JP2010110826A - 工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 従来装置に在った構成部品の加工誤差、組み付けの位置ずれ、取り付け誤差誤差等から生じた芯ずれが素早く吸収される工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法を提供すること。
【解決手段】 工作機械の垂直移動体と、この垂直移動体の自重をキャンセルするためのバランスシリンダとを接続する接続方法において、前記バランスシリンダに嵌合されたピストンおよびピストンロッドの軸心に貫通孔を設け、この貫通孔にワイヤを通し、一端を垂直移動体に他端をピストンに取付けたことを特徴とする工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法とした。
【選択図】 図１

Description

本発明は、工作機械に係り、より一層詳細には、切削用の工具を設けた主軸やこの主軸を搭載して垂直方向へ移動する垂直移動用のテーブル（Ｙテーブル）等の垂直移動する構造体（垂直移動体）と、この垂直移動体の自重をキャンセルするためのバランスシリンダとを接続する接続方法に関する。

垂直移動体とバランスシリンダとを用いる工作機械を説明すると、図２に示すように、床上には、上部にテーブルベース２を載置したベッド１が固定されている。同テーブルベース２の図中左側にはコラム３を移動可能に搭載したベース４を、また、図中、右側にはＶ‐Ｖガイド６を設け、同Ｖ‐Ｖガイド６に案内され、紙面と直角方向に移動すし、加工用ワークを載置しＸ軸方向に移動するテーブル（Ｘテーブル）５が載置されている。前記コラム３には、垂直方向（図中上下方向）に、すなわちＹ軸方向に移動する工具７を取り付けたスピンドル８を設けた垂直移動体（Ｙテーブル）９が設置されている。
前記垂直移動体９は、コラム３に沿って、図示してないリニアモータあるいはボールネジによりコラム左右に置かれたＶ字状の案内面、すなわちＶ‐Ｖガイドに沿って上下方向に移動するようになっており、その際垂直移動体９の自重をキャンセルするためのバランスシリンダ１０を設けてある。

従来、垂直移動体とバランスシリンダの接続は、図３に示すようにコラム１１に取付けられたバランスシリンダ１２にそれぞれ空気静圧軸受け１３、１４を介してピストン１５とピストンロッド１６を摺動自在に挿入し、ピストンロッド１６の先端と垂直移動体１７をジョイント１８によりを接続している。さらに、空気配管１９から、外部からの空気を矢印ａに示したようにシリンダ内に送り込み、ピストン１５をシリンダ上部に押し上げて垂直移動体１７を吊り下げるようにしていた。
特開平０６‐２３８５０５号公報

しかしながら、垂直移動体１７とピストンロッド１６との接続においては、エアーシリンダ１２内壁面とピストン１５およびピストンロッド１６には、空気静圧軸受１３、１４を使用しているものの、取付けの際の位置ずれ、組み立て誤差、構成部品の加工の際の加工誤差等から芯ずれが生じ、その吸収は、ジョイント１８に負うところが多かった。このジョイント１８は、このような芯ずれが生じた場合、内部の玉が面接触であるため、抵抗が大きく、垂直移動体１７の動きは滑らかとはいいがたい。特にナノメーターレベルの位置決めを行う目的の精密加工機械あるいは超精密工作機械等においては、その影響は少なくない。

前述の課題を解消するために、本発明は、垂直移動体の動きが必ずしも滑らとはいえないという欠点を取り除き、工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法を提供することを目的とする。

前述の目的を達成するため本発明は、作機械のＹテーブル等の垂直移動体と、この垂直移動体の自重をキャンセルするためのバランスシリンダとを接続する接続方法において、前記バランスシリンダに嵌合されたピストンおよびピストンロッドの軸心に貫通孔を設け、この貫通孔にワイヤを通し、一端を垂直移動体に他端をピストンに取付けたことを特徴とする工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法とした。

またピストンおよびピストンロッドの摺動部は、空気静圧軸受けを用いることにより、一層好適な工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法となる。

この発明によれば、バランスシリンダに嵌合されたピストンと垂直移動体がワイヤで結ばれていて、垂直移動体は振り子のように吊るされることとなるので、加工誤差、組み立て誤差、位置ずれ等による芯ずれは、抵抗を少なくして吸収することが可能である。

次に本発明の１実施形態を図１により説明すると、数字２０は、コラム２１にブラケット２２を介して取付けられたバランスシリンダを示し、その内径部には、ピストン２３およびピストンロッド２４がそれぞれ空気静圧軸受け２５および２６により摺動可能に挿着されている。このバランスシリンダ２０には、空気配管２７から矢印ｂのように空気を吹き込み、ピストン２４をシリンダ上部に押し上げるようにしてある。ピストン２３およびピストンロッド２４の軸心には、貫通孔２８を設け、この貫通孔２８にワイヤ２９を通し、一端を垂直移動体３０に他端をピストン２３に取付けてあり、垂直移動体３０は、ピストン２４により吊り上げられる。したがって、垂直移動体の自重は、キャンセルさることになる。

この発明の実施形態例では、上述のような構成にされているので、構成部材の加工誤差、位置ずれ、組み付け誤差等から芯ずれが生じた場合でも、垂直移動体は、バランスシリンダのピストンに吊られているので、その芯ずれは抵抗がなく吸収される。

この発明が適用される工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法の概略の説明図である。 垂直移動体とバランスシリンダを用いる工作機械を説明図である。 従来の工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法の説明図である。

符号の説明

２０ バランスシリンダ
２１ コラム
２２ ブラケット
２３ ピストン
２４ ピストンロッド
２５、２６ 空気静圧軸受け
２７ エアー配管
２８ 貫通孔
２９ ワイヤ
３０ 垂直移動体

Claims (2)

1. 工作機械の垂直移動体と、前記垂直移動体の自重をキャンセルするためのバランスシリンダとを接続する接続方法において、
   前記バランスシリンダに嵌合されたピストンおよびピストンロッドの軸心に貫通孔を設け、
   前記貫通孔にワイヤを通し、一端を前記垂直移動体に、他端を前記ピストンに取付けた、
   ことを特徴とする工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法。
2. 前記ピストンおよび前記ピストンロッドの摺動部には、空気静圧軸受けを用いることを特徴とする請求項１記載の工作機械の垂直移動体とバランスシリンダの接続方法。

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