JP5074280B2 - タンクローリ車の荷卸しシステム - Google Patents

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Description

本発明はタンクローリ車の荷卸しシステムに係り、特にタンクローリ車のハッチに積込まれた燃料の種別と荷卸しされるタンクの燃料の種別とが一致することを確認して燃料の荷卸しを開始するタンクローリ車の荷卸しシステムに関する。
油槽所からガソリンスタンド等へ油液を配送するための配送手段としては、一般にタンクローリ車が使用されている。
タンクローリ車のタンクは、複数のハッチに仕切られており、各ハッチには配送先の注文に応じて例えば1番のハッチにはガソリン、2番のハッチには軽油、3番のハッチには灯油といった具合に各ハッチごとに異なる液種の油液を積込むことができる。
タンクローリ車は、油槽所で燃料供給所等から注文のあった液種、数量を積み込まれる。その際、タンクローリ車の運転者は、予約のあった配送先、液種、数量、積み込むべきハッチ番号等が記載された伝票に基づいて各ハッチに油液を積み込む。そして、燃料供給所に到着すると、運転者は伝票に記載された配送先、液種、数量、ハッチ番号を確認すると共に地下タンクの液種を確認して燃料供給所の地下タンクに荷卸しする。
ところが、燃料供給所において、上記のような方法で油液の荷卸し作業を行う場合、運転者が伝票の記載事項を読み間違えるおそれがある。そのため、人為的ミスにより、例えばガソリンを荷卸しすべき地下タンクに誤って軽油を荷卸してしまう可能性があった。このように、タンクローリ車のハッチに積み込まれた液種を間違って認識した場合、そのことに気づかずに燃料供給所の地下タンクへ荷卸すると、地下タンクで異液種混合事故(コンタミネーション)が生じてしまう。
このような、地下タンクでの異液種混合事故を防止するため、例えば、地下タンクの燃料供給口に液種データを記憶された無線タグ(タンク情報送信手段)が設けられ、荷卸しホース側には無線タグから送信された液種データを読み取るデータ読取り器(タンク情報受信手段)が設けられたタンクローリ車の荷卸しシステムがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、データ読取り器により読み取った地下タンクの液種データと荷卸ししようとするハッチの液種データとが合致した場合に、指定したハッチからの荷卸しが許可されて荷卸しが開始される。
特開2007−84135号
ここで、荷卸しホースと地下タンクの燃料供給口との口径が異なる場合や燃料供給所における燃料供給口の設置位置の問題などから、荷卸しホースと地下タンクの燃料供給口とを接続できない(或いは接続が難しい)場合がある。そして、この場合には、荷卸しホースと地下タンクの燃料供給口とを接続する(或いは容易に接続可能とする)ために、アダプタを利用して荷卸しホースと地下タンクの燃料供給口とを接続することになる。
しかし、アダプタを利用して荷卸しホースと地下タンクの燃料供給口とを接続した場合、荷卸しホースに設けられたデータ読取り器と燃料供給口に設けられた無線タグとの距離が長くなることに起因して、データ読み取り器で無線タグより送信された液種データが読み取れなくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したタンクローリ車の荷卸しシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
請求項1に係る本発明は、タンクに燃料を荷卸しする際に使用される燃料供給口に設けられ、当該タンクに関する情報をタンク情報として記憶し、データ要求信号を受信した場合に当該タンク情報を無線で送信するタンク情報送信手段と、
前記タンクに荷卸しをするための燃料を貯留するタンクローリ車に設けられ、前記タンク情報送信手段に対してデータ要求信号を送信し、前記タンク情報送信手段から送信されたタンク情報を受信するタンク情報受信手段と、
を有し、
前記タンクローリ車に積込まれた燃料を前記荷卸しホースを介して前記タンクの前記燃料供給口に荷卸しする際、前記荷卸しホースの先端が接続される燃料供給口のタンクのタンク情報と、当該タンク情報と燃料情報とが所定の関係を有すると判断された場合に前記タンクへの荷卸しを許可するタンクローリ車の荷卸しシステムにおいて、
前記荷卸しホースの長手方向に配線された信号線と、
前記信号線の先端に設けられたホース側コネクタと、
一端に前記タンクの燃料供給口に接続される第1の接続部及び前記第1の接続部を前記燃料供給口の上端接続部に結合させる結合操作レバーが設けられ、他端に前記荷卸しホースが接続される第2の接続部及び前記荷卸しホースの端部に結合させるホース結合部レバーが設けられ、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間がく字状に曲げられたアダプタと、
前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの内側に設置され、前記アダプタの第1の接続部が前記タンクの燃料供給口に接続されることにより、前記タンク情報送信手段と通信可能に対向して送受信を行なうアンテナ部材と、
前記アダプタの第2の接続部の近傍に設置され、前記ホース結合部レバーにより前記第2の接続部が前記荷卸しホースの先端に結合された状態で前記ホース側コネクタが接続されるアダプタ側コネクタと、
を有し、
前記荷卸しホースを前記アダプタを介して燃料供給口へ接続する場合、前記第1の接続部を燃料供給口に接続し、前記荷卸しホースを前記第2の接続部に接続して前記ホース側コネクタを前記アダプタ側コネクタに接続し、
前記タンク情報送信手段から送信されたタンク情報は、前記アダプタのアンテナ部材に受信され、前記アダプタ側コネクタと前記ホース側コネクタと前記信号線とを介して前記タンク情報受信手段に受信されることにより、上記題を解決するものである。
また、請求項2に係る本発明は、前記結合操作レバーは、前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの内側に保持された支点により上下方向に回動可能に支持され、前記アンテナ部材の反対側となる前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの外側に配置された操作部を有することにより、上記課題を解決するものである。
本発明によれば、アダプタに荷卸しホースを接続する場合においてもタンク情報を正確に認識することが可能になり、荷卸しによる異液種混合事故(コンタミ)を防止することができ、荷卸し作業の信頼性を高めることができる。さらに、タンクローリ車とアダプタとの間が荷卸しホースによって接続が完了することでタンク情報を読み取ることができるので、タンク情報受信手段がタンク情報を読み取ったことで荷卸しホースの接続作業が正常に行なわれたことを確認することが可能になる。
また、本発明によれば、アンテナ部材がアダプタのく字状に曲げられた曲げの内側に配置され、結合操作レバーの操作部がアダプタのく字状に曲げられた曲げの外側に配置されるため、結合操作レバーの操作部がアンテナ部材と干渉せず、結合操作レバーの操作部の操作性が良好になる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明になるタンクローリ車の荷卸しシステムの一実施例が適用された燃料供給所の概略を示す構成図である。図2はタンクローリ車の後部からみた荷卸し作業を示す図である。尚、図1及び図2では、荷卸しホースが接続されるアダプタ70(図3に示す)を省略してある。
図1及び図2に示されるように、荷卸しシステム10では、燃料供給所の地下タンク21〜23に貯蔵されている燃料の種別である液種を検出する液種検出手段と、タンクローリ車12に積み込まれた液種と燃料供給所の地下タンク21〜23に貯蔵されている液種とが一致するか否かを判別する判別手段と、液種が一致したことが確認できると、当該地下タンクへの荷卸しを許可して荷卸しを開始する荷卸し許可手段とを有する。
例えば、地下タンク21〜23に貯蔵されている燃料の液種は、夫々異なり、地下タンク21にはレギュラーガソリン、地下タンク22にはハイオクガソリン、地下タンク23には軽油といったように予め決められている。これに対し、タンクローリ車12の各ハッチに積み込まれる液種は、決められておらず、積み込みを行う際に注文のあった数量をハッチ容量に応じて割り振ることになるので、各ハッチに積み込まれる液種は毎回異なる場合もある。
タンクローリ車12が燃料供給所に到着すると、運転者(作業員)はハッチの底部に設けられた燃料送出口(吐出口)44,46に荷卸しホース16,18の一端を接続し、荷卸しホース16,18の他端を地下タンク21〜23の燃料供給口24〜26に接続する。
燃料供給口24〜26の外周には、環状に形成されたタンク情報送信手段28〜30が設けられている。タンク情報送信手段28〜30は、例えば、外部からの要求信号に対して各地下タンク21〜23に貯蔵されている燃料の液種に応じたタンク情報を無線で送信する無線タグを有する。
また、タンクローリ車12には、タンク情報送信手段28〜30から送信された液種データを後述する信号伝送経路を介して読み取るタンク情報受信手段(データ読取器)32,33が設けられている。
このタンク情報受信手段32,33は、タンク情報送信手段28〜30とデータ通信を行えるように、基板上に通信プログラムを実行する制御部を有し、タンクローリ車12の走行中の振動が伝播しないように防振構造とされた耐震ケース等に収納されている。なお、本実施例においては、タンク情報受信手段32,33は防振構造とされた耐震ケース等に収納されているが、これに限るものではなく例えば荷卸しコンピュータ34内に内蔵する構成であっても良い。
タンクローリ車12の燃料送出口44,46の近傍には、荷卸しホース16,18の一端に設けられたアンテナ部材100に近接して無線信号を送受信するアンテナ部材106が設けられている。このアンテナ部材106は、信号線108を介してタンク情報受信手段32と接続されている。さらに、燃料供給口24〜26の上端接続部には、タンク情報送信手段28〜30が設けられている。
従って、複数の燃料供給口24〜26が並設されている場所でもタンク情報送信手段28〜30から送信される液種データが混信することがなく、燃料供給口24〜26のうち荷卸しホース16,18が接続された燃料供給口のタンク情報送信手段のみが液種データを送信することができる。
タンク情報受信手段32,33によって読み取られた燃料供給口24〜26の液種データは、車載用の荷卸しコンピュータ34に転送されて入力される。そして、タンクローリ車12の荷卸しコンピュータ34は、タンク情報受信手段32,33から入力された液種データ(タンク情報)がタンクローリ車12の積荷情報(荷卸ししようとするハッチの液種)と一致する場合、ハッチに積み込まれた油液の荷卸しを許可する。
地下タンク21〜23には、各タンク内の油液の貯蔵量を算出するため、液位を計測する液位センサ36が設けられている。液位センサ36から出力された信号は、液面計38を介してタンクローリ車12の荷卸しコンピュータ34に転送される。
タンクローリ車12は、複数のハッチ40a〜40eに仕切られたタンク40を有する。複数のハッチ40a〜40eには、配送先の注文に応じて複数種の油液が積込まれており、例えば1番、2番のハッチ40a,40bにはガソリン、3番、4番のハッチ40c,40dには軽油、5番のハッチ40eには灯油といった具合に各液種が積込まれている。
各ハッチ40a〜40eの底部には、各ハッチ40a〜40eに積み込まれた油液を荷卸ろしする際に荷卸しコンピュータ34により開閉制御される底部開閉弁42a〜42eが設けられている。底部開閉弁42a〜42eのうち前側(運転席側)に配設された1番、2番の底部開閉弁42a,42bは、第1の燃料送出口44に並列接続されている。また、底部開閉弁42a〜42eのうち後側に配設された3番から5番の底部開閉弁42c〜42eは、第2の燃料送出口46に並列接続されている。
さらに、第1の燃料送出口44、第2の燃料送出口46の上流側管路には、夫々第1の電磁弁48、第2の電磁弁50が配設されている。タンクローリ車12の運転席には、前述した車載用の荷卸コンピュータ34が設けられている。そして、この荷卸コンピュータ34は、荷卸しするハッチの液種と、荷卸しされる地下タンクの液種とが一致した場合に開弁信号を出力し、底部開閉弁42a〜42eのうち当該ハッチに対応する底部開閉弁と第1の電磁弁48または第2の電磁弁50とを開弁させて荷卸しを開始する。なお、本実施例においては底部開閉弁42a〜42e、第1の電磁弁48、第2の電磁弁50は全て荷卸コンピュータ34よりの開弁信号に基づき開弁するように構成されているが、第1の電磁弁48及び第2の電磁弁50には手動による開閉弁を採用し、これらの弁を手動で開弁させるようにしても良い。
図3は荷卸しホース16を拡大して示す図である。尚、荷卸しホース16,18は、同一構成であるので、以下では一方の荷卸しホース16の構成について説明する。
図3に示されるように、荷卸しホース16は、可撓性を有するホース170と、ホース170の一端に設けられたタンクローリ車側の接続金具180と、ホース170の他端に設けられた燃料供給口側の接続金具190とを有する。
タンクローリ車側の接続金具180は、タンクローリ車12に設けられた燃料送出口44の挿入部44aが挿入される挿入部182と、燃料送出口44を係止するための燃料送出口結合部レバー184を有すると共に、挿入部182の外周に一方のアンテナ部材100が固定されている。
燃料供給口側の接続金具190は、アダプタ70(図4参照)に挿入される挿入部192を有し、挿入部192の根元部分の外周には、アンテナ保持部材102が締結金具103により取り付けられている。アンテナ保持部材102は、アダプタ70を使用しない場合に燃料供給口24に設けられたタンク情報送信手段28と送受信を行なうアンテナ部材102aを有する。このアンテナ部材102aは、微弱電波により無線信号を送受信する。アンテナ部材100,102aは、例えば、プリント基板上にアンテナパターンと信号を送受信するための制御回路とが形成された平板状の部材からなり、タンク情報受信手段32,33とタンク情報送信手段28〜30との間でやりとりする信号を送受信するための信号伝送経路を形成している。また、アンテナ部材100には、荷卸しホース16,18の外側に沿って配設された信号線104の一端が電気的に接続されている。
信号線104の他端には、ホース側コネクタ105が設けられている。このホース側コネクタ105は、荷卸しホース16,18の他端外周に取り付けられているアンテナ保持部材102のコネクタ102bに接続されている。また、荷卸しホース16をアダプタ70に接続する場合、ホース側コネクタ105は、後述するようにアンテナ部材102のコネクタ102bから引き抜かれた後、アダプタ側コネクタ110に接続される。
従って、荷卸しホース16は、タンクローリ車12の燃料送出口44と燃料供給口24〜26との間を連通するための送液通路を形成すると共に、タンク情報送信手段28〜30から送信されたタンク情報のデータをタンクローリ車12に搭載されたタンク情報受信手段32,33に伝送するための信号伝送経路を形成する。
このように、地下タンク20〜23のタンク情報送信手段28〜30から送信されるタンク情報を地下タンク20〜23から離れたタンクローリ車側のタンク情報受信手段32に伝達して異液種混合事故を防止するシステムの信頼性を高めることが可能になる。従って、荷卸しホース16にタンク情報受信手段32を設けないため、例えば、荷卸しホース16の接続作業時にタンク情報受信手段32をアダプタ70等に当接させて損傷させたり、あるいはタンクローリ車12の走行中に荷卸しホース16がホース収納部の内壁に当接して損傷することが防止される。さらに、タンクローリ車12と燃料供給口24〜26との間が荷卸しホース16によって接続が完了することでタンク情報を読み取ることができるので、タンク情報受信手段32がタンク情報を読み取ったことから荷卸しホース16の接続作業が正常に行なわれたことを確認することが可能になる。
尚、上記説明では、一方の荷卸しホース16が接続される場合について説明したが、他方の荷卸しホース18を接続した場合も同様にタンク情報受信手段33とタンク情報送信手段28〜30との間の通信が可能となる。
運転者が荷卸しホース16,18の他端を燃料供給口24〜26に接続する接続作業を行うことにより、荷卸しホース16,18の一端に設けられたアンテナ部材100がタンクローリ車12側のアンテナ部材106に対して通信可能な距離に近接し、荷卸しホース16,18の他端に設けられたアンテナ部材102が燃料供給口24〜26の上端接続部に設けられたタンク情報送信手段28〜30に対して通信可能な距離に近接することになる。
そのため、タンク情報受信手段32,33は、上記アンテナ部材100,102,106及び信号線104,108からなる信号伝送経路を介して燃料供給口24〜26のうち接続された当該燃料供給口のタンク情報送信手段28〜30に対して液種データ(種別データ)を要求する要求信号を送信する。例えば、荷卸しホース16の他端が燃料供給口24に接続された場合は、タンク情報受信手段32から液種データ要求信号が燃料供給口24に設けられたタンク情報送信手段28に送信される。
燃料供給所によって燃料供給口24〜26の形状が異なる場合、あるいは荷卸しホース16,18の剛性により荷卸しホース16,18の端部が燃料供給口24〜26に届かない場合がある。その場合、荷卸しホース16,18を直接燃料供給口24〜26に接続することができないので、図4に示されるように、アダプタ70の一端(下端)を燃料供給口24〜26に接続し、荷卸しホース16,18をアダプタ70の他端(上端)に接続する。
次に、燃料供給口24〜26、アダプタ70の構成について説明する。尚、燃料供給口24〜26は、夫々同一構成であるので、以下では燃料供給口24の構成について説明する。図4は燃料供給口24にアダプタ70を接続する作業を示す図である。図5は燃料供給口24にアダプタ70を接続完了した状態を示す図である。
図4及び図5に示されるように、燃料供給口24は、燃料供給所の地面を覆うコンクリート層から立ち上げられており、その外周には環状に形成されたタンク情報送信手段28が設けられている。
ここで、図4以降の図面では、燃料供給口24と荷卸しホース16とを、直接接続することが出来ない場合に、アダプタ70を介して両部材が結合される。よって、まずは、このアダプタ70についての説明し、その後に燃料供給口24の構成を説明する。なお、このアダプタ70は、荷卸しホース16のホース接続口と燃料供給口24の形状が合わないためにホース接続口と燃料供給口24とを接続することができない場合に使用されるもので、タンクローリ車12に備えられたものである。よって、ホース接続口と燃料供給口24の形状が合う場合には、燃料供給口24と荷卸しホース16とを直接接続するようにしても良い。
図5はアダプタ70の構成を示す側面図である。図5に示されるように、アダプタ70は、く字状に曲げられた管路からなり、下端側接続部72の外周にタンク情報送信手段28と無線信号によるデータの送受信を行なうアンテナ保持部材120が締結金具121,122により取り付けられている。
このアンテナ保持部材120は、下方に対する電波の送受信を行なうことができるので、燃料供給口24の外周に配置された環状のタンク情報送信手段28と無線信号によるデータ伝送が可能となる。
アダプタ70の上端接続部76には、荷卸しホース16の他端が接続されるホース結合部レバー78が設けられており、上端接続部76の外周にはアダプタ側コネクタ部材110が締結金具111により取り付けられている。このアダプタ側コネクタ部材110は、荷卸しホース16の信号線104の先端に設けられたホース側コネクタ105が電気的に接続される。なお、アダプタ側コネクタ110は、防爆構造になっている。
さらに、アダプタ70の外側には、アダプタ側コネクタ部材110,アンテナ保持部材120間を電気的に接続する信号線112が密着するように装架されている。そのため、荷卸しホース16をアダプタ70に接続すると共に、ホース側コネクタ105をアダプタ側コネクタ部材110に接続することで、荷卸しホース16が接続された燃料供給口24のタンク情報が送受信され、タンクローリ車12の車載コンピュータ34では、荷卸しホース16が燃料供給口24に接続されたことを認識することが可能になると共に、地下タンク21の種別とタンクローリ車12のハッチの種別とが一致するか否かを判定することが可能になる。
ここで、アンテナ保持部材120の取付構造について説明する。図6Aは図5中A−A線に沿う横断面図である。図6Bは図5中B−B線に沿う横断面図である。図6Cは図5中C−C線に沿う横断面図である。図6Dは図5中D−D線に沿う横断面図である。
図5及び図6Aに示されるように、アンテナ保持部材120は、上端が締結金具121によりアダプタ70の外周に締結されている。締結金具121は、U字状ボルト121aと、U字状ボルト121aの両端に結合されるアンテナ保持部材121bと、U字状ボルト121aの両端に螺合されるナット121cとからなる。
アンテナ保持部材120の下端には、円形基板に搭載されたアンテナ部材124が設けられている。このアンテナ部材124は、燃料供給口24の周囲に取り付けられたタンク情報送信手段28の上面に対向するように保持されている。また、アンテナ保持部材120は、円筒形状に形成されたケースの内部に弾性を有する樹脂材125が充填されており、樹脂材125の下面にアンテナ部材124を実装してなる。アンテナ部材124、樹脂材125によって外部からの振動が緩衝されるように取り付けられている。
図5及び図6Bに示されるように、下端側接続部72には、燃料供給口24の上端接続部60に結合するための結合操作レバー74が設けられている。この結合操作レバー74は、操作部74aが上下方向に回動操作され、回動支点となる反対側の支点74bがアダプタ70の外周に連結されている。そして、アンテナ保持部材120は、結合操作レバー74の回動操作を邪魔しないように、支点74bと接触しないように凹部126が形成されている。
図5及び図6Cに示されるように、アンテナ保持部材120は、下端が締結ベルト122によりアダプタ70の外周に締結されている。アンテナ保持部材120は、アダプタ70の下端外周より外側に突出した位置に保持されている。
図5及び図6Dに示されるように、燃料供給口24の周囲に取り付けられたタンク情報送信手段28は、リング状に形成された基板28aの上面全周にアンテナ28bが形成され、さらにアンテナ28bに無線タグ28cが埋め込まれている。無線タグ28cは、ICチップと信号の送受信を行うアンテナを同一の基板上に形成したデータ通信手段である。
また、タンク情報送信手段28は、燃料供給口24の外周より半径方向に延在する一対のブラケット128により水平状態に支持され、燃料供給口24と同心円状となるように設けられている。これにより、タンク情報送信手段28のアンテナ28bの一部がアンテナ保持部材120の下面に保持されたアンテナ部材124と通信可能な距離で対向する。
そのため、タンク情報送信手段28は、無線タグ28cがアンテナ部材124と対向しない位置にあってもアンテナ部材124と送受信が可能となり、タンクローリ車12に搭載されたタンク情報受信手段32からのデータ要求信号をアンテナ保持部材120下面のアンテナ部材124から受信すると、予め登録された液種データを含むタンク情報の無線信号をアンテナ部材124に対して送信することができる。
図7はタンクローリ車12の燃料送出口44を拡大して示す図である。図7に示されるように、タンクローリ車12の燃料送出口44は、荷卸しホース16の接続金具に挿入される挿入部44aを有し、挿入部44aの根元部分の外周には、前述したアンテナ部材106が設けられている。そして、タンクローリ車12に搭載されたタンク情報受信手段32,33は、防振ケース160に収納されており、信号線108を介してアンテナ部材106に接続されている。
ここで、上記荷卸しホース16を接続してタンクローリ車12に積込まれた油液を地下タンク21に荷卸しする場合の作業について説明する。
図8はアダプタ70を燃料供給口24に接続した後、荷卸しホース16を接続した状態を示す図である。図8に示されるように、タンクローリ車12の運転者は、まず荷卸しホース16の接続金具180の挿入部182をタンクローリ車12の燃料送出口44の挿入部44aに挿入させ、この挿入状態で燃料送出口結合部レバー184を係止位置に回動操作する。これにより、荷卸しホース16の接続金具180は、燃料送出口44に結合されると共に、ホース側のアンテナ部材100とタンクローリ車側のアンテナ部材106とが通信可能な相対位置に保持される。
続いて、アダプタ70を燃料供給口24に接続し、荷卸しホース16の接続金具190をアダプタ70の上端接続部76に接続する。すなわち、接続金具190の挿入部192を上端接続部76に挿入し、この挿入状態でアダプタ70のホース結合部レバー78を回動操作して接続金具190を係止する。これにより、荷卸しホース16の接続金具190は、アダプタ70を介して燃料供給口24に結合される。
続いて、荷卸しホース16の信号線104のホース側コネクタ105をアンテナ部材102のコネクタ102bから引き抜いた後、アダプタ70のアダプタ側コネクタ110に接続される。
このように荷卸しホース16及びホース側コネクタ105とアダプタ側コネクタ110の接続作業が終了した後、運転者はタンクローリ車12に設置された荷卸し開始スイッチをオンに操作してタンクローリ車12に積込まれた油液の荷卸しを開始させる。
尚、上記説明では、荷卸しホース16の一方の接続金具180を先に接続し、その後他方の接続金具190を接続するようにしたが、これとは逆の順番で、即ち、接続金具190を先に接続し、その後、一方の接続金具180を接続するようにしても良い。
次に、荷卸しホース接続後にタンクローリ車12の荷卸しコンピュータ34が実行する荷卸し制御処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。
図9に示されるように、作業者は荷卸しの開始に先立って、荷卸しコンピュータ34の電源スイッチをオン操作する。これにより荷卸しコンピュータ34は起動し、タンク情報要求信号をタンク情報受信手段32からタンク情報送信手段28に向けて送信させる。このタンク情報要求信号は、前述した信号線108、アンテナ部材106,100、信号線104、ホース側コネクタ105、アダプタ側コネクタ110、信号線112、アンテナ保持部材120からなる送信経路を介してタンク情報送信手段28に送信される。
タンク情報送信手段28は、タンク情報受信手段32から送信されたタンク情報要求信号を受信すると、当該地下タンク21のタンク情報(液種情報、タンク番号を含む)を前述のタンク情報要求信号の送信経路を介してタンク情報受信手段32へ送信する(S11)。
次のS12では、荷卸し前にタンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信したか否かをチェックする。S12において、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信しない場合(NOの場合)、S13に進み、荷卸しホース16が未接続であると認識し、警報を発して運転者にホース未接続を報知する(S14)。
また、上記S12において、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信した場合(YESの場合)には、S15に進み、タンク情報送信手段28からのタンク情報から得られた液種とタンクローリ車12の荷卸するハッチの液種とが一致するか否かを照合する。
そして、S15において、タンク情報送信手段28からのタンク情報から得られた液種とタンクローリ車12の荷卸するハッチの液種とが一致したときは(YESの場合)、S16に進み、タンクローリ車12に搭載された底部開閉弁42a〜42e、第1の電磁弁48、第2の電磁弁50のうち、荷卸しを行なおうとするハッチに対応する底部開閉弁、及び電磁弁を開弁させる。これで、タンクローリ車12に積込まれた油液の荷卸しが開始される。また、S15において、タンク情報送信手段28からのタンク情報から得られた液種とタンクローリ車12の荷卸するハッチの液種とが不一致のときは(NOの場合)S17に進み、警報を発して荷卸しを行なわない。これにより、地下タンク21における異液種混合事故を防止することができる。
次のS18では、荷卸し中にタンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信しているか否かをチェックする。S18において、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信した場合(YESの場合)には荷卸し中であることを検出してS18の処理を繰り返し、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信なくなったことが検出された場合(NOの場合)には荷卸しが終了したことを検出し(S19)、前述のS17で開弁した底部開閉弁及び電磁弁を閉弁させる(S20)。そして、S21に進み、荷卸し終了を所定時間表示させ、処理を終了する。ここで、本実施例では、荷卸しの終了をタンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信なくなったこと、即ち、作業者が荷卸しホース16を燃料供給口24より外したことを検出することにより荷卸しの終了を検出しているが、荷卸しの検出の仕方はこれに限るものではなく、例えば、地下タンク21に設けられた液面計38の液位データが変化しなくなった場合にこれを検出して荷卸しが完了したものと判断し、荷卸しの完了を報知し、その後、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28からのタンク情報を受信なくなったこと、即ち、作業者が荷卸しホース16を燃料供給口24より外したことを検出した場合には、次の荷卸しに備えるべく前述のS12の処理に移行させることにより、S15の処理に移行S15においてホース未接続を報知するようにしてもよい。
このように、荷卸しホース16の一端をタンクローリ車12の燃料送出口44に接続し、荷卸しホース16の他端を燃料供給口24のアダプタ70に接続(或いは燃料供給口24に直接接続)すると共に、ホース側コネクタ105をアダプタ側コネクタ110に接続することで、燃料供給口24の液種情報をタンク情報受信手段32に伝送できるので、荷卸しコンピュータ34は、タンクローリ車12から荷卸しする液種と地下タンク21の液種とが一致することを確認することが可能になる。これと同時に、荷卸しコンピュータ34は、タンク情報受信手段32がタンク情報送信手段28から送信されたタンク情報を受信したことで、荷卸しホース16の接続作業が正確に行なわれたことを認識することができる。
ここで、アダプタ70を用いない場合の荷卸し方法について説明する。尚、当然ではあるが、アダプタ70を用いない場合には、荷卸し時におけるアダプタ70の装着脱作業は不要である。
図10は荷卸しホース16を燃料供給口24に直接接続する荷卸し方法を示す図である。図10に示されるように、アダプタ70を用いない荷卸し方法においては、燃料供給口24の上端接続部60に荷卸しホース16の他端が接続されるホース結合部レバー78が設けられている。そして、信号線104のホース側コネクタ105は、荷卸しホース16の他端側に取り付けられたアンテナ保持部材102のコネクタ102bに接続される。
これにより、荷卸しホース16の接続金具190を直接燃料供給口24の上端接続部60に嵌合させてホース結合部レバー78を回動操作することで両部材を結合すると共に、荷卸しホース16のアンテナ保持部材102のアンテナ部材102aと燃料供給口24のタンク情報送信手段28とが通信可能な相対位置に保持される。
そのため、データ読取器32は、荷卸しホース16の接続作業が完了すると、上記アンテナ部材100、信号線104、ホース側コネクタ105、アンテナ保持部材102のコネクタ102b、アンテナ部材102aからなる信号伝送経路を介して燃料供給口24〜26のうち接続された当該燃料供給口のタンク情報送信手段28〜30に対して液種データ(種別データ)を要求する要求信号を送信する。これに対し、タンク情報送信手段28〜30は、タンク情報受信手段32からのデータ要求信号を受信すると、予め登録された液種データを含むタンク情報の無線信号を上記アンテナ部材102aに送信し、上記信号伝送経路を介してタンク情報受信手段32に送信する。
これにより、上記アダプタ70を用いた場合と同様に、タンク情報受信手段32が損傷することを防止でき、地下タンク20〜23のタンク情報送信手段28〜30から送信されるタンク情報を地下タンク20〜23から離れたタンクローリ車側のタンク情報受信手段32に伝達して異液種混合事故を防止するシステムの信頼性を高めることが可能になる。さらに、タンクローリ車12と燃料供給口24〜26との間が荷卸しホース16によって接続が完了することでタンク情報を読み取ることができるので、タンク情報受信手段32がタンク情報を読み取ったことから荷卸しホース16の接続作業が正常に行なわれたことを確認することが可能になる。
尚、上記アダプタ70を用いない荷卸し方法の説明では、一方の荷卸しホース16が接続される場合について説明したが、他方の荷卸しホース18を接続した場合も同様にタンク情報受信手段33とタンク情報送信手段28〜30との間の通信が可能となる。
上記実施例では、タンクローリ車のハッチに積込まれた燃料を燃料供給所の地下タンクに荷卸しする場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、燃料供給所以外の地下タンクに荷卸しする場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
また、上記実施例で示したガソリンや軽油などの油液以外の液体燃料を荷卸しする場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
また、上記実施例では、タンク情報送信手段としての無線タグを燃料供給口の外周に配置した構成を一例として挙げたが、無線タグ以外のタンク情報送信手段を燃料供給口に設ける構成のものも本発明に含まれるのは勿論である。
本発明になるタンクローリ車の荷卸しシステムの一実施例が適用された燃料供給所の概略を示す構成図である。 タンクローリ車の後部からみた荷卸し作業を示す図である。 荷卸しホース16を拡大して示す図である。 燃料供給口24にアダプタ70を接続する様子を示す側面図である。 燃料供給口24にアダプタ70を接続完了した状態を示す図である。 図5中A−A線に沿う横断面図である。 図5中B−B線に沿う横断面図である。 図5中C−C線に沿う横断面図である。 図5中D−D線に沿う横断面図である。 タンクローリ車12の燃料送出口44を拡大して示す図である。 アダプタ70を燃料供給口24に接続した後、荷卸しホース16を接続した状態を示す図である。 荷卸コンピュータ34が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 荷卸しホース16を燃料供給口24に直接接続する荷卸し方法を示す図である。
符号の説明
10 荷卸しシステム
21〜23 地下タンク
16,18 荷卸しホース
24〜26 燃料供給口
28〜30 タンク情報送信手段
44,46 燃料送出口
32,33 タンク情報受信手段
34 荷卸しコンピュータ
38 液面計
40 タンク
44 第1の燃料送出口
46 第2の燃料送出口
48 第1の電磁弁
50 第2の電磁弁
70 アダプタ
76 上端接続部
78 ホース結合部レバー
100,102a,106,124 アンテナ部材
102 アンテナ保持部材
102b コネクタ
105 ホース側コネクタ
110 アダプタ側コネクタ
120 アンテナ保持部材
104,108,112 信号線
130 収納ボックス
160 防振ケース
180,190,190A 接続金具

Claims (2)

  1. タンクに燃料を荷卸しする際に使用される燃料供給口に設けられ、当該タンクに関する情報をタンク情報として記憶し、データ要求信号を受信した場合に当該タンク情報を無線で送信するタンク情報送信手段と、
    前記タンクに荷卸しをするための燃料を貯留するタンクローリ車に設けられ、前記タンク情報送信手段に対してデータ要求信号を送信し、前記タンク情報送信手段から送信されたタンク情報を受信するタンク情報受信手段と、
    を有し、
    前記タンクローリ車に積込まれた燃料を前記荷卸しホースを介して前記タンクの前記燃料供給口に荷卸しする際、前記荷卸しホースの先端が接続される燃料供給口のタンクのタンク情報と、当該タンク情報と燃料情報とが所定の関係を有すると判断された場合に前記タンクへの荷卸しを許可するタンクローリ車の荷卸しシステムにおいて、
    前記荷卸しホースの長手方向に配線された信号線と、
    前記信号線の先端に設けられたホース側コネクタと、
    一端に前記タンクの燃料供給口に接続される第1の接続部及び前記第1の接続部を前記燃料供給口の上端接続部に結合させる結合操作レバーが設けられ、他端に前記荷卸しホースが接続される第2の接続部及び前記荷卸しホースの端部に結合させるホース結合部レバーが設けられ、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間がく字状に曲げられたアダプタと、
    前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの内側に設置され、前記アダプタの第1の接続部が前記タンクの燃料供給口に接続されることにより、前記タンク情報送信手段と通信可能に対向して送受信を行なうアンテナ部材と、
    前記アダプタの第2の接続部の近傍に設置され、前記ホース結合部レバーにより前記第2の接続部が前記荷卸しホースの先端に結合された状態で前記ホース側コネクタが接続されるアダプタ側コネクタと、
    を有し、
    前記荷卸しホースを前記アダプタを介して燃料供給口へ接続する場合、前記第1の接続部を燃料供給口に接続し、前記荷卸しホースを前記第2の接続部に接続して前記ホース側コネクタを前記アダプタ側コネクタに接続し、
    前記タンク情報送信手段から送信されたタンク情報は、前記アダプタのアンテナ部材に受信され、前記アダプタ側コネクタと前記ホース側コネクタと前記信号線とを介して前記タンク情報受信手段に受信されることを特徴とするタンクローリ車の荷卸しシステム。
  2. 前記結合操作レバーは、前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの内側に保持された支点により上下方向に回動可能に支持され、前記アンテナ部材の反対側となる前記アダプタのく字状に曲げられた曲げの外側に配置された操作部を有することを特徴とする請求項1に記載のタンクローリ車の荷卸しシステム。
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