JP5076963B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
この装置は、ステアリングホイールを車両後方端に装着しているステアリングシャフトと、このステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムとを備え、ステアリングコラムを、インナコラムと、このインナコラムにコラム軸方向に摺動可能に外嵌している筒形状のアウタコラムとで構成している。そして、インナコラムの外周を包持している円筒形状のアウタコラムのクランプ部(特許文献1では変形容易部と称している)にコラム軸方向に延在するスリットを形成することで、縮径容易となるように剛性を低下させたクランプ部としている。また、このクランプ部の外側に、車体側部材に固定した車体側ブラケットを配置し、インナコラム及びアウタコラムをコラム軸方向に相対移動させてステアリングホイールのテレスコピック位置を変更してから、クランプ装置によりスリットの幅が小さくなるように車体側ブラケットを締付けてクランプ部を縮径することで、アウタコラムが軸方向に相対的に移動不能となるように、クランプ部をインナコラムにクランプするようにしている。
このアウタコラム51のコラム軸P1の一端側には、車幅方向に離間してインナコラムの外周を包持する一対のクランプ部52a,52bが一体に形成されているとともに、これらクランプ部52a,52bの間にコラム軸P1方向に延在するスリット53を形成することで、クランプ部52a,52bの剛性を低下させて縮径容易な構造としている。また、アウタコラム51のコラム軸P1の他端側には、ロックキーを挿通するキーロック穴54が形成されている。
しかし、ステアリングコラムの軸長の短縮化のために、アウタコラム51の軸長を短くすると、アウタコラム51の下部に設けているスリット53の端部及びキーロック穴54とが近接してしまい、スリット53及びキーロック穴54の間の部位の機械的強度が低下しやすい。
そこで、スリット53のキーロック穴54側に近い端部の開口周縁に補強部55を設けることで、前記部位の機械的強度を増大させる対策がなされている。しかしながら、スリット53とキーロック穴54との間にはキーロック部材の部品を配置しなければならないので、補強部55の配置にも限界がある。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のステアリング装置において、前記スリットの軸線を、コラム軸を含む垂直平面に対して交差した状態でオフセットし、前記キーロック穴側に位置するスリット端部がキーロック穴から離間するように延在させている。
図1は本発明によるステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図、図2は本発明によるステアリング装置の第1実施形態を示す側面図、図3は第1実施形態を下方から示した図、図4は図2のA−A線矢視図、図5は第1実施形態のアウタコラムを下側から示した図である。
ステアリングシャフト11は、図2に示すように、ステアリングホイール13(不図示)を取付けたアウタシャフト11aと、このアウタシャフト11aにスプライン結合又はセレーション結合されて摺動自在に係合されたインナシャフト11bとで構成されている。
インナコラム12bの車両前方側(ユニバーサルジョイント14側)は、図2に示すように、コラム側ブラケット20が固定されており、このコラム側ブラケット20を介してインナコラム12bの車両前方側が車体側部材22に支持されている。
クランプ装置27は、側板26b,26cの下部に形成した挿通穴26b1,26c1及び左右一対のクランプ部25a,25bのテレスコ用長孔25a2,25b2に挿通している締付けロッド27aと、締め付けロッド27aのねじ部27a1に螺合している締付け調整ナット27bと、締付け調整ナット27bと側板26bとの間に端部が固定された操作レバー27cとを備えている。
また、スリット30の車体後方側の開口周縁には、肉厚を増大させた補強部31が形成されている。そして、前記補強部31のキーロック穴29に近接するスリット端部30aの開口周縁は、さらに肉厚が増大し、且つ面方向に広がった形状となっている。なお、スリット端部30aの開口周縁に形成した補強部を、スリット端部側補強部31aと称する。
テレスコ調整を行なうには、先ず、一対のクランプ部25a,25bのクランプ力付加部25a3,25b3が互いに離間する方向にクランプ装置27の操作レバー27cを回動する。これにより、車両後方側車体ブラケット26の側板26b,26cの締付けが解除され、包持部25a1,25b1の内周面がインナコラム12bの外周から離間し、一対のクランプ部25a,25bによるインナコラム12bのクランプが解除されるので、締付けロッド27aをテレスコ用長孔25a,25b2の長軸方向にスライドさせながら、アウタコラム12aをコラム軸P1方向に移動させていき、ステアリングホイール13を車両前後方向の所定位置まで移動する。
また、本実施形態は、スリット30のスリット端部30aとキーロック穴29との間の距離が長く設定されていることから、電動パワーステアリング装置を備えたステアリング装置とするためにアウタコラム12aの軸長を短縮しても、アウタコラム12aのねじり破壊強度を向上させることができ、さらには、スリット30のスリット端部30aを補強するスリット端部側補強部31aを形成しながら、スリット30aとキーロック穴29との間にキーロック部材の部品を容易に配置することができる。
本実施形態のアウタコラム12aは、第1実施形態のアウタコラム12aと同様に、アウタコラム12aの下部に設けたスリット30の軸線P2が、コラム軸P1を含む垂直平面(図4を参照)に対してキーロック穴29から離間する方向にオフセットしながら平行に延在しているとともに、スリット30の車体後方側の開口周縁に補強部が設けられている。
本実施形態が第1実施形態と異なる構成は、コラム軸P1を含む垂直平面に対して軸線P2が交差した状態でオフセットし、スリット端部aがキーロック穴29から離間するようにスリット30が設けられている。
本実施形態のスリット30も、図9で示した従来のアウタコラム51と比較して、スリット30のスリット端部30aとキーロック穴29との間の距離が長く設定されているので、スリット30のスリット端部30aとキーロック穴29との間の部位の機械的強度が増大する。
Claims (4)
- ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムを、円筒形状のインナコラムと、このインナコラムにコラム軸方向に相対的に摺動可能に外嵌されている円筒形状のアウタコラムとで構成するとともに、車体側部材に固定された車体側ブラケットと、この車体側ブラケットの内側に配置され、前記アウタコラムの下部に前記コラム軸方向に延在する1条のスリットを形成することで縮径可能に前記アウタコラムに一体に設けられ、前記インナコラムの外周を包持するクランプ部と、前記車体側ブラケットを締付けて前記クランプ部を縮径させることで前記コラム軸方向に相対移動不能に前記クランプ部を前記インナコラムにクランプするクランプ装置と、前記アウタコラムの下部に形成され、ステアリングロック装置のロックキーが挿通するキーロック穴とを備えたステアリング装置において、
前記アウタコラムの下部に形成したスリットの軸線を、前記コラム軸を含む垂直平面に対して前記キーロック穴から離間する方向にオフセットさせたことを特徴とするステアリング装置。 - 前記スリットの軸線は、コラム軸を含む垂直平面に対して平行に延在していることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
- 前記スリットの軸線は、コラム軸を含む垂直平面に対して交差した状態でオフセットし、前記キーロック穴側に位置するスリット端部がキーロック穴から離間するように延在していることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
- 前記キーロック穴側に位置するスリット端部の開口周縁に補強部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置。
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