JP5082644B2 - 記載情報保護構造部付き帳票 - Google Patents
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Description
このような分野に対して、近年、便利な入力システムが提供されている。
これは、スウェーデンの「Anoto社」が開発した入力システムで、「アノトペン」と呼ばれる電子ペンと、電子ペン読取り専用ドットパターン(以下、単にドットパターンともいう)が印刷された電子ペン書き込み用専用用紙(以下、電子ペン記載用紙という)によって記載された情報をその場で電子化情報とし通信端末に送信するシステムである。
電子ペンは、通常の筆記部と、筆記部によって用紙の記載面に記載された情報を用紙の記載面に印刷されたドットパターン情報として読み取るための撮像部と、読み取ったドットパターン情報を送信するための通信部等を搭載している。
記載者が電子ペン記載用紙の上に文字などを記載すると、ペンの移動に伴って電子ペンの撮像部が電子ペン記載用紙上に印刷されたドットパターンを読み取り、記載者が記載した文字などの入力情報を電子情報として記憶する。
電子ペンが記憶した入力情報は、前述の通信部により、電子ペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの通信端末に送信される。
電子ペンを使用する前述の入力システムでは、電子ペンがキーボードの役割を果たすのであるが、記載者は従来どおりの感覚で申し込み等を行うことができる。
また、このシステムでは入力情報の入力を、電子ペンによる微細なドットパターン読み取りによって行われるために、ドットパターンの印刷品質,印刷される基材の選定に関する管理が厳密に行われる。
前記 特許文献1によれば、折り用ミシン11を介し上片1、下片2からなる二折葉書について、該上片1の一面に、透視できしかも層間が剥離可能に重合した接合材41a,41bの両側に透明な粘着剤42a,42bを有し、かつ前記一面の対向面に剥離紙43を設けてなる介在シートを貼付する。該介在シート側面の開口部となる顕出部分Eには、前記剥離紙の前縁部44を延長させて覆い保護するというものである。
この際、最も簡単な方法は、所定の葉書にこれらの個人情報を記載して投函する方法である。しかし、前述のような情報は通信文と異なり個人情報に属するために、他人に公開したくない情報である。そのために昨今では、記載情報の上に再剥離可能な情報保護構造(不透明な情報遮蔽ラベル)を貼付して送付する方法が一般的に利用されている。
そこで本発明は、個人情報を一刻も早く申込先に伝える必要があるときに、また、電子ペンを使用して記載情報を先に送信し、その証として記載情報を葉書などで送付する必要があるときの帳票として、「なり済ましによる記載情報の改竄」を防止する手段を備えた記載情報保護構造部付き帳票を提供することを目的とするものである。
特に、個人情報を葉書などで送付する場合に好適である。
また、第二の態様のように、透明材料層,粘着材料層の何れかに透明な赤外線吸収剤が混入されたことによっても、記載された個人情報が送付途中で改竄されることがなく安心して送付することができる。
また、第三の態様のように、第一または第二の態様において、保護構造部側の紙片基材には、紙片基材を貫通する状態で折畳み線と平行な切込みが形成されたことによって、送付先で記載情報を確認する際に容易に保護紙片を剥がすことができる。
図1は、本発明の記載情報保護構造部付き帳票の一例について説明するための図,図2は、図1の裏面について説明するための図,図3は、図1のA−A線断面の一例について説明するための図,図4は、図1のA−A線断面の他の一例について説明するための図,図5は、折畳み部で折り畳まれて貼り合わされた記載情報保護構造部付き帳票について説明するための図,図6は、電子ペンの一例について説明するための図,図7は、電子ペン読取り専用ドットパターンについて説明するための図,である。
図1に示すように、本発明の記載情報保護構造部付き帳票1は、長方形の紙片に紙片を二分する折畳み線4が切込みなどによって形成されている。前記折畳み線4を境にして片側が情報記載面11となっていて、残る片側が前記情報記載面11に記載された情報を保護するための保護構造部12となっている。
前記折畳み線4は、長方形の情報保護構造部付き帳票1の短辺に平行に設けられており、前記保護構造部12と前記情報記載面11の面積が等しくなる位置、または、情報記載面の面積が大きくなる位置、即ち長方形のセンターより保護構造部12寄りに設けられている。
また、図示しないが、剥離剤層と透明材料層との間、または、透明材料層と粘着剤層の間に、送付途中で記載情報を保護するために、また、記載情報が改竄されないように、赤外線吸収剤が混入された透明な印刷インキによる印刷が施されている。
この切込み40は、保護構造部12の剥離紙を剥がして折畳み線で折畳み、個人情報が記載された情報記載面11に貼り合わせ、葉書として送付先に送付された時に、送付先で記載情報を確認する際に、切込み40から紙片基材を剥がし易いように設けられるものである。
情報記載欄111の罫線や文字,送信ボックス3,ドットパターン2の内、少なくともドットパターン2は赤外線吸収インキによって印刷される。
また、記載された情報を保護するための保護構造部12の、最上層の剥離紙には「この紙片(剥離紙)を剥がし、中央部折畳み部で折畳み、この面を申し込み情報記載面に貼り合わせ送付してください」等の注意文言120が普通の印刷インキ、または、赤外線吸収インキで印刷されている。
長方形の記載情報保護構造部付き帳票1を二分する折畳み線4が、図1のセンターより「C」側、即ち「B>C」の位置に設けられる場合は、情報記載面11の情報記載欄111のみが被覆される状態で貼り合わされる。
折畳み線4を境にしてもう一方の側(図2の折畳み線4の左側)には、送付先の住所などの非保護情報6などが印刷される。
電子ペンは、通常の筆記部と、ドットパターンを読み取るための撮像部と、ドットパターン情報を送受信するための送受信部(以下、通信部という)等を搭載している。
例えば、記載者が情報記載欄に文字などを記載すると、ペンの移動に伴って電子ペンに内蔵された撮像部が、ドットパターンによって表示された座標情報を読み取り、接続された通信端末に読み取った座標情報を通信部から送信する。
通信端末は、受信した前記座標情報をネットワークに接続された電子ペンシステム管理サーバに送信する。
電子ペンシステム管理サーバは、受信した座標情報をテキストデータに変換し、利用者側のサーバや、前記通信端末に返信する。
通信端末内に電子ペンシステム管理サーバ機能が内蔵されている場合は、前記座標情報は、電子ペンシステム管理サーバ機能によってテキストデータに変換される。
電子ペン5は、インクカートリッジ58を伴った筆記部56,ドットパターンを読み取るデジタルカメラによる撮像部55,デジタルカメラで読み取られた筆記情報(ドットパターンの座標情報)を記憶する記憶部53,携帯通信端末に座標情報を送信する通信部52,これらの機能を制御する制御部54,電子ペン用の圧力センサ57,図示しないが電源部で構成され、これらを電子ペン5の筐体51の内部に搭載している。
電子ペン5は、電子ペン記載用紙に印刷されたドットパターンを撮像部55で読み取って記憶部53で記憶し、図示しないが、電子ペンのユニークな識別情報などと共に通信部52から接続された通信端末に送信する。
電子ペンの通信部52は、USB(Universal Serial Bus),Bluetooth(The Bluetooth SIG,Inc.の登録商標)何れにも対応できるようになっている。
また、電子ペン5の筐体51に組み込まれた筆記部56は、単なる筆記具として使用することもできるようになっている。
筆記部56が電子ペン筐体51に装着されたときに、インクカートリッジ58側の先端が、電子ペンの筐体51に取り付けられた電子ペン用の圧力センサ57に接触するようになっている。
この圧力センサ57は、情報の記載が開始されることを制御部54に伝える機能と、筆圧の強弱を認識する機能を備えている。
また、インクカートリッジ58の残量を確認する場合、または、インクを充填する場合は、例えば、筆記部56を電子ペン筐体51の先端から引き抜いてインクの残量確認、または、インクの充填を行う。
図に示す縦横の仮想線は、説明し易くするために記載しており、実際には印刷されていない。
電子ペン読取り専用ドットパターン200の各ドットは、0.3mm間隔で形成された直角に交わる縦横の仮想線の交点近傍に、それぞれ異なる4方向の何れかに配置され、形成されている。
「Anoto社」のシステムでは、36個のドット(約4mm2の内側に印刷されたドット群)を1単位情報として扱っている。
電子ペン記載用紙の所定部(前述の「送信ボックス」)を電子ペンでマークをすると、電子ペン記載用紙に記載した前記座標情報を電子ペンから通信端末に送信するようになっている。
「Anoto社」のシステムでは、一つの利用分野で同一のドットパターンが利用されないように管理されている。
電子ペンシステム管理サーバは、多くの場合、PLSサーバと、ASHサーバに分けられて使用される。
通信端末から送信された座標情報は、まず、PLS(Paper Look−up Service)と呼ばれる電子ペンシステム管理サーバに送信される。
PLSサーバは、受信したドットパターンの座標情報から、使用されているアプリケーションを割り出して、そのアプリケーション支援を行うASH(Application Service Handler)サーバのURL(Uniform Resource Locator)と座標情報を通信端末に送信する。電子ペンシステム管理サーバ機能は、通信端末内に組み込まれて使用されることもある。
通信端末は、例えば、キーボードなどの入力手段,インターネットに接続されて入力情報を送受信する送受信手段,ディスプレイなどの表示手段,入力情報や読み込んだ情報を保存する保存手段とを有する携帯電話,PDA(Personal Digital Assistance),パーソナルコンピュータのような装置である。
通信端末は、前述のように、電子ペンから送信された情報を電子ペンシステム管理サーバに送信し、テキストデータなどに変換された情報として受信し、利用する。
記載情報保護構造部付き帳票1の紙片基材10には、折畳み線4がミシン目状の、例えば、切込みによって形成され、その保護構造部側には記載情報を確認するための直線状の切込み40が形成される。
この切込み40は、必ずしも必要ではなく、保護構造部12が記載された記載情報面に貼り合わされた後で、記載情報を確認する際に保護構造部12側の紙片基材10端部(図示せず)で引き剥がして確認することもできる。
剥離紙121の下側には、粘着剤層122,透明材料層123,剥離剤層124,接着剤層101が順次形成され、積層されている。 剥離剤層124,接着剤層101は、順番が逆になっていてもよい。
透明材料層123は、透明なプラスチックのフィルムであっても、コーティングされた透明な樹脂であってもよい。
紙片基材10の裏側には、地紋7や、図示しないが、送付先情報などの非保護情報が印刷されている、
記載情報面(図示せず)に保護構造部12が貼り合わされた後で、記載情報を確認するために接着剤層101と剥離剤層124の間で引き剥がされる。
前記送付途中で不正者が記載情報を改竄しようとしたときに、粘着剤層122又は透明材料層123に混入された透明な赤外線吸収材料によって、紙片基材10の上に印刷されたドットパターン2が電子ペンで正しく読み取ることができないようになっている。
図3で説明したのと同様、紙片基材10には、折畳み線4がミシン目状の、例えば、切込みによって形成され、その保護構造部側には、紙片基材を剥がし易くするための直線状の切込み40が形成されている。
剥離紙121の下側には、粘着剤層122,透明材料層123,赤外吸収インキによる印刷層125,剥離剤層124,接着剤層101が順次形成され、積層されている。 剥離剤層124,接着剤層101は、順番が逆になっていてもよい。
透明材料層123は、透明なプラスチックのフィルムであっても、コーティングされた透明な樹脂であってもよい。
紙片基材10の裏側には、地紋7や、図示しないが、送付先情報などの非保護情報が印刷されている、
前記送付途中で不正者が記載情報を改竄しようとしたときに、透明な赤外吸収インキによる印刷層125があるために、紙片基材10の上に印刷されたドットパターン2が電子ペンで正しく読み取ることができない。透明な赤外吸収インキによる印刷は、ベタ状パターンでも、網点パターンでもよい。
a図は、図3で説明した記載情報保護構造部付き帳票の剥離紙121が剥がされ、折畳み線4で折り畳まれ、情報記載面に保護構造部の粘着剤122が貼り合わされた状態を示している。
情報記載欄が狭い場合は、保護構造部が数字「8」で図示した位置に紙片の端部が位置する状態で貼り合わされる。
a図に示した貼り合わせ物の切込み40の部分で紙片基材10を剥がすと、紙片基材10は、接着剤層124を伴って剥離剤層123の境界から剥がれ、b図に示す状態になる。
b図の矢印の方向からドットパターン面を見たときに、粘着剤層122,透明材料層123,剥離剤層124を介して、ドットパターン2上に記載された記載情報(図示せず)を視認することができる。
b図で、矢印の下の剥離剤の上から電子ペンで情報を記載して改竄しようとしても、粘着剤層122又は透明材料層123に混入された赤外線吸収剤により邪魔されて、赤外線吸収インキにより印刷された正しいドットパターン情報を読み取ることができず、記載された情報を改竄することができない。
図1,図4を一部参照して、本発明の記載情報保護構造部付き帳票に使用される材料の一例について説明する。
紙片基材10として、坪量64g/m2〜160g/m2の赤外線を吸収する物質を含まない模造紙,上質紙,純白ロール紙,コピー紙,タイプライター紙,トレーシングペーパー,複写用紙、及び、各種コート紙,クラフト紙等から選択して使用する。
長方形の記載情報保護構造部付き帳票1を二分する折畳み線4が、図1のセンターより「C」側、即ち「B>C」の位置に設けられる場合は、(葉書特性を付与させるために)坪量160g/m2以上の紙を紙片基材10として使用する。
また、B=Cの場合は、同様の目的で坪量130g/m2以上(実際には、坪量160g/m2)の紙を紙片基材10として使用する。
印刷インキとして、ドットパターン印刷及び赤外吸収インキによる印刷層に使用される印刷インキは赤外光領域の波長を吸収するインキを、それ以外の印刷に使用されるインキには赤外光領域の波長を反射するインキを使用する。印刷インキは、何れも市販されているオフセット用インキ、凸版用インキ、グラビア用インキ、何れを使用してもよい。
また、接着剤101としては、市販されている澱粉系,天然ゴム系,酢酸ビニル系,EVA系,ポリウレタン系,ポリビニルアルコール系,アクリル系その他から選択し、製造装置に合せて使用する。
また、粘着剤122としては、市販の公知の粘着剤を使用することができる。
また、透明材料123としては、坪量35g/m2のグラシン紙又は12μmのポリエステルフィルム、または、ポリウレタン系,ポリビニルアルコール系,アクリル系樹脂塗料のコーティング皮膜を形成して使用する。
また、剥離剤124として、UVインキにシリコーンオイルを添加したものや、シリコーンアクリレートを添加したもの、オフセットインキ以外では、通常の白金触媒等を利用する熱硬化型剥離インキを使用する。
また、剥離紙121として、市販の薄手の剥離紙を使用する。
2,200 ドットパターン
3 送信ボックス
4 折畳み線
5 電子ペン
6 非保護情報
7 地紋
10 紙片基材
11 情報記載面
12 保護構造部
40 切込み
51 筐体
52 通信部
53 記憶部
54 制御部
55 撮像部
56 筆記部
57 圧力センサ
58 インクカートリッジ
101 接着剤層,接着剤
111 情報記載欄
120 注意文言,注意文言印刷インキ,
121 剥離紙
122 粘着剤層,粘着剤,
123 透明材料層,透明材料
124 剥離剤層,剥離剤
125 赤外吸収インキによる印刷層
Claims (3)
- 長方形の紙片に紙片を二分する折畳み線が形成され、前記折畳み線を境にして片側が情報記載面で、残る片側が記載された情報を保護するための保護構造部となっている帳票であって、
前記折畳み線は、長方形の短辺に平行に、前記保護構造部と前記情報記載面の面積が等しくなる位置に又は情報記載面の面積が大きくなる位置に設けられ、
前記情報記載面には、電子ペンにより記載情報を取得するためのドットパターンが形成され、
前記保護構造部には紙片基材上に接着剤層,剥離剤層,透明材料層,粘着剤層,剥離紙が順次形成され、
前記剥離剤層と前記透明材料層との間、または、前記透明材料層と前記粘着剤層の間に、赤外線吸収剤が混入された透明な印刷インキによる印刷が施されていることを特徴とする記載情報保護構造部付き帳票。 - 長方形の紙片に紙片を二分する折畳み線が形成され、前記折畳み線を境にして片側が情報記載面で、残る片側が記載された情報を保護するための保護構造部となっている帳票であって、
前記折畳み線は、長方形の短辺に平行に、前記保護構造部と前記情報記載面の面積が等しくなる位置に又は情報記載面の面積が大きくなる位置に設けられ、
前記情報記載面には、電子ペンにより記載情報を取得するためのドットパターンが形成され、
前記保護構造部には紙片基材上に接着剤層,剥離剤層,透明材料層,粘着剤層,剥離紙が順次形成され、
前記透明材料層,前記粘着材料層の何れかに透明な赤外線吸収剤が混入されていることを特徴とする記載情報保護構造部付き帳票。 - 請求項1または2に記載の記載情報保護構造部付き帳票において、
保護構造部側の紙片基材には、紙片基材を貫通する状態で折畳み線と平行な切込みが形
成されていることを特徴とする記載情報保護構造部付き帳票。
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