JP5082236B2 - 加熱ロール・ベルト型定着装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1>加熱ロールと該加熱ロールに圧接する無端状加圧ベルトとを含んでなる定着システムを有し、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成されるニップ域に静電荷現像用未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱及び圧力によって定着を行う加熱ロール・ベルト型定着装置であって、
前記加圧ベルトの外周面に設けられた表面層が、フッ素ゴム組成物100重量部当たり、フッ素樹脂微粒子を50重量部を超え110重量部以下の範囲で配合したゴム組成物の加硫物よりなり、
前記静電荷現像用未定着トナーが、非結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有することを特徴とする加熱ロール・ベルト型定着装置、
<2>潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
非結晶性ポリエステル樹脂を予め重縮合する工程、
前記ポリエステル樹脂を結着樹脂としてトナーを製造する工程、及び、
前記定着工程を、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する無端状加圧ベルトと、を少なくとも含んでなる定着システムを有し、前記加圧ベルトの外周面に設けられた表面層が、フッ素ゴム組成物100重量部当たり、フッ素樹脂微粒子を50重量部を超え110重量部以下の範囲で配合したゴム組成物の加硫物よりなり、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成されるニップ域に前記トナーにより形成された未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱及び圧力によって定着を行う加熱ロール・ベルト型定着装置により行うことを特徴とする画像形成方法。
<1−1>前記加熱ロールの表面に、前記加圧ベルトを介して付勢される加圧部材が、前記加圧ベルトの周内に配置されてなり、前記加圧部材の前記加圧ベルトとの当接部の形状がパッド状である<1>に記載の加熱ロール・ベルト型定着装置、
<1−2>前記加圧部材の前記加圧ベルトとの当接部ないしその近傍に、ゴム状の弾性部を含んでなる<1>又は<1−1>に記載の加熱ロール・ベルト型定着装置、
<1−3>ニップ時間が、0.03秒以上である<1>、<1−1>又は<1−2>いずれか1つに記載の加熱ロール・ベルト型定着装置。
<2−2>アルキル基で核置換されたベンゼンスルホン酸を重縮合触媒として予め重縮合する<2>又は<2−1>に記載の画像形成方法。
<2−3>トナーが凝集法により製造された<2>、<2−1>又は<2−2>いずれかに記載の画像形成方法。
本発明の第1の側面は、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する無端状加圧ベルトとを含んでなる定着システムを有し、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成されるニップ域に静電荷現像用未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱及び圧力によって定着を行う加熱ロール・ベルト型定着装置であって、前記加圧ベルトの外周面に設けられた表面層が、フッ素ゴム組成物100重量部当たり、フッ素樹脂粒子を50重量部を超え110重量部以下の範囲で配合したゴム組成物の加硫物よりなり、前記静電荷現像用未定着トナーが、非結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有することを特徴とする加熱ロール・ベルト型定着装置に係る。
本発明に使用する定着ベルトは、少なくとも表面層が、フッ素ゴム組成物100重量部当たり、フッ素樹脂粒子を50重量部を超え110重量部以下の範囲で配合したゴム組成物の加硫物よりなることを特徴とする。この定着ベルトは、前記フッ素樹脂微粒子が低分子量四フッ化エチレン樹脂微粒子であることが好ましい。又、この定着ベルトは、前記フッ素樹脂微粒子の体積平均粒径が、0.01〜5μmの範囲にあることが好ましい。
本発明に使用する定着ベルトは、少なくとも表面層がフッ素ゴムを含んでなり、該表面層のコート紙に対する表面静摩擦係数が、0.45以下であることも好ましい。
これらの定着ベルトの詳細は、前記特許文献1に詳細に記載されており、又、後述の実施例にもその一例を開示する。
図1は、本発明の加熱ロール・ベルト型定着装置(以下、単に「定着装置」と略す場合がある。)の一構成例を示す模式断面図である。図1において、定着装置は、加熱ロール1と、加熱ロール1に圧接する加圧ベルト(電子写真用定着エンドレスベルト)2と、を含んでなる定着システムを有し、加熱ロール1と加圧ベルト2と、の間にニップ域が形成されている。
本発明に使用するトナーは、非結晶性ポリエステル樹脂を静電荷像現像トナー用結着樹(本発明において、単に、「結着樹脂」ともいう。)として製造される。この非結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上のジオールと炭素数5以上のジカルボン酸とを単量体混合物(単に「単量体」ともいう。)として重縮合されるものである。また、重縮合には、アルキル基で核置換されたベンゼンスルホン酸を重縮合触媒として使用することが好ましい。この重縮合触媒については後で詳しく説明する。
本発明に使用するトナー用結着樹脂の製造については、原料であるジオールとジカルボン酸との単量体をバルクで重縮合させることもできるが、これらの重縮合単量体を水中で分散した状態で重縮合することもできる。
(非結晶性ポリエステル樹脂及びその製造方法)
非結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上のジオールと炭素数5以上のジカルボン酸とを重縮合して得られるポリエステルであって非結晶性の樹脂である。このポリエステル樹脂は、下記のUnit−Aに示す化学構造を有する繰り返し単位を有することが好ましく、ポリエステル中の全繰り返し単位中の90%以上がこの繰り返し単位であることが好ましい。
また、環状構造を有するジオールも好ましく使用することができる。環状構造には脂環も芳香環も含まれ、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノール、ビフェノール、ナフタレンジオール等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明でより好ましく使用されるジオールは、上記ビスフェノール類のいずれかに少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を付加した化合物である。アルキレンオキサイド基としては、炭素数2〜5のアルキレン基を有する基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド等を例示することができる。アルキレンオキサイドが付加する場合には、ビスフェノール類1モルに付加するアルキレンオキサイドのモル数は1〜3モルが好ましく、1モルがより好ましい。この付加モル数の範囲である場合、製造されるポリエステルの粘弾性やガラス転移温度がトナーとして使用するために適しており、本発明の所期の目的を達成できるためである。
上述のジオールのうち、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、及び、ビスフェノールA−エチレンオキサイド1モル付加物は好適に使用され、上記のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、特にビスフェノールA−エチレンオキサイド1モル付加物は特に好適に使用される。
ジオール以外に3価以上のアルコールも併用することができ、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンを例示することができる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸が例示でき、これらをジカルボン酸に少量併用しても良い。
上記のカルボン酸の代替物として、又は一部併用する化合物として、酸無水物、酸エステル等のカルボン酸誘導体を用いることもできる。
これら多価カルボン酸のうち好ましく用いられる単量体は、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸である。
非結晶性ポリエステルは、常温での高い硬度を有するために流動性が高く、オフセット抑制、低温定着性、画像品質等の面でも、トナーに要求される特性を好適に満たした特性を有する。主に直鎖モノマーより構成される結晶性ポリエステルは、結晶性に起因するシャープメルト性を有し、低温定着性へのメリットは大きいが、粉体流動性や画像強度に劣るという欠点があり、結着樹脂の主成分としての特性は非結晶性ポリエステルがより好ましい。ポリエステルが非結晶性であることは、重縮合したポリエステルの示差熱分析(DSC)により、そのガラス転移温度、融点の有無に基づき判別することができる。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
尚、前記の「結晶性ポリエステル樹脂」に示すような「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。
一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を越える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
従って、「非結晶性ポリエステル」とは完全に非晶性のポリエステルを意味するものではなく、部分的に結晶性のポリエステルを含んでおり、上記の判別方法で非結晶性と判別されるポリエステルをいう。
また、本発明の製造方法により製造された結着樹脂の数平均分子量としては、好ましくは1,000〜10,000、より好適には2,000〜10,000、さらに好適には3,000〜9,000の範囲である。上記範囲であると、粉体の熱に対する安定性の点で好ましい。
重量平均分子量及び数平均分子量は、公知の方法により測定でき、例えば、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)等により測定することができる。
また、本発明の結着樹脂の分子量分布としては、好ましくは1.0〜4.0、より好適には1.0〜3.5の範囲である。上記範囲であると、トナーの定着特性やトナーの製造性にばらつきが少なくなるため好ましい。
本発明において、ポリエステルの重縮合にはスルホン酸基含有化合物(スルホン酸化合物)を使用することが好ましく、特にその構造を限定せずに用いることができる。
スルホン酸化合物としては、硫酸、ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチオン酸、シクロペンタンスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸、スルホ酢酸、β−スルホプロピオン酸、イセチオン酸、3−オキシ−1−プロパンスルホン酸、プロパンサルトン、ブタンサルトン、2−アミノエタンスルホン酸、2−クロルエタンスルホン酸、クロルスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、α−フェニルエタンスルホン酸、β−フェニルエタンスルホン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、クロルスルホン酸アンモニウム、エタンスルホン酸トリエチルアンモニウムなどが挙げられる。
本出願人は、ブレンステッド酸型触媒の能力は、触媒である酸の強度及び触媒中の界面活性能を示す疎水基部のバランスで決定されることを見いだしたことに基づき、上記のスルホン酸化合物を選択したものである。つまり、本出願人は、酸性度が直接的な触媒能力を支配するが、疎水基部もモノマーや生成するオリゴマー、ポリマーとの相溶性に影響を与え、間接的に反応の進行に影響を与えることを見いだした。
式(II)におけるR3は、炭素数8〜20の分岐を有していてもよいアルキル基であり、炭素数10〜20であることが好ましく、また、置換基を有していてもよい。
式(III)におけるR6は、炭素数10〜20の分岐を有していてもよいアルキル基であり、また、置換基を有していてもよい。
また、これらの触媒における炭化水素基R1、R3又はR6の構造は限定されず、直鎖であっても、分岐構造であってもよい。分岐としては、一般にハード型と呼称される櫛型構造や、通常の二叉構造、2つ以上の分岐構造が結合した環構造など、いずれの形状もとることができる。
R1、R3及びR6は、重縮合反応を阻害又は抑制することのない置換基を有していてもよく、該置換基は2つ以上有していてもよい。
ハメット値が0.2以上である場合、その置換基は強い電子求引性を示し、該置換基をベンゼン環に有する触媒の酸性度は向上する。酸性度の向上により、ブレンステッド酸型触媒の触媒能を高めることができる。ハメット値が0.2以上である基としては、置換基効果、重縮合触媒への適性、トナー用結着樹脂への適性を考慮すると、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R4の置換基数pは1〜4の整数を表し、pが1〜4である場合はR2が1〜4つあることを表す。R4が2つ以上ある場合、それぞれ独立にハメット値が0.2以上である基を選ぶことができる。
ベンゼン環上におけるR4の結合位置は、スルホ基を基準とするハメット値が0.2以上である基及び結合位置であれば特に限定されず、スルホ基を1位とした場合に、R3の結合位置を除く2〜6位のいずれの位置であってもよい。
R2又はR5は、ハメット値が0.2未満である基であればよく、これらの中でもハメット値が0以上0.2未満である電子求引性基であることが触媒の反応性の面から好ましい。
また、式(II)において、全てのR5のスルホ基を基準とするハメット値の和が正の値、すなわちR5全体としてスルホ基に対し電子求引性であることが好ましい。
これらの中でも特に好ましくは、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸のそれぞれソフト型(直鎖型)とハード型(櫛型)、o−フルオロ−p−ドデシルベンゼンスルホン酸、m−フルオロ−p−ドデシルベンゼンスルホン酸、o−フルオロ−p−ペンタデシルベンゼンスルホン酸、m−フルオロ−p−ペンタデシルベンゼンスルホン酸、o−フルオロ−p−オクタデシルベンゼンスルホン酸、m−フルオロ−p−オクタデカンベンゼンスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸、オクタデカンスルホン酸が挙げられる。
金属触媒としては以下のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物、希土類金属触媒を挙げることができる。
さらに本発明の結着樹脂は、上述した単量体の単独重合体、上述した単量体を含む単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明に用いることができるラジカル重合性単量体としては、エチレン性不飽和単量体(「ビニル系単量体」ともいう。)、オレフィン系単量体などを好ましく用いることができる。
また、上記ラジカル重合性単量体の中でビニル芳香族系及びカルボン酸エステル類が好ましく使用される。
ジオレフィン系単量体、特に共役ジエン系単量体の併用も好ましく、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンを例示することができる。
本発明の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液(以下、単に「樹脂粒子分散液」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂を含む樹脂粒子が分散媒、好ましくは水系媒体に分散している樹脂粒子分散液であって、前記結着樹脂が、上記の非結晶性ポリエステルを含むものである。
上記の樹脂粒子分散液のメジアン径(中心径)は0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法としては、例えば、水系媒体中に前記結着樹脂含有物を分散し樹脂粒子分散液を得る分散工程を含む方法等が挙げられる。
前記分散工程では、分散効率の上昇や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤の存在下に分散を行うことが好ましい。
本発明の結着樹脂を水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、上述したように結着樹脂の製造を行う際に、水系媒体中で懸抱重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法などの方法が挙げられる。
また、本発明の結着樹脂の製造方法及び樹脂粒子分散液の製造方法において、水系媒体中で乳化重縮合を行う場合、好ましい乳化温度は、省エネルギー性、ポリマーの生成速度及び生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、低いほうが望ましいが、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは80〜130℃である。乳化温度が150℃以下であると、必要とするエネルギーが過大とならず、高熱により樹脂の分解に起因する分子量の低下が起こらないため好ましい。また、40℃以上であると樹脂粘度が適度であり微粒子化が容易であるため好ましい。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術(シーエムシー出版)」に記載されている。自己乳化に用いる極性基としては、カルボキシル基、スルホン基等が有効であり、上述の非結晶性ポリエステル樹脂に適用する場合、カルボキシル基が好ましく用いられる。
例えば、結着樹脂含有物を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化するのが好ましい。固形化の具体的方法としては、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、更には、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し例えば皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶剤を行うのが好ましい。
本発明の静電荷像現像粉砕トナー(以下、「粉砕トナー」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂を含む粉砕トナーであって、前記結着樹脂が、上記の非結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
混練粉砕法により粉砕トナーを製造する場合は、上記のように製造した非晶性ポリエステル樹脂を予め他のトナー原材料と、溶融混練前に、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等で攪拌混合することが好ましい。このとき、撹拌機容量、撹拌機の回転速度、撹拌時間等の諸条件を組み合わせて最適に選択することが好ましい。
次いで、非晶性ポリエステル樹脂と他のトナー原材料との撹拌物は、公知の方法により溶融状態での混練を行う。一軸又は多軸押出し機による混練が、分散性が向上するため好ましい。このとき混練装置のニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度、混練速度等を全て適切な値に設定し、制御する必要がある。混練時の各制御因子のうち、混練状態に特に大きな影響を与えるのは、混練機の回転数と、ニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度である。一般に、回転数は300〜1,000rpmが望ましく、ニーディングスクリュウゾーン数は1段よりも2段スクリュウ等多段ゾーンを用いたほうがよりよく混練される。シリンダー設定温度は、結着樹脂の主成分となる非結晶性ポリエステルである場合、非結晶性ポリエステルの軟化温度より決定し、通常軟化温度よりも−20〜+100度程度が好ましい。上記範囲であると、充分な混練分散が得られ、凝集が起こりにくく、混練シェアが掛かり、充分な分散及び混練後の冷却が容易にできるため好ましい。
溶融混練された混練物は十分に冷却した後、ボールミル、サンドミル、ハンマーミル等の機械的粉砕方法、気流式粉砕方法等の公知の方法で粉砕する。常法での冷却が充分できない場合は、冷却又は凍結粉砕法も選択できる。
一方、近年の高画質要求に伴い、トナーの小径化、低エネルギー製法対応技術として、トナーの化学的製法も多く採用されている。本発明のポリエステルを用いるトナーの化学製法としては、汎用の製法を用いることができるが、凝集合一法(「凝集法」と同義である。)が好ましい。凝集合一法とは、水に結着樹脂を分散させたラテックスを作製し、他のトナー原材料とともに会合させる既知の凝集法である。
本発明の静電荷像現像トナー(単に「トナー」ともいう。)の製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(以下、「凝集工程」ともいう。)、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程(以下、「融合工程」ともいう。)を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が上記の非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液であることを特徴とする。
また、例えば、凝集工程において、非結晶性ポリエステル樹脂粒子を含む分散液、着色剤粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子形成後、さらに非結晶性ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子分散液又は別の樹脂粒子分散液を添加して第一の粒子を芯としてシェル層を形成することも可能である。この例示においては着色剤分散液を別に調整しているが当然、樹脂粒子に予め着色剤が配合されても良い。
体積GSDv=(体積D84/体積D16)0.5
GSDvが1.4以下であると、粒子径が均一で、定着性に優れ、定着不良に起因する装置故障が起こりにくく好ましく、また、トナーの飛散による機内汚染や現像剤の劣化なども起こりにくいため好ましい。平均体積粒子分布GSDはレーザー回折式粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
本発明の静電荷像現像粉砕トナー及び静電荷像現像トナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
一成分系現像剤として、現像スリーブ又は帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する方法も適用できる。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
また、本発明の静電荷像現像粉砕トナー、静電荷像現像トナー及び静電荷像現像剤は、前記の加熱ロール・ベルト型定着装置を含む静電荷像現像装置を使用した画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、非結晶性ポリエステル樹脂を予め重縮合する工程、前記ポリエステル樹脂を結着樹脂としてトナーを製造する工程、及び、前記定着工程を、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する無端状加圧ベルトと、を少なくとも含んでなる定着システムを有し、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成されるニップ域に前記トナーにより形成された未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱及び圧力によって定着を行う加熱ロール・ベルト型定着装置により行う定着工程であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤を供給しても良いが、必須ではない。
・加熱ロール・ベルト型定着装置、
・非結晶性ポリエステル結着樹脂の製造、
・凝集法によるトナーの製造、及び、
・記録物及び定着時の諸特性評価方法、の4つに大きく分けて説明する。
加熱ロール・ベルト型定着装置を備えた画像形成装置を以下のように製作した。離型剤塗布装置は使用しない装置とした。
フッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム(ポリオール加硫タイプG−702、ダイキン工業社製)95重量部に対して、ゴム用配合剤(酸化マグネシウム、協和化学工業社製)を5重量部配合したものを用いた。フッ素ゴム組成物には、フッ素樹脂微粒子(PTFE粒子)として、ルブロンL−5F(ダイキン工業製)を配合した。
上記したゴム組成物を用いた電子写真用定着エンドレスベルトを作製し、これを用いて、図1に示す構成を有する加熱ロール・ベルト型定着装置を作製した。次に、予め定着装置を取り外した画像形成装置(Color Docutech60、富士ゼロックス株式会社製)を用いて、以下に説明するトナーを使用した未定着トナー像4がその表面に形成されたコート紙を準備し、このコート紙を用いて前記定着装置により定着処理を行った。
1)コート紙を定着して得られた記録物の諸特性評価方法
(用紙の伸び)紙送り方向と用紙の長手方向とが平行になるよ うに定着処理後の両面コート紙(Color Xpression Gloss Coated Text、坪量120g/m2)の、紙送り方向(長手方向)の用紙の伸び量を測定した。尚、この用紙の伸び量が2mm以上である場合を、実用上問題となるレベルであると判断した。
具体的には両面コート紙(Color Xpression Gloss Coated Text、坪量120g/m2)の、紙送り方向から1cmの部分に5cm×5cmのベタ画像(トナー載り量、0.4mg/cm2)を120℃の定着温度で出力した画像の、定着ロールの2回転目に相当する部分の離型剤跡を目視で確認した。
(ジカルボン酸)
CHDA=1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
PDAA=1,4−フェニレンジ酢酸
PDPA=1,4−フェニレンジプロパン酸
PDA=1,4−フェニレンジカルボン酸
(ジオール)
BisA1EO=ビスフェノールA 1エチレンオキサイド付加物
BisA2EO=ビスフェノールA 2エチレンオキサイド付加物
DBSA=ドデシルベンゼンスルホン酸
p−TSA=p−トルエンスルホン酸
PDBSA(直鎖型)=n−ペンタデシルベンゼンスルホン酸
DSA=ドデカンスルホン酸
フッ化DBSA=3−フルオロ−4−ドデシルベンゼンスルホン酸
CHDA 17.5重量部
BisA1EO 31.0重量部
DBSA 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で24時間重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。少量のサンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 15,600
GPCによる数平均分子量 5,720
ガラス転移温度(オンセット) 57℃
尚、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を用いた。
ポリエステルのガラス転移温度Tgの測定には、示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)を用いた。
PDAA 19.5重量部
BisA2EO 12.0重量部(30mol%)
BisA1EO 22.0重量部(70mol%)
DBSA 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で24時間重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 17,300
GPCによる数平均分子量 6,180
ガラス転移温度(オンセット) 42℃
PDPA 22.2重量部
BisA1PO 34.4重量部
p−TSA 0.07重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で24時間重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 11,000
GPCによる数平均分子量 3,680
ガラス転移温度(オンセット) 39℃
ビスフェノールA−エチレンオキサイド1mol付加物 31.5重量部
シクロヘキサンジカルボン酸 17.0重量部
n−ペンタデシルベンゼンスルホン酸 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターにを投入し、120℃で24時間大気圧下で重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 13,800
GPCによる数平均分子量 6,150
分子量分布 2.2
ガラス転移温度(オンセット) 52℃
ビスフェノールA−エチレンオキサイド1mol付加物 31.5重量部
1,4−フェニレンジカルボン酸 19.5重量部
n−ドデカンスルホン酸 0.1重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターにを投入し、120℃で24時間大気圧下で重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 14,300
GPCによる数平均分子量 6,200
分子量分布 2.3
ガラス転移温度(オンセット) 53℃
ビスフェノールA−エチレンオキサイド1mol付加物 31.5重量部
1,4−フェニレンジプロパノイック酸 22.0重量部
p−フッ化ドデシルベンゼンスルホン酸 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターにを投入し、120℃で24時間大気圧下で重縮合を実施したところ均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 19,300
GPCによる数平均分子量 8,040
分子量分布 2.4
ガラス転移温度(オンセット) 51℃
上記樹脂1を撹拌機及び冷却管に付いた三口フラスコに投入し、95℃に保ちながら1N、NaOHを徐々に添加しながら撹拌を続けた。NaOH水溶液を総量で50重量部投入すると、樹脂はスラリー状を呈した。イオン交換水180重量部を85℃に調整したフラスコ中に本スラリー投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で10分間乳化した後、さらに超音波バス中にて、10分乳化し、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が420nmのポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。
ポリエチレンワックス 30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 3重量部
イオン交換水 67重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤粒子分散液(W1)を調整した。得られた分散液中の離型剤粒子の個数平均粒子径D50nは460nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整した。
シアン顔料(大日精化工業社製、C.I.Pigment Blue 15:3) 20重量部
アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2重量部
イオン交換水 78重量部
上記配合に従って、成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分間と超音波バスにより10分間分散し、シアン顔料分散液(C1)を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後、イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
スチレン 460重量部
n−ブチルアクリレート 140重量部
アクリル酸 12重量部
ドデカンチオール 9重量部
前記成分を混合溶解して溶液を調製した。
他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した(単量体乳化液A)。
さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)1重量部を555重量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。
重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウォーターバスで加熱し、保持した。
過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。
その後、ゆっくりと撹拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了する。
これにより樹脂粒子のメジアン径が340nm、ガラス転移点が53.0℃、重量平均分子量が32,000、固形分量が42%のアニオン性樹脂粒子分散液Aを得た。
<シアントナー(トナーC1)の作製>
樹脂粒子分散液(1) 120重量部
樹脂粒子分散液A 40重量部
離型剤粒子分散液(W1) 33重量部
シアン顔料分散液(C1) 60重量部
ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液 15重量部
(浅田化学社製、PAC100W)
1%硝酸水溶液 3重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した撹拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が撹拌される最低の回転数に適宜調節して撹拌しながら62℃まで1℃/1minで加熱し、62℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(ベックマン-コールター社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂粒子分散液(A)を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。この後系内を50℃まで降温、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間撹拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してシアントナー(トナーC1)を得た。
トナーの累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDvはレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)、また形状係数はルーゼックスによる形状観察でそれぞれ求めた。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液を(2)に代えた以外は同様の方法でシアン着色粒子を得た。作製したトナーの測定の結果、累積体積平均粒径D50は5.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23、形状係数は132であった。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液を(3)に代えた以外は同様の方法でシアン着色粒子を得た。作製したトナーの測定の結果、累積体積平均粒径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24、形状係数は120であった。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液を(4)に代えた以外は同様の方法でシアン着色粒子を得た。作製したトナーの測定の結果、累積体積平均粒径D50は6.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23、形状係数は123であった。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液を(5)に代えた以外は同様の方法でシアン着色粒子を得た。作製したトナーの測定の結果、累積体積平均粒径D50は6.0μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24、形状係数は125であった。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液を(6)に代えた以外は同様の方法でシアン着色粒子を得た。作製したトナーの測定の結果、累積体積平均粒径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.23、形状係数は128であった。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
樹脂粒子分散液(1)120重量部を樹脂粒子分散液A 91重量部に変更し、ポリエステル樹脂を用いなかった以外はトナーC1と同様にして比較例用のトナーを作製した。
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト微粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
上述のように作製した各トナー4重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部に混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示す評価において現像剤として使用した。
上記のように作製した樹脂1を用いて粉砕トナーを作製した。
樹脂4 85重量部
脂肪族炭化水素−芳香族炭化水素共重合石油樹脂(C5系石油留分(イソプレン)/C5系石油留分(ピペリレン)/イソプロペニルトルエン=モノマー重量比(1.5/1.5/97)) 10重量部
カーボンブラック(BPL、キャボット社製) 6重量部
ポリプロピレンワックス(P200、三井化学社製) 4重量部
ポリエチレンワックス(PE130、クラリアントジャパン社製) 1重量部
上記成分の混合物をバンバリーミキサーによって5分間溶融混練し、その後、圧延/冷却し、ハンマーミルで粗粉砕後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機で分級して、体積平均粒径9.0μmのトナー母体粒子を得た。このトナー母体粒子100重量部に対して、酸化チタン1.0重量部と疎水性シリカ0.3重量部をヘンシェルミキサーによって混合し、ブラックトナーを得た。また、このトナー6重量部と、フェライトコアにスチレン−アクリル樹脂2%をコーティングした粒径50μmのキャリア100重量部とを混合して現像剤を得た。
1a 金属製中空ロール
1b 耐熱弾性体層
1c 離型層
1d 加熱源
2 加圧ベルト(電子写真定着用エンドレスベルト)
2a 基材
2b 耐熱弾性体層
2c 離型層
2d 加熱源
3 記録シート(支持体)
4 未定着トナー像
6 クリーニング装置
7 外部加熱装置
8 剥離爪
9 温度センサー
10 支持ロール
11 加圧ロール
12 加圧パッド
Claims (9)
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
非結晶性ポリエステル樹脂を予め重縮合する工程、
前記ポリエステル樹脂を結着樹脂としてトナーを製造する工程、及び、
前記定着工程を、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する無端状加圧ベルトと、を含んでなる定着システムを有し、前記加圧ベルトの外周面に設けられた表面層が、フッ素ゴム組成物100重量部当たり、フッ素樹脂粒子を50重量部を超え110重量部以下の範囲で配合したゴム組成物の加硫物よりなり、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成されるニップ域に前記トナーにより形成された未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱及び圧力によって定着を行う加熱ロール・ベルト型定着装置により行い、
前記非結晶性ポリエステル樹脂は、下記のUnit−Aに示す化学構造を有する繰り返し単位を、非結晶性ポリエステル樹脂中の全繰り返し単位中の90%以上含有する、
ことを特徴とする
画像形成方法。 - 前記ジオールが、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド1モル付加物である、請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記ジカルボン酸が、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、及び、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、よりなる群から選ばれた、請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 前記非結晶性ポリエステルが、ジオールとして、炭素数が4〜12の分子末端に水酸基を有するアルキレンジオール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド1モル付加物よりなる群から選ばれ、かつ、ジカルボン酸として、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸よりなる群から選ばれた単量体の当モルを重縮合して得られる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が、8,000〜30,000の範囲である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- 前記加熱ロールの表面に、前記加圧ベルトを介して付勢される加圧部材が、前記加圧ベルトの周内に配置されてなり、前記加圧部材の前記加圧ベルトとの当接部の形状がパッド状である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- 前記加圧ロールと前記加圧ベルトとの当接部ないしその近傍に、ゴム状の弾性部を含んでなる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- ニップ時間が、0.03秒以上である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- 前記トナーが凝集法により製造された、請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成方法。
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