JP5072908B2 - 指静脈認証装置 - Google Patents

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本発明は、指が有する生体情報の中の静脈パターンを利用して個人認証を行う指静脈認証装置に関し、特に、子供の指への適用に関するものである。
従来の指静脈認証装置として、特開2007−58643号公報(特許文献1)に記載されているものがあった。これは、登録指画像の静脈パターンを格納する記憶装置と、光源および指透過光を撮影するカメラを備えたインターフェースと、撮影された指透過光画像に含まれる静脈パターンを抽出し、抽出した静脈パターンを登録指画像の静脈パターンと照合して個人認証を行う手段とを有し、インターフェースは、指を挿入する溝を有し、光源とカメラは、該溝を挟んで対向するように配置されているものである。
特開2007−58643号公報
人の体の一部を鍵とする生体認証の中で、指の静脈パターンを用いた指静脈認証装置は工場やオフィスを中心に利用されている。このため利用対象は大人としていたが、最近はマンションや個人宅での入退アクセスへ利用ニーズが広がり、子供の個人認証の必要性が高まっている。また、指の大きさは、子供、大人に限らず様々であり、指認証においては多様な指の大きさ(長さ)に対応する必要性が高まっている。
しかし、特許文献1に記載のものなど既存の装置は指先が装置の先端の前ガイドに届くことが前提で製作されており、指の短い子供の指先が認証装置の先端の前ガイドに届かないケースが考慮されていない。
したがって、指先が先端に届かなければ、指を挿入しても指の付け根の1点が支えになるだけで、指が曲がってしまったり、指位置が安定せず、認証や登録の処理に耐えられる品質の静脈パターンを撮像できない課題があった。
そこで、本発明の目的は、指が短く細い子供の指でも大人と分けて別な専用の指静脈認証装置を準備することなく、認証処理を行うことができる指静脈認証装置を提供することにある。なお、本発明の目的は、いわゆる子供に限らず、様々な指の大きさ、長さに対応できることが含まれる。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
すなわち、代表的なものの概要は、前ガイドと後ガイドとの間に設けられた中間ガイドと、指に光を照射する照射手段と、照射手段からの光の照射による指の静脈パターンを取得する取得手段と、指の静脈パターンから抽出された情報に基づいて、大人の指か子供の指かを判定し、その判定結果に基づいて、照射手段の光量を調整して、指静脈認証処理を行う制御手段とを備えたものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、子供の指が認証装置の先端の前ガイドに届かないため使えないといった利用者の利便性を損なうことなく、また、指が短く細い子供の指でも大人と分けて別な専用の指静脈認証装置を準備することなく、大人と同じ指静脈認証装置を使用し認証を行うことができる。
本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の構成を示す構成図である。 本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置において子供の指を載せた状態を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の後ガイドの構造を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の指静脈の登録、認証作業フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1〜図3により、本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の構成および指の固定について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の構成を示す構成図、図2は本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置において子供の指を載せた状態を示す図、図3は本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の後ガイドの構造を示す図である。
図1において、指静脈認証装置は、指の静脈パターンを映し出すための照射手段であるLED101、指を固定する前ガイド102および後ガイド301、子供の指105を固定するための中間ガイド201、指の静脈パターンを取得する取得手段であるカメラ103、画像処理を行うCPUおよびメモリ内蔵の制御手段である制御コントローラ106からなる。
制御コントローラ106は、カメラ103から取得した指の静脈パターンから特徴を抽出し、抽出した特徴から大人の指か子供の指かを判定し、判定した指から指の静脈パターンを映し出すための光源の光量を調整する制御機能、指の静脈パターンを登録するメモリ機能および指の静脈の認証機能を有する。
また、大人の指104を前ガイド102および後ガイド301で固定し、子供の指105を中間ガイド201および後ガイド301で固定するようになっている。
本実施の形態では、中間ガイド201は、前ガイド102と後ガイド301の中間に位置する構成となっているが、その限りではなく、適応させる指の長さにより位置は前後させることができる。
図2に示すように、指静脈認証装置は、子供の指でも確実に照射できるように、ガイドに置く指に対し指の静脈パターンを映し出すためのLED101を斜め上部に2つ設置している。
これにより、子供の指105でもLED101の照射した光源が確実に指を捕らえ、指静脈のパターンをカメラ103で撮像できるように構成される。ここで図2に示す202はLED101の光軸、203はカメラ103の光軸である。また、子供の指105をガイドする中間ガイド201は、カメラ103での撮像に影響しないように両側から指を支える構成となっている。
図3に示すように、大人の指104および子供の指105を、指の付け根側で固定する後ガイド301の溝は、太い大人の指104だけでなく、細い子供の指105でもガイドに指を載せたときに転がらず、安定にフィットするよう先端に向かってすぼめた形で構成される。
これにより、図1に示すように、大人の指104と子供の指105とで、指を固定する高さを異なる高さにすることができるようになっている。
次に、図4により、本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の指静脈の登録、認証作業フローについて説明する。図4は本発明の一実施の形態に係る指静脈認証装置の指静脈の登録、認証作業フローを示すフローチャートである。
まず、利用者は指の静脈パターンの登録、または指の静脈による個人識別の認証のどちらかを選択する。登録の場合は、例えば「0」、認証の場合は、例えば「1」の値を制御コントローラ106内のメモリに保存する(ステップ401)。
次に、ステップ401で選択した目的のため、指をガイドに置き(ステップ402)、LED101の照射した光源により、カメラ103で指の静脈パターンを撮像し、その画像を取得する(ステップ403)。なお、ステップ403での指の静脈パターン画像取得は、例えば、特開2002−83298号公報に記載の方法などで行えばよい。
次に、ステップ403で撮像し、取得した指の静脈パターン画像から指先の特徴を抽出する(ステップ404)。なお、ステップ404での取得した指の静脈パターンから指先の特徴の抽出は、例えば、特開2002−83298号公報に記載の方法などで行えばよい。
次に、大人の指104をガイドに置いた場合、指先が前ガイド102まで届くため、ステップ404で抽出した画像の特徴としては、指先の輪郭画像は見られないが、子供の指105をガイドに置いた場合、抽出した画像の特徴として、指先の輪郭画像が見られる。
そこで、ステップ404で抽出した特徴において、その画像に指先の輪郭から、指先画像が有るか否かを判定する(ステップ405)。
ステップ405で指先画像が無しと判定した場合はステップ406に進み、指先画像が有りと判定した場合はステップ407に進む。この判定の方法は、例えば、指の輪郭画像の一番端を始点とし、1ピクセルずつ輪郭に沿って移動した場合、その画像の反対側が終点となる場合は大人の指で、それ以外は子供の指と判定する方法などで行えばよい。
ステップ405において、指先画像が無しと判定した場合は、大人の指104と判定する(ステップ406)。また、ステップ405において、指先画像が有りと判定した場合は、子供の指105と判定する(ステップ407)。
大人の指104に照射するLED101の光量と同等の光量を子供の指105に照射した場合、指が小さく、血管が細いことから、指静脈パターンを取得するのに適した光量ではない。
そこで、子供の指105と判定した場合は、適切な子供の指の静脈パターンが撮像できる光量に調整する(ステップ408)。適切な子供の指の静脈パターンが撮像できる光量の調整は、例えば、大人用の光量を10とした場合、子供用の光量を5にするなど予め光量値を決めておく方法などで行えばよい。
次に、ステップ408において調整されたLED101の光量により、子供の指105の指の静脈パターンを取得する(ステップ409)。
大人の指104と判定された場合、または子供の指105と判定された後、子供の指105の指の静脈パターンを取得した後、ステップ401で制御コントローラ106内のメモリに保存されている値に従い、登録の処理または認証の処理が自動的に選択される(ステップ410)。
ステップ410以降のステップでは、ステップ406で大人の指104と判定した場合はステップ403で取得した指の静脈パターン画像、またはステップ407で子供の指105と判定した場合はステップ409で取得した指の静脈パターン画像が用いられる。
ステップ410で登録の処理が選択されると、取得した指の静脈パターン画像を指静脈認証用テンプレートとして登録処理を行う(ステップ411)。なお、ステップ411での取得した指の静脈パターン画像を指静脈認証用テンプレートとして登録する処理は、例えば、特開2002−83298号公報に記載の方法などで行えばよい。
また、ステップ410で認証が選択されると、ステップ411で登録した指静脈認証用テンプレートと、ステップ403またはステップ409で取得した指の静脈パターン画像を照合し、指静脈パターン認証処理を行う(ステップ412)。ステップ412での取得した指の静脈パターン画像を照合し指静脈認証する処理は、例えば、特開2002−83298号公報に記載の方法などで行えばよい。
以上のように、本実施の形態によれば、中間ガイド201を設けたため、子供の指105が認証装置の先端の前ガイド102に届かないため使えないといった利用者の利便性を損なうことなく、また、指が短く細い子供の指105でも大人と分けて別な専用の指静脈認証装置を準備することなく、大人と同じ指静脈認証装置を使用し認証を行うことができる。
また、子供の指105と判定した場合は、指に照射する光量を調節するため、子供の指105でも、より鮮明に指静脈パターンを取得することができ、正確な指静脈認証を行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、指が有する生体情報の中の静脈パターンを利用して個人認証を行う指静脈認証装置に関し、子供から大人まで使用する認証システムなどに広く適用可能である。
101…LED、102…前ガイド、103…カメラ、104…大人の指、105…子供の指、106…制御コントローラ、201…中間ガイド、301…後ガイド。

Claims (5)

  1. 指の静脈パターンを利用して個人を識別する指静脈認証装置であって、
    前記指の前後を固定する前ガイドおよび後ガイドと、
    前記前ガイドと前記後ガイドとの間に設けられた中間ガイドと、
    前記指に光を照射する照射手段と、
    前記照射手段からの前記光の照射による前記指の静脈パターンを取得する取得手段と、
    前記指の静脈パターンから抽出された情報に基づいて、大人の指か子供の指かを判定し、その判定結果に基づいて、前記照射手段の光量を調整して、指静脈認証処理を行う制御手段とを備えたことを特徴とする指静脈認証装置。
  2. 請求項1記載の指静脈認証装置において、
    前記照射手段は、前記指の両側の斜め上部に2つ設置されたことを特徴とする指静脈認証装置。
  3. 請求項1記載の指静脈認証装置において、
    前記中間ガイドは、前記指を両側から支える2つのガイドから構成されたことを特徴とする指静脈認証装置。
  4. 請求項1記載の指静脈認証装置において、
    前記制御手段は、前記指の指先の静脈パターンから抽出された指先の輪郭画像に基づいて、指先の輪郭を確認し、前記指先の輪郭の有無により、前記大人の指か前記子供の指かを判定することを特徴とする指静脈認証装置。
  5. 請求項1記載の指静脈認証装置において、
    前記後ガイドの溝は、先端に向かってすぼめた形であり、前記大人の指を固定する場合と、前記子供の指を固定する場合とで、指を固定する高さが異なることを特徴とする指静脈認証装置。
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