JP5073526B2 - 構造部材の重ねレーザ溶接方法 - Google Patents

構造部材の重ねレーザ溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5073526B2
JP5073526B2 JP2008037393A JP2008037393A JP5073526B2 JP 5073526 B2 JP5073526 B2 JP 5073526B2 JP 2008037393 A JP2008037393 A JP 2008037393A JP 2008037393 A JP2008037393 A JP 2008037393A JP 5073526 B2 JP5073526 B2 JP 5073526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curvature
steel plate
welding
steel
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008037393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009195917A (ja
Inventor
康信 宮崎
健二 才田
恭章 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008037393A priority Critical patent/JP5073526B2/ja
Publication of JP2009195917A publication Critical patent/JP2009195917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5073526B2 publication Critical patent/JP5073526B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、複数の鋼板を重ね合せた構造部材の鋼板重ね部に、レーザ光を照射して、耐遅れ破壊特性に優れた溶接部を形成する重ねレーザ溶接方法に関する。
従来、自動車の車体構造部材として、図1に示すように、(i)ハット型断面形状の2つの高張力薄鋼板1を、ハット型断面形状が同方向又は逆方向になるように重ね合せ((a)又は(b)、参照)、(ii)高張力薄鋼板3の片面又は両面にハット型断面形状の高張力薄鋼板1を重ね合せ((c)又は(d)、参照)、又は、(iii)ハット型断面形状の3つの高張力薄鋼板材を、2つは、ハット型断面形状が同方向に、1つは、ハット型断面形状が逆方向になるように重ね合せ((e)、参照)、鋼板重ね部(フランジ部)2をスポット溶接で接合した構造部材が使用されている。
高張力薄鋼板の機械的特性を充分に生かし、構造部材としての高強度を確保するためには、鋼板重ね部において、接合強度を充分に確保する必要があるので、近年、スポット溶接に替えて、接合強度が高い溶接ビードを連続的に形成することができるレーザ溶接を用いるようになってきた。
しかも、レーザ溶接の場合、片側からのレーザ光の照射で溶接することができるとともに、ビード幅は、スポット溶接やアーク溶接で形成するビード幅に比べて狭いので、構造部材を設計する際、鋼板重ね部(フランジ部)の幅を狭くすることができ、構造部材を、強度を維持したまま、小型化、軽量化することができる。
それ故、これまで、構造部材のレーザ溶接方法が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、構造部材のレーザ溶接を実現するために、レーザ溶接を行う鋼板重ね部において、適正な間隔を維持する対策が提案されている。
しかし、近年、自動車の車体構造部材に用いる鋼板の高強度化が進み、それに伴い、溶接時に侵入する水素が原因で、レーザ溶接部に遅れ破壊(低温割れ)が発生することが課題となっている。
レーザ溶接部における遅れ破壊の発生を防止する方法は、これまで幾つか提案されている。例えば、特許文献2には、高炭素鋼の突合せレーザ溶接部において、溶接完了後1分以内に、400℃以上Ac1点以下の温度範囲で、後熱処理を施すことが提案されている。
しかし、上記対策においては、後熱処理を必要とするので、構造部材の製作コストが上昇するほか、後熱処理による熱変形により、構造部材の形状を正確に作り込むことが困難になるという課題がある。
特開平8−90264号公報 特開平5−132719号公報
本発明は、構造部材のレーザ溶接部に係る上記課題に鑑み、複数の鋼板を重ね合せた構造部材の重ねレーザ溶接において、水素脆化に起因する遅れ破壊(低温割れ)が発生しない溶接部を形成することを課題とし、該課題を解決するレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
遅れ破壊は、溶接中、周辺雰囲気より侵入する水素、塗装工程で侵入する水素、及び/又は、腐食過程で侵入する水素が、応力場又は歪み場に集積して、材質の脆化が進行して生じる現象である。
そこで、本発明者らは、溶接部に残留する応力又は歪みを、できるだけ抑制するとの観点から、上記課題を解決する溶接手法について鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、(x)重ね合せる鋼板の曲率が一定の条件を満足すると、鋼板重ね部(フランジ部)に、遅れ破壊が発生し難い溶接部を形成することができることを見いだした。
さらに、本発明者らは、上記(x)に加え、(y)重ね合せる鋼板への入熱量が一定の条件を満足すると、鋼板重ね部(フランジ部)に、遅れ破壊がより発生し難い溶接部を形成することができることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)数の鋼板を重ね合せた構造部材の鋼板重ね部にレーザ光を照射して溶接部を形成する重ねレーザ溶接方法において、
(i)下記式(1)を満たす曲率で湾曲した複数の鋼板を重ね合せてなる、前記鋼板重ね部を拘束治具で拘束しつつ
(ii)鋼板重ね部に、レーザ光を、湾曲方向に移動させて照射することで、
前記鋼板重ね部のレーザ溶接部の剥離応力を低減して拘束治具開放後の遅れ破壊を回避することを特徴とする構造部材の重ねレーザ溶接方法。
1.2×(1/Ri)≧1/Ro≧1.05×(1/Ri) ……(1)
1/Ro:曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率
1/Ri:曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率
) 前記鋼板の引張強度が440MPa以上であることを特徴とする前記(1)に記載の構造部材の重ねレーザ溶接方法。
本発明によれば、複数の鋼板を重ね合せた構造部材の重ねレーザ溶接において、鋼板重ね部に、水素脆化に起因する遅れ破壊(低温割れ)が発生しない溶接部を形成することができる。
本発明の重ねレーザ溶接方法(本発明方法)においては、(i)下記式(1)を満たす曲率で湾曲した複数の鋼板を重ね合せてなる鋼板重ね部を拘束治具で拘束しつつ、(ii)鋼板重ね部に、レーザ光を、湾曲方向に移動させて照射することで、前記鋼板重ね部のレーザ溶接部の剥離応力を低減して拘束治具開放後の遅れ破壊を回避することを特徴とする。
1.2×(1/Ri)≧1/Ro≧1.05×(1/Ri) ……(1)
1/Ro:曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率
1/Ri:曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率
以下、本発明方法について、図面に基づいて説明する。
図2に示すように、曲率1/Riで湾曲した高張力薄鋼板5の片面に、上記式(1)を満たす曲率1/Roで湾曲したハット型断面形状の高張力薄鋼板4を重ね合せ、鋼板幅方向の端部が重なったフランジ部2に、レーザ光を、レーザ溶接ヘッド6から照射して、溶接ビード7を形成する。
なお、図2には、連続して形成した溶接ビード7を示したが、充分な接合強度が得られる限りにおいて、溶接ビード7は不連続でもよい。
レーザ溶接の場合、幅が狭い溶接ビード7で、鋼板同士を強固に接合することができるので、フランジ部2のフランジ幅Aを狭くすることができ、構造部材の小型化、軽量化に大きく寄与する。
本発明方法によれば、溶接に伴って生じる応力により、溶接ビード部7の端部鋼板間において、圧縮の残留応力を発生させることができるので、溶接ビード部7の端部鋼板間部分における水素の集積を抑制し、耐遅れ破壊特性に優れた溶接部(溶接ビードとその近傍領域)を形成することができる。
この理由について、以下に説明する。
図3(b)に示すように、二枚の鋼板を重ね合せ中央部をレーザ溶接した場合、例えば、溶接ビード7を含むx方向の応力分布は、図3(a)に示す応力分布となる。図において、+は引張応力を示し、−は、圧縮応力を示す。応力(σx)は、溶接ビードの近傍において、引張から圧縮に転じている。
溶接部(溶接ビードとその近傍)の溶融から凝固に至るまでの応力状態について、図4に基づいて説明する。
図4(a)に、鋼板の線膨張係数の変化を模式的に示す。レーザ溶接を開始するため、熱源(集光したレーザ光)を、溶接ビードを形成する部位(以下、溶接部位)に接近させ、溶接部位を加熱する。この加熱で、溶接部位は膨張するが、鋼板全体が膨張するわけではないので、加熱された溶接部位は、加熱されていない鋼板部分に拘束されて、溶接部位近傍には、図4(c)に示すように、圧縮応力(σx<0)が発生する。
圧縮応力(σx<0)は、溶接部位の温度の上昇に伴い、大きくなり、ある時点で、鋼板の降伏応力レベルに達することになる。
一方、鋼板の降伏応力は、図4(b)に示すように、温度の上昇とともに、徐々に低下するので、図4(c)に示すように、溶接部位の温度がT(例えば、約300℃)を超えた頃から、鋼板が降伏し始め、溶接部位近傍における圧縮応力(σx<0)は、低下し始める。
圧縮応力(σx<0)が、ほぼ0に達し、その後も、ほぼ0の状態で、溶接部位の温度が鋼板の融点以上に達すると(図4(c)、参照)、融点以上に加熱されて膨張した溶融部分は、周囲の鋼板による拘束により、鋼板の面外に膨出することになる。
熱源(集光したレーザ光)が通過し、融点以上に加熱されて膨張し、鋼板の面外に膨出した溶融部分の温度が低下し始めると、溶接部位に働く応力は、収縮に転じるが、冷却に伴い、鋼板の降伏応力が回復するので、溶接部位には、引張応力(σx>0)が発生し、徐々に増大する。
そして、冷却過程で、溶接部位がマルテンサイト変態を起こし始めると、熱応力は、この変態に伴う膨張により、急激に低下する。その後、マルテンサイト変態が終了し、さらに、冷却が進むと、温度低下による鋼板の収縮量が、変態に伴う膨張量より大きくなるので、熱応力は、再び上昇し始め、冷却が完了した時点で、溶接部位には、引張り応力が残留する(図4(c)、参照)。
溶接部位に残留する応力に起因し、溶接後の鋼板に変形が生じるが、レーザ溶接のように、溶接ビードの幅が、板厚方向にほぼ同じでかつ狭い場合、溶接ビードで鋼板を幅方向に折ったような角変形は生じず、溶接後には、溶接線方向に収縮して、図5に示すような変形の縦収縮8が、支配的となる。
図6〜8に、図3〜5に示した鋼板と比較して、薄手の鋼板をレーザ溶接した場合に生じる溶接変形を示す。なお、供試鋼板として、C:0.06%、Si:0.5%、Mn:1.5%を含有する、板厚1.2mm、引張強度590MPaの鋼板を用い、レーザ加工点出力2kW、溶接速度2m/minで溶接した。
図6に、平たい薄鋼板9を重ねて、中央部をレーザ溶接した場合に生じる溶接変形を示す。鋼板の板厚が薄く、曲げ剛性が小さいので、溶接ビード7の収縮に伴って、溶接されていない鋼板の一部が、弾性座屈を起こし、鋼板が全体的に湾曲する。この場合、図5に示す縦収縮は抑制される。
採用した溶接条件の下で、溶接ビードの幅が、鋼板の板厚方向で、ほぼ一定であったので、溶接後の湾曲は、その曲率中心が、レーザ照射側(表側)、及び、その反対側(裏側)の何れに位置していても、安定した湾曲であった。
図7に、長手方向に曲率を持たないハット型断面形状の薄鋼板1’を重ね合わせ、フランジ部2を重ねレーザ溶接した場合に生じる溶接変形を示す。
図7(a)に示すように、ハット型断面形状の薄鋼板の場合、平たい薄鋼板の場合と異なり、フランジ部2にハット部2’が隣接しているので、フランジ部2の板厚方向には大きな剛性が存在する。このため、溶接ビード7の収縮に伴う変形は、主に、鋼板の面内で生じる。
その結果、ハット部2’の端面(AA断面)では、図7(b)に示すように、幅方向中央部が凹む断面崩れが生じて、構造部材の形状が安定化し、ハット部の長手方向中央部(BB断面)では、図7(c)に示すように、幅方向中央部が膨らむ断面崩れが生じて、構造部材の形状が安定化する。
しかし、ハット部の幅方向中央部が凹む断面崩れは、フランジ部に対し、フランジ部を外側に押し出すように作用するので(図7(b)、参照)、上下のフランジ部には、フランジ部を上下に剥離するように働く剥離応力Sが発生する。構造部材のレーザ溶接において、剥離応力Sの発生は無視できず、レーザ溶接後、1分程度経過した後に、ハット部の端部で、溶接ビードが剥離する場合がある。
このように、構造部材の溶接変形により、フランジ部において、フランジ部を上下に剥離するように働く剥離応力Sが発生する。
なお、ハット部の幅方向中央部が膨らむ断面崩れは、フランジ部に対し、フランジ部を内側に引き込むように作用するので(図7(c)、参照)、フランジ部に、溶接ビードを剥離するように作用する剥離応力Sは発生しない。
図8に、長手方向に曲率を持つハット型断面形状の薄鋼板1’のフランジ部2を重ねレーザ溶接した場合に生じる溶接変形を示す。
上記溶接においては、溶接後、ハット部の長手方向の曲率が若干大きくなったが、断面形状崩れは抑制され、目立った溶接変形は生じない。また、溶接後、所定の時間が経過しても、ハット部の端部で、溶接ビードは剥離しなかった。
このことは、ハット型断面形状の薄鋼板が、長手方向に、所定の曲率で湾曲しているので、フランジ部の面内方向の剛性が、板厚方向の剛性より相対的に大きくなり、フランジ部では、溶接ビードの収縮に対応して面外変形が優先的に起き、その結果、断面形状崩れが抑制され、剥離応力Sの発生が抑制されたことによると考えられる。
本発明者らは、重ねレーザ溶接に供するハット型断面形状の薄鋼板の曲率に着目し、該薄鋼板の曲率と、溶接ビードの剥離との関係について、更に詳しく調査した。
その結果、図9に示すように、曲率1/Riで湾曲する鋼板の外側(曲率半径方向の外側)に、曲率1/Riより僅かに大きい曲率1/Roで湾曲する鋼板を重ね合せてレーザ溶接をすると、鋼板重ね部に、耐遅れ破壊特性に優れた溶接部を形成することができることが判明した。
このことは、ハット型断面形状の薄鋼板の端部(長手方向の端部)の溶接ビードの鋼板間部分に、圧縮の残留応力(図3(a)、参照)が発生したことによると考えられる。
なお、ハット部の端部(長手方向の端部)の溶接ビードの鋼板間部分で、板厚方向の残留応力が圧縮になった代わりに、溶接ビードの溶接線方向中央部の鋼板間部分では、板厚方向に引張となる残留応力が発生したが、残留応力は、溶接線方向の広い範囲にわたって発生するので、溶接部の耐遅れ破壊特性を劣化させる程の影響はない。
また、ハット端部の溶接ビードの鋼板間部分には、上下のフランジを、フランジ面内で相対移動させる方向のせん断応力(図3(a)でのσx、σy)が発生すると考えられるが、水素は、剪断よりも引張状態の鋼を脆化させるので、溶接部の耐遅れ破壊特性が劣化しなかったと考えられる。
但し、曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率が、曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率より大き過ぎると、ハット端部の剪断応力及びハット中央部の引張応力が強くなり過ぎ、溶接時に用いる拘束治具を開放したとき、鋼板が大きく捩れることが判明した。
また、曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率を、曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率より小さくした場合、拘束治具で、曲率半径方向の外側に配置する鋼板のハット部を、曲率半径方向の内側に配置する鋼板のハット部に強引に押し付けて接合することになるが、拘束治具を開放すると、曲率半径方向の外側に配置した鋼板のスプリングバックにより、やはり、ハット部端部の溶接ビードの鋼板間部分に、上下のフランジを引き離す方向の引張残留応力(剥離応力)が発生して、遅れ破壊を回避することができない。
構造部材の溶接変形を抑制するとともに、溶接部における遅れ破壊を回避するためには、曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率と、曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率を、適切に選択する必要があるので、本発明者らは、曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率(1/Ro)と、曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率(1/Ri)との適切な関係について調査した。
その結果、適切な関係として、下記式(1)を見出した。
1.2×(1/Ri)≧1/Ro≧1.05×(1/Ri) ……(1)
1/Ro:曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率
1/Ri:曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率
曲率1/Roが、1.2×(1/Ri)を超えると、前述したように、鋼板のハット端部の剪断応力及びハット中央部の引張応力が強くなり過ぎて、拘束治具を開放したとき、鋼板が大きく捩れて、構造部材として使用できないので、1/Roは、1.2×(1/Ri)以下とする。好ましくは、1.1×(1/Ri)以下である。
しかし、曲率1/Roが、1.05×(1/Ri)より小さいと、曲率の差により得られる耐遅れ破壊特性の向上を、充分に確保することができないので、1/Roは、1.05×(1/Ri)以上とする。
なお、本発明者らは、レーザ溶接を、上記式(1)を満たす条件下で行うと、溶接部の疲労強度も向上することを確認している。
また、構造部材の溶接変形の程度は、鋼板への入熱量にも依存するので、本発明者らは、曲率半径方向の外側及び内側に配置する鋼板に対する入熱量と、遅れ破壊の有無の関係について調査した。
レーザ溶接の場合、入熱量を溶接条件で定義することは困難であるので、レーザ光の照射で形成される溶融・凝固部の面積で表示することとし、溶接ビードの単位長さ当たりの入熱量Qを、下記式(3)で定義した。
Q=a×S(a:定数、S:溶融断面積) ……(3)
定数aには、単位体積の鋼板を溶融するのに必要な熱量とともに、溶融効率(=溶接ビードだけを形成するのに必要な熱量/鋼板に投入した全熱量)が含まれるが、本発明では、入熱量Qの相対値を規定対象とするので、以下、aの値については取り扱わない。
本発明者らの調査によれば、曲率半径方向の内側に配置する鋼板への入熱量Qiを、曲率半径方向の外側に配置する鋼板への入熱量Qoより多くすると、より確実に、溶接部における遅れ破壊を防止することができることが判明した。
曲率半径方向の内側に配置する鋼板への入熱量を多くすると、内側の鋼板の溶接ビードがより強く縮み、結果的に、構造部材の中央部で、外側の鋼板を押し上げて、図9に示す状況を実現し、構造部材の端部における溶接ビード端の鋼板間の溶接金属に、圧縮の残留応力が働くものと考えられる。
本発明者らは、曲率半径方向の内側に配置する鋼板への入熱量Qiと、曲率半径方向の外側に配置する鋼板への入熱量Qoとの間の最適関係を鋭意調査した。
その結果、重ね合せる鋼板の曲率が下記式(2)を満たし、かつ、曲率半径方向の内側に配置する鋼板への入熱量Qiと、曲率半径方向の外側に配置する鋼板への入熱量Qoが、下記式(4)を満たす時、より確実に、溶接部における遅れ破壊を防止することができることが判明した。
1.15×(1/Ri)≧1/Ro≧0.95×(1/Ri) ……(2)
1/Ro:曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率
1/Ri:曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率
Qi≧1.1×Qo ……(4)
上記式(4)に示す入熱量の配分は、鋼板の曲率中心側からレーザ光を照射することで実現できるし、また、曲率半径の外側からレーザ光を照射する場合でも、溶接速度を、重ね合せた鋼板を貫通して溶接することができる溶接速度(貫通限界速度)より、充分、遅くすることで、実現することができる。
鋼板の曲率中心側からレーザ光を照射する場合、レーザ光を、2分割又は3分割し、分割したレーザ光への出力配分を適宜調整すれば、上記式(4)に従う入熱量の配分を、容易に実現することができる。
図10に、レーザ光を2分割して照射する一態様を示す。図10(a)に、レーザ光の照射態様を示し、図10(b)に、図10(a)のX−X’断面でみた、プリズムの配置態様を示す。
図10(a)及び(b)に示すように、半円形のプリズム13を凸レンズ11と12の間に配置し、プリズム13に、レーザ光10の半分のレーザ光10bを通過させ、所要の角度で屈折させる。その結果、レーザ光10bと、プリズム13を通過しないレーザ光10aは、焦点位置を僅かにずらして、高張力薄鋼板3の溶接部に照射される。
図11に、レーザ光の集光スポット直径を0.6mmとし、レーザ光をプリズムで分割し、レーザ光10bの焦点位置を、レーザ光10aの焦点位置から、溶接線と直交するY−Y’方向に0.3mmずらして照射した場合の照射態様を示す。図11(a)は、上記照射態様による照射領域を示し、図11(b)は、上記照射態様で得られる集光強度分布を示す。
図11(b)に示すように、レーザ光10aとレーザ10bの照射が重なる領域(図11(a)中、斜線部)では、集光強度が重畳するので、溶接線と直交するY−Y’方向において、集光強度の分布が形成される。
例えば、図11(b)に示す集光強度分布の下で、中央部のレーザ光(図11(a)中、斜線部に照射されるレーザ光)は、重ね合せた上下2枚の鋼板を貫通させ、左右のレーザ光は、上側の鋼板を溶融するだけにとどめるレーザ溶接を行うことができる。
このようなレーザ溶接を行うと、溶接ビードが形成され冷却される過程において、曲率半径方向内側の溶接ビードの収縮が、曲率半径方向外側の溶接ビードの収縮に比べて相対的に大きくなるので、曲率半径方向内側の鋼板の曲率1/Riを曲率半径方向外側の鋼板の曲率1/Roより大きくするのと同等の効果を発揮し、鋼板間の溶接金属に、大きな圧縮応力が残留することになる。
また、図12に示すように、屈折率の異なる扇状の2個のプリズム13aと13bを配置して、レーザ光10を、レーザ光10a、レーザ光10b、及び、レーザ光10cに3分割し、焦点位置をずらして溶接部に照射することもできる。
このように、照射するレーザ光において、溶接線と直交する方向に、集光強度の分布を形成することにより、入熱量を制御し、所望の特性を備える溶接部を得ることができる。
入熱量Qiが、1.1×Qo未満であると、曲率半径方向の内側に配置する鋼板への入熱量が少なくなり、曲率が上記式(2)を満足していても、内側の鋼板の溶接ビードが期待するほどに縮まず、図9に示す状況を実現できず、構造部材の端部における溶接ビード端の鋼板間の溶接金属に圧縮の残留応力が作用しない。
それ故、入熱量Qiは、1.1×Qo以上とする。好ましくは、1.2×Qo以上である。
上記式(4)に従って入熱量を配分する際、重ね合せる鋼板の曲率は、上記式(2)を満たす必要がある。上記式(1)に比べ、曲率1/Roの上限は、1.15×(1/Ri)と、若干厳しくなるが、下限は、0.95×(1/Ri)まで緩和される。
上記式(2)で、曲率1/Roの上限を設定する理由は、上記式(1)の場合と同様である。
曲率1/Roが、0.95×(1/Ri)未満であると、上記式(4)に従って入熱量を配分しても、構造部材の端部における溶接ビード端の鋼板間の溶接金属に、圧縮の残留応力を作用させることができないので、曲率1/Roの下限を、0.95×(1/Ri)とする。
遅れ破壊は、破壊する部位において、(a)水素量が多いほど、(c)硬さが硬いほど、また、(c)応力が高いほど、起こり易い。引張強度が440MPa以上の鋼板は、炭素やマンガンの量が、軟鋼板に比べて多いので、溶接ビードのビッカース硬さは、遅れ破壊が懸念される下限値350を超えることが予測される。また、引張強度が440MPa以上の鋼板は、降伏応力も高いので、溶接部に残留する応力も上昇する。
そして、引張強度が440MPa以上の鋼板の場合、溶接ビードが硬くて、水素の拡散速度が遅くなるので、軟鋼板に比較し、水素が抜け難く、単に、レーザ溶接で溶接した溶接部は、耐遅れ破壊特性が劣るものとなる。
しかし、引張強度が440MPa以上の鋼板を重ね合せる構造部材のレーザ溶接に、本発明方法を適用すれば、溶接部における遅れ破壊を、より顕著に回避することができる。
これまで、2枚の鋼板を重ね合せて構造部材を製作するレーザ溶接の場合について説明したが、本発明は、3枚以上の鋼板を重ね合せて構造部材を、レーザ溶接で製作する場合にも適用することができる。
但し、3枚以上の鋼板を重ねて、鋼板重ね部をレーザ溶接する場合において、鋼材の強度条件を採用する場合は、鋼材の強度が大きい順に、2枚の鋼板を選択し、該2枚の鋼板に、本発明方法を適用するのが好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
表1に示すハット型断面形状の薄鋼板を用いて、同じく表1に示す溶接条件で、図8に示す構造部材を製作し、溶接部の耐遅れ破壊特性を調査した。用いた鋼板の厚みは、1.2mmに統一し、ハットの長さは800mm、幅は100mm、高さは60mmであり、フランジの幅(A)は15mmである。なお、入熱量比Qi/Qoは、溶融断面積比Si/Soで表示した。
結果を、表1に併せて示す。
Figure 0005073526
曲率が上記式(1)を満足する構造部材No.1〜6は、溶接部において遅れ破壊が発生しないことが解る。構造部材No.7及び9は、溶接部において遅れ破壊が発生しなかったが、No.7は、溶接金属が硬くならず、水素が溶解しても遅れ破壊が発生し難い鋼板の例であり、No.9は、実験的に、乾燥環境で溶接したため、溶接金属に水素が溶解せず、遅れ破壊が発生しなかった例であるので、いずれも比較例とした。
前述したように、本発明によれば、複数の鋼板を重ね合せた構造部材の重ねレーザ溶接において、鋼板重ね部に、水素脆化に起因する遅れ破壊(低温割れ)が発生しない溶接部を形成することができる。したがって、本発明は、小型化、軽量化を目指す自動車産業において利用可能性が高いものである。
自動車の車体用構造部材の態様を示す図である。(a)は、ハット型断面形状の2つの高張力薄鋼板材を、ハット型断面が逆方向になるように重ねて接合した態様を示し、(b)は、ハット型断面形状の2つの高張力薄鋼板材を、ハット型断面が同方向になるように重ねて接合した態様を示し、(c)は、高張力薄鋼板材の片面にハット型断面の高張力薄鋼板材を重ねて接合した態様を示し、(d)は、高張力薄鋼板材の両面にハット型断面の高張力薄鋼板材を重ねて接合した態様を示し、(e)は、ハット型断面形状の3つの高張力薄鋼板材を、2つは、ハット型断面が同方向に、1つは、ハット型断面が逆方向になるように重ねて接合した態様を示す。 鋼板の片面にハット型断面形状の鋼板を重ね合せ、フランジ部にレーザ光を照射し溶接する態様を示す図である。 二枚の鋼板を重ね合せ中央部をレーザ溶接した場合における鋼板幅方向(溶接ビードを含む)の応力分布を示す図である。(a)は、溶接ビード方向の応力の、鋼板幅方向の分布を示し、(b)は、レーザ溶接の態様を示す。 所定の曲率で湾曲した鋼板のフランジ部にレーザ光を照射し、溶接ビードを形成する場合において、凝固・冷却過程で生じる溶接ビード周辺での歪及び応力の変化を、模式的に示す図である。(a)は、鋼板の線膨張係数の変化を示し、(b)は、鋼板の降伏応力の変化を示し、(c)は、溶接ビード周辺での歪及び応力の変化を示す。 溶接線方向の収縮により、溶接ビードの両端に生じる縦収縮(溶接変形)を示す図である。 鋼板を重ね合せてレーザ溶接したときに生じる溶接変形の一態様を示す図である。 鋼板を重ね合せてレーザ溶接したときに生じる溶接変形の別の態様(断面崩れ)を示す図である。(a)は、断面崩れの全容を示し、(b)は、ハット部端部(AA断面)での断面崩れを示し、(c)は、ハット部中央(BB断面)での断面崩れを示す。 鋼板を重ね合せてレーザ溶接したときに生じる溶接変形のさらに別の態様を示す図である。 曲率半径方向rの外側に配置する曲率1/Roの鋼板と、曲率半径方向rの内側に配置する曲率1/Riの鋼板との相対関係を示す図である。 レーザ光を2分割照射して照射する一態様を示す図である。(a)は、レーザ光の照射態様を示し、(b)は、(a)のX−X’断面でみた、プリズムの配置態様を示す。 レーザ光をプリズムで分割し、レーザ光の焦点位置を、一方のレーザ光の焦点位置から、溶接線と直交する方向にずらして照射した場合の照射態様を示す。(a)は、上記照射態様による照射領域を示し、(b)は、上記照射態様で得られる集光強度分布を示す。 屈折率の異なる扇状の2個のプリズムを配置して、レーザ光を3分割する照射態様を示す。
符号の説明
1 ハット型断面形状の高張力薄鋼板
1’ ハット型断面形状の薄鋼板
2 重ね部(フランジ部)
2’ ハット部
3 高張力薄鋼板
4 フランジ部が曲率1/R0で湾曲したハット型断面形状の高張力薄鋼板
5 曲率1/Riで湾曲した高張力薄鋼板
6 レーザ溶接ヘッド
7 溶接ビード
8 縦収縮
9 平たい薄鋼板
10、10a、10b、10c レーザ光
11、12 凸レンズ
13 プリズム
A フランジ幅
B 溶接ビードとフランジ端部間の距離
r 曲率半径方向
r’ 曲率方向

Claims (2)

  1. 数の鋼板を重ね合せた構造部材の鋼板重ね部にレーザ光を照射して溶接部を形成する重ねレーザ溶接方法において、
    (i)下記式(1)を満たす曲率で湾曲した複数の鋼板を重ね合せてなる、前記鋼板重ね部を拘束治具で拘束しつつ
    (ii)鋼板重ね部に、レーザ光を、湾曲方向に移動させて照射することで、
    前記鋼板重ね部のレーザ溶接部の剥離応力を低減して拘束治具開放後の遅れ破壊を回避することを特徴とする構造部材の重ねレーザ溶接方法。
    1.2×(1/Ri)≧1/Ro≧1.05×(1/Ri) ……(1)
    1/Ro:曲率半径方向の外側に配置する鋼板の曲率
    1/Ri:曲率半径方向の内側に配置する鋼板の曲率
  2. 前記鋼板の引張強度が440MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の構造部材の重ねレーザ溶接方法。
JP2008037393A 2008-02-19 2008-02-19 構造部材の重ねレーザ溶接方法 Expired - Fee Related JP5073526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008037393A JP5073526B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 構造部材の重ねレーザ溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008037393A JP5073526B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 構造部材の重ねレーザ溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009195917A JP2009195917A (ja) 2009-09-03
JP5073526B2 true JP5073526B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=41140040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008037393A Expired - Fee Related JP5073526B2 (ja) 2008-02-19 2008-02-19 構造部材の重ねレーザ溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5073526B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4854327B2 (ja) * 2006-02-28 2012-01-18 新日本製鐵株式会社 重ねレーザ溶接方法
JP5125001B2 (ja) * 2006-06-20 2013-01-23 日産自動車株式会社 レーザ溶接方法、装置および設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009195917A (ja) 2009-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI451928B (zh) Laser welding method
KR101860128B1 (ko) 경화가능한 강으로 만들어진 하나 이상의 피용접재를 맞대기 이음으로 레이저 용접하기 위한 방법
JP6690540B2 (ja) レーザ溶接継手及びレーザ溶接方法
US9623515B2 (en) Method for laser welding one or more workpieces of hardenable steel in a butt joint
JP4968201B2 (ja) レーザ溶接構造部材およびその製造方法
JP6443319B2 (ja) 重ねレーザスポット溶接継手および該溶接継手の製造方法
JP5630373B2 (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた鋼板溶接部の製造方法およびその溶接部を有する鋼構造物
JP4841970B2 (ja) 重ねレーザ溶接方法
JP6635235B1 (ja) 重ねレーザ溶接継手、重ねレーザ溶接継手の製造方法および自動車用骨格部品
JP4854327B2 (ja) 重ねレーザ溶接方法
JP5000578B2 (ja) 薄鋼板の重ねレーザ溶接方法
JP2010279991A (ja) 薄鋼板のレーザ重ね溶接方法
JP5073526B2 (ja) 構造部材の重ねレーザ溶接方法
JP5052976B2 (ja) 耐脆性き裂伝播特性に優れた多層盛突合せ溶接継手及び溶接構造体
JP4987453B2 (ja) 鋼板の重ねレーザ溶接継手及び重ねレーザ溶接方法
JP6859105B2 (ja) 重ねレーザスポット溶接継手および該溶接継手の製造方法
JP6794641B2 (ja) 溶接構造体の製造方法
JP7368716B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP6852797B2 (ja) 重ねレーザ溶接継手、重ねレーザ溶接継手の製造方法および自動車用骨格部品
JP4016911B2 (ja) 高張力鋼のレーザ溶接方法
JP6176428B1 (ja) 重ねレーザ溶接継手、該溶接継手の製造方法および自動車用骨格部品
JPH02268990A (ja) 鉄鋼製自動車用ロードホイールの溶接方法
JP2011031249A (ja) 高張力鋼板のレーザ溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5073526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees