JP5076707B2 - 縦縞鋼板圧延用カリバーロールと縦縞鋼板の圧延方法 - Google Patents
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Description
通常、スパイラル鋼管素材として供される縦縞鋼板は、板厚が9mm〜22mmであり、ピッチが板輻方向に30〜40mmである縦縞を有する。縦縞鋼板の板厚hとは、図7の斜視図に示した母板部5の厚みを指す。図7中、6は隣接する母板部5につながるリブ山部であり、このリブ山高さh1は母板部5からの突出量で定義される。また、図8には、熱間仕上げ圧延機の最終スタンドの上圧延ロ一ル7にカリバーロールを、下圧延ロ一ル8に平ロールを組み込んで縦縞鋼板を圧延している状態を示した。
特許文献1に開示されている圧延方法は、カリバー溝への材料の充填度を高めるという技術思想がないから、カリバー溝への材料の充填度が不十分であるときの普遍的な対策となりえない。たとえば、圧延機の耐荷重やモータのパワーなどの設備的な制約によって、必要なリブ山高さを得るための圧下量を熱間仕上げ圧延機の最終スタンドで加えることができないケースがあるという問題を有する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、カリバー溝への材料の充填度を高めることが可能な縦縞鋼板圧延用ロールと縦縞鋼板の圧延方法を提案することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 縦縞鋼板を製造するために熱間仕上圧延機の最終スタンドに用いる圧延ロールであって、カリバー溝部以外のロールバレル部にスパイラル状またはダイヤ目状のナーリング溝を形成するナーリング加工を施してなることを特徴とする縦縞鋼板用カリバーロール。
(2) 鋼板の片面のみに縦縞を有する縦縞鋼板を製造する方法であって、熱間仕上圧延機の最終スタンドの上下いずれか一方の圧延ロールとして(1)の縦縞鋼板用カリバーロールを用い、他方の圧延ロールに平ロールを用いることを特徴とする縦縞鋼板の圧延方法。
(3) 一方の圧延ロールとして(1)の縦縞鋼板用カリバーロールを用い、他方の圧延ロールに、縦縞鋼板用カリバーロールと同じナーリング加工をロールバレル部に施してなる平ロールを用いることを特徴とする(2)に記載の縦縞鋼板の圧延方法。
図2は第1実施形態にかかるカリバーロールを示す斜視図、図3は第2実施形態にかかるカリバーロールを示す斜視図である。第1実施形態にかかるカリバーロールには、カリバー溝1部以外のロールバレル部にスパイラル状のナーリング溝2がある。一方、第2実施形態にかかるカリバーロールには、スパイラル状のナーリング溝2の代わりに、ダイヤ目状のナーリング溝3、4がある。スパイラル状のナーリング溝2、ダイヤ目状のナーリング溝3、4はそれぞれ公知のナーリング加工により形成したものである。
以下では、本発明者らがロールバレル部にナーリング加工を施してなるカリバーロールを着想するに至る経緯について述べる。
本発明者らは、実験と数値解析によって、前記カリバー形状パラメータのリブ山高さへの影響、圧延ロールと材料間の摩擦係数や鋼板に付与する前後方張力、ロールクラウン等の影響を調査し、リブ山高さ形成メカニズムについて総合的な検討を実施した。
被圧延材の平板を縦縞鋼板用圧延ロールで圧延した場合、リブ山部はそれにつながる母板部に比べて圧下量が小さいため、圧延方向の伸びElが小さくなる。これは、縦縞鋼板のように、板幅方向の材料流れの起こりやすさを表す板厚/板幅の比が小さい圧延では、最板幅端部を除く大部分において平面歪状態と近似でき、圧下量と圧延方向の伸びが略比例関係となるからである。
要するに、リブ山高さを高くするためには、リブ山部に働く圧延方向応力を圧縮傾向とすればよいのであるが、リブ山部周辺のみを局所的に圧縮傾向とすることは困難である。したがって、ロ一ルバイト内全体にわたって圧縮傾向とすることでリブ山高さを高くすることにした。図5は、2次元圧延理論式によって縦縞鋼板圧延での変形を計算した際のリブ山高さの計算結果例であり、横軸に、被圧延材の鋼板に付与する前後方張力を取り、それがリブ山高さに及ぼす影響を示している。
(2次元圧延理論式の解析条件)
カリバー形状:底面幅w=7.8mm、カリバー傾斜角θ=60°、カリバー溝間ピッチp=36.3mm。
圧延条件:圧下量=14mm(圧延前の板厚:32 mmと圧延後の板厚18mmとの差)、圧延ロールの直径=700mm、ロールと材料間の摩擦係数=O.25、前後方張力は同じ値。
この知見をもとに、本発明者らは実用的で普遍的なリブ山高さ改善方法について鋭意検討を重ねた。その結果、圧延ロ一ルと材料間の摩擦係数を高くすることにより、リブ山部周辺に作用する圧延方向の圧縮傾向が大きくなり、リブ山高さを高くすることが可能であることを見出した。
図6には、この結果に基づき、縦縞圧延条件におけるロールバイト内での圧延方向応力分布を、前記した2次元圧延理論式により計算した例を示した。圧延条件のうち摩擦係数以外の条件は、図5と同じとした。ただし、前後方張力は0とした。図6の縦軸で正の値が圧縮応力を示している。
また、片面のみに縦縞を有する縦縞鋼板を製造するには、ナーリング加工を施してなるカリバーロールを熱間仕上圧延機の最終スタンドの上下いずれか一方の圧延ロールとして用い、他方の圧延ロールに平ロ一ル(従来の研削加工仕上ロール)を用い、圧延する。この際、材料と上下の圧延ロ一ル間の摩擦係数の差に起因して上下方向に鋼板が反る現象が発生する恐れがある。この現象については、特許文献2、特許文献3にも説明されているように、平ロ一ルにも、反対側に組み込むカリバーロールと同様のナーリング加工を施しておくことが好ましい。このようにすることによって材料と上下の圧延ロ一ル間の摩擦係数の差を小さくでき、縦縞鋼板を製造する際、上下方向の板反りが大きく緩和できる。
第1番目の圧延スタンドでは、板厚を43 mmから32mmに減厚し、第2番目の圧延スタンドでは板厚を32mmから18mmに減厚して縦縞鋼板とした。
その際、発明例1は、第2番目の圧延スタンドの上圧延ロ一ルに、スパイラルナーリング加工によりロールバレル表面を仕上げたカリバーロールを組み込み、下圧延ロールに研削加工あるいは上ロールと同じ加工によりロールバレル表面を仕上げた平ロールを組み込んだ。
従来例は、第2番目の上圧延スタンドに、研削加工によりロールバレル表面を仕上げたカリバーロールを組み込み、下圧延ロールに研削加工によりロールバレル表面を仕上げた平ロールを組み込んだ。ただし、第1番目の圧延スタンドには平ロールを上下の圧延ロールに組み込んだ。
上下の圧延ロ一ルの直径=700mm。
カリバ一溝の形状:深さd=4.5mm、底面幅w=7.8mm、カリバー壁面の傾斜角度θ=60°、カリバー溝間のピッチp=36.3mm。
ナーリング形状:スパイラルナーリング角度φ=45度、ダイヤ目ナーリング角度φ1、φ2=45度。ナーリング溝の深さ=O.5mm、ナーリング溝のピッチ=1mm。
ただし、リブ山高さは縦縞鋼板の圧延を行った後、コイル冷却後に測定した。また、材料上がり量XDは圧延中の状況を写真撮影し、写真からパスラインを基準とした反り量を測定し、圧延ロールの直径に対する比(反り量/圧延ロールの直径)で示した。
また、第2番目の圧延スタンドの平ロールにも、反対側に組み込むカリバーロールと同様のナーリング加工を施した場合には、材料上がり量XDも小さく、安定した圧延が可能であつた。
2、3、4 ナーリング溝
5 母板部
6 リブ山部
7 上圧延ロ一ル
8 下圧延ロ一ル
φ、φ1、φ2 ナーリング角度
w 底面幅
θ カリバー壁面の傾斜角度
p カリバー溝間のピッチ
d カリバー深さ
El 伸び
h0 板厚(母板部の厚み)
h1 リブ山高さ
Claims (3)
- 縦縞鋼板を製造するために熱間仕上圧延機の最終スタンドに用いる圧延ロールであって、カリバー溝部以外のロールバレル部にスパイラル状またはダイヤ目状のナーリング溝を形成するナーリング加工を施してなることを特徴とする縦縞鋼板用カリバーロール。
- 鋼板の片面のみに縦縞を有する縦縞鋼板を製造する方法であって、熱間仕上圧延機の最終スタンドの上下いずれか一方の圧延ロールとして請求項1の縦縞鋼板用カリバーロールを用い、他方の圧延ロールに平ロールを用いることを特徴とする縦縞鋼板の圧延方法。
- 一方の圧延ロールとして請求項1の縦縞鋼板用カリバーロールを用い、他方の圧延ロールに、縦縞鋼板用カリバーロールと同じナーリング加工をロールバレル部に施してなる平ロールを用いることを特徴とする請求項2に記載の縦縞鋼板の圧延方法。
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