JP5080422B2 - プログラム、運行分析方法及び運行分析装置 - Google Patents

プログラム、運行分析方法及び運行分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、プログラム、運行分析方法及び運行分析装置に関する。
列車の運行を円滑に進めるための運転指令や輸送指令の業務を支援するシステムとして列車運行管理システムがあり、この列車運行管理システムで管理されている運行状況の情報に基づいて種々の情報を提供するシステムが研究・開発されている。運行管理システムには、日々の列車運行実績データが蓄積されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−094125号公報
ところで、鉄道等の列車では、予め定められた計画ダイヤ(運行計画)に沿って列車が運行されるが、実際の列車運行では、事故等による予期できない遅延が頻繁に発生する。ある駅で生じた遅延は、後続列車や他の駅に影響を与え、更には該路線に乗り入れている他路線にも影響を及ぼす。このため、列車の運行実績データにもとづく列車運行の分析は、現状の列車ダイヤに対する評価や、ダイヤ改正による新たな列車ダイヤに対する評価を行う上で非常に重要な作業であった。しかしながら、遅延が与える影響度合いを定量的に予測・評価するシステムは知られていなかった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ある駅で発生した遅延が他の駅や後続列車へ与える影響度合いを定量的に評価することを可能とすることを目的としている。
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータを、
所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成手段、
駅を選択する選択手段、
前記選択された駅での遅延状態を決定する遅延状態決定手段、
前記選択された駅の遅延状態を前記遅延状態決定手段により決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計手段、
として機能させるためのプログラムである。
また、他の発明として、
所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成ステップと、
駅を選択する選択ステップと、
前記選択された駅での遅延状態を決定する遅延状態決定ステップと、
前記選択された駅の遅延状態を前記遅延状態決定ステップで決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計ステップと、
を含む運行分析方法を構成しても良い。
また、他の発明として、
所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成手段と、
駅を選択する選択手段と、
前記選択された駅での遅延状態を決定する遅延状態決定手段と、
前記選択された駅の遅延状態を前記遅延状態決定手段により決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計手段と、
を備えた運行分析装置を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の、当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付き確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークが作成される。そして、作成されたベイジアンネットワークに基づいて、ある駅の遅延状態を決定した場合に、各駅の遅延状態の取り得る確率が推計される。例えば、ある駅の遅延状態を“遅延有り”とすることで、他の駅に以降の駅における遅延状態の取り得る確率が推計される。これにより、ある駅で生じた遅延が他の駅に与える影響度合いを、定量的に予測・評価することが可能となる。なお、遅延状態を決定する駅の数は、1つでも良いし、2つ以上(複数)であっても良い。
第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記作成手段により作成されたベイジアンネットワークに基づいて当該駅での各遅延状態の取り得る確率を算出して当該駅の効用値を算出する効用値算出手段、
前記推計手段により推計された当該駅の各遅延状態の取り得る確率に基づいて当該駅の効用値を推計する効用値推計手段、
として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第2の発明によれば、作成されたベイジアンネットワークに基づいて、当該駅での各遅延状態の取り得る確率が算出され、当該駅での効用値が算出されるとともに、ある駅の遅延状態を決定した場合の、推計された当該駅の各遅延状態の取り得る確率に基づいて当該駅の効用値が推計される。
この場合、第3の発明として、
前記効用値算出手段により算出された効用値に対する、前記効用値推計手段により推計された効用値の差異に基づいて、所定の効用値変化表示を行う効用値変化表示手段として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第3の発明によれば、ある駅の遅延状態を決定する前後の効用値の差異に基づいて、所定の効用値変化表示が行われる。これにより、例えば、ある駅における遅延状態を“遅延有り”とした場合には、その一の駅で生じた遅延が他の駅に与える影響を効用値の差異に基づく変化表示とすることが可能となる。ここで、効用値変化表示としては、例えば、効用値の差異を数字で表示する、効用値の差異の大きさに応じた色等で識別表示するといったことが考えられる。
第4の発明として、第2又は第3の発明のプログラムであって、
前記選択手段に順番に一の駅を選択させ、選択させたそれぞれの一の駅について前記遅延状態決定手段、前記推計手段及び前記効用値推計手段を機能させて、前記効用値算出手段により算出された効用値の総合値に対する、前記効用値推計手段により推計された効用値の総合値の差異が所定の改善条件を満たす駅を選出する分析処理を実行する分析処理実行手段として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第4の発明によれば、順番に選択した一の駅それぞれについて、各駅の効用値の総合値に対する、該一の駅の遅延状態を決定した場合の各駅の推計された効用値の総合値の差異が所定の改善条件を満たす駅を選出する分析処理が実行される。ここで、「効用値の総合値」は、効用値の総和としても良いし、平均値としても良い。また、「改善条件」は、効用値の総合値が良くなっているとみなす条件であり、例えば数値条件として定められる。これにより、例えば、順番に選択する駅それぞれの遅延状態を“遅延無し”とすることで、全体として“良い”列車ダイヤとなり得る駅を選出する(すなわち、どの駅を“遅延無し“とするのが効果的かを分析する)ことが可能となる。
第5の発明として、第4の発明のプログラムであって、
前記選択手段により選択された一の駅に基づいて効用値の評価対象駅範囲を設定する評価対象駅範囲設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記作成手段が、前記対象駅範囲のベイジアンネットワークを作成し、
前記分析処理実行手段が、前記評価対象駅範囲内の各駅のうちから前記改善条件を満たす駅を選出する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第5の発明によれば、駅が順番に選択されるが、この選択された駅に基づいて設定された評価対象駅範囲のベイジアンネットワークが作成され、評価対象駅範囲内の各駅のうちから改善条件を満たす駅が選出される。この場合、駅それぞれについての評価対象範囲に含まれる駅数を同じとすることで、各駅についての効用値の総合値の比較が公平且つ容易となる。
第6の発明として、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記作成手段により作成されたベイジアンネットワークに基づいて当該駅での各遅延状態の取り得る確率を算出する実績確率算出手段、
前記実績確率算出手段により算出された遅延状態の取り得る確率に関する前記依存関係にある駅同士の変化度合と、前記推計手段により推計された遅延状態の取り得る確率に関する当該駅同士の変化度合との差異が所定条件を満たす駅を選出して識別表示する大差駅識別表示手段、
として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第6の発明によれば、作成されたベイジアンネットワークに基づいて、当該駅での各遅延状態の取り得る確率が算出され、算出された遅延状態の取り得る確率に関する依存関係にある駅同士の変化度合いと、推計された遅延状態の取り得る確率に関する当該駅同士の変化度合いとの差が所定条件を満たす駅が識別表示される。
第7の発明として、第1〜第6の何れかの発明のプログラムであって、
前記作成手段が、同一駅に発着する前後の列車間及び同一列車が発着する前後の駅間を依存関係とした場合の条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成し、
前記推計手段が、各列車それぞれの各駅での各遅延状態の取り得る確率を推計する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第7の発明によれば、ベイジアンネットワークの条件付き確率は、同一駅に発着する前後の列車間及び同一列車が発着する前後の駅間を依存関係とした場合の条件付確率として算出される。そして、作成されたベイジアンネットワークをもとに、一の駅の遅延状態を決定した場合に、各列車それぞれの各駅での遅延状態の取り得る確率が推計される。
第8の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記作成手段が、各列車それぞれの各駅における到着及び出発を区別し、当該列車の当該駅の到着に係る条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅の前の駅の出発との関係を依存関係として算出するとともに、当該列車の当該駅の発車に係る条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅への到着との関係を依存関係として算出してベイジアンネットワークを作成するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第8の発明によれば、ベイジアンネットワークの条件付き確率は、各列車それぞれの各駅における到着及び出発を区別し、当該列車の当該駅の到着にかかる条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅の前の駅の出発との関係を依存関係として算出されるとともに、当該列車の当該駅の発車に係る条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅への到着との関係を依存関係として算出される。
第9の発明として、第1〜第8の何れかの発明のプログラムであって、
前記作成手段が、各列車それぞれの各駅までの所要時間を計算して、所定の標準所要時間に対する差異に基づいて、前後の駅間の遅延状態を依存関係とする条件付確率を算出してベイジアンネットワークを作成するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第9の発明によれば、ベイジアンネットワークの条件付き確率は、各列車それぞれの各駅までの所要時間の所定の標準所要時間に対する差異に基づいて、前後の駅間の遅延状態を依存関係とする条件付き確率として算出される。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下では、鉄道として在来線及び路面電車それぞれを想定し、旅客の輸送を目的として組成される列車について本発明を適用した場合を説明するが、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
[原理]
本実施形態では、列車運行の分析モデルとして、運行実績に基づくベイジアンネットワーク(以下、「運行分析BN」という)を作成し、この運行分析BNを用いた列車の運行分析を行う。
ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)とは、確率変数Xをノードで表し、因果関係(依存関係)をもつ確率変数Xの間にリンクを張ったグラフ構造で表現される確率モデルの一つであり、とくに、リンクが因果関係の方向に向きを持ち、このリンクを辿ったパスが循環しない非循環グラフで表されるものをさす。ベイジアンネットワークは、このようなグラフ構造と、確率変数Xの間の因果関係(依存関係)を表す条件付き確率の集合によって構成される。本実施形態では、「列車の遅延」という事象を確率変数Xとした運行分析BNを作成し、この運行分析BNをもとに遅延の定量的な分析を行う。以下では、在来線及び路面電車それぞれを想定した場合の2つの実施例を説明する。
[第1実施例]
第1実施例では、在来線の列車を想定した運行分析を行う。在来線を含む鉄道では、一般的に、列車は予め定められた列車ダイヤ(計画ダイヤ)に沿って運行され、列車それぞれが、計画ダイヤで規定される着発時刻を厳守することが重要視される。このため、第1実施例では、「列車の遅延」を「計画ダイヤを基準とした遅延」とするとともに、運行される各列車を区別して扱うことにする。
〔原理〕
図1は、第1実施例における運行分析BNのグラフ構造の一例を示す図である。同図では、縦方向を駅、横方向を時刻tとして、A駅〜C駅の区間において1,2列車が運行する場合の運行分析BNを示している。なお、破線は、A駅〜C駅間の1,2列車それぞれの列車スジを表している。運行分析BNは、確率変数Xを表す確率ノードを、確率変数X間の因果関係(依存関係)の方向を示す有向アーク(リンク)でつないだ有向グラフ構造となっている。また、このグラフ構造は、アークを辿ったパスが循環しない非循環グラフである。
第1実施例では、列車を区別し、各列車の各駅での着/発時の遅延事象を確率変数Xとする。すなわち、確率ノードを、発時の遅延事象を表す発ノード及び着時の遅延事象を表す着ノードとする。また、確率変数Xが表す遅延は、計画ダイヤ上の着発時刻に対する実際の着発時刻の差とする。
そして、確率ノードが表す確率変数Xは離散変数であり、その値(遅延状態)は、図2に示すように定められている。すなわち、確率ノードは、遅延時分が60秒未満である「状態A」、及び、遅延時分が60秒以上である「状態B」の何れかの値を取る。
また、着発時の遅延事象の因果関係は、図3に示すように定められる。同図によれば、ある列車のある駅への着時の遅延事象は、当該列車の1つ前の駅の発車、及び、1つ前の列車の当該駅の発車に因果関係をもつ。つまり、着ノードには、該列車の1つ前の駅の発ノード及び1つ前の列車の該駅の発ノードが、親ノードとして設定される。また、ある列車のある駅からの発時の遅延事象は、当該列車の当該駅の到着、及び、1つ前の列車の当該駅の発車に因果関係をもつ。つまり、発ノードには、該列車の該駅の着ノード及び1つ前の列車の該駅の発ノードが、親ノードとして設定される。
また、確率ノードそれぞれには、該ノードに因果関係のある他の確率ノードの状態を条件とした「条件付き確率表(CPT:Conditional Probability Table)」が定められる。CPTは、親ノードの状態を条件とした、子ノードが取り得る全ての状態それぞれの条件付き確率を並べた表(データテーブル)である。つまり、CPTは、確率変数X間の因果関係を定量的に表したデータである。
図4に、CPTの一例を示す。同図では、図1に示した運行分析BNにおける2列車のB駅の着遅延を表す確率ノードCN3についてのCPTを示している。この確率ノードCN3は、親ノードである2列車のA駅の発遅延を表す確率ノードCN1、及び、1列車のB駅の発遅延を表す確率ノードCN2の状態に依存する。つまり、確率ノードCN1,CN2それぞれの状態の組合せそれぞれについて、確率ノードCN3が取り得る二つの状態A,Bそれぞれの条件付き確率を定めている。また、CPTにおいて、親ノードの状態の組合せそれぞれに対する子ノードの各状態の確率の総和は「100%」となる。なお、このCPTは、運行実績データから算出される。
また、図5に示すように、運行分析BNを定量的に評価するため、確率ノードそれぞれに、該確率ノードの期待効用値Uを表す効用ノードが子ノードとして設定される。図6に、効用値Uを定義する効用関数の一例を示す。効用関数は、確率ノードが取り得る値それぞれの効用値uを定めている。確率ノードの期待効用値Uは、該確率ノードが取り得る状態それぞれの確率値を重みとした効用値uの加重平均値として算出される。同図では、状態Aの効用値uが状態Bの効用値uよりも高く(大きく)設定されている。つまり、状態Aを取る確率が高い、すなわち遅延が“少ない”確率が高いほど、確率ノードの期待効用値Uが大きく(高く)なる。
続いて、このような運行分析BNを用いた列車の運行分析について説明する。本実施例における列車の運行分析では、運行分析BNにおけるある確率ノードの値(遅延状態)を確定したときに、他の確率ノードの確率分布(各遅延状態の確率値の分布)がどのように変化するかを観察するものである。
図7は、運行分析BNの簡単な一例を示す図である。同図(a)は、運行分析BNのグラフ構造を示し、同図(b)は、各確率ノードに定められるCPTを示している。なお、この運行分析BNは、図5の運行分析BNにおいて、ある1つの着ノード(2列車のB駅着)に関する部分を抽出したネットワークである。
図7(a)によれば、運行分析BNのグラフ構造は、子ノードである確率ノードCN3に、2つの確率ノードCN1,CN2が親ノードとして接続された構造となっている。確率ノードCN1は、2列車のA駅からの発事象(発ノード)を表し、確率ノードCN2は、1列車のB駅からの発事象(発ノード)を表し、確率ノードCN3は、2列車のB駅への着事象(着ノード)を表している。更に、確率ノードCN1〜CN3それぞれに、効用ノードUN1〜UN3が子ノードとして設定されている。また、確率ノードCN1〜CN3それぞれには、同図(b)に示すようにCPTが定められている。なお、各確率ノードが取り得る値(状態)は、図2に示したように定められている。また、効用ノードの効用関数は、図6に示すように定められている。そして、CPTに従って確率ノードそれぞれの確率分布及び効用値Uを算出した後の運行分析BNを図8に示す。この運行実績に基づく運行分析BNを、特に「運行分析基本BN」という。
次いで、この運行分析基本BNにおいて、ある確率ノードの値を確定することで、他の確率ノードの確率分布がどのように変化するかを見る。ここで、「確率ノードの値を確定する」とは、確率ノードが取り得る値のうちの何れかの確率値を「100%」とし、他の値の確率値を「0%」とすることである。
図9は、図8の運行分析基本BNにおいて、「確率ノードCN1が状態Aである」と確定した場合を示す図である。図9では、確率ノードCN1の値が確定したことにより、確率ノードCN1に依存する確率ノードCN3の確率分布が変化しているとともに、期待効用値Uが変化している。また、図10は、図8の運行分析基本BNにおいて、「確率ノードCN2が状態Aである」と確定した場合を示す図である。図10では、確率ノードCN2の値が確定したことにより、確率ノードCN2に依存する確率ノードCN3の確率分布が変化しているとともに、期待効用値Uが変化している。この運行分析基本BNにおいて確率ノードの値を確定させたものを、特に「運行分析予測BN」という。運行分析基本BNと運行分析予測BNとは、グラフ構造は同じであるが、確率ノードの確率分布が異なったネットワークとなっている。
そして、運行分析基本BNに対する運行分析予測BNの変化から、例えば、ある駅でのある列車の遅延が“観測”された場合に、列車運行がどのように変化するかといったことを推測することができる。例えば、図8の運行分析基本BNと図9の運行分析予測BNとを比較すると、確率ノードCN1が「状態A」となると、確率ノードCN3が「状態A」となる確率値が上昇することがわかる。また、図8の運行分析基本BNと図10の運行分析予測BNとを比較すると、確率ノードCN2が「状態A」となると、確率ノードCN3が「状態A」を取る確率値が上昇することがわかる。これらのことにより、ある列車のある駅での発遅延が“小さい”と、該列車の次の駅での着遅延が“小さい”確率が高くなることが推測される。
〔構成〕
図11は、第1実施例における運行分析装置1の構成を示す図である。同図によれば、運行分析装置1は、例えばコンピュータで実現され、CPU10と、入力部20と、表示部30と、音出力部40と、通信部50と、記憶部60とを備えて構成される。
CPU10は、記憶部60に記憶されたプログラムやデータ、入力部20から入力されたデータ等に基づいて運行分析装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、運行分析装置1の全体制御を行う。
また、CPU10は、運行分析プログラム610に従った運行分析処理を行う。具体的には、運行実績に基づく列車の運行分析として、次の第1〜第3分析処理を行う。何れの分析処理を行うかは、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って決定する。これらの分析処理では、定められた運行計画(計画ダイヤ)に沿った各列車の運行実績(実績ダイヤ)にもとづく運行分析BNを作成し、作成したBNを用いた列車の運行分析を行う。ここで、運行計画は運行計画データ621として記憶され、この運行計画に沿った列車の運行実績は運行実績データ622として記憶されている。
図12は、運行計画データ621のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、運行計画データ621は、対象線区(同図では、「○○線区の上り」)にて運行される列車それぞれについて、時系列に、識別番号である列車番号621aと、対象線区内の各駅での着発時刻621bとを対応付けて格納している。
図13は、運行実績データ622のデータ構成の一例を示す。同図によれば、運行実績データ622は、過去の複数の日それぞれのデータ622−1,622−2,・・・から構成され、各データは、列車それぞれについて、列車番号622aと、各駅での実績の着発時刻622bとを対応付けて格納している。
そして、この運行計画及び運行実績から、列車の遅延に関するデータである遅延データ623が作成される。図14に、遅延データ623のデータ構成の一例を示す。同図によれば、遅延データ623は、運行実績データ622が生成された複数の日それぞれのデータ623−1,623−2,・・・から構成され、各データは、列車それぞれについて、列車番号623aと、各駅での着発の遅延時分623bとを対応付けて格納している。遅延時分623bは、運行計画データ621で定められる着発時刻に対する、運行実績データ622に格納された実績の着発時刻との差である。
第1分析処理は、列車の遅延が発生した場合に、それ以降の駅や後続列車に与える影響を推測する処理である。具体的には、先ず、列車ダイヤ中の遅延が発生したと仮定する駅及び列車(例えば、「M駅における2列車」)をターゲットとして決定する。ここで、ターゲットする駅及び列車は、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って決定する。決定したターゲットについてのデータは、ターゲットデータ6271に格納される。次いで、決定したターゲットをもとに、運行分析の対象とする駅範囲及び列車(以下、両方を含めて「分析対象範囲」という)を決定する。このとき、分析対象の駅範囲は、ターゲットの駅からターゲットの列車の進行方向に連続する所定数(例えば、15)の駅とする。また、分析対象の列車は、ターゲットの列車を含めた所定数(例えば、10)の後続列車とする。
続いて、決定した分析対象範囲の運行予測BNを作成する。すなわち、分析対象範囲の列車それぞれの分析対象範囲の駅それぞれにおける着発事象を、確率ノードとして列挙する。このとき、駅範囲の最初の駅については発事象のみを確率ノードとし、最後の駅については着事象のみを確率ノードし、それ以外の駅については着事象及び発事象を確率ノードとして列挙する。次いで、因果関係がある確率ノード同士を、その因果関係の方向に従った有向アークでつないだグラフ構造を作成する。また、確率ノードそれぞれに効用ノードを設定する。
ここで、確率ノードが取り得る値(遅延状態)は、遅延状態設定テーブル625にて定義されている。図15に、遅延状態設定テーブル625のデータ構成の一例を示す。同図によれば、遅延状態設定テーブル625は、確率ノードが取り得る値(遅延状態)625aそれぞれについて、条件とする遅延時分625bを対応付けて格納している。
また、確率ノードが表す着発遅延の因果関係は、着発因果関係テーブル624にて定義されている。図16に、着発因果関係テーブル624のデータ構成の一例を示す。同図によれば、着発因果関係テーブル624は、確率ノードが表す事象624aそれぞれについて、該事象に因果関係を持つ事象624bを対応付けて格納している。
図17は、作成された運行予測BNのグラフ構造の一例を示す図である。同図では、分析対象範囲として、対象の駅範囲を「A駅〜M駅」とし、対象の列車を「1〜10列車」とした場合の運行分析BNを示している。また、縦方向を列車の進行方向に沿った駅の着発とし、横方向を運行順序に沿った列車としている。運行分析BNにおいて、図中最も左上のノード(時間的に最も早いノード)を、該運行分析BNの「スタートノード」という。第1分析処理では、ターゲットを起点(始点)とした対象分析範囲を設定するため、ターゲットの発ノードがスタートノードとなる。
グラフ構造を作成すると、CPU10は、続いて、確率ノードそれぞれについて、親ノードとの依存関係を表すCPTを算出する。このとき、CPTは、遅延データ623から分析対象範囲に該当するデータ部分を抽出し、このデータ部分をもとに算出する。次いで、算出したCPTに従って、確率ノードそれぞれの確率分布(各遅延状態の確率値の分布)を算出する。更に、確率ノードそれぞれについて、算出した確率分布から期待効用値Uを算出する。このように作成された運行分析BNが、運行分析基本BNとなる。
ここで、期待効用値Uを算出するための効用関数は、効用関数テーブル626にて定義されている。図18に、効用関数テーブル626のデータ構成の一例を示す。同図によれば、効用関数テーブル626は、確率ノードが取り得る状態626aそれぞれについて、効用値626bを対応付けて格納している。
分析対象範囲の運行分析基本BNを作成すると、CPU10は、次いで、この運行分析基本BNにおいて、ターゲットのノードの値を確定する。第1分析処理では、列車の遅延が生じたときに他の駅や列車への影響を分析するため、ターゲットであるスタートノードの値を、遅延が生じたことを表す「状態B」と確定する。ターゲットのノードの値を確定すると、続いて、確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出する。このように、運行分析基本BNにおいて、ターゲットのノードの値を確定したネットワークが、運行分析予測BNとなる。
作成された運行分析BN(運行分析基本BN及び運行分析予測BN)についてのデータは、運行分析BNデータ6272に格納される。図19は、運行分析BNデータ6272のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、運行分析BNデータ6272は、分析対象範囲データ6273と、グラフ構造データ6274と、CPTデータ6275と、確率分布データ6276とを含む。分析対象範囲データ6273は、運行分析BNの分析対象範囲とした駅範囲及び列車のデータを格納する。グラフ構造データ6274は、運行予測BNのグラフ構造のデータである。
CPTデータ6275は、運行予測BNの確率ノードそれぞれに定められたCPTのデータである。図20に、CPTデータ6275のデータ構成の一例を示す。同図によれば、CPTデータ6275は、運行分析BNを構成する確率ノードそれぞれについてのCPTを格納している。
確率分布データ6276は、確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uのデータである。図21に、確率分布データ6276のデータ構成の一例を示す。同図によれば、確率分布データ6276は、運行分析基本BNについてのデータ6276−1と、運行分析予測BNについてのデータ6276−2とを含む。データ6276−1,6286−2は、何れも、運行分析BNを構成する確率ノード6276aそれぞれについて、各状態の確率値6276bと、期待効用値6276cとを対応付けて格納しているとともに、期待効用値Uの総和6276dを格納している。
その後、作成した運行分析基本BN及び運行分析予測BNに基づく分析を行う。例えば、運行分析BNに含まれる確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BNにおける確率分布と運行分析予測BNにおける確率分布とを比較し、確率分布の変化が“大きい”ほど、ターゲットの遅延が与える影響が大きいと判断する。ここで、確率分布の変化が“大きい”とは、所定条件を満たす場合であり、具体的には、例えば「少なくとも1つの遅延状態の確率値が所定値(例えば、20%)以上変化している」場合である。また、確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BNにおける期待効用値Uと、運行分析予測BNにおける期待効用値Uとを比較し、期待効用値Uの変化量ΔUが大きいほど、ターゲットの遅延が与える影響が大きいと判断する。
分析結果についてのデータは、分析結果データ6277に格納される。図22に、分析結果データ6277のデータ構成の一例を示す。同図によれば、分析結果データ6277は、運行分析BNを構成する確率ノード6277aそれぞれについて、確率分布の変化有無6277bと、期待効用値Uの変化量6277cとを対応付けて格納している。確率分布の変化有無6277bは、対応する確率ノードの、運行分析基本BNにおける確率分布に対する運行分析予測BNにおける確率分布の変化であり、少なくとも1つの値(遅延状態)の確率値の変化値が所定値以上である場合に“変化有り”となり、それ以外の場合には“変化無し”となる。期待効用値Uの変化量6277cは、対応する確率ノードの、運行分析基本BNにおける期待効用値U1に対する運行分析予測BNにおけるU2の変化量(=U2−U1)である。
そして、分析結果を示した分析結果画面を表示する。分析結果画面としては、例えば、運行分析基本BN及び運行分析予測BNを異なる画面で切替表示する。図23に、分析結果画面の一例を示す。同図では、運行分析基本BNについての表示画面を示しているが、運行分析予測BNについても同様の表示画面となる。同図によれば、分析結果画面では、縦方向を駅、横方向を列車として、確率ノードCNがマトリクス状に並べられた運行分析基本BNが表示されている。また、確率ノードCNそれぞれについて確率分布がグラフ表示されているとともに、確率ノードCNにつながれた効用ノードUNに、該確率ノードCNの期待効用値Uが数値表示されている。なお、ターゲットは「A駅における1列車」である。そして、運行分析予測BNの表示画面において、所定条件を満たして確率分布の変化が“大きい”と判断した確率ノードを識別表示したり、或いは、期待効用値Uが大きく変化した確率ノードを識別表示したりする。
第1分析処理に関するデータは、第1分析データ627として記憶される。図24に、第1分析データ627のデータ構成の一例を示す。同図に示すように、第1分析データ627は、ターゲットデータ6271と、運行分析BNデータ6272と、分析結果データ6277とを含む。
第2分析処理は、列車ダイヤのどの部分の遅延を解消することで、列車ダイヤ全体として遅延が解消された“良い”計画ダイヤとなるかを推定する処理である。具体的には、列車ダイヤにおいて、所定数(例えば、10)のターゲット(駅及び列車)を決定する。ここで、ターゲットとする駅及び列車は、例えば、入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って決定する。ターゲットは、例えば、運行実績から遅延が“大きい”と判断される列車及び駅を選択する。列挙したターゲットについてのデータは、ターゲットリスト6281に格納される。
そして、決定したターゲットそれぞれについての運行予測BNを作成する。この運行予測BNの作成は、第1分析処理の場合と同様である。すなわち、先ず、ターゲットを起点とする分析対象範囲を設定し、設定した分析対象範囲の運行分析BNを作成する。ここで作成した運行分析BNが、運行分析基本BNとなる。ここで、ターゲットそれぞれに設定する分析対象範囲は全て同じ大きさ(駅の数及び列車の数が同じ)とする。つまり、ターゲットそれぞれについての運行分析BNに含まれる確率ノードの数は同じとなる。
次いで、作成した運行分析BNにおいて、ターゲットの値を確定する。第2実施例では、ターゲットでの遅延が解消された、つまり遅延が生じないと仮定した場合に、以降の駅や後続の列車に与える影響を推測するため、ターゲットであるスタートノードの値を、遅延が生じていないことを表す「状態A」とする。そして、確定したターゲットの値に従って、他の確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出する。また、確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和Wを算出する。このようにスタートノードの値を確定した後の運行分析BNが、運行分析予測BNとなる。
作成された運行分析BNに関するデータは、ターゲット毎の運行分析BNデータ6282に格納される。
全てのターゲットそれぞれについての運行分析BNを作成すると、作成したターゲットそれぞれの運行分析BNに基づく分析を行う。すなわち、全てのターゲットそれぞれについて、運行分析基本BNにおける確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W1と、運行分析予測BNにおける確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W2とを算出し、更に、この効用値総和W1,2の変化量ΔW(=W2−W1)を算出する。そして、これらのターゲットのうち、効用値総和Wの変化量ΔWが大きい(すなわち、より改善されている)ほど、該当する部分の遅延を解消することで、列車ダイヤ全体として遅延が少ない“良い”ダイヤになり得ると判断する。
分析結果についてのデータは、分析結果データ6283に格納される。図25は、分析結果データ6283のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、分析結果データ6283は、ターゲット6283aそれぞれについて、該ターゲットを起点(スタートノード)とした分析対象範囲の運行分析基本BNにおける期待効用値Uの総和6283bと、運行分析予測BNにおける期待効用値Uの総和6283cと、効用値総和W1,W2の変化量6283dとを対応付けて格納している。
そして、分析結果を示す分析結果画面を表示する。例えば、列挙した複数のターゲット(列車及び駅)を効用値総和Wの変化量ΔWが大きい順に一覧表示する。また、効用値総和Wの変化量ΔWが所定の改善条件を満たすターゲットに該当する部分(列車及び駅)を列車ダイヤ上で識別表示することにしても良い。ここで、改善条件とは、該当する部分の遅延を解消することで列車ダイヤ全体が改善され得るとみなされる条件であり、具体的には、例えば、「変化量ΔWが最も大きい」、「変化量Δが所定値以上である」といった条件である。
第2分析処理に関するデータは、第2分析データ628として記憶される。図26に、第2分析データ628のデータ構成の一例を示す。同図によれば、第2分析データ628は、ターゲットリスト6281と、ターゲットそれぞれについての複数の運行分析BNデータ6282とを含む。運行分析BNデータ6282は、列挙されたターゲットそれぞれについて生成され、そのデータ構成は、図19に示した運行分析BNデータ6272と同様である。
第3分析処理は、列車ダイヤのある列車のある駅に着目し、この着目部分の遅延に影響を与える範囲を推定する処理である。具体的には、先ず、列車ダイヤ中の着目する駅及び列車をターゲットとして決定する。決定したターゲットについてのデータは、ターゲットデータ6291に格納される。また、ターゲット(着目部分)に影響を与えるかの判断の対象とする列車ダイヤ中の複数の候補部分(駅及び列車)を列挙する。この候補部分は、ターゲットの列車より前の(先行する)列車とするともに、ターゲットの駅より前の駅とする。列挙された候補部分についてのデータは、候補部分リスト6292に格納される。ここで、ターゲット及び候補部分とする駅及び列車は、例えば、入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って決定する。
そして、列挙した候補部分それぞれについての運行分析BNを作成する。すなわち、候補部分それぞれについて、候補部分を起点とするとともにターゲットを含む分析対象範囲を設定し、設定した分析対象範囲の運行分析BNを作成する。つまり、候補部分の発ノードをスタートノードとし、ターゲットのノードを含む運行分析BNを作成する。この場合、候補部分毎に分析対象範囲が異なることになり、従って、作成される運行分析BNに含まれる確率ノードの数が異なることになり得る。
そして、この運行分析基本BNにおいて、候補部分であるスタートノードの値を確定する。第3分析処理では、ある駅で生じた遅延がターゲットに与える影響を分析するため、スタートノードの値を、遅延が生じたことを表す「状態B」とする。そして、確定したスタートノードの値に従って、確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出する。このようにスタートノードの値を確定した後の運行分析BNが、運行分析予測BNとなる。
作成された運行分析BNについてのデータは、候補部分毎の運行分析BNデータ6293に格納される。
そして、全ての候補部分についての運行分析BNを作成すると、作成した運行分析BNに基づく分析を行う。すなわち、全ての候補部分それぞれについて、運行分析基本BNにおけるターゲットのノードの効用値U1と、運行分析予測BNにおけるターゲットのノードの効用値U2との変化量ΔU(=U2−U1)を算出する。この変化量ΔUが大きいほど、該候補部分の遅延がターゲットの遅延に与える影響が大きいと判断する。
分析結果についてのデータは、分析結果データ6294に格納される。図27に、分析結果データ6294のデータ構成の一例を示す。同図によれば、分析結果データ6294は、候補部分6294aそれぞれについて、該候補部分のノードをスタートノードとした運行分析基本BNにおけるターゲットの期待効用値6294bと、運行分析予測BNにおけるターゲットの期待効用値6294cと、ターゲットの期待効用値U1,U2の変化量6294dと、ターゲットへの影響有無6294eとを対応付けて格納している。ターゲットへの影響有無6294eは、ターゲットの期待効用値Uの変化量ΔUが所定の閾値UTH以上の場合に“影響有り”となり、閾値UTH未満の場合には“影響無し”となる。
そして、分析結果を示した分析結果画面を表示する。例えば、ターゲットとともに、列挙した複数の候補部分(列車及び駅)を、ターゲットの期待効用値Uの変化量ΔUが大きい順に一覧表示したり、或いは、期待効用値Uの変化量ΔUが所定量以上の候補部分や変化量ΔUが最も大きい候補部分(列車及び駅)を、列車ダイヤ上で識別表示することにしても良い。
第3分析処理に関するデータは、第3分析データ629として記憶される。図28に、第3分析データ629のデータ構成の一例を示す。同図によれば、第3分析データ629は、ターゲットデータ6291と、候補部分リスト6292と、候補部分それぞれについての複数の運行分析BNデータ6293とを含む。
図11に戻り、入力部20は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた入力信号をCPU10に出力する。表示部30は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等で実現される表示装置であり、CPU10から入力される表示信号に基づく各種画面を表示する。通信部50は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、外部機器との間でデータ通信を行う。
記憶部60は、CPU10が運行分析装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実行するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、CPU10の作業領域として用いられ、CPU10が各種プログラムに従って実行した演算結果や、入力部20からの入力信号が一時的に格納される。第1実施例では、記憶部60には、プログラムとして運行分析プログラム610が記憶されるとともに、データとして、運行計画データ621と、運行実績データ622と、遅延データ623と、着発因果関係テーブル624と、遅延状態設定テーブル625と、効用関数テーブル626と、第1分析データ627と、第2分析データ628と、第3分析データ629とが記憶される。運行分析プログラム610は、第1分析処理を実現するための第1分析プログラム611と、第2分析処理を実現するための第2分析プログラム612と、第3分析処理を実現するための第3分析プログラム613とを含んでいる。
〔処理の流れ〕
図29は、第1分析処理を説明するフローチャートである。なお、第1分析処理に先立ち、運行計画データ621及び運行実績データ622に基づく遅延データ623が生成されているものとする。同図によれば、CPU10は、先ず、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、ターゲットとする駅及び列車を決定する(ステップA1)。次いで、ターゲットを起点とする分析対象範囲を決定する(ステップA3)。
そして、決定した分析対象範囲の運行分析基本BNを作成する。すなわち、分析対象範囲に該当する列車ダイヤのダイヤ部分について、範囲内の列車それぞれの各駅での着発事象を表す確率ノードを列挙し、列挙した確率ノードの間を着発事象の因果関係の方向を示す有向ノードでつないで、グラフ構造を生成する(ステップA5)。次いで、分析対象範囲に該当する遅延データ623のデータ部分をもとに、確率ノードそれぞれのCPTを算出する(ステップA7)。続いて、算出したCPTをもとに確率ノードそれぞれの確率分布(各状態の確率値)を算出し(ステップA9)、確率ノードそれぞれについて、算出した確率分布をもとに、確率関数に従って期待効用値Uを算出する(ステップA11)。更に、確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W1を算出する(ステップA13)。このように生成した運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
続いて、運行分析予測BNを作成する。すなわち、作成した運行分析基本BNにおいて、ターゲットであるスタートノードの値を、遅延が生じたことを表す「状態B」に確定する(ステップA15)。そして、運行分析基本BNの確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出し、運行分析予測BNとする(ステップA17)。更に、運行分析予測BNにおける確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W2を算出する(ステップA19)。
続いて、作成した運行分析基本BN及び運行分析予測BNに基づく分析を行う(ステップA21)。すなわち、運行分析BNを構成する確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BN及び運行分析予測BNそれぞれにおける確率分布を比較し、確率分布の変化の有無を判断する。また、確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BN及び運行分析予測BNそれぞれにおける期待効用値U1,U2の変化量ΔUを算出する。
その後、分析結果の表示を行う(ステップA23)。すなわち、例えば、図23に示したように、グラフ構造とともに確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを表示した運行分析基本BN及び運行分析予測BNそれぞれの表示画面を切り替え表示する。更に、運行分析予測BNにおいて、所定条件を満たす(すなわち、運行分析基本BNに比較して確率分布の変化が“大きい”)確率ノードを識別表示したり、期待効用値Uの変化量ΔUが所定値以上の確率ノードを識別表示したりする。以上の処理を行うと、CPU10は、第1分析処理を終了する。
図30は、第2分析処理を説明するフローチャートである。同図によれば、CPU10は、先ず、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、ターゲットとする複数の駅及び列車の組合せを決定する(ステップB1)。そして、決定したターゲットそれぞれを対象としたループAの処理を行う。
ループAでは、先ず、対象のターゲットを起点とする所定の大きさの分析対象範囲を決定する(ステップB3)。次いで、決定した分析対象範囲の運行分析基本BNを作成する。すなわち、第1分析処理の場合と同様に、分析対象範囲内の列車それぞれの各駅での着発事象を表す確率ノードを列挙し、列挙した確率ノードの間を着発事象の因果関係の方向を示す有向ノードでつないで、グラフ構造を生成する(ステップB5)。次いで、分析対象範囲に該当する遅延623のデータ部分をもとに、確率ノードそれぞれのCPTを算出する(ステップB7)。続いて、算出したCPTをもとに確率ノードそれぞれの確率分布(各状態の確率値)を算出し(ステップB9)、確率ノードそれぞれについて、算出した確率分布をもとに、確率関数に従って期待効用値Uを算出する(ステップB11)。更に、確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W1を算出する(ステップB13)。このように作成した運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
次いで、運行分析予測BNを作成する。すなわち、運行分析基本BNにおいて、対象ターゲットであるスタートノードの値を、遅延が生じていないことを表す「状態A」に確定する(ステップB15)。次いで、確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出し(ステップB17)、これら確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W2を再算出する(ステップB19)。
続いて、運行分析基本BNにおける期待効用値Uの総和W1に対する、運行分析予測BNにおける効用値Uの総和W2の変化量ΔW(=W2−W1)を算出する(ステップB21)。ループAは、このように行われる。
全てのターゲットを対象としたループAの処理を終了すると、作成した各ターゲットの運行分析BNに基づく分析を行う(ステップB23)。すなわち、これらのターゲットのうちから、期待効用値の総和の変化量ΔWが所定の改善条件(例えば、所定の閾値以上)を満たすターゲットを抽出し、これら抽出したターゲットを、該ターゲットの遅延を解消することで列車ダイヤ全体としての遅延が解消され得ると判断する。
その後、分析結果の表示処理を行う(ステップB25)。すなわち、例えば、列車ダイヤ上や図23に示したような運行分析BN上において、期待効用値の総和の変化量ΔWが改善条件を満たすとして抽出したターゲットに該当する部分(列車及び駅)を識別表示する。以上の処理を行うと、CPU10は、第2分析処理を終了する。
図31は、第3分析処理を説明するフローチャートである。同図によれば、CPU10は、先ず、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、ターゲットとする列車及び駅を決定する(ステップC1)。次いで、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、候補部分とする複数の列車及び駅の組合せを決定する(ステップC3)。なお、この候補部分は、ターゲットの列車の後続列車であるとともに、ターゲットの駅の先の駅であるとする。そして、決定した候補部分それぞれを対象としたループBの処理を行う。
ループBでは、対象の候補部分を起点とするとともにターゲットを含む分析対象範囲を決定する(ステップC5)。次いで、分析対象範囲の運行分析基本BNを作成する。すなわち、第1分析処理の場合と同様に、分析対象範囲内の列車それぞれの各駅での着発事象を表す確率ノードを列挙し、列挙した確率ノードの間を着発事象の因果関係の方向を示す有向ノードでつないで、グラフ構造を生成する(ステップC7)。次いで、分析対象範囲に該当する遅延623のデータ部分をもとに、確率ノードそれぞれのCPTを算出する(ステップC9)。続いて、算出したCPTをもとに確率ノードそれぞれの確率分布(各状態の確率値)を算出し(ステップC11)、確率ノードそれぞれについて、算出した確率分布をもとに、確率関数に従って期待効用値Uを算出する(ステップC13)。更に、確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W1を算出する(ステップC15)。このように作成した運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
次いで、運行分析予測BNを作成する。すなわち、運行分析基本BNにおいて、対象の候補部分であるスタートノードの値を、遅延が生じたことを表す「状態B」に確定する(ステップC17)。そして、運行分析基本BNにおける確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを再算出し(ステップC19)、更に、運行分析予測BNにおける確率ノードそれぞれの期待効用値Uの総和W2を算出する(ステップC21)。このように作成した運行分析BNを、運行分析予測BNとする。
続いて、運行分析基本BNにおけるターゲットのノードの期待効用値U1に対する、運行分析予測BNにおけるターゲットのノードの期待効用値U2の変化量ΔU(=U2−U1)を算出する(ステップC23)。そして、算出した期待効用値Uの変化量ΔUをもとに、対象の候補部分がターゲットに影響を与えるか否かを判断する。すなわち、変化量ΔUが所定の閾値UTH以上ならば(ステップC25:YES)、対象の候補部分はターゲットに“影響を与える”と判断し(ステップC27)、変化量ΔUが閾値UTH未満ならば(ステップC25:NO)、対象の候補部分はターゲットに“影響を与えない”と判断する(ステップC29)。ループBはこのように行われる。
そして、全ての候補部分を対象としたループBを終了すると、作成した各候補部分の運行分析BNに基づく分析処理を行う(ステップC31)。その後、分析結果の表示処理を行う(ステップC33)。以上の処理を行うと、CPU10は、第3分析処理を終了する。
[第2実施例]
次に、第2実施例を説明する。第2実施例では、路面電車(道路上に敷設された軌道を走行する電車)を想定した運行分析を行う。路面電車は、在来線と比較して、駅(電停)間の距離や時間が短く、また、信号による停車等によって計画ダイヤを厳守した運転が難しい。また、利用者の観点からは、必ずしも計画ダイヤに沿った厳密な運行よりも、各駅での列車の運行間隔のばらつきが小さいことが望まれる。このため、第2実施例では、「列車の遅延」を「駅までの所要時間の遅延」とするとともに、運行される各列車を区別しないことにする。
〔原理〕
図32は、第2実施例における運行分析BNのグラフ構造の一例を示す図である。同図では、縦方向を駅、横方向を時刻tとして、ある線区(始発駅であるA駅から終着駅であるZ駅)における運行分析BNのグラフ構造を示している。第2実施例では、列車を区別せず、各駅までの所要時間の遅延事象を確率変数Xとする。すなわち、確率ノードを、各駅での遅延を表す「駅ノード」とする。なお、本実施例では、ある駅までの「所要時間」を、始発駅の発時刻から該駅の発時刻までの時間とするが、該駅の着時刻までの時間としても良い。
そして、確率ノードの値(遅延状態)は、図33に示すように定められている。すなわち、基準所要時間に対する該駅までの所要時間の差である遅延時分が「−1分以上」である「状態A」、遅延時分が「±1分以内」である「状態B」、及び、遅延時分が「+1分以上」である「状態C」の何れかの値をとる。ここで、基準所要時分は、各列車の実績の所要時分から得られる平均の所要時分である。なお、この基準所要時分を、計画ダイヤで定められる所要時分としても良い。
また、第2実施例では、ある駅での遅延事象は、その1つ前の駅での遅延事象に因果関係をもつ。従って、第2実施例における運行分析BNのグラフ構造は、線形のグラフとなる。
図34は、図32のグラフ構造の確率ノードに定められるCPTの一例を示す図である。同図では、B駅の遅延事象を表す確率ノードCN2についてのCPTを示している。B駅の遅延事象は、その前のA駅の遅延状態に依存する。つまり、この確率ノードCN2のCPTは、該確率ノードCN2が取り得る値である状態A〜Cそれぞれについて、A駅の遅延事象を表す確率ノードCN1の値を条件とした条件付き確率を定めている。
続いて、このような運行分析BNを用いた列車の運行分析について説明する。図35は、運行分析BNの一例を示す図である。同図では、A駅〜F駅の線区について、グラフ構造とともに、確率ノードそれぞれの確率分布をグラフで示している。この運行分析BNは、A駅〜F駅それぞれの遅延事象を表す確率ノードCN1〜CN6から構成される。なお、確率ノードCN1〜CN6それぞれの確率分布は、確率ノードそれぞれに定められたCPTから算出される。この運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
そして、図36は、図35の運行分析基本BNにおいて、「確率ノードCN6が状態Cである」と確定した場合を示す図である。この運行分析BNが、図35の運行分析基本BNに対する運行分析予測BNとなる。
図35の運行分析基本BNと、図36の運行分析予測BNとにおいて、確率ノードそれぞれの確率分布を比較すると、A駅〜C駅の確率ノードCN1〜CN3については、確率分布が殆ど変化していないが、D駅〜E駅の確率ノードCN4〜CN6については、確率分布が大きく変化していることがわかる。特に、「状態C」の確率値が大きく増加している。つまり、D駅での遅延が、F駅での遅延に大きく影響していることが推測される。
〔構成〕
図37は、第2実施例における運行分析装置2の構成を示す図である。同図によれば、運行分析装置2は、例えばコンピュータで実現され、CPU10と、入力部20と、表示部30と、音出力部40と、通信部50と、記憶部80とを備えて構成される。
CPU10は、記憶部80に記憶されたプラグラムやデータ、入力部20から入力されたデータ等に基づいて運行分析装置2を構成する各部への指示やデータ転送等を行い、運行分析装置2の全体制御を行う。
また、CPU10は、運行分析プログラム810に従って、運行実績に基づく列車の運行分析処理を行う。この運行分析処理は、ある駅の遅延が生じたと仮定した場合に、それ以前のどの駅での遅延に影響されているかを推測する処理である。具体的には、先ず、運行実績データ822から、各列車の各駅までの所要時分を算出して所要時分データ823を作成する。
運行実績データ822は、各列車の実際の運行実績のデータである。図38に、運行実績データ822のデータ構成の一例を示す。同図によれば、運行実績データ822は、過去の複数の日それぞれのデータ822−1,822−2,・・・から構成され、各データ822−1,822−2,・・・は、運行される列車それぞれについて、識別番号である列車番号822aと、各駅での着発時刻822bとを対応付けて格納している。
図39は、所要時分データ823のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、所要時分データ823は、運行実績データ822が記憶されている過去の複数の日それぞれについてのデータ823−1,823−2,・・・から構成され、各データ823−1,823−2,・・・は、列車それぞれについて、列車番号823aと、各駅までの所要時分823bとを対応付けて格納しているとともに、各駅までの所要時間の平均823cを格納している。
CPU10は、先ず、例えば、入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、遅延が発生したと仮定する駅をターゲットとして決定する。次いで、運行実績をもとに、運行分析基本BNを作成する。すなわち、各駅の遅延事象を確率ノードとして列挙し、因果関係がある確率ノードの間をその因果関係の方向を示す有向アークでつないだグラフ構造を生成する。次いで、所要時分データ823をもとに、確率ノードそれぞれのCPTを算出する。
ここで、確率ノードが取り得る値(状態)は、遅延状態設定テーブル824にて定義されている。図40は、遅延状態設定テーブル824のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、遅延状態設定テーブル824は、確率ノードが取り得る値(遅延状態)
824aそれぞれについて、条件とする遅延時分824bを対応つけて格納している。
続いて、算出したCPTに従って、確率ノードそれぞれの確率分布を算出する。このように作成した運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
次いで、この運行分析基本BNにおいて、ターゲットの値を、該ターゲットの駅までの所要時間が基準所要時間よりも“長い”ことを表す「状態C」と確定する。そして、確率ノードそれぞれの確率分布を再算出する。この運行分析基本BNにおいて、ターゲットの値を確定したネットワークが、運行分析予測BNとなる。
作成された運行分析BN(運行分析基本BN及び運行分析予測BN)についてのデータは、運行分析BNデータ825に格納される。この運行分析BNデータ825は、グラフ構造データ826と、CPTデータ827と、確率分布データ828とを含んでいる。グラフ構造データ826は、運行分析BNのグラフ構造のデータである。
CPTデータ827は、確率ノードに定められたCPTのデータである。図41に、CPTデータ827のデータ構成の一例を示す。同図によれば、CPTデータ827は、運行分析BNを構成する確率ノードそれぞれについてのCPTを格納している。
確率分布データ828は、確率ノードの確率分布のデータである。図42に、確率分布データ828のデータ構成の一例を示す。同図によれば、確率分布データ828は、運行分析基本BNについてのデータ828−1と、運行分析予測BNについてのデータ828−2とを含む。データ828−1,828−2は、何れも、運行分析BNを構成する確率ノード828aそれぞれについて、各遅延状態の確率値828bを格納している。
その後、作成した運行分析BNにもとづく分析を行う。すなわち、運行分析BNを構成する確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BNにおける確率分布と、運行分析予測BNにおける確率分布とを比較し、確率分布の変化が“大きい”確率ノードを抽出する。そして、抽出した確率ノードに該当する駅での遅延状態が、ターゲットの駅での遅延に大きく影響する可能性が高いと判断する。ここで、確率分布の変化が“大きい”とは、例えば、少なくとも1つの遅延状態の確率値が所定以上変化(増加/減少)している場合である。
そして、分析結果を表示した分析結果画面を表示する。具体的には、例えば、運行分析基本BNと運行分析予測BNとを異なる画面で切り替え表示する。そして、運行分析予測において、確率分布の変化が“大きい”として抽出した確率ノードを識別表示する。
図37に戻り、記憶部80は、CPU10が運行分析装置2を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実行するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、CPU10の作業領域として用いられ、CPU10が各種プログラムに従って実行した演算結果や、入力部20からの入力信号が一時的に格納される。第2実施例では、記憶部80には、プログラムとして運行分析プログラム810が記憶されるとともに、データとして、運行計画データ821と、運行実績データ822と、所要時分データ823と、遅延状態設定テーブル824と、運行分析BNデータ825とを記憶している。
〔処理の流れ〕
図43は、運行分析処理を説明するフローチャートである。同図によれば、CPU10は、先ず、例えば入力部20から入力されるユーザの選択指示に従って、ターゲットとする駅を決定する(ステップD1)。
次いで、運行分析基本BNを作成する。すなわち、対象線区内の各駅での遅延事象を表す確率ノードを列挙し、列挙した確率ノードの間を着発事象の因果関係の方向を示す有向ノードでつないで、グラフ構造を生成する(ステップD3)。次いで、所要時分データ823をもとに、確率ノードそれぞれのCPTを算出する(ステップD5)。続いて、算出したCPTをもとに確率ノードそれぞれの確率分布(各状態の確率値)を算出する(ステップD7)。このように作成した運行分析BNを、運行分析基本BNとする。
続いて、運行分析予測BNを作成する。すなわち、運行分析基本BNにおいて、ターゲットの確率ノードを、所要時間が長いことを表す「状態C」とする(ステップD9)。そして、確率ノードそれぞれの確率分布を再算出する(ステップD11)。このように作成した運行分析BNを、運行分析予測BNとする。
続いて、作成した運行分析基本BN及び運行分析予測BNに基づく分析処理を行う(ステップD13)。すなわち、確率ノードそれぞれについて、運行分析基本BNにおける確率分布と、運行分析予測BNにおける確率分布とを比較し、確率分布の変化が“大きい”確率ノードを抽出する。
その後、分析結果を表示する(ステップD15)。すなわち、例えば、グラフ構造とともに確率ノードそれぞれの確率分布及び期待効用値Uを表示した運行分析基本BN及び運行分析予測BNそれぞれの表示画面を切り替え表示する。更に、運行分析予測BNにおいて、運行分析基本BNに比較して確率分布の変化が“大きい”確率ノードを識別表示する。以上の処理を行うと、CPU10は、運行分析処理を終了する。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)運行分析BNにおいて値を確定する確率ノードの数
例えば、上述した実施例では、運行分析BNにおいて1つの確率ノードの値を確定することにしたが、これを、2つ以上の確率ノードの値を確定することにしても良い。
具体的には、第1実施例における第1分析処理では、ターゲットとして、遅延が生じたと仮定する列車及び駅の組合せ(例えば、「M駅における2列車」及び「S駅における4列車」)を複数決定する。次いで、これら複数のターゲットの全てを含むように分析対象範囲を設定して、設定した分析対象範囲の運行分析基本BNを作成する。続いて、作成した運行分析基本BNにおいて、ターゲットそれぞれに該当する確率ノードの値を確定した運行分析予測BNを作成する。そして、作成した運行分析基本BNと運行分析予測BNとを比較する。
また、第2分析処理では、列挙した複数のターゲットのうちの2つ以上のターゲットの組合せを生成する。そして、生成した組合せそれぞれについて、該組合せの2つ以上のターゲットを含む運行分析範囲を設定して運行分析基本BNを作成し、作成した運行分析基本BNにおいて、該組合せのターゲットそれぞれに該当する確率ノードの値を確定して運行分析予測BNを作成する。
また、第3分析処理では、列挙した複数の候補部分のうちの2つ以上の候補部分の組合せを生成し、生成した組合せそれぞれについて、該組合せの2つ以上の候補部分及びターゲットを含む運行分析範囲を設定して運行分析基本BNを作成し、作成した運行分析基本BNにおいて、該組合せの候補部分それぞれに該当する確率ノードの値を確定して運行分析予測BNを作成する。
また、第2実施例では、ターゲットとして、遅延が生じたと仮定する2つ以上の駅を決定し、運行分析基本BNにおいて、決定したターゲットそれぞれに該当する確率ノードの値を確定して運行分析予測BNを作成する。
(B)確定する確率ノードの値
また、上述の第2実施例は、ある駅で生じたと想定した遅延が、それ以前のどの駅での遅延に影響されているかを推測するため、運行分析基本BNにおいて、ターゲットの確率ノードを、該ターゲットの駅までの所要時間が“長い”ことを表す「状態C」とすることにしたが、これ以外の「状態A」或いは「状態B」と確定することにしても良い。この場合、ターゲットのノードを、該ターゲットの駅までの所要時間が“短い”を表す「状態A」と確定すると、作成された運行分析予測BNと運行分析基本BNとを比較することで、ターゲットの駅までの所要時間が短くなるのは、どの駅での所要時間が大きく影響しているかといったことを推測することができる。また、ターゲットのノードを、該ターゲットまでの所要時間がほぼ基準時間であることを表す「状態B」と確定すると、作成された運行分析予測BNと運行分析基本BNとを比較することで、ターゲットの駅までの所要時間がほぼ基準所要時間とおりとなるためには、どの駅での所要時間が大きく影響しているかといったことを推測することができる。
第1実施例における運行分析BNのグラフ構造の一例。 確率ノードの遅延状態の設定例。 着発事象の因果関係の一例。 CPT(条件付き確率表)の一例。 運行分析BNのグラフ構造の一例。 効用関数の一例。 運行分析BNのグラフ構造及びPCTの一例。 運行分析BN(運行分析基本BN)の一例。 図8において確率ノードを確定した運行分析BN(運行分析予測BN)の一例。 図8において確率ノードを確定した運行分析BN(運行分析予測BN)の一例。 第1実施例における運行分析装置の構成図。 運行計画データのデータ構成例。 運行実績データのデータ構成例。 遅延データのデータ構成例。 遅延状態設定テーブルのデータ構成例。 着発因果関係テーブルのデータ構成例。 運行分析BNの一例。 効用関数テーブルのデータ構成例。 運行分析BNデータのデータ構成例。 CPTデータのデータ構成例。 確率分布データのデータ構成例。 分析結果データのデータ構成例。 分析結果画面の一例。 第1分析データのデータ構成例。 分析結果データのデータ構成例。 第2分析データのデータ構成例。 分析結果データのデータ構成例。 第3分析データのデータ構成例。 第1分析処理のフローチャート。 第2分析処理のフローチャート。 第3分析処理のフローチャート。 第2実施例における運行分析BNのグラフ構造の一例。 確率ノードの遅延状態の設定例。 CPTの一例。 運行分析BN(運行分析基本BN)の一例。 図35において確率ノードを確定した運行分析BN(運行分析予測BN)の一例。 第2実施例における運行分析装置の構成図。 運行実績データのデータ構成例。 所要時分データのデータ構成例。 遅延状態設定テーブルのデータ構成例。 CPTデータのデータ構成例。 確率分布データのデータ構成例。 運行分析処理のフローチャート。
符号の説明
1 運行分析装置(第1実施例)
10 CPU
60 記憶部
610 運行分析プログラム
611 第1分析プログラム、612 第2分析プログラム
613 第3分析プログラム
621 運行計画データ、622 運行実績データ、623 遅延データ
624 着発因果関係テーブル、625 遅延状態設定テーブル
626 効用関数テーブル
627 第1分析データ
6271 ターゲットデータ
6272 運行分析BNデータ
6273 分析対象範囲データ、6274 グラフ構造データ
6275 CPTデータ、6276 確率分布データ
6277 分析結果データ
628 第2分析データ
6281 ターゲットリスト、6282 運行分析BNデータ
6283 分析結果データ
629 第3分析データ
6291 ターゲットデータ、6292 候補部分リスト
6293 運行分析BNデータ、6294 分析結果データ
2 運行分析装置(第2実施例)
80 記憶部
810 運行分析プログラム
821 運行計画データ、822 運行実績データ、823 所要時分データ
824 遅延状態設定テーブル
825 運行分析BNデータ
826 グラフ構造データ、827 CPTデータ、828 確率分布データ

Claims (11)

  1. コンピュータを、
    所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成手段、
    駅を選択する選択手段、
    前記選択された駅での遅延状態を決定する遅延状態決定手段、
    前記選択された駅の遅延状態を前記遅延状態決定手段により決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計手段、
    として機能させるためのプログラム。
  2. 前記作成手段により作成されたベイジアンネットワークに基づいて当該駅での各遅延状態の取り得る確率を算出して当該駅の効用値を算出する効用値算出手段、
    前記推計手段により推計された当該駅の各遅延状態の取り得る確率に基づいて当該駅の効用値を推計する効用値推計手段、
    として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記効用値算出手段により算出された効用値に対する、前記効用値推計手段により推計された効用値の差異に基づいて、所定の効用値変化表示を行う効用値変化表示手段として前記コンピュータを更に機能させるための請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記選択手段に順番に駅を選択させ、選択させたそれぞれの駅について前記遅延状態決定手段、前記推計手段及び前記効用値推計手段を機能させて、前記効用値算出手段により算出された効用値の総合値に対する、前記効用値推計手段により推計された効用値の総合値の差異が所定の改善条件を満たす駅を選出する分析処理を実行する分析処理実行手段として前記コンピュータを更に機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
  5. 前記選択手段により選択された駅に基づいて効用値の評価対象駅範囲を設定する評価対象駅範囲設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
    前記作成手段が、前記評価対象駅範囲のベイジアンネットワークを作成し、
    前記分析処理実行手段が、前記評価対象駅範囲内の各駅のうちから前記改善条件を満たす駅を選出する、
    ように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
  6. 前記作成手段により作成されたベイジアンネットワークに基づいて当該駅での各遅延状態の取り得る確率を算出する実績確率算出手段、
    前記実績確率算出手段により算出された遅延状態の取り得る確率に関する前記依存関係にある駅同士の変化度合と、前記推計手段により推計された遅延状態の取り得る確率に関する当該駅同士の変化度合との差異が所定条件を満たす駅を選出して識別表示する大差駅識別表示手段、
    として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
  7. 前記作成手段が、同一駅に発着する前後の列車間及び同一列車が発着する前後の駅間を依存関係とした場合の条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成し、
    前記推計手段が、各列車それぞれの各駅での各遅延状態の取り得る確率を推計する、
    ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
  8. 前記作成手段が、各列車それぞれの各駅における到着及び出発を区別し、当該列車の当該駅の到着に係る条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅の前の駅の出発との関係を依存関係として算出するとともに、当該列車の当該駅の発車に係る条件付確率を、当該列車の前列車の当該駅の出発との関係、及び、当該列車の当該駅への到着との関係を依存関係として算出してベイジアンネットワークを作成するように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記作成手段が、各列車それぞれの各駅までの所要時間を計算して、所定の標準所要時間に対する差異に基づいて、前後の駅間の遅延状態を依存関係とする条件付確率を算出してベイジアンネットワークを作成するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
  10. コンピュータが、
    所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成ステップと、
    所与の選択駅での遅延状態を決定する遅延状態決定ステップと、
    前記選択駅の遅延状態を前記遅延状態決定ステップで決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計ステップと、
    実行する運行分析方法。
  11. 所定の運行計画に沿って各列車が実際に運行した時刻の実績データに基づいて、少なくとも各駅の遅延状態を依存関係の条件とした場合の当該条件に対する当該駅の遅延状態の取り得る確率を定めた条件付確率を統計処理により求めてベイジアンネットワークを作成する作成手段と、
    駅を選択する選択手段と、
    前記選択された駅での遅延状態を決定する遅延状態決定手段と、
    前記選択された駅の遅延状態を前記遅延状態決定手段により決定された遅延状態とした場合に、各駅の各遅延状態の取り得る確率を前記ベイジアンネットワークに基づいて推計する推計手段と、
    を備えた運行分析装置。
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