JP5078713B2 - 加湿装置並びに空気調和機 - Google Patents
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Description
複数の上部通気部を有する回転自在な上部風路切換ダンパと、
第2風路仕切板によって仕切られた、第2甲風路および第2乙風路を有する第2層と、
甲水分吸着部および乙水分吸着部に仕切られた円柱形状の水分吸着手段と、
第3風路仕切板によって仕切られた、第3甲風路および第3乙風路を有する第3層と、
複数の下部通気部を有する回転自在な下部風路切換ダンパと、
第4風路仕切板によって仕切られた、吸着空気排気口を具備する第4吸着空気風路および再生空気吸気口を具備する第4再生空気風路を有する第4層と、
が積層されてなる加湿装置であって、
前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパは、前記水分吸着手段の中心軸に一致する回転軸を有し、該回転軸を中心にして、前記水分吸着手段の中心軸に垂直な面上を回転すると共に、前記上部通気部および前記下部通気部が、前記回転軸を頂点とする扇形であり、
前記水分吸着手段は、通風性を具備する基材と該基材に担持された吸着剤とを有し、
前記基材は熱伝導率150W/mK以上の熱伝導性を有し、かつ、密度5,000kg/m 3 以下の軽量材料によって形成され、
前記基材は、1平方インチあたりのセル数が250セル以上であるハニカム状に形成され、前記吸着剤は、空気中の水分を吸着自在、かつ、吸着された水分を空気中に脱着自在で、担持された層の厚さが前記基材の厚さに対して10倍以下で、1.5〜2.5ナノメートルの孔径の細孔が多数設けられたケイ素材料によって構成され、
第1相対湿度と、該第1相対湿度よりも高い湿度である第2相対湿度と、が何れも相対湿度30%〜60%の範囲にあって、第1相対湿度と前記第2相対湿度との間における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率が、前記第1相対湿度よりも低い相対湿度の範囲および前記第2相対湿度よりも高い相対湿度の範囲における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率よりも大きい吸着特性を有し、
前記甲水分吸着部が前記第2甲風路および前記第3甲風路によって挾持され、
前記乙水分吸着部が前記第2乙風路および前記第3乙風路によって挾持され、
前記第4再生空気風路に空気加熱手段が設置され、
前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2乙風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2甲風路とを連通したダンパ位置Aの状態において、前記下部通気部が、前記第3乙風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3甲風路と前記第4再生空気風路とを連通し、
前記ダンパ位置Aの状態から前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパが回転して、前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2甲風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2乙風路とを連通したダンパ位置Bの状態において、前記下部通気部が、前記第3甲風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3乙風路と前記第4再生空気風路とを連通することを特徴とする。
(2)さらに、本発明に係る空気調和機は、冷凍ユニットを構成する圧縮機、室外側熱交換器、および膨張弁を内蔵した室外機と、冷凍ユニットを構成する室内側熱交換器を内蔵した室内機と、
前記室外機の上部に一体化して設置された前記(1)記載の加湿装置と、を備えたことを特徴とする。
(i)吸着剤を担持した水分吸着手段を固定し、その上流側と下流側に設置された2組のダンパを切り換えるという単純な動作により、密閉性が高く、空気漏洩の少ない風路にて、室内へ連続的に高湿空気を供給することができ、このとき吸着風路と再生風路が切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、内部において結露が発生しにくい加湿装置が得られるという効果が得られる。
(ii)さらに、加湿装置が室外機の上部に一体化して設置されるから、設置スペースを最少にすることができる空気調和機が得られるという効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る除加湿装置の概略構成を説明するものであって、(a)は斜視図、(b)は正面視の部分拡大図である。
図1の(a)において、除加湿装置100の基本的な構成要素は、水分吸着手段1と、吸着空気用送風手段(以下「吸着用ファン」と称す)2と、再生空気用送風手段(以下「再生用ファン」と称す)3、加熱手段4とである。
水分吸着手段1は、図示しない風路仕切や隔壁などによって甲水分吸着部1aと乙水分吸着部1bとに分割されている。そして、吸着用ファン2が形成する風路(以下「吸着風路」と称す場合がある)内に甲水分吸着部1aが位置するときには、再生用ファン3が形成する風路(以下「再生風路」と称す場合がある)内に乙水分吸着部1bが位置し、一方、吸着風路内に乙水分吸着部1bが位置するときには、再生風路内に甲水分吸着部1aが位置するようになっている。すなわち、水分吸着手段1自体が回転したり、あるいは水分吸着手段1は固定され、前記風路が切り替わるものである。
このとき、基材5として、一般的にはセラミックペーパーなどの多孔質材料を使用する場合が多いが、熱伝導率の高い金属材料、中でも比較的軽量なアルミニウム(熱伝導率:約240W/mK、密度:約2,700kg/m3)や、アルミニウム合金を使用するのが望ましい。
次に動作の一例について説明する。図1に示す構成において、吸着用ファン2により、室外あるいは室内から吸い込まれた吸着入口空気W2は、水分吸着手段1の甲水分吸着部1aを通過時に水分を吸着され、乾燥空気として吸着出口空気W21aが得られる。
一方、再生用ファン3により、室外あるいは室内から吸い込まれた再生入口空気は、加熱手段4によって昇温されて再生加熱空気W34となり、水分吸着手段1の乙水分吸着部1bを通過時に、乙水分吸着部1bに吸着された水分を再生し、高湿空気として再生出口空気W341bが得られる。
このとき、甲水分吸着部1aは吸着され(水分を吸収し)、乙水分吸着部1bを再生される(水分を放出する)から、所定時間が経過した後、甲水分吸着部1aを再生用ファン3が形成する風路内に移動(回転)させ、乙水分吸着部1bを吸着用ファン2が形成する風路内に移動(回転)させれば、今度は、甲水分吸着部1aにおいて再生(水分の放出)、乙水分吸着部1bにおいて再生(水分の吸収)が実行されることになる。
図2〜図7は、本発明の実施の形態2に係る水分吸着手段の吸着特性を説明する特性図である。
図2は、一般的なゼオライトの吸着特性を示す特性図である。ここで、基材5として金属材料を使用した場合の効果について、吸着剤6として、図2に示すような吸着特性を有する一般的なゼオライトを使用した場合を例にとって説明する。図2において、横軸は吸着剤が接触している対象空気の相対湿度、縦軸はその空気相対湿度における吸着剤の水分平衡吸着量(吸着剤1kgに対する水分吸着量)である。
「Z0」は一般的なゼオライトの等温吸着線であり、空気の相対湿度が低い範囲では、空気の相対湿度の増加に対して水分平衡吸着量が急激に増加するものの、空気の相対湿度が高い範囲では、空気の相対湿度の増加に対する水分平衡吸着量の増加の割合が緩慢になっている。すなわち、等温吸着線Z0は、相対湿度Φ0(以下「第0遷移相対湿度」と称す)以下の範囲における傾斜が、第0遷移相対湿度Φ0を超える範囲における傾斜よりも大きいという特性があり、一般的に、第0遷移相対湿度Φ0は10%未満、そのときの平衡吸着量(以下「第0遷移平衡吸着量」と称す)q0は0.2kg/kg程度である。
図3は、図2に示した一般的なゼオライトを、セラミックペーパーおよびアルミニウムの基材に担持した場合における除加湿性能の解析結果であり、(a)は水分吸着手段1の外径、(b)は水分吸着手段1の厚み、(c)は吸着剤6の担持量、(d)は加熱手段4の電気入力をパラメータとして横軸にとったときの結果である。
「A」はアルミニウム基材に担持したときの除加湿量比であり、○で囲まれた「B」は、各パラメータの基準条件における基準除加湿量比であり、「C」はセラミックペーパー基材に担持したときの除加湿量比である。
図3中の全てのパラメータおよび除加湿量比解析値は、この基準除加湿量比Bの条件値および除加湿量比解析値により無次元化して示されている。また解析条件として、吸込空気温湿度や、吸着用ファン2や再生用ファン3による風量は全て同じであり、吸着剤が内部に含浸するセラミックペーパーの厚さと、アルミニウム基材の上に塗布される吸着剤の厚さが同じとなることを想定している。
したがって、図3の(a)における外径の影響および図3の(b)における厚み影響の結果より、アルミニウム基材の方が、同じサイズの水分吸着手段1において、より多くの除加湿量比を確保することができ、あるいは、同じ除加湿量比を確保するのに必要な水分吸着手段1のサイズを小さくすることができるため、高効率な除加湿運転が可能となり、装置の小型化および低コスト化に寄与することがわかる。
例えば、セラミックペーパー基材において基準除加湿量比Bを確保するためには、アルミニウム基材を使用した場合、水分吸着手段1の外径は約2%(断面積では4%)、厚さは約3%削減することができるため、体積としては3〜4%削減可能であり、吸着剤の担持量は約12%削減可能であることが示されている。
加熱手段4の電気入力については、基準条件に近い高温領域では大きな差は見られないが、基準除加湿量比Bの70%を確保するための入力としては、約3%削減可能であり、アルミニウム基材にすることにより吸着剤への熱伝導が向上するため、低温再生における除加湿量比が増加することが示されている。
したがって、これら基材5との関係等も考慮し、吸着剤6を担持する層の厚さは、基材5の厚さに対し10倍以下程度になるのが望ましい。すなわち、必要担持量に対し基材5の厚さを決定するか、あるいは強度を考慮して決定した基材5の厚さに対し、担持量を決定する必要がある。なお、図3の解析結果におけるアルミニウム基材に担持したときの除加湿量比Aは、基材5の厚さに対する吸着剤6の厚さとして約8倍を想定したものである。
なお、水分吸着手段1の回転に替えて、吸着用ファン2による吸着風路と、再生用ファン3による再生風路の吸込口および吹出口を、ダンパなどによって切り換え、甲水分吸着部1aと乙水分吸着部1bとに交互に空気が流れるようにしてもよい。さらに、水分吸着手段1は円柱形状に限定するものではなく、たとえば、角柱形状(回転または固定)にしてもよい。
風下側から吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化でき、風上側から押し込む場合には、水分吸着手段1における風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるという効果がある。
なお、水分吸着手段100は、その機能をどのように捉えるかによって、水分再生手段、水分脱着手段、あるいは水分吸着脱着手段(水分吸脱着手段)等と称呼することができるものである。
図4は、本発明の実施の形態2おける水分吸着手段に担持される各種吸着剤の等温吸着線の概念図であって、横軸は対象空気の相対湿度、縦軸は水分の平衡吸着量である。なお、「等温吸着線Z0」は、一般的なゼオライトの等温吸着線(図2参照)、「等温吸着線K1」は、1.5〜2.5nm(ナノメートル)程度の細孔が多数設けられた多孔質ケイ素材料である第1吸着剤の等温吸着線、「等温吸着線Z2」は、0.7nm程度の細孔が多数設けられたゼオライト系材料である第2吸着剤の等温吸着線である。
図4において、本実施の形態で用いる第1吸着剤は、等温吸着線K1に示されているように、空気の相対湿度が第0遷移相対湿度Φ0より大きい第1相対湿度Φ1(以下「第1遷移相対湿度Φ1」と称す)から第2相対湿度(以下「第2遷移相対湿度Φ2」と称す)の範囲において、相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率である傾斜が非常に大きくなっている。そして、第1遷移相対湿度Φ1未満の範囲や、第2遷移相対湿度Φ2を超える範囲では、小さな傾斜になっている。
このとき、第1遷移相対湿度Φ1における第1遷移平衡吸着量q1は、第0遷移相対湿度における第0遷移平衡吸着量q0より小さく、かつ、第2遷移相対湿度Φ2における第2遷移平衡吸着量q2は、例えば0.3kg/kg程度で、第0遷移相対湿度における第0遷移平衡吸着量q0より約50%大きい。
同様に、本実施の形態で用いる第2吸着剤は、等温吸着線Z2に示されているように、空気の相対湿度が第3相対湿度Φ3(以下「第3遷移相対湿度Φ3」と称す))以下の範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率である傾斜が、第3遷移相対湿度Φ3を超える範囲における傾斜よりも大きい。
このとき、第3遷移相対湿度Φ3は第0遷移相対湿度Φ0より大きく、かつ第1遷移相対湿度Φ1より小さい値である。また、第3遷移相対湿度Φ3における第3遷移平衡吸着量q3は、例えば0.35kg/kg程度で、第0遷移相対湿度における第0遷移平衡吸着量q0より約75%大きい。
また、図5は、シリカゲルとゼオライトを混合し、それらの配合比を変化させた吸着剤の等温吸着線の概念図であって、横軸は対象空気の相対湿度、縦軸は水分の平衡吸着量である。かかる吸着剤は、図4と同様に水分吸着手段1に担持されるものである。図5において、「S」はシリカゲル100%、「Z0」はゼオライト100%、「Z3」はゼオライトとシリカゲルを混合し、ゼオライトの配合比を多くして合成した第3の吸着剤の等温吸着線を示す。
図5において、シリカゲル100%の等温吸着線Sとゼオライト100%の等温吸着線Z0は、一般的に60%程度である第4相対湿度Φ4(以下「第4遷移相対湿度Φ4」と称す)で重なる。これを境に、それぞれの平衡吸着量の大小関係が逆転する。
そして、第3吸着剤の等温吸着線Z3が等温吸着線Sと等温吸着線Z0との間に位置しているように、第3吸着剤の平衡吸着量は、第4遷移相対湿度Φ4より低い相対湿度範囲では、シリカゲル100%の等温吸着線Sより多くて等温吸着線Z0より少なく、一方、第4遷移相対湿度Φ4より高い相対湿度範囲では、ゼオライト100%の等温吸着線Z0より多くて等温吸着線Sより少ない。
図6において、横軸は吸着エネルギ、縦軸は吸着水分量の積算値であり、各吸着エネルギで吸着している水分量を吸着エネルギの小さい方から積算して示している。図中の各線は、「SA3」は、アルミナ(Al2O3)に対するシリカ(SiO2)のモル分率(SiO2/Al2O3、以下「SAモル分率」と称す場合がある)が小さいもの(≒2.5)、「SA4」はSAモル分率が中位のもの(≒3.5)、「SA5」はSAモル分率が大きいもの(≒5.0)における分布であり、SAモル分率が小さい方が、低い吸着エネルギでより多くの水分が吸着していることを示している。
次に、動作の一例について、図4に示されるような等温吸着線を有する吸着剤を、図1(実施の形態1)における吸着剤6として水分吸着手段1に担持した場合を想定して説明する。図1の構成において、吸着用ファン2により、室外あるいは室内から吸い込まれた吸着入口空気W2は、水分吸着手段1の甲水分吸着部1aを通過する時に、水分を吸着され、乾燥空気として吸着出口空気W21aが得られる。
一方、再生用ファン3により、室外あるいは室内から吸い込まれ、加熱手段4によって昇温された再生加熱空気W34は、水分吸着手段1の乙水分吸着部1bを通過する時に、乙水分吸着部1bに吸着されていた水分を再生し、高湿空気として再生出口空気W341bが得られる。そして、前記のように、水分吸着手段1が回転すると、今度は、甲水分吸着部1aを通過した再生出口空気W341aと、乙水分吸着部1bを通過した吸着出口空気W21bとが得られる。
一方、除湿用途として使用する場合には、吸着出口空気W21a、W21bを室内に供給するが、除湿運転は、一般的に夏場の高湿時に冷房運転と同時に使用されるため、室外空気は高温となる(冷房標準条件では35℃/40%RH)。このとき除湿対象は室内であるため、吸着入口空気W2は室内から供給し、吸着領域においては空気の相対湿度が低いほど再生しやすいので、比較的相対湿度の低い室外から供給するのが望ましい。
このとき、吸着剤6として等温吸着線K1を有する第1吸着剤を担持した場合、暖房加湿運転時には、吸着領域において室外空気の相対湿度87%から第2遷移相対湿度Φ2の範囲で、第2遷移平衡吸着量q2まで吸着するので、第0遷移平衡吸着量q0程度しか吸着しない一般的なゼオライトと比較し、大幅に吸着量が増加する。
一方、再生領域においては、再生加熱空気W34相対湿度を第1遷移相対湿度Φ1以下にすれば充分再生できるため、第1遷移相対湿度Φ1が40%程度になるように第1吸着剤である多孔質ケイ素材料の細孔径を調整する。
そうすると、低温再生、すなわち暖房によって20℃に暖められた室内空気を再生空気としてそのまま利用したとしても、「q2−q1」という大きな吸着量差に応じた加湿量を得ることができ、また加熱手段4における昇温に必要な熱量が軽減されるという省エネ効果も得られる。
一方、再生領域においては、再生入口空気の相対湿度を第1遷移相対湿度Φ1以下にすれば充分再生できるため、第1遷移相対湿度Φ1が40%程度になるように第1吸着剤である多孔質ケイ素材料の細孔径を調整する。そうすると、比較的相対湿度の低い室外空気を再生空気としてそのまま利用したとしても、「q2−q1」という大きな吸着量差に応じた除湿量を得ることができ、また加熱手段4が不要となるため大幅な省エネ効果も得られる。
同様に、吸着剤6として等温吸着線Z2を有する第2吸着剤を担持した場合、暖房加湿運転時には、吸着領域において室外空気の相対湿度87%から第3遷移相対湿度Φ3の広範囲で、第3遷移平衡吸着量q3まで吸着するので、第0遷移平衡吸着量q0程度しか吸着しない一般的なゼオライトと比較し、大幅に吸着量が増加する。
一方、再生領域においては、再生加熱空気W34相対湿度を第3遷移相対湿度Φ3以下にすれば充分再生できるため、第0遷移相対湿度Φ0以下まで再生温度を上げなければならない一般的なゼオライトに比べ、より低温で再生が可能となる。よって、省エネ効果が得られ、かつ「q3−q0」の吸着量差に応じて加湿量を増加させることができる。
一方、再生領域においては、再生入口空気の相対湿度を第3遷移相対湿度Φ3以下にすれば充分再生できるため、第0遷移相対湿度Φ0以下まで再生温度を上げなければならない一般的なゼオライトに比べ、より低温で再生が可能となり、かつ、「q3−q0」の吸着量差に応じて除湿量を増加させることができる。
また、吸着剤6として図5に示した等温吸着線Z3を有する第3吸着剤を担持した場合、シリカゲルとゼオライト双方の吸着特性が活かされる。
吸着剤の一般的な性質として、シリカゲルは等温吸着線Sに示されるように、高湿度において吸着量が多いため除湿用途に適している。一方、ゼオライトは等温吸着線Z0に示されるように広い湿度範囲でほぼ一定の吸着量を有するため加湿用途に適し、かつ吸着、再生の反応速度が速いという特性を持っている。
したがって、加湿、除湿どちらの運転の場合でも、吸着領域においては、入口空気の相対湿度から第4遷移相対湿度Φ4の範囲において、シリカゲルの吸着特性によりゼオライトよりも吸着量が多くなり、第4遷移相対湿度Φ4より低い相対湿度範囲ではゼオライトの吸着特性によりシリカゲルほど吸着量が低下せず、より広い湿度範囲への対応が可能となる。
一方、再生領域においては、シリカゲルの吸着特性によりゼオライトよりも吸着量が少なくなるため、ゼオライトよりも低温での再生が可能となり、省エネ効果が得られる。ここで、用途に応じてゼオライトとシリカゲルを合成する配合比を変えることが可能であり、例えばゼオライトとシリカゲルの配合比を「8:2」、あるいは「7:3」程度にすることにより、吸着、再生の速度が2割程度向上し、より高い除加湿性能を確保することができる。
これは水分子がゼオライトに吸着する際の位置などが起因すると考えられる。すなわち、Kカチオンの場合は、ポアフィーリングと呼ばれる吸着エネルギの小さい酸素の六員環への吸着だけであるが、Naカチオンの場合は、吸着エネルギの大きいカチオン種静電場への吸着する水分子も存在するためである。
従って、図6の(a)のNaカチオンの吸着エネルギ分布において、20kcal/mol以上のエネルギで吸着している水分は除加湿量比に寄与することはない。
一方、図6の(b)のKカチオンの場合は、吸着しているほとんど全ての水分が除加湿量比に寄与し、その量はどのSAモル分率(SiO2/Al2O3)においてもNaカチオンの倍程度となる。特に10〜20kcal/molにおいて吸着量の多い、SAモル分率が2.5〜3.0の「Y型ゼオライト」が望ましい。
なお、カオチンとは、ゼオライトの分子構造でイオン結合した陽イオンのことで、このカオチンを様々な物質でイオン交換することにより吸着特性が変化するため、目的に応じて終端カチオンを交換して吸着特性を改善することが可能となる。
また、Kイオンへの交換量を減らし、例えば「Kイオン:Naイオン」を「50%:50%」程度とすれば、イオン交換にかかるコストを削減しつつ、吸着エネルギ低下の効果も期待できる。
図7は、第1吸着剤および第2吸着剤を、セラミックペーパーおよびアルミニウムの基材に担持した場合における除加湿性能の解析結果であり、(a)は水分吸着手段1の外径、(b)は水分吸着手段1の厚み、(c)は吸着剤6の担持量、(d)は加熱手段4の電気入力をパラメータとして横軸にとったときの結果である。図7において、
「C」はセラミックペーパー基材に担持したときの除加湿量比、
「A」はアルミニウム基材に担持したときの除加湿量比であり、
「B(○で囲んでる)」は、各パラメータの基準条件における基準除加湿量比である。なお、図中の全てのパラメータおよび除加湿量比解析値は、○で囲まれた、一般的なゼオライトをセラミックペーパー基材に担持したときの、各パラメータの基準条件における基準除加湿量比Bの条件値および除加湿量比解析値により無次元化して示されている(図3に準じる)。
「K1C」は第1吸着剤をセラミックペーパー基材に担持したときの除加湿量比、
「K1A」は第1吸着剤をアルミニウム基材に担持したときの除加湿量比、
「Z2C」は第2吸着剤をセラミックペーパー基材に担持したときの除加湿量比、
「Z2A]は第2吸着剤をアルミニウム基材に担持したときの除加湿量比である。
そして、セラミックペーパー基材に担持したときとアルミニウム基材に担持したときを比較すると、低温再生型の第1吸着剤の方が第2吸着剤よりも、基準条件から各パラメータの値を小さくした場合における除加湿量比の低下傾向は鈍く、実施の形態1で説明したような、除加湿量比の向上、装置の小型化、低コスト化、および省エネなどの効果は大きいことが示されている。
(ロ)また、ゼオライトとシリカゲルを混合し、ゼオライトの配合比を多くした材料を使用することにより、広い湿度範囲への対応が可能で、また吸着、再生の速度が向上するため、より高い除加湿能力を確保することができる。
(ニ)さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる除加湿量比が増加し、また同じ除加湿量比を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図8および図9は、本発明の実施の形態3に係る除加湿装置を模式的に説明するものであって、図8は構成を示す斜視図、図9の(a)は吸着時の空気相対湿度変化の概念図、図9の(b)は再生時の空気相対湿度変化の概念図である。
図8において、除加湿装置300の基本的な構成要素は、高湿空気用水分吸着手段7(以下「高湿吸着手段7」と略称する)と、低湿空気用水分吸着手段8(以下「低湿吸着手段8」と略称する)と、吸着用ファン2と、再生用ファン3と、加熱手段4とである。
すなわち、水分吸着手段100(実施の形態1、図1)における水分吸着手段1に替えて、高湿吸着手段7と低湿吸着手段8とを有するものであって、これを除く部分は水分吸着手段100に同じである。したがって、水分吸着手段100と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
なお、以下、説明の便宜上、高湿吸着手段7の吸着風路に位置する範囲を甲高湿空気用水分吸着部7a(以下「甲高湿吸着部7a」と略称する)と、再生風路に位置する範囲を乙高湿空気用水分吸着部7b(以下「乙高湿吸着部7b」と略称する)と、それぞれ称す。
また、同様に、低湿吸着手段8も吸着風路に位置する範囲と再生風路に位置する範囲とに二分割されるから、説明の便宜上、低湿吸着手段8の吸着風路に位置する範囲を甲低湿空気用水分吸着部8a(以下「甲低湿吸着部8a」と略称する)と、再生風路に位置する範囲を乙低湿空気用水分吸着部8b(以下「乙低湿吸着部8b」と略称する)と、それぞれ称す。
図9において、「Φadin」は吸着時の空気相対湿度(以下「吸着相対湿度Φdein」と称す)、「Φdein」は再生時の空気相対湿度(以下「再生相対湿度Φdein」と称す)を示し、「Φ1、Φ2、Φ3」は、それぞれ図4における第1遷移相対湿度Φ1、第2遷移相対湿度Φ2、第3遷移相対湿度Φ3に対応する。
次に動作の一例について説明する。図8の構成において、吸着用ファン2により、室外あるいは室内から吸い込まれた吸着入口空気W2は、高湿吸着手段7の甲高湿吸着部7aおよび低湿吸着手段8の甲低湿吸着部8aを順序通過して、吸着入口空気W2に含まれた水分が奪われ(甲高湿吸着部7aおよび甲低湿吸着部8aに水分が吸着され)、乾燥空気としての吸着出口空気W278aが生成される。
一方、再生用ファン3により、室外あるいは室内から吸い込まれた再生入口空気W3は加熱手段4によって昇温された再生加熱空気W34となり、さらに、低湿吸着手段8の乙低湿吸着部8bおよび高湿吸着手段7の乙高湿吸着部7bを順序通過し、再生加熱空気W34側に水分を取り込み(乙低湿吸着部8bおよび乙高湿吸着部7bに吸着されていた水分が奪い)、高湿空気としての再生出口空気W3487bが生成される。
なお、説明の便宜上、かかる動作を実現する甲高湿吸着部7aおよび乙高湿吸着部7b等の位相を「ダンパ位置<A>」と称す。
そして、ダンパ位置<A>の状態から所定時間が経過した後、高湿空気用水分吸着手段7および低湿吸着手段8は180°回転される。説明の便宜上、かかる位相を「ダンパ位置<B>」と称す。
ダンパ位置<B>においては、吸着入口空気W2は、高湿吸着手段7の甲高湿吸着部7bおよび低湿吸着手段8の甲低湿吸着部8bを順序通過して、吸着入口空気W2に含まれた水分が奪われ(甲高湿吸着部7bおよび甲低湿吸着部8bに水分が吸着され)、乾燥空気としての吸着出口空気W278bが生成される。
なお、前記のように高湿吸着手段7および低湿吸着手段80は回転するものであるから、高湿吸着手段7および低湿吸着手段80の一点に着目すると、当該一点では、吸着風路に位置する間、すなわち、略180°回転する間、随時吸着が実行され、一方、再生風路に位置する間、すなわち、略180°回転する間、随時再生が実行されるものである。
一方、除湿用途として使用する場合には、吸着出口空気W278a、W278bを室内に供給するが、除湿運転は、一般的に夏場の高湿時に冷房運転と同時に使用されるため、室外空気は高温となる(冷房標準条件では35℃/40%RH)。このとき除湿対象は室内であるため、吸着入口空気W2は、空気の相対湿度が高いほど吸着しやすいので、比較的湿度の高い室内から供給し、また、再生入口空気W3は、空気の相対湿度が低いほど再生しやすいので、比較的相対湿度の低い室外から供給するのが望ましい。
これに対し、低湿吸着手段8に担持されている第2吸着剤は、低湿度である第3遷移相対湿度Φ3まで吸着量が低下せず、かつ、第1遷移相対湿度Φ1から第3遷移相対湿度Φ3の範囲では第1吸着剤より吸着量が多いため、高湿吸着手段7から流出した第1遷移相対湿度Φ1程度の低湿空気の水分は、低湿吸着手段8において、相対湿度が第3遷移相対湿度Φ3となる程度まで吸着されることになる。よって、高湿吸着手段7のみを使用する場合に対して、「q3−q1」だけ吸着量を増加させることができる。
これに対し、高湿吸着手段7に担持されている第1吸着剤は、比較的高湿度である第1遷移相対湿度Φ1まで上昇せず、かつ、第3遷移相対湿度Φ3から第1遷移相対湿度Φ1の範囲では第2吸着剤より非常に少ないので、低湿吸着手段8から流出した第3遷移相対湿度Φ3程度の低湿空気の水分は、高湿吸着手段7において、第2遷移相対湿度Φ2となる程度まで再生される。よって、低湿吸着手段8のみを使用する場合に対して、「q2−q3」の吸着量差に相当する分の除加湿量比を増加させることができる。
例えば、細孔径を2.5nmとすることにより、第1相対湿度Φ1は45%、第2相対湿度Φ2は60%となる。そうすると、図9(b)に示される再生時において、高湿吸着手段7は、相対湿度60%まで再生可能となるため、除加湿量比が大幅に増加するだけでなく、低温再生も可能となり、加熱手段4における昇温に必要な熱量が軽減されるという省エネ効果も得られる。
どちらの場合も空気漏洩を完全に防ぐことができるという効果があるが、接触させて設置する場合には、圧力損失が発生しないように、両者のハニカム基材のセル位置を合わせるのが好適である。
この場合、比較的高湿度である第4相対湿度Φ4までの吸着量が少ないため、図9の(b)に示される再生時において、吸着相対湿度Φdeinが第4相対湿度Φ4より小さければ低湿吸着手段8において再生が可能となり、また一定の加熱量に対する再生量を増加、あるいは一定の水分脱離量に必要な加熱容量を削減できるので、除加湿効率を向上することができる。
すなわち、相対湿度に対する平衡吸着量の変化率が、比較的高湿度の範囲で急激に変化する第1吸着剤(図4における等温吸着線K1を有す)を担持した高湿用水分吸着手段と、低湿度で急激に変化する第2吸着剤(図4における等温吸着線Z2を有す)を担持した低湿用水分吸着手段とを直列に配置している。
そして、吸着空気を高湿用水分吸着手段が上流に、低湿用水分吸着手段が下流になるように供給し、一方、再生空気を低湿用水分吸着手段が上流に、高湿用水分吸着手段が下流になるように供給している。
(イ)1種類の吸着剤を使用するよりも除加湿能力が向上し、
(ロ)また、比較的高湿度の空気で再生できるため、一定の加熱量に対する加湿量が増加、あるいは一定の水分脱離量に必要な加熱容量の削減、すなわち低温再生が可能となり、除加湿効率の高い除加湿装置を得ることができる。
(ハ)さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる除加湿量比が増加する。
(ニ)また、同じ除加湿量比を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図10〜図13は、本発明の実施の形態4に係る除加湿装置を説明するものであって、図10は概略構成を示す斜視図、図11は各部材を分解して示す斜視図、図12は空気流れを説明する各部材を分解して示す平面図、図13は構成部材(切換ダンパー)を示す斜視図である。図10において、除加湿装置400の内部には、基本的な構成要素として、水分吸着手段1と、吸着用ファン2と、再生用ファン3と、加熱手段4とが配置されている。
水分吸着手段1は円柱形状で固定されており、また軸方向に通気性を確保できるように、波形状あるいは開口部が三角形となるようなハニカム形状に形成された基材5の表面に、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等に代表される吸着剤6を、塗布あるいは表面処理などにより担持したものを使用する。
このとき、基材5として、一般的にはセラミックペーパーなどの多孔質材料を使用する場合が多いが、熱伝導率の高い金属材料、中でも比較的軽量なアルミニウム(熱伝導率:約240W/mK、密度:約2,700kg/m3)や、アルミニウム合金を使用するのが望ましい。
図11において、水分吸着手段1周辺の各部品は、隣り合う部品同士が密着されている(図11では理解を容易にするため、分解して図示している)。水分吸着手段1の周辺風路は、水分吸着手段1を挟んで上部2層(第1層10、第2層20)、下部2層(第3層30、第4層40)の計4層構造になっている。
そして、第1層10は第1風路仕切11、第2層20は第2風路仕切21、第3層30は第3風路仕切31、第4層40は第4風路仕切41によって、それぞれ風路を2分割されている。
なお、説明の便宜上、平面視における位相を示すために「東西南北」を用いるが、あくまでも説明の便宜であって、除加湿装置400が設置される際の、地理上の方位とは当然無関係である。また、同様に、上部あるいは下部とは、地平線に対する上下を意味するものではないから、鉛直方向に対して傾斜したり、上部と下部が水平の位置関係になったり、あるいは、上部と下部とが反転したりするものである。
また、水分吸着手段1も同様に、西水分吸着手段1a(甲水分吸着部に相当する)と東水分吸着手段1b(乙水分吸着部に相当する)とに分割されている。したがって、西水分吸着手段1aは第2西風路20aと第3西風路30aとによって挾持され、東水分吸着手段1bは第2東風路20bと第3東風路30bとによって挾持されている。
また、第1層10と第2層20の間には上部風路切換ダンパ50(以下「上部ダンパ50」と称す)が、第3層30と第4層40の間には下部風路切換ダンパ60(以下「下部ダンパ60」と称す)が、それぞれ回転自在に設置されている。
上部ダンパ50は十字状の上部ダンパ風路仕切51によって、中心角90°の略扇形(1/4円に近似される)に4分割され、対向する一対の扇形(1/4円)に閉塞板が設置されて上部ダンパ閉塞部50b、50cが形成され、上部ダンパ閉塞部50bおよび上部ダンパ閉塞部50cに挟まれた対向する一対の空間に、上部ダンパ通気部50a、50dが形成されている。同様に、下部ダンパ60は十字状の下部ダンパ風路仕切61と、対向する一対の扇形(1/4円)の下部ダンパ閉塞部60b、60cと、対向する一対の下部ダンパ通気部60a、60bと、を有している。
なお、上部ダンパ風路仕切51を撤去して、対向する一対の扇形(1/4円)同士を接合したものであってもよい。
すなわち、たとえば、上部ダンパ通気部50aが北西に回転停止しているとき、上部ダンパ閉塞部50bが北東に回転停止し、一方、下部ダンパ通気部60aは北東に、下部ダンパ閉塞部60bは南東に、回転停止する。
また、第1層10において、第1風路仕切11によって分割された風路のうち、吸着用ファン2と連通する第1南風路10bには第1吸気口12(吸着空気吸気口に同じ)が、再生用ファン3と連通する第1北風路10aには第1排気口13(再生空気排気口に同じ)が、それぞれ形成されている。
同様に、第4層40において、第4風路仕切41によって分割された風路のうち、吸着用ファン2と連通する第4北風路40aには第4排気口42(吸着空気排気口に同じ)が、再生用ファン3と連通する第4南風路40bには第4吸気口43(再生空気吸気口に同じ)が形成置されている。
さらに、第4南風路40bには加熱手段4が設置され、再生用ファン3によって吸引されたが外気(再生入口空気に同じ)W3が加熱されるようになっている。
次に動作の一例について説明する。
図12の(a)はダンパ位置<A>であって、図11に示す各部品を平面図にしたものである。説明の便宜上、紙面上側を北、下側を南、左側を西、右側を東と、する。
ダンパ位置<A>のとき、外気は吸着用ファン2に吸引され、吸着入口空気W2として、第1吸気口12より第1風路仕切11によって仕切られた第1層10の第1南風路10bに流入する。そして、上部ダンパ50の上部ダンパ通気部50d(南東に停止している)を通過して、第2層20の第2東風路20bに流入する。このとき、上部ダンパ閉塞部50cによって第2層20の第2西風路20aとの間は閉塞されているから、吸着入口空気W2が第2西風路20aに流入することはない。
乾燥空気W21bとなった外気は、下部ダンパ60の下部ダンパ通気部60a(北東に停止している)を通過して、第4層40の第4北風路40aに流入する。このとき、下部ダンパ閉塞部60bによって第4層20の第4南風路40bとの間は閉塞されているから、乾燥空気W21bが第4北風路40aに流入することはない。
その後、乾燥空気W21bは第4排気口42より乾燥空気(吸着出口空気に同じ)W21bとして流出し、吸着用ファン2を経由して室外へ排気される。
一方、再生用ファン3によって吸引された外気(再生入口空気に同じ)W3は、第4吸気口43を通過して第4層40の第4南風路40bに流入する。そして、加熱手段4によって昇温されて高温低湿の再生加熱空気W34となる。
再生加熱空気W34は、下部ダンパ60の下部ダンパ通気部60d(南西に停止している)を通過して、第3層30の第3西風路30aに流入する。このとき、下部ダンパ閉塞部60bによって第3層30の第3東風路30bとの間は閉塞されているから、再生加熱空気W34が第3東風路30bに流入することはない。
さらに、西水分吸着手段1aを通過して、第2層20の第2西風路20aに流入する。このとき、再生加熱空気W34は、西水分吸着手段1aを再生し(西水分吸着手段1aに含まれている水分を奪い)、高湿空気W341aとなる。
次に、東水分吸着手段1bにおける吸着工程、西水分吸着手段1aにおける再生工程が完了する程度の時間が経過した後、ダンパ位置<A>からダンパ位置<B>へと切り換える(それぞれ、図12の(a)および図12の(b)に対応している)。
このとき、上部ダンパ50の上部ダンパ通気部50aおよび上部ダンパ通気部50dは、それぞれ北東および南西に停止している。また、下部ダンパ60の下部ダンパ通気部60aおよび下部ダンパ通気部60dは、それぞれ北西および南東に停止している
したがって、吸着入口空気W2として、第1吸気口12より吸い込まれた外気は、第1南風路10bに流入し、上部ダンパ通気部50dを通過して第2西風路20aに流入する。そして、西水分吸着手段1aを通過して乾燥空気W21aとなって、第3西風路20aに流入する。さらに、下部ダンパ通気部60aを通過して第4北風路40aに流入し、その後、第4排気口42より吸着出口空気W21aとして流出し、吸着用ファン2を経由して室外へ排気される。
一方、再生用ファン3によって第4吸気口43より第4南風路40bに吸い込まれた外気W3(再生入口空気に同じ)は、加熱手段4によって昇温されて再生加熱空気W34となる。そして、再生加熱空気W34は、下部ダンパ通気部60d(南東に停止している)を通過して、第3東風路30bへ流入し、さらに、東水分吸着手段1bを通過して高湿空気W341bとなって、第2東風路20bに流入する。
そして、高湿空気W341bは、上部ダンパ通気部50aを通過して第1北風路10aに流入し、第1排気口13から流出する。このとき、第1排気口13は図示しない排気管を介して再生用ファン3に連通しているから、高湿空気W341bは再生用ファン3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿する。このとき、上部ダンパ閉塞部50bにより第1層10の第1南風路10bへの流路が閉塞されているから、高湿空気W341bが第1南風路10bに流入することがない。
(ロ)また、水分吸着手段1の西水分吸着手段1aと東水分吸着手段1bとにおける風向が逆、すなわち吸着工程と再生工程が「対向流」になるため、水分吸着手段1の厚みが大きくなっても水分の吸着、再生を効率的に行うことができる。
(ハ)また、水分吸着手段1を回転させるロータ方式と比較し、最も空気漏洩の大きい水分吸着手段1を第2風路仕切21および第3風路仕切31によって完全に密閉しているから、上部ダンパ50の(たとえば、上部ダンパ風路仕切51)および下部ダンパ60(たとえば、下部ダンパ風路仕切61)の端面に、例えばウレタンなどの柔軟性に優れた材料を付加しても、低トルクで回転することができ、空気漏洩を最小限に抑えることが可能となる。
(ニ)さらに、吸着風路と再生風路が切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、結露を発生しにくいという特徴もある。なお、ローター方式では、低温空気が流れる吸着風路と高温高湿空気が流れる再生風路が常に固定され、両風路の境界面の再生風路側で結露を発生し易かった。
(ヘ)このとき、水分吸着手段1の基材が、熱伝導率の高く、中でも比較的軽量なアルミニウムなどの金属材料であることにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、実施の形態1で説明したような、加湿量の向上、装置の小型化、低コスト化、および省エネなどの効果が得られ、また上記の風路切換時間を短縮できるので、一定時間内に確保できる加湿量を向上することが可能となる。
(チ)正逆回転の場合は、例えば図13に示すように、上部ダンパ50および下部ダンパ60において、扇形の半径部分全体に、それぞれ水分吸着手段1側に向かって突起を設けることができる。これにより、上部ダンパ50では第2風路仕切21が、下部ダンパ60では第3風路仕切31がストッパーとなるため、回転誤差が発生しないとともに、突起部分と風路仕切がより広い面積で密着するため、空気漏洩を防ぐことが可能となる。
なお、図13では、突起部分は水分吸着手段1側に向かって設置されているが、水分吸着手段1の反対側に向かって設置し、上部ダンパ50は第1風路仕切11と、下部ダンパ60は第4風路仕切41と密着させてもよい。
第1層10や第4層40を厚くした場合には、吸込口や吹出口が大きくなり、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化することができる。一方、第2層20や第3層30を厚くした場合には、水分吸着手段1全体に空気が流れやすくなるため、風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるという効果がある。
風下側から吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化することができ、風上側から押し込む場合には、水分吸着手段1における風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるという効果がある。
さらに、本発明では、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程の空気の流れが対向するように、第1層10の第1南風路10bに第1吸気口12を、第1北風路10aに第1排気口13を形成し、第4層40の第4南風路40bに第4吸気口43を、第4北風路40aに第4排気口42を形成している。
しかしながら、例えば、第1層10の第1北風路10aに第4吸気口43および加熱手段4を、第4層40の第4南風路40bに第1排気口13を設置し、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程が並行流で行われるようにしてもよい。この場合、2つの吸込口が第1層10、2つの排気口が第4層40というように、それぞれ同じ層に位置することになる。そうすると、送風手段を第1層10に設置し、第1吸気口12および第4吸気口43の双方に押し込む構成が可能となり、1つの送風手段で高湿空気を連続的に生成することができる。
(ロ)このとき、吸着剤を担持された水分吸着手段における吸着工程と再生工程が対向流となるため、水分の吸着、再生を効率的に行うことができ、高効率な除加湿装置となる。
(ハ)また、吸着風路と再生風路が切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、除加湿装置内部において結露を発生しにくいという効果も得られる。
(ニ)さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる加湿量が増加し、また同じ加湿量を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図14および図15は、本発明の実施の形態5に係る除加湿装置を説明するものであって図14は各部材を分解して示す斜視図、図15は空気流れを説明する各部材を分解して示す平面図である。なお、図14および図15は、それぞれ図11および図12に準じるため、同一箇所または相当する箇所には同じ符号を付し、説明を省略する。
除加湿装置500は、上部ダンパ50と上部を包囲する筒状部との双方を、それぞれ連動してまたは独立して回転自在にしたものである。
そして、当該筒状部の第1層10に対応する位置に対角線上で対向する第1吸気口12および第1排気口13を形成し、当該筒状部の上部ダンパ50に対応する位置に対角線上で対向する上部ダンパ吸気口52および上部ダンパ排気口53を形成し、さらに、当該筒状部の第2層20に対応する位置に対角線上で対向する第2吸気口22および第2排気口23を形成したものである。
なお、本発明は、上部ダンパ50および前記筒状部の回転機構を限定するものではない。また、第1排気口13と上部ダンパ吸気口52と第2吸気口22とは、繋がった共通の開口部であってもよく、同様に、第1排気口13と上部ダンパ排気口53と第2排気口23とは繋がった共通の開口部であってもよい。
次に動作の一例について説明する。第1層10の第1吸気口12と、上部ダンパ50の上部ダンパ吸気口52と、第2層20の第2吸気口22と(何れも南東に位置している)に、それぞれ外気(以下「吸着入口空気W2」と称す)が流入する。
第1南風路10bに流入した吸着入口空気W2は、上部ダンパ通気部50d(南東に停止している)を通過して、第2東風路20bに流入する。上部ダンパ通気部50dに流入した吸着入口空気W2も第2東風路20bに流入する。また、第2東風路20bには第2吸気口22から吸着入口空気W2が直接流入する。
その後、東水分吸着手段1bを通過して乾燥空気W21bとなって第3東風路30bに流入し、やがて、吸着用ファン2を経由して室外へ排気される(除加湿装置400に同じ)。
一方、第3西風路30aに流入した再生加熱空気W34は、西水分吸着手段1aを通過して高湿空気W341aになる(除加湿装置400に同じ)。
そして、高湿空気W341aは、第2排気口23から直接流出、上部ダンパ排気口53(北西に位置している)から流出、さらに、上部ダンパ通気部50aを通過して第1北風路10aに流入した後、第1排気口13から、それぞれ流出する。このとき、第2排気口23と、上部ダンパ排気口53と、第1排気口13は、共通の排気管(図示しない)に統合されて、再生用ファン3に連通しているから、高湿空気W341aは再生用ファン3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿する。このとき、上部ダンパ閉塞部50cにより第1層10の第1南風路10bへの流路が閉塞されているから、高湿空気W341aが第1南風路10bに流入することがない。
次に、東水分吸着手段1bにおける吸着工程、西水分吸着手段1aにおける再生工程が完了する程度の時間が経過した後、図15の(a)に示すダンパ位置<A>から、図15の(b)に示すダンパ位置<B>へと切り換える。
すなわち、上部ダンパ50および下部ダンパ60をそれぞれ90°回転して、上部ダンパ通気部50aを北東に、上部ダンパ通気部50dを南西に、下部ダンパ通気部60aを北西に、下部ダンパ通気部60dを南東に、それぞれ停止させている。また、前記上部の筒上部を90°回転して、第2西風路20aを東側に、第2東風路20bを西側に、それぞれ停止させている。
一方、再生用ファン3によって第4吸気口43より第4南風路40bに吸い込まれた外気W3(再生入口空気に同じ)は、加熱手段4によって昇温されて再生加熱空気W34となる。そして、再生加熱空気W34は、下部ダンパ通気部60d(南東に停止している)を通過して、第3東風路30bへ流入し、さらに、東水分吸着手段1bを通過して高湿空気W341bとなって、第2東風路20bに流入する。
そして、高湿空気W341bは、第2排気口23(北東に位置している)から直接流出、上部ダンパ排気口53から流出、さらに、上部ダンパ通気部50aを通過して第1北風路10aに流入した後、第1排気口13から、それぞれ流出する。このとき、第2排気口23と、上部ダンパ排気口53と、第1排気口13は、共通の排気管(図示しない)に統合されて、再生用ファン3に連通しているから、高湿空気W341bは再生用ファン3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿する。このとき、上部ダンパ閉塞部50bにより第1層10の第1南風路10bへの流路が閉塞されているから、高湿空気W341bが第1南風路10bに流入することがない。
そして、高湿空気W341bの一部は、第2排気口23(北東に停止している)から直接流出し、高湿空気W341bの一部は上部ダンパ排気口53から流出する。さらに、高湿空気W341bの一部は上部ダンパ通気部50a(北東に停止している)を通過して第1北風路10aに流入し、第1排気口13から流出する。
このとき、第2排気口23と上部ダンパ排気口53と第1排気口13とは、再生用ファン3に連通しているから、再生出口空気W341bは再生用ファン3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿することになる。
(ロ)さらに、これに加え、風路への空気の出入口が大きいために、風路圧損が小さく送風手段を小型化でき、また、水分吸着手段1における風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるという効果がある。
(ニ)一方、正逆回転の場合は、例えば図13に示すように、上部ダンパ50および下部ダンパ60において、扇形の半径部分全体に、それぞれ水分吸着手段1側に向かって突起を設けることができる。これにより、上部ダンパ50では第2風路仕切21が、下部ダンパ60では第3風路仕切31がストッパーとなるため、回転誤差が発生しないとともに、突起部分と風路仕切がより広い面積で密着するため、空気漏洩を防ぐことが可能となる。
このとき、水分吸着手段1における風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるだけでなく、吸着工程と再生工程が対向流となるため、水分の吸着、再生を効率的に行うことができ、高効率な除加湿装置となる。
また、吸着風路と再生風路が切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、除加湿装置内部において結露を発生しにくいという効果も得られる。
図16は、本発明の実施の形態6に係る除加湿装置を説明するものであって、空気流れを説明する各部材を分解して示す平面図である。なお、図16は、図15に準じるため、同一箇所または相当する箇所には同じ符号を付し、説明を省略する。
除加湿装置600は、除加湿装置500(実施の形態5)における第1層10と上部ダンパ50と第2層20と上部筒上部とを回転自在にしたものである。
すなわち、第1風路仕切11の下面と上部ダンパ風路仕切51の上面とが、上部ダンパ風路仕切51の下面と第2風路仕切21の上面とが、それぞれ接合され、これらが上部筒上部に固定されている。この場合、風路内部の風路仕切とダンパが完全に密着されるので、ダンパに図13のような突起などを設けることなく空気漏洩を防ぐことが可能となる。
除加湿装置600におけるダンパ位置<A>における吸着動作および再生動作は、それぞれ除加湿装置500におけるダンパ位置<A>における吸着動作および再生動作に同じであるから、説明を省略する。
次に、東水分吸着手段1bにおける吸着工程、西水分吸着手段1aにおける再生工程が完了する程度の時間が経過した後、図16の(a)に示すダンパ位置<A>から、図16の(b)に示すダンパ位置<B>へと切り換える。
すなわち、上部を180°回転する。そうすると、第1北風路10aは南側に、第1南風路10bは北側に、第2西風路20aは東側に、第2東風路20bは西側に、それぞれ停止している。また、上部ダンパ50では上部ダンパ通気部50aが南東に、上部ダンパ通気部50dが北西に、それぞれ停止させているが、両者は実質的に同等であるから、ダンパ位置<A>と同じ通気路が形成されている。さらに、下部ダンパ60を90°回転して、下部ダンパ通気部60aを北西に、下部ダンパ通気部60dを南東に、それぞれ停止させている。
一方、第3東風路30bに流入した再生加熱空気W34は、東水分吸着手段1bを通過して高湿空気W341bになって第2西風路20a(東側に停止している)に流入する。
そして、高湿空気W341bの一部は、第2排気口23(南北東に停止している)から直接流出し、高湿空気W341bの一部は上部ダンパ排気口53から流出する。さらに、高湿空気W341bの一部は上部ダンパ通気部50a(南東に停止している)を通過して第1北風路10a(南側に停止している)に流入し、第1排気口13から流出する。
このとき、第2排気口23と上部ダンパ排気口53と第1排気口13とは、再生用ファン3に連通しているから、再生出口空気W341bは再生用ファン3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿することになる。
図17は、本発明の実施の形態7に係る空気調和機の概略構成を説明する斜視図である。図17において、空気調和機は、図示しない室内機と、室外機700と、を有し、除加湿装置400(実施の形態4)を室外機700の上部に一体化して設置したものである。
室外機700の内部には、周知のとおり、圧縮機701、室外機熱交換器702、室外機熱交換器用送風手段(以下「室外機ファン」と称す)703、および膨張弁704などが設置され、図示しない室内機の室内機熱交換器と接続されて、ヒートポンプサイクルを形成している。除加湿装置400の構成および動作は実施の形態4と同一であるため説明を省略する。
次に動作の一例について説明する。ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っているとき、実施の形態4において説明したように、図12のダンパ位置<A>およびダンパ位置<B>となるように、上部ダンパ50および下部ダンパ60を繰り返し切り換える。
そうすると、乾燥空気である吸着出口空気W21a、W21bおよび高湿空気である再生出口空気W341a、W341bが、連続的に除加湿装置400から排出される。
このとき、除加湿装置400を室外機700の上部に一体化して設置しているので、吸着出口空気W21a、W21bは室外機熱交換器702の空気吸込口付近に排気されることになる。
一方、再生出口空気W341a、W341bは、室内と室外とを接続するダクトなどを経由して、再生用ファン3により室内へと搬送され、室内機(図示しない)から排出される高温空気とともに室内へ供給され、室内を暖房加湿する。
(ロ)また、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に、連続的に高湿空気を室内に供給することが可能となるため、暖房時の乾燥を防ぐことができるという効果が得られる。
(ハ)また、乾燥空気であり、かつ吸着熱により外気よりも若干温度が上昇した吸着出口空気W21a、W231bが、ヒートポンプサイクルの暖房運転時に蒸発器である室外機熱交換器702に吸い込まれることになるので、室外機熱交換器702における着霜を抑制し、暖房運転効率を向上させるという効果も期待できる。
この場合でも、高湿の再生出口空気W341a、W341bを室内に、乾燥した吸着出口空気W21a、W21bを室外機熱交換器702の空気吸込口付近に導くことが可能であるため、除加湿装置400(実施の形態4)を設置した場合と同様の効果が得られる。
さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる加湿量が増加し、また同じ加湿量を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図18は、本発明の実施の形態8に係る空気調和機の概略構成を説明する斜視図である。図18において、空気調和機は、図示しない室内機と室外機とを有し、除加湿装置800を建物の外壁90に当接または近接させて設置したものである。なお、除加湿装置800の基本的な構成および動作は除加湿装置400(実施の形態4)と同一であり、室外機700(図示しない)は実施の形態7に同じであるため、それぞれ説明を省略する。
すなわち、当該空気調和機における除加湿装置800の筐体801には、吸着用ファン2を経由して第4排気口42に連通する乾燥空気排気口802と、再生用ファン3を経由して第1排気口13に連通する高湿空気排気口803とが、それぞれ形成されている。そして、乾燥空気排気口802は室外に開放され、高湿空気排気口803は壁孔93と対面し密着されている。また、室外機と室内機を接続する冷媒配管(何れも図示しない)は壁孔93を貫通して設置されている。
次に動作の一例について説明する。前記のように、乾燥空気である吸着出口空気W21a、W21bと、高湿空気である再生出口空気W341a、W341bとが、連続的に除加湿装置400から排出される。このとき、除加湿装置400を建物の外壁90に直接設置し、高湿空気排気口803が壁孔93と密着しているので、再生出口空気W341a、W341bは、ダクトなどを経由せずに、再生用ファン3により最短距離で室内へと搬送され、室内機から排出される高温空気とともに室内へ供給され、室内を暖房加湿する。
また、高湿である再生出口空気W341a、W341bをダクトで搬送する場合、特に冬場ではダクトが外気により冷却されるため、内部で結露する危険性が高いが、ダクトが不要であるために、除加湿装置800で生成した高湿空気を、ロスなく有効に室内に供給することが可能となる。また、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に、連続的に高湿空気を室内に供給することが可能となるため、暖房時の乾燥を防ぐことができるという効果が得られる。
このとき、再生出口空気W341a、W341bを室外から室内へ搬送するためのダクトが不要であるため、風路圧損が小さく送風手段(たとえば、再生用ファン3)を小型化できるだけでなく、ダクト騒音やダクト内結露などの問題も回避することも可能となり、信頼性を確保できるという効果も得られる。
さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる加湿量が増加し、また同じ加湿量を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図19は、本発明の実施の形態9に係る空気調和機の概略構成を説明する斜視図である。図19において、空気調和機は、図示しない室内機と室外機とを有し、除加湿装置900を建物の内壁80に当接または近接させて設置したものである。なお、除加湿装置900の基本的な構成および動作は除加湿装置400(実施の形態4)と同一であり、室外機700(図示しない)は実施の形態7に同じであるため、それぞれ説明を省略する。
すなわち、当該空気調和機における除加湿装置900の筐体901には、吸着用ファン2を経由して第4排気口42と連通する乾燥空気排気口902が、再生用ファン3を経由して第1排気口13と連通する高湿空気排気口903が、それぞれ形成されている。そして、乾燥空気排気口902は壁孔82と対面して内壁80に密着しているから、室外に連通している。また、高湿空気排気口803は室内に開放されている。
次に動作の一例について説明する。
前記動作によって、乾燥空気である吸着出口空気W21a、W21bと、高湿空気である再生出口空気W341a、W341bとが、連続的に除加湿装置900から排出される。このとき、除加湿装置900を建物の内壁80に直接設置し、高湿空気排気口903は室内に開放されているので、再生出口空気W341a、W341bは、ダクトなどを経由せずに、再生用ファン3により直接室内へ供給され、室内機(図示しない)から排出される高温空気とともに室内を暖房加湿する。
また、ダクト騒音やダクト内結露などの問題を回避することも可能となり、信頼性を確保できる効果が得られる。
また、吸着入口空気W2として室内空気を使用するので、除加湿装置900の内部に室温以下の空気が流れることはない。したがって、吸着風路を外気が流れる場合よりも高い温度に維持することができるから、除加湿装置900の内部において結露が発生する危険性を回避できるという効果が得られる。
また、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に、連続的に高湿空気である再生出口空気W341a、W341bを室内に供給することが可能となるため、暖房時の乾燥を防ぐことができるという効果が得られる。
この場合、水分吸着手段1に担持された吸着剤は、相対湿度の高い外気中の水分を吸着することになるので、吸着剤が吸着できる水分量が増加するから、室内空気を吸着させる場合よりも、室内に供給される加湿量を増加させることができるという効果が得られる。
また、これに加え、ダクト騒音やダクト内結露などの問題を回避することも可能となり、信頼性を確保できる効果が得られる。
このとき、吸着入口空気W2および再生入口空気W3として、暖房された室内空気を使用するので、除加湿装置900の内部における結露の危険性を回避でき、また、再生空気生成に必要な加熱手段における投入熱量を軽減できるという省エネ効果も得られる。
さらに、吸着剤を担持する基材として、熱伝導率が高い金属材料、中でも比較的軽量なものを使用することにより、吸着剤への熱伝導が向上するため、一般的な多孔質材料に担持した場合と比較し、同一スペックにて確保できる加湿量が増加し、また同じ加湿量を確保するうえでは、小型化や吸着剤の担持量削減、および再生用加熱量の削減が可能となり、低コスト化や省エネ効果も期待できる、除加湿装置を得ることが可能となる。
図20は、本発明の実施の形態10に係る除加湿装置の概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、除加湿装置100(実施の形態1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図20において、除加湿装置1000は、除加湿装置100(実施の形態1)に後記する空気センサ70を設置したものである。すなわち、基本的な構成要素は、水分吸着手段1と、脱着用送風手段(以下「吸着用ファン」と称す)2と、再生空気用送風手段(以下「再生用ファン」と称す)3と、加熱手段4と、後記空気センサ70と、である。
水分吸着手段1としては、例えば、円柱形状で回転可能なものとし、また軸方向に通気性を確保できるように、例えば、図20の(b)に拡大して図示されるような波形状、あるいは開口部が三角形となるようなハニカム形状に形成された基材5の内部または表面に、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等に代表される吸着剤を、含浸あるいは塗布あるいは表面処理などにより担持したものを使用する。
次に動作の一例について説明する。図20の構成において、吸着用ファン2により、室外あるいは室内から吸い込まれた吸着入口空気W2は、吸着入口空気センサ71により温度または湿度を検出された後、水分吸着手段1の甲水分吸着部1aを通過する時に水分を吸着され、乾燥空気としての吸着出口空気W21aが得られる。そして、吸着出口空気センサ72により温度または湿度を検出される。
一方、再生用ファン3により、室外あるいは室内から吸い込まれた外気(再生入口空気W3に同じ)は、加熱手段4によって昇温されて再生加熱空気W34となり、再生加熱空気W34は、再生入口空気センサ73により温度または湿度が検出される。
したがって、吸着出口空気W21a、W21bを室内に供給し、再生出口空気W341a、W341bを室外に排気すれば、室内は除湿されることになり、逆に、再生出口空気W341a、W341bを室内に供給し、吸着出口空気W21a、W21bを室外に排気すれば、室内は加湿されることになる。
一方、乙水分吸着部1bにおいては、水分吸着手段1に担持された吸着剤から、高温の再生加熱空気W34により水分が再生され、吸熱反応が起こるため、再生入口空気センサ73において検出される温度T73および湿度M73に対し、再生出口空気センサ74において検出される温度T74は低下し(T73>T74)、湿度M74は上昇する(M73<M74)。
例えば、水分吸着手段1に担持された吸着剤の吸着エネルギが、一般的なゼオライトの値として、吸着する水分1kgに対し800kcalとし、吸着用ファン2および再生用ファン3による風量が3m3/minであるときに、除加湿量比が1L/h確保されたことを想定すると、水分吸着手段1の前後において、熱損失を無視すれば、温度は約15℃(T73−T74=15)、絶対湿度は約4.6g/kg(M74−M73=4.6)変化することになる。
したがって、吸着入口空気センサ71、再生入口空気センサ73において検出される温度や湿度に対して、吸着出口空気センサ72、再生出口空気センサ74において検出されるべき温度や湿度の設計値を決定するか、あるいは初期値を測定しておき、経年的な変化を検出することにより、吸着剤の劣化を確認することができる。このとき、吸着剤が劣化し除加湿量比が低下すれば、温度にも湿度にもその影響が現れるので、どちらか一方を検出しても、また双方を検出して精度向上を図ってもよい。
すなわち、図12や図15において、第1層10の第1南風路10bに吸着入口空気センサ71を、第1北風路10aに再生出口空気センサ74を、第4層40の第4北風路40aに吸着出口空気センサ72を、第4南風路40bに再生入口空気センサ73を、それぞれ配置すれば、図20と同様の構成になる。
さらに、各センサを実施の形態6〜8で説明したような空気調和機が装備する除加湿装置400の内部に設置し、空調機と連動して動作させれば、空調機には室外や室内の温度センサが具備されているので、センサの個数を削減できるためコストの増加を抑制できる(たとえば、外気温度を検知する温度センサを撤去して、その役割を吸着入口空気センサ71が兼務する)。
すなわち、吸着風路内の吸着量と再生風路内の脱着量(除湿量)とは同一であるため、どちらか一方の風路における温度や湿度の差から、吸着剤の劣化は検出可能である。そうすると、空気センサ70の個数を削減できるため、コストの増加を抑制できる。
ただし、再生風路(図中、乙水分吸着部1bが停止している)では、加熱手段4によって昇温された高温の再生加熱空気W34を検出するため、熱損失による誤差が大きく含まれる可能性があるため、一方に設置する場合には、脱着風路(図中、甲水分吸着部1aが停止している)側に設置するのが望ましい。
しかし、回転する水分吸着手段1に替えて、これを円柱形状あるいは角柱形状として固定して設置してもよい。この場合、吸着用ファン2による吸着風路と再生用ファン3による再生風路とを切り換える必要がある。たとえば、吸込口および吹出口をダンパなどによって切り換え、固定されている甲水分吸着部1aと乙水分吸着部1bとに交互に空気が流れるようにする必要がある。
また、どちらか一方を吸い出し、もう一方は押し込む構成としてもよい。風下側から吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化でき、風上側から押し込む場合には、水分吸着手段1における風速分布が均一化され、水分吸着手段1の全体に担持された吸着剤を有効に使用することができるという効果がある。
このとき、吸着入口空気W2および再生加熱空気W34として、吸い込む対象が室外あるいは室内で同一であれば、吸込口を共通化できるので、送風手段で1台にすることができる。すなわち、一台の送風ファンによって除湿空気(吸着出口空気に同じ)および高湿空気(再生出口空気に同じ)を連続的に生成することが可能となる。
なお、本発明は水分吸着手段1を具備するものに限定するものではなく、たとえば、高湿空気用水分吸着手段7と低湿空気用水分吸着手段8とを具備する除加湿装置300(実施の形態3)に空気センサ70を設置してもよい。
本発明の実施の形態に係る加湿装置は、実施の形態1〜9に説明した除加湿装置100〜900と同じ構成であるから説明を省略する。すなわち、当該加湿装置とは、除加湿装置100〜900において高湿空気(再生出口空気に同じ)の利用に特化したものである。また、除加湿装置100〜900は、乾燥空気(吸着出口空気に同じ)の利用に特化した場合には、除湿装置(乾燥装置に同じ)と読み替えることができるものである。
Claims (12)
- 第1風路仕切板によって仕切られた、吸着空気吸気口を具備する第1吸着空気風路および再生空気排気口を具備する第1再生空気風路を有する第1層と、
複数の上部通気部を有する回転自在な上部風路切換ダンパと、
第2風路仕切板によって仕切られた、第2甲風路および第2乙風路を有する第2層と、
甲水分吸着部および乙水分吸着部に仕切られた円柱形状の水分吸着手段と、
第3風路仕切板によって仕切られた、第3甲風路および第3乙風路を有する第3層と、
複数の下部通気部を有する回転自在な下部風路切換ダンパと、
第4風路仕切板によって仕切られた、吸着空気排気口を具備する第4吸着空気風路および再生空気吸気口を具備する第4再生空気風路を有する第4層と、
が積層されてなる加湿装置であって、
前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパは、前記水分吸着手段の中心軸に一致する回転軸を有し、該回転軸を中心にして、前記水分吸着手段の中心軸に垂直な面上を回転すると共に、前記上部通気部および前記下部通気部が、前記回転軸を頂点とする扇形であり、
前記水分吸着手段は、通風性を具備する基材と該基材に担持された吸着剤とを有し、
前記基材は熱伝導率150W/mK以上の熱伝導性を有し、かつ、密度5,000kg/m3以下の軽量材料によって形成され、
前記基材は、1平方インチあたりのセル数が250セル以上であるハニカム状に形成され、前記吸着剤は、空気中の水分を吸着自在、かつ、吸着された水分を空気中に脱着自在で、担持された層の厚さが前記基材の厚さに対して10倍以下で、1.5〜2.5ナノメートルの孔径の細孔が多数設けられたケイ素材料によって構成され、
第1相対湿度と、該第1相対湿度よりも高い湿度である第2相対湿度と、が何れも相対湿度30%〜60%の範囲にあって、第1相対湿度と前記第2相対湿度との間における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率が、前記第1相対湿度よりも低い相対湿度の範囲および前記第2相対湿度よりも高い相対湿度の範囲における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率よりも大きい吸着特性を有し、
前記甲水分吸着部が前記第2甲風路および前記第3甲風路によって挾持され、
前記乙水分吸着部が前記第2乙風路および前記第3乙風路によって挾持され、
前記第4再生空気風路に空気加熱手段が設置され、
前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2乙風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2甲風路とを連通したダンパ位置Aの状態において、前記下部通気部が、前記第3乙風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3甲風路と前記第4再生空気風路とを連通し、
前記ダンパ位置Aの状態から前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパが回転して、前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2甲風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2乙風路とを連通したダンパ位置Bの状態において、前記下部通気部が、前記第3甲風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3乙風路と前記第4再生空気風路とを連通することを特徴とする加湿装置。 - 第1風路仕切板によって仕切られた、吸着空気吸気口を具備する第1吸着空気風路および再生空気排気口を具備する第1再生空気風路を有する第1層と、
複数の上部通気部を有する回転自在な上部風路切換ダンパと、
第2風路仕切板によって仕切られた、再生空気排気口を具備する第2甲風路および吸着空気吸気口を具備する第2乙風路を有する回転自在な第2層と、
甲水分吸着部および乙水分吸着部に仕切られた円柱形状の水分吸着手段と、
第3風路仕切板によって仕切られた、第3甲風路および第3乙風路を有する第3層と、
複数の下部通気部を有する回転自在な下部風路切換ダンパと、
第4風路仕切板によって仕切られた、吸着空気排気口を具備する第4吸着空気風路および再生空気吸気口を具備する第4再生空気風路を有する第4層と、
が積層されてなる加湿装置であって、
前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパは、前記水分吸着手段の中心軸に一致する回転軸を有し、該回転軸を中心にして、前記水分吸着手段の中心軸に垂直な面上を回転すると共に、前記上部通気部および前記下部通気部が、前記回転軸を頂点とする扇形であり、
前記水分吸着手段は、通風性を具備する基材と該基材に担持された吸着剤とを有し、
前記基材は熱伝導率150W/mK以上の熱伝導性を有し、かつ、密度5,000kg/m3以下の軽量材料によって形成され、
前記基材は、1平方インチあたりのセル数が250セル以上であるハニカム状に形成され、前記吸着剤は、空気中の水分を吸着自在、かつ、吸着された水分を空気中に脱着自在で、担持された層の厚さが前記基材の厚さに対して10倍以下で、1.5〜2.5ナノメートルの孔径の細孔が多数設けられたケイ素材料によって構成され、
第1相対湿度と、該第1相対湿度よりも高い湿度である第2相対湿度と、が何れも相対湿度30%〜60%の範囲にあって、第1相対湿度と前記第2相対湿度との間における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率が、前記第1相対湿度よりも低い相対湿度の範囲および前記第2相対湿度よりも高い相対湿度の範囲における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率よりも大きい吸着特性を有し、
前記第4再生空気風路に空気加熱手段が設置され、
前記甲水分吸着部が前記第2甲風路および前記第3甲風路によって挾持され、前記乙水分吸着部が前記第2乙風路および前記第3乙風路によって挾持され、前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2乙風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2甲風路とを連通するダンパ位置Aの状態において、前記下部通気部が、前記第3乙風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3甲風路と前記第4再生空気風路とを連通し、
前記ダンパ位置Aの状態から、前記吸着空気吸気口、前記再生空気排気口、前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパが回転して、前記甲水分吸着部が前記第2乙風路および前記第3甲風路によって挾持され、前記乙水分吸着部が前記第2甲風路および前記第3乙風路によって挾持され、前記上部通気部が、前記第1吸着空気風路と前記第2乙風路とを連通すると共に、前記第1再生空気風路と前記第2甲風路とを連通したダンパ位置Bの状態において、前記下部通気部が、前記第3甲風路と前記第4吸着空気風路とを連通すると共に、前記第3乙風路と前記第4再生空気風路とを連通することを特徴とする加湿装置。 - 前記上部風路切換ダンパおよび前記下部風路切換ダンパが、連動してあるいは個別に、同一方向または相違する方向に90°づつ間欠的に回転することを特徴とする請求項1または2記載の加湿装置。
- 前記第2層側に配置された円柱形状の水分吸着手段と、前記第3層側に配置されたゼオライト系の材料で構成された吸着剤を有する水分吸着手段と、からなる2枚構成であって、
前記ゼオライト系の材料が0.7ナノメートルの孔径の細孔が多数設けられたゼオライト系の材料で構成され、前記第1相対湿度よりも低い湿度である第3相対湿度よりも低い相対湿度における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率が、前記第3相対湿度よりも高い相対湿度における前記吸着剤の相対湿度に対する水分平衡吸着量の変化率よりも大きい吸着特性を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の加湿装置。 - 前記第2層側に配置された円柱形状の水分吸着手段と、前記第3層側に配置されたゼオライトとシリカゲルとを混合した吸着剤を有する水分吸着手段と、からなる2枚構成であって、
前記ゼオライトとシリカゲルとを混合した吸着剤は、ゼオライトとシリカゲルを混合したものであって、前記ゼオライトの終端カチオン種を、カリウムが50%以上の比率としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の加湿装置。 - 前記上部風路切換ダンパは、円周方向に4分割され、対向する一対の中心角90°の扇形(1/4円)状の上部通気部を有し、
前記下部風路切換ダンパは、円周方向に4分割され、対向する一対の中心角90°の扇形(1/4円)状の下部通気部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の加湿装置。 - 前記上部風路切換ダンパと前記下部風路切換ダンパは、それぞれ2つの中心角90°の扇形(1/4円)が中心にて対角方向に接続された形状であり、前記吸着空気吸気口および前記再生空気排気口は、前記上部風路切換ダンパの上部通気部に、前記第1層と前記第2層に跨って設置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の加湿装置。
- 前記上部風路切換ダンパと前記下部風路切換ダンパ、および前記吸着空気吸気口、前記再生空気排気口が、連動して同一方向に90°回転することによって風路切換を行うことを特徴とする請求項7記載の加湿装置。
- 前記上部風路切換ダンパと前記下部風路切換ダンパにおいて、扇形の半径部分全体に、前記水分吸着手段側あるいは反対側のいずれか一方に突起を設け、
前記上部風路切換ダンパと前記下部風路切換ダンパ、および前記吸着空気吸気口、前記再生空気排気口が、連動して角度90°の正逆回転を繰り返すことにより風路切換を行うことを特徴とする請求項7記載の加湿装置。 - 前記上部風路切換ダンパは、前記第1仕切板および前記第2仕切板に固定されて設置され、前記吸着空気吸気口、前記再生空気排気口が、連動して180°回転することにより風路切換を行うことを特徴とする請求項7記載の加湿装置。
- 前記甲水分吸着部または前記乙水分吸着部の一方を挟む一対の空気センサーが配置され、
前記一対の空気センサーのそれぞれによって検出された一対の温度同士の差、または前記一対の空気センサーのそれぞれによって検出された一対の湿度同士の差、の一方または両方の経時的な変化から、前記吸着剤の劣化を検出することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の加湿装置。 - 冷凍ユニットを構成する圧縮機、室外側熱交換器、および膨張弁を内蔵した室外機と、 冷凍ユニットを構成する室内側熱交換器を内蔵した室内機と、
前記室外機の上部に一体化して設置された請求項1乃至11の何れかに記載の加湿装置と、を備えたことを特徴とする空気調和機。
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