JP5076856B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5076856B2
JP5076856B2 JP2007321770A JP2007321770A JP5076856B2 JP 5076856 B2 JP5076856 B2 JP 5076856B2 JP 2007321770 A JP2007321770 A JP 2007321770A JP 2007321770 A JP2007321770 A JP 2007321770A JP 5076856 B2 JP5076856 B2 JP 5076856B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
correction
period
cylinders
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007321770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009144582A (ja
Inventor
修一 江▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007321770A priority Critical patent/JP5076856B2/ja
Publication of JP2009144582A publication Critical patent/JP2009144582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5076856B2 publication Critical patent/JP5076856B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

この発明は、可変動弁機構を搭載した内燃機関の制御装置に関し、特に、複数気筒のバルブリフト量を可変動弁機構により一括して変化させる構成とした内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開2004−190594号公報)に開示されているように、複数気筒のバルブリフト量を可変動弁機構により一括して変化させる構成とした内燃機関の制御装置が知られている。この種の従来技術による内燃機関は、各気筒の吸気バルブにそれぞれ設けられた可変動弁機構を備えている。これらの可変動弁機構は、単一のアクチュエータによって回転駆動される共通の制御軸を有している。
このような構成において、各気筒のバルブリフト量を制御するときには、例えば可変動弁機構の構成部品の寸法誤差、組付誤差などによってリフト量のばらつきが生じ易い。このため、従来技術では、各気筒の間でリフト量のばらつきを補正するための補正制御を実行している。
この補正制御では、まずリフト量のばらつきに対応する指標として、各気筒の吸入空気量のばらつきを検出する。そして、補正の実行時には、補正対象気筒の開弁期間の直前に全気筒が閉弁状態となる期間を利用して、この期間中にアクチュエータを駆動し、ばらつきに対応する角度分だけ制御軸を回転させる。
ここで、全気筒の閉弁期間中に補正を行うのは、アクチュエータに作用するバルブ反力を軽減するためである。即ち、アクチュエータの駆動時には、何れかの気筒で吸気バルブが開弁していると、その気筒におけるバルブスプリング、ロストモーションスプリング等のバルブ反力がアクチュエータにも作用する。このため、従来技術では、バルブ反力が作用しない全気筒の閉弁期間を利用して、補正を円滑に行う構成としている。
特開2004−190594号公報
上述した従来技術では、全気筒の閉弁期間を利用して、アクチュエータを高速駆動する構成としている。しかしながら、例えばV8型などの多気筒エンジンにあっては、2つの気筒の開弁期間がオーバーラップしているか、隣接していることが多い。
このため、従来技術の補正制御は、V8型などの多気筒エンジンに対してそのまま適用することができないという問題がある。即ち、上述した2つの気筒のうち、点火順序が2番目となる気筒の開弁期間の直前には、最初の気筒の開弁期間が配置されており、全気筒の閉弁期間が存在しない。
このような構成において、従来技術の補正制御を実施した場合には、例えば最初の気筒の開弁期間中に2番目の気筒の補正を行うことになる。つまり、バルブ反力に抗してアクチュエータを高速駆動する必要が生じるから、アクチュエータの大型化や出力の増大を招くことになる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数気筒のバルブリフト量を一括して制御する場合において、可変動弁機構のアクチュエータを緩やかに駆動しつつ、各気筒のばらつきを補正することができ、アクチュエータの小型化や効率的な駆動を実現することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、気筒別のカムが回転することにより、各気筒のバルブが個々のカムノーズに対応する位置で開,閉する複数の気筒と、
前記複数の気筒のうち前記カムノーズの間隔が最小に設定され、前記バルブのリフト期間がオーバーラップまたは隣接するように設定された少なくとも2つの気筒である近接気筒群と、
アクチュエータ及び該アクチュエータにより回転せしめられ、該回転位置に応じて前記複数の気筒に設けられる前記バルブの作用角又はリフト量である制御パラメータを可変させる制御軸を有する可変動弁機構と、
前記近接気筒群のうち点火順序が最初となる気筒を基準として、各気筒における前記制御パラメータのばらつきである気筒別の誤差データ取得する誤差取得手段と、
前記誤差データに基づいて前記アクチュエータを駆動することにより、各気筒における前記制御パラメータのばらつきを補正する補正手段と、
前記補正手段が補正対象気筒に対して補正を行う補正期間を、前記補正対象気筒該補正対象気筒よりも先にバルブが開く気筒との間のカムノーズ間隔に応じて可変に設定する補正期間可変手段と、を備え
前記補正期間可変手段は、前記カムノーズ間隔に応じて定められる前記近接気筒群のうち点火順序が2番目以降の気筒を前記補正対象気筒とする場合に、前記補正期間を当該気筒のリフト期間に一致させる構成としたことを特徴とする。
の発明によると前記誤差取得手段は、前記近接気筒群のうち点火順序が最初の気筒を基準気筒として使用し、他の気筒の誤差データを前記基準気筒に対する相対値として取得する構成としている。
の発明によると、前記補正期間可変手段は、前記近接気筒群以外の気筒の補正期間を、補正対象気筒よりも先にバルブが開く気筒の補正期間が終了してから補正対象気筒が最大リフト量となるまでの期間として設定する構成としている。
の発明は、気筒別のカムが回転することにより、各気筒のバルブが個々のカムノーズに対応する位置で開,閉する複数の気筒と、
前記複数の気筒のうち前記カムノーズの間隔が最小に設定され、前記バルブのリフト期間がオーバーラップまたは隣接するように設定された少なくとも2つの気筒である近接気筒群と、
アクチュエータ及び該アクチュエータにより回転せしめられ、該回転位置に応じて前記複数の気筒に設けられる前記バルブの作用角又はリフト量である制御パラメータを可変させる制御軸を有する可変動弁機構と、
前記近接気筒群を基準気筒として使用し、他の気筒における前記制御パラメータのばらつきを前記近接気筒群のばらつきの平均値に対する相対的な誤差データとして取得する誤差取得手段と、
前記誤差データに基づいて前記アクチュエータを駆動することにより、前記近接気筒群以外の気筒における前記制御パラメータのばらつきを補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
の発明は、前記近接気筒群以外の気筒において、前記ばらつきの補正方向が小作用角側である気筒の補正期間を、当該気筒よりも先にバルブが開く気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が終了するまでの期間として設定する第1の補正期間設定手段と、
前記近接気筒群以外の気筒において、前記ばらつきの補正方向が大作用角側である気筒の補正期間を、当該気筒よりも先にバルブが開く気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が開始するまでの期間として設定する第2の補正期間設定手段と、
を備える構成としている。
の発明は、予め測定された各気筒の誤差データを記憶する記憶手段を備え、
前記誤差取得手段は、前記記憶手段から前記誤差データを取得する構成としている。
第1の発明によれば、誤差取得手段は、各気筒における制御パラメータのばらつきを気筒別の誤差データとして取得することができる。そして、補正手段は、この誤差データに基づいて制御パラメータのばらつきを確実に補正することができる。このとき、補正期間可変手段は、補正対象気筒と、該補正対象気筒よりも先にバルブが開く気筒(直前の気筒)との間のカムノーズ間隔に応じて、個々の気筒における補正期間の長さを適切に設定することができる。
これにより、例えばカムノーズ間隔が狭い気筒間では、補正期間を出来るだけ長く設定することができ、この補正期間中に可変動弁機構のアクチュエータを緩やかに駆動することができる。従って、高速駆動が可能な大型のアクチュエータ等を用いる必要がないから、アクチュエータの小型化や効率的な駆動を実現することができる。
また、近接気筒群のうち点火順序が2番目以降の気筒では、リフト期間の開始前に十分な補正期間が確保できなくても、リフト期間の開始から終了までの期間を補正期間として用いることができる。従って、当該気筒の補正期間を出来るだけ長く設定することができ、この補正期間中にアクチュエータを補正角度分だけ徐々に駆動すればよいから、アクチュエータの動作速度を緩やかにすることができ、その消費電力を低減することができる。
の発明によれば、誤差取得手段は、近接気筒群のうち点火順序が最初の気筒を基準気筒として用いることができ、他の気筒の誤差データは、基準気筒に対する相対値として取得することができる。この結果、基準気筒のリフト期間中には、ばらつきの補正を行う必要がなくなり、例えばアクチュエータを基準位置に保持することができる。
そして、基準気筒の直後の気筒で補正を開始するときには、アクチュエータを基準位置に静止した状態から緩やかに駆動し始めることができる。従って、近接気筒群のカムノーズ間隔に対応した狭い期間内において、例えば補正方向が切換わることによってアクチュエータの駆動方向が急激に逆転するのを避けることができ、アクチュエータの負荷を軽減することができる。
の発明によれば、補正期間可変手段は、近接気筒群以外の気筒の補正期間を、直前の気筒の補正期間が終了してから補正対象気筒が最大リフト量となるまでの期間として設定することができる。これにより、例えば近接気筒群の直後ではない気筒の補正期間には、その直前に位置する気筒のリフト期間の後半部分と、当該気筒のリフト期間の前半部分とを含めることができる。
また、例えば近接気筒群の直後である気筒の補正期間には、少なくとも当該気筒のリフト期間の前半部分を含めることができる。従って、近接気筒以外の各気筒において、補正期間を平均的に長く設定することができる。これにより、アクチュエータの動作速度を全体として抑えることができ、その消費電力を低減することができる。
の発明によれば、カムノーズ間隔が最小に設定された近接気筒群の各気筒を基準気筒として用いることができる。即ち、これらの気筒は、ばらつきが零である基準気筒とみなすことができる。これにより、カムノーズ間隔が狭い(即ち、補正期間が短い)近接気筒群に対しては、ばらつきの補正を省略することができる。従って、短い補正期間内にアクチュエータが高速駆動されるのを回避することができ、アクチュエータの動作速度を抑えることができる。このため、第1の発明と同様に、アクチュエータの小型化や効率的な駆動を実現することができる。
また、基準気筒以外の気筒の誤差データは、基準気筒間のばらつきの平均値を基準として相対的に設定することができる。この場合、各基準気筒の間に存在するばらつきは、その平均値に対する比較的小さな誤差として無視することができる。従って、基準気筒間のばらつきが補正制御に与える影響を最小限に抑えることができる。
の発明によれば、第1,第2の補正期間設定手段は、ばらつきを補正するときの補正方向(アクチュエータの駆動方向)に応じて各気筒の補正期間を可変に設定することができる。即ち、例えば小作用角側に補正を行うときには、その補正期間中にバルブを開弁させることができ、バルブ反力をアクチュエータの駆動方向に作用させることができる。
従って、アクチュエータの駆動力をバルブ反力によって補助することができ、モータを効率よく、円滑に作動させることができる。一方、大作用角側に補正を行うときには、その補正期間をバルブの開弁前に終わらせることができる。このため、遅閉補正中には、アクチュエータの駆動方向に対してバルブ反力が逆向きに作用するのを回避することができ、アクチュエータを効率よく作動させることができる。
の発明によれば、記憶手段には、予め測定された各気筒の誤差データを記憶しておくことができる。誤差取得手段は、これらの誤差データを記憶手段から容易に取得することができる。従って、例えば内燃機関の運転中に誤差データを検出しなくてもよいので、誤差検出用の構造や制御が不要となり、システムを簡略化することができる。

実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図8を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1及び図2は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施形態のシステムは、図2に示すように、例えばV8エンジン等からなる多気筒型の内燃機関10を備えている。
内燃機関10は、例えば#1,#3,#5,#7気筒からなる左バンク12と、#2,#4,#6,#8気筒からなる右バンク14とを備えている。なお、各気筒の番号は、説明の便宜上、一例として付したものであり、本発明を限定するものではない。そして、図1は、1つの気筒の断面を示したものである。
図1に示すように、内燃機関10の各気筒内にはピストン16が挿嵌されており、このピストン16は気筒内に燃焼室18を画成している。各気筒のピストン16は、内燃機関10の出力軸であるクランク軸20に連結されている。また、内燃機関10には、クランク軸20の回転角(クランク角)を検出するクランク角センサ22が設けられている。
各気筒の燃焼室18には、内燃機関10の吸入空気が燃焼室18に向けて流通する吸気通路24と、燃焼室18から排気ガスが流出する排気通路26とが接続されている。吸気通路24の流入口近傍には、吸気通路24を流れる吸入空気の流量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ28が設けられている。また、吸気通路24には、吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ30が設けられている。スロットルバルブ30は、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ32により駆動される。
また、各気筒には、燃焼室18に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁34と、燃焼室18内の混合気に点火する点火プラグ36と、燃焼室18に対して吸気通路24を開,閉する吸気バルブ38と、燃焼室18に対して排気通路26を開,閉する排気バルブ40とが設けられている。
これらの吸気バルブ38と排気バルブ40は、動弁系42,44によってそれぞれ駆動される。吸気動弁系42は、後述するカムシャフト80,82の回転角をそれぞれ検出する2つのカム角センサ46(一方のみ図示)と、後述する制御軸64,66の回転角をそれぞれ検出する2つの回転角センサ48とを備えている。これらのセンサ46,48は、一般的に公知な各種の非接触式センサ等により構成されている。なお、吸気動弁系42の構造については後述する。排気動弁系44は、吸気動弁系42とほぼ同様に構成されているので、その説明を省略する。
一方、本実施の形態のシステムは、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、マイクロコンピュータ等によって構成され、例えばROM、RAM等からなる記憶手段としての記憶回路50Aを備えている。
ECU50の入力側には、上述したクランク角センサ22、エアフローメータ28、カム角センサ46、回転角センサ48等に加えて、内燃機関10の冷却水温度を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等を含むセンサ系統が接続されている。ECU50の出力側には、スロットルモータ32、燃料噴射弁34及び点火プラグ36と、後述のモータ60,62とを含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、内燃機関10の運転状態をセンサ系統によって検出しつつ、各アクチュエータを駆動することによって運転制御を行う。また、ECU50は、各気筒におけるバルブリフト量のばらつきを補正するために、後述の補正制御を実行する。
(吸気動弁系)
次に、図2を参照しつつ、吸気動弁系42について説明する。吸気動弁系42は、ECU50により制御されるアクチュエータとしての左モータ60,右モータ62と、これらのモータ60,62により回転駆動される左制御軸64,右制御軸66と、内燃機関10の各気筒にそれぞれ設けられた可変動弁機構68とを備えている。
左制御軸64は、左バンク12側の各可変動弁機構68に対する共通の制御軸となっている。このため、左バンク12側の可変動弁機構68は、左制御軸64の回転角(回転位置)に応じて、#1,#3,#5,#7気筒の吸気バルブ38のリフト量(以下、バルブリフト量と称す)及び作用角を一括して変化させることができる。これと同様に、右バンク14側の可変動弁機構68は、右制御軸66の回転角に応じて、#2,#4,#6,#8気筒のバルブリフト量及び作用角を一括して変化させることができる。
(可変動弁機構)
次に、図4を参照して、可変動弁機構68の構造について説明する。図4は可変動弁機構68の斜視図を示している。可変動弁機構68は、例えば特開2007−132326号公報に開示されているような公知の構成を有し、後述する各気筒のカムC1〜C8とロッカアーム78との間に配置されている。また、可変動弁機構68は、制御アーム70、入力ローラ72、出力ローラ74及び揺動カムアーム76を備えている。
制御アーム70は、基端側が制御軸64(または制御軸66)に揺動可能に取付けられている。入力ローラ72は、制御アーム70の先端側に回転可能に設けられており、何れかのカムC1〜C8から入力を受承する。出力ローラ74は、制御アーム70の先端側に回転可能に設けられ、入力ローラ72の軸方向両側にそれぞれ配置されている。出力ローラ74は、入力ローラ72によって受承した力を揺動カムアーム76に出力する。
揺動カムアーム76は、各出力ローラ74にそれぞれ対応する位置で制御軸64(66)の外周側に揺動可能に取付けられている。これらの揺動カムアーム76は、上面側が各出力ローラ74に当接し、下面側が各ロッカアーム78のロッカローラに当接している。従って、カムC1〜C8の入力は、可変動弁機構68を介して各ロッカアーム78にそれぞれ伝達されるので、ロッカアーム78によって吸気バルブ38を開,閉させることができる。
また、各ローラ72,74は、揺動カムアーム76の基端側と先端側との間で、制御軸64(66)の回転角に応じた位置に保持されている。そして、揺動カムアーム76が揺動するときの振幅及びタイミングは、出力ローラ74の位置に応じて変化する。このため、可変動弁機構68によれば、制御軸64(66)の回転角に応じてバルブリフト量及び作用角を可変に設定することができる。
(カムの配置)
次に、図5及び図6を参照して、V8型の内燃機関における吸気側のカムの配置について説明する。図5は、左バンク側のカムの配置を示す説明図であり、図6は、右バンク側のカムの配置を示す説明図である。
図5に示すように、左バンク12のカムシャフト80には、#1,#3,#5,#7気筒に対応する4つのカムC1,C3,C5,C7が設けられている。ここで、各気筒の運転サイクルにおいて、#5,#7気筒の吸気バルブ38が開弁している期間(以下、単に#5,#7気筒のリフト期間と称す)は、後述の図7に示すように僅かにオーバーラップするか、または殆ど間隔をあけずに隣接している。このため、#5,#7気筒のカムC1,C7は、カムノーズの角度間隔(以下、カムノーズ間隔と称す)が左バンク12の各気筒のうちで最小に設定されている。
また、右バンク14のカムシャフト82には、図6に示すように、#2,#4,#6,#8気筒に対応する4つのカムC2,C4,C6,C8が設けられている。右バンク14では、#4,#8気筒のリフト期間が、前述した#5,#7気筒の場合と同様の位置関係で配置されている。このため、カムC4,C8のカムノーズ間隔は、右バンク14の各気筒のうちで最小に設定されている。以下の説明では、#5,#7気筒を左バンク12の近接気筒群と称し、#4,#8気筒を右バンク14の近接気筒群と称するものとする。
機関運転時には、左,右のカムシャフト80,82と共にカムC1〜C8が回転し、個々のカムによって各気筒の可変動弁機構68の入力ローラ72がそれぞれ押動される。この結果、各気筒の吸気バルブ38は、カムC1〜C8のカムノーズに対応する位置で開,閉され、そのリフト量及び作用角はカムプロフィールに応じたものとなる。
(基本的な可変動弁制御)
ECU50は、左,右バンクのモータ60,62をそれぞれ駆動することにより、各バンクの制御軸64,66を目標回転角まで回転させる。この結果、各気筒におけるバルブリフト量及び作用角は、可変動弁機構68により制御軸64,66の回転角に応じた大きさに設定され、この設定動作はバンク毎に一括して行われる。これにより、ECU50は、各気筒の制御パラメータであるバルブリフト量及び作用角を、内燃機関の運転状態等に応じて適切に制御することができる。
[実施の形態1の特徴部分]
上述したように、各気筒のバルブリフト量及び作用角は、バンク毎に一括して制御される。しかしながら、これらの制御パラメータには、例えば可変動弁機構68の各部品の寸法誤差、組付誤差などによって気筒間のばらつきが生じ易い。
このため、本実施の形態では、例えば内燃機関10を出荷する前に、各気筒間の制御パラメータのばらつきを予め測定しておき、その測定結果を各気筒の誤差データとしてECU50の記憶回路50Aに記憶させる構成としている。図3は、ECU50に記憶された各気筒の誤差データを示している。なお、本実施の形態では、誤差データとして、作用角のばらつき(以下、作用角ばらつきと称す)を用いた場合を例示している。
この図に示すように、左バンク12における#1,#3,#7気筒の誤差データα1,α3,α7は、近接気筒群(#5,#7気筒)のうち点火順序が最初となる#5気筒を基準気筒として設定されている。つまり、これらの誤差データα1,α3,α7は、基準気筒の作用角ばらつきに対する相対値として設定されている。
従って、誤差データα1とは、#1気筒の作用角が#5気筒を基準として角度α1分だけずれていることを表している。なお、各気筒の誤差データは、零または正負の値をとるように設定されている。誤差データの正負は、基準気筒に対して作用角が大きくなる方向のばらつきか、小さくなる方向のばらつきかによって設定されている。
一方、右バンク14における#2,#4,#6気筒の誤差データα2,α4,α6は、近接気筒群(#4,#8気筒)のうち点火順序が最初となる#8気筒を基準気筒として、左バンク12とほぼ同様に設定されている。
また、右バンク14の#8気筒は、左,右のバンク12,14を合わせた全体の基準気筒として用いられている。つまり、左バンク12の基準気筒(#5気筒)は、#8気筒を基準として作用角ばらつきが予め測定されている。この作用角ばらつきは、#8気筒に対する相対値として求められ、バンク間誤差βとしてECU50に予め記憶されている。
ECU50は、これらの誤差データα1〜α8,βを記憶回路50Aから取得することにより、気筒別のばらつき補正制御を正確に行うことができる。この構成によれば、例えば内燃機関10の運転中に誤差データを検出しなくてもよいので、誤差検出用の構造や制御が不要となり、システムを簡略化することができる。なお、ばらつき補正制御は、前述した基本的な可変動弁制御と並行して実施される。
(気筒別のばらつき補正制御)
図7は、各気筒のリフト期間とばらつき補正の実行状態を示すタイミングチャートである。図7中の上側の太線は、左モータ60による#1,#3,#5,#7気筒での補正の実行状態を示している。下側の太線は、右モータ62による#2,#4,#6,#8気筒での補正の実行状態を示している。
また、図7中のθn(n=1,2,3...8)は、#n気筒での吸気バルブ38の目標作用角θn′に対する実際の作用角(実作用角)を示している。さらに、図7中に示す実線の山形曲線は、実作用角θnに対応するバルブリフト量及び作用角を示し、破線の山形曲線は、目標作用角θn′に対応するバルブリフト量及び作用角を示している。
ここで、目標作用角θn′に対する実作用角θnの誤差は、#5気筒を除けば、ECU50に記憶された誤差データα1〜α8に相当している。#5気筒の目標作用角θ5′に対する実作用角θ5の誤差は、バンク間誤差βに相当している。また、#8気筒は全体の基準気筒であるから、実作用角θ8は目標作用角と一致した状態(誤差データが零の状態)となっている。また、#5気筒は、左バンク12の基準気筒であるから、バンク内における#5気筒の誤差データは零に設定されている(図3参照)。
内燃機関の運転が開始されると、ECU50は、まず左制御軸64をバンク間誤差βに対応した補正角度分だけ回転させる。その後、左制御軸64の回転角は、右制御軸66の回転角に対して前記補正角度分だけオフセットした状態に保持される(オフセット制御)。ここで、補正角度とは、基本的な可変動弁制御により設定される制御軸64,66の回転角に対して、ばらつき補正により加算または減算される角度である。
このオフセット制御によれば、右バンク14の#8気筒を基準として、左バンク12の基準気筒である#5気筒の作用角ばらつき(即ち、目標作用角θ5′に対する実作用角θ5の誤差)を補正することができる。この結果、#5気筒を基準として左バンク12のばらつき補正を行い、#8気筒を基準として右バンク14のばらつき補正を行う場合でも、全ての気筒の補正を同一の基準で実施することができる。
また、本実施の形態において、各気筒の点火順序は、例えば#1→#8→#4→#3→#6→#5→#7→#2の順番に設定されている。内燃機関の運転中には、この順番で各気筒の開弁期間(リフト期間)が到来する。このとき、ECU50は、図7に示すように、個々の気筒がリフト期間を迎える毎に、モータ60(またはモータ62)をばらつき補正のために駆動し、当該気筒の誤差データに対応した補正角度分だけ制御軸64(66)を回転させる。
即ち、例えば#7気筒では、目標作用角θ7′に対して実作用角θ7が小作用角方向にずれている。このため、#7気筒のリフト期間中には、モータ60を誤差データα7に応じて大作用角方向(遅閉側)に駆動し、吸気バルブ38の閉弁時期を遅らせる遅閉補正を実行する。なお、図7に示すバルブ特性は、例えば位相連成型の可変動弁機構を用いることにより、吸気バルブ38の開弁時期を一定に保持しつつ、閉弁時期を変化させる場合を例に挙げている。
また、例えば#3気筒では、目標作用角θ3′に対して実作用角θ3が大作用角方向にずれている。このため、#3気筒のリフト期間以前には、モータ60を誤差データα3に応じて小作用角方向(早閉側)に駆動し、吸気バルブ38の閉弁時期を早くする早閉補正を実行する。さらに、他の#1,#2,#4,#6気筒でも同様に、目標作用角θn′と実作用角θnとのずれに相当する誤差データαnに応じて、前述した早閉補正または遅閉補正が実行される。
このように、本実施の形態のばらつき補正(早閉補正及び遅閉補正)によれば、各気筒での作用角ばらつきを個々の気筒毎に適切なタイミングで補正することができる。従って、基本的な可変動弁制御を行うときには、気筒間の作用角ばらつきが抑制された状態で、各気筒のバルブリフト量や作用角を正確に制御することができる。
一方、#8気筒は全体の基準気筒であるから、そのリフト期間中には、ばらつき補正が実行されず、右モータ62が右バンク側の基準位置に静止した状態に保持される。また、#5気筒は左バンク12の基準気筒であるから、そのリフト期間中には、ばらつき補正が実行されず、左モータ60が左バンク側の基準位置に保持される。ここで、左バンク側の基準位置は、前述のオフセット制御により右バンク側の基準位置に対して補正角度分だけオフセットされた位置となっている。
(補正期間の設定)
本実施の形態では、モータ60,62の動作速度を抑えるために、ばらつき補正を行う補正期間を、補正対象気筒とその直前の気筒との間のカムノーズ間隔に応じて可変に設定する構成としている。ここで、補正期間とは、個々の気筒において、制御軸64(66)を補正角度分だけ回転させるためにモータ60(62)を駆動する期間である。また、直前の気筒とは、補正対象気筒よりも先に吸気バルブ38が開く気筒であり、前述した点火順序において一つ前の気筒を表すものとする。
一般に、各気筒のばらつき補正は、直前の気筒のリフト期間が終了してから、補正対象気筒のリフト期間が開始するまでの間に完了させるのが好ましい。しかしながら、V8型の内燃機関10においては、例えば近接気筒群のうち点火順序が2番目である#4,#7気筒と、その直前の#5,#8気筒との間でカムノーズ間隔が最小に設定され、これらの気筒のリフト期間はほぼ連続している。従って、#4,#7気筒には、上述した好ましい補正タイミングが存在しない。
このため、本実施の形態では、#4,#7気筒の補正期間を、当該気筒のリフト期間とほぼ一致させる構成としている。以下、補正期間の設定基準として用いる「リフト期間」とは、ばらつき補正を実行した後のリフト期間(即ち、目標作用角θn′に対応する破線のリフト期間)を示すものとする。そして、ばらつき補正では、補正期間が終了するときに、補正された角度が最大となるように(即ち、ばらつき補正が完了するように)、モータ60,62を出来るだけ緩やかに駆動する。
この構成によれば、近接気筒群のうち点火順序が2番目である#4,#7気筒では、リフト期間の開始前に十分な補正期間が確保できなくても、リフト期間の開始から終了までの期間を補正期間として用いることができる。従って、#4,#7気筒の補正期間を出来るだけ長く設定することができ、この補正期間中にモータ60,62を補正角度分だけ徐々に駆動すればよい。これにより、モータ60,62の動作速度を緩やかにすることができ、その消費電力を低減することができる。
この場合、ばらつき補正は、前述したように、補正対象気筒のリフト期間の開始前に完了するのが好ましい。しかし、リフト期間中にバルブリフト量及び作用角を補正した場合にも、その分だけ吸入空気量を変化させることができるから、#4,#7気筒においても補正の効果を十分に得ることができる。
また、#4,#7気筒のばらつき補正は、その直前の#5,#8気筒を基準気筒として実行される。この場合、#5,#8気筒のリフト期間中には、ばらつき補正が実行されず、モータ60,62が基準位置に保持されている。このため、基準気筒の直後に#4,#7気筒のばらつき補正を開始するときには、モータ60,62を基準位置に静止した状態から緩やかに駆動し始めることができる。従って、近接気筒群のカムノーズ間隔に対応した狭い期間内において、例えば補正方向が切換わることによってモータ60,62の回転方向が急激に逆転するのを避けることができ、モータの負荷を軽減することができる。
一方、本実施の形態では、近接気筒群以外となる#1,#2,#3,#6気筒の補正期間を、直前の気筒の補正期間が終了してから補正対象気筒が最大リフト量となるまでの期間として設定している。これらの気筒と直前の気筒との間には、比較的大きなカムノーズ間隔(例えば、クランク角で90〜180°CA)が確保されている。そして、これらの気筒のばらつき補正でも、補正期間中にモータ60,62を出来るだけ緩やかに駆動し、補正期間が終了するときに補正された角度が最大となるようにする。
この構成によれば、例えば近接気筒群の直後ではない#3気筒の補正期間には、その直前に位置する#1気筒のリフト期間の後半部分と、当該#3気筒のリフト期間の前半部分とを含めることができる。また、例えば近接気筒群の直後である#6気筒の補正期間には、少なくとも当該#6気筒のリフト期間の前半部分を含めることができる。従って、近接気筒以外の各気筒において、補正期間を平均的に長く設定することができ、モータ60,62の動作速度を全体として抑えることができる。
上述したように、本実施の形態によれば、補正対象気筒とその直前の気筒との間のカムノーズ間隔に応じて、個々の気筒における補正期間の長さを適切に設定することができる。従って、複数気筒のバルブリフト量を一括して制御する場合でも、モータ60,62を緩やかに駆動しつつ、各気筒の作用角ばらつきを確実に補正することができる。これにより、高速駆動が可能な大型のモータ等を用いる必要がないから、モータ60,62の小型化や効率的な駆動を実現することができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図8は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図8に示すルーチンは、内燃機関の始動時に開始され、一定の時間毎に繰返し実行されるものである。
まず、内燃機関の運転が開始されると、ECU50は、ECU50の記憶回路50Aからバンク間誤差βを取得し、前述したオフセット制御を実行する。これにより、左バンク12の基準気筒である#5気筒の作用角ばらつきが補正される。
そして、ステップ100では、クランク角センサ22、カム角センサ46等の検出信号を用いることにより、次にリフト期間を迎える気筒(補正対象気筒)の直前の気筒に対するばらつき補正が終了したか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、ステップ104に移る。また、ステップ100で「NO」と判定したときには、ステップ102で直前の気筒に対するばらつき補正を続行し、そのまま終了する。
次に、ステップ104では、ECU50の記憶回路50Aから補正対象気筒の誤差データを取得する。また、ステップ106では、補正対象気筒が基準気筒(#5,#8気筒)であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、ばらつき補正を行う必要がないので、ステップ108では、モータ60(またはモータ62)を基準位置に戻し、そのまま終了する。
また、ステップ106で「NO」と判定したときには、ステップ110で補正対象気筒が近接気筒群であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、補正対象気筒が#4,#7気筒の何れかである。このため、ステップ112では、ばらつき補正を行う補正期間を、補正対象気筒のリフト期間と一致するように設定し、後述のステップ116に移る。
また、ステップ110で「NO」と判定したときには、補正対象気筒が近接気筒群ではない#1,#2,#3,#6気筒の何れかである。このため、ステップ114では、補正期間を、直前の気筒の補正期間が終了してから補正対象気筒が最大リフト量となるまでの期間に設定する。
次に、ステップ116では、補正対象気筒の誤差データに応じて補正角度を求め、例えば補正角度を補正期間で除算する等の演算を行うことにより、単位期間当りのモータ60(62)の動作速度を算出する。そして、ステップ118では、動作速度の算出値に応じてモータ60(62)を駆動する。
以上、詳述した通り、本実施の形態によれば、補正対象気筒とその直前の気筒との間のカムノーズ間隔に応じて、補正期間の長さを適切に設定することができ、モータ60,62の動作速度を抑えることができる。
実施の形態2.
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴部分]
本実施の形態では、近接気筒群となる複数の気筒を基準気筒として使用している。そして、他の気筒の誤差データは、これら基準気筒の作用角ばらつきの平均値に対する相対値として取得するようにしている。また、本実施の形態では、ばらつき補正の補正方向(モータの駆動方向)に応じて補正期間を可変に設定しており、これらの点で実施の形態1と構成が異なるものである。
図9は、実施の形態2において、ECU50に記憶された各気筒の誤差データを示している。この図に示すように、左バンク12における#1,#3気筒の誤差データα1′,α3′は、近接気筒群である#5,#7気筒の作用角ばらつきの平均値を基準として、この基準に対する相対値として設定されている。この場合、#5,#7気筒は、作用角ばらつきを零とみなす基準気筒として使用されている。
一方、右バンク14における#2,#6気筒の誤差データα2′,α6′は、左バンク12の場合と同様に、基準気筒(#4,#8気筒)の作用角ばらつきの平均値に対する相対値として設定されている。右バンク14に対する左バンク12の作用角ばらつきは、実施の形態1の場合と同様に、バンク間誤差β′としてECU50に予め記憶されている。
次に、図10は、各気筒のリフト期間とばらつき補正の実行状態を示すタイミングチャートである。本実施の形態では、上述したように、近接気筒群を作用角ばらつきが零である基準気筒とみなしている。このため、カムノーズ間隔が最小に設定された#4,#8気筒間(及び#5,#7気筒間)では、図10に示すように、ばらつき補正を実行する必要がなくなり、モータ60,62を基準位置に静止した状態に保持することができる。
つまり、本実施の形態によれば、カムノーズ間隔が狭い(即ち、補正期間が短い)近接気筒群に対しては、ばらつき補正を省略することができる。従って、短い補正期間内にモータ60,62が高速駆動されるのを回避することができ、モータの動作速度を抑えることができる。
また、基準気筒以外の#1,#2,#3,#6気筒の誤差データは、各基準気筒の作用角ばらつきの平均値を基準として相対的に設定される。この場合、各基準気筒の間に存在する作用角ばらつきは、その平均値に対する比較的小さな誤差として無視することができる。従って、基準気筒間の作用角ばらつきが補正制御に与える影響を最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態では、ばらつき補正の補正方向が小作用角側(早閉側)である気筒の補正期間を、直前の気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が終了するまでの期間に設定している。また、補正方向が大作用角側(遅閉側)である気筒の補正期間を、直前の気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が開始するまでの期間に設定している。
即ち、例えば図10中の#3気筒のばらつき補正では、モータ60が小作用角側に駆動されることにより、早閉補正が実行される。このとき、#3気筒の補正期間は、#1気筒のリフト期間が終了してから#3気筒のリフト期間が終了するまでの期間として設定される。従って、例えば#3,#6気筒のように早閉補正を行う場合には、その補正期間中に吸気バルブ38を開弁させることができる。
ここで、吸気バルブ38の開弁中には、吸気バルブ38を閉弁方向に付勢するバルブスプリングの反力や、可変動弁機構68に設けられたロストモーションスプリング(何れも図示せず)の反力等が、バルブ反力としてモータ60,62にも付加される。このバルブ反力は、モータの出力軸に対して小作用角方向に作用する。
このため、早閉補正を行う場合には、吸気バルブ38のバルブ反力を早閉補正の補正方向(モータ60,62の駆動方向)に作用させることができる。従って、モータ60,62の駆動力をバルブ反力によって補助することができ、モータを効率よく、円滑に作動させることができる。
一方、例えば#2気筒のばらつき補正では、モータ60が大作用角側に駆動されることにより、遅閉補正が実行される。このとき、#2気筒の補正期間は、#6気筒のリフト期間が終了してから#2気筒のリフト期間が開始するまでの期間として設定される。
これにより、遅閉補正を行う場合には、その補正期間を吸気バルブ38の開弁前に終わらせることができる。このため、遅閉補正中には、モータ60,62の駆動方向に対してバルブ反力が逆向きに作用するのを回避することができ、モータを効率よく作動させることができる。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
図11は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図11に示すルーチンは、内燃機関の始動時に開始され、一定の時間毎に繰返し実行されるものである。
まず、内燃機関の運転が開始されると、ECU50は、実施の形態1で述べたオフセット制御を実行する。そして、ステップ200〜208では、実施の形態1のステップ100〜108と同様の処理を行う。
次に、ステップ210では、補正対象気筒が基準気筒以外の場合において、ばらつき補正の補正方向が小作用角側であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、早閉補正であるから、ステップ212では、補正期間を、直前の気筒のリフト期間の終了時点から補正対象気筒のリフト期間の終了時点までに設定する。
また、ステップ210で「NO」と判定したときには、ステップ214で補正方向が大作用角側であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、遅閉補正であるから、ステップ216では、補正期間を、直前の気筒のリフト期間の終了時点から補正対象気筒のリフト期間の開始時点までに設定する。
ステップ218,220では、実施の形態1と同様に、モータ60,62の動作速度を算出し、これを駆動して終了する。
以上、詳述した通り、本実施の形態によれば、近接気筒群となる複数の気筒を基準気筒として使用したので、カムノーズ間隔が最小に設定された気筒間では、モータ60,62を高速で駆動する必要がない。これにより、モータの動作速度を抑えることができ、その消費電力を低減することができる。
また、ばらつき補正の補正方向に応じて補正期間を可変に設定する構成としたので、バルブ反力を利用してモータ60,62の駆動力を補助することができる。従って、本実施の形態によっても、実施形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができ、モータ60,62の小型化や効率的な駆動を実現することができる。
なお、前記実施の形態1,2では、図8,図11中のステップ104,204が誤差取得手段の具体例を示している。また、ステップ118,220は、補正手段の具体例を示している。図8中のステップ112,114は、請求項1乃至4における補正期間可変手段の具体例を示している。図11中のステップ212,216は、請求項6における第1,第2の補正期間設定手段の具体例を示している。
また、各実施の形態では、例えば近接気筒群が2つの気筒(#4,#8気筒または#5,#7気筒)により構成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、近接気筒群が3つ以上の気筒により構成されている内燃機関に適用してもよい。
また、実施の形態1では、近接気筒群のうち点火順序が2番目以降の気筒の補正期間を当該気筒のリフト期間に一致させる構成とした。また、実施の形態2では、ばらつき補正の補正方向に応じて補正期間を可変に設定する構成とした。この場合、本発明は、実施の形態1,2を組合わせる構成としてもよい。即ち、近接気筒群のうち点火順序が2番目以降の気筒の補正期間は当該気筒のリフト期間に一致させ、かつ他の気筒の補正期間はばらつき補正の補正方向に応じて可変に設定する構成としてもよい。
また、実施の形態では、吸気バルブ38の閉弁時期のみを可変に設定する位相連成型の可変動弁機構68を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばバルブトロニックやバルブマティック等のように、位相連成しないタイプの可変動弁機構に適用してもよい。そして、このタイプの可変動弁機構を用いる場合には、例えばバルブの位相を変化させるVVT(Variable Valve Timing system)との間で協調制御を行う構成とすればよい。
また、実施の形態では、V8型の内燃機関10に適用する構成とした。しかし、本発明はV型の内燃機関に限らず、例えば直列、並列または水平対向型の内燃機関に適用してもよい。また、本発明は、気筒数についても8気筒に限定されるものではなく、8気筒以外の複数気筒に適用してもよい。
さらに、実施の形態では、吸気バルブ38に適用する構成としたが、本発明はこれに限らず、排気バルブ40に適用してもよい。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体図である。 V8型の内燃機関における吸気動弁系の構成を示す説明図である。 ECUの記憶回路に記憶された気筒別の誤差データを示す説明図である。 各気筒に設けられた吸気側の可変動弁機構を示す斜視図である。 左バンクにおける吸気側のカムの配置を示す説明図である。 右バンクにおける吸気側のカムの配置を示す説明図である。 各気筒のリフト期間とばらつき補正の実行状態を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECUの記憶回路に記憶された気筒別の誤差データを示す説明図である。 各気筒のリフト期間とばらつき補正の実行状態を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 左バンク
14 右バンク
16 ピストン
18 燃焼室
20 クランク軸
22 クランク角センサ22
24 吸気通路
26 排気通路
28 エアフローメータ
30 スロットルバルブ
32 スロットルモータ
34 燃料噴射弁
36 点火プラグ
38 吸気バルブ
40 排気バルブ
42,44 吸気動弁系,排気動弁系
46 カム角センサ
48 回転角センサ
50 ECU
50A 記憶回路(記憶手段)
60,62 モータ(アクチュエータ)
64,66 制御軸
68 可変動弁機構
70 制御アーム
72 入力ローラ
74 出力ローラ
76 揺動カムアーム
78 ロッカアーム
80,82 カムシャフト
C1〜C8 カム

Claims (6)

  1. 気筒別のカムが回転することにより、各気筒のバルブが個々のカムノーズに対応する位置で開,閉する複数の気筒と、
    前記複数の気筒のうち前記カムノーズの間隔が最小に設定され、前記バルブのリフト期間がオーバーラップまたは隣接するように設定された少なくとも2つの気筒である近接気筒群と、
    アクチュエータ及び該アクチュエータにより回転せしめられ、該回転位置に応じて前記複数の気筒に設けられる前記バルブの作用角又はリフト量である制御パラメータを可変させる制御軸を有する可変動弁機構と、
    前記近接気筒群のうち点火順序が最初となる気筒を基準として、各気筒における前記制御パラメータのばらつきである気筒別の誤差データ取得する誤差取得手段と、
    前記誤差データに基づいて前記アクチュエータを駆動することにより、各気筒における前記制御パラメータのばらつきを補正する補正手段と、
    前記補正手段が補正対象気筒に対して補正を行う補正期間を、前記補正対象気筒該補正対象気筒よりも先にバルブが開く気筒との間のカムノーズ間隔に応じて可変に設定する補正期間可変手段と、を備え
    前記補正期間可変手段は、前記カムノーズ間隔に応じて定められる前記近接気筒群のうち点火順序が2番目以降の気筒を前記補正対象気筒とする場合に、前記補正期間を当該気筒のリフト期間に一致させる構成としたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 記誤差取得手段は、前記近接気筒群のうち点火順序が最初の気筒を基準気筒として使用し、他の気筒の誤差データを前記基準気筒に対する相対値として取得する構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正期間可変手段は、前記近接気筒群以外の気筒の補正期間を、補正対象気筒よりも先にバルブが開く気筒の補正期間が終了してから補正対象気筒が最大リフト量となるまでの期間として設定する構成としてなる請求項またはに記載の内燃機関の制御装置。
  4. 気筒別のカムが回転することにより、各気筒のバルブが個々のカムノーズに対応する位置で開,閉する複数の気筒と、
    前記複数の気筒のうち前記カムノーズの間隔が最小に設定され、前記バルブのリフト期間がオーバーラップまたは隣接するように設定された少なくとも2つの気筒である近接気筒群と、
    アクチュエータ及び該アクチュエータにより回転せしめられ、該回転位置に応じて前記複数の気筒に設けられる前記バルブの作用角又はリフト量である制御パラメータを可変させる制御軸を有する可変動弁機構と、
    前記近接気筒群を基準気筒として使用し、他の気筒における前記制御パラメータのばらつきを前記近接気筒群のばらつきの平均値に対する相対的な誤差データとして取得する誤差取得手段と、
    前記誤差データに基づいて前記アクチュエータを駆動することにより、前記近接気筒群以外の気筒における前記制御パラメータのばらつきを補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 前記近接気筒群以外の気筒において、前記ばらつきの補正方向が小作用角側である気筒の補正期間を、当該気筒よりも先にバルブが開く気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が終了するまでの期間として設定する第1の補正期間設定手段と、
    前記近接気筒群以外の気筒において、前記ばらつきの補正方向が大作用角側である気筒の補正期間を、当該気筒よりも先にバルブが開く気筒のリフト期間が終了してから当該気筒のリフト期間が開始するまでの期間として設定する第2の補正期間設定手段と、
    を備えてなる請求項1乃至のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 予め測定された各気筒の誤差データを記憶する記憶手段を備え、
    前記誤差取得手段は、前記記憶手段から前記誤差データを取得する構成としてなる請求項1乃至のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2007321770A 2007-12-13 2007-12-13 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP5076856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321770A JP5076856B2 (ja) 2007-12-13 2007-12-13 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321770A JP5076856B2 (ja) 2007-12-13 2007-12-13 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009144582A JP2009144582A (ja) 2009-07-02
JP5076856B2 true JP5076856B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=40915473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007321770A Expired - Fee Related JP5076856B2 (ja) 2007-12-13 2007-12-13 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5076856B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011104382A1 (de) * 2011-06-16 2012-12-20 Daimler Ag Brennkraftmaschinenventiltriebvorrichtung für ein Kraftfahrzeug
KR20130133943A (ko) * 2012-05-30 2013-12-10 콘티넨탈 오토모티브 시스템 주식회사 밸브리프트 가변 제어 시스템의 밸브 리프트 편차 초기값 설정 방법 및 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004204689A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Denso Corp 内燃機関の可変バルブ制御装置
JP4003182B2 (ja) * 2003-04-09 2007-11-07 株式会社デンソー 内燃機関の可変バルブ制御装置
JP2007085218A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP4650219B2 (ja) * 2005-11-08 2011-03-16 日産自動車株式会社 内燃機関の吸気制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009144582A (ja) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1770265A2 (en) EGR control system for internal combustion engine
JP4196294B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP2008025550A (ja) 可変動弁機構の制御装置
US20090055085A1 (en) Variable valve timing apparatus and control method thereof
US6792901B2 (en) Control system of internal combustion engine
EP1918552B1 (en) Internal EGR control system for internal combustion engine
WO2007122876A1 (en) Variable valve timing apparatus and control method thereof
US7360516B2 (en) Variable valve timing apparatus executing reference position learning and control method thereof
JP5316086B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP5076856B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US8738272B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine including variable valve operating apparatus
JP2007113513A (ja) 多気筒型内燃機関の制御装置
US7739988B2 (en) Variable valve timing system and method for controlling the same
JP4583354B2 (ja) 内燃機関の内部egr制御装置
JP5281449B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP4876966B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP4710652B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4428219B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP4720642B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
JP4811330B2 (ja) 内燃機関のシリンダ充填空気量算出装置
JP4807314B2 (ja) ディーゼル機関
JP5611309B2 (ja) 可変バルブタイミング装置の位相制御装置および位相制御方法
JP4536649B2 (ja) 可変動弁装置
JP2008045440A (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP4382023B2 (ja) 内燃機関のegr制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees