本実施形態に係るマッサージ機は、座部に対して前後揺動自在に取付けられた背もたれ部と、前記背もたれ部に上下昇降可能及び前後進退可能に配設した施療部と、この施療部及び/又は前記背もたれ部を操作する操作部と、この操作部と有線又は無線により接続され、当該操作部による操作に応じて前記施療部及び/又は前記背もたれ部の動作を制御する制御部と、を備えたものにおいて、前記操作部はモーションセンサを備え、前記制御部は、前記操作部の動きに対する前記モーションセンサの検知結果に応じて、前記施療部及び/又は前記背もたれ部に所定の動作を実行させるようにしている。
すなわち、これまでのマッサージ機の一般的な操作部のように、複数のスイッチやボタンなどを操作するのに代えて、操作部を使用者が動かすことにより、その動き(モーション)をモーションセンサが検知し、その検知結果に応じて施療部が所定のマッサージ動作を行ったり、前記背もたれ部が所定のリクライニング動作を行ったりするのである。
したがって、使用者、マッサージ機の動作を直観的に操作することが可能となり、操作性が著しく向上する。
本実施形態におけるモーションセンサは、加速度センサ、角速度センサとしての機能を備えるとともに、重力を感知して角度の検出も可能であり、近年、様々な分野で用いられる周知のセンサを用いることができる。
また、上記構成に加え、前記座部に対して前後揺動自在に取付けられ、前記制御部により、前記操作部の動きに対する前記モーションセンサの検知結果に応じて揺動動作する脚載部をさらに備えたマッサージ機とすることもできる。
近年の椅子型のマッサージ機は、所謂「オットマン」と呼ばれる上下揺動自在な脚載部を具備し、この脚載部にも機械的な施療部やエアセルなどを備える施療部を設けて、下肢部分のマッサージも行えるようにしたものも多い。そこで、前記モーションセンサを用いて、この脚載部の動作についても操作部の動きによって動作できるようにするのである。
また、前記操作部は、前記モーションセンサを備えるとともに、有線又は無線により前記制御部と接続され、使用者が把持して操作可能なリモートコントローラと、前記リモートコントローラを保持する保持手段を有するとともに、前記座部又は前記背もたれ部に連結され、前記保持手段に前記リモートコントローラを保持した状態で3次元的に可動するリモートコントローラ保持部と、を備えた構成とすることができる。
すなわち、リモートコントローラ(以下「リモコン」という)は、使用者が手で把持可能なサイズのものとし、それ自体を操作部として使用することができ、例えばリモコンを使用者が手に持って、例えば、前後左右にそれぞれ倒したり、振ったりすれば、内蔵したモーションセンサがリモコンの動きを検知し、リモコンと有線又は無線で接続された制御部において、モーションセンサの検知結果に応じた動作、すなわち、施療部による所定のマッサージ動作や、背もたれ部や脚載部が所定の角度でリクライニング動作するのである。
また、上述したように、操作部としての概念を、リモコンに加え、これを保持するリモコン保持部も備えたものとした場合、リモコンを手に持って操作するのではなく、リモートコントローラ保持部(以下「リモコン保持部」という)に保持させた状態で操作することもできるのである。
すなわち、リモコン保持部は、保持手段にリモコンを保持させた状態で、保持手段ごとリモコンを前後左右にそれぞれ倒したり、振ったりすることが可能なように、3次元的に可動する構成としてあり、その結果、リモコンを手にして動かす場合に比べ、静止状態と動作中との区別がつきやすく、モーションセンサによる誤検知を可及的に防止することが可能となる。
なお、上述してきたリモコンには、一般的なスイッチやボタンなども設けておき、このスイッチやボタンなどによってもマッサージ機の操作を行えるようにするとよい。さらには、液晶パネルなどを設けて、マッサージ機の状態や操作ガイドなどを画像表示可能にしておくとなおよい。
ところで、リモコンとリモコン保持部とからなる操作部とした場合には、前記リモコンを前記保持手段に保持させた場合に限り、前記モーションセンサによる検知結果を前記制御部の制御動作に反映させるセンサ受付手段を備える構成とすることが望ましい。
すなわち、モーションセンサを用いて操作する場合は、リモコンをリモコン保持部に保持した状態でのみに限定するのである。こうすれば、モーションセンサによる誤検知をより確実に防止することが可能となる。
また、他の実施形態として、前記操作部は、有線又は無線により前記制御部と接続され、使用者が把持して操作可能なリモートコントローラ(リモコン)と、前記リモートコントローラ(リモコン)を保持する保持手段を有するとともに、前記座部又は前記背もたれ部に連結され、前記保持手段に前記リモートコントローラ(リモコン)を保持した状態で3次元的に可動するリモートコントローラ保持部(リモコン保持部)と、を備え、前記モーションセンサを前記リモートコントローラ保持部(リモコン保持部)に設け、前記モーションセンサの検知結果を、前記リモートコントローラ(リモコン)を介して前記制御部に通信可能とすることもできる。
すなわち、リモコンをリモコン保持部に保持させて使用するのであれば、モーションセンサは必ずしもリモコン側に設けておかなければならない理由はなく、リモコン保持部側に設けることもできるのである。
この場合は、例えばリモコンを手に取った場合は、前記したボタンやスイッチなどによる操作を行い、リモコンをリモコン保持部に保持させた状態では、保持手段ごとリモコンを前後左右にそれぞれ倒したり、振ったりすることにより、モーションセンサの検知結果に応じた動作制御を可能にすればよいのである。
さらに、上述した構成において、前記操作部(リモコン又はリモコン保持部)に設けたモーションセンサに加え、前記背もたれ部、前記施療部、前記脚載部のうち、少なくとも一に別途モーションセンサを配設することができる。
従来、背もたれ部や脚載部や施療部のように、その位置が変化する被操作部については、駆動部の回転軸にロータリーエンコーダなどを配設して対応することが一般的であったが、モーションセンサに代えることによって、その配置場所の自由度が高まるとともに、軽量化が図れ、背もたれ部や脚載部や施療部の設計自由度も向上し、かつマッサージ機全体の軽量化も図ることが可能となる。
また、被操作部にモーションセンサを配設することで、実際の傾きや位置などを制御部が直接的に把握できるため、被操作部の動作制御をより確実に行うことができる。さらに、操作部側と、被操作部側とに同じ構成のモーションセンサを用いれば、操作部側の微妙な動きに対しても追従し、より精緻な動作制御が可能となる。
ところで、前記背もたれ部にモーションセンサを取り付ける場合、使用者の身体と当接する前面側に近接して配設するとよい。
すなわち、背もたれ部を、使用者の身体と当接する側である前面側と、その反対側の後面側とに大きく二分した場合、モーションセンサを前面側に配設するのである。
かかる構成とすれば、使用者が存在して、背もたれ部によりかかった場合と、使用者が不在で背もたれ部に何ら負荷がかからない場合とで、モーションセンサの検知結果が変化することを利用して、モーションセンサを使用者の有無を監視するセンサとして利用することが可能となる。
上述した構成とすることにより、使用者がマッサージ機を利用中に、何らかの用で座部から離れてしまったりしても、使用者が不在となったことを検知して、施療部が動作中であれば停止するなどの制御が可能となり、安全性が著しく向上する。
以下、本実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながら、より具体的に説明する。
図1は本実施形態に係るマッサージ機の外観を示す斜視図、図2は同マッサージ機の側面視による説明図、図3は同マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
本実施形態に係るマッサージ機は、図1及び図2に示すように、被施療者(図示せず)が着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、座部1の後側に前後揺動自在、すなわち、倒伏自在にリクライニングできるように連結された背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部4aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した、所謂オットマンと呼ばれる脚載部4とを具備する椅子型のマッサージ機としている。5,5は座部1の左右側に設けられた肘掛部、6L,6Rは背もたれ部3の左右両側に体側施療部として機能する左・右側壁部、51は肘掛部5の上面に設けられた腕施療部である。また、40は脚載部昇降用モータm6を含む脚載部駆動機構であり、この機構の作用によって、脚載部4の枢支部4aを中心にした昇降に伴い、脚載部4自体が仮想線で示すように、被施療者の脚の長手方向へスライド可能に構成されている。
そして、図2に示すように、背もたれ部3には、縦方向に伸延する左右の縦フレーム30,30を設けており、この縦フレーム30,30に、左右のもみ玉7,7を備えた機械式のマッサージユニット11を昇降自在に配設して、本実施形態における主たる施療部としている。
また、本マッサージ機の施療部としては、前記機械式のマッサージユニット11に加え、エアポンプ25(図3参照)により膨張・収縮して、被施療者を優しくエアマッサージするエアバッグa1〜a8が備えられている。
図1中、a1は背中部用エアバッグ、a2は腰部用エアバッグであり、背もたれ部3の前面側に配設されている。
また、a3は左右の側壁部6L,6Rにそれぞれ配設した体側部用エアバッグ、a4は臀下部用エアバッグ、a5は腿部用エアバッグであり、共に座部1の表面側に配設されている。
また、a6は腕用エアバッグであり、腕施療部51の内面に設けられている。さらに、脚載部4についても、脚上部用エアバッグa7及び脚下部用エアバッグa8が配設されている。
なお、図1に示すように、前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。
ところで、本実施形態における左右の側壁部6L,6Rは、座部1に着座した被施療者の上腕側方となる位置にそれぞれ配設されており、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状の外殻60,60を有している(図2)。
そして、外殻60の基端部側から先端部側にかけて、漸次、外側方に拡開させ、その内側面に前記体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。したがって、かかる2個の体側部用エアバッグa3,a3を同時に膨出させると被施療者の身体に素早くフィットして身体の体側をマッサージあるいは押圧保持することができる。
上記のように構成された右側壁部6Rの外殻60にはリモコン保持部10を取り付けている。そして、このリモコン保持部10にリモートコントローラ(以下「リモコン」という)Rを着脱自在に保持可能としている。
リモコンRは、図3に示すように、制御部Gに無線により接続しており、被施療者は、リモコンRを操作することにより、制御部Gを介して上記マッサージユニット11による各種マッサージ動作やエアバッグa1〜a8によるエアマッサージ動作、また、背もたれ部3のリクライニング動作、さらには脚載部4の昇降動作を行うことができるようになっている。
図3に示すように、制御部Gは、中央演算装置(CPU)G0と、後述する各種プログラムや参照テーブルなどを格納したメモリG1と、各種モータm1〜m6、エアポンプ25などの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、無線通信を可能としたインターフェイスG5を介してリモコンRと接続している。なお、本実施形態では、リモコンRと制御部Gとを無線接続としているが、有線接続であっても構わない。
また、インターフェイスG4を介してマッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、脚載部4の昇降駆動を行う脚載部昇降用モータm6、さらにはエアバッグ用のエアポンプ25と接続している。
なお、昇降用モータm1は、マッサージユニット11を昇降させるためのモータであり進退用モータm2は、マッサージユニット11のもみ玉7,7を前後方向へ進退移動させるためのモータであり、もみ用モータm3は、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。また、このもみ用モータm3にたたき用モータm4を並設しており、たたき用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。
このように、座部1に対して前後揺動自在に取付けられた背もたれ部3と、この背もたれ部3に上下昇降可能及び前後進退可能に配設したマッサージユニット11と、このマッサージユニット11の各種マッサージ動作、背もたれ部3のリクライニング動作、さらには脚載部4の上下昇降動作について被施療者が操作するリモコンRと、このリモコンRと無線により接続され、リモコンRによる操作に応じて各種モータm1〜m6及びエアポンプ25(図3参照)を制御する制御部Gとを備え、リモコンRにより被施療者がマッサージ機の全般にわたる駆動操作を行えるようにしたマッサージ機において、本実施形態の特徴となるのは以下のように構成したことにある。
すなわち、リモコンRがモーションセンサms1を備えており、制御部Gは、リモコンRの動きに対する前記モーションセンサms1の検知結果に応じて、前記各種モータm1〜m6、エアポンプ25などのアクチュエータの中から、予め割り付けられたアクチュエータを制御して、背もたれ部3のリクライニング動作、さらには脚載部4の昇降動作やマッサージ動作を実行するように構成した点に特徴がある。
本実施形態におけるモーションセンサms1は、加速度センサ、角速度センサとしての機能を備えるとともに、重力を感知して角度の検出も可能であり、近年、様々な分野で用いられている半導体からなる周知のセンサを用いている。
図4及び図5はリモコンRとリモコン保持部10の説明図であり、リモコンRは、これまでのマッサージ機の一般的な操作のように、複数のスイッチやボタンなどを操作するのではなく、図4の矢印d1〜d3で示すように、リモコンRを被施療者が前後左右、あるいは上下に動かす(倒したり、揺らしたり、叩いたり、又は上下動させる)ことにより、その動き(モーション)をモーションセンサms1が検知し、その検知結果に応じて制御部Gが各種モータm1〜m6、エアポンプ25の駆動を制御するようにしている。
図4に示すように、本実施形態では、リモコンRをリモコン保持部10に保持させた状態で前後左右に倒したり、揺らしたり、叩いたり、又は上下に動かして操作するようにしているが、リモコンRは使用者が手で把持可能なサイズと形状を有しており、被施療者が手に持って同様な操作をすることができる。
いずれにしても、リモコンRに内蔵されたモーションセンサms1がリモコンRの動きを検知し、リモコンRと無線で接続された制御部Gにおいて、モーションセンサms1の検知結果に応じた動作、すなわち、マッサージユニット11による所定のマッサージ動作や、背もたれ部3の所定の角度でリクライニング動作や脚載部4の所定の角度で揺動動作が行える。
ここでは、矢印d1のように、リモコンRを前後方向へ傾けた場合は、制御部Gはリクライニングモータm5を駆動制御することになり、後方へ傾けた場合は背もたれ部3が倒れ、前方へ傾けた場合は起き上がる。その傾斜角度は、リモコンRの傾斜角度と対応している。
また、矢印d2のように、リモコンRを左右方向へ傾けた場合は、制御部Gは脚載部昇降用モータm6を駆動制御することになり、例えば左へ傾けた場合は脚載部4が揺動下降し、右へ傾けた場合は揺動上昇する。その揺動角度は、リモコンRの傾斜角度と対応している。
また、矢印d3のように、リモコンRを上下方向へ押し上げたり押し下げたりした場合は、制御部Gはマッサージユニット11の昇降用モータm1を駆動制御することになり、押し上げた場合はマッサージユニット11が上昇し、押し下げた場合はマッサージユニット11が下降する。
さらに、リモコンRを前面側から叩いた場合は、制御部Gはマッサージユニット11の進退用モータm2を駆動制御して、1回叩くごとに1ピッチずつマッサージユニットが被施療側に進出し、リモコンRを後面側から叩いた場合は、1回叩くごとに1ピッチずつ後退するようになっている。また、リモコンRを上方から叩いた場合は、制御部Gはマッサージユニット11のたたき用モータm4を駆動制御して、叩きマッサージが開始され、下方側から叩いた場合はたたきマッサージ動作が停止する。また、リモコンRを左右方向いずれかから叩いた場合は、制御部Gはエアポンプ25を駆動制御して、左右の側壁部6L,6Rにそれぞれ配設した体側部用エアバッグa3によるエアマッサージが開始され、反対側から叩いた場合はエアマッサージ動作が停止する。さらに、リモコンRを前後方向へ揺らした場合に、もみ用モータm3を駆動制御して、もみマッサージが開始され、リモコンRを左右方向へ揺らした場合にマッサージが停止する。
なお、リモコンRの傾動方向や移動方向と各種モータm1〜m6の制御との対応関係は上述したものに限定されるものではなく、対応関係をどのように割り付けるかは、予め適宜設定しておくことができる。
ここで、図4及び図5を参照しながら、本実施形態におけるリモコンR及びリモコン保持部10の構成についてさらに説明を加える。
図中、101は、背もたれ部3に設けた側壁部6の外郭60(図2参照)に基端を連結した支持アームであり、この支持アーム101の先端に、例えばフレキシブル管からなる可撓性を有する連結桿102を介して保持手段としてのホルダケース103を取り付けてリモコン保持部10を構成している。ホルダケース103は、リモコンRを抱持可能な形状としており、リモコンRは実質的にこのホルダケース103に収容されて安定した状態で保持されることになる。
支持アーム101は、側面視略U字状に形成され、平面視においては、先端側を内側に緩やかに折曲させるとともに、この先端側に形成した鉛直伸延部101aに連結桿102の基端を固設した取付筒101bを嵌合している。そして、この取付筒101bから背もたれ部3側に伸延させた連結桿102の先端に、ホルダケース103の背面下部を固着している。
このように、ホルダケース103の背面下部を、可撓性を有する連結桿102により支持してリモコン保持部10を構成しているため、ホルダケース103にリモコンRを収容した状態で、図4の矢印で示すように、リモコンRの上部に使用者(被施療者)からの外力を作用させて、ホルダケース103ごと3次元的に動かすことが可能となっている。その結果、リモコンRを手にして動かす場合に比べ、静止状態と動作中との区別がつきやすく、モーションセンサms1による誤検知を可及的に防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、連結桿102を、フレキシブル管などの可撓性を有する材料で形成したものとしたが、ゴム質材料などからなる弾性素材で形成することもできる。
この場合、リモコンRをホルダケース103ごと叩いたりした場合、その動作を終えると連結桿102の弾性力によって初期位置に復帰することになる。したがって、1回のモーション(傾動動作や移動動作、たたきによる瞬間的な変位)に対して、モーションセンサms1は各対象部位(背もたれ部3や脚載部4やマッサージユニット11など)の最大移動量と初期位置への復帰を検知するため、1回のモーションに対して各種モータm1〜m6に一定の出力を行わせて一定ピッチで対象部位を移動させるといった制御が容易となる。
また、図5に示すように、上述してきたリモコンRには、一般的なスイッチやボタンなどを備えた操作パネルSを備えており、この操作パネルSからの操作入力によってもマッサージ機の操作を行うことができる。また、操作パネルSの上方位置には液晶表示装置Kなどからなる表示部を設けており、マッサージ機の状態や操作ガイドなどを画像表示することができる。
さらに、リモコンRの頂部から左右側部にかけて、リモコン本体や液晶表示装置Kを保護するカバーMを設けており、当該リモコンRをホルダケース103に収容した状態で傾動させたり、上下移動させたりする場合、被施療者はこのカバーMを把持して操作できるようにしている。カバーMは、グリップ感を向上させるために表面加工されたラバー体などを好適に用いることができる。
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、リモコンRに設けたモーションセンサms1に加え、背もたれ部3、マッサージユニット11、脚載部4それぞれに、他のモーションセンサms2,ms3,ms4を配設している。そして、これらのモーションセンサms2,ms3,ms4は、それぞれ制御部GのインターフェイスG3を介して中央演算装置G0に接続している。
すなわち、背もたれ部3や脚載部4やマッサージユニット11のように、その位置が変化する被操作部に、小型で軽量のモーションセンサms2,ms3,ms4を配設することにより、従来のように各駆動部の回転軸にロータリーエンコーダなどを配設する構成に比較して配設個所の自由度が高まり、背もたれ部3や脚載部4やマッサージユニット11の設計自由度が向上するとともに、マッサージ機全体の軽量化も図ることが可能となる。
また、被操作部にモーションセンサms2,ms3,ms4を配設することで、実際の傾きや位置などを制御部Gが直接的に把握できるため、被操作部の動作制御をより確実に行うことができる。さらに、リモコンRに配設したモーションセンサms1と、他のモーションセンサms2,ms3,ms4を同一仕様のものとすれば、リモコンRの微妙な動きに対する追従性が向上し、被作動部のより精緻な動作制御が可能となる。
なお、ここでは、各被操作部の動きの変化が極力大きく表われる位置、具体的には、背もたれ部3の上部にモーションセンサms2を、マッサージユニット11の上部にモーションセンサms3を、脚載部4の下部にモーションセンサms4を配設しているが、背もたれ部3に配設する場合については、被施療者の身体と当接する前面側に近接して配設することができる。すなわち、図2において仮想線で示すように背もたれ部3の前面側に近接した位置にモーションセンサms2’を配設するのであるが、かかる位置であっても、背もたれ部3の傾動に伴う加速度や角速度、変位角度の検出には差し支えない。
かかる位置に配設したモーションセンサms2’であれば、被施療者が存在して、背もたれ部3によりかかった場合と、被施療者が不在で背もたれ部3に何ら負荷がかからない場合とで、モーションセンサms2’の検知結果が変化すると考えられる。そこで、この変化を利用して、モーションセンサms2’を、被施療者が存在するか否かを監視する監視センサとして利用することも可能となる。
したがって、被施療者がマッサージ機を利用中に、何らかの用で座部1から離れてしまったりしても、被施療者が不在となったことを監視センサとして機能するモーションセンサms2’が検知して、マッサージユニット11やエアバッグa1〜a8が動作中であればこれを停止するなどの制御が可能となり、安全性が著しく向上する。
ここで、図6にリモコン保持部10の変形例を示す。先に説明したリモコン保持部10では、ホルダケース103の背面下部に連結桿102を連結していたが、ここでは、図示するように、ホルダケース103の背面上部位置を連結桿102と連結している。すなわち、リモコンRを吊支した状態としている。
このため、この変形例においては、使用者(被施療者)はホルダケース103の下部を押したりたたいたりしてリモコンRをホルダケース103ごと変位させることになる。
以上、説明してきたように、本実施形態によれば、所定のマッサージ動作を行ったり、背もたれ部3に所定のリクライニング動作を行わせたり、脚載部4を任意に昇降動作させたりする操作を、使用者(被施療者)は直観的に行うことができ、スイッチ操作などが不慣れな者や苦手な者にとっても操作が易しくなり、リモコンRの操作性が著しく向上する。
ところで、図3に示したメモリG1には、メカ的マッサージやエアマッサージを含む複数のマッサージプログラム、メカ的マッサージを実行する際のもみ玉7,7の基準位置等の種々の情報などが格納されており、前記リモコンRに設けた操作パネルSからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組み合わせた複数の自動コースを実行することができる。
すなわち、上述したたたきマッサージを含む、指圧、もみ、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードを、前記マッサージユニット11やエアバッグa1〜a8を駆動して実行させることができ、これらを、適宜、組み合わせた多様なマッサージを実行する複数の自動コースが予めプログラミングされているのである。
手に持ってリモコンRを動かす場合よりも、リモコンRをリモコン保持部10に保持させた状態で動かす方が、モーションセンサms1による誤検知を防止することができる。特に、リモコンRを誤って落としたりするおそれがないので、落下時の衝撃をモーションセンサms1が検知し、その検知結果によってアクチュエータが動作してしまう(誤動作)といったおそれを回避することができる。そこで、かかる誤動作をより確実に防止するために、リモコンRをリモコン保持部10に装着した場合にのみモーションセンサms1を用いた操作を可能にすることができる。
すなわち、操作部としての概念を、リモコンRとリモコン保持部10とからなるものとした場合の実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。図7はリモコンRの変形例を示す説明図、図8はこの変形例に係るリモコンRを用いた他の実施形態に係る操作部の説明図である。
本実施形態では、リモコンRをリモコン保持部10のホルダケース103に保持させた場合に限り、モーションセンサms1による検知結果を制御部Gの制御動作に反映させるセンサ受付手段を備えた構成としている。
すなわち、リモコンRとホルダケース103との間に、近接スイッチなどをセンサ受付手段として設けている。ここでは、図7に示すように、リモコンRの本体底部にリードスイッチR1を設けるとともに、図8(a)に示すように、ホルダケース103の底部内側にマグネットMgを配設した構成としている。
こうして、図8(b)に示すように、リモコンRをホルダケース103に収納して保持した状態でのみ、近接スイッチがオンとなって、モーションセンサms1を用いた操作が可能となり、収納していない場合(図8(a)参照)は近接スイッチがオフとなって、モーションセンサms1を用いた操作は受け付けられないようになる。また、本実施形態では、図8(b)に示すように、リモコンRがホルダケース103に収納されてモーションセンサms1を用いた操作が可能となった場合は、液晶表示装置Kに「OKサイン」などを表示するようしている。なお、操作パネルSの操作については、リモコンRがホルダケース103に保持されていようとされていまいと機能することは当然である。
さらに、センサ受付手段の一例として、リモコンRの上部あるいは前述したカバーM内に、例えば圧力センサなどからなる体感センサを設けておき、この体感センサが所定の検知出力をしている(オンの状態)場合にのみ、モーションセンサms1を用いた操作を可能とすることもできる。あるいは、この体感センサと前記近接センサとの両方がオンの状態のときにはじめてモーションセンサms1を用いた操作を可能としてもよい。
また、本実施形態に係るリモコンRは、図7及び図8に示すように、本体の左右にモーション振り分け用のAボタンRa及びBボタンRbを設けている。
マッサージ機の被操作部としては様々な部位があり、多岐にわたる被操作部の動作をリモコンRのモーションで検知して実行させるために、ここではコンピュータのキーボードのシフトキーのような機能をAボタンRa及びBボタンRbにもたせている。
表1に、本実施形態におけるリモコンRのモーションと、被作動部の動作との対応を示した。
表1に示すように、本実施形態では、背もたれ部3のリクライニング動作や脚載部4(オットマン)の昇降動作の他、マッサージ態様として、もみ、指圧、・・・など複数のマッサージモードがモーションセンサms1の検知に応じて実行できるとともに、自動コースについても、施療目的によって分けられたサブコースであるやすらぎコースやリフレッシュコースなども実現できるようにしている。
本実施形態では、表1から分かるように、たたきマッサージやもみマッサージの場合は、リモコンRをたたくときや揺らすときの力加減(度合い)でマッサージ力が変化するようにしている。また、指圧マッサージと、背もたれ部3のリクライニング動作とを比較すると、リモコンRを倒す動作としてのモーションは共通であるものの、AボタンRaを押しながら倒した場合に指圧マッサージが行われるようにしている。
また、本実施形態では、AボタンRaやBボタンRbを押しながらリモコンRを動かした場合、そのモーションに対応する被操作部の動作態様についての説明が、液晶表示装置Kにテキスト表示、あるいは画像表示されるようにして、操作性がより良好なものとなるようにしている。なお、モーション振り分け用のボタンやスイッチは、2つに限定されず、3以上設けることもできるが、操作性の面からは3個までに止めておくことが望ましい。
なお、この実施形態においても、前述した実施形態同様、リモコンRのモーションと各種モータm1〜m6の制御との対応関係は何ら限定されるものではなく、対応関係をどのように割り付けるかは、予め適宜設定しておくことができる。
ところで、操作部としての概念を、リモコンRをリモコン保持部10に保持させた状態で動かすものとした場合は、モーションセンサms1をリモコン保持部10に設けても構わない。
すなわち、操作部は、有線又は無線により制御部Gと接続され、被施療者が把持して操作可能なリモコンRと、このリモコンRを保持するホルダケース103を有するとともに、座部1又は背もたれ部3に連結され、前記ホルダケース103にリモコンRを保持した状態で3次元的に可動するリモコン保持部10とを備え、モーションセンサms1をリモコン保持部10に設け、モーションセンサms1の検知結果を、リモコンRを介して制御部Gに通信するように構成するのである。
この場合も、リモコンRを手に取った場合は、前記操作パネルSによる操作を行うことができるとともに、リモコンRをホルダケース103に収納させた状態では、ホルダケース103ごとリモコンRを前後左右にそれぞれ倒したり、振ったりすることにより、モーションセンサms1の検知結果に応じた動作制御が可能となる。
上述してきた実施形態によれば、操作性が極めて良好で、被施療者が直観的に操作することが可能なリモコンRからなる操作部を備えたマッサージ機、あるいはリモコンRとこれを保持するリモコン保持部10とからなる操作部を備えたマッサージ機を、コスト増のおそれなく実現することができる。
また、上述してきた例では、リモコン保持部10を、背もたれ部3に設けた右側壁部6Rから伸延する支持アーム101の先端側に取付けたものとしたが、被施療者の好みや利き腕によって取付位置を選択できるように、例えば、支持アーム101を着脱自在として左側壁部6Lにも取付可能な構成とすることができる。
また、リモコン保持部10は、例えば、肘掛部5に設けてもよいが、上述してきたように、背もたれ部3に支持させる構成としておくことにより、例えば、背もたれ部3をリクライニングさせた場合でも、被施療者の目線とリモコンR(特に液晶表示装置K)との位置関係が一定に保たれるため、使い勝手が良いと考えられる。
上述してきた実施形態では、操作部を、リモコンRとこれを収容するホルダケース103を具備するリモコン保持部10とからなる構成を主体に説明したが、リモコンRを単独で用いる場合には、図9に示すような構成としてもよい。図9は第2の変形例に係るリモコンR’を示す説明図である。
図示するように、このリモコンR’は、正面に液晶表示装置Kを備えるとともに、モーションセンサms1を内蔵した略横長矩形形状のヘッド部Rhと、このヘッド部Rhの下部中央に連結した棒状のグリップ部Rgとから構成し、より把持し易い形状にするとともに、これまで説明したリモコンRのような形状の操作パネルSを廃止している。つまり、このリモコンR’は、従来の操作ボタンによる操作に代えて、若しくは加えて、マッサージ機全体の動作制御を、リモコンR’の動作(モーション)のみでも直観的な操作ができるようにしたものである。
グリップ部Rgは、その長手方向におけるヘッド部Rh側の略上半部を、弾性を有する材料で形成しており、ヘッド部Rhを3次元方向へ自在に動かせるようにしている。
また、グリップ部Rhの略下部半部を、使用者が実質的に把持する部分とし、この部分に、制御部Gと無線又は有線により接続される圧力センサPSを配設している。ここでは、複数の圧力センサPSを配設し、使用者(被施療者)が手で把持した場合と、何らかの理由でグリップ部Rhに圧力が加わった場合とを識別可能として、使用者(被施療者)がしっかりと手で把持して、複数の圧力センサPSにそれぞれ所定の圧力が加わっている場合にのみ、制御部Gはモーションセンサms1の検知結果を受け付けるようにしている。
かかる構成により、使用者(被施療者)が一方の手でグリップ部Rgを把持しつつ、他方の手でヘッド部Rhを前後左右方向へ押して傾動させたり、同じように各方向に向けてたたいたり、揺らしたりすると、被動作部はリモコンR’の動作(モーション)と予め対応させた動作を実行することになる。
また、一方の手でグリップ部Rgを把持した状態で、ヘッド部Rhを他方の手の掌や、身体の一部(例えば肩などでもよい)に向けて叩くことで、揉み玉7,7によるたたきマッサージを実現したり、あるいはヘッド部Rhを身体の一部に押し付けることで、もみマッサージを実現したりするなど、被施療者による直観的な操作を、より簡単に実現できるようにしている。勿論、モーションの種類としては、上述したものの他、ヘッド部Rhをさするような動き、ヘッド部Rhで円を描くような動きなど、様々なモーションの種類を設定することができ、これらに各被動作部の動作をそれぞれ対応付けておけばよい。
この変形例に係るリモコンR’によれば、使用者(被施療者)がリモコンR’を把持している場合にのみモーションセンサms1による検知結果に応じた動作を被動作部が行うため、誤ってリモコンR’を落としたりした場合でも被動作部が誤動作するおそれがない。
また、圧力センサPSによる検知圧力の強さに応じて、モーションセンサms1の検知結果に基づく被動作部の動作の力を変化させることができる。
すなわち、前述したように、例えば、グリップ部Rgを把持してヘッド部Rhを身体の一部(例えば掌や肩など)に向けて叩くことで、揉み玉7,7によるたたきマッサージを実現する場合に、グリップ部Rgを強く握れば握るほどたたきマッサージ力が強くなるのである。なお、このとき、制御部Gでは、検知圧力の強さに対する上限の閾値を設定しておき、閾値以上の圧力を検知した場合でも被動作部の動作の力は増強させないようにしたり、あるいは動作そのものを停止するような制御を行うことが望ましい。
上述してきた実施形態から、以下のマッサージ機が実現する。
座部1に対して前後揺動自在に取付けられた背もたれ部3と、前記背もたれ部3に上下昇降可能及び前後進退可能に配設した施療部(例えば、マッサージユニット11)と、この施療部及び/又は前記背もたれ部3を操作する操作部(例えば、リモコンR)と、この操作部と有線又は無線により接続され、当該操作部による操作に応じて前記施療部及び/又は前記背もたれ部の動作を制御する制御部Gと、を備えたマッサージ機において、前記操作部はモーションセンサms1を備え、前記制御部Gは、前記操作部の動きに対する前記モーションセンサms1の検知結果に応じて、前記施療部及び/又は前記背もたれ部に所定の動作を実行させるマッサージ機。
上記構成に加え、前記座部1に対して前後揺動自在に取付けられ、前記制御部Gにより、前記操作部(例えば、リモコンR)の動きに対する前記モーションセンサms1の検知結果に応じて揺動動作する脚載部4をさらに備えるマッサージ機。
上記マッサージ機において、前記操作部は、前記モーションセンサms1を備えるとともに、有線又は無線により前記制御部と接続され、使用者が把持して操作可能なリモートコントローラ(リモコンR)と、前記リモートコントローラを保持する保持手段(例えば、ホルダケース103)を有するとともに、前記座部1又は前記背もたれ部3に連結され、前記保持手段に前記リモートコントローラを保持した状態で3次元的に可動するリモートコントローラ保持部(例えば、前記ホルダケース103及び連結桿102からなるリモコン保持部10)と、を備えたマッサージ機。
上記構成に加え、さらに、前記リモートコントローラ(リモコンR)を前記保持手段(例えば、ホルダケース103)に保持させた場合に限り、前記モーションセンサms1による検知結果を前記制御部Gの制御動作に反映させるセンサ受付手段(例えば、リードスイッチR1とマグネットMgとからなる近接スイッチ(図8参照))を備えるマッサージ機。
上記マッサージ機において、前記操作部は、有線又は無線により前記制御部Gと接続され、使用者(被施療者)が把持して操作可能なリモートコントローラ(リモコンR)と、前記リモートコントローラを保持する保持手段(例えば、ホルダケース103)を有するとともに、前記座部1又は前記背もたれ部3に連結され、前記保持手段に前記リモートコントローラを保持した状態で3次元的に可動するリモートコントローラ保持部(例えば、リモコン保持部10)と、を備え、前記モーションセンサms1を前記リモートコントローラ保持部に設け、前記モーションセンサms1の検知結果を、前記リモートコントローラを介して前記制御部Gに通信可能としたマッサージ機。
上記マッサージ機において、前記操作部(例えば、リモコンR単独、あるいはリモコンRとこれを保持するリモコン保持部10)に設けたモーションセンサms1に加え、前記背もたれ部3、前記施療部(例えば、マッサージユニット11)、前記脚載部4のうち、少なくとも一に別途モーションセンサ(例えば、モーションセンサms2,ms3,ms4)を配設したマッサージ機。
また、前記背もたれ部3にモーションセンサms2を取り付ける場合、使用者(被施療者)の身体と当接する前面側に近接して(例えば、図2におけるモーションセンサms2’の位置)配設したマッサージ機。
上述したマッサージ機によれば、被施療者の中でも多いと考えられる老年層のものでも、直観的に所望する動作をマッサージ機に行わせることができ、従来のリモコンように、多数並ぶボタンなどからいちいち選択して操作するような煩わしさから解放される。