JP5074951B2 - テレビカメラ装置および位置補正方法 - Google Patents
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そこで、この場合、電動雲台を備えたテレビカメラを用い、例えば遠隔地にある監視部の制御パネルから撮像方向が任意に変えられるようになっているのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
ここで、このプリセットとは、予め雲台の旋回角(方位角)や仰角、レンズのズーム倍率を記憶しておき、プリセットの指示に従い雲台とレンズを記憶している角度やズーム倍率等にすることである。
このため、水平回動部2には、上記した水平回動用シャフト6と上下回動用シャフト8の外にも更に水平回動用パルスモータ4と上下回動用パルスモータ5、水平回動用ウォームギヤ7、カメラ制御回路10、上下回動用ベルト13、電源ユニット40、旋回角センサ44と仰角センサ45、水平回動用モータ駆動回路46、それに上下回動用モータ駆動回路47などが設けられている。
ここで信号ケーブル9は、映像信号とコントロール信号の伝送用で、外部から引き込まれた後、カメラ制御回路10に接続され、更にケーブル14により、同じく中空に作られている上下回動用シャフト8を介してカメラ筐体3内のテレビジョンカメラにも接続されている。
そこで、水平回動用モータ駆動回路46と上下回動用モータ駆動回路47は、カメラ制御回路10により制御され、水平回動用モータ駆動回路46は水平回動用モータケーブル11を介して水平回動用パルスモータ4に駆動パルスを供給し、上下回動用モータ駆動回路47は、上下回動用パルスモータケーブル12を介して上下回動用パルスモータ5に駆動パルスを供給する。
水平回動部2の水平回動位置は旋回角センサ44により検出され、旋回角検出値PDとしてカメラ制御回路10に入力する。
カメラ筐体3の上下回動位置は仰角センサ45により検出され、仰角検出値TDとしてカメラ制御回路10に入力する。
そこで、図示してないが、上下回動用パルスモータ5から上下回動用ベルト13を介して上下回動用シャフト8に至る回転伝達系には、例えば同軸型の減速機構が介在させてあり、これにより上下回動用パルスモータ5の回転速度とカメラ筐体3のチルト角の変位速度の間に、例えば100対1などの所定の減速比が与えられるようになっている。
一方、パン角の変位速度については、水平回動部2の回転速度が水平回動用ウォームギヤ7の減速比により決められるので、水平回動用ウォームギヤ7の減速比の選択により任意に設定することができる。
そこで、カメラ制御回路10はCPUを主要部とし、これにより一方では、旋回角指令PCと旋回角検出値PDを比較し、旋回角検出値PDが旋回角指令PCに一致するように水平回動用パルスモータ4の駆動を制御するという旋回角位置決めのためのフィードバック制御が掛り、他方では、仰角指令DCと仰角検出値TDを比較し、仰角検出値TDが仰角指令DCに一致するように上下回動用パルスモータ5の駆動を制御するという仰角位置決めのためのフィードバック制御が掛るように制御を実行する。
まず、このとテレビカメラ装置の場合、旋回角の偏差が右回転方向のときPC>PDとなり、偏差ΔPが+(正)になるものとし、旋回角の偏差が左回転方向のときはPC<PDになって、偏差ΔPは−(負)になるものとする。
そして、この場合、偏差ΔP1が+のときは水平回動用パルスモータ4を左回転させ、偏差ΔP1が−のときは右回転させるのである。
まず、このテレビカメラ装置の場合、仰角の偏差が上方向のときTC>TDとなり、偏差ΔTの符号が+になるものとし、仰角の偏差が下方向のときTC<TDとなって、偏差ΔTは−(負)になるものとする。
そして、この場合、偏差ΔP1が+のときは下方向回転させ、偏差ΔP1が−のときは上方向回転させるのである。
また、撮像方向を変える際も同様で、新たな撮像方向を指令するだけで、この新たな撮像方向にプリセットさせることができる。
撮像方向のプリセットにおける位置決め精度は、主として位置センサの分解能により決る。つまり位置が細かく検出できれば、フィードバック制御の目標値も細かくなり、従って、より精度の高い位置決めを得ることができるのである。
これを上記した従来技術についてみると、この場合の位置センサとは旋回角センサ44と仰角センサ45のことであり、従って、これらのセンサとして、角度検出について分解能が高いものを適用してやれば、夫々の分解能の高さに応じた精度の位置決めが得られることになる。
特に、近年は、分解能の高いセンサもコスト面ではあまり問題がなくなっているので、位置決め精度の向上もさして困難ではない。
このことは、テレビカメラ装置が屋外に設置された場合、特に問題になる。屋外では風や振動などにより強い外乱を受け、撮像方向の変化が大きくなるからで、この場合、例えば望遠レンズによる狭い撮像視野のもとでは、監視対象が撮像視野から外れてしまう虞すらある。
そこで、一般には、プリセット後の停止時にも位置補正のためにフィードバック制御を継続させているのが通例であるが、このとき分解能の高いセンサを用い、フィードバック制御による位置決め精度が高められていたとするとハンチングの虞が生じてしまう。
センサの分解能が高いと、制御対象の状態が僅かに変化しだけでも検出してしまい、これに応答してフィードバック制御が働いてしまうため、フィードバック制御が短い周期で頻繁に掛り、かえって目標位置が細かく変化してしまうからであり、他方、分解能が低ければ制御対象の僅かな変化は無視されてしまい、検出されないのでハンチングしなくなるのである。
よって、本発明の目的は、プリセットによる撮像方向の位置決め精度が高く、しかもハンチングの虞のないテレビカメラ装置を提供することにある。
ここでプリセットによる撮像方向の位置決め精度については高い方が使いやすいので、望ましいことはいうまでもなく、この場合、フィードバック制御が欠かせないことは明らかである。
また、第2の本発明は、電動雲台を制御しテレビカメラの撮像方向をプリセットする方式のテレビカメラ装置における位置補正方法において、前記電動雲台の制御をオープンループ方式とフィードバック方式に切換えて実行する制御ステップと、前記フィードバック方式による制御において設定される不感帯の幅をAとB(A<B)に切換える切換ステップとを備え、前記制御ステップは、前記オープンループ方式によるプリセット制御を実行してから前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置に制御するステップと、プリセット位置に停止後は前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置の補正を行うステップとを有し、前記切換ステップは、前記オープンループ方式によるプリセット制御の後での前記フィードバック方式によるプリセット制御においては前記不感帯の幅Aを設定するステップと、前記プリセット位置に停止後の前記フィードバック方式によるプリセット制御により行われるプリセット位置の補正においては前記不感帯の幅Bを設定するステップとを有すること特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態で、図において、50は制御部で、CPUで構成され、カメラ制御回路10に含まれているが、その他の構成は、図4で説明した従来技術によるテレビカメラ装置と同じである。
なお、従来技術でも、そのカメラ制御回路10にはCPUが備えられているので、この点では同じであるが、本発明の実施形態では、CPUによる制御の内容が従来技術とは異なっており、従って、この点を明確にするため制御部50として示したのである。
カメラ制御回路10は、上述したように、図示してない監視モニタ部の操作パネルなどから、旋回角指令PCと仰角指令DCが含まれているプリセット信号が供給される。
そこで、制御部50は、まず、プリセット信号が供給されたとき、図2のフローチャートによる処理を実行し、この処理が終了した後、図3のフローチャートによる処理を実行する。このため制御部50のCPUには、予め所定のプログラムが格納してある。
図2の処理が開始されたら、まず、旋回角センサ44と仰角センサ45から旋回角検出値PDと仰角検出値TDを取り込み、現在位置とする(ステップS21)。
このときプリセット指令には、上記したように、旋回角指令PCと仰角指令DCが含まれている。
具体的に説明すると、このときの目的位置とは、旋回角指令PCにより与えられる位置と仰角指令DCにより与えられる位置のことであり、従って、このステップS22では、旋回角指令PCと旋回角検出値PDの偏差ΔP=PC−PDと仰角指令TCと仰角検出値TDの偏差ΔT=TC−TDを計算することになる。
そして、この後、偏差ΔPに対応した個数の駆動パルスを、水平回動用モータ駆動回路46から水平回動用パルスモータ4に供給し、上下回動用パルスモータ5には、偏差ΔTに対応した個数の駆動パルスを、上下回動用モータ駆動回路47から供給する(ステップS23)。
こうしてステップS23が実行されると、ここで、カメラ筐体3内にあるカメラが所定の撮像方向にプリセットされることになるが、このときの制御は、モータに所定の個数のパルスが出力されただけで終了され、従って、これがオープンループ方式による制御と呼ばれる所以であり、この場合、良く知られているように、位置制御の精度についての保証がない反面、早い応答となる。
そして、この後、補正フラグをON(オン)にする(ステップS24)。そして、ここで処理を終了する。
まず、旋回角センサ44と仰角センサ45から旋回角検出値PDと仰角検出値TDを取り込み、現在位置とする(ステップS31)。次いで、補正フラグがONであるか否かを調べ、ONか否かに応じて、図3の左側にあるループ処理と右側にあるループ処理に分岐する(ステップS32)。
このとき、説明の便宜上、図示のように、左側のループ処理をループ処理L1とし、右側のループ処理をループ処理L2とする。
なお、移行当初は必ずループ処理L1に分岐する。何故なら、この図3の処理に移行するのは、補正フラグのONを契機としているからである。
ここで、ステップS33における補正範囲Aについて説明すると、これは、現在位置が旋回角検出値PDの場合、旋回角指令PCを中心として±0.1度以内の範囲のことであり、現在位置が仰角検出値TDの場合、仰角指令TCを中心として±0.1度以内の範囲のことである。
ここで、ステップS34における補正範囲Bについて説明すると、これは、現在位置が旋回角検出値PDの場合、旋回角指令PCを中心として±0.5度以内の範囲のことで、現在位置が仰角検出値TDの場合は、仰角指令TCを中心として±0.5度以内の範囲のことであり、従って、ループ処理L1のステップS32における補正範囲Aと、ループ処理L2のステップS34における補正範囲Bには、補正範囲A<補正範囲Bの関係にしてある。
ループ処理L1に入るのは、ステップS32での判定結果がYesになり、次のステップS33では結果がNoになったときであり、この場合、まず、現在位置と目的位置の差を計算する(ステップS35)。
このときの目的位置とは、上記したように、旋回角指令PCにより与えられる位置と仰角指令DCにより与えられる位置のことであり、従って、このステップS35では、旋回角指令PCと旋回角検出値PDの偏差ΔP=PC−PDと仰角指令TCと仰角検出値TDの偏差ΔT=TC−TDを計算することになる。
このとき水平回動用パルスモータ4の回転方向と上下回動用パルスモータ5の回転方向は、既に従来技術において説明した通りで、偏差ΔPの符号と偏差ΔTの符号に応じて制御することになる。
ここで、このループ処理L1による処理の繰り返しについてみると、これはカメラの撮像方向についてのフィードバック制御が働いていることになり、このとき、ステップS33における補正範囲Aについてみると、これは、フィードバック制御において設定されている不感帯に相当している。
この実施形態では、上記したように、補正範囲Aは、目的位置に対して±0.1度以内の範囲に設定してあり、従って、上記したループ処理L1によるフィードバック制御においては、±0.1度以内という高精度の位置決め精度でカメラの撮像方向が制御されることになる。
そうすると、この後、ステップS32に戻ったときに判定結果がNoになり、従って、今度はループ処理L2に分岐し、ループ処理L2によるフィードバック制御が実行されることになる。
そこで、次にループ処理L2に入ったときの処理ついて説明する。
ループ処理L2に入るのは、上記したように、ステップS32で結果がNoになり、次いでステップS34でも結果がNoになったときであり、この場合、まず、現在位置と目的位置の差を計算する(ステップS38)。
そして、この後、偏差ΔPに対応した個数の駆動パルスを、水平回動用モータ駆動回路46から水平回動用パルスモータ4に供給し、上下回動用パルスモータ5には、偏差ΔTに対応した個数の駆動パルスを、上下回動用モータ駆動回路47から供給する(ステップS39)。
このとき水平回動用パルスモータ4の回転方向と上下回動用パルスモータ5の回転方向についても、既に説明した通りで、偏差ΔPの符号と偏差ΔTの符号に応じて制御することになる。
ここで、このループ処理L2による処理の繰り返しについてみると、これによりカメラの撮像方向についてのフィードバック制御が働き、ステップS34における補正範囲Bがフィードバック制御において設定されている不感帯になっていることになる。
ここで、制御部50は、このループ処理L2による制御を新たにプリセット指令が与えられるまで繰り返し、新たなプリセット指令が入力された時点で、図2のフローチャートによる処理に戻る。
従って、この実施形態によれば、常に正確な角度検出が得られ、位置決め精度の向上に大きく寄与している。
2:水平回動部
3:カメラ筐体(カメラハウジング)
4:水平回動用パルスモータ
5:上下回動用パルスモータ
6:水平回動用シャフト
7:水平回動用ウォームギヤ
8:上下回動用シャフト
9:信号ケーブル
10:カメラ制御回路
13:上下回動用ベルト
14:ケーブル
40:電源ユニット
43:電力ケーブル
44:旋回角センサ
45:仰角センサ
46:水平回動用モータ駆動回路
47:上下回動用モータ駆動回路
50:制御部
Claims (2)
- 電動雲台を制御しテレビカメラの撮像方向をプリセットする方式のテレビカメラ装置において、
前記電動雲台の制御をオープンループ方式とフィードバック方式に切換えて実行する制御手段と、
前記フィードバック方式による制御において設定される不感帯の幅をAとB(A<B)に切換える切換手段とを設け、
前記制御手段は、前記オープンループ方式によるプリセット制御を実行してから前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置に制御し、プリセット位置に停止後は前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置の補正を行い、
前記切換手段は、前記オープンループ方式によるプリセット制御の後での前記フィードバック方式によるプリセット制御においては前記不感帯の幅Aを設定し、前記プリセット位置に停止後の前記フィードバック方式によるプリセット制御により行われるプリセット位置の補正においては前記不感帯の幅Bを設定するものであることを特徴とするテレビカメラ装置。 - 電動雲台を制御しテレビカメラの撮像方向をプリセットする方式のテレビカメラ装置における位置補正方法において、
前記電動雲台の制御をオープンループ方式とフィードバック方式に切換えて実行する制御ステップと、前記フィードバック方式による制御において設定される不感帯の幅をAとB(A<B)に切換える切換ステップとを備え、
前記制御ステップは、
前記オープンループ方式によるプリセット制御を実行してから前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置に制御するステップと、プリセット位置に停止後は前記フィードバック方式によるプリセット制御を実行してプリセット位置の補正を行うステップとを有し、
前記切換ステップは、
前記オープンループ方式によるプリセット制御の後での前記フィードバック方式によるプリセット制御においては前記不感帯の幅Aを設定するステップと、前記プリセット位置に停止後の前記フィードバック方式によるプリセット制御により行われるプリセット位置の補正においては前記不感帯の幅Bを設定するステップとを有する
ことを特徴とする位置補正方法。
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