JP5073318B2 - Flotox型eeprom - Google Patents

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この発明は、FLOTOX型EEPROMに関し、特に、対をなす2つのセルを有し、1つのデータを2つのセルで記憶するWセル方式のEEPROMに関する。
電気的に書き込み・書き換えができるEEPROMは、ボード上で書き換えができ、ページやバイト単位での書き換えも可能なため、高範囲な応用が可能であるが、そのためには、高信頼設計で、より微細化されたものが要求される。
FLASH(フラッシュ)においては、1つのデータに対して、記憶用セルに加え、もう1つベリファイセルを設けて、データの書き・消しが行われたかを容易に確認できるようにした信頼性向上のための構成が提案されている(特許文献1参照)。EEPROMにおいても、1つのデータに対して2つのセルで記憶するWセル方式が、高信頼設計として考えられる。
特開平8−180696号公報
Wセル方式のEEPROMを設計する場合に、セルを単純に2つ並べ、その2つのセルにより1つのデータを記憶する構成としたのでは、セル面積を縮小することができず、信頼性は向上するものの、EEPROMの微細化を達成することができない。このため、Wセル方式のEEPROMにおいては、セルのレイアウトを工夫しなければならないという課題がある。
より具体的に、図面を参照して説明する。
図4は、従来のFLOTOX型EEPROMのセル構造を示す図解図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるX−Xに沿う断面図、(C)は(A)におけるY−Yに沿う縦断面である。
EEPROMは、たとえばp型シリコン基板1の表層領域にLOCOS法により形成されたLOCOS酸化膜2により素子間分離された領域に形成されたセルトランジスタ3およびセレクトトランジスタ4を含んでいる。これらトランジスタは、ドレイン5と、ソース6と、ドレイン5およびソース6間に設けられたフローティングゲート7およびコントロールゲート8と、フローティングゲート7とドレイン5との間に設けられたセレクトゲート9とを有している。また、フローティングゲート7とドレイン5間の絶縁膜10の一部は100〜200Å程度の薄い膜となっていて、ここにトンネルウインドウ11が形成されている。トンネルウインドウ11を介してフローティングゲート7への電子の注入、引き抜きを行うことができる。
つまりFLOTOX型EEPROMは、書き込み動作時に、FNトンネル電流を用いるため、高耐圧設計とする必要がある。そのため、LOCOS酸化膜2の下にチャネルストッパ12と呼ばれる不純物濃度の高いp+領域が設けられ、素子分離耐圧が高められている。
ところで、EEPROMのセル構造において、チャネルストッパ領域12とドレイン5(ドレイン接合領域)との間は一定の距離13を確保しなければならない。この距離13が確保されなければ、EEPROMの耐圧が低下し、データの書き込みに必要な電圧を印加することができなくなって、メモリとしての機能が果たせなくなるからである。よって、チャネルストッパ12とドレイン5との間の距離13の確保が、セル面積縮小のネックとなる。
このため、EEPROMを、高信頼性設計のために、1つのデータを2つのセルで記憶するWセル方式にしようとした場合、単純に2つのセルを並列配置する構成を採用するのではなく、レイアウトを工夫しなければならないのである。
この発明は、このような背景のもとになされたものであり、高信頼設計のためのWセル方式を採用するとともに、セル面積が縮小されたFLOTOX型EEPROMを提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、Wセル方式のEEPROMであって、対をなす2つのセルを有し、各セルを独立したセルとして読み出し可能なFLOTOX型EEPROMを提供することを他の目的とする。
さらにこの発明は、Wセル方式のFLOTOX型EEPROMの駆動方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、1つのデータを2つのセルで記憶するWセル方式のFLOTOX型EEPROMであって、対をなす2つのフローティングゲート(25a,25b)と、各フローティングゲートに関連して個別に設けられた2つのトンネルウインドウ(33a,33b)と、2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのコントロールゲート(26)と、コントロールゲートと協働して、2つのフローティングゲートを選択するために、2つのフローティングゲートに共有に設けられたセレクトゲート(29)と、2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのドレイン(28)と、2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのソース(27)と、を含み、前記対をなす2つのフローティングゲート(25a,25b)は、ドレイン(28)およびソース(27)間の方向に対して交差方向に並ぶように配列されており、前記セレクトゲート(29)は、前記2つのフローティングゲートの配列方向に略平行に延びる第1および第2の帯状ライン(29a,29b)を含み、前記第1の帯状ライン(29a)のライン幅は、前記2つのフローティングゲートの一方(25a)と対向する部位が相対的に広く、かつ、前記2つのフローティングゲートの他方(25b)と対向する部位が相対的に狭く、前記第2の帯状ライン(29b)のライン幅は、前記2つのフローティングゲートの一方(25a)と対向する部位が相対的に狭く、かつ、前記2つのフローティングゲートの他方(25b)と対向する部位が相対的に広くされていることを特徴とするWセル方式のFLOTOX型EEPROMである。
なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、高耐圧設計が必要なセレクトトランジスタ(24)側のドレイン(28)領域が2つのセルで共有されている。これにより、2つのセルに個別にドレインを形成する場合に比べて、ドレイン領域を小さくすることができる。このため、LOCOS酸化膜(22)の下に形成されたチャネルストッパ(30)領域にドレイン(28)領域が接しないようにセルを構成でき、十分な耐圧を持つドレインを最小面積で形成することができる。
また、2つのセルの他の部分を、必要な耐圧に応じて縮小することにより、セル面積を最適化することができる
さらに、本発明の構成では、ドレイン(28)およびソース(27)間の方向に対して、2つのフローティングゲート(25a,25b)が交差方向に並ぶように配列されているから、共有のドレイン(28)領域の前記交差方向の寸法を小さくできる。さらに、セレクトゲート(29)を第1の帯状ライン(29a)および第2の帯状ライン(29b)を含む構成とすることにより、一方の帯状ライン(幅の狭い帯状ライン)の下方でパンチスルーを引き起し、2つのセルを互いに独立したセルとして取り扱え、2つのセルから個別にデータを読み出すことが可能である。
請求項記載の発明は、請求項1記載のEEPROMの駆動方法であって、消去動作は、前記コントロールゲート(26)およびセレクトゲート(29)に高電圧を印加し、前記ドレイン(28)、ソース(27)および半導体基板(21)のバイアスを低電圧にして、前記トンネルウインドウ(33a,33b)を介して前記2つのフローティングゲート(25a,25b)に電子を注入し、書き込み動作は、前記ドレイン(28)およびセレクトゲート(29)に高電圧を印加し、前記コントロールゲート(26)および半導体基板(21)のバイアスを低電圧とし、かつ、前記ソース(27)をオープンにして、前記トンネルウインドウ(33a,33b)を介して前記2つのフローティングゲート(25a,25b)から電子を引き抜き、読み出し動作は、前記セレクトゲート(29)およびドレイン(28)に動作電圧を印加し、前記コントロールゲート(26)にセンス電圧を印加し、前記ソース(27)および半導体基板(21)のバイアスをアース電位にして電流を検出し、前記ソース(27)および半導体基板(21)のバイアスをアース電位とし、前記ドレイン(28)に動作電圧を印加し、前記第1の帯状ライン(29a)または第2の帯状ライン(29b)のいずれか一方をアース電位、いずれか他方に動作電位を印加し、前記2つのフローティングゲート(25a,25b)のうちの一方のみから読出し動作を行うことを特徴とする、EEPROMの駆動方法である。
この構成によれば、対をなす2つのフローティングゲート(25a,25b)に対し、共有されたコントロールゲート(26)、セレクトゲート(29)、ドレイン(28)およびソース(27)の電圧を制御し、消去、書き込みおよび読み出し動作を良好に行うことができる
また、この方法により、2つのセルをそれぞれ独立して動作させることができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るWセル方式のFLOTOX型EEPROMの構成を説明するための図であり、(A)は図解的な平面図、(B)は(A)におけるb−bに沿う切断面断面図、(C)は(A)におけるc−cに沿う切断面断面図である。
図1(A)〜(C)を参照して、p型シリコン基板21の表層領域にLOCOS法によるフィールド酸化膜(LOCOS酸化膜)22が形成され、素子間分離が行われたp型シリコン基板21の表層領域にEEPROMのセル構造が形成されている。
セル構造には、セルトランジスタ23およびセレクトトランジスタ24が含まれている。セルトランジスタ23には、対をなす2つのフローティングゲート25aおよび25bと、2つのフローティングゲート25a,25bに共有のコントロールゲート26と、2つのフローティングゲート25a,25bに共有の1つのソース27が設けられている。 一方、セレクトトランジスタ24には、共有のドレイン28と、ドレイン28および2つのフローティングゲート25a,25bの間に設けられたセレクトゲート29とが配置されている。セレクトゲート29は、フローティングゲート25a,25bの配列方向に延びる第1の帯状ライン29aおよび第2の帯状ライン29bを含んでいる。そして、第1の帯状ライン29aの幅は、フローティングゲート25aに対応する側が太くされ、第2の帯状ライン29bの幅はフローティングゲート25aに対応する側が細くされている。逆に、第1の帯状ライン29aの幅は、フローティングゲート25bに対応する側が細くされ、第2の帯状ライン29bの幅はフローティングゲート25bに対向する側が太くされている。このように、セレクトゲート(ワードライン)29を2本配置することにより、そして、その幅(L長)を調整することにより、フローティングゲート25a,25bを、それぞれ独立したセルとして機能させることが可能となる。この点については、後述する。
この実施形態では、ドレイン28とソース27間の方向に対して、略直交方向に2つのフローティングゲート25a,25bが対をなすように配置され、ソース27およびドレイン28は、共に、対をなす2つのフローティングゲート25a,25bに共有のソースおよびドレインとされている。これにより、ドレイン28領域を小さくでき、LOCOS酸化膜22の下方に形成されたチャネルストッパ30領域とドレイン28領域とが、所定の距離31を保てる構造が実現でき、高耐圧設計となっている。
つまり、高耐圧設計が必要なセレクトトランジスタ24のドレイン28領域を2つのフローティングゲート25a,25bに対して共有化することにより、単に2つのセルを配列するよりも、ドレイン28領域を小さくすることができる。また、その他の部分は、必要な耐圧に応じて縮小することにより、セル面積を最適化することが可能となっている。 対をなす2つのフローティングゲート25a,25bには、それぞれ、ドレイン28との間の絶縁膜32の一部が薄くされたトンネルウインドウ33a,33bが形成されている。このトンネルウインドウ33a,33bを介してフローティングゲート25a,25bへの電子の注入や引き抜きが行われる。
一対のフローティングゲート25a,25bには共有のコントロールゲート26が設けられており、コントロールゲート26と協働して、フローティングゲート25aまたは25bを選択するためのセレクトゲート29は、2本配置されている。そして、フローティングゲート25aに対応するセレクトゲート(第1の帯状ライン)29aはそのゲート長が長く(幅が広く)、第2の帯状ライン29bはそのゲート長が短く(幅が狭く)されており、逆に、コントロールゲート25bに対応するセレクトゲート(第1の帯状ライン)29aはそのゲート長が短く(幅が狭く)、セレクトゲート(第2の帯状ライン)29bはそのゲート長が長く(幅が広く)されている。かかる構成により、ゲート長の短い側において、短チャネル効果を意図的に起こさせることができ、短チャネル効果を起こしていない残りのセレクトゲートによってフローティングゲート25a,25bを個別に動作させることができる。つまり、フローティングゲート25a,25bを別々のセルとして動作させることが可能となる。
図2は、図1に示すWセル構造のEEPROMの動作を説明するための図解図である。この実施形態に係るWセル構造のEEPROMの動作について以下説明する。
<書き込み動作>
図2(A)を参照して、ドレイン28、セレクトゲート29(29a,29b)に、15〜17Vの高電圧を印加し、コントロールゲート26およびシリコン基板21をGND(アース電位)とし、ソース27をオープン状態にする。これにより、フローティングゲート25a,25bからFNトンネル電流により電子が引き抜かれる。
<消去動作>
図2(B)を参照して、コントロールゲート26およびセレクトゲート29(29a,29b)に15〜17Vの高電圧を印加し、ドレイン28およびシリコン基板21をGND(アース電位)とし、ソース27はオープンにする。これにより、ドレイン28からトンネルウインドウ33a,33bを介して一対のフローティングゲート25a,25bに電子を注入することができる。
<読み出し動作>
図2(C)を参照して、読み出し時には、ドレイン28およびセレクトゲート29(29a,29b)に動作電圧Vccを印加し、コントロールゲート26にセンス電圧(1〜3Vの低電圧)を印加し、ソース27およびシリコン基板21のバイアスをGND(アース電位)にする。これにより、セルトランジスタ23がオン/オフ状態のいずれかとなり、それに基づいてデータの読み出しを行うことができるる
<独立セル動作>
また、この実施形態では、フローティングゲート25aまたは25bのいずれか一方を、独立セルとして動作させ、データの読み出しを行うことができる。
たとえば、図1に示すフローティングゲート25aを独立セルとし、このフローティングゲート25aのデータを読み出す場合は、図3に示すように、ソース27およびシリコン基板21のバイアス電位をGND(アース電位)とする。また、ドレイン28に動作電圧Vccを印加する。そして、第1の帯状ライン29a、つまり一方のセレクトゲート29aにVccを印加し、第2の帯状ライン29b、すなわち他方のセレクトゲート29bを0Vとする。このとき、第2の帯状ライン29bのゲート長が十分短い場合には、第2の帯状ライン29bの下方でパンチスルーが引き起こされる。これにより、第2の帯状ライン29bの電位(0V)によらず、第1の帯状ライン29a、すなわち一方のセレクトゲート29aに動作電圧Vccを印加することにより、フローティングゲート25aを流れる電流のオン/オフを行うことができる。
その結果、一対のフローティングゲート25a,25bのいずれか一方を用い、独立セルとしての読み出し動作を行うことができる。
この実施形態によれば、高耐圧設計のためにある程度の面積が必要なセレクトトランジスタ24のドレイン28領域を、2つのセルで共有化することにより、十分な耐圧を持つドレイン28領域を最小面積で形成することが可能である。
また、セレクトゲート29(29a,29b)の配置を工夫し、互いに幅の異なる2本の帯状ライン(第1の帯状ライン29a,第2の帯状ライン29b)を有する構成としたことにより、フローティングゲート29a,29bをそれぞれ独立したセルとして機能させることができる。
上記実施形態における半導体のp型、n型は、逆にしてもよく、その場合、電子の移動も逆になる。また、フィールド酸化膜はLOCOS法ではなく、STI法によって形成してもよい。要は、この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
この発明の一実施形態に係るWセル方式のFLOTOX型EEPROMの構成を説明するための図である。 この発明の一実施形態に係るWセル構造のFLOTOX型EEPROMの動作を説明するための図解図である。 一対のセル(フローティングゲート25a,25b)の一方から、独立セルとしてデータを読み出す場合の電圧の印加を説明するための図解図である。 従来のFLOTOX型EEPROMのセル構造を示す図解図である。
符号の説明
21 p型シリコン基板
22 LOCOS酸化膜
23 セルトランジスタ
24 セレクトトランジスタ
25a,25b フローティングゲート
26 コントロールゲート(共有コントロールゲート)
27 ソース(共有ソース)
28 ドレイン(共有ドレイン)
29、29a,29b セレクトゲート
30 チャネルストッパ
33a,33b トンネルウインドウ

Claims (2)

  1. 1つのデータを2つのセルで記憶するWセル方式のFLOTOX型EEPROMであって、
    対をなす2つのフローティングゲートと、
    各フローティングゲートに関連して個別に設けられた2つのトンネルウインドウと、
    2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのコントロールゲートと、
    コントロールゲートと協働して、2つのフローティングゲートを選択するために、2つのフローティングゲートに共有に設けられたセレクトゲートと、
    2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのドレインと、
    2つのフローティングゲートに共有に設けられた1つのソースと、
    を含み、
    前記対をなす2つのフローティングゲートは、ドレインおよびソース間の方向に対して交差方向に並ぶように配列されており、
    前記セレクトゲートは、前記2つのフローティングゲートの配列方向に略平行に延びる第1および第2の帯状ラインを含み、
    前記第1の帯状ラインのライン幅は、前記2つのフローティングゲートの一方と対向する部位が相対的に広く、かつ、前記2つのフローティングゲートの他方と対向する部位が相対的に狭く、前記第2の帯状ラインのライン幅は、前記2つのフローティングゲートの一方と対向する部位が相対的に狭く、かつ、前記2つのフローティングゲートの他方と対向する部位が相対的に広くされていることを特徴とするWセル方式のFLOTOX型EEPROM。
  2. 請求項1記載のEEPROMの駆動方法であって、
    消去動作は、前記コントロールゲートおよびセレクトゲートに高電圧を印加し、前記ドレイン、ソースおよび半導体基板のバイアスを低電圧にして、前記トンネルウインドウを介して前記2つのフローティングゲートに電子を注入し、
    書き込み動作は、前記ドレインおよびセレクトゲートに高電圧を印加し、前記コントロールゲートおよび半導体基板のバイアスを低電圧とし、かつ、前記ソースをオープンにして、前記トンネルウインドウを介して前記2つのフローティングゲートから電子を引き抜き、
    読み出し動作は、前記セレクトゲートおよびドレインに動作電圧を印加し、前記コントロールゲートにセンス電圧を印加し、前記ソースおよび半導体基板のバイアスをアース電位にして電流を検出し、
    前記ソースおよび半導体基板のバイアスをアース電位とし、前記ドレインに動作電圧を印加し、前記第1の帯状ラインまたは第2の帯状ラインのいずれか一方をアース電位、いずれか他方に動作電位を印加し、前記2つのフローティングゲートのうちの一方のみから読出し動作を行うことを特徴とする、EEPROMの駆動方法。
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