JP5081683B2 - カーボンナノチューブ成長用基板及びその製造方法、並びにカーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ成長用基板及びその製造方法、並びにカーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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本発明は、カーボンナノチューブ成長用基板及びその製造方法、並びにカーボンナノチューブの製造方法に関する。
近年、半導体の微細化に伴って、金属配線としてCuやWを用いた場合の抵抗の増加や電流密度の低さが問題となっているため、低抵抗で電流密度が高いカーボンナノチューブが配線材料として注目されている。カーボンナノチューブを配線として用いるためには、カーボンナノチューブを基板に対して垂直に成長させるのではなく、基板に対して水平に成長させることが必要である。このようなカーボンナノチューブの水平成長方法として、基板上に所定の触媒パターンを形成させる段階と、基板上にカーボンナノチューブの垂直成長を抑制する層を形成する段階と、基板及び垂直成長を抑制する層に開口部を形成して、触媒パターンを露出させる段階、及び露出された触媒パターン位置でカーボンナノチューブを合成して水平成長させる段階を備えたカーボンナノチューブの水平成長方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002―118248号公報(請求項1、段落0034)
しかしながら、かかる方法を実施すると、カーボンナノチューブが、露出された触媒パターン位置だけでなく露出されていない触媒パターン位置からも成長してしまったり、また、触媒パターンが膨張したりして、膜はがれの原因となるという問題がある。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、カーボンナノチューブを成長させた場合に膜はがれが生じないカーボンナノチューブ成長用基板及びその製造方法を提供し、さらにまた、膜はがれが生じずにカーボンナノチューブを成長させることができるカーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
本発明のカーボンナノチューブ成長用基板は、基板上に、触媒金属をカーボンナノチューブ成長時の成長条件により変化しない基材とからなる触媒含有層、及び触媒金属を含有しない非触媒層をこの順で積層した積層構造パターンが形成されており、前記積層構造パターンの側面に前記触媒含有層の前記触媒金属が露出していることを特徴とする。
本発明においては、カーボンナノチューブ成長時の成長条件により変化しない基材と触媒金属とからなる触媒含有層を設けていることから、カーボンナノチューブ成長時の膜はがれを防止できる。つまり、従来の膜はがれの原因は、カーボンナノチューブ成長時の炭素含有ガスが、触媒金属が連続してなる触媒金属膜中を拡散して、触媒層深部まで到達したことによる。従って、本発明においては、従来のような触媒金属が連続してなる膜を形成するのではなく、基材と触媒金属とからなる触媒含有層を形成、即ち、触媒金属を基材中で分散させた状態とし、膜のような連続した状態とはならないようにすることで、炭素含有ガスが触媒含有層深部まで到達できないようにしている。これにより、膜はがれを防止することができる。
前記触媒金属が、前記触媒含有層に対して10〜60%の割合で含有されていることが好ましい。触媒金属がこの割合の範囲で含有されていることで、カーボンナノチューブ成長時に膜はがれなくカーボンナノチューブを成長させることができる。
前記触媒含有層の厚さが、10nm以下であることが好ましい。10nm以下であることで、触媒含有層の露出部に露出した触媒金属が多すぎず、触媒金属から成長したカーボンナノチューブが絡み合うことを防止できる。
前記カーボンナノチューブ成長用基板の好適な実施としては、前記基材及び前記非触媒層の材料が、TiN、AlN、SiO、TiO、アルミナ、ゼオライト、クロム及びモリブデンから選ばれた少なくとも1種からなることが挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブ成長用基板の製造方法は、基板上に、触媒金属からなる第1スパッタリングターゲット及びカーボンナノチューブ成長時の成長条件により変化しない基材材料からなる第2スパッタリングターゲットを用いた二元スパッタリング法により、触媒金属及び基材からなる触媒含有膜を形成し、その後、前記触媒含有膜上に触媒金属を含有しない非触媒膜を形成した後に、これらを加工して、触媒含有層及び非触媒層からなり、かつ前記触媒金属がその側面に露出する積層構造パターンを形成することを特徴とする。本製造方法によれば、二元スパッタリング法により触媒金属及び基材からなる触媒含有層を簡易に形成でき、この触媒含有層を備えることでカーボンナノチューブ成長時の膜はがれを防止できるカーボンナノチューブ成長用基板を簡易に製造することができる。
この場合、前記基板上に、レジストパターンを設け、次いでレジストパターンを含む全面に、前記二元スパッタリング法により前記触媒金属及び基材からなる前記触媒含有膜を形成し、その後、前記触媒含有膜上に触媒金属を含有しない前記非触媒膜を形成した後に、前記レジストパターンをリフトオフして、前記積層構造パターンを形成することが好ましい。リフトオフにより積層構造パターンを形成することで、触媒金属が露出する積層構造パターンを簡易に形成できる。
前記二元スパッタリング法により、前記触媒金属及び前記基材からなる前記触媒含有膜を形成後、前記第1スパッタリングターゲットのスパッタリングのみを停止して、前記第2スパッタリングターゲットのスパッタリングを続けることにより基材材料からなる基材膜を形成し、この基材膜を前記非触媒膜として、前記基材と前記非触媒層とを同一の材料で構成することが好ましい。これにより、より簡易にカーボンナノチューブ成長用基板を製造できる。
前記二元スパッタリング法において、前記触媒金属のスパッタリングにおける成膜速度と前記基材のスパッタリングにおける成膜速度との比が、1:9〜6:4であることが好ましい。この成膜速度比の範囲であれば、好ましい範囲で触媒金属が混合されたカーボンナノチューブ成長用基板を製造することができる。なお、ここでいう成膜速度とは、一般的に基板上に成膜する場合の成膜速度であり、このような成膜速度となる条件で二元スパッタリング法を行うことを意味し、本発明においては、触媒金属が膜状とはならないことはもちろんである。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法は、基板上に、レジストパターンを設け、次いでレジストパターンを含む全面に、触媒金属からなる第1スパッタリングターゲット及び基材材料からなる第2スパッタリングターゲットを用いた二元スパッタリング法により、触媒金属及び基材からなる触媒含有膜を形成し、その後、触媒含有膜上に触媒金属を含有しない非触媒膜を形成した後に、前記レジストパターンをリフトオフして、前記基板表面に、触媒含有層及び非触媒層からなり、前記触媒金属がその側面に露出する積層構造パターンを形成し、次いで、炭素含有ガスを側面に露出した前記触媒金属に接触させて当該触媒金属からカーボンナノチューブを成長させることを特徴とする。かかる製造方法で製造されたカーボンナノチューブは、基板に対して水平に成長でき、かつ、膜はがれが生じない。
本発明のカーボンナノチューブ成長用基板及びその製造方法によれば、カーボンナノチューブ成長時の膜はがれを防止できるという優れた効果を奏する。また、本発明のカーボンナノチューブの製造方法によれば、基板上の膜はがれなくカーボンナノチューブを製造することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を図1を参照して説明する。図1は、カーボンナノチューブ成長用基板の構造を示す模式的断面図である。
図1(a)に示すように、カーボンナノチューブ成長用基板1は、母基板11を有する。母基板11としては、シリコン、石英、サファイヤ、アルミナなどを用いることができ、本実施形態においては面方位が(100)であるシリコン基板を用いている。この母基板11の表面には、母基板11を構成するシリコンとカーボンナノチューブ成長に用いる触媒との反応を防止するための反応防止層12(ここでは一例としてSiO膜としている)が形成されている。なお、本実施形態では母基板11がシリコンであるため反応防止層12を設けたが、母基板11が触媒金属とは反応しない材料からなるものであれば、反応防止層12を設けなくてもよい。
反応防止層12上の一部には、積層構造パターン(以下、単に積層構造という)13が形成されている。積層構造13は、触媒金属14がほぼ均一に基材15に含有されてなる触媒含有層16及び触媒を含有していない非触媒層17がこの順で積層されてなる。この積層構造13の側面に触媒含有層16が露出しており、この触媒含有層16の露出面18には触媒金属14が露出している。
触媒金属14は、カーボンナノチューブを成長させることができる触媒金属、つまり、鉄、ニッケル、コバルトから選ばれた少なくとも1種からなる触媒金属である。ここで、触媒金属は2nm程度の粒子状であることが好ましい。
触媒含有層の基材15は、炭素や炭化水素等のカーボンナノチューブの成長において変質しない物質からなる。このような物質としては、例えば、セラミック系(TiN、AlN等)、酸化物系(SiO、TiO、アルミナ、ゼオライト等)、金属系(クロム、モリブデン)等が挙げられるが、本実施形態においては、膜の形成方法及び加工方法において柔軟性が高いという点を考慮してSiOを用いている。
本実施形態では、触媒金属のみからなる触媒層を設けるのではなく、触媒金属14を基材15に含有させてなる触媒含有層16を設けることで、非触媒層17の膜はがれが生じることを抑制している。これは、以下のようなことによる。即ち、従来のように、触媒金属のみからなる膜状の触媒層を設けた場合には、触媒層の露出面から触媒層の深部まで、カーボンナノチューブ成長時に用いる炭素含有ガスが拡散して、露出面以外の場所からもカーボンナノチューブが成長したり、触媒層が膨張したりして、非触媒層のはがれが生じていた。つまり、従来では膜状に触媒層が形成されていたことが膜はがれの原因であった。そこで、本実施形態においては、触媒含有層16は触媒金属14と基材15とからなるように構成し、触媒金属14は基材15中に均一に分散された状態で、互いに接合して膜状にはならないので、炭素含有ガスが触媒金属を介して触媒含有層深部まで拡散できない。つまり、本実施形態では、炭素含有ガスは、露出面18において露出している触媒金属14にのみ接触し、触媒含有層16の深部まで拡散されない。従って、本実施形態では、触媒金属14を基材15に含有させてなる触媒含有層16を設けることだけで、簡易に非触媒層17の膜はがれを防止できる。
上記したように、効率よく膜はがれを防止しつつ、かつ、効果的にカーボンナノチューブを成長させるためには、触媒金属14は、触媒含有層16に対して、10〜60%の割合で含有され、好ましくは、30〜50%含有されていることである。つまり、触媒金属14:基材15の含有比が、1:9〜6:4、好ましくは3:7〜5:5となることである。60%を超えると、触媒金属14が触媒含有層16内に均一に分散された状態で存在できず、膜状になってしまう部分が生じやすく、カーボンナノチューブ成長時に用いる炭素含有ガスが触媒含有層16内に拡散して、触媒含有層16が膨張したり、露出面以外の場所からもカーボンナノチューブが成長したりしてしまい、膜はがれが生じてしまう。他方で、10%未満であると、触媒金属14が露出面に露出しない場合があり、カーボンナノチューブを成長させることができない。また、触媒含有層16の厚さは、10nm以下が好ましい。膜厚が厚すぎると、露出面18に触媒金属14が多く露出しすぎてカーボンナノチューブ同士が絡まってしまうおそれがあるからである。
非触媒層17は、カーボンナノチューブ成長時の条件で変質しないもの、例えばSiOからなる。非触媒層17を設けることで、触媒含有層16の上面からのカーボンナノチューブの成長を防止して、基板に対して水平方向にカーボンナノチューブを成長させることができる。ここで、基材15と非触媒層17とを同じ材料としてもよい。
このようなカーボンナノチューブ成長用基板1を用いて、後述する所定の条件で化学気相成長法(例えば熱CVD法)によりカーボンナノチューブを成長させると、図1(b)に示すように、カーボンナノチューブ19は、膜はがれを生じさせずに、露出面18に露出した触媒金属14から成長することができる。
カーボンナノチューブ成長用基板の製造方法及びカーボンナノチューブの成長方法について、図2を用いて以下説明する。図2は、カーボンナノチューブ成長用基板の製造方法及び得られたカーボンナノチューブ成長用基板を用いたカーボンナノチューブの成長方法の工程を示す模式的断面図である。
図2(a)に示すように、初めにシリコンからなる母基板11の対象面にスパッタリング法により酸化膜(SiO膜)21を形成し、反応防止層12とする。なお、予め熱酸化による酸化膜21が形成されている母基板11を用いてもよい。
次いで、図2(b)に示すように、レジスト膜を形成した後、リソグラフィー法によってラインアンドスペースのレジストパターン22を形成する。なお、リソグラフィー法としては、フォトリソグラフィー法、エレクトロンビームリソグラフィー法などが挙げられる。
このレジストパターン22を含めた対象面全面に対して二元スパッタリング法により、触媒含有膜23を形成する。即ち、触媒金属14(例としてここではコバルトとする)からなる第1スパッタリングターゲットと、基材15の原材料(例としてここではSiOとする)からなる第2スパッタリングターゲットとを同時にスパッタリングすることで、図2(c)に示すように、触媒金属14と基材15とからなる触媒含有膜23を形成する。この場合に、各ターゲットのスパッタリングにおける成膜速度を調整することで、触媒金属14が、触媒含有層16に対し10〜60%、好ましくは30〜50%の割合で基材15中に均一に分散されることが可能である。このような成膜を可能とするには、前記触媒金属14のスパッタリングにおける成膜速度と前記基材15のスパッタリングにおける成膜速度との比が、1:9〜6:4であり、好ましくは、3:7〜5:5である。本実施形態においては、二元スパッタリング法における成膜速度を好適な範囲にすることで、簡易に所望の触媒含有膜23を形成することができる。
次いで、図2(d)に示すように、触媒含有膜23上に、非触媒膜24を形成する。非触媒膜24の形成方法としては通常用いられる成膜方法、例えばスパッタリング法やCVD法等を用いることができる。ここで、基材15の材料と非触媒層17の材料とを同一とする場合には、非触媒膜24を形成する際に、第1スパッタリングターゲットによるスパッタリングを停止して、第2スパッタリングターゲットによるスパッタリングを続ければよい。
その後、図2(e)に示すように、レジストパターン22をリフトオフして、触媒含有層16及び非触媒層17からなる積層構造13とする。このようにリフトオフした場合には、積層構造13の側面での触媒含有層16の露出面18に触媒金属14が露出している。また、この積層構造13を形成するためには、上述したようにリフトオフを用いることが好ましい。例えば、レジストパターン22を形成せずに、触媒含有膜23上に非触媒膜24を形成した後にエッチングにより積層構造13を形成しようとすると、触媒含有層16が露出しない場合も考えられるからである。このようにしてカーボンナノチューブ成長用基板1を作製することができる。
最後に、図2(f)に示すように、得られたカーボンナノチューブ成長用基板1に対し、熱CVD法によりカーボンナノチューブ19を成長させる。熱CVD法の条件としては、例えば、炭素含有ガス:Nによりエタノールをバブリングさせてなるエタノール蒸気をN500〜2000sccmでCVD装置内に導入したエタノールガス、圧力:大気圧、温度:750〜850℃である。これにより、膜はがれなくカーボンナノチューブは露出された触媒金属14から成長し、基板と水平方向に成長する。なお、炭素含有ガスとしては、エタノールガス以外にも、例えばCOガスやCHガスなどを用いてもよい。
このようなカーボンナノチューブ成長用基板1を用いることで、カーボンナノチューブ19を基板と水平方向に成長させることができるので、例えば、図3に示すようなカーボンナノチューブが配線として電極間に架橋してなるトランジスタ素子を作製することができる。図3は、本発明のカーボンナノチューブ成長用基板を用いたトランジスタ素子の(a)断面図、及び(b)上面図である。
図3に示すトランジスタ素子3は、図1(a)に示すカーボンナノチューブ成長用基板1を用いたバックゲート型のトランジスタ素子であり、母基板11の対象面とは逆の面にバックゲート電極31が形成されている。また、母基板11の対象面には、反応防止層12としての絶縁膜が設けられている。絶縁膜上には、2つの積層構造13が離間して形成され、それぞれを覆ってソース電極32及びドレイン電極33が形成されている。そして、対向する積層構造13間で積層構造13の触媒金属14から成長したカーボンナノチューブ19が接合して、電極間を架橋する配線となっている。積層構造13の基材15としては金属(特に好ましくはTi)を、触媒金属14としてはCoを、さらに非触媒層17としては金属(特に好ましくはTi)を用いている。このように基材15及び非触媒層17として金属を用いれば、カーボンナノチューブ19に電圧を印加することが可能である。かかるトランジスタ素子3は、母基板11に対して水平にカーボンナノチューブ19が成長しているので製造しやすい。
本実施例では、カーボンナノチューブ成長用基板1を作製し、カーボンナノチューブ19を成長させた。
初めに、予め反応防止層12である酸化膜21が形成されている母基板11に対して、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によってラインアンドスペースのレジストパターン22を形成した。次いで、このレジストパターン22を含めた対象面の全面に対して、コバルトとSiOの二元スパッタリング法を行って、触媒含有膜23を形成した。この時の二元スパッタリング法の条件は、スパッタガス:Ar、成膜室内圧力:0.5Pa、コバルトターゲット(φ75mm):RF電力150W、成膜速度1nm/分、SiOターゲット(φ75mm):RF電力300W、成膜速度0.7nm/分であり、四分間の成膜により得られた膜の厚さは6.6nm、触媒金属14は非触媒層17に対して約60%含有されていた。
次いで、コバルトのスパッタリングを停止して、SiOのスパッタリングのみを続けて、非触媒膜24を形成した。その後、レジストパターン22をリフトオフして、触媒含有層16及び非触媒層17からなる積層構造13とした。このようにしてカーボンナノチューブ成長用基板1を作製した。
得られた基板をCVD装置内に載置して、熱CVD法によりカーボンナノチューブを成長させた。熱CVD法の条件は、ガス:Nによりエタノールをバブリングさせてなるエタノール蒸気をN:1000sccmでCVD装置内に導入、圧力:大気圧、温度:800℃、成長時間:20分であった。結果を図4に示す。図4は、得られた基板の上面SEM写真である。図4に示すように、カーボンナノチューブは、積層構造13から基板に対して水平方向に成長し、膜はがれは確認されなかった。
(比較例1)
本比較例では、触媒含有層を触媒金属のみで作製した点以外は全て実施例1と同様にカーボンナノチューブ成長用基板を作製し、このカーボンナノチューブ成長用基板にカーボンナノチューブを成長させた。
初めに、予め熱酸化膜が形成されている母基板に対して、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によってラインアンドスペースのレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンを含めた対象面の全面に対して、コバルトターゲットを用いたスパッタリング法により、触媒膜を厚さ0.5nmで形成した。次いで、コバルトのスパッタリングを停止して、SiOターゲットを用いたスパッタリング法により、非触媒膜を厚さ50nmで形成した。その後、レジストパターンをリフトオフして、触媒層及び非触媒層からなる積層構造とした。得られた積層構造の側面において、触媒層が露出していた。このようにして得られたカーボンナノチューブ成長用基板に実施例1と同一の条件で熱CVD法を行った。その結果、非触媒層が母基板から全てはがれてしまった。これは、触媒層に熱CVD法で用いられた炭素含有ガスが拡散されて触媒層が膨張したことによるものと考えられる。
本実施例では、触媒金属14を触媒含有層16に対して70%の割合で含有されるように作製した点以外は全て実施例1と同様にカーボンナノチューブ成長用基板1を作製し、このカーボンナノチューブ成長用基板1にカーボンナノチューブ19を成長させた。
初めに、予め熱酸化膜が形成されている母基板に対して、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によってラインアンドスペースのレジストパターン22を形成した。次いで、このレジストパターン22を含めた対象面の全面に対して、二元スパッタリング法により、以下の条件で触媒含有膜23を形成した。即ち、スパッタガス:Ar、成膜室内圧力:0.5Pa、コバルトターゲット(φ75mm):RF電力150W、成膜速度1.5nm/分、SiOターゲット(φ75mm):RF電力300W、成膜速度0.65nm/分であり、三分間の成膜により得られた膜の厚さは6.5nm、触媒金属14は非触媒層17に対して約70%含有されていた。次いで、Coのスパッタリングを停止して、SiOのスパッタリングのみを続けて行って、非触媒膜24を形成した。その後、レジストパターンをリフトオフして、触媒含有層16及び非触媒層17からなる積層構造13とした。得られた積層構造13の側面において、触媒含有層16の露出面18に触媒金属14が露出していた。このようにして得られたカーボンナノチューブ成長用基板1に実施例1と同一の条件で熱CVD法を行った。結果を図5に示す。図5は、得られた基板の断面SEM写真である。基材15が触媒含有層16内に混合されているため、比較例1のように非触媒層17が完全に剥がれることはなかったが、側面から数μmのところまでカーボンナノチューブ19が成長して一部膜はがれが生じるものもあった。これは、触媒金属14が多すぎて側面近くで膜状となってしまい、この膜状となった触媒金属14を介して側面から数μmまで炭素含有ガスが拡散したからと考えられる。従って、本実施例では、比較例1よりはよい結果を得ることができたが、触媒金属14は触媒含有層16に対して70%未満であることが好ましいことが分かった。
本実施例では、触媒含有層16の厚さを12nmとした点以外は全て実施例1と同様にカーボンナノチューブ成長用基板1を作製し、このカーボンナノチューブ成長用基板1にカーボンナノチューブ19を成長させた。
初めに、予め熱酸化膜が形成されている母基板11に対して、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィー法によってラインアンドスペースのレジストパターン22を形成した。次いで、このレジストパターン22を含めた対象面の全面に対して、二元スパッタリング法により、厚さ12nmの触媒含有膜23を形成した。この時のスパッタリング条件は、スパッタガス:Ar、成膜室内圧力:0.5Pa、コバルトターゲット(φ75mm):RF電力150W、成膜速度1nm/分、SiOターゲット(φ75mm):RF電力300W、成膜速度0.7nm/分であり、7.5分間の成膜により得られた膜の厚さは12nm、触媒金属14は非触媒層17に対して約60%含有されていた。次いで、Coのスパッタリングを停止して、SiOのスパッタリングのみを続けて行って、非触媒膜24を形成した。その後、レジストパターン22をリフトオフして、触媒含有層16及び非触媒層17からなる積層構造13とした。得られた積層構造13の側面において、触媒含有層16の露出面18に触媒金属14が露出していた。このようにして得られたカーボンナノチューブ成長用基板1に実施例1と同一の条件で熱CVD法を行い、SEMによりカーボンナノチューブ19の成長を確認した。基板の断面SEM写真を、図6に示す。図6に示すように、比較例1のように膜がはがれることが無かったが、カーボンナノチューブ同士がからみあい、基板に対して水平に成長することができない場合があった。従って、本実施例においては、比較例1よりはよい結果をえることができたが、触媒含有層16の厚さを12nmより薄くすることが好ましいことが分かった。
実施例1とは、触媒含有層16における触媒金属14の含有量:基材15の含有量が0.5:9.5、1:9、3:7、5:5となるように形成した点以外は同一の条件でカーボンナノチューブ成長用基板1を作製し、カーボンナノチューブ19を成長させた。触媒金属:基材が1:9、3:7、5:5の場合にはカーボンナノチューブ19が基板に対し水平に成長し、特に、触媒金属:基材が3:7、5:5の場合にはカーボンナノチューブが、所望の位置に基板に対して水平に成長した。また、触媒金属:基材が0.5:9.5の場合には、カーボンナノチューブ19が成長しない基板もあった。
本発明のカーボンナノチューブ成長用基板1は、膜はがれを生じずにカーボンナノチューブ19を成長させることができる。従って、半導体製造分野において利用可能である。
カーボンナノチューブ成長用基板の断面模式図である。 カーボンナノチューブ成長用基板の作製工程を説明するための断面模式図である。 カーボンナノチューブ成長用基板を用いたトランジスタ素子の模式図である。 実施例1の結果を示す上面SEM写真である。 実施例2の結果を示す断面SEM写真である。 実施例3の結果を示す断面SEM写真である。
符号の説明
1 カーボンナノチューブ成長用基板
3 トランジスタ素子
11 母基板
12 反応防止層
13 積層構造
14 触媒金属
15 基材
16 触媒含有層
17 非触媒層
18 露出面
19 カーボンナノチューブ
21 酸化膜
22 レジストパターン
23 触媒含有膜
24 非触媒膜
31 バックゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極

Claims (9)

  1. 基板上に、触媒金属とカーボンナノチューブ成長時の成長条件により変化しない基材とからなる触媒含有層、及び触媒金属を含有しない非触媒層をこの順で積層した積層構造パターンが形成されており、前記積層構造パターンの側面に前記触媒含有層の前記触媒金属が露出していることを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板。
  2. 前記触媒金属が、前記触媒含有層に対して10〜60%の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ成長用基板。
  3. 前記触媒含有層の厚さが、10nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ成長用基板。
  4. 前記基材及び前記非触媒層の材料が、TiN、AlN、SiO、TiO、アルミナ、ゼオライト、クロム及びモリブデンから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ成長用基板。
  5. 基板上に、触媒金属からなる第1スパッタリングターゲット及びカーボンナノチューブ成長時の成長条件により変化しない基材材料からなる第2スパッタリングターゲットを用いた二元スパッタリング法により、触媒金属と基材とからなる触媒含有膜を形成し、その後、前記触媒含有膜上に触媒金属を含有しない非触媒膜を形成した後に、これらを加工することにより、触媒含有層及び非触媒層からなり、かつ前記触媒金属がその側面に露出する積層構造パターンを形成することを特徴とするカーボンナノチューブ成長用基板の製造方法。
  6. 前記基板上に、レジストパターンを設け、次いでこのレジストパターンを含む全面に、前記二元スパッタリング法により前記触媒金属及び前記基材からなる前記触媒含有膜を形成し、その後、前記触媒含有膜上に触媒金属を含有しない前記非触媒膜を形成した後に、前記レジストパターンをリフトオフして、前記積層構造パターンを形成することを特徴とする請求項5記載のカーボンナノチューブ成長用基板の製造方法。
  7. 前記二元スパッタリング法により、前記触媒金属及び前記基材からなる前記触媒含有膜を形成後、前記第1スパッタリングターゲットのスパッタリングのみを停止して、前記第2スパッタリングターゲットのスパッタリングを続けることにより基材材料からなる基材膜を形成し、この基材膜を前記非触媒膜として、前記基材と前記非触媒層とを同一の材料で構成することを特徴とする請求項5又は6記載のカーボンナノチューブ成長用基板の製造方法。
  8. 前記二元スパッタリング法において、前記触媒金属のスパッタリングにおける成膜速度と前記基材のスパッタリングにおける成膜速度との比が、1:9〜6:4であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ成長用基板の製造方法。
  9. 基板上に、レジストパターンを設け、次いでレジストパターンを含む全面に、触媒金属からなる第1スパッタリングターゲット及び基材材料からなる第2スパッタリングターゲットを用いた二元スパッタリング法により、触媒金属及び基材からなる触媒含有膜を形成し、その後、触媒含有膜上に触媒金属を含有しない非触媒膜を形成した後に、前記レジストパターンをリフトオフして、前記基板表面に、触媒含有層及び非触媒層からなり、前記触媒金属がその側面に露出する積層構造パターンを形成し、次いで、炭素含有ガスを側面に露出した前記触媒金属に接触させて当該触媒金属からカーボンナノチューブを成長させることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
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