JP5082297B2 - 非接触式シリンダ装置 - Google Patents
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Description
前記シリンダロッド部材の貫通孔に挿通され一端部を該シリンダロッド部材に係合し、他端部を重量物に固着する継手部材に係合したワイヤ部材と、を備え、
前記シリンダロッド部材に作用する前記重量物を前記ワイヤ部材で懸垂させる非接触式シリンダ装置において、
前記軸受部材はラジアルエア軸受が前記シリンダロッド部材の大径部及び前記シリンダチューブ部材の一端部に装着され、
前記ワイヤ部材は前記貫通孔に接触することなく挿通され、前記ワイヤ部材の一端部は前記大径部内に達し、前記大径部に嵌着されたワイヤ固定具に係合し、他端部は前記継手部材のワイヤフックに係合されたことを特徴とする。
本発明によれば、重量物をワイヤ部材で吊り下げているので、アンバランスな重量物の搭載及び経年変化で発生する移動テーブルの傾きによるシリンダロッド部材の傾きを根本的に解決することができ、重量物によるシリンダロッド部材及びシリンダチューブ部材間に設けられる軸受部材への負荷を軽減できる。
請求項3に係る発明は、前記ワイヤ固定具及び前記ワイヤフックには中央部の半径方向に指向する溝に軸心方向に形成される円錐状の凹部を設けているので、シリンダチューブ部材に対するワイヤ部材の取り付け及び芯出しを容易に行うことができるのでよい。
本発明は、テーブル移動装置によれば、移動テーブルは駆動源により移動する際、非接触式シリンダ装置に連結され、その重量を非接触式シリンダ装置で吊り上げているので、アンバランスな重量物の搭載及び経年変化で発生する移動テーブルの変位防止を迅速にすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る非接触式シリンダ装置10の概略構造を示す縦断面図で、非接触式シリンダ装置10は、テーブル移動装置40(図4参照)に固着されている。
非接触式シリンダ装置10において、矩形状のベース(シリンダチューブ部材)11はその底面が傾き調整スペーサ12と共にテーブル移動装置40のコラム42の上面に形成された取付板42aにボルト部材13(図3参照)により固着されている。ベース11及び突出部11aには図示しない圧力源,例えば空圧供給源に連通する管路(図示しない)に接続され空気圧力流体が流れる連通路14a乃至14e(図1及び図3参照)が設けられている。なお、傾き調整スペーサ12は、後述するシリンダチューブ(シリンダチューブ部材)20をコラム42に設置した際、該コラム42に対して該シリンダチューブ20の傾きを調整する機能を有する。
の他端部(図1で上端部)はシリンダチューブ20に嵌挿される大径部17が形成されており、該大径部17の外周面に軸心方向に軸受、例えばラジアルエア軸受(軸受部材)18が装着され、該ラジアルエア軸受18はシリンダチューブ20の内周面に係合する。前記大径部17にはシリンダロッド15側に軸心方向に指向する連通路19aが穿設され、ヘッド側(反シリンダロッド側)に軸心方向に指向する連通路19bが形成され、該連通路19a、19bは、半径方向に穿設されている連通路19d、19cが連通している。
前記シリンダチューブ20は一端部がベース11の突出部11aに嵌挿され、4本のボルト部材20aにより該ベース11に固着されている。
また、連通路14cよりシリンダチューブ20内に供給された空気圧力流体は連通路19a、19dよりラジアルエア軸受18の内周面に供給され、該ラジアルエア軸受18の外周面から連通路19c,19bを流通して排気口22a、22bから大気に排出される。よって、大径部17のシリンダロッド15側には、連通路14aから供給される空気圧力流体が作用してシリンダロッド15を常に図1で上方に押し上げる力が付与されるようになる。さらに、ラジアルエア軸受18には空気圧力流体が連通路19a、19dから供給され、かつ連通路19c、19bより排出される空気圧力流体によりシリンダチューブ20に対して非接触の状態で係合するようになるので、シリンダチューブ20に対するシリンダロッド15及び大径部17の摺動抵抗はラジアルエア軸受15、18により実質的に零に保持される。
シリンダチューブ20の上端開口部33にはフタ35が固着されて該上端開口部33を閉塞し、該フタ35には半径方向に指向する前述した排気口22a,22bが形成されている。前記フタ35の内側には万が一ワイヤ23の切断時にシリンダロッド15が上方に移動して、大径部17がフタ35に当接した際のクッション機能を有する緩衝材36が設けられている。
前記シリンダロッドレスト27とワイヤフック30との間に配設された前記スペーサ29は、ワイヤ23の取付後、シリンダチューブ20に供給される空気圧力流体が供給されない状態におけるシリンダロッド15の落下防止と、空気圧力流体が供給された際、該シリンダロッド15の作動時に衝撃防止の機能を有する。そのために、ワイヤ固定具24及びシリンダロッドレスト27に係止されるワイヤ23の長さと、シリンダロッド15、シリンダロッドレスト27、ワイヤフック30及びスペーサ29の軸心方向の長さ差、すなわちシリンダロッド15の他端部(図1で下端部)とシリンダロッドレスト27の端面との軸心方向の隙間が略1mm以下に保持できるようにスペーサ29の厚みを調整している。よって、空気圧力流体がシリンダチューブ20の作用されない状態においてもシリンダロッド15はシリンダロッドレスト27に当接して落下を防止することが可能である。
なお、前記隙間は1mm以下であればよく、0.1mm以上に確保されていれば好適である。
図示しない圧力制御弁の作動により空圧供給源から供給された空気圧力流体は連通路14aを流れ、連通路14cよりシリンダチューブ20に流入し、シリンダロッド15の大径部17の下方を加圧するようになる。
一方、連通路14aを流通する空気圧力流体はラジアルエア軸受16の外周面に流入し、該ラジアルエア軸受16の内周面に噴出し連通路14e,14dを流れて連通路14bより大気に排出される。
さらに、シリンダチューブ20に流入した空気圧力流体は連通路19a、19dよりラジアルエア軸受18の内周面に流入し、該ラジアルエア軸受18の外周面に噴出し連通路19c,19bを流れてフタ35に設けられた排気口22a、22bより大気に排出される。
ここで、シリンダロッド15の外周面及び該シリンダロッド15の大径部17の外周面がラジアルエア軸受16、18に作用する空気圧力流体によりベース11、シリンダチューブ20に対して非接触に保持されている。また、シリンダロッド15の貫通孔15aに嵌挿されたワイヤ23により、上下移動テーブル43の重量を支持しているので、シリンダロッド15は上下移動テーブル43の変位に容易に追従して図1で上下方向に移動可能になる。さらに、上下移動テーブル43に偏荷重が作用してもワイヤが係合点の水平方向のずれ分を吸収する。よって、ワイヤ23に連結する上下移動テーブル43の取付位置自体も高精度に確保する必要がないので組立作業が容易である。
さらに、ラジアルエア軸受16、18がシリンダロッド15、シリンダチューブ20に対し非接触か否かの判断をシリンダロッド15に軽く触れるだけで判断でき、ラジアルエア軸受16、18を使用することにより空気圧力流体の消費量が小さいので、省エネルギーが可能である。
テーブル移動装置40は、基本的には非接触式シリンダ装置10と、ベース41に設置された前記非接触式シリンダ装置10を上方に配設するコラム42と、前記コラム42に摺動自在に装着され図4で上下方向に移動し、前記非接触式シリンダ装置10を上方に配設する上下移動テーブル43と、前記コラム42の上方に固着した取付板42aに配設され上下移動テーブル43を上下方向に移動させる駆動モータ、例えばサーボモータよりなる駆動源44と、前記駆動源44に連結されたネジ軸45とよりなる駆動部46とを、備える。なお、前記駆動源44はリニアモータによる駆動も可能である。
さらに、移動の際、シリンダチューブ20内の圧縮空気体積が変化することになるが、内部圧縮空気は、非接触すきまから一部大気に開放されているため、該シリンダチューブ20内への供給圧をレギュレータ(図示しない)で調整しておくだけで、シリンダチューブ20内の圧力は一定に保たれ、推力の変動が発生しない。
このように、上下移動テーブル43に工具52をはじめ、さまざまな重量の部品を取り付ける際、該移動テーブル姿勢の変化が発生し、軸受すきまに相当するワイヤ係合部の位置ずれが起きた場合でも、ワイヤの傾きが位置ずれを吸収するため、レギュレータの圧力調整だけで、テーブル性能には一定であり、重量変化による位置決め、送り性能の影響がない。
本発明の実施の形態に係るテーブル移動装置40によれば、上下移動テーブル43は駆動源44により上下方向に移動する際、非接触式シリンダ装置10に連結されており、その重量を非接触式シリンダ装置10で吊り上げているので、上下移動テーブル43の変位防止を迅速にすることができる。よって、例えば上下移動テーブル43に装着した工具52の移動を素早く行うことができる。
15 シリンダロッド 16、18 ラジアルエア軸受
20 シリンダチューブ 23 ワイヤ
24 ワイヤ固定具 26、32 溝
27 シリンダロッドレスト 29 スペーサ
30 ワイヤフック 40 テーブル移動装置
41 上下テーブル 42 コラム
43 上下移動テーブル 44 駆動源
45 ネジ軸 46 駆動部
47 ベッド 48 ガイド
49 軸受ブロック 50 ナット
51 軸受 52 工具
Claims (3)
- シリンダロッド部材とシリンダチューブ部材に軸受部材が設けられ、前記軸受部材に供給される圧縮流体によって前記シリンダロッド部材と前記シリンダチューブ部材との間に微小隙間を有する非接触シリンダであって、
前記シリンダロッド部材の貫通孔に挿通され一端部を該シリンダロッド部材に係合し、他端部を重量物に固着する継手部材に係合したワイヤ部材と、を備え、
前記シリンダロッド部材に作用する前記重量物を前記ワイヤ部材で懸垂させる非接触式シリンダ装置において、
前記軸受部材はラジアルエア軸受が前記シリンダロッド部材の大径部及び前記シリンダチューブ部材の一端部に装着され、
前記ワイヤ部材は前記貫通孔に接触することなく挿通され、前記ワイヤ部材の一端部は前記大径部内に達し、前記大径部に嵌着されたワイヤ固定具に係合し、他端部は前記継手部材のワイヤフックに係合されたことを特徴とする非接触式シリンダ装置。 - 請求項1記載の非接触式シリンダ装置において、前記ワイヤ部材の長さは、前記シリンダロッド部材及び前記継手部材間に若干の隙間を形成するように規定することを特徴とする非接触式シリンダ装置。
- 請求項1又2記載の非接触式シリンダ装置において、前記ワイヤ固定具及び前記ワイヤフックには中央部の半径方向に指向する溝に軸心方向に形成される円錐状の凹部を設けていることを特徴とする非接触式シリンダ装置。
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