JP5076263B2 - 生物脱窒方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素の共存下で生物脱窒する方法に係り、特に、この生物脱窒反応に関与する独立栄養性脱窒微生物が失活ないし活性低下した際に、その活性を効果的に回復させる生物脱窒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排液中に含まれるアンモニア性窒素は河川、湖沼及び海洋などにおける富栄養化の原因物質の一つであり、排液処理工程で効率的に除去する必要がある。一般に、排水中のアンモニア性窒素は、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化し、更にこの亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、これらの亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌により、有機物を電子供与体として利用して窒素ガスにまで分解する脱窒工程との2段階の生物反応を経て窒素ガスにまで分解される。
【0003】
しかし、このような従来の硝化脱窒法では、脱窒工程において電子供与体としてメタノールなどの有機物を多量に必要とし、また硝化工程では多量の酸素が必要であるため、ランニングコストが高いという欠点がある。
【0004】
これに対して、近年、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性微生物を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを反応させて脱窒する方法が提案された。この方法であれば、有機物の添加は不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるNOの発生がなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
【0005】
この独立栄養性脱窒微生物(以下「ANAMMOX微生物」と称す。)を利用する生物脱窒プロセス(ANAMMOXプロセス)は、Strous, M, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, p.589-596 (1998) に報告されており、以下のような反応でアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が反応して窒素ガスに分解されると考えられている。
【0006】
【化1】
Figure 0005076263
【0007】
即ち、ANAMMOX微生物を利用して脱窒処理を行う場合、ANAMMOX微生物を保持するANAMMOX反応槽に流入する被処理水(原水)は、アンモニア性窒素(NH−N)に対し、亜硝酸性窒素(NO−N)を0.5〜2倍、特に1〜1.5倍の割合で含むことが好ましく、反応生成物として窒素の他に硝酸が生成する。
【0008】
ANAMMOX微生物は独立栄養性微生物であり、収率が低く増殖速度が遅い。その比増殖速度は、最大で0.065day−1(1日で1.065倍に増殖する)と報告されている。実際の培養では、処理水中の基質濃度は低く、生物のフロック内部まで十分に基質が浸透しないため、比増殖速度は0.02〜0.05day−1程度の値となる。従って、大量の汚泥を得るためには長期間の培養が必要であり、得られた汚泥は貴重かつ高価となることから、ANAMMOX微生物の活性の低下ないし失活は極力防止し、また、活性が低下したり失活したANAMMOX微生物については活性を回復させることが望まれる。
【0009】
ANAMMOX微生物の活性に阻害を与える要因としては、酸素の混入と高濃度亜硝酸への暴露がある。即ち、ANAMMOX微生物は、酸素に対する耐性は低く、酸素分圧0.5%においても阻害を受ける。亜硝酸による阻害は、亜硝酸性窒素濃度50〜200mg/L程度から生じ、高濃度ほど阻害作用が大きくなると言われている。他の阻害要因としては、60mg/Lを超える高濃度のリン、有機物、硫化水素なども挙げられる。これらの物質による、ANAMMOX微生物の活性の阻害機構は、ANAMMOX反応に関与するHAO(ヒドロキシルアミンオキシドレダクターゼ)に近似した酵素の発現が、これらの物質によって阻害されるためと考えられるが、詳細な機構は明らかにされていない。
【0010】
ANAMMOX反応は特異な反応経路を有していると考えられており、その中間生成物としてヒドロキシルアミン、ヒドラジンの存在が報告されている(van de Graaf, et.al. (1997) Microbiology. Vol.143, p2415-2421)。そして、200mg−N/L以上の高濃度亜硝酸によりANAMMOX微生物の活性が低下した場合に、1.4mg/L以上(実験データ:3mg/L)のヒドラジン、あるいは0.7mg/L以上のヒドロキシルアミンを添加することにより活性を復活させることができたという実験報告が、Strous, M et.al. (1999) Appli.Microbiol.Biotechnol. Vol.65, p3248-3250になされている。
【0011】
ヒドラジンはANAMMOX微生物の反応を誘発すると考えられるが、0.9mMのヒドラジンを連続的に添加すると微生物は活性を失ったという結果がShalk, J. et.al. (1998) FEMS Microbiology Letters, 158, p.61-67に報告されており、連続的にヒドラジンを添加することはANAMMOX微生物にとって阻害になると考えられていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ANAMMOX微生物は、その活性を維持するために厳密な微小環境を必要とし、酸素の混入や何らかの阻害物質により阻害を受け活性が低下する場合がある。そして、連続処理を行っている場合、ANAMMOX微生物の活性の低下で処理しきれない亜硝酸性窒素が槽内に残存すると、ANAMMOX微生物は更に阻害を受け活性はより一層低下する。これにより反応槽の処理能力が一時的に著しく低下し、処理水質が悪化することが問題となっている。
【0013】
従来、高濃度の亜硝酸により阻害され、活性を失ったANAMMOX微生物を復活させるためにはヒドラジン又はヒドロキシルアキンの添加が有効であると報告されているが、一方で活性を低下させないための方策としてこれらの化合物を連続的に添加することは、ANAMMOX微生物の活性をむしろ阻害すると考えられていた。
【0014】
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素の共存下にANAMMOX微生物の作用により生物脱窒する方法において、活性が低下したANAMMOX微生物や失活したANAMMOX微生物の活性を効果的に復活させて、効率的な生物脱窒処理を行う方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物脱窒方法は、アンモニア性窒素を含有する原水を反応槽に導入し、該反応槽内の、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により、亜硝酸性窒素の存在下に生物脱窒する方法において、該反応槽内の高濃度亜硝酸性窒素により前記脱窒微生物の活性が低下したときに、該反応槽に、該反応槽内におけるヒドラジンの濃度が0.01〜1.0mg/Lとなるようにヒドラジンを1回又は複数回間欠的に添加することと、ヒドロキシルアミンを該反応槽内におけるヒドロキシルアミンの濃度が0.01〜0.5mg/Lとなるように1回又は複数回間欠的に添加することの少なくとも一方を行う生物脱窒方法であって、前記反応槽内の高濃度亜硝酸性窒素の濃度が50mg/L以上であり、前記脱窒微生物の活性が初期活性の0〜80%まで低下したときに、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの反応槽への前記添加を行うことを特徴とする。
【0016】
発明者らが行った実験では、一度活性を失ったANAMMOX微生物は、嫌気条件、pH、温度、槽内アンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素濃度等の最適環境を作り直し、失活前の10分の1以下から100分の1以下の低負荷から運転を再開し、槽内に高濃度の亜硝酸性窒素が残存しないよう、ANAMMOX微生物の活性の上昇に合わせて徐々に負荷を上げていく運転によって活性を復活させることができた。しかし、この方法を用いる場合、元の活性を取り戻すには2週間〜2ヶ月といった長期間が必要であった。また、場合によってはこのような低負荷運転でも活性が復活しない場合もあった。
【0017】
そこで、ANAMMOX微生物の活性の復活方法として従来報告されているヒドラジン又はヒドロキシルアミンの使用を試みた。従来の報告では、1.4mg/L以上(実験データ:3mg/L)のヒドラジン、或いは0.7mg/L以上のヒドロキシルアミンを添加するとされているが、ヒドラジンは0.01〜1.0mg/L、ヒドロキシルアミンは0.01〜0.5mg/Lの濃度範囲で効果を有することが確認できた。
【0018】
ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの添加は1回で完全に活性が復活する場合もあるが、多くの場合、1回の添加では活性が回復せず、この場合には数度にわたって同様の濃度となるよう間欠的に添加することにより、活性を復活させることができた。
【0019】
汚泥量と添加回数との関係を調べたところ、汚泥量が多いほど活性が完全に復活するために必要な添加回数が多くなり、汚泥量と活性復活に必要なヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの添加回数には相関関係があることを見出した。従って、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの使用量をできるだけ少なくするためには、低濃度を必要最低回数で添加することが好ましい。
【0020】
本発明において、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを連続添加せずに、間欠添加とする理由は、連続添加であると、ANAMMOX微生物が消費しきれないヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンが槽内に蓄積し、ANAMMOX微生物はこれに連続的に暴露され、阻害を受けるという欠点があるためであり、これに対して、間欠添加であれば、添加されたヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンは即座に消費され、槽内に残存することはないため、このような問題が解消される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の生物脱窒方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明においては、ANAMMOX微生物を保持した反応槽に原水を通水してANAMMOX微生物により生物脱窒処理を行うに当たり、ANAMMOX微生物の活性が低下した場合に、反応槽にヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを1回又は複数回間欠的に添加する。
【0023】
この間欠添加の時間間隔は、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの添加濃度にもよるが、この間隔が過度に長いと活性の復活に長時間を要し、過度に短いと連続添加と同様な問題を生じるため、間欠添加の時間間隔は0.25〜24時間程度とするのが好ましい。
【0024】
添加濃度は、ヒドラジンであれば、反応槽内のヒドラジン濃度が0.01〜1.0mg/L、ヒドロキシルアミンであれば反応槽内のヒドロキシルアミン濃度が0.01〜0.5mg/Lとなるような濃度とする。このヒドラジン濃度が0.01mg/L未満であったり、ヒドロキシルアミン濃度が0.01mg/L未満であると、ANAMMOX微生物による消費以外の要因による消費が無視できず、間欠添加を多数回行っても活性を回復させることができない。ヒドラジン濃度が1.0mg/Lを超える場合、ヒドロキシルアミン濃度が0.5mg/Lを超える場合には、複数回の添加を行う際に消費しきれないヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンが残存し、阻害を与える場合がある。
【0025】
本発明では、ヒドラジンのみを間欠添加しても良く、ヒドロキシルアミンのみを間欠添加しても良い。また、ヒドラジンとヒドロキシルアミンとを交互に間欠添加しても良く、ヒドラジン及びヒドロキシルアミンを混合して間欠添加しても良い。
【0026】
なお、ヒドラジンとヒドロキシルアミンとを同時に併用添加する場合には、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンは各々上記範囲内でその合計濃度が0.01〜1.5mg/Lとなるようにする。
【0027】
通常の場合、ヒドラジンを反応槽内濃度が0.01〜0.2mg/Lとなるように添加する場合には、間欠添加の時間間隔は0.25〜6時間程度とすることが好ましく、0.2〜1.0mg/Lとなるように添加する場合には、間欠添加の時間間隔は1〜24時間程度とすることが好ましい。
【0028】
また、ヒドロキシルアミンを反応槽内濃度が0.01〜0.1mg/Lとなるように添加する場合には、間欠添加の時間間隔は0.25〜6時間程度とすることが好ましく、0.1〜0.5mg/Lとなるように添加する場合には、間欠添加の時間間隔は1〜24時間程度とすることが好ましい。
【0029】
前述の如く、ANAMMOX微生物の活性を回復させるために必要な間欠添加の回数は、反応槽内のANAMMOX微生物量により異なり、ANAMMOX微生物量が多い程、活性の回復に必要なヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの添加回数は多くなる。従って、反応槽内の汚泥量が多く、活性の回復に必要な添加回数が多い場合には、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの添加濃度を高めに設定するのが好ましい。
【0030】
なお、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンは反応槽に直接添加しても良く、原水や循環水に添加して原水や循環水と共に反応槽に導入しても良い。原水導入配管や循環配管に注入する場合には、配管中でヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンが混合、希釈されて均一になるため問題はないが、反応槽に直接投入する場合には、槽内で局所的に高濃度にならないよう、必要に応じて反応槽内を撹拌する手段を設けるのが好ましい。撹拌は槽内液の流動によるものでもよく、ガスによる撹拌でもよい。液の流動にはポンプによる上向流あるいは下降流、機械撹拌を用いることができる。ガスによる撹拌の場合、撹拌ガスとしては窒素ガス等の酸素を含有しないものを用いる。この撹拌ガスには脱窒処理により発生した窒素ガスを利用することもできる。撹拌手段は必ずしも付加的に設置する必要はなく、既に撹拌手段を有している反応槽の場合、注入点を撹拌効果の高い位置にとることにより、添加したヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを効果的に希釈、拡散させることが可能である。
【0031】
本発明では、例えば、反応槽内のANAMMOX微生物の活性が、初期活性の0〜80%程度にまで低下したときに、反応槽にヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを間欠添加する。このヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを間欠添加する際、反応槽は間欠運転とすることが好ましく、この活性の回復のためにヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを間欠添加している期間は、原水の通水を間欠的に行い、槽内のアンモニア性窒素及び/又は亜硝酸性窒素の減少速度を算出して汚泥の活性回復の確認を行うことが好ましい。
【0032】
本発明において、処理対象となる原水は、アンモニア性窒素、更には亜硝酸性窒素を含む水であり、有機物及び有機性窒素を含むものであってもよいが、これらは脱窒処理前に予めアンモニア性窒素になる程度まで分解しておくことが好ましく、また、溶存酸素濃度が高い場合には、必要に応じて溶存酸素を除去しておくことが好ましい。原水は無機物を含んでいてもよい。原水はまた若干の固形有機物を含んでいても良いが、多量の固形有機物を含む場合は、予めこれを固液分離して除去しておくことが好ましい。また、原水はアンモニア性窒素を含む液と亜硝酸性窒素を含む液を混合したものであってもよい。例えば、アンモニア性窒素を含む排水をアンモニア酸化微生物の存在下に好気性処理を行い、アンモニア性窒素の一部、好ましくはその1/2を亜硝酸に部分酸化したものを原水とすることができる。更には、アンモニア性窒素を含む排水の一部をアンモニア酸化微生物の存在下に好気性処理を行い、アンモニア性窒素を亜硝酸に酸化し、アンモニア性窒素を含む排水の残部と混合したものを原水としても良い。
【0033】
一般的には、下水、し尿、嫌気性硝化脱離液等のアンモニア性窒素、有機性窒素及び有機物を含む排水が処理対象となる場合が多いが、この場合、これらを好気性又は嫌気性処理して有機物を分解し、有機性窒素をアンモニア性窒素に分解し、さらに部分亜硝酸化或いは、一部についての亜硝酸化を行った液を原水とすることが好ましい。
【0034】
原水のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合はモル比でアンモニア性窒素1に対して亜硝酸性窒素0.5〜2、特に1〜1.5とするのが好ましい。原水中のアンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度はそれぞれ5〜1000mg/L、5〜200mg/Lであることが好ましいが、処理水を循環して希釈すればこの限りではない。
【0035】
原水の生物脱窒条件としては、例えば反応槽内液の温度が10〜40℃、特に20〜35℃、pHが5〜9、特に6〜8、溶存酸素濃度が0〜2.5mg/L、特に0〜0.2mg/L、BOD濃度が0〜50mg/L、特に0〜20mg/L、窒素負荷が0.1〜10kg−N/m・day、特に1〜5kg−N/m・dayの範囲とするのが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0037】
実施例1
アンモニア除去活性0.22mg−NH−N/mg−VSS/dayのANAMMOXグラニュール汚泥を、有効容積1Lの反応容器に各々500、3000、10000mg−VSS/Lの濃度に充填し、次いで、亜硝酸性窒素を濃度が550mg−N/Lとなるよう添加し、ANAMMOX微生物の活性を5%まで低下させた。この後、汚泥を沈殿させて上澄み液を排出し、アンモニア性窒素濃度100mg−N/L、亜硝酸性窒素濃度100mg−N/L、無機炭酸濃度60mg/Lを含む脱気した無機培地を添加して1Lとした。
【0038】
この容器に、1回につき0.1mgのヒドラジンを添加し、添加後1時間後の活性を調べ、活性が80%以下で且つヒドラジン濃度が0.01mg/L以下である場合には再びヒドラジンの添加を行う操作を繰り返した。なお、この反応槽には、アンモニア性窒素濃度100mg−N/L、亜硝酸性窒素濃度100mg−N/Lを含む排水を、汚泥の活性測定後、次にヒドラジンを添加する前に50mL/minで20分間間欠的に通水した。
【0039】
このときの各反応容器の添加回数と添加後の汚泥の活性との関係を図1に示す。
【0040】
図1より明らかなように、汚泥濃度が高くなるに従って、ヒドラジンの添加回数が増えているが、いずれの場合も効果的に活性を回復させることができた。
【0041】
実施例2〜8
実施例1において、反応容器にヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンを表1に示す濃度で、表1に示す時間間隔で間欠添加したこと以外は同様にして活性の回復試験を行い、活性が初期活性の80%まで回復するに要した添加回数を調べ、実施例1の結果と共に結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0005076263
【0043】
比較例1〜4
実施例1において、ヒドラジン又はヒドロキシルアミンを表1に示す濃度で表1に示す時間間隔で間欠添加したこと以外は同様にして活性の回復試験を行い、結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
Figure 0005076263
【0045】
表1,2の結果から、ヒドラジン0.01〜1.0mg/L、ヒドロキシルアミン0.01〜0.5mg/Lの濃度範囲で間欠添加することにより、失活ないし活性が低下したANAMMOX微生物の活性を回復させることができることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の生物脱窒方法によれば、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素の共存下でANAMMOX微生物の作用により生物脱窒する方法において、失活ないし活性が低下したANAMMOX微生物の活性を効果的に回復させることが可能となる。
【0047】
本発明によれば、増殖が容易ではない貴重なANAMMOX微生物の活性を速やかに回復させて、低下した処理水質を再び高め、処理の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるヒドラジンの添加回数と添加後の汚泥の活性との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. アンモニア性窒素を含有する原水を反応槽に導入し、該反応槽内の、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により、亜硝酸性窒素の存在下に生物脱窒する方法において、
    該反応槽内の高濃度亜硝酸性窒素により前記脱窒微生物の活性が低下したときに、該反応槽に、該反応槽内におけるヒドラジンの濃度が0.01〜1.0mg/Lとなるようにヒドラジンを1回又は複数回間欠的に添加することと、ヒドロキシルアミンを該反応槽内におけるヒドロキシルアミンの濃度が0.01〜0.5mg/Lとなるように1回又は複数回間欠的に添加することの少なくとも一方を行う生物脱窒方法であって、
    前記反応槽内の高濃度亜硝酸性窒素の濃度が50mg/L以上であり、
    前記脱窒微生物の活性が初期活性の0〜80%まで低下したときに、ヒドラジン及び/又はヒドロキシルアミンの反応槽への前記添加を行うことを特徴とする生物脱窒方法。
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