JP5076173B2 - 作業機の連結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機をトラクタに連結するための連結装置に関する。
この種の従来技術として、同一出願人による特開2001−146181号公報(特許文献1)に記載される「トラクタに装着する2点ヒッチ用連結装置」が開示されている。これは、トラクタのロータリ作業機を直装する2点ヒッチ装置において、従来の3点リンクヒッチを有した作業機を容易に装着可能とするための構成を特徴とするものである。
特開2001−146181号公報
2点ヒッチ用装着装置は、小型のトラクタに多く採用されていて、作業機を上昇させた時の地上高を大きくとる為に、側面視作業機を円弧状に昇降させるように位置関係が構成されている。このため、前記特許文献1に示される連結装置で装着する場合、作業機によっては上昇させた時に作業機の上方部が大きく前方に回動してトラクタ後方部に干渉し、作業機やトラクタの双方を破損する等の事故が発生する場合があった。また、作業機によっては上昇させた時の干渉を回避しようとすると、作業時の作業姿勢が確保できないという問題が発生する場合があった。
このため、本発明の目的は、トラクタに作業機を連結する装着装置において、作業機を容易に装着及び取り外しが可能で、作業機の作業姿勢や移動時姿勢が容易に確保できる構成を提供することにある。
上記課題を解決するために、トラクタに連結する連結枠と、作業機に設けた前記連結枠と係合するマストフレームとを設け、該マストフレームは、作業機フレームに対し下方左右両側の作業機回動軸を支点に上方が前後に回動可能に設けられていて、前記マストフレーム上方は、マストフレームの前後回動範囲を一定範囲に規制するため最伸長状態と最縮長状態時にストッパーを設けこの間において長さ方向に伸縮自在なサポートロッドにより前記作業機フレームと連結され、トラクタに連結した前記連結枠と作業機側の前記マストフレームとを係合させて作業機をトラクタに連結した状態で、作業機フレーム側とトラクタ本体側とに一定長さの牽制アームを両端回動自在に架け渡し、トラクタに連結された前記連結枠後方を昇降させると、前記マストフレームは、前記作業機回動軸を支点に作業機フレームに対し前後に自動回動するように構成したことを特徴とする作業機の連結装置を提供する。
また、前記連結枠と前記マストフレームの係合は、上部中央係合部と、下部左右2箇所の係合部により係合し、該係合部の着脱と前記牽制アームの着脱によりトラクタ側と作業機側の着脱が可能で、前記連結枠とトラクタ側との連結は、トラクタ側の2点ヒッチ用係合受け部材に対応する連結枠前方左右一対の係合部と連結するとともに、トラクタの昇降アームに連結されたリフトロッドと回動自在に連結され、前記昇降アームの上下回動によりトラクタ側の2点ヒッチ用係合受け部材を中心に連結枠後方が昇降可能に構成されたことを特徴とする0005欄記載の作業機の連結装置を提供する。
以上のような構成にすることで、マストフレームは作業機フレームに対し下方左右両側を支点に上方が前後に回動可能に設けられていて、マストフレーム上方は、マストフレームの前後回動範囲を一定範囲に規制するための長さ方向に伸縮自在なサポートロッドにより作業機フレームと連結されるとともに、作業機側とトラクタ側を着脱自在に連結する牽制アームを設けたことで、作業機がトラクタ側に回動されることが抑制され平行状に昇降するため、トラクタ後方との干渉を避けることが可能であるとともに、作業姿勢を容易に確保できる。
また、作業機の脱着時に、マストフレーム上方がマストフレームの前後回動範囲を一定範囲に規制するための長さ方向に伸縮自在なサポートロッドにより作業機フレームと連結されていることで、前後に回動するマストフレームをサポートロッドが保持するため、脱着係合部位置が保持され作業機の脱着作業が容易に行える。
以下、本発明の一実施形態の構成を図面を参照して説明する。図1は本発明を実施した連結装置の連結前の側面図、図2は同連結装置により作業機を連結した作業姿勢状態の側面図、図3は連結装置を連結した状態の連結部の平面図、図4は本発明の連結装置を装着し作業機を上昇させた状態の側面図、図5は連結装置の別実施例を示した側面図、図6は従来のロータリ作業機を2点ヒッチ用装着装置に装着した側面図、図7は従来の連結装置で作業機を上昇させた場合の側面図を示したものである。
トラクタ後部1には、2点ヒッチ用係合受け部材であるU字金具12と、該U字金具12に係合する連結ピン20を固定する固定ピン13と、連結される作業機を昇降させるための昇降アーム10及びこれにリフトアッパーピン111で連結されたリフトロッド11が装備されている。
作業機の連結装置9は、トラクタ側に装着される連結枠2と、作業機7側に装着されるマストフレーム3及びこれを支えるサポートロッド4と、トラクタ側と作業機7側を着脱自在に連結する牽制アーム8により構成されている。
連結枠2のトラクタ側への装着は、連結枠2前方左右に設けた水平方向の固定ピン13を、トラクタ後部1のU字金具12に係合させ、固定ピン13を左右U字金具12に設けた垂直方向のストッパ穴に差し込んで連結枠2を上下回動自在に連結させるとともに、トラクタ側の昇降アーム10にリフトアッパーピン111で連結されたリフトロッド11の他端を連結枠2の後方部に設けた水平方向のリフトロアピン112に連結している。該構成により、昇降アーム10をトラクタ側の操作によって上下に回動させることで、装着された前記連結枠2の後方が上下に回動する。
連結枠2後方には、作業機7側に装着されたマストフレーム3との係合部が設けてあり、左右方向中央部上方にはマストフレーム3側のトップフックピン30と係合するための凹状のトップフック21が設けてあり、トップフック21下方左右には、マストフレーム3のロアフックピン31と係合するための凹状のロアフック22が設けてある。上部中央係合部であるトップフック21とトップフックピン30を係合させ、連結枠2を回動上昇させると、下部左右2箇所の係合部であるマストフレーム3のロアフックピン31が連結枠2のロアフック22側に引き寄せられ係合する。該係合部には外れ防止用のフックが掛け外し自在に設けてある。前記上下係合部の着脱によりトラクタ側と作業機側の着脱が可能である。前記係合部の形状は、ピン側が連結枠2で凹状フックがマストフレーム側に本例とは逆に設けられていてもよい。
マストフレーム3は、前記ロアフックピン31が設けられた下方部が、作業機7の作業機フレーム70に水平方向に設けた作業機回動軸71により回動自在に取付けられていて、前記トップフックピン30が設けられた上方部が前後に回動可能に構成されている。
また、マストフレーム3上方は、サポートロッド4により作業機フレーム70と連結されていて、サポートロッド4は長さ方向に伸縮自在で、伸縮量の範囲でマストフレーム3の前後方向の回動量を規制している。サポートロッド4は、インナー軸40と該インナー軸40が挿入されたアウターパイプ41で構成され、アウターパイプ41の軸方向に設けた長孔411にインナー軸40を貫通して設けたストッパーピン401を係合させ、長孔411の長さの範囲において伸縮が自由となるように構成されている。
サポートロッド4の一方は、マストフレーム3に水平方向のマストロッドピン5により回動自在に取付けられ、他端は作業機フレーム70に水平方向の作業機ロッドピン6により取付けられている。連結枠2とマストフレーム3の係合連結が解除された状態では、マストフレーム3が自重によりサポートロッド4を伸長させ前傾した姿勢となるように各回動部が配置されていて、連結枠2とマストフレーム3の脱着時には、前記トップフックピン30とトップフック21が最初に係合しやすいように構成されている。
また、脱着時の作業機7の姿勢を保持するスタンド73は、本例においては左右に一対設けてあり、底面にキャスター74を設けて格納時等の移動に使用する。作業機7に設けたU字状のスタンドホルダー75部分にスタンド73を係合させ固定ピン76を差し込んで固定する。作業時には、固定ピン76を抜くことでスタンド73を作業機フレーム70より取り外して作業する。
マストフレーム3の中央下方には、入力軸72が設けてあり、トラクタ後部に設けられたPTO軸14と図示していないユニバーサルジョイントで連結し、トラクタの動力が作業機に伝達され駆動される。
連結枠2とマストフレーム3の連結後、トラクタ側の昇降アーム10端部のリフトアッパーピン111の一方と作業機7側の作業機ロッドピン6とを牽制アーム8により両端回動自在に連結する。該牽制アーム8を連結することで、作業機7を昇降させたときマストフレーム3が連結枠2と一体に円弧状に昇降するのに対し、作業機7側は、マストフレーム3に対して前記作業機回動軸71を支点に前後に回動しながら昇降する。このため作業機7は図4に示すように略平行状に昇降し、作業機7がトラクタ側に前傾した姿勢とならず、作業機とトラクタとの干渉を回避できる。
図5の別実施例の牽制アーム80は、作業機ロッドピン6とトラクタ本体後部に直接回動自在に連結したもので、昇降させた時に作業機側とトラクタ側に掛渡して連結した牽制アーム80の作用により、作業機7が平行状に昇降できるように寸法設定されている。この様にトラクタ側の連結部は作業機が平行状に昇降し、取り外しがやり易い位置に任意に設定すると良い。
本実施例における作業機7は、肥料散布機を示したもので、上方に肥料を投入するホッパー701を有し、ホッパー701底部分には肥料の落下量を調節するシャッターが設けてあり、落下した肥料を回転する円板状のスピンナー702で拡散散布する構造のものである。散布作業時は、前記スピンナー702を略水平に、また一定の高さに保持することで散布幅や散布量が規定量確保されるように構成されている。このため、従来の連結装置で作業機を装着し作業姿勢を設定すると、移動時等に作業機を上昇させた時、図7に示すように作業機がトラクタ側に食い込み双方を破損する事故に至る等の不都合があった。逆に上昇させた時の干渉を回避しようとすると、作業時の作業姿勢が確保できないという問題が発生する。
図6は、2点ヒッチ用装着装置に従来のロータリ砕土装置を装着した一般的な状態を示したもので、作業機を上昇させた時の地上高を大きくとる為に、側面視作業機を円弧状に昇降させるように位置関係が構成されていて、トラクタ側のU字金具12に直接ロータリ作業機Aを取付けるとともに、リフトロッド11を同じく直接連結している。このため、上下方向に回動して作業姿勢が変化しても作業に影響しない作業機や上方に空間を確保できる作業機は不都合が生じないが、前記のような肥料散布機のように、前後に回動することで作業姿勢が変化し不都合が生ずる作業機には採用できない。このため、平行状に昇降する本発明の連結装置が必要となるとともに、本発明の連結装置により作業機の着脱作業が容易に行える。
トラクタ側に装着した連結枠2に対し、各作業用のそれぞれの作業機のマストフレーム3を前記連結枠2に着脱可能に設けることにより、連結枠2を取り外さずに各作業機を容易に着脱可能となる。
本発明を実施した連結装置の連結前の側面図、 同連結装置により作業機を連結した作業姿勢状態の側面図、 連結装置を連結した状態の連結部の平面図、 本発明の連結装置を装着した作業機を上昇させた状態の側面図、 連結装置の別実施例を示した側面図、 従来のロータリ作業機を2点ヒッチ用装着装置に装着した側面図、 従来の連結装置で作業機を上昇させた場合の側面図
符号の説明
1 トラクタ後部
10 昇降アーム
11 リフトロッド
111 リフトアッパーピン
112 リフトロアピン
12 U字金具
13 固定ピン
14 PTO軸
2 連結枠
20 連結ピン
21 トップフック
22 ロアフック
3 マストフレーム
30 トップフックピン
31 ロアフックピン
4 サポートロッド
40 インナー軸
401 ストッパーピン
41 アウターパイプ
411 長孔
5 マストロッドピン
6 作業機ロッドピン
7 作業機
70 作業機フレーム
71 作業機回動軸
72 入力軸
73 スタンド
74 キャスター
75 スタンドホルダー
76 固定ピン
8 牽制アーム
701ホッパー
702スピンナー
9 連結装置
A ロータリ作業機

Claims (2)

  1. トラクタに連結する連結枠と、作業機に設けた前記連結枠と係合するマストフレームとを設け、該マストフレームは、作業機フレームに対し下方左右両側の作業機回動軸を支点に上方が前後に回動可能に設けられていて、前記マストフレーム上方は、マストフレームの前後回動範囲を一定範囲に規制するため最伸長状態と最縮長状態時にストッパーを設けこの間において長さ方向に伸縮自在なサポートロッドにより前記作業機フレームと連結され、トラクタに連結した前記連結枠と作業機側の前記マストフレームとを係合させて作業機をトラクタに連結した状態で、作業機フレーム側とトラクタ本体側とに一定長さの牽制アームを両端回動自在に架け渡し、トラクタに連結された前記連結枠後方を昇降させると、前記マストフレームは、前記作業機回動軸を支点に作業機フレームに対し前後に自動回動するように構成したことを特徴とする作業機の連結装置。
  2. 前記連結枠と前記マストフレームの係合は、上部中央係合部と、下部左右2箇所の係合部により係合し、該係合部の着脱と前記牽制アームの着脱によりトラクタ側と作業機側の着脱が可能で、前記連結枠とトラクタ側との連結は、トラクタ側の2点ヒッチ用係合受け部材に対応する連結枠前方左右一対の係合部と連結するとともに、トラクタの昇降アームに連結されたリフトロッドと回動自在に連結され、前記昇降アームの上下回動によりトラクタ側の2点ヒッチ用係合受け部材を中心に連結枠後方が昇降可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の作業機の連結装置。
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