JP5081124B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法に関するものである。
従来から、緑〜紫外領域の光を放射する半導体発光素子として、GaN系の窒化物半導体材料を利用した発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)が各所で研究開発され、青色発光ダイオードや紫外発光ダイオードなどの半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色光を得るようにした小型で高効率かつ長寿命の固体光源(発光装置)についても研究開発が活発に行われている。
ところで、GaN系の窒化物半導体材料を利用した半導体発光素子の製造にあたっては、サファイア基板からなる透明結晶基板の一表面側に、バッファ層、n形半導体層、発光層、p形半導体層を有機金属気相成長法(MOVPE法)などにより順次成長してn形半導体層と発光層とp形半導体層とからなるダイオード構造を有する多層半導体層(LED薄膜部)を得るのが一般的である。ここにおいて、MOVPE法などにより成長されるp形半導体層は、N源の原料ガスであるNHに起因してp形ドーパント(例えば、Mg、Znなど)と結合している水素の量が多くて高抵抗なので、上述の半導体発光素子の製造にあたっては、MOVPE法などにより多層半導体層を成長した後、電気炉などを用いてNガス雰囲気中において400℃以上の温度でアニールしてp形半導体層中の水素を除去することでp形ドーパントを活性化させ、p形半導体層を低抵抗化するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
また、上述の半導体発光素子の製造にあたっては、p形半導体層上にNi膜とAu膜との積層構造を有するアノード電極を形成してから、アノード電極を合金化してp形半導体層とアノード電極との良好なオーミックコンタクト性を得るために電気炉などを用いて400℃以上の温度でアニールを行うのが一般的であり、アノード電極の線幅を20μm以下に設定しておくことにより、アノード電極とp形半導体層とのアニールを同時に行うことが可能となることが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、上述の半導体発光素子の製造にあたっては、n形半導体層上にTi膜とAl膜との積層構造を有するカソード電極を形成してから、カソード電極を合金化してn形半導体層とカソード電極との良好なオーミックコンタクト性を得るために400℃以上の温度でアニールを行うのが一般的である(例えば、特許文献3)。
また、従来から、半導体発光素子の製造方法として、n形の透明結晶基板の一表面側に、n形半導体層、発光層、クラッド層とコンタクト層とで構成されるp形半導体層を順次形成した後、透明結晶基板の他表面側に適宜パターンのカソード電極を形成してからアニールを行い、続いて、コンタクト層上にアノード電極を形成し、その後、p形半導体層とアノード電極との良好なオーミック接触を得るために、透明結晶基板の他表面側からコンタクト層にレーザ光を照射してアニールする技術が提案されている(特許文献4参照)。ここにおいて、上記特許文献4では、コンタクト層(第1の半導体結晶層)のバンドギャップエネルギが、透明結晶基板、n形半導体層、発光層、およびクラッド層それぞれのバンドギャップエネルギに比べて小さく、コンタクト層の次に発光層(第2の半導体結晶層)のバンドギャップエネルギが小さくなるように設計してあり、コンタクト層のバンドギャップエネルギよりも大きく且つ発光層のバンドギャップエネルギよりも小さなエネルギのレーザ光を透明結晶基板の上記他表面側からコンタクト層に照射するようにしている。
ここにおいて、上記特許文献4に開示された半導体発光素子の製造方法によれば、アノード電極とp形半導体層との良好なオーミック接触を得るためのアニールを行う際に局所的にアニールすることができてn形半導体層と発光層とp形半導体層とで構成される多層半導体層全体の温度が上昇するのを防止することができるので、上記特許文献2,3のように電気炉などを用いて400℃以上の温度でのアニールを行う場合に比べて、発光層の構成原子の熱拡散(例えば、InGaN層からなる発光層の構成原子であるInの熱拡散など)に起因した発光層の劣化を防止することができるという利点があり、その上、アノード電極の表面側からレーザ光を照射してアニールする場合に比べて、アノード電極の構成や厚みによらずレーザ光の照射条件を一定に保つことが可能になるという利点がある。
特許第2540791号公報 特許第2836685号公報 特許第2783349号公報 特開昭57−198618号公報
しかしながら、上記特許文献4に記載の半導体発光素子の製造方法では、アノード電極直下のp形半導体層でレーザ光を吸収し、p形半導体層とアノード電極とを合金化するので、p形半導体層全体に熱が伝わりやすく、p形半導体層の結晶が分解されるなどの熱損傷が生じたり、p形半導体層の性能が低下する恐れがあった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、カソード電極およびアノード電極をアニールする際の熱が多層半導体層に悪影響を与えるのを抑制することが可能な半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、n形半導体層およびp形半導体層を有する多層半導体層と、多層半導体層の厚み方向の一面側においてn形半導体層上に形成されたカソード電極と、多層半導体層の前記一面側においてp形半導体層上に形成されたアノード電極とを備えた半導体発光素子の製造方法であって、カソード電極およびアノード電極を形成するにあたっては、透明結晶基板の一表面側に積層された多層半導体層にカソード電極およびアノード電極を形成する電極形成工程と、電極形成工程の後で透明結晶基板の他表面側から多層半導体層のバンドギャップエネルギよりも小さなエネルギの単色光を多層半導体層を通してカソード電極およびアノード電極それぞれに照射することでカソード電極およびアノード電極をアニールするアニール工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、透明結晶基板の一表面側に積層された多層半導体層にカソード電極およびアノード電極を形成する電極形成工程の後で、透明結晶基板の他表面側から多層半導体層のバンドギャップエネルギよりも小さなエネルギの単色光を多層半導体層を通してカソード電極およびアノード電極それぞれに照射することでカソード電極およびアノード電極をアニールするアニール工程を行うので、アニール工程において照射する単色光が多層半導体層に吸収されることがなく、カソード電極およびアノード電極に効率良く吸収されるようになり、カソード電極およびアノード電極をアニールする際の熱が多層半導体層に悪影響を与えるのを抑制することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記単色光は、パルス幅が100ns以下のパルスレーザ光であることを特徴とする。
この発明によれば、前記アニール工程で発生する熱量を低減でき、前記アニール工程で発生する熱が前記多層半導体層に悪影響を与えるのをより確実に抑制することが可能となる。
請求項1の発明では、カソード電極およびアノード電極をアニールする際の熱が多層半導体層に悪影響を与えるのを抑制することが可能となるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態における半導体発光素子は、発光ダイオードであり、図1(d)に示すように、サファイア基板からなる透明結晶基板1の一表面側にバッファ層2を介して形成されたn形半導体層3と、n形半導体層3の表面側に形成された発光層4と、発光層4の表面側に形成されたp形半導体層5と、n形半導体層3における透明結晶基板1側とは反対の表面上に形成されたカソード電極6と、p形半導体層5における発光層4側とは反対側の表面上に形成されたアノード電極7とを備えている。なお、本実施形態では、バッファ層2とn形半導体層3と発光層4とp形半導体層5とで、透明結晶基板1の上記一表面側に積層された多層半導体層(LED薄膜部)10を構成しているが、バッファ層2および発光層4それぞれは、必要に応じて適宜設ければよい。なお、カソード電極6は、n形半導体層3における発光層4側の露出した表面上に形成されている。
本実施形態における半導体発光素子は、窒化物半導体材料を利用した青色発光ダイオードであり、透明結晶基板1として上記一表面が(0001)面のサファイア基板を用いており、バッファ層2が低温成長させたGaN層により構成され、n形半導体層3がn形ドーパント(例えば、Siなど)をドーピングしたn形GaN層により構成され、発光層4がInGaN層により構成され、p形半導体層5がp形ドーパント(例えば、Mg、Znなど)をドーピングしたp形GaN層により構成されている。
ここにおいて、バッファ層2は、n形半導体層3の貫通転位を低減するとともにn形半導体層3の残留歪みを低減するために設けたものであり、GaN層により構成してあるが、GaN層に限らず、例えば、AlN層やAlGaN層などにより構成してもよい。
また、n形半導体層3は、上述のようにバッファ層2上に形成されたn形GaN層で構成してあるが、単層構造に限らず、多層構造でもよく、例えば、n形AlGaN層と、当該n形AlGaN層上のn形GaN層とで構成してもよい。
また、発光層4は、InGaN層により構成してあるが、単層構造に限らず、例えば、障壁層と井戸層とでInGaN層の組成を異ならせた単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造を有していてもよい。
また、p形半導体層5は、発光層4上に形成されたp形GaN層により構成してあるが、単層構造に限らず、p形AlGaN層と当該p形AlGaN層上のp形GaN層とで構成してもよい。
また、カソード電極6は、n形半導体層3上に形成されたTi膜と、当該Ti膜上のAu膜とで構成してあり、Ti膜の膜厚を3nm、Au膜の膜厚を1000nmに設定してあるが、これらの膜厚は一例であって特に限定するものではない。
また、アノード電極7は、p形半導体層5上に形成されたNi膜と、当該Ni膜上のAu膜とで構成してあり、Ni膜の膜厚を30nm、Au膜の膜厚を1000nmに設定してあるが、これらの膜厚は一例であって特に限定するものではない。
以下、本実施形態の半導体発光素子の製造方法について図1を参照しながら説明する。
まず、透明単結晶基板1の上記一表面側にバッファ層2、n形半導体層3、発光層4、p形半導体層5をMOVPE法により順次成長させる結晶成長工程を行うことにより、図1(a)に示す構造を得る。
その後、p形半導体層5のp形ドーパントを活性化する(ここでは、p形ドーパントに結合している水素を除去することでp形ドーパントを活性化する)ためにp形半導体層5をアニールする活性化アニール工程を行う。ここにおいて、活性化アニール工程は、ランプアニール装置を用いてNガス雰囲気中において、所定温度(例えば、750℃)で、所定時間(例えば、5分間)のアニールを行う。
上述の活性化アニール工程の後、バッファ層2とn形半導体層3と発光層4とp形半導体層5とで構成される多層半導体層10をパターニングしてn形半導体層3の一部を露出させる多層半導体層パターニング工程を行うことにより、図1(b)に示す構造を得る。ここにおいて、多層半導体層パターニング工程では、多層半導体層10における所望の発光領域上にフォトリソグラフィ技術を利用してレジスト層(以下、第1のレジスト層と称する)を形成し、当該第1のレジスト層をマスクとして多層半導体層10をp形半導体層5の表面側からn形半導体層3の途中まで反応性イオンエッチング装置などによってエッチングすることによりn形半導体層3の表面を露出させ、その後、第1のレジスト層を除去する。
上述の多層半導体層パターニング工程の後、透明結晶基板1の上記一表面側の多層半導体層10における透明結晶基板1側とは反対側である一面側にアノード電極7およびカソード電極6を形成する電極形成工程を行うことにより、図1(c)に示す構造を得る。ここにおいて、本実施形態ではアノード電極7とカソード電極6とで電極材料が異なるので、電極形成工程では、アノード電極7を形成し、その後、カソード電極6を形成している。ここで、アノード電極7の形成にあたっては、フォトリソグラフィ技術を利用して、多層半導体層10の上記一面側におけるアノード電極7の形成予定領域のみが露出するようにパターニングされたレジスト層(以下、第2のレジスト層と称する)を形成してから、例えば蒸着法などによりアノード電極7を形成し、第2のレジスト層および当該第2のレジスト層上の不要膜を除去するリフトオフを行う。また、カソード電極6の形成にあたっては、フォトリソグラフィ技術を利用して、多層半導体層10の上記一面側におけるカソード電極6の形成予定領域のみが露出するようにパターニングされたレジスト層(以下、第3のレジスト層と称する)を形成してから、例えば蒸着法などによりカソード電極6を形成し、第3のレジスト層および当該第3のレジスト層上の不要膜を除去するリフトオフを行う。なお、電極形成工程におけるアノード電極7とカソード電極6との形成順序は逆でもよく、また、アノード電極7とカソード電極6とが同じ材料である場合には、アノード電極7とカソード電極6とを同時に形成するようにしてもよい。
上述の電極形成工程の後、図1(d)に示すように、透明結晶基板1の他表面側から多層半導体層10のバンドギャップエネルギよりも小さなエネルギの光として単色光のレーザ光LBを多層半導体層10を通してカソード電極6およびアノード電極7それぞれに照射することでカソード電極6およびアノード電極7をアニールするアニール工程(以下、電極アニール工程と称する)を行う。ここで、電極アニール工程は、カソード電極6およびアノード電極7をアニールすることによって、カソード電極6とn形半導体層3との良好なオーミック接触を得るとともに、アノード電極7とp形半導体層4との良好なオーミックコンタクトを得るための工程であり、多層半導体層10を構成するバッファ層2、n形半導体層3およびp形半導体層5全てを透過する波長の光(上述の単色光)を照射する。したがって、カソード電極6およびアノード電極7それぞれの表面側からレーザ光を照射してアニールする場合に比べて、カソード電極6およびアノード電極7それぞれの構成や厚みによらずレーザ光LBの照射条件を一定に保つことが可能となる。
ところで、光が多層半導体層10を透過するか否かは、光の波長をλ〔nm〕、波長λの光のフォトンエネルギをE〔eV〕、多層半導体層10のバンドギャップエネルギをEg〔eV〕とすれば、フォトンエネルギEとバンドギャップエネルギEgとの大小関係により決定され、E≧Egのとき、光は多層半導体層10で吸収され、E<Egのとき、光は多層半導体層10を透過する。ここで、プランク定数をh=6.62×10−34〔J・s〕、真空中の光速度をc=3.0×1017〔nm/s〕、電気素量をe=1.6×10−19〔C〕とすれば、
E=(h・c/e)/λ≒1240/λ
で決定される。
ここにおいて、バッファ層2、n形半導体層3およびp形半導体層5の材料であるGaNのバンドギャップエネルギは3.5eV程度、発光層4の材料であるInGaNのバンドギャップエネルギは2.7eV程度であり、バッファ層2、p形GaN層3およびn形GaN層4は、波長が354nmよりも短い光を吸収する一方で、波長が354nmよりも長い光を透過し、発光層4は、波長が459nmよりも波長の短い光を吸収し、波長が459nmよりも長い光を透過する。そして、多層半導体層10を透過した光はカソード電極6およびアノード電極7それぞれで吸収される。ここで、カソード電極6およびアノード電極7それぞれについて光吸収率の分光特性をシミュレーションしたところ、図2に示す結果が得られた。ここで、図2中の「イ」がカソード電極6の分光特性を示し、「ロ」がアノード電極7の分光特性を示している。ただし、カソード電極6の光吸収率は、多層半導体層10に入射した光のうちカソード電極6に吸収される割合を示し、アノード電極7の光吸収率は、多層半導体層10に入射した光のうちアノード電極7に吸収される割合を示しており、多層半導体層10に入射した光のうちフレネル反射による損失分(約20%)はカソード電極6およびアノード電極7に吸収されることはない。
多層半導体層10の光吸収特性と図2に示した分光特性とを考慮すると、電極アニール工程において、λ=500nm付近の青緑〜緑色の光を用いれば、多層半導体層10で吸収されず且つカソード電極6およびアノード電極7での吸収率を高くできることが分かる。したがって、電極アニール工程では、カソード電極6およびアノード電極7での吸収率が高く、且つ、反射率および透過率の両方が低い波長の光をカソード電極6およびアノード電極7に照射することが望ましく、このような波長の光をカソード電極6およびアノード電極7に照射することにより、フォトンエネルギをカソード電極6およびアノード電極7のアニールにのみ効率良く寄与させることが可能となる(カソード電極6およびアノード電極7それぞれを局所的に効率良くアニールすることが可能となる)。
ここにおいて、電極アニール工程で単色光の光源として用いるレーザとしては、例えば、レーザ光LBの波長が488nmのArレーザやYAGレーザのレーザ光LBの波長が532nmのSHG−YAGレーザなどを用いれば、カソード電極6のアニールおよびアノード電極7のアニールを同一のレーザを用いて行うようにレーザ光を適宜走査することによりカソード電極6のアニールとアノード電極7のアニールとを連続的に効率良く行うことができる。なお、本実施形態のようにカソード電極6とアノード電極7とで材料が異なる場合には、カソード電極6とアノード電極7とで互いに異なる波長の光を照射するようにしてもよい。
また、図2のシミュレーション結果は、カソード電極6が膜厚3nmのTi膜と膜厚1000nmのAu膜との積層膜により構成され、アノード電極7が膜厚30nmのNi膜と膜厚1000nmのAu膜との積層膜により構成されている一例に関するものであるが、カソード電極6およびアノード電極7それぞれについて発光層4から放射される光に対してより反射率の高い電極構造を採用した場合、例えば、カソード電極6が膜厚3nmのTi膜と膜厚300nmのAl膜と膜厚1000nmのAu膜との積層膜により構成され、アノード電極7が膜厚1nmのPt膜と膜厚が300nmのAg膜と膜厚が1000nmのAu膜とで構成された他の例に関して、カソード電極6およびアノード電極7それぞれについて光吸収率の分光特性をシミュレーションしたところ、図3に示す結果が得られた。ここで、図3中の「イ」がカソード電極6の分光特性を示し、「ロ」がアノード電極7の分光特性を示している。
図3から分かるように、カソード電極6およびアノード電極7とも可視〜赤外にかけて光吸収率が低いが、レーザ光LBのエネルギ密度を考慮すれば、スポットを絞るだけで十分なアニール効果を得ることが可能である。この場合、電極アニール工程で用いる単色光の光源としては、例えば、波長が690nm〜1000nmで可変のTi:サファイアレーザや波長が1064nmのYAGレーザなどの赤外領域のレーザ光LBを照射可能なレーザを用いれば、上述のようにカソード電極6のアニールおよびアノード電極7のアニールを同一のレーザで連続的に効率良く行うことができる。
ところで、本実施形態の半導体発光素子の製造にあたっては、上述の電極アニール工程が終了するまでの全工程をウェハのレベルで行うことで半導体発光素子を1枚のウェハに複数形成してから、個々の半導体発光素子に分離するダイシング工程を行うようにしている。
以上説明した本実施形態の半導体発光素子の製造方法によれば、透明結晶基板1の上記一表面側に積層された多層半導体層10にカソード電極6およびアノード電極7を形成する電極形成工程の後で、透明結晶基板1の上記他表面側から多層半導体層10のバンドギャップエネルギEgよりも小さなエネルギ(フォトンエネルギE)の単色光であるレーザ光LBを多層半導体層10を通してカソード電極6およびアノード電極7それぞれに照射することでカソード電極6およびアノード電極7をアニールするアニール工程(電極アニール工程)を行うので、アニール工程において照射する単色光が多層半導体層10に吸収されることがなく、カソード電極6およびアノード電極7に効率良く吸収されるようになり、カソード電極6とn形半導体層3との良好なオーミック接触を得るとともにアノード電極7とp形半導体層5との良好なオーミック接触を得ることが可能となるだけでなく、カソード電極6およびアノード電極7をアニールする際の熱が多層半導体層10に悪影響を与えるのを抑制することが可能となる。
ところで、上述のアニール工程を採用すれば、電気炉を用いてカソード電極6およびアノード電極7をアニールする場合に比べて、発光層4の構成元素の熱拡散(例えば、Inなどの熱拡散)を抑制することができ発光層4の内部量子効率の低下を抑制することが可能となるが、レーザから放射される単色光のレーザ光LBは一般的にLEDなどの発光素子から放射される単色光に比べてエネルギ密度の高い光であるので、アノード電極7およびカソード電極6で吸収された際に発生する熱量が大きくなり、発光層4の構成元素の熱拡散(例えば、Inなどの熱拡散)に起因して発光層4の内部量子効率の低下を招くことも考えられる。そこで、アニール工程で用いる単色光として、パルス幅が100ns以下のパルスレーザ光を採用すれば、反応の生じる時間が短くなり熱量の余剰分も少なくなる。しかして、アニール工程で発生する熱量を低減でき、アニール工程で発生する熱が多層半導体層10に悪影響を与えるのをより確実に抑制することが可能となる。ここにおいて、パルスレーザ光のパルス幅としては、100ns以下が望ましく、1ns以下であることがより望ましい。なお、上述のTi:サファイアレーザとしては、パルスレーザ光のパルス幅が1ps未満のもの(所謂フェムト秒レーザ)もある。一方、YAGレーザの殆どはパルス幅がnsオーダであり、Arレーザは、殆どのものがCW(連続発振)である。
ところで、上記実施形態では、単色光を照射するための光源としてレーザを説明したが、レーザに限らず、例えば、エキシマランプやエネルギ密度が比較的高いLEDなどを採用してもよい。
また、上記実施形態では、結晶成長工程において多層半導体層10をMOVPE法により結晶成長する方法について例示したが、結晶成長方法は、MOVPE法に限定するものではなく、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や、分子線エピタキシー法(MBE法)などを採用してもよい。
また、上記実施形態では、透明結晶基板1としてサファイア基板を用いているが、透明結晶基板1はサファイア基板に限定するものではなく、多層半導体層10から放射される光に対して透明なものであればよい。また、上記実施形態では、半導体発光素子として、可視光発光ダイオードを例示したが、可視光発光ダイオードに限らず、紫外発光ダイオードや赤外発光ダイオードでもよい。
実施形態の半導体発光素子の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の半導体発光素子の製造過程におけるカソード電極およびアノード電極についてシミュレーションした光吸収率の分光特性図である。 同上の半導体発光素子の製造過程におけるカソード電極およびアノード電極についてシミュレーションした光吸収率の分光特性図である。
符号の説明
1 透明結晶基板
2 バッファ層
3 n形半導体層
4 発光層
5 p形半導体層
6 カソード電極
7 アノード電極
10 多層半導体層
LB レーザ光(単色光)

Claims (2)

  1. n形半導体層およびp形半導体層を有する多層半導体層と、多層半導体層の厚み方向の一面側においてn形半導体層上に形成されたカソード電極と、多層半導体層の前記一面側においてp形半導体層上に形成されたアノード電極とを備えた半導体発光素子の製造方法であって、カソード電極およびアノード電極を形成するにあたっては、透明結晶基板の一表面側に積層された多層半導体層にカソード電極およびアノード電極を形成する電極形成工程と、電極形成工程の後で透明結晶基板の他表面側から多層半導体層のバンドギャップエネルギよりも小さなエネルギの単色光を多層半導体層を通してカソード電極およびアノード電極それぞれに照射することでカソード電極およびアノード電極をアニールするアニール工程とを備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記単色光は、パルス幅が100ns以下のパルスレーザ光であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
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