JP2006206050A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの低減を図りながら、ステアリングコラムの剛性を高くすること。
【解決手段】アウターコラム2のコラム側ブラケット12の一対の固定部15,15の近傍に、一対のスリット23,23が形成してあるため、アウターコラム2は、固定部15,15近傍での剛性を低減することができ、この箇所での弾性変形が可能になる。したがって、コラム側ブラケット12を車体側ブラケット6に摺接してチルト・テレスコピック締付する際には、インナーコラム1をアウターコラム2により直接的に押圧しながらクランプすることができ、両コラム1,2の剛性を著しく高くすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、運転者の運転姿勢に応じて、ステアリングシャフトの軸方向位置、及び/又は、ステアリングシャフトの傾斜角度を調整できるテレスコピック式又はチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置に関する。
例えば、特開平11−278283号公報に開示したチルト・テレスコピック式のステアリング装置では、ロアー側のアウターコラムに、アッパー側のインナーコラムが摺動自在に挿入して嵌合してある。このアッパー側のインナーコラムには、テレスコ調整用溝を有するコラム側ブラケットが取り付けてあり、このコラム側ブラケットは、チルト調整用溝を有する車体側ブラケットの内側に摺接するように構成してある。テレスコ調整用溝及びチルト調整用溝には、締付ボルトが通挿してあり、この締付ボルトの一端には、操作レバーが取り付けてある。
これにより、操作レバーを揺動すると、締付ボルトが軸方向に移動して、車体側ブラケットとコラム側ブラケットの摺接を解除し、締付ボルトをチルト調整用溝に沿って上下方向に移動して、アッパー側のインナーコラムの傾斜角度を調整できると共に、締付ボルトをテレスコ調整用溝に沿って軸方向に移動して、アッパー側のインナーコラムの軸方向位置を調整することができる。
チルトおよびテレスコピック調整後には、操作レバーを逆方向に揺動すると、締付ボルトが軸方向に移動して、車体側ブラケットをコラム側ブラケットに摺接して押圧し、これにより、アッパー側のインナーコラムをチルトおよびテレスコピック調整後の状態で締め付けることができる。
上記公報に開示したチルト・テレスコピック式のステアリング装置では、ロアー側のアウターコラムに、アッパー側のインナーコラムを摺動自在に嵌合し、両コラムの剛性を高くしている。
しかしながら、アッパー側のインナーコラムは、ロアー側のアウターコラムに対して必ずしも直接的にクランプしていないため、ステアリングホイールに曲げ荷重が作用した場合(即ち、ステアリングホイールが上下方向にこじられた場合)、アッパー側のインナーコラムは、若干揺動するように動くことがあり、両コラムの剛性は、必ずしも高いとはいえなかった。
なお、アッパー側のインナーコラムに設けたコラム側ブラケットに、複数枚の補強板を設けて、剛性を高くすることも考えられるが、部品点数の増加から、製造コストの高騰を招くといった虞れがある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低減を図りながら、ステアリングコラムの剛性を高くすることができるテレスコピック式又はチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係るテレスコピック式の車両用ステアリング装置は、
車体側ブラケットの内側に、インナーコラムにアウターコラムを摺動自在に嵌合して設け、締付手段により、アウターコラムに固定したコラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してテレスコピック締付する一方、この摺接を解除してテレスコピック解除するテレスコピック式の車両用ステアリング装置において、
前記アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットを設けたことを特徴とする。
また、請求項2に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置は、
車体側ブラケットの内側に、インナーコラムにアウターコラムを摺動自在に嵌合して設けると共に、両コラムを傾動自在に構成し、締付手段により、アウターコラムに固定したコラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してチルト・テレスコピック締付する一方、この摺接を解除してチルト・テレスコピック解除するチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置において、
前記アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットを設けたことを特徴とする。
このように、請求項1又は請求項2によれば、アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットが設けてあるため、アウターコラムは、スリットの周囲での剛性を低減することができ、この周囲での弾性変形が可能になる。
したがって、コラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してテレスコピック締付する際には、インナーコラムをアウターコラムにより直接的にクランプすることができ、ステアリングホイールに曲げ荷重が作用した場合(即ち、ステアリングホイールが上下方向にこじられた場合)であっても、両コラムが若干揺動するように動くことがなく、両コラムの剛性を著しく高くすることができる。
また、アウターコラムにスリットを追加する簡易な構造であり、製造コストの低減や省スペース化も図ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置の側面図である。図2は、図1のA−A線に沿った横断面図であって、チルト・テレスコピック解除時を示す。図3(a)は、図1のA−A線に沿った拡大横断面図であって、チルト・テレスコピック締付時を示し、図3(b)は、図3(a)のアウターコラムとコラム側ブラケットの部分側面図である。
図1に示すように、インナーコラム1に対して、アウターコラム2が摺動自在に嵌合してあり、両コラム1,2は、図示しないチルト中心の回りに傾動自在に構成してある。なお、両コラム1,2の間には、図2に示すように、チルト・テレスコピック解除時に、所定の隙間が形成できるように設定してある。また、インナーコラム1の下方は、ロアーブラケット3により揺動可能に支持してある。
両コラム1,2内には、ロアーシャフト4とアッパーシャフト5が回転自在に収納してあり、アッパーシャフト5は、ロアーシャフト4に対して摺動自在に構成してある。
図2及び図3(a)に示すように、両コラム1,2の嵌合部の外方には、一対のチルト調整用溝7,7を有する車体側ブラケット6が設けてある。なお、この車体側ブラケット6は、中央部が山側であってその両端部に二次衝突時離脱用カプセル9,9を有する張り出し部材8と、中央部が山側であってその両側に一対の対向側壁部11,11を有する略U字状部材10とから構成してある。この対向側壁部11,11に、上記チルト調整用溝7,7が略上下方向に延在して形成してある。
アウターコラム2の略下側には、一対のテレスコ調整用溝13,13を有するコラム側ブラケット12が溶接等により設けてある。なお、このコラム側ブラケット12は、一対の対向側壁部14,14と、アウターコラム2への一対の固定部15,15とを具え、略閉断面形状から構成してある。一対の対向側壁部14,14に、上記テレスコ調整用溝13,13が略横方向に延在して形成してある。
チルト調整用溝7,7及びテレスコ調整用溝13,13には、締付ボルト16が通挿してあり、そのネジ部側には、カム・ロック機構17、操作レバー18、及びスラスト軸受19を介して、締付ナット20が螺合してある。なお、この締付ナット20は、カシメ又は樹脂塗布等による緩み防止機能を有している。
カム・ロック機構17は、操作レバー18と一体的に回転する第1カム部材21と、この第1カム部材21の回転に伴って、第1カム部材21の山部または谷部に係合しながら軸方向に移動してロックまたはロック解除する非回転の第2カム部材22とから構成してある。なお、スラスト軸受19は、転がり摩擦であるため、操作力を低下することができる。
さらに、本実施の形態では、図3(a)(b)に示すように、アウターコラム2のコラム側ブラケット12の一対の固定部15,15の近傍には、一対のスリット23,23が形成してある。各スリット23の形状は、その中央部がテレスコ調整用溝13に沿って略横方向に延在してあり、その両端部が上方向に延びた切り込みを有している。
以上のように構成したチルト・テレスコピック式ステアリング装置では、車両の二次衝突時には、カプセル9,9が離脱して、アウターコラム2、インナーコラム1、ロアーシャフト4およびアッパシャフト5から成るステアリングシャフト組立体は、車体側ブラケット6とともに、ロアーブラケット3に対して、車両前方に移動する。
チルト・テレスコピックの締付時には、操作レバー18を一方向に揺動すると、第1カム部材21が同時に回転して、第1及び第2カム部材21,22の山部同士が乗り上げる。これにより、締付ボルト16を軸方向に移動し、コラム側ブラケット12の一対の対向側壁部14,14を、車体側ブラケット6の一対の対向側壁部11,11に摺接して、チルト・テレスコピック締付を行うことができる。
この際、本実施の形態では、アウターコラム2のコラム側ブラケット12の一対の固定部15,15の近傍に、一対のスリット23,23が形成してあるため、アウターコラム2は、固定部15,15近傍での剛性を低減することができ、この箇所での弾性変形が可能になる。
したがって、コラム側ブラケット12を車体側ブラケット6に摺接してチルト・テレスコピック締付する際には、インナーコラム1をアウターコラム2により直接的に押圧しながらクランプすることができる。
この際の押圧箇所(接点)は、図3(a)において、コラム側ブラケット12の一対の固定部15,15の2箇所と、両コラム1,2の頂上箇所との合計3箇所である。
以上から、本実施の形態では、ステアリングホイールに曲げ荷重が作用した場合(即ち、ステアリングホイールが上下方向にこじられた場合)であっても、両コラム1,2が若干揺動するように動くことがなく、両コラム1,2の剛性を著しく高くすることができる。また、アウターコラム2にスリット23を追加する簡易な構造であり、製造コストの低減や省スペース化も図ることができる。
一方、チルト・テレスコピックの解除時には、操作レバー18を逆方向に揺動すると、操作レバー18と共に、第1カム部材21が非回転の第2カム部材22に対して回動し、第1及び第2カム部材21,22の山部と谷部が係合して、突っ張りが無くなる。これにより、締付ボルト16を逆方向に移動して、コラム側ブラケット12の一対の対向側壁部14,14と、車体側ブラケット6の一対の対向側壁部11,11との摺接を解除して、チルト・テレスコピック解除を行うことができる。
チルト調整の場合には、締付ボルト16をチルト調整用溝7,7に沿って移動し、両コラム1,2を傾動して、ステアリングホイール(図示略)の傾斜角度を所望に調整することができる。テレスコピック調整の場合には、ロアー側のインナーコラム1に対して、アッパー側のアウターコラム2を軸方向に摺動して、ステアリングホイール(図示略)の軸方向位置を所望に調整することができる。
(第2実施の形態)
図4は、本発明の第2実施の形態に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置の拡大横断面図(図3(a)に相当)であって、チルト・テレスコピック締付時を示す。
本第2実施の形態では、コラム側ブラケット12の一対の固定部15,15が傾斜しておらず、横方向からアウターコラム2に当接してある。また、このアウターコラム2の最下部位に、1個のスリット24が形成してある。
この場合にも、アウターコラム2は、スリット24の周囲での剛性を低減することができ、この周囲での弾性変形が可能になる。したがって、コラム側ブラケット12を車体側ブラケット6に摺接してチルト・テレスコピック締付する際には、インナーコラム1をアウターコラム2により直接的に押圧しながらクランプすることができる。
この際の押圧箇所(接点)は、図4において、コラム側ブラケット12の一対の固定部15,15の2箇所と、両コラム1,2の頂上箇所との合計3箇所である。
以上から、本実施の形態においても、両コラム1,2の剛性を著しく高くすることができ、アウターコラム2にスリット24を追加する簡易な構造であり、製造コストの低減や省スペース化も図ることができる。
その他の構成・作用は、上記他の実施の形態と同様である。
(第3実施の形態)
図5は、本発明の第3実施の形態に係り、両コラムとコラム側ブラケットの断面図、及びアウターコラムの側面図である。
本第3実施の形態では、スリット23の中央部にも、切り込み25を設けて、この切り込み25の両側に、一対のフランジ26,26を形成している。
したがって、このアウターコラム2に形成した軸方向2箇所のフランジ26,26により、インナーコラム1を確実に押圧することができる。
その他の構成・作用は、上記他の実施の形態と同様である。
(第4実施の形態)
図6は、本発明の第4実施の形態に係り、両コラムとコラム側ブラケットの断面図及び略平面図、並びにアウターコラムの側面図である。
本第4実施の形態では、スリット23は、第1実施の形態と同形状とし、コラム側ブラケット12とアウターコラム1との接合部の中央に、隙間27を形成して、軸方向2箇所の接合部28,28により部分当たりとしている。
これにより、第3実施の形態と同様に、アウターコラム2の軸方向2箇所の接合部28,28により、インナーコラム1を確実に押圧することができる。
その他の構成・作用は、上記他の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、両コラム1,2の間に、樹脂等の低摩擦部材を挿嵌して押圧する事も可能である。
(発明の効果)
以上説明したように、請求項1又は請求項2によれば、アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットが設けてあるため、アウターコラムは、スリットの周囲での剛性を低減することができ、この周囲での弾性変形が可能になる。
したがって、コラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してテレスコピック締付する際には、インナーコラムをアウターコラムにより直接的にクランプすることができ、ステアリングホイールに曲げ荷重が作用した場合(即ち、ステアリングホイールが上下方向にこじられた場合)であっても、両コラムが若干揺動するように動くことがなく、両コラムの剛性を著しく高くすることができる。
また、アウターコラムにスリットを追加する簡易な構造であり、製造コストの低減や省スペース化も図ることができる。
本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置の側面図である。 図1のA−A線に沿った横断面図であって、チルト・テレスコピック解除時を示す。 (a)は、図1のA−A線に沿った拡大横断面図であって、チルト・テレスコピック締付時を示し、(b)は、(a)のアウターコラムとコラム側ブラケットの部分側面図である。 本発明の第2実施の形態に係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置の拡大横断面図(図3(a)に相当)であって、チルト・テレスコピック締付時を示す。 本発明の第3実施の形態に係り、両コラムとコラム側ブラケットの断面図、及びアウターコラムの側面図である。 本発明の第4実施の形態に係り、両コラムとコラム側ブラケットの断面図及び略平面図、並びにアウターコラムの側面図である。
符号の説明
1 インナーコラム
2 アウターコラム
3 ロアーブラケット
4 ロアーシャフト
5 アッパーシャフト
6 車体側ブラケット(チルトブラケット)
7 チルト調整用溝
8 張り出し部材
9 二次衝突時離脱用カプセル
10 略U字状部材
11 対向側壁部
12 コラム側ブラケット(ディスタンスブラケット)
13 テレスコ調整用溝
14 対向側壁部
15 固定部
16 締付ボルト
17 カム・ロック機構
18 操作レバー
19 スラスト軸受
20 締付ナット
21 第1カム部材
22 第2カム部材
23 スリット
24 スリット
25 切り込み
26 フランジ
27 隙間
28 接合部

Claims (2)

  1. 車体側ブラケットの内側に、インナーコラムにアウターコラムを摺動自在に嵌合して設け、締付手段により、アウターコラムに固定したコラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してテレスコピック締付する一方、この摺接を解除してテレスコピック解除するテレスコピック式の車両用ステアリング装置において、
    前記アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットを設けたことを特徴とするテレスコピック式の車両用ステアリング装置。
  2. 車体側ブラケットの内側に、インナーコラムにアウターコラムを摺動自在に嵌合して設けると共に、両コラムを傾動自在に構成し、締付手段により、アウターコラムに固定したコラム側ブラケットを車体側ブラケットに摺接してチルト・テレスコピック締付する一方、この摺接を解除してチルト・テレスコピック解除するチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置において、
    前記アウターコラムのコラム側ブラケットの固定箇所又はその近傍に、少なくとも1個のスリットを設けたことを特徴とするチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置。
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