。
Xはハロゲン原子Cl、BrまたはIから選ばれる。
Q−A−QはQを配位原子とする2座配位子であり、QはNまたはPから選ばれる。2つのQ原子間は、複数の共有結合からなるAにより結合される。]
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(4)において、PR3はPが配位原子である3級フォスフィンであり、下記構造式(5)に示すものから選ばれる。
Figure 0005084204
但し、上記構造式(5)中、フェニル基の水素原子はハロゲン原子または炭素原子数6以下の分岐または直鎖状のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。R2とR3は、炭素原子数6以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。]
一般式(4)において、N−A−Nは下記構造式(6)から選ばれることが好ましい。
Figure 0005084204
[但し、上記芳香環中の水素原子は、ハロゲン原子または炭素原子数2以下のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。該アルキル基やアルコキシル基中の水素原子は、フッ素原子に置換されても良い]
一般式(1)で示される錯体、即ち繰り返し単位に金属原子を2つ持つ複核錯体構造を持つ錯体の具体例を以下に示す。
化合物101を例に、化合物の構造的特徴と構造式に関して説明する。化合物101の構造式(a)中に示したXは、ハロゲン元素Cl、Br、Iから選択される。またM1及びM2は異なる金属であり、Cu、AgまたはAuから選択される。x1、y1及びz1は繰り返し構造の数を示し、繰り返し構造の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x1+y1+z1)<1000000である。異なる繰り返し単位を比較すると金属以外の配位子及び配位構造は同じである。すなわち、M1及びM2で表した金属が高分子金属錯体中に、混合比に応じて統計的に分布していることに対応している。従って、化合物101の構造式(a)は、構造式101(b)の様に表記することも可能である。ここで、MはM1とM2の混合比に応じて、M=(x)M1(1−x)M2[xはM1のモル比率]と書くことができる。以上のような構造的な特徴は、合成後X線構造解析を行うことで実験的に確認することができる。以下に示した化合物101以外の化合物の構造式は、上で説明した構造式101(b)の表記法に従った。
Figure 0005084204
Figure 0005084204
Figure 0005084204
一方、一般式(2)で示される錯体として好ましいのは、下記一般式(7)で表される錯体であり、より好ましくは下記一般式(8)で表される錯体である。
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(7)において、L3は二座配位子であり、L4は一座配位子である。]
Figure 0005084204
[但し、上記一般式(8)において、PR3はPが配位原子である3級フォスフィンであり、下記構造式(9)に示すものから選ばれる。
Figure 0005084204
但し、上記構造式(9)中、フェニル基の水素原子はハロゲン原子または炭素原子数10以下の分岐または直鎖状のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。R2とR3は、炭素原子数6以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。
S−A−Sは、Sを配位原子とする2座配位子であり、2つのS原子間は、複数の共有結合からなるAにより結合される。]
一般式(2)で示される錯体、即ち繰り返し単位が単核錯体構造をもつ高分子混合金属錯体の具体例を以下に示す。上記一般式(1)で示される錯体の具体例に関する説明同様、化合物401に対して(a)と(b)の表記法を示した。化合物401以外の化合物に関しては、401(b)の表記法に従った。
Figure 0005084204
本発明の代表的な例は、化合物番号101に記載した骨格構造を有する高分子混合金属錯体である。ここで、MはCu(x)Ag(1−x)[x=0.8乃至0.0001]の混合金属であり、Xはヨウ素である。合成法及びX線構造解析による分子構造図は実施例に示す。
次にこの高分子混合金属錯体の発光特性に関して述べる。図2にこの高分子混合金属錯体の発光スペクトルを単一金属で構成した高分子錯体との比較を示した。図2に示したように、AgとCu錯体由来の2つの発光帯(Ag錯体の発光帯:400乃至480nm、Cu錯体の発光帯:530乃至650nm)が観測され、AgとCuを混合するとそれぞれのスペクトルの重ね合わせになることがわかった。さらに、混合する銅の比率が小さくても、銅錯体に特徴的な発光帯が観測され、x=0.004では、ほぼ銅錯体に相当する発光帯しか観測されなかった。
混合金属錯体の発光減衰は銀錯体に特徴的な発光帯と銅錯体に特徴的な発光帯が同時に観測される際に比較的複雑になる。後述する表2に、化合物番号101の銀錯体及び銅錯体に特徴的な発光帯における発光寿命に関するデータをまとめた。銀錯体に相当する発光帯(400乃至480nm)は単調な減衰を示したが、銅錯体に相当する発光帯(530乃至650nm)は約5μsに極大を示す発光減衰を示した。励起状態の生成が光励起のみと考えるとこの現象は理解できず、長寿命の銀発光サイトから短寿命の銅発光サイトへのエネルギー移動が進行していることを示している。また、x=0.004の例では銅発光帯における発光が主であり、この高分子錯体では高効率でエネルギー移動が進行し、銀サイトの励起エネルギーが、銅サイトに集約されて発光している。
以上のように金属を混合することにより以下の特徴をもつ発光材料にすることが可能になる。
(1)発光ピーク波長すなわち発光色を変化
(2)ブロードな発光スペクトルにすることが可能で混色あるいは白色発光を得る
(3)高分子単一金属錯体より、高分子混合金属錯体が高発光効率を示す。
高効率の発光量子収率が得られる理由は明らかではないが、高分子混合金属錯体することにより、銅サイトにエネルギーが集約されると言う新しい現象が起こったために高い量子収率が得られた可能性がある。また、{AgCuX2}のような混合金属サイトが発光性に寄与している可能性も考えられる。
これまで述べてきた高分子混合金属錯体の例は、高分子金属錯体中に2種の金属(銅と銀)を含むものであるが、3種の金属を含む高分子混合金属錯体(例えば、銅、銀、金)であっても良い。3種の金属を含む高分子混合金属錯体においても2種の金属を含むものと同様、発光スペクトルや発光収率などの改善が可能である。
本発明の高分子混合金属錯体は、室温で安定な高効率発光が得られるため、発光素子への応用が可能である。発光は励起状態からの励起エネルギーの輻射遷移であるため、発光素子は励起状態の形成方法によって分類できる。
1.電流励起によりホールと電子を結合させ励起状態を形成するエレクトロルミネッセンス素子
2.励起光源により励起状態を形成するフォトルミネッセンス素子
3.電子線により励起状態を形成するカソードルミネッセンス素子
がある。
エレクトロルミネッセンス素子に関しては、有機LED素子の発光ドーパントとして本発明の高分子混合金属錯体を用いる応用が可能である。有機LED素子の構成としては、例えば「陽電極/ホール注入層/発光層/電子注入層/陰電極」が考えられ、発光層は本発明の高分子混合金属錯体を分散した有機化合物ホストを用いることができる。この素子に電圧を2乃至20V程度印加することによりガラス基板側にEL発光が確認される。有機化合物ホストの例を以下に示す。
Figure 0005084204
フォトルミネセンス素子は、有機または無機LEDを励起光源とした発光色変換材料としての応用が可能である。フォトルミネッセンス素子の構成の一例を図11に示した。例えば紫外光発光をする無機LED素子に電界を印加することにより、無機LED素子から紫外光(発光ピーク波長=250乃至400nm)を発光させる。その前面に設置した本発明の錯体を含む発光層を持つフォトルミネセンス素子に、無機LEDからの光が照射される。フォトルミネッセンス素子がこの光を吸収して励起状態を形成し、その励起状態からの発光が外部から観察されることになる。
カソードルミネッセンス素子としては、カソードレイチューブ(CRT)の蛍光体などへの応用が可能である。
[実施例1]
構造式101に示した高分子混合金属錯体で、金属MがCu(x)Ag(1−x)の混合金属で、ハロゲン原子Xがヨウ素である実施例である。
<合成方法>
(1)x=0.5[{(Cu0.5Ag0.522(PPh32}(bpy)]n
AgI(12.4mg,0.053mmol)、PPh3(28.5mg,0.109mmol)をDMF32mlに溶解する。
CuI(9.8mg,0.051mmol)、PPh3(27.3mg,0.104mmol)をCH3CN8mlに溶解する。
二つの溶液を混合し無色の溶液を得る。その溶液を、bpy(47.7mg,0.305mmol)をCH3CN約1mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置する。二日後に黄色結晶が生成する。収量:46.2mg。
(2)x=0.20[{(Cu0.2Ag0.822(PPh32}(bpy)]n
AgI(9.3mg,0.040mmol)、CuI(2.0mg,0.011mmol)、PPh3(26.7mg,0.102mmol)をDMF/CH3CN混合溶液(32ml:8ml)に溶解する。その溶液を、bpy(23.9mg,0.153mmol)をCH3CN約1mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置する。二日後に黄色結晶が生成する。収量:16.3mg。
(3)x=0.004[{(Cu0.004Ag0.99622(PPh32}(bpy)]n
AgI(10.0mg,0.043mmol)、PPh3(23.2mg,0.089 mmol)をDMF30mlに溶解する。
CuI(10.2mg,0.054mmol)、PPh3(28.6mg,0.109mmol)を、CH3CN25mlに溶解し、これの1mlを100mlメスフラスコで1/100に希釈したCH3CN溶液を調製する。
AgI、PPh3溶液に1/100に希釈したCuI、PPh3溶液を8ml加える。得られた溶液を、bpy(20mg,約0.13mmol)をCH3CN約1mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置し結晶を得た。収量:18.4mg
(4)x=0.002[{(Cu0.002Ag0.99822(PPh32}(bpy)]n
AgI(10.0mg,0.043mmol)、PPh3(23.2mg,0.089mmol)をDMF30mlに溶解する。
CuI(10.2mg,0.054mmol)、PPh3(28.6mg,0.109mmol)を、CH3CN25mlに溶解し、これの1mlを100mlメスフラスコで1/100に希釈したCH3CN溶液を調製する。
AgI、PPh3溶液に1/100に希釈したCuI、PPh3溶液を4ml加える。得られた溶液を、bpy(20mg,約0.13mmol)をCH3CN約5mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置し結晶を得た。収量:18.2mg
(5)x=0.001[{(Cu0.001Ag0.99922(PPh32}(bpy)]n
AgI(10.0mg,0.043mmol)、PPh3(23.2mg,0.089mmol)をDMF30mlに溶解する。
CuI(10.2mg,0.054mmol)、PPh3(28.6mg,0.109mmol)を、CH3CN25mlに溶解し、これの1mlを100mlメスフラスコで1/100に希釈したCH3CN溶液を調製する。
AgI、PPh3溶液に1/100に希釈したCuI、PPh3溶液を2ml加える。得られた溶液を、bpy(20mg,約0.13mmol)をCH3CN約7mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置し結晶を得た。収量:15.6mg
(6)x=0.0005[{(Cu0.0005Ag0.999522(PPh32}(bpy)]n
AgI(10.0mg,0.043mmol)、PPh3(23.2mg,0.089mmol)をDMF30mlに溶解する。
CuI(10.2mg,0.054mmol)、PPh3(28.6mg,0.109mmol)を、CH3CN25mlに溶解し、これの1mlを100mlメスフラスコで1/100に希釈したCH3CN溶液を調製する。
AgI、PPh3溶液に1/100に希釈したCuI、PPh3溶液を1ml加える。得られた溶液を、bpy(20mg,約0.13mmol)をCH3CN約8mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置し結晶を得た。収量:18.8mg
<化合物同定>
得られた混合金属錯体の元素分析の結果を以下に示した。測定は元素分析装置(Elementar社製元素分析装置VarioEL CHNOS)で行った。計算値(Calcd.)と実測値(Obs.)は良く一致し、反応当量比に応じて錯体中のCuとAgの比が決まることが示された。
Figure 0005084204
<X線構造解析>
混合金属錯体は、単結晶として得られたため、X線単結晶構造解析により分子構造の決定を行った。銅単一錯体と銀単一錯体は同形の結晶であったが、混合金属錯体も同形結晶であり、単一金属錯体と同じくbpyで{M22(PPh32}単位が架橋された鎖状構造をとる。単結晶構造解析では、銀イオンと銅イオンの見分けはつかず、金属イオンが結晶中で統計的に分布していることが明らかとなった。図1にx=0.5の時のオルテップ図を示した。
<発光スペクトル>
図2に銅と銀の混合比に対する発光スペクトルを示した。発光スペクトルを混合比に応じて変化させることができた。混合金属錯体の発光スペクトルは銀単一錯体と銅単一錯体の重ね合わせで説明できる形状を示した。銅の比率が増加するにつれ混合金属錯体の発光スペクトルは銀錯体の成分が減少し、銅錯体の成分が増加する。混合金属錯体の発光スペクトルは銅の量に敏感であり、銅の比率が0.004で発光スペクトルは銅錯体のものと一致する。
混合金属錯体の発光スペクトルが銀単一錯体と銅単一錯体の重ね合わせになったことから、混合金属錯体中の銀及び銅の発光サイトはそれぞれ単一錯体と同じ発光エネルギーを持つことがわかる。そして、架橋配位子を選択することによっても発光エネルギーを変化させられる可能性がある。また、銅の比率が少ないときにも銅サイトから効率よく発光しているため、銀サイトから銅サイトへのエネルギー移動が極めて効率よく進行していることがわかる。
<発光寿命及び発光量子収率>
発光寿命と、発光極大波長及び発光量子収率を、以下に示した。励起光としてはNd−YAG Laser(Continuum,SureliteII)の第3高調波355nm(半値幅7ns)を用いた。検出器としては、スペクトル測定にはマルチチャンネル光検出器(浜松フォトニクス、PMA11)を、寿命測定にはストリークスカメラ(浜松フォトニクス、C4334)を用いた。固体粉末状態の測定を行った。
Figure 0005084204
Figure 0005084204
銀及び銅単一錯体の発光は、単一指数関数的に減衰し、寿命はそれぞれ、18.7μsと4.0μsであった。これに対して混合金属錯体は、銀錯体に特徴的な発光帯と銅錯体に特徴的な発光帯が同時に観測される化合物で、単一指数関数的な減衰を示さなかった。これらの化合物では、400nm乃至480nmの主に銀錯体の発光スペクトルに対応する部分は単調減少を示した。一方、530nm乃至650nmの主に銅錯体の発光スペクトルに対応する部分は、発光強度が励起直後に増加し、それから減少するという挙動を示した。どちらの発光帯の発光寿命も二つの指数関数でフィットする事が出来た。得られた寿命は、二つの発光帯でほぼ対応し、二つの発光サイト間でエネルギー移動があることを示唆している。
この挙動は時間分解スペクトルからも明らかである。単一錯体では銀錯体が銅錯体より長寿命を示すにも関わらず、励起直後は銀錯体からの発光性分が主であるが、時間がたつにつれ銅サイトからの発光が主になる。これらの挙動は、銀サイトから銅サイトへのエネルギー移動が進行することを示している。
銅比率が0.001の錯体では、銅サイトの発光に対応する部分の発光減衰が極大となる時間が5μsであるが、銅比率が増加するにつれ、極大となる時間が短くなる。これは、銅比率が増加するにつれ、銅サイトが増加し、銀サイトから銅サイトへのエネルギー移動が容易になるためと考えられる。
より高い銅比率の錯体、x=0.2および0.5では銀サイトからの発光は観測されず、銅サイトへの高効率のエネルギー移動が起こっていることがわかった。
発光発光量子収率は銀単一錯体では、0.7±0.1、銅単一錯体では0.4±0.1であるが、混合比率が0.0005、0.001、0.002、0.004、0.2、0.5の化合物では0.9±0.1の極めて高い収率を示した。
本実施例の高分子混合金属錯体は、金属を混合することによって非常に高い発光量子収率を示した。
[実施例2]
構造式101に示した高分子混合金属錯体で、金属MがCu(x)Ag(1−x)の混合金属で、ハロゲン原子Xが臭素である実施例である。
<合成方法>
x=0.5、0.004、0.0025、0.002、0.001、0.0005を合成した。代表例として、x=0.004の場合の合成法を挙げる。
(1)[{(Cu0.004Ag0.9962Br2(PPh32}(bpy)]nの合成
AgBr(10.0mg,0.053mmol)、PPh3(28.0mg,0.107mmol)をDMF30mlに溶解する。
CuBr(4.8mg,0.033mmol)、PPh3(17.7mg,0.067mmol)を、CH3CN25mlに溶解し、これの1mlを50mlメスフラスコで1/50に希釈したCH3CN溶液を調製する。
AgBr、PPh3溶液に1/50に希釈したCuBr、PPh3溶液を5ml加える。得られた溶液を、bpy(25mg,約0.16mmol)をCH3CN約1mlに溶かしておいた溶液に加え、遮光下で静置し結晶を得た。収量:17.2mg
<化合物同定>
実施例1と同様にして測定した混合金属錯体の元素分析の結果を以下に示した。計算値(Calcd.)と実測値(Obs.)は良く一致し、反応当量比に応じて錯体中のCuとAgの比が決まることが示された。
Figure 0005084204
<X線構造解析>
混合金属錯体は、単結晶として得られたため、X線単結晶構造解析により分子構造の決定を行った。実施例1と同じく銅単一錯体と銀単一錯体は同形の結晶であったが、混合金属錯体も同形結晶であり、単一金属錯体と同じくbpyで{M22(PPh32}単位が架橋された鎖状構造をとる。x=0.5の時のORTEP図を図3に示した。単結晶構造解析では、銀イオンと銅イオンの見分けはつかず、金属イオンが結晶中で統計的に分布していることが明らかとなった。
<発光スペクトル>
図4に銅と銀の混合比に対する発光スペクトルを示した。実施例1と比較すると、同じ混合比であっても、銅錯体の発光に由来する発光バンドが長波長化していることがわかった。図2に示した発光スペクトルと同様、本実施例の発光スペクトルに関しても混合比に応じて変化させることができた。混合金属錯体の発光スペクトルは銀単一錯体と銅単一錯体の重ね合わせで説明できる。銅の比率が増加するにつれ混合金属錯体の発光スペクトルは銀錯体の成分が減少し、銅錯体の成分が増加する。混合金属錯体の発光スペクトルは銅の量に敏感であり、銅の比率が0.004で発光スペクトルは銅錯体のものと一致する。
混合金属錯体の発光スペクトルが銀単一錯体と銅単一錯体の重ね合わせになったことから、混合金属錯体中の銀及び銅の発光サイトはそれぞれ単一錯体と同じ発光エネルギーを持つことがわかる。そして、架橋配位子を選択することによっても発光エネルギーを変化させられる可能性がある。また、銅の比率が少ないときにも銅サイトから効率よく発光しているため、銀サイトから銅サイトへのエネルギー移動が極めて効率よく進行していることがわかる。
<発光量子収率>
発光極大波長及び発光量子収率を以下に示した。単一金属錯体は0.4程度の量子収率を示したが、混合金属錯体は0.5程度の量子収率を示し、混合金属化することにより実施例1と同じく、量子収率が増大する系であることが示された。
Figure 0005084204
[実施例3(参考例)
構造式401に示した高分子混合金属錯体で、金属MがCu(x)Ag(1−x)の混合金属である実施例である。
<合成方法>
[CuxAg1-x(PPh32(DMcTH)]n
銅(I)DMcT錯体と銀(I)DMcT錯体で同組成の化合物が得られていることを応用し、二つの金属(I)イオンが混合して存在する同形の錯体の合成を行なった。
CuCl(0.1×xmmol)とPPh3(72.0mg,0.30mmol)をDMF(5ml)に溶解し、少量のDMFに溶かしたDMcTH2(15.0mg,0.10mmol)を滴下した。得られた溶液にAgNO3(0.1×(1−x)mmol)のDMF溶液を滴下し、暗所に静置した。x=0.1,0.3,0.5,0.7,0.9と変化させて合成を行なった。xの値が大きいほど、反応溶液は無色から黄色に近づいた。また、この溶液から得られた結晶も、xの値が大きいほど無色から黄色に近づいた。収量を以下に示す。
Figure 0005084204
<化合物同定>
実施例1と同様にして測定した混合金属錯体の元素分析の結果を以下に示した。計算値(Calcd.)と実測値(Obs.)は良く一致し、反応当量比に応じて錯体中のCuとAgの比が決まることが示された。
Figure 0005084204
<X線構造解析>
全ての化合物は単結晶として得られた。これらの結晶構造を単結晶X線回折装置(AFC−7SまたはAFC−8RとMercury CCD検出器を組み合わせたシステム)を用いて決定した。全ての結晶は同型であり、銅と銀は結晶学的に等価なサイトに統計的に分布することがわかった。{M(I)(PPh32}(M=Ag,Cu)単位が一価のアニオンDMcTHにより架橋された、一次元無限鎖状構造を取ることが明らかとなった。x=0.1における高分子混合金属錯体のオルテップ図を図5に示した。
<発光スペクトル>
x=0,0.1,0.3,1の化合物の発光スペクトルを図6に示した。実施例1,2同様、それぞれ単一錯体の重ね合わせと考えられる発光スペクトルが観測された。銅、銀比率を変化させることにより、化合物の発光スペクトルを変化させ、発光色を制御できることが分かった。
[実施例4(参考例)
構造式401に示した高分子混合金属錯体で、金属MがAu(x)Ag(1−x)の混合金属である実施例である。
<合成方法>
(1)[Au0.1Ag0.9(PPh32(DMcTH)]n
金の分子性錯体[Au(PPh32(DMcTH)](29.1mg,0.03mmol)とAgNO3(5.7mg,0.03mmol)をDMF(30ml)に溶解した。PPh3(26.9mg,0.10mmol)をDMF(5ml)に溶解し滴下した。続いて、DMcTH2(6.1mg,0.03mmol)をDMF(5ml)に溶解し滴下した。無色の反応溶液から、淡い黄色の結晶が得られた。収量:12.3mg。
(2)[Au0.3Ag0.7(PPh32(DMcTH)]n
AgNO3(3.5mg,0.02mmol)をDMF(5ml)に溶解した。PPh3(12.2mg,0.05mmol)をDMF(5ml)に溶解し滴下した。続いて、DMcTH2(3.1mg,0.02mmol)をDMF(5ml)に溶解し滴下した。これを金の分子性錯体[Au(PPh32(DMcTH)](35.9mg,0.04mmol)のアセトン溶液に滴下した。これをエバポレーターで5ml程度に濃縮した。この溶液から黄色結晶が得られた。収量:20.2mg。
<化合物同定>
それぞれの化合物について元素分析を行った。
[Au0.1Ag0.9(PPh32(DMcTH)]n
Calcd;C57.73,H:3.95,N:3.54
Obs.;C57.74,H:3.92,N:3.61
[Au0.3Ag0.7(PPh32(DMcTH)]n
Calcd;C56.46,H:3.87,N:3.47
Obs.;C56.50,H:4.10,N:3.68
実施例3のCu−Ag混合金属錯体とは異なり、反応当量比よりも金の含まれる割合が小さくなった。これは、金錯体が溶解度の良い単核錯体としても存在しうるため、溶液中に分子性錯体として金錯体が残るためと考えられる。
<X線構造解析>
全ての化合物は単結晶として得られた。これらの結晶構造を実施例3と同様に決定した。全ての結晶は同型であり、金と銀は結晶学的に等価なサイトに統計的に分布することがわかった。{M(I)(PPh32}(M=Au,Ag)単位が一価のアニオンDMcTHにより架橋された、一次元無限鎖状構造を取ることが明らかとなった。x=0.3における高分子混合金属錯体のオルテップ図を図7に示した。
<発光スペクトル>
x=0,0.1,0.3,1の化合物の発光スペクトルを図8に示した。実施例1,2同様、それぞれ単一錯体の重ね合わせと考えられる発光スペクトルが観測された。金、銀比率を変化させることにより、化合物の発光スペクトルを変化させ、発光色を制御できることが分かった。
[実施例5]
実施例1で合成した高分子混合金属錯体(X=0,0.0005,0.002,0.004)それぞれを乳鉢ですり潰して粒径を小さくした後、1mgを100ccに攪拌して分散した。別に1mgのポリメチルメタクリレートをクロロホルム100ccに溶かし、その溶液を1:1で混合して洗浄したガラス基板上に滴下して通常環境下で1h乾燥した。
この薄膜に355nmのUVランプを照射すると均一な発光が見られた。その発光スペクトルを図9に示す。発光は、実施例1で合成した金属錯体由来の発光である。1時間励起光を照射して発光させた後でも顕著な発光の減衰はおこらず安定した発光が得られた。この結果から、本発明の高分子混合金属錯体を用いることによって、通常環境下で安定な発光を示す発光素子を作成することができることがわかった。
さらに、本発明の高分子混合金属錯体を用いることによって、任意にアドレスして画像を形成することの可能性を確認した。光束を直径0.5mmにしたレーザー光を走査してその発光を観察するとレーザー光束に応じた発光が確認された。従って、薄膜にした本発明の高分子混合金属錯体を用いることにより、その走査を高速にすることにより画像形成が可能なことが明らかになった。
[実施例6(参考例)
高分子混合金属錯体として、実施例3で合成した高分子混合金属錯体(x=0.1)を用いる以外は実施例5と同様にして薄膜を形成した。
本実施例で作成した薄膜に355nmのUVランプを照射すると均一な発光が見られた。その発光スペクトルを図10に示す。発光は、1時間励起光を照射して発光させた後でも顕著な発光の減衰はおこらず安定した発光が得られた。この結果から、本発明の高分子混合金属錯体を用いることによって、通常環境下で安定な素子を作成することができることがわかった。
さらに、実施例5と同様、光束を直径0.5mmにしたレーザー光を走査してその発光を観察するとレーザー光束に応じた発光が確認された。従って、薄膜にした本発明の高分子混合金属錯体を用いることにより、その走査を高速にすることにより画像形成が可能なことを明らかにした。これにより発光素子への応用が可能なことを明らかにした。
[{(CuXAg1-X22(PPh32}(bpy)]n(X=0.5)のオルテップ図である。 [{(CuXAg1-X22(PPh32}(bpy)]nの発光スペクトルを示す図である。 [{(CuXAg1-X2Br2(PPh32}(bpy)]n(X=0.5)のオルテップ図である。 [{(CuXAg1-X2Br2(PPh32}(bpy)]nの発光スペクトルを示す図である。 [CuXAg1-X(PPh32(DMcTH)]n(X=0.1)のオルテップ図である。 [CuXAg1-X(PPh32(DMcTH)]nの発光スペクトルを示す図である。 [AuXAg1-X(PPh32(DMcTH)]n(X=0.3)のオルテップ図である。 [AuXAg1-X(PPh32(DMcTH)]nの発光スペクトルを示す図である。 実施例5で製造した発光素子の発光スペクトルを示す図である。 実施例6で製造した発光素子の発光スペクトルを示す図である。 本発明のフォトルミネッセンス素子の構成の一例を示す図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(4)で表される高分子混合金属錯体を発光材料として用いることを特徴とする発光素子。
    Figure 0005084204
    [但し、上記一般式(4)において、M 1 及びM 2 は異なる金属でありCu、Ag、Auから選ばれる。
    PR 3 はPが配位原子である3級フォスフィンであり、下記構造式(5)に示すものから選ばれる。
    Figure 0005084204
    但し、上記構造式(5)中、フェニル基の水素原子はハロゲン原子または炭素原子数6以下の分岐または直鎖状のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。R 2 とR 3 は、炭素原子数6以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。
    Xはハロゲン原子Cl、BrまたはIから選ばれる。
    N−A−Nは、下記構造式(6)から選ばれる。
    Figure 0005084204
    但し、上記芳香環中の水素原子は、ハロゲン原子または炭素原子数2以下のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。該アルキル基やアルコキシル基中の水素原子は、フッ素原子に置換されても良い。
    x1、y1及びz1は繰り返し構造の数を示し、繰り返し構造の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x1+y1+z1)<1000000である。]
  2. 下記一般式(4)で表されることを特徴とする高分子混合金属錯体。
    Figure 0005084204
    [但し、上記一般式()において、M1及びM2は異なる金属でありCu、Ag、Auから選ばれる。
    PR 3 はPが配位原子である3級フォスフィンであり、下記構造式(5)に示すものから選ばれる。
    Figure 0005084204
    但し、上記構造式(5)中、フェニル基の水素原子はハロゲン原子または炭素原子数6以下の分岐または直鎖状のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。R 2 とR 3 は、炭素原子数6以下の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。
    Xはハロゲン原子Cl、BrまたはIから選ばれる。
    N−A−Nは、下記構造式(6)から選ばれる。
    Figure 0005084204
    但し、上記芳香環中の水素原子は、ハロゲン原子または炭素原子数2以下のアルキル基、アルコキシル基に置換されても良い。該アルキル基やアルコキシル基中の水素原子は、フッ素原子に置換されても良い。
    x1、y1及びz1は繰り返し構造の数を示し、繰り返し構造の配列は規則的であっても不規則であっても良い。50<(x1+y1+z1)<1000000である。]
  3. 請求項に記載の高分子混合金属錯体を用いることを特徴とする発光材料。
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