この発明は、放射線や光などのフォトン(光子)を計数するフォトン計数方法、その装置並びにそれを用いた核医学診断装置に係り、特に、偶発同時計数を推定する技術に関する。
PET(Positron Emission Tomography)装置などの核医学診断装置に用いられる場合を例に採って説明する。一般的な核医学診断装置ではγ線検出器と画像処理部とを備えている。各々のγ線検出器は、被検体の周囲を取り囲んでそれぞれ配設されており、円または多角形を呈するリング状にそれぞれ配設されている。画像処理部は、γ線検出器から得られたエミッションデータに基づいてRI分布を生成する画像処理を行う。
γ線検出器は、検出素子が多数に配列したブロックで構成される。装置の空間分解能は、原理的に検出素子の大きさで制限される。小型化が進む一方で、有効面積を大きく取り、感度を高くするために、装置に使用される素子数が増大している。
γ線検出器では、シンチレータを使用し、これによる検出光を光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube) などにより増幅させて電気信号に変換する。収集では180°反対方向に放射する2つのγ線を被検体の周囲に配設された多数のγ線検出器にて同時計数としてデータ(『エミッションデータ』とも呼ばれる)を収集する。
γ線を同時計数するには同時計数回路に各γ線を入力して、入力されたγ線の時間差が所定のタイムウィンドウ内に収まっているか否かで判断される。実際の同時計数回路では、一般的に4ns〜20ns(ns=10−9s)程度の非常に短いタイムウィンドウ内に検出されたγ線を「同時」とみなしている。したがって、互いに異なる2点で発生したγ線のそれぞれ一方を同時計数する可能性が生じてしまう。これを『偶発同時計数(random coincidence)』という。一方、一対のγ線の一方あるいは双方が被検体内でコンプトン散乱を起こした後に同時計数された場合、これを『散乱同時計数(scatter coincidence)』という。また、本来であれば一対のγ線の双方が同時計数された場合、これを『真の同時計数(true coincidence)』という。
このような真の同時計数(T)以外の偶発同時計数(R)や散乱同時計数(S)は、画像のコントラストを劣化させる原因の一つとなっている。この偶発同時計数を除去するために、時間差をつけて同時計数する遅延同時計数や、検出器ブロックもしくは検出素子ごとに用意されたカウンタで計数されたシングル計数から推定された同時計数を用いて偶発同時計数を除去する補正が行われている。
ところで、γ線を電荷に変換することでγ線を検出する半導体素子の一方の面にXストリップ電極を配設し、他方の面にXストリップ電極にクロスしたYストリップ電極を配設して、各々のストリップ電極による電荷の読み出しでγ線の入射位置を弁別するように構成されたクロスストリップ型放射線検出器がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、クロスストリップ型放射線検出器を深さ方向(層方向)にも積層することで、深さ方向のγ線の入射位置を弁別しており、読み出しのための電極の数を少なくしている。
クロスストリップ型放射線検出器以外では、上述したγ線を光に変換するシンチレータを、検出素子として用いたγ線検出器が一般的である。深さ方向(層方向)にも検出素子を積層することで、深さ方向の光源位置(すなわちγ線の入射位置)を弁別することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−125757号公報(第1−13頁、図1,4−8)
特開2003−167058号公報(第1−18頁、図1,2,7,8,10−12)
しかしながら、このような従来例の手法の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の手法で、遅延同時計数を用いて補正を行った場合、通常の同時計数(『即発同時計数(prompt coincidence)』とも呼ばれる)から遅延同時計数をリアルタイムで差し引くことができるが、両者は同程度の統計雑音を含んでいるので、差分によって求められた真の同時計数の統計雑音が増大してしまう。
そこで、統計精度の点において、シングル計数から推定された同時計数を用いて補正するのが好ましい。しかし、このような精度の良い補正を行うためには、検出素子の数だけγ線を計数するカウンタが必要になる。特に、現在の核医学診断装置では、上述した特許文献2のように、深さ方向(層方向)にも検出素子を積層することで、相互作用を起こした深さ方向の光源位置(DOI: Depth of Interaction)を弁別する技術を用いた検出器(『DOI検出器』とも呼ばれる)が主流になりつつある。このような検出器では、検出素子が膨大な数となり、それに伴い、必要なカウンタも膨大な数となってしまう。
そこで、上述した特許文献1のように、クロスストリップ型放射線検出器では読み出しのための電極の数を少なくすることができる。しかし、特許文献1の場合にはシンチレータを使用しておらず、シンチレータを用いた検出素子においても、読み出しのためのカウンタの数を減らす必要がある。また、上述した特許文献2でも、特許文献2の図11に示すように、各層の検出素子ごとに弁別回路を接続することが開示されているが、その他の具体的な構成については示唆されていない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができるフォトン計数方法、その装置並びにそれを用いた核医学診断装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、フォトンを計数するフォトン計数方法であって、フォトンを検出する検出素子を複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成された検出器ブロックにおいて、その検出器ブロックを、前記x方向に沿った領域であるx領域に区分するとともに、前記y方向に沿った領域であるy領域に区分して、各々の前記x領域ごとに接続された計数手段であるxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、各々の前記y領域ごとに接続された計数手段であるyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のフォトンを計数し、前記対象となるx領域およびy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域およびy領域に属する前記検出素子のフォトンを計数し、
前記検出器ブロックを、x方向およびy方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べた領域であるx・yセグメント内の前記x領域に区分するとともに、前記x・yセグメント内の前記y領域に区分して、x・yセグメント内のx領域ごとに接続された前記xカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、x・yセグメント内のy領域ごとに接続された前記yカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のフォトンを計数し、前記対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属する前記検出素子のフォトンを計数することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、フォトンを検出する検出素子を複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成された検出器ブロックにおいて、その検出器ブロックを、上述したx方向に沿った領域であるx領域に区分するとともに、上述したy方向に沿った領域であるy領域に区分する。ここで、各々の上述したx領域ごとに接続された計数手段であるxカウンタと、各々の上述したy領域ごとに接続された計数手段であるyカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx領域およびy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域およびy領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x領域ごとに接続されたxカウンタおよびy領域ごとに接続されたyカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
一方、請求項2に記載の発明の場合には、上述した検出素子をz方向にも配列することで、検出素子を複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して検出器ブロックが構成されている場合において、その検出器ブロックを、上述したx領域に区分するとともに、上述したy領域に区分して、上述したz方向であるz領域に区分する。ここで、上述したxカウンタおよびyカウンタの他に、各々の上述したz領域ごとに接続された計数手段であるzカウンタも用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のフォトンを計数し、上述したzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx領域,y領域およびz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域,y領域およびz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x領域ごとに接続されたxカウンタ,y領域ごとに接続されたyカウンタおよびz領域ごとに接続されたzカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
さらに、請求項3に記載の発明の場合には、請求項2に記載の発明と同様の場合において、すなわち上述した検出素子をz方向にも配列することで、検出素子を複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して検出器ブロックが構成されている場合において、その検出器ブロックを、上述したx領域、かつ上述したz方向であるz領域に区分するとともに、上述したy領域かつ上述したz領域に区分する。ここで、上述したxカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、上述したyカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意する。上述したx・zカウンタによって対象となるx・zカウンタに該当するx領域かつz領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したy・zカウンタによって対象となるy・zカウンタに該当するy領域かつz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、xカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタおよびyカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
上述した請求項1に記載の発明の説明に戻ると、検出器ブロックを、x方向およびy方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べた領域であるx・yセグメント内の上述したx領域に区分するとともに、上述したx・yセグメント内の上述したy領域に区分する。ここで、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタおよびx・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
上述した請求項2に記載の発明の説明に戻ると、検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内のx領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域に区分して、上述したx・y・zセグメント内のz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタと、x・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域内の総数のフォトンを計数し、上述したzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタ,x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタおよびx・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
上述した請求項3に記載の発明の説明に戻ると、検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内のx領域かつz領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域かつz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意する。上述したx・zカウンタによって対象となるx・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したy・zカウンタによって対象となるy・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
上述したこれらの発明のうち請求項1に記載の発明のように検出素子を2次元に配列して検出器ブロックが構成されている場合において、xを行として、yを列としたときには、検出素子を複数に2次元の行方向および列方向に配列して検出器ブロックが構成されることになる(請求項4に記載の発明)。また、上述したこれらの発明のうち請求項2、3に記載の発明のように検出素子を3次元に配列して検出器ブロックが構成されている場合において、xを行とするとともに、yを列として、zを層としたときには、検出素子を層方向にも積層することで、検出素子を複数に3次元の行方向,列方向および層方向に配列して検出器ブロックが構成されていることになる(請求項5に記載の発明)。
また、請求項6に記載の発明は、フォトンを検出する検出素子を複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成された検出器ブロックと、その検出器ブロックに接続された計数手段とを備えることで、フォトンを計数するフォトン計数装置であって、前記検出器ブロックを、前記x方向に沿った領域であるx領域に区分するとともに、前記y方向に沿った領域であるy領域に区分して、前記計数手段を、各々の前記x領域ごとに接続されたxカウンタと、各々の前記y領域ごとに接続されたyカウンタとで構成し、前記装置は、前記xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のフォトン、および前記yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx領域およびy領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行う演算処理手段を備え、
前記検出器ブロックを、x方向およびy方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べた領域であるx・yセグメント内の前記x領域に区分するとともに、前記x・yセグメント内の前記y領域に区分して、前記計数手段を、x・yセグメント内のx領域ごとに接続された前記xカウンタと、x・yセグメント内のy領域ごとに接続された前記yカウンタとで構成し、前記演算処理手段は、前記xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のフォトン、および前記yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明に係る方法を好適に実施することができる。
また、請求項7に記載の発明は、フォトンを検出する検出素子を複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して構成された検出器ブロックと、その検出器ブロックに接続された計数手段とを備えることで、フォトンを計数するフォトン計数装置であって、前記検出器ブロックを、前記x方向に沿った領域であるx領域に区分するとともに、前記y方向に沿った領域であるy領域に区分して、前記z方向に沿った領域であるz領域に区分して、前記計数手段を、各々の前記x領域ごとに接続されたxカウンタと、各々の前記y領域ごとに接続されたyカウンタと、各々の前記z領域ごとに接続されたzカウンタとで構成し、前記装置は、前記xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のフォトン、前記yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のフォトンおよび前記zカウンタによって計数された、対象となるzカウンタに該当するz領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx領域,y領域およびz領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行う演算処理手段を備え、
前記検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内の前記x領域に区分するとともに、前記x・y・zセグメント内の前記y領域に区分して、前記x・y・zセグメント内の前記z領域に区分して、前記計数手段を、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続された前記xカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続された前記yカウンタと、x・y・zセグメント内のz領域ごとに接続された前記zカウンタとで構成し、前記演算処理手段は、前記xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域内の総数のフォトン、前記yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域内の総数のフォトンおよび前記zカウンタによって計数された、対象となるzカウンタに該当するx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明に係る方法を好適に実施することができる。
また、請求項8に記載の発明は、フォトンを検出する検出素子を複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して構成された検出器ブロックと、その検出器ブロックに接続された計数手段とを備えることで、フォトンを計数するフォトン計数装置であって、前記検出器ブロックを、前記x方向に沿った領域であるx領域、かつ前記z方向に沿った領域であるz領域に区分するとともに、前記y方向に沿った領域であるy領域、かつ前記z領域に区分して、前記計数手段を、各々の前記x領域ごとに接続されたxカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、各々の前記y領域ごとに接続されたyカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとで構成し、前記装置は、前記x・zカウンタによって計数された、対象となるx・zカウンタに該当するx領域かつz領域内の総数のフォトン、および前記y・zカウンタによって計数された、対象となるy・zカウンタに該当するy領域かつz領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行う演算処理手段を備え、
前記検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内の前記x領域かつ前記z領域に区分するとともに、前記x・y・zセグメント内の前記y領域かつz領域に区分して、前記計数手段を、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分された前記x・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分された前記y・zカウンタとで構成し、前記演算処理手段は、前記x・zカウンタによって計数された、対象となるx・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトン、および前記y・zカウンタによって計数された、y・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンの計数結果に基づいて、前記対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属する前記検出素子のフォトンを計数する演算処理を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明に係る方法を好適に実施することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のフォトン計数装置において、前記xは行であり、前記yは列であり、前記検出素子を複数に2次元の行方向および列方向に配列して前記検出器ブロックを構成することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明に係る方法を好適に実施することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のフォトン計数装置において、前記xは行であるとともに、前記yは列であり、前記zは層であり、前記検出素子を層方向にも積層することで、検出素子を複数に3次元の行方向,列方向および層方向に配列して前記検出器ブロックを構成することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項10に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明に係る方法を好適に実施することができる。
上述したこれらの発明に係る(フォトン計数)装置を用いた装置として、核医学診断装置に適用してもよい。すなわち、フォトンは放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線とすると、核医学診断装置は、上述した演算処理手段によって演算処理されて求められた放射線の計数に基づいて、互いに異なる2点で発生した放射線のそれぞれ一方を同時計数する偶発同時計数を求める偶発同時計数算出手段と、その偶発同時計数算出手段によって求められた偶発同時計数を除去した核医学用データを求める画像処理を行う画像処理手段とを備える(請求項11に記載の発明)。上述したこれらの発明に係る(フォトン計数)装置ではシングル計数を演算処理手段によって計数して、核医学診断装置では、シングル計数から偶発同時計数算出手段が偶発同時計数を推定するので、遅延同時計数を用いて補正を行った場合と比較すると統計精度が良くなる。このシングル計数から推定された同時偶発計数を用いて画像処理部では補正することで、核医学用データに基づく画像のコントラストの劣化を防止することができる。
この発明に係るフォトン計数方法、その装置並びにそれを用いた核医学診断装置によれば、各々の領域ごとに接続された各カウンタを用意して、対象となる各領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となる各領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になり、かかるカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる。
検出器ブロックを、x方向およびy方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べた領域であるx・yセグメント内の上述したx領域に区分するとともに、上述したx・yセグメント内の上述したy領域に区分する。ここで、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタおよびx・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる(請求項1、6に記載の発明)。
また、検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内のx領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域に区分して、上述したx・y・zセグメント内のz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタと、x・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域内の総数のフォトンを計数し、上述したzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタ,x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタおよびx・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる(請求項2、7に記載の発明)。
また、検出器ブロックを、x方向,y方向およびz方向に並べた全領域よりも狭く、x方向に沿って複数に並べ、y方向に沿って複数に並べ、z方向に沿って複数に並べた領域であるx・y・zセグメント内のx領域かつz領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域かつz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意する。上述したx・zカウンタによって対象となるx・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数するとともに、上述したy・zカウンタによって対象となるy・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のフォトンを計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属する検出素子のフォトンを計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意するだけで、検出素子よりも少ない数のカウンタでフォトンを計数することができる(請求項3、8に記載の発明)。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。なお、後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1では、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明するとともに、それに用いられるフォトン計数装置としてγ線計数装置を例に採って説明する。後述する実施例2〜6に係るフォトン計数装置も図1に示すPET装置に用いられるものとする。
後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1に係るPET装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1を備えている。この天板1は、上下に昇降移動、被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。このように構成することで、天板1に載置された被検体Mは、後述するガントリ2の開口部2aを通って、頭部から順に腹部、足部へと走査されて、被検体Mの投影データや断層画像といった診断データを得る。この診断データは、この発明における核医学用データに相当する。
天板1の他に、本実施例1に係るPET装置は、開口部2aを有したガントリ2と、γ線検出器3とを備えている。γ線検出器3は、被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置されており、ガントリ2内に埋設されている。
その他にも、本実施例1に係るPET装置は、カウンタ4と弁別回路5と天板駆動部6とコントローラ7と入力部8と出力部9と同時計数回路10と投影データ導出部11と再構成部12とメモリ部13とを備えている。天板駆動部6は、天板1の上述した移動を行うように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。
コントローラ7は、本実施例1に係るPET装置を構成する各部分を統括制御する。コントローラ7は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。
入力部8は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ7に送り込む。入力部8は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部9はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。
メモリ部13は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。本実施例1では、投影データ導出部11や再構成部12で処理された診断データなどについてはRAMに書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。ROMには、各種の核医学診断を含めて撮像を行うためのプログラム等を予め記憶しており、そのプログラムをコントローラ7が実行することでそのプログラムに応じた核医学診断をそれぞれ行う。
投影データ導出部11と再構成部12とは、例えば上述したメモリ部13などに代表される記憶媒体のROMに記憶されたプログラムあるいは入力部8などに代表されるポインティングデバイスで入力された命令をコントローラ7が実行することで実現される。
放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をγ線検出器3のシンチレータブロック31(図3を参照)が光に変換して、変換されたその光をγ線検出器3の光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)33(図3を参照)は増倍させて電気信号に変換する。その電気信号を画像情報(画素)として、カウンタ4および弁別回路5を介して同時計数回路10に送り込む。
具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。同時計数回路10は、シンチレータブロック31(図3を参照)の位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Mを挟んで互いに対向位置にある2つのシンチレータブロック31でγ線が同時に入射したときのみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック31のみにγ線が入射したときには、同時計数回路10は、ポジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして扱い、そのときに送り込まれた画像情報もノイズと判定してそれを棄却する。
実際には、同時計数回路10でかかる処理を行ったとしてもノイズを除去しきれずに、偶発あるいは散乱同時計数といったノイズ成分が残る。後述するようにシングル計数からこの同時計数回路10が偶発同時計数を推定することで、偶発同時計数に関するノイズ成分を特定して除去することができる。同時計数回路10は、この発明における偶発同時計数算出手段の機能を備えている。この偶発同時計数を除去した状態で、投影データ導出部11に送り込む。投影データ導出部11は、同時計数回路10から送り込まれた画像情報を投影データとして求め、その投影データを再構成部12に送り込む。投影データ導出部11で求められた投影データは、『エミッションデータ』とも呼ばれる。
再構成部12がその投影データを再構成して、断層画像を求める。このように、投影データ導出部11、再構成部12を備えることで、偶発同時計数を除去した診断データ(核医学用データ)を求める画像処理を行う。断層画像を、コントローラ7を介して出力部9やメモリ部13などに送り込む。投影データ導出部11、再構成部12は、この発明における画像処理処理手段に相当する。
次に、同時計数回路10の具体的な機能について、図2を参照して説明する。図2は、偶発同時計数の説明に供するγ線検出器での同時計数を示した模式図である。被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置された複数のγ線検出器3のうち、図2に示すように、γ線検出器3(図2中の「i」を参照)およびγ線検出器3(図2中の「j」を参照)が、互いに異なる2点で発生したγ線のそれぞれ一方をそれぞれ同時計数したとする。図2中の「i」で表記されたγ線検出器3でのシングル計数をSiとするとともに、図2中の「j」で表記されたγ線検出器3でのシングル計数をSjとして、これらのγ線検出器3での偶発同時計数をRijとすると、偶発同時計数Rijは下記(1)式で表される。
Rij=(2τ/T)×(Si×Sj) …(1)
ただし、上記(1)式中のτはタイムウィンドウで、上記(1)式中のTは観測時間である。このように、シングル計数Si,Sjを用いて上記(1)式に代入することで、同時計数回路10は偶発同時計数Rijを求める。シングル計数Si,Sjを計数する具体的な手法については後述する。
次に、γ線検出器3の具体的な構成について、図3を参照して説明する。図3(a)は、実施例1および後述する実施例4に係るシンチレータ素子を2次元に配列して構成されたシンチレータブロックを備えたγ線検出器の概略斜視図であり、図3(b)は、後述する実施例2,3,5,6に係るシンチレータ素子を3次元に配列して構成されたシンチレータブロックを備えたγ線検出器の概略斜視図である。後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1では、図3中のxを行とするとともに、図3中のyを列として、図3中のzを層とする。
γ線検出器3は、図3に示すようにシンチレータブロック31と、そのシンチレータブロック31に対して光学的に結合されたライトガイド32と、そのライトガイド32に対して光学的に結合された光電子増倍管(以下、単に「PMT」と略記する)33を備えている。本実施例1や後述する実施例4では、シンチレータブロック31は、図3(a)に示すように、シンチレータ素子31aを複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成されている。後述する実施例2,3,5,6では、図3(b)に示すように、シンチレータブロック31は、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して構成されている。上述したように、xを行とするとともに、yを列として、zを層としたときには、本実施例1や後述する実施例4では、シンチレータ素子31aを複数に2次元の行方向および列方向に配列してシンチレータブロック31が構成されることになり、後述する実施例2,3,5,6では、シンチレータ素子31aを層方向にも積層することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元の行方向,列方向および層方向に配列してシンチレータブロック31が構成されることになる。シンチレータブロック31は、この発明における検出器ブロックに相当し、シンチレータ素子31aは、この発明における検出素子に相当する。
後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1では、x、y方向に8行×8列、z方向(層方向、すなわち深さ方向)に4層に配列されたシンチレータ素子31aを図示しているが、シンチレータ素子31aの数については特に限定されない。シンチレータ素子1aは、γ線の入射に伴って発光することでγ線から光に変換する。この変換によってシンチレータ素子31aはγ線を検出する。シンチレータ素子31aにおいて発光した光がシンチレータブロック31で十分に拡散されて、ライトガイド32を介してPMT33に入力される。PMT33は、シンチレータブロック31で変換された光を増倍させて電気信号に変換する。
PMT33によって、図4に示す2次元位置演算マップが作成される。図4は、2次元位置演算マップの模式図である。図4(a)〜図4(d)は、図3(a)のようにシンチレータ素子31aを複数に2次元に配列して構成されたシンチレータブロック31を用いたときの2次元位置演算マップの模式図であり、図4(e)は、図3(b)のようにシンチレータ素子31aを複数に3次元に配列して構成されたシンチレータブロック31を用いたときの2次元位置演算マップの模式図である。2次元位置演算マップ中のドット(図4中の黒丸を参照)が各シンチレータ素子31a(で発光した光源位置)のいずれかにそれぞれ対応する。図4の2次元位置演算マップでは、特に、図3(b)のようにシンチレータ素子31aを複数に3次元に配列して構成されたシンチレータブロック31を用いた場合には、各層における各々のシンチレータ素子31aに対応した各々のドットが重ならないように、互いに隣接する結晶(すなわちシンチレータ素子31a)の間に反射材(図示省略)を適宜に介在させる。
図4(a)に示すように、2次元位置演算マップを予め作成する。図4(a)で作成された2次元位置演算マップ中の領域を、図4(b)に示すように予め決めて、ドット(の座標)とシンチレータ素子31aとをそれぞれ対応づける。図4(b)中の線で区切られた1つの領域に入射されたγ線は1つの結晶(シンチレータ素子31a)に入ったとみなしてカウンタ4(図1を参照)で計数する。
ここで、シンチレータブロック31をx方向に沿った領域であるx領域に区分したとする。各々のx領域ごとに接続されたxカウンタを用意して、そのxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線を計数する。そのためには、図4(c)に示すように、2次元位置演算マップを行方向に沿った領域である行領域(x領域)Rにそれぞれ区分して、その区分された行領域R中の総数のドットが、カウンタ4のxカウンタで計数されるように、PMT33とカウンタ4とを互いに接続する。
同様に、シンチレータブロック31をy方向に沿った領域であるy領域に区分したとする。各々のy領域ごとに接続されたyカウンタを用意して、そのyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線を計数する。そのためには、図4(d)に示すように、2次元位置演算マップを列方向に沿った領域である列領域(y領域)Cにそれぞれ区分して、その区分された列領域C中の総数のドットが、カウンタ4のyカウンタで計数されるように、PMT33とカウンタ4とを互いに接続する。
同様に、シンチレータブロック31をz方向に沿った領域であるz領域に区分したとする。各々のz領域ごとに接続されたzカウンタを用意して、そのzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するz領域内の総数のγ線を計数する。そのためには、図4(e)に示すように、2次元位置演算マップを層方向に沿った領域である層領域(z領域)Lにそれぞれ区分して、その区分された層領域L中の総数のドットがカウンタ4のzカウンタで計数されるように、PMT33とカウンタ4とを互いに接続する。以上の説明から明らかなように、カウンタ4(図1を参照)は、この発明における計数手段に相当する。
次に、各々の領域と各々のカウンタとの接続態様について、図5および図6を参照して説明する。図5(a)は、実施例1に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図5(b)は、実施例1に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図6は、実施例1に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図(平面図)である。後述する実施例2〜6も含めて、図5〜図16では、間に介在されるPMTについては図示を省略して、各領域におけるシンチレータ素子およびカウンタのみを図示する。
本実施例1では、図5(a)に示すように、シンチレータブロック31をx方向に沿った領域であるx領域に区分する。各々のx領域と各々のxカウンタとをそれぞれ接続する。後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1では、シンチレータブロック31はx方向に8行のシンチレータ素子31aで構成されているので、xカウンタとして、8つのカウンタを用意する。順に、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8とする。
一方、図5(b)に示すように、シンチレータブロック31をy方向に沿った領域であるy領域に区分する。各々のy領域と各々のyカウンタとをそれぞれ接続する。後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1では、シンチレータブロック31はy方向に8列のシンチレータ素子31aで構成されているので、yカウンタとして、8つのカウンタを用意する。順に、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8とする。
図5(a)、図5(b)をまとめた平面図は、図6に示す通りである。xカウンタであるR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8によって、対象となるxカウンタ(R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8のいずれかのカウンタ)に該当するx領域内の総数のγ線を計数する。また、yカウンタであるC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8によって、対象となるyカウンタ(C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8のいずれかのカウンタ)に該当するy領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx領域およびy領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx領域およびy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。弁別回路5(図1を参照)は、この発明における演算処理手段に相当する。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とする。その対象となるx領域(A領域)およびy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABとするとともに、対象となるA領域に接続されたxカウンタをRAとして、そのカウンタRAで計数されたA領域内での総数のγ線の計数をRAとし、対象となるB領域に接続されたyカウンタをCBとして、そのカウンタCBで計数されたB領域内での総数のγ線の計数をCBとする。すると、γ線の計数SABは下記(2)式で表される。
SAB=(RA×CB)/(ΣRA×ΣCB)×SBLOCK …(2)
ただし、上記(2)式中のSBLOCKはシンチレータブロック31での総数のγ線の計数であり、SBLOCK=ΣRA=ΣCBである。したがって、ΣRAはカウンタRA(R1,R2,R3,R4,E5,R6,R7,R8)での総数のγ線の計数であり、ΣCBはカウンタCB(C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8)での総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(2)式のような演算処理を行うことで、対象となるx領域(A領域)およびy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。
例えば、A=1,B=1とした場合、対象となるx領域(A領域)は、図5や図6に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるxカウンタはR1となり、対象となるy領域(B領域)は、図5や図6に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるyカウンタはC1となる。また、対象となるx領域(A領域)およびy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aは、図6に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS11となる。S11でのγ線の計数S11は、上記(2)式中のAに1を代入し、Bに1を代入した下記(2)´式で表される。
S11=(R1×C1)/(ΣRA×ΣCB)×SBLOCK …(2)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列=64個であり、従来では同数の64個のカウンタが必要である。図5、図6の場合、行方向に8個、列方向に8個の計16個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このように求められたSABをシングル計数SiまたはSjとして、上記(1)式に代入することで同時計数回路10(図1を参照)は偶発同時計数Rijを求める。以上の説明から明らかなように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とでγ線計数装置を構成し、この発明におけるフォトン計数装置に相当する。
このような計数方法および上述の構成を備えた本実施例1に係るPET装置によれば、γ線を検出するシンチレータ素子31aを複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成されたシンチレータブロック31において、そのシンチレータブロック31を、上述したx方向に沿った領域であるx領域に区分するとともに、上述したy方向に沿った領域であるy領域に区分する。ここで、各々の上述したx領域ごとに接続された計数手段であるxカウンタと、各々の上述したy領域ごとに接続された計数手段であるyカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx領域およびy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域およびy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、x領域ごとに接続されたxカウンタおよびy領域ごとに接続されたyカウンタを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1に係るγ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置は、γ線を検出するシンチレータ素子31aを複数に2次元のx方向およびy方向に配列して構成されたシンチレータブロック31と、そのシンチレータブロック31に接続されたカウンタ4とを備えることで、γ線を計数する。本実施例1では、シンチレータブロック31を、x領域に区分するとともに、y領域に区分して、カウンタ4を、各々のx領域ごとに接続されたxカウンタと、各々のy領域ごとに接続されたyカウンタとで構成している。また、γ線計数装置は、xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線、およびyカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx領域およびy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う弁別回路5を備えている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例1に係る計数方法を好適に実施することができる。
後述する実施例2〜6も含めて、本実施例1ではPET装置に適用している。すなわち、フォトンは放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線とすると、PET装置は、上述した弁別回路5によって演算処理されて求められたγ線の計数(シングル計数Si,Sj)に基づいて、互いに異なる2点で発生したγ線のそれぞれ一方を同時計数する偶発同時計数を求める同時計数回路10と、その同時計数回路10によって求められた偶発同時計数を除去した核医学用データを求める画像処理を行う投影データ導出部11、再構成部12とを備えている。γ線検出器3とカウンタ4と弁別回路5とで構成されたγ線計数装置ではシングル計数を弁別回路5によって計数して、PET装置では、シングル計数から同時計数回路10が偶発同時計数を推定するので、遅延同時計数を用いて補正を行った場合と比較すると統計精度が良くなる。このシングル計数から推定された同時偶発計数を用いて投影データ導出部11、再構成部12では補正することで、核医学用データに基づく画像のコントラストの劣化を防止することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図7(a)は、実施例2に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図7(b)は、実施例2に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図7(c)は、実施例2に係るz領域とzカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図8は、実施例2に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
上述した実施例1と同様に、本実施例2では、図7(a)に示すように、シンチレータブロック31をx領域に区分して、各々のx領域と各々のxカウンタとをそれぞれ接続し、xカウンタとして、8つのカウンタR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8を用意する。上述した実施例1と同様に、図7(b)に示すように、シンチレータブロック31をy領域に区分して、各々のy領域と各々のyカウンタとをそれぞれ接続し、yカウンタとして、8つのカウンタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8を用意する。
本実施例2では、図3(b)に示すようにシンチレータ素子31aをz方向である層方向にも配列することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列してシンチレータブロック31は構成されている。そして、図7(c)に示すように、シンチレータブロック31をz方向に沿った領域であるz領域に区分する。各々のz領域と各々のzカウンタとをそれぞれ接続する。後述する実施例3,5,6も含めて、本実施例2では、シンチレータブロック31はz方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されているので、zカウンタとして、4つのカウンタを用意する。順に、L1,L2,L3,L4とする。
図7(a)〜図7(c)をまとめた斜視図は、図8に示す通りである。上述した実施例1と同様に、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8によって、対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線を計数し、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8によって、対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線を計数する。本実施例2では、対象となるzカウンタであるL1,L2,L3,L4によって、対象となるzカウンタ(L1,L2,L3,L4のいずれかのカウンタ)に該当するz領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx領域,y領域およびz領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx領域,y領域およびz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とし、対象となるz領域をC番目の領域(C領域)とする。その対象となるx領域(A領域),y領域(B領域)およびz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABCとするとともに、対象となるC領域に接続されたzカウンタをLCとして、そのカウンタLCで計数されたC領域内での総数のγ線の計数をLCとする。上述した実施例1と同様に、カウンタRAで計数されたA領域内での総数のγ線の計数をRAとし、カウンタCBで計数されたB領域内での総数のγ線の計数をCBとする。すると、γ線の計数SABCは下記(3)式で表される。
SABC=(RA×CB×LC)/(ΣRA×ΣCB×ΣLC)
×SBLOCK …(3)
ただし、上記(3)式中のSBLOCKはシンチレータブロック31での総数のγ線の計数であり、SBLOCK=ΣRA=ΣCB=ΣLCである。したがって、ΣRAはカウンタRA(R1,R2,R3,R4,E5,R6,R7,R8)での総数のγ線の計数であり、ΣCBはカウンタCB(C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8)での総数のγ線の計数であり、ΣLCはカウンタLC(L1,L2,L3,L4)での総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(3)式のような演算処理を行うことで、対象となるx領域(A領域),y領域(B領域)およびz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。
例えば、A=1,B=1,C=1とした場合、対象となるx領域(A領域)は、図7や図8に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるxカウンタはR1となり、対象となるy領域(B領域)は、図7や図8に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるyカウンタはC1となる。さらに、対象となるz領域(C領域)は、図7や図8に示すように、点のハッチングに示す領域となり、対象となるzカウンタはL1となる。また、対象となるx領域(A領域),y領域(B領域)およびz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aは、図8に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS111となる。S111でのγ線の計数S111は、上記(3)式中のAに1を代入し、Bに1を代入し、Cに1を代入した下記(3)´式で表される。
S111=(R1×C1×L1)/(ΣRA×ΣCB×ΣLC)
×SBLOCK …(3)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列×4層=256個であり、従来では同数の256個のカウンタが必要である。図7、図8の場合、行方向に8個、列方向に8個、層方向に4個の計20個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このような計数方法によれば、シンチレータ素子31aをz方向にも配列することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列してシンチレータブロック31が構成されている場合において、そのシンチレータブロック31を、上述したx領域に区分するとともに、上述したy領域に区分して、上述したz方向であるz領域に区分する。ここで、上述したxカウンタおよびyカウンタの他に、各々の上述したz領域ごとに接続された計数手段であるzカウンタも用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線を計数し、上述したzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するz領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx領域,y領域およびz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域,y領域およびz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、x領域ごとに接続されたxカウンタ,y領域ごとに接続されたyカウンタおよびz領域ごとに接続されたzカウンタを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
本実施例2では、シンチレータ素子31aをz方向にも配列することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列して構成されたシンチレータブロック31を構成している。そのシンチレータブロック31を、x領域に区分するとともに、y領域に区分して、z領域に区分して、カウンタ4(図1を参照)を、xカウンタとyカウンタと、各々のz領域ごとに接続されたzカウンタとで構成している。また、弁別回路5(図1を参照)は、xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx領域内の総数のγ線、yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するy領域内の総数のγ線およびzカウンタによって計数された、対象となるzカウンタに該当するz領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx領域,y領域およびz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行っている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例2に係る計数方法を好適に実施することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。
図9(a)は、実施例3に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図9(b)は、実施例3に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図10は、実施例3に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
本実施例3では、図9(a)に示すように、シンチレータブロック31をx領域かつz領域に区分する。そして、xカウンタがz領域ごとに区分されたx・zカウンタとする。後述する実施例5,6も含めて、本実施例3では、シンチレータブロック31はx方向に8行,z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されているので、x・zカウンタとして、32個のカウンタを用意する。一番上の層L1において、順に、R1L1,R2L1,R3L1,R4L1,R5L1,R6L1,R7L1,R8L1とする。以下、同様に、2番目の層L2において、順に、R1L2,R2L2,R3L2,R4L2,R5L2,R6L2,R7L2,R8L2とする。3番目の層L3、一番下の層L4でのカウンタについては説明および図示を省略する。図9(a)では、図示の都合上、R1L1,R2L1,R3L1,R4L1,R5L1,R6L1,R7L1,R8L1、R6L2,R7L2,R8L2のみ図示する。
一方、図9(b)に示すように、シンチレータブロック31をy領域かつz領域に区分する。そして、yカウンタがz領域ごとに区分されたy・zカウンタとする。後述する実施例5,6も含めて、本実施例3では、シンチレータブロック31はx方向に8行,z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されているので、y・zカウンタとして、32個のカウンタを用意する。一番上の層L1において、順に、C1L1,C2L1,C3L1,C4L1,C5L1,C6L1,C7L1,C8L1とする。以下、同様に、2番目の層L2において、順に、C1L2,C2L2,C3L2,C4L2,C5L2,C6L2,C7L2,C8L2とする。3番目の層L3、一番下の層L4でのカウンタについては説明および図示を省略する。図9(b)では、図示の都合上、C1L1,C2L1,C3L1,C4L1,C5L1,C6L1,C7L1,C8L1、C1L2,C2L2,C3L2,C4L2,C5L2,C6L2,C7L2,C8L2のみ図示する。
図9(a)、図9(b)をまとめた斜視図は、図10に示す通りである。図10では、図示の都合上、R1L1,R2L1,R3L1,R4L1,R5L1,R6L1,R7L1,R8L1、C1L1,C2L1,C3L1,C4L1,C5L1,C6L1,C7L1,C8L1のみ図示する。一番上の層L1のみ注目すると、x・zカウンタであるR1L1,R2L1,R3L1,R4L1,R5L1,R6L1,R7L1,R8L1によって、対象となるx・zカウンタ(R1L1,R2L1,R3L1,R4L1,R5L1,R6L1,R7L1,R8L1のいずれかのカウンタ)に該当するx領域かつz領域内の総数のγ線を計数する。また、一番上の層L1のみ注目すると、y・zカウンタであるC1L1,C2L1,C3L1,C4L1,C5L1,C6L1,C7L1,C8L1によって、対象となるy・zカウンタ(C1L1,C2L1,C3L1,C4L1,C5L1,C6L1,C7L1,C8L1のいずれかのカウンタ)に該当するy領域かつz領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とし、対象となるz領域をC番目の領域(C領域)とする。その対象となるx領域(A領域)かつz領域(C領域)およびy領域(B領域)かつz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABCとするとともに、対象となるA領域かつC領域に接続されたx・zカウンタをRALCとして、そのカウンタRALCで計数されたA領域かつC領域内での総数のγ線の計数をRALCとし、対象となるB領域かつC領域に接続されたy・zカウンタをCBLCとして、そのカウンタCBLCで計数されたB領域かつC領域内での総数のγ線の計数をCBLCとする。すると、γ線の計数SABCは下記(4)式で表される。
SABC=(RALC×CBLC)/(ΣRALC×ΣCBLC)
×SLAYER …(4)
ただし、上記(4)式中のSLAYERはシンチレータブロック31での総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(4)式のような演算処理を行うことで、対象となるx領域(A領域)かつz領域(C領域)およびy領域(B領域)かつz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。
例えば、A=1,B=1,C=1とした場合、一番上の層L1(C=1のときのC領域)(図9や図10中の点のハッチングに示す領域を参照)において、対象となるx領域(A領域)は、図9や図10に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるx・zカウンタはR1L1となり、一番上の層L1において、対象となるy領域(B領域)は、図9や図10に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるy・zカウンタはC1L1となる。また、対象となるx領域(A領域)かつz領域(C領域)およびy領域(B領域)かつz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aは、図10に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS111となる。S111でのγ線の計数S111は、上記(4)式中のAに1を代入し、Bに1を代入し、Cに1を代入した下記(4)´式で表される。
S111=(R1L1×C1L1)/(ΣRALC×ΣCBLC)
×SLAYER …(4)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列×4層=256個であり、従来では同数の256個のカウンタが必要である。図9、図10の場合、各層に対して行方向に8個、列方向に8個の計16個のカウンタ、全層(4層)に対して計64個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このような計数方法によれば、上述した実施例2と同様の場合において、すなわちシンチレータ素子31aをz方向にも配列することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列してシンチレータブロック31が構成されている場合において、そのシンチレータブロック31を、上述したx領域、かつ上述したz方向であるz領域に区分するとともに、上述したy領域かつ上述したz領域に区分する。ここで、上述したxカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、上述したyカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意する。上述したx・zカウンタによって対象となるx・zカウンタに該当するx領域かつz領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したy・zカウンタによって対象となるy・zカウンタに該当するy領域かつz領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、xカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタおよびyカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
本実施例3では、シンチレータ素子31aをz方向にも配列することで、シンチレータ素子31aを複数に3次元のx方向,y方向およびz方向に配列してシンチレータブロック31を構成している。そのシンチレータブロック31をx領域かつz領域に区分するとともに、y領域かつz領域に区分して、カウンタ4(図1を参照)を、xカウンタがz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、yカウンタがz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとで構成している。また、弁別回路5(図1を参照)は、x・zカウンタによって計数された、対象となるx・zカウンタに該当するx領域かつz領域内の総数のγ線、およびy・zカウンタによって計数された、対象となるy・zカウンタに該当するy領域かつz領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx領域かつz領域およびy領域かつz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行っている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例3に係る計数方法を好適に実施することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例4を説明する。
図11(a)は、実施例4に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図11(b)は、実施例4に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図12は、実施例4に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図(平面図)である。図11および図12では、後述するセグメントを区別するために、隣接するセグメント間の境界を太枠で図示している。
本実施例4では、図11(a)に示すように、シンチレータブロック31をx方向およびy方向の一部に限定された領域であるx・yセグメント内のx領域に区分する。x・yセグメント内のx領域と同一x・yセグメント内のxカウンタとをそれぞれ接続する。本実施例4では、x・yセグメントを4つのセグメントとする。先ずy方向に、順に、P1,P2と区分するとともに、x方向にシフトした後にy方向に、順に、P3,P4と区分する。本実施例4では、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列のシンチレータ素子31aで構成されており、かつx方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P2(またはP3,P4)で構成されているので、x・yセグメント内のxカウンタとして、各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)で計16個のカウンタを用意する。セグメントP1において、順に、R11,R12,R13,R14とする。以下、同様に、セグメントP2において、順に、R15,R16,R17,R18とし、セグメントP3において、順に、R21,R22,R23,R24とし、セグメントP4において、順に、R25,R26,R27,R28とする。
一方、図11(b)に示すように、シンチレータブロック31を上述したx・yセグメント内のy領域に区分する。x・yセグメント内のy領域と同一x・yセグメント内のyカウンタとをそれぞれ接続する。先ずx方向に、順に、P1,P3と区分され、y方向にシフトした後にx方向には、順に、P2,P4と区分される。上述したように、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列のシンチレータ素子31aで構成されており、かつy方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P3(またはP2,P4)で構成されているので、x・yセグメント内のyカウンタとして、各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)で計16個のカウンタを用意する。セグメントP1において、順に、C11,C12,C13,C14とする。以下、同様に、セグメントP3において、順に、C15,C16,C17,C18とし、セグメントP2において、順に、C21,C22,C23,C24とし、セグメントP4において、順に、C25,C26,C27,C28とする。
図11(a)、図11(b)をまとめた平面図は、図12に示す通りである。セグメントP1のみ注目すると、xカウンタであるR11,R12,R13,R14によって、対象となるxカウンタ(R11,R12,R13,R14のいずれかのカウンタ)に該当するx・yセグメント(セグメントP1)内のx領域内の総数のγ線を計数する。また、セグメントP1のみ注目すると、yカウンタであるC11,C12,C13,C14によって、対象となるyカウンタ(C11,C12,C13,C14のいずれかのカウンタ)に該当するx・yセグメント(セグメントP1)内のy領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とし、対象となるx・yセグメントをD番目のセグメント(Dセグメント)とする。その対象となるx・yセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)およびx・yセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABとするとともに、対象となるDセグメント内のA領域に接続されたxカウンタをRDAとして、そのカウンタRDAで計数されたDセグメント内のA領域内での総数のγ線の計数をRDAとし、対象となるDセグメント内のB領域に接続されたyカウンタをCDBとして、そのカウンタCDBで計数されたDセグメント内のB領域内での総数のγ線の計数をCDBとする。すると、γ線の計数SABは下記(5)式で表される。
SAB=(RDA×CDB)/(ΣRDA×ΣCDB)×P(D+2X) …(5)
ただし、上記(5)中のP(D+2X)はDセグメントでの総数のγ線の計数であり、P(D+2X)=ΣRDA=ΣCDBである。したがって、ΣRDAはカウンタRDA([R11,R12,R13,R14]、[R15,R16,R17,R18]、[R21,R22,R23,R24]または[R25,R26,R27,R28]のいずれかの組み合わせ)での総数のγ線の計数であり、ΣCDBはカウンタCDB([C11,C12,C13,C14]、[C15,C16,C17,C18]、[C21,C22,C23,C24]または[C25,C26,C27,C28]のいずれかの組み合わせ)での総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(5)式のような演算処理を行うことで、対象となるx・yセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)およびx・yセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。なお、セグメントの順番は、先ずy方向にP1,P2、次にx方向にシフトした後にy方向にP3,P4とする。したがって、x・yともに1番目のセグメント(D=1,X=0のときのDセグメント)はP1となり、xで1番目でyで2番目のセグメント(D=2,X=0のときのDセグメント)はP2となり、xで2番目でyで1番目のセグメント(D=1,X=1のときのDセグメント)はP3となり、x・yともに2番目のセグメント(D=2,X=1のときのDセグメント)はP4となる。
例えば、A=1,B=1,D=1とした場合、x・yともに1番目のセグメントP1(D=1,X=0のときのDセグメント)において、対象となるx領域(A領域)は、図11や図12に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるxカウンタはR11となり、x・yともに1番目のセグメントP1において、対象となるy領域(B領域)は、図11や図12に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるyカウンタはC11となる。また、対象となるx・yセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)およびx・yセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)に属するシンチレータ素子31aは、図12に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS11となる。S11でのγ線の計数S11は、上記(5)式に中のAに1を代入し、Bに1を代入し、Dに1を代入し、Xに0を代入した下記(5)´式で表される。
S11=(R11×C11)/(ΣR11×ΣC11)×P1 …(5)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列=64個であり、従来では同数の64個のカウンタが必要である。図11、図12の場合、各セグメントに対して行方向に4個、列方向に4個の計8個のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)に対して計32個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このような計数方法によれば、シンチレータブロック31を、x方向およびy方向の一部に限定された領域であるx・yセグメント内のx領域に区分するとともに、上述したx・yセグメント内のy領域に区分する。ここで、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタおよびx・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
本実施例4では、シンチレータブロック31を、x・yセグメント内のx領域に区分するとともに、x・yセグメント内のy領域に区分して、カウンタ4(図1を参照)を、x・yセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・yセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタとで構成している。また、弁別回路5(図1を参照)は、xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx・yセグメント内のx領域内の総数のγ線、およびyカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するx・yセグメント内のy領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx・yセグメント内のx領域およびx・yセグメント内のy領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行っている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例4に係る計数方法を好適に実施することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例5を説明する。
図13(a)は、実施例5に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図13(b)は、実施例5に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図13(c)は、実施例5に係るz領域とzカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図14(a)は、実施例5に係る各々のx・y領域と各々のx・yカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図であり、図14(b)は、実施例5に係る各々のz領域と各々のzカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図(正面図)であり、図14(c)は、実施例5に係る各々のz領域と各々のzカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図(背面図)である。上述した実施例4と同様に、図13および図14では、セグメントを区別するために、隣接するセグメント間の境界を太枠で図示している。
本実施例5では、図13(a)に示すように、シンチレータブロック31を、x方向,y方向およびz方向の一部に限定された領域であるx・y・zセグメント内のx領域に区分する。x・y・zセグメント内のx領域と同一x・y・zセグメント内のxカウンタとをそれぞれ接続する。本実施例5では、x・y・zセグメントを4つのセグメントとする。上述した実施例4と同様に、先ずy方向に、順に、P1,P2と区分するとともに、x方向にシフトした後にy方向に、順に、P3,P4と区分する。本実施例4では、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列、z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されており、かつx方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P2(またはP3,P4)で構成されているので、x・y・zセグメント内のxカウンタとして、各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)で計16個のカウンタを用意する。セグメントP1において、順に、R11,R12,R13,R14とする。以下、同様に、セグメントP2において、順に、R15,R16,R17,R18とし、セグメントP3において、順に、R21,R22,R23,R24とし、セグメントP4において、順に、R25,R26,R27,R28とする。
一方、図13(b)に示すように、シンチレータブロック31を上述したx・y・zセグメント内のy領域に区分する。x・y・zセグメント内のy領域と同一x・y・zセグメント内のyカウンタとをそれぞれ接続する。先ずx方向に、順に、P1,P3と区分され、y方向にシフトした後にx方向には、順に、P2,P4と区分される。上述したように、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列、z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されており、かつy方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P3(またはP2,P4)で構成されているので、x・y・zセグメント内のyカウンタとして、各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)で計16個のカウンタを用意する。セグメントP1において、順に、C11,C12,C13,C14とする。以下、同様に、セグメントP3において、順に、C15,C16,C17,C18とし、セグメントP2において、順に、C21,C22,C23,C24とし、セグメントP4において、順に、C25,C26,C27,C28とする。
一方、図13(c)に示すように、シンチレータブロック31を上述したx・y・zセグメント内のz領域に区分する。x・y・zセグメント内のz領域と同一x・y・zセグメント内のzカウンタとをそれぞれ接続する。上述したように、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列、z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されているので、x・y・zセグメント内のzカウンタとして、各々のセグメントごとに4つのカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)で計16個のカウンタを用意する。セグメントP1において、順に、L11,L12,L13,L14とする。以下、同様に、セグメントP2において、順に、L21,L22,L23,L24とし、セグメントP3において、順に、L31,L32,L33,L34とし、セグメントP4において、順に、L41,L42,L43,L44とする。図13(c)では、図示の都合上、L22,L23,L24の図示を省略する。
図13(a)〜図13(c)をまとめた平面図は、図14(a)に示す通り、正面図は、図14(b)に示す通り、背面図は、図14(c)に示す通りである。セグメントP1のみ注目すると、xカウンタであるR11,R12,R13,R14によって、対象となるxカウンタ(R11,R12,R13,R14のいずれかのカウンタ)に該当するx・y・zセグメント(セグメントP1)内のx領域内の総数のγ線を計数する。また、セグメントP1のみ注目すると、yカウンタであるC11,C12,C13,C14によって、対象となるyカウンタ(C11,C12,C13,C14のいずれかのカウンタ)に該当するx・y・zセグメント(セグメントP1)内のy領域内の総数のγ線を計数する。また、対象となるzカウンタ(L11,L12,L13,L14のいずれかのカウンタ)に該当するx・y・zセグメント(セグメントP1)内のz領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とし、対象となるz領域をC番目の領域(C領域)とし、対象となるx・y・zセグメントをD番目のセグメント(Dセグメント)とする。その対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域),x・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABCとするとともに、対象となるDセグメント内のA領域に接続されたxカウンタをRDAとして、そのカウンタRDAで計数されたDセグメント内のA領域内での総数のγ線の計数をRDAとし、対象となるDセグメント内のB領域に接続されたyカウンタをCDBとして、そのカウンタCDBで計数されたDセグメント内のB領域内での総数のγ線の計数をCDBとし、対象となるDセグメント内のC領域に接続されたzカウンタをLDCとして、そのカウンタLDCで計数されたDセグメント内のC領域内での総数のγ線の計数をLDCとする。すると、γ線の計数SABCは下記(6)式で表される。
SAB=(RDA×CDB×LDC)/(ΣRDA×ΣCDB×ΣLDC)
×P(D+2X) …(6)
ただし、上記(6)中のP(D+2X)はDセグメントでの総数のγ線の計数であり、P(D+2X)=ΣRDA=ΣCDB=ΣLDCである。したがって、ΣRDAはカウンタRDA([R11,R12,R13,R14]、[R15,R16,R17,R18]、[R21,R22,R23,R24]または[R25,R26,R27,R28]のいずれかの組み合わせ)での総数のγ線の計数であり、ΣCDBはカウンタCDB([C11,C12,C13,C14]、[C15,C16,C17,C18]、[C21,C22,C23,C24]または[C25,C26,C27,C28]のいずれかの組み合わせ)での総数のγ線の計数であり、ΣLDCはカウンタLDC([L11,L12,L13,L14]、[L21,L22,L23,L24]、[L31,L32,L33,L34]または[L41,L42,L43,L44]のいずれかの組み合わせ)での総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(6)式のような演算処理を行うことで、対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域),x・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。なお、セグメントの順番については、上述した実施例4と同様なので、その説明を省略する。
例えば、A=1,B=1,C=1,D=1とした場合、x・yともに1番目のセグメントP1(D=1,X=0のときのDセグメント)において、対象となるx領域(A領域)は、図13や図14に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるxカウンタはR11となり、x・yともに1番目のセグメントP1において、対象となるy領域(B領域)は、図13や図14に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるyカウンタはC11となる。さらに、x・yともに1番目のセグメントP1(D=1,X=0のときのDセグメント)において、対象となるz領域(C領域)は、図13や図14に示すように、点のハッチングに示す領域となり、対象となるzカウンタはL11となる。また、対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域),x・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aは、図14に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS111となる。S111でのγ線の計数S111は、上記(6)式中のAに1を代入し、Bに1を代入し、Cに1を代入し、Dに1を代入した下記(6)´式で表される。
S11=(R11×C11×L11)/(ΣRDA×ΣCDB×ΣCDC)
×P1 …(6)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列×4層=256個であり、従来では同数の256個のカウンタが必要である。図13、図14の場合、各セグメントに対して行方向に4個、列方向に4個、層方向に4個の計12個のカウンタ、全セグメント(4つのセグメント)に対して計48個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このような計数方法によれば、シンチレータブロック31を、x方向,y方向およびz方向の一部に限定された領域であるx・y・zセグメント内のx領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域に区分して、上述したx・y・zセグメント内のz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタと、x・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタとを用意する。上述したxカウンタによって対象となるxカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したyカウンタによって対象となるyカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域内の総数のγ線を計数し、上述したzカウンタによって対象となるzカウンタに該当するx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタ,x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタおよびx・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
本実施例5では、シンチレータブロック31を、x・y・zセグメント内のx領域に区分するとともに、x・y・zセグメント内のy領域に区分して、x・y・zセグメント内のz領域に区分して、カウンタ4(図1を参照)を、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続されたxカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続されたyカウンタと、x・y・zセグメント内のz領域ごとに接続されたzカウンタとで構成している。また、弁別回路5(図1を参照)は、xカウンタによって計数された、対象となるxカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域内の総数のγ線yカウンタによって計数された、対象となるyカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域内の総数のγ線およびzカウンタによって計数された、対象となるzカウンタに該当するx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域,x・y・zセグメント内のy領域およびx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行っている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例5に係る計数方法を好適に実施することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例6を説明する。
図15(a)は、実施例6に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図15(b)は、実施例6に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図であり、図16は、実施例6に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図(平面図)である。上述した実施例4,5と同様に、図15および図16では、セグメントを区別するために、隣接するセグメント間の境界を太枠で図示している。
本実施例6では、図15(a)に示すように、シンチレータブロック31をx・y・zセグメント内のx領域かつz領域に区分する。そして、xカウンタがz領域ごとに区分されたx・zカウンタとする。本実施例6では、x・y・zセグメントを4つのセグメントとする。上述した実施例4,5と同様に、先ずy方向に、順に、P1,P2と区分するとともに、x方向にシフトした後にy方向に、順に、P3,P4と区分する。本実施例6では、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列、z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されており、かつx方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P2(またはP3,P4)で構成されているので、x・y・zセグメント内のx・zカウンタとして、各々の層ごと、かつ各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全層(4層)かつ全セグメント(4つのセグメント)で計64個のカウンタを用意する。一番上の層L1かつセグメントP1において、R11L1,R12L1,R13L1,R14L1とする。以下、同様に、一番上の層L1かつセグメントP2において、順に、R15L1,R16L1,R17L1,R18L1とし、一番上の層L1かつセグメントP3において、順に、R21L1,R22L1,R23L1,R24L1とし、一番上の層L1かつセグメントP4において、順に、R25L1,R26L1,R27L1,R28L1とする。2番目の層L2かつ各セグメント、3番目の層L3かつ各セグメント、一番下の層L4かつ各セグメントでのカウンタについては説明および図示を省略する。図15(a)では、図示の都合上、R11L1,R12L1,R13L1,R14L1、R15L1,R16L1,R17L1,R18L1、R21L1,R22L1,R23L1,R24L1、R25L1,R26L1,R27L1,R28L1、R16L2,R17L2,R18L2、R26L2,R27L2,R28L2のみ図示する。
一方、図15(b)に示すように、シンチレータブロック31を上述したx・y・zセグメント内のy領域かつz領域に区分する。そして、yカウンタがz領域ごとに区分されたy・zカウンタとする。先ずx方向に、順に、P1,P3と区分され、y方向にシフトした後にx方向には、順に、P2,P4と区分される。上述したように、シンチレータブロック31はx方向に8行、y方向に8列、z方向に4層のシンチレータ素子31aで構成されており、かつy方向に沿って区分すれば、2つのセグメントP1,P3(またはP2,P4)で構成されているので、x・y・zセグメント内のy・zカウンタとして、各々の層ごと、かつ各々のセグメントごとに4つ(=8つ/2セグメント)のカウンタ、全層(4層)かつ全セグメント(4つのセグメント)で計64個のカウンタを用意する。一番上の層L1かつセグメントP1において、C11L1,C12L1,C13L1,C14L1とする。以下、同様に、一番上の層L1かつセグメントP3において、順に、C15L1,C16L1,C17L1,C18L1とし、一番上の層L1かつセグメントP2において、順に、C21L1,C22L1,C23L1,C24L1とし、一番上の層L1かつセグメントP4において、順に、C25L1,C26L1,C27L1,C28L1とする。2番目の層L2かつ各セグメント、3番目の層L3かつ各セグメント、一番下の層L4かつ各セグメントでのカウンタについては説明および図示を省略する。図15(b)では、図示の都合上、C11L1,C12L1,C13L1,C14L1、C15L1,C16L1,C17L1,C18L1、C21L1,C22L1,C23L1,C24L1、C25L1,C26L1,C27L1,C28L1、C11L2,C12L2,C13L2,C14L2、C15L2,C16L2,C17L2,C18L2、C21L2,C22L2,C23L2,C24L2、C25L2,C26L2,C27L2,C28L2のみ図示する。
図15(a)、図15(b)をまとめた平面図は、図15に示す通りである。図15では、図示の都合上、R11L1,R12L1,R13L1,R14L1、R15L1,R16L1,R17L1,R18L1、R21L1,R22L1,R23L1,R24L1、R25L1,R26L1,R27L1,R28L1、C21L1,C22L1,C23L1,C24L1、C25L1,C26L1,C27L1,C28L1のみ図示する。一番上の層L1かつセグメントP1のみ注目すると、x・zカウンタであるR11L1,R12L1,R13L1,R14L1によって、対象となるx・zカウンタ(R11L1,R12L1,R13L1,R14L1のいずれかのカウンタ)に該当するx・y・zセグメント(セグメントP1)内のx領域かつx・y・zセグメント(セグメントP1)内のz領域内の総数のγ線を計数する。また、一番上の層L1かつセグメントP1のみ注目すると、y・zカウンタであるC11L1,C12L1,C13L1,C14L1によって、対象となるyカウンタ(C11L1,C12L1,C13L1,C14L1のいずれかのカウンタ)に該当するx・y・zセグメント(セグメントP1)内のy領域かつx・y・zセグメント(セグメントP1)内のz領域内の総数のγ線を計数する。対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、弁別回路5(図1を参照)は、対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行う。
対象となるx領域をA番目の領域(A領域)とするとともに、対象となるy領域をB番目の領域(B領域)とし、対象となるz領域をC番目の領域(C領域)とし、対象となるx・y・zセグメントをD番目のセグメント(Dセグメント)とする。その対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aでのγ線の計数をSABCとするとともに、対象となるDセグメント内のA領域かつDセグメント内のC領域に接続されたx・zカウンタをRDA・LCとして、そのカウンタRDA・LCで計数されたDセグメント内のA領域かつDセグメント内のC領域内での総数のγ線の計数をRDALCとし、対象となるDセグメント内のB領域かつDセグメント内のC領域に接続されたy・zカウンタをCDB・LCとして、そのカウンタCDB・LCで計数されたDセグメント内のB領域かつDセグメント内のC領域内での総数のγ線の計数をCDBLCとする。すると、γ線の計数SABCは下記(7)式で表される。
SABC=(RDALC×CDBLC)/(ΣRDALC×ΣCDBLC)
×P(D+2X) …(7)
ただし、上記(7)中のP(D+2X)はDセグメントでの総数のγ線の計数である。このように、弁別回路5(図1を参照)は、上記(7)式のような演算処理を行うことで、対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する。なお、セグメントの順番については、上述した実施例4,5と同様なので、その説明を省略する。
例えば、A=1,B=1,C=1,D=1とした場合、一番上の層L1(C=1のときのC領域)(図15中の点のハッチングに示す領域を参照)かつx・yともに1番目のセグメントP1(D=1,X=0のときのDセグメント)において、対象となるx領域(A領域)は、図15や図16に示すように、左上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるx・zカウンタはR11L1となり、一番上の層L1かつx・yともに1番目のセグメントP1において、対象となるy領域(B領域)は、図15や図16に示すように、右上斜線のハッチングに示す領域となり、対象となるy・zカウンタはC11L1となる。また、対象となるx・y・zセグメント(Dセグメント)内のx領域(A領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)およびx・y・zセグメント(Dセグメント)内のy領域(B領域)かつx・y・zセグメント(Dセグメント)内のz領域(C領域)に属するシンチレータ素子31aは、図16に示すようにクロス斜線のハッチングに示す領域であるS111となる。S111でのγ線の計数S111は、上記(7)式中のAに1を代入し、Bに1を代入し、Cに1を代入し、Dに1を代入した下記(7)´式で表される。
S111=(R11L1×C11L1)/(ΣRDALC×ΣCDBLC)
×P1 …(7)´
全シンチレータ素子31aが8行×8列×4層=256個であり、従来では同数の256個のカウンタが必要である。図15、図16の場合、各層かつ各セグメントに対して行方向に4個、列方向に4個の計8個のカウンタ、全層(4層)かつ全セグメント(4つのセグメント)に対して計128個のカウンタがあれば、全シンチレータ素子31aの計数を求めることが可能である。
このような計数方法によれば、シンチレータブロック31を、x方向,y方向およびz方向の一部に限定された領域であるx・y・zセグメント内のx領域かつz領域に区分するとともに、上述したx・y・zセグメント内のy領域かつz領域に区分する。ここで、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意する。上述したx・zカウンタによって対象となるx・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線を計数するとともに、上述したy・zカウンタによって対象となるy・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線を計数する。上述した対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域でのそれらの計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数することが可能になる。このように、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとを用意するだけで、シンチレータ素子31aよりも少ない数のカウンタでγ線を計数することができる。
本実施例6では、シンチレータブロック31を、x・y・zセグメント内のx領域かつz領域に区分するとともに、x・y・zセグメント内のy領域かつz領域に区分して、カウンタ4(図1を参照)を、x・y・zセグメント内のx領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたx・zカウンタと、x・y・zセグメント内のy領域ごとに接続され、かつx・y・zセグメント内のz領域ごとにも区分されたy・zカウンタとで構成している。また、弁別回路5(図1を参照)は、x・zカウンタによって計数された、対象となるx・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線、およびy・zカウンタによって計数された、y・zカウンタに該当するx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域内の総数のγ線の計数結果に基づいて、対象となるx・y・zセグメント内のx領域かつx・y・zセグメント内のz領域およびx・y・zセグメント内のy領域かつx・y・zセグメント内のz領域に属するシンチレータ素子31aのγ線を計数する演算処理を行っている。
このように、γ線検出器3とカウンタ4(図1を参照)と弁別回路5(図1を参照)とで構成されたγ線計数装置によれば、本実施例6に係る計数方法を好適に実施することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、フォトン(光子)としてγ線を例に採って説明したが、γ線以外の放射線(例えばα線やβ線やX線など)に適用してもよいし、放射線以外のフォトン(例えば光など)に適用してもよい。
(2)上述した各実施例では、xは行であるとともに、yは列であり、zは層であったが、x、y、zを互いに入れ替えてもよい。例えば、x→yとし、y→zとし、z→xとすることで、yは行であるとともに、zは列であり、xは層であってもよいし、x→zとし、y→xとし、z→yとすることで、zは行であるとともに、xは列であり、yは層であってもよい。
各実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。
偶発同時計数の説明に供するγ線検出器での同時計数を示した模式図である。
(a)は実施例1,4に係るシンチレータ素子を2次元に配列して構成されたシンチレータブロックを備えたγ線検出器の概略斜視図、(b)は実施例2,3,5,6に係るシンチレータ素子を3次元に配列して構成されたシンチレータブロックを備えたγ線検出器の概略斜視図である。
(a)〜(e)は2次元位置演算マップの模式図である。
(a)は実施例1に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例1に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図である。
実施例1に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例2に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例2に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図、(c)は実施例2に係るz領域とzカウンタとの接続態様を示す模式図である。
実施例2に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例3に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例3に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図である。
実施例3に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例4に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例4に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図である。
実施例4に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例5に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例5に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図、(c)は実施例5に係るz領域とzカウンタとの接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例5に係る各々のx・y領域と各々のx・yカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図、(b)および(c)は実施例5に係る各々のz領域と各々のzカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
(a)は実施例6に係るx領域とxカウンタとの接続態様を示す模式図、(b)は実施例6に係るy領域とyカウンタとの接続態様を示す模式図である。
実施例6に係る各々の領域と各々のカウンタとをまとめた接続態様を示す模式図である。
符号の説明
4 … カウンタ
5 … 弁別回路
10 … 同時計数回路
11 … 投影データ導出部
12 … 再構成部
31 … シンチレータブロック
31a … シンチレータ素子