上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の動画像撮像装置によれば、撮像対象の被写体の動画像を撮像する動画像撮像装置であって、1/25秒以下の撮像周期で被写体を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像データを表示するための表示手段と、前記撮像手段のピント、倍率、撮像位置の少なくともいずれかを含む視野範囲を調整するための視野範囲調整手段と、前記視野範囲調整手段により調整された視野範囲にて、前記撮像手段で被写体を撮像する際の撮像周期を設定するための撮像周期設定手段と、前記撮像周期設定手段により設定された前記撮像周期の逆数以下の範囲で、前記撮像手段のシャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定手段と、前記撮像周期設定手段で先に撮像周期を設定させた後に、前記シャッタースピード設定手段でシャッタースピードを設定するよう促すための誘導手段とを備えることができる。これにより、設定項目が多岐に渡る動画像撮像装置であっても、予め定めた設定手順で設定させることで、手戻りの少ない効率のよい設定作業が可能となる。特に動画像撮像装置では、撮像周期の設定可能範囲を広く取りたいため、シャッタースピードの調整を撮像周期の調整よりも後に行わせることで、撮像周期への制限を無くし、一方でシャッタースピードについては撮像周期の逆数以下に制限することで、所望の撮像周期への対応が可能となる。
さらに第3の動画像撮像装置によれば、さらに、前記撮像周期設定手段により設定される撮像周期に基づいて、該撮像周期と同等の周期で前記撮像手段の撮像可能な撮像領域から画像データの読み出しが可能な範囲を読出領域として、該読出領域の大きさ及び/又は位置を決定するための読出領域決定手段と、前記表示手段で表示中の画像データを撮像した撮像周期よりも速い撮像周期に対応した、前記読出領域決定手段で決定される読出領域の大きさ及び/又は位置を示す領域表示を、前記表示手段において重ねて表示可能な領域表示手段とを備えることができる。これにより、撮像周期を変更した際の読出領域の変化を事前に表示させることで、ユーザは撮像周期変更後の視野変化を予め把握することができ、撮像周期変更後に被写体が映らないといった事態にも適切な対応が可能となる。
さらにまた第4の動画像撮像装置によれば、撮像対象の被写体の動画像を撮像する動画像撮像装置であって、1/25秒以下のフレームレートで被写体を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像データを表示するための表示手段と、前記撮像手段のピント、倍率、撮像位置の少なくともいずれかを含む視野範囲を調整するための視野範囲調整手段と、前記視野範囲調整手段により調整された視野範囲にて、前記撮像手段で被写体を撮像する際のフレームレートを設定するためのフレームレート設定手段と、前記フレームレート設定手段により設定された前記フレームレートの逆数以下の範囲で、前記撮像手段のシャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定手段と、前記フレームレート設定手段で先にフレームレートを設定させた後に、前記シャッタースピード設定手段でシャッタースピードを設定するよう促すための誘導手段と、を備えることができる。これにより、設定項目が多岐に渡る動画像撮像装置であっても、予め定めた設定手順で設定させることで、手戻りの少ない効率のよい設定作業が可能となる。特に動画像撮像装置では、フレームレートの設定可能範囲を広く取りたいため、シャッタースピードの調整をフレームレートの調整よりも後に行わせることで、フレームレートへの制限を無くし、一方でシャッタースピードについてはフレームレートの逆数以下に制限することで、所望のフレームレートへの対応が可能となる。
さらにまた第5の動画像撮像装置の設定支援装置によれば、1/25秒以下の撮像周期で撮像対象の被写体を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像データを表示するための表示手段とを備え、被写体の動画像を撮像する動画像撮像装置の撮像条件設定作業を支援するための設定支援装置であって、前記撮像手段のピント、倍率、撮像位置の少なくともいずれかを含む視野範囲を調整するための視野範囲調整手段と、前記視野範囲調整手段により調整された視野範囲にて、前記撮像手段で被写体を撮像する際の撮像周期を設定するための撮像周期設定手段と、前記撮像周期設定手段により設定された前記撮像周期の逆数以下の範囲で、前記撮像手段のシャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定手段と、前記撮像周期設定手段で設定された撮像周期に基づき、前記シャッタースピード設定手段でシャッタースピードを設定するよう促すための誘導手段とを備えることができる。これにより、設定項目が多岐に渡る動画像撮像装置であっても、予め定めた設定手順で設定させることで、手戻りの少ない効率のよい設定作業が可能となる。特に動画像撮像装置では、撮像周期の設定可能範囲を広く取りたいため、シャッタースピードの調整を撮像周期の調整よりも後に行わせることで、撮像周期への制限を無くし、一方でシャッタースピードについては撮像周期の逆数以下に制限することで、所望の撮像周期への対応が可能となる。
さらにまた第6の動画像撮像装置の設定支援装置によれば、1/25秒以下の撮像周期で撮像対象の被写体を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像データを表示するための表示手段とを備え、被写体の動画像を撮像する動画像撮像装置の撮像条件設定作業を支援するための設定支援装置であって、前記撮像手段のピント、倍率、撮像位置の少なくともいずれかを含む視野範囲を調整するための視野範囲調整画面と、前記視野範囲調整画面により調整された視野範囲にて、前記撮像手段で被写体を撮像する際の撮像周期を設定するための撮像周期設定画面と、前記撮像周期設定画面により設定された前記撮像周期の逆数以下の範囲で、前記撮像手段のシャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定画面と、を記憶するための設定画面記憶手段と、前記設定画面記憶手段で記憶された視野範囲調整画面、撮像周期設定画面、シャッタースピード設定画面の順に前記表示手段に表示させて、各設定画面における設定を促すための誘導手段と、を備え、前記誘導手段が、前記設定画面記憶手段から読み出されたシャッタースピード設定画面を用いて前記撮像手段のシャッタースピードを設定する際、前記撮像周期設定画面を用いて先に設定された前記撮像手段の撮像周期の逆数以下の範囲に設定させるよう構成できる。これにより、設定項目が多岐に渡る動画像撮像装置であっても、予め定めた設定手順で設定させることで、手戻りの少ない効率のよい設定作業が可能となる。特に動画像撮像装置では、撮像周期の設定可能範囲を広く取りたいため、シャッタースピードの調整を撮像周期の調整よりも後に行わせることで、撮像周期への制限を無くし、一方でシャッタースピードについては撮像周期の逆数以下に制限することで、所望の撮像周期への対応が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための動画像撮像装置、動画像撮像装置の設定支援装置、動画像撮像装置の設定方法を例示するものであって、本発明は動画像撮像装置、動画像撮像装置の設定支援装置、動画像撮像装置の設定方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
本発明の実施例において使用される動画像撮像装置とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。なお本明細書において動画像撮像装置とは、動画像撮像装置本体のみならず、これにコンピュータ、外部記憶装置等の周辺機器を組み合わせた動画像撮像システムも含む意味で使用する。
また、本明細書において動画像撮像装置は、高速度観察の画像撮像を行うシステムそのもの、ならびに撮像に関連する入出力、表示、演算、通信その他の処理をハードウェア的に行う装置や方法に限定するものではない。ソフトウェア的に処理を実現する装置や方法も本発明の範囲内に包含する。例えば汎用の回路やコンピュータにソフトウェアやプログラム、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、コンパイラ、モジュール、特定のプログラム上で動作するマクロ等を組み込んで撮像そのものあるいはこれに関連する処理を可能とした装置やシステムも、本発明の動画像撮像装置に該当する。また本明細書においてコンピュータには、汎用あるいは専用の電子計算機の他、ワークステーション、端末、携帯型電子機器、PDCやCDMA、W−CDMA、FOMA(登録商標)、GSM、IMT2000や第4世代等の携帯電話、PHS、PDA、ページャ、スマートフォンその他の電子デバイスも包含する。さらに本明細書においてプログラムとは、単体で使用されるものに限られず、特定のコンピュータプログラムやソフトウェア、サービス等の一部として機能する態様や、必要時に呼び出されて機能する態様、OS等の環境においてサービスとして提供される態様、環境に常駐して動作する態様、バックグラウンドで動作する態様やその他の支援プログラムという位置付けで使用することもできる。
本明細書において高速度観察とは、ハイスピード撮像等とも呼ばれ、人の目で視覚することが困難な瞬間的な画像を連続的な複数のフレーム画像として撮像するものであり、例えばフレームレート(一秒間に連続して取得する画像の枚数を定義する単位)100fps〜100万fpsでの撮像を行う。この際、必要に応じて被写体を適宜拡大表示させることもできる。
なお、高速度撮像は、基本的には静止画を連続撮像するものであるが、これらを連続して表示すれば動画のように扱えるため、ここでは便宜上、動画像の録画と呼ぶこともある。すなわち本明細書において動画像とは、所定のフレームレートで連続して撮像した一連の静止画像の集合を指す。また動画像を表示部に表示させた一画面のデータを、画像データとも呼ぶ。
(ブロック図)
図1に、本発明の一実施の形態に係る動画像撮像装置100の外観斜視図を、図2にブロック図を、それぞれ示す。これらの図に示す動画像撮像装置100は、撮像部10を備えるヘッド部15と、ヘッド部15を駆動制御し画像処理等を行う本体部50と、これらを接続するケーブル部24とで構成される。ヘッド部15は、撮像部10を含む撮像モジュール16と、照明手段60を含む照明モジュール66、レンズモジュール20で構成される。一方本体部50は、照明手段60に照明光を供給するための照明用光源64と、撮像部10を制御する撮像用制御信号を生成し、撮像部10に対して送信するための撮像制御部13と、撮像部10で撮像された画像に対して画像処理を行うための画像処理部81とを備える。さらに本体部50は、撮像部10で撮像された画像を表示する表示部52と、ユーザが各種設定や操作を行うための操作部55を備える。この動画像撮像装置100は、観察用途に応じたレンズモジュール20及び照明モジュール66に交換可能とすれば、一台の動画像撮像装置を複数の異なる用途に用いることが可能となる。
さらに本体部50は必要に応じて、撮像部10の撮像周期を変更するための撮像周期設定手段31と、撮像周期に基づいて、撮像部10の撮像領域から画像データの読み出しが可能な読出領域の大きさ及び/又は位置を決定する読出領域決定手段32と、撮像周期が変更されたことを検出して、変更後の撮像周期に対応した読出領域の大きさ及び/又は位置に応じた画像データを読出領域から読み出して、所定の表示周期で表示手段に表示させる表示更新手段33と、読出領域の大きさ及び/又は位置を示す領域表示RHを、表示部52上に表示可能な領域表示手段34と、領域表示RHの基準位置を調整するための領域表示調整手段35と、基準位置や読出領域の大きさを指定するための領域位置指定手段36、ユーザが動画像の表示の更新の実行を指示するための変更指示手段37、シャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定手段38、トリガを設定するためのトリガ設定手段39を備える。
この動画像撮像装置100は、撮像部10で撮像された一連の画像データを、撮像時の撮像周期よりも遅い表示周期で動画像として表示部52に表示させることができる。すなわち、撮像した動画像をスロースピードで再生できる。
(ヘッド部15)
ヘッド部15は、撮像モジュール16に撮像部10を備える。撮像部10は、照明手段60により照明された観察対象の被写体S(試料、ワーク等)から、光学系を介して入射する反射光を電気的に読み取る撮像素子12を備える。撮像素子12は、この例ではCMOSを利用しているが、CCD等、他の素子も利用できる。ここではヘッド部15の外形を、図1に示すように円筒状の撮像モジュール16とし、内部に撮像素子12を内蔵する。また撮像モジュール16をモノクロ撮像用、カラー撮像用等、用途に応じた複数種類を用意し、これらを適宜選択することで、種々の用途に対応可能な動画像撮像装置とできる。
(撮像部10)
撮像部10は、撮像素子12を2次元状に配置しており、このような撮像素子12を配置した撮像領域における少なくとも一部の領域に対して、撮像した画像データを読み出し可能としている。すなわち、常に撮像素子のすべてで取得した画像データを撮像領域全体から読み出すのでなく、撮像周期等に応じて、部分的な領域(後述する読出領域又は視野範囲)に制限して画像データを取得することで、高速な読み出しを可能としている。また撮像部10で被写体を撮像する際の撮像周期(いわゆる撮像フレームレート;本明細書においては特に断りのない場合、単に「フレームレート」と呼ぶことがある。)は、異なる周期に変更可能としている。フレームレートは、例えば30〜32000fpsの範囲で設定できる。
(レンズモジュール20)
レンズモジュール20は、撮像素子12と光学的に結合される光学レンズを内蔵する。レンズモジュール20は、要求される倍率や明るさに応じたサイズ、曲率の光学レンズを複数枚備えている。また、高速度観察用のレンズを内蔵するレンズモジュール以外に、例えば拡大観察用のレンズを内蔵するレンズモジュールを用意し、交換可能としてもよい。
(照明手段60)
照明手段60は、レンズモジュール20を介して撮像素子12に結像される被写体Sを照明する。照明手段60の光源は、本体部50に内蔵され、ケーブル部24を介して照明光がヘッド部15の照明手段60に伝達される。照明手段60は、ヘッド部15に組み込み式としたり、ヘッド部15と脱着可能な別体のいずれも採用できる。
(本体部50)
本体部50は、照明用光源64と、撮像制御部13と、画像処理部81と、メモリ部53と、インターフェース部54を備える。図2の例では、各部材を本体部50に組み込んでいるが、本体部50はこの構成に限られず、照明用光源64、撮像制御部13、画像処理部81等を、各々ユニット状に分割可能とすることもできる。これにより、構成の自由度が増す。例えば、照明用光源を内蔵せず、外付けで接続する態様とできる。この場合、光源の切替を容易に行える反面、光源の設置や配線作業が必要となり、手間がかかる。
(照明用光源64)
照明用光源64は、撮像制御部13に点灯を制御される。具体的には、メタルハライドランプやハロゲンランプを使用する場合は、照明光供給ケーブル61を接続する接続端子との光路上に照明光をすべて、あるいは部分的にマスクして遮光するマスク板(図示せず)を配置する。マスク板は2枚の大小の略扇形を背中合わせに接続したような形状で、回動軸を中心に回動自在に装着される。大きな扇形部分には、開口窓が設けられ、略円形の全周照明用開口窓と、略扇形の側射照明用開口窓が、それぞれ開口されている。また小さい扇形には、その円周側面部分にギア溝が形成されている。このマスク板は回動軸を中心に回動自在に連結されており、モータによって回動される。モータは回転軸にウォームギアを固定しており、ウォームギアのギア部分が、マスク板の小さい扇形の円弧部分に設けれらたギア溝と噛み合うように配置される。モータを回転させてマスク板を回動させると、全周照明用開口窓および側射照明用開口窓のいずれかが、照明光供給ケーブル61と一致する。これによって、照明光供給ケーブル61を照明用光源64と接続し、照明手段60から照明光を照射可能とする。
またメタルハライドランプ以外にも、水銀ランプやキセノンランプ、ハロゲンランプやLEDを利用できる。LEDは、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等に比べて赤外線成分が少なく、同一光量を照射しても、被写体への発熱量が少ない利点が得られる。また比較的安価で長寿命である上、入力に対する応答性にも優れ、照明光を遮光するマスク板を使用することなく点灯制御できる上、100万fpsといった高速撮像にも十分追従してON/OFFできる。
(撮像制御部13)
撮像制御部13は、高速度観察時におけるフレームレート、シャッタースピード等の撮像条件を、操作部55を介して設定し、設定された撮像条件に従い、各部の制御を行う。具体的には、撮像部10の撮像素子12を駆動制御する撮像用制御信号を生成し、撮像部10に対して送信する。また、照明用光源64のON/OFFや遮光を制御する。例えばストロボ撮像を行う場合は、撮像に同期した同期信号を出力し、同期信号により照明用光源64の点灯ON/OFFを行うと共に撮像素子12で撮像を行う。このように、撮像制御部13から照明用光源64に対し、1回の撮像の開始及び終了時点に同期した撮像タイミング信号と、撮像中の各フレームの露光開始時点に同期した露光タイミング信号が送信される。
(画像処理部81)
画像処理部81は、撮像部10で撮像された画像に対して画像処理を行う。例えば、表示部52に表示された被写体の画像に対して、領域を指定し、面積を演算したり、高低差や距離、角度を演算するといった計測処理を行う。
(表示部52)
表示部52は、撮像した画像や設定等を表示するディスプレイである。表示部52はCRTや液晶パネル等が利用される。図1の例では、表示部52は本体部50に組み込まれているが、映像出力端子を設けるなどして外付けのディスプレイを接続することも可能である。
(メモリ部53)
メモリ部53は、撮像された画像データや設定内容等を保持する。好適には、一時的な記憶領域としてRAM等の高速な半導体メモリを使用し、データ保存領域としてハードディスクを使用する。
(インターフェース部54)
また、データを外部機器とI/O若しくは通信を介してやりとりするためのインターフェース部54を備える。制御信号や画像データ等を外部機器と受け渡しするためのポートとして、ケーブル部24や各種コネクタ類を接続する端子穴を本体部50に開口させる。また、USBポートを備えることで、USBメモリへのデータの書き出しや、他のコンピュータ等とシリアル接続してデータ通信を容易に行える。
(操作部55)
操作部55は、表示部52上に表示される画面に基づいてユーザが入力その他の操作を行うための入出力デバイスである。操作部55は本体部50と有線もしくは無線で接続され、あるいは本体部50に固定されている。一般的な操作部55としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの操作部55は、動画像撮像装置の操作の他、動画像撮像装置自体やその周辺機器の操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、又は音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。なお表示部52や操作部55は、本体部50と一体的に組み込むことも、本体部と有線もしくは無線で接続された外付けの部材とすることもできる。さらに表示部をタッチパネルで構成すれば、表示部と操作部を一体に構成することもできる。また操作部55を無線接続のコンソールで構成することもできる。
(読出領域決定手段32)
撮像フレームレートは、撮像周期設定手段31で設定する。撮像フレームレートが速くなると、撮像素子からの読み出し速度が間に合わなくなる。そこで、撮像フレームレートに応じて、与えられた時間内に撮像領域から読み出し可能な領域を、読出領域として制限することにより、高速読み取りに対応させることができる。このための、撮像フレームレートに応じた読取領域の大きさの演算は、読出領域決定手段32で行う。読出領域決定手段32は、撮像フレームレートに基づいて、撮像部10の撮像領域から画像データの読み出しが可能な範囲を読出領域として、読出領域の大きさ及び/又は位置を決定する。なお、このときの演算の基準となる撮像フレームレートは、撮像周期設定手段31で設定された撮像フレームレートとする他、これよりも若干速い周期又は遅い周期とすることもできる。
読出領域決定手段32は、フレームレート毎に読出領域の大きさ及び/又は位置を演算する。すなわち、撮像周期設定手段31により設定される撮像フレームレートに基づいて、読出領域を演算して求める。これにより、読出領域と撮像フレームレートとの対応を毎回演算して求めることができ、テーブルを不要にできる利点が得られる。また演算式を変更することで、同じ撮像フレームレートであっても縦長、横長、正方形状といった異なる形状の読出領域に変更することが可能となる。
また読出領域決定手段32は、フレームレート毎に読出領域の大きさ及び/又は位置を演算する他、予めフレームレートと読出領域との対応関係を記録したテーブルなどを利用して参照することもできる。このようなテーブルは、読出領域決定手段32に内蔵する他、別途メモリ等の記憶手段を利用してもよい。図2の例では、撮像フレームレートに対応する読出領域に関する情報を、設定可能な撮像フレームレート毎に記録した対応テーブルが、メモリ部53の対応関係記憶手段56に記録されている。これにより、読出領域決定手段32は、対応関係記憶手段56に記憶された対応テーブルに従い、読出領域を決定する。このような構成は、読出領域決定手段32の負荷を軽減して高速な処理が実現できる。
(表示更新手段33)
撮像周期設定手段31によるフレームレートの変更及び変更後の表示部52の更新は、リアルタイムで行うことができる。これにより、ユーザは表示部52で表示される結果を確認しながらフレームレートを撮像周期設定手段31で調整できるので、所望の動画像を得ることができる。すなわち、必要な事象が把握できる撮像フレームレートや、ぶれの少ない撮像フレームレート等、観察用途や目的に応じた最適なフレームレートに調整できる。このような表示更新は、表示更新手段33で行われる。
表示更新手段33は、表示部52上において撮像部10で撮像された画像データを表示させた状態から、該画像データを撮像した撮像フレームレートから撮像周期設定手段31で撮像フレームレートが変更されたことを検出して、前記読出領域決定手段32で決定される該変更後の撮像フレームレートに対応した読出領域の大きさ及び/又は位置に応じて、変更後の撮像フレームレートで撮像された一連の画像データを該変更後の読出領域から読み出して、所定の表示周期(表示フレームレート)で前記表示部52に表示させるよう、前記表示部52の画像表示を更新する。
(領域表示手段34)
一方で、撮像フレームレートを速くすると、撮像素子からの画像データの読み出しが間に合わなくなる。そこで、画像データの読出領域を撮像素子を設けた撮像領域全域とせず、一部の領域に読出領域を制限することで、高速なフレームレートでもコマ落ちを生じない動画像を取得できる。ただ、この場合は撮像できる画像サイズが小さくなるため、ユーザが望む視野が得られないといった事態が生じ得る。特に、フレームレートをリアルタイムで更新する際は、現在どの領域が表示されているのかを把握できなくなることが生じ得る。また、撮像フレームレートの変更により視野の再調整が必要になる場合もある。視野の再調整のために、カメラのピントや照明モジュール66の角度調整などを行うには、実際にヘッド部15に対してユーザ自身の手で調整作業を行う必要がある。特に、表示部52とヘッド部15とが離れた位置にある場合は、ユーザは表示部52の画面を見ながら操作している状態から一旦席を立って、ヘッド部15の場所まで移動して作業を行う必要が生じる。このように再調整作業の手間を考えると、最初の設定段階で撮像フレームレート変更後の視野の変化を見据えた調整を行っておくことが好ましい。
そこで、ヘッド部15の調整作業を行う段階で、予めフレームレートに応じて表示部52の視野が制限されることをユーザに告知しておくことで、このような被写体を見失う事態やその後の再調整作業の必要性を解消できる。このため、領域表示手段34が、予め読出領域決定手段32で決定されたフレームレート毎の読出領域の大きさ及び/又は位置を示す領域表示RHを、表示部52において重ねて表示する。これにより、撮像フレームレートの変更の際に、事前に変更先の読出し領域を画像上に表示させることで、変更後の読取領域の把握が容易になり、被写体が映らない、あるいは適切な位置を捕捉できていないといった状況の発生を事前に確認することができる。
図3に、表示部52に領域表示RHを重ねて表示させた画面例を示す。このように、領域表示RHは被写体の画像データに重ねて、枠状で表示する。また、領域表示RHは一のフレームレートのみを表示する他、図3に示すように複数のフレームレートに対応した領域表示RHを一画面に重ねて表示させてもよい。これにより、様々な撮像フレームレートに対応した読出領域を事前にユーザに告知でき、ユーザは撮像フレームレート変更後の視野を個別に把握でき、さらに利便性が向上する。またこの際、各領域表示RHに対応するフレームレートの値を付記することで、ユーザはフレームレートを撮像周期設定手段31で調整する際の視野の変更を枠状で認識し易くなる。さらに撮像フレームレート変更後の画像にも、これよりも高い撮像フレームレートに対応する領域表示を表示することもできる。なお領域表示手段34は、このような領域表示機能をON/OFFさせることも可能であることはいうまでもない。
読出領域の大きさは、相対的な大きさの変化として把握できる。このため、ある撮像フレームレートで得た動画像データを表示部52に表示させた状態で、このフレームレートの読出領域の大きさ及び/又は位置をメモリ部53の第1読出領域記憶手段で記憶しておく。この状態で、変更後の撮像フレームレートの候補については、特に記憶しておかずとも、各撮像フレームレートに関して読出領域決定手段32で決定された読出領域の大きさ及び/又は位置は、メモリ部53の第2読出領域認識手段で一時的に保持しておくことで、現在の読出領域と変更後の読出領域との相対的な大きさ及び/又は位置を読出領域決定手段32で求め、この相対的な大きさ及び/又は位置関係から、変更後の読出領域を示す領域表示を、現在の動画像データ上に重畳表示させることができる。
(領域表示調整手段35)
図3の例では、読出領域は各々表示部52の画面の中央に位置するように設定している。ただ、基準位置は中央に限られず、画面の左上や右下など、任意の位置に設定できる。この調整は、領域表示調整手段35で行う。領域表示調整手段35は、領域表示RHの位置を、該画像データ上で調整する。例えば、基準位置を座標位置で指定したり、マウスなどのポインティングデバイスで、表示部52の画面上から基準位置を直接指定する。
(領域位置指定手段36)
あるいは、ユーザが基準位置や読出領域の大きさを指定するよう構成してもよい。この指定は、領域位置指定手段36で行う。領域位置指定手段36は、領域表示RHの位置を、該画像データ上で調整する。領域位置指定手段36で、基準位置を座標位置やマウスなどのポインティングデバイスを用いた画面上からの指定により変更できる。これにより、ユーザは広域画像上から、所望の位置に読出領域を指定することができ、撮像フレームレート変更後の表示状態を所望の位置にて確認できる。
さらに、領域表示RHの基準位置のみならず、領域表示RHの大きさを指定する手段を設けてもよい。例えばユーザは、マウスなどのポインティングデバイスで表示部52の画像表示欄304の画面上から基準位置をクリックで指定したり、隅部をドラッグして矩形状の領域を指定することにより、新たな読出領域を指定することができる。これにより、ユーザは読出領域を、画像データを見ながら変更することが可能となる。当然ながらその読出領域には、変更後の撮像フレームレートに基づき制限が課されることになる。
領域表示RHは、現在表示中の領域よりも狭い読出領域について表示させることができる。このため、領域表示RHを行う画面は、広い視野で被写体を撮像した画像データを基準とすることが好ましい。すなわち、撮像素子のすべてで取得した撮像領域全域で撮像した画像データ上に、領域表示RHを行う。これにより、複数の異なるフレームレートに対応した領域表示RHを表示し易くできる。ただ、これに限られず、例えば表示更新手段で撮像領域よりも狭い読出領域に変更された後でも、さらに狭い読出領域すなわち速いフレームレートに対応した領域表示RHを表示させることもできる。
また領域表示手段34は、一画面で表示させる領域表示の数を制限することができる。特に、多数の領域表示を一画面で同時に表示させると、所望のフレームレートに対応する領域表示を判別し難いことがある。そこで、領域表示の数を制限することによって、このような問題を解消し見やすい表示とできる。このような領域表示の詳細設定も、領域表示調整手段35にて行うことができる。また、各領域表示を区別するために、枠状を構成する線の色を変更する他、線の太さ、線種(実線、破線、波線等)、点滅・強調・グレーアウトなどのハイライト表示、枠状で囲まれた領域を塗りつぶす色やハッチングパターンを変更する方法や、これらの組み合わせも適宜利用できる。さらに枠状に限られず、例えば四隅に×やアイコンを表示したり、枠状に移動するカーソルの軌跡で領域表示を表現することもできる。あるいは、領域表示を座標位置等の位置情報で表示させてもよい。さらに図3の下部に示すように、撮像フレームレートに応じた縦横のサイズを表示部52の画面上に表示させてもよい。
さらには、画像表示を行う画像表示欄304とは別画面を設けて、この別画面中で画像表示欄304と対応させて領域表示を行うこともできる。例えば図4に示すように、画像表示欄304の右側にこれよりも小さい縮小表示欄304’を設けて、この縮小表示欄304’上で領域表示RH’を行う。この構成では、画像表示欄304で表示される被写体の表示を妨げることなく、フレームレート変更後の視野の変化を変更前に確認できる。加えて、フレームレート変更後においても、変更前の視野のどの部分を現在観察しているのかを確認できるため、視野の位置の変化の前後を理解し易い利点も得られる。特に、縮小表示欄304’の表示を、撮像領域全体を縮小表示したものに固定することで、フレームレートをどのように変更しても、撮像領域全体を絶対的な指標としてどの部分を観察しているかを把握でき、初心者にも視野の変化の変遷を理解し易くできる。
(時間差表示)
以上の例では、予め枠状の領域表示を複数表示させた状態で、ユーザは撮像周期設定手段31でフレームレートを変更する。この構成では、ユーザはフレームレート変更後の視野の変化を把握するには、先に変更後のフレームレートを決めた上で、複数の領域表示の中から、変更後のフレームレートに対応する領域表示を探し出した後、視野を確認する作業が必要となる。特に、上述のとおり図3に示すように多数の領域表示を同時に表示させる場合は、所望のフレームレートに対応する領域表示がどれに対応するかを探し出すのが容易でないこともある。そこで、予め候補となる複数の領域表示を表示させるのでなく、ユーザが変更後のフレームレートを決定した後に、該フレームレートに対応する領域表示を表示させる構成も採用できる。
一例として、領域表示手段34が、撮像周期設定手段31でフレームレートが変更されたことを検出すると、フレームレートを変更する前に、変更後のフレームレートに対応した読出領域を示す領域表示RHを、一旦表示部52に表示させる。そしてその後に、所定のタイミングでフレームレートを変更した動画像に表示部52の表示内容を更新する。これにより、変更後の領域表示RHのみを一旦表示した上で、画像表示を更新するため、ユーザは複数の領域表示RHから迷うことなく確実に変更後の読出領域の位置関係を把握できる。しかもフレームレート更新後の動画像への更新は、所定のタイミングで行われるため、突然読出領域を更新されることもなく、視野の変更にも余裕を持って十分対処できる。特に初心者ユーザにおいては、フレームレートのみを変更したいのに、突然視野までが変更されると戸惑う虞があるが、フレームレート変更に伴い視野も変化することを一旦告知された上で、該変更を行うのであれば、このような違和感も低減され、スムーズに操作を理解できることが期待される。
ここで動画像の表示を更新する所定のタイミングとは、ユーザが表示の更新の実行を指示する変更指示手段37を操作したタイミングとしたり、ユーザが撮像フレームレートを変更したタイミングから一定時間(例えば数秒)経過後とできる。変更指示手段37の操作(例えば更新ボタンの押下)によれば、ユーザ自身のペースで更新を実行できるので、特に初心者ユーザには判りやすい。また一定時間経過後に自動的に更新する構成では、変更指示ボタンの押下といった特定の操作を不要として自動で表示を更新できるので、ユーザの操作の負担を軽減できる。これらは、ユーザの要求に応じて、適宜採用したり、あるいはこれらを切り替えて実行することができる。
(撮像フレームレートと視野範囲の調整作業)
以上の領域表示手段34を用いて、撮像フレームレートとこれに応じた視野範囲を調整する手順を、図27のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップS’1で変更したい撮像フレームレートを指定する。フレームレートの変更は、後述する図17等に示す撮像周期設定手段の一形態である「フレームレートに応じた視野範囲を表示」欄382から行う。この段階では、撮像フレームレートの変更処理そのものは未だ実行されない。次にステップS’2で、撮像フレームレート変更後の領域を表示させる。図17の例では、「フレームレートに応じた視野範囲を表示」欄382のフレームレートを変更すると、表示部の画像表示欄304に、指定されたフレームレートに対応する視野範囲を示す領域表示RHが重畳表示される。次にステップS’3として、被写体が領域内に含まれているかどうかを判定する。ここではユーザが、画像表示欄304の領域表示RHに、被写体の所望の部位が適切に含まれているかどうかを確認し、適切に含まれている場合はステップS’5にジャンプし、不適切な場合はステップS’4で、被写体が領域内に含まれるようにカメラの位置や倍率などを調整した後、ステップS’5に進む。ステップS’5では、撮像フレームレートの変更を実行する。ここでは、撮像フレームレート変更後の視野範囲を表示部の画像表示欄304に表示するよう、表示内容を更新する。このようにして、ユーザは領域表示手段34を利用することで、所望の撮像フレームレートに調整しつつ、変更後の視野範囲も適切に指定できる。
(仮撮像)
動画像撮像装置100は、動画像の撮像、保存前に、設定された条件で表示部52にライブ画像を表示する。また、設定された条件で仮撮影を行なった動画像データを表示部52に表示することもできる。このような仮撮像機能を備える動画像撮像装置100のブロック図を、図5に示す。この図に示す動画像撮像装置100は、図2と同じく撮像部10と、撮像制御部13と、表示部52とを備えており、外部入力機器GNから操作される。また撮像制御部13は、撮像部10で撮像した動画像データを、仮設定されたフレームレートで表示部52にリアルタイム表示させるためのライブ処理部82と、仮設定で撮像した動画像データを確認しながら調整された撮像条件で動画像を取得し、データを保存するための録画再生部83とを備えている。
外部入力機器GNとしては、マウスなどの操作部55が利用できる。ユーザは操作部55を操作して、撮像周期設定手段31でフレームレートを設定、変更できる。撮像部10は、設定されたフレームレートに従い、被写体の動画像を撮像する。一方で、外部入力機器GNで処理選択部84を操作し、動画像データの送り先として録画再生部83とライブ処理部82とを切り替える。この切り替え先に従い、撮像部10の撮像素子12から読み出された動画像データは、データ切換部89により切り替えられた側の録画再生部83又はライブ処理部82に送出される。なお、図5の例では操作部55を接続しているが、外部入力機器GNとして外部トリガを発生させる機器を利用することもでき、より多様な利用が可能となる。
(ライブ処理部82)
ライブ処理部82は、連続画像抽出部85と、画像出力部86とを備える。連続画像抽出部85では、撮像部10で得られた画像データを表示フレームレートで表示できるように、一定周期で間引きながら抽出する。抽出された画像データはライブ画像として、画像出力部86から表示部52に表示フレームレートで出力されて、表示される。これにより、高いフレームレートで撮影したリアルタイムの画像データを、低いフレームレートのライブ画像として表示でき、ライブ観察を行える。
(録画再生部83)
録画再生部83では、ライブ処理部82でのリアルタイム表示を参照しながら決定された本設定の撮像条件等に従って、実際に動画像データを取得、保存する。この録画再生部83は、トリガ処理部87と、画像書き込み部88と、画像記憶部58と、画像読出部86’とを備える。トリガ処理部87は、外部入力部から指定されたタイミングあるいは所定のトリガに従って、撮像開始を画像書き込み部88に指示する。画像書き込み部88は、トリガ処理部87からのトリガに従い、動画像データを取り込み、メモリ部53の画像記憶部58に保存する。保存された動画像データは、画像読出部86’で読み出されて表示部52に表示される。
最終的に決定される本撮像条件も、操作部55などで撮像周期設定手段31やシャッタースピード設定手段38、トリガ設定手段39等を操作して行われる。例えば撮像周期設定手段31で設定された撮像フレームレートに従い、撮像部10で画像データを連続して撮像し、撮像された所定枚数の画像データを画像書き込み部88が画像記憶部58に記録する。
画像読出部86’は、記録された所定枚数の画像データを、撮像された順番に、表示フレームレートで表示部52に再生する。表示フレームレートを撮像フレームレートよりも遅い周期に設定することで、スロー再生が実現される。
(動画像の撮像)
次に、動画像の撮像時の設定手順を説明する。図1に示すように、動画像撮像装置100のヘッド部15として、カラー撮像用若しくはモノクロ撮像用の撮像素子12を内蔵する撮像モジュール16を選択し、撮像モジュール16の先端にレンズモジュール20を装着する。このとき、撮像モジュール16に内蔵される撮像素子12の光軸と、レンズモジュール20の光軸が一致するよう、光学的に接合される。さらに照明手段60として照明ユニット66を、撮像モジュール16若しくはレンズモジュール20に装着している。このように、照明ユニット66をレンズモジュール20と別部材としつつ、ヘッド部15に装着可能とすることで、従来別体で設置が面倒であった高速度観察用の照明設備を容易に準備でき、さらに調整作業も、照明ユニット傾斜角調整手段により簡素化される。図1の例では、照明ユニット66をレンズモジュール20に対して脱着可能としている。ただ、照明ユニットをレンズモジュールに予め一体的に固定したタイプを使用すれば、レンズモジュールのみをヘッド部に装着して取り扱いを容易にできる。
(動画像撮像装置の設定プログラム)
ここで、動画像撮像装置100を設定、操作する動画像撮像装置の設定プログラムのユーザインターフェース画面300の一例を、図6〜図7に示す。ここで図6は高速度撮像、すなわち動画像の録画を行う録画モード画面300A、図7は録画した高速度撮像データ(動画像データ)を再生するプレビューモード画面300Bを、それぞれ示している。このプログラムにおいては、録画モード画面300Aで高速度撮像した動画像データを、プレビューモード画面300Bで表示させる。これら録画モード画面300Aとプレビューモード画面300Bの切替は、画面右上に設けられた画面切替手段302である「録画モード」、「プレビューモード」切替ボタンをそれぞれ選択することで行える。
これら図6、図7はすべての設定項目を直接操作可能な通常録画モードの設定画面である。また各画面の基本構成は共通としており、中央に画像を表示する画像表示欄304、その上段に各種設定を行う画面に切り替えるためのツールボタン類を配置したツールバー320が配置される。またツールバー320の下で、画像表示欄304の右側には画面を切り替える画面切替手段302、その下には各メニューにおける具体的な設定項目の項目設定欄310、さらに画像表示欄304の下段にはプログレスバー306A、306Bやトリガ設定、開始、停止ボタンなどを備える動作設定欄306が、それぞれ設けられている。
なお、これらのプログラムの画面例において各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば図6の例では画像表示欄304と項目設定欄310を同一画面に表示させているが、これらのいずれかを各々別ウィンドウで表示させてもよいことはいうまでもない。
またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、動画像撮像装置の設定プログラムを組み込んだ動画像撮像装置あるいは動画像撮像装置の設定プログラムをインストールしたコンピュータに接続された操作部55で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、操作部55によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。
また操作部自体として、動画像撮像装置に接続されたコンピュータも利用できる。このコンピュータで動画像撮像装置の設定支援プログラムを実行させることで、操作部を動画像撮像装置の設定支援装置として機能させることができる。もちろん、動画像撮像装置の本体部自体に、このような動画像撮像装置の設定支援装置や設定支援プログラムを内蔵させることも可能であることはいうまでもない。さらに、操作部として外部入力機器を用い、外部入力機器とデータ通信を行ったり、あるいは外部トリガを入力するなどして、操作を行うこともできる。
(録画モード画面300A)
まず、図6に示す録画モード画面300Aについて説明する。録画モード画面300Aにおいては、項目設定欄310に、明るさを設定する明るさ設定欄311、フレームレートを設定する撮像フレームレート設定欄315、及び各種操作を実行する操作ボタン類316が配置される。明るさ設定欄311においては、撮像部10のシャッタースピードを設定するためのシャッタースピード設定欄312、ゲインを設定するためのゲイン設定欄314が設けられる。またその下には撮像時のフレームレートを設定するための撮像フレームレート設定欄315、スロー観察を行うためのスロー観察ボタン316B、録画を開始するための録画ボタン318が設けられる。シャッタースピード設定欄312、ゲイン設定欄314では、それぞれ右側に設けられたドロップボタンを押下すれば、予め設定された数値がドロップダウンメニューあるいはプルダウンメニューで選択肢として提示される。また、数値を直接入力可能としてもよい。
(シャッタースピード設定欄312)
シャッタースピード設定欄312はシャッタースピード設定手段38の一形態として、カメラのシャッタースピードすなわち露光時間を設定する。ここでシャッタースピードは、動画像を撮像する撮像フレームレートの逆数よりも速くすることはできない。例えば撮像フレームレートが1000fpsのときは、シャッタースピードは1/100000〜1/1000秒までしか設定できないことになる。この例では、シャッタースピードを1/100000〜1/30秒の範囲で設定可能としている。
(ゲイン設定欄314)
ゲイン設定欄314では、カメラのゲインを設定する。ここでは、×1(0dB)、×2(+6.0dB)、×3(9.5dB)の3段階で調整可能としている。
(仮撮像開始ボタン317)
またゲイン設定欄314の下には、仮撮像を実行するための仮撮像開始ボタン317と、一時停止ボタン317’が設けられている。仮撮像開始ボタン317を押下すると、現在設定中の撮像条件にて仮撮像が実行され、直ちに画像表示欄304に表示される。ただし、仮撮像されたデータはメモリ部53で一時的に展開されるのみで、保存はされない。
(撮像フレームレート設定欄315)
撮像フレームレート設定欄315では、カメラの撮像時のフレームレートを数値で設定する。また撮像フレームレート設定欄315の右側に設けられたスピンボタンを押下して、数値を増減させることもできる。
撮像フレームレートが遅い状態では、撮像領域のすべてを使った静止画像データを毎回取得することができる。しかし撮像フレームレートが速くなると、撮像素子からの読み出し速度が間に合わなくなるため、読出領域が制限される。この例では、撮像フレームレートが30、60、125、250fpsの間は、読出領域は最大の画面サイズである640×480ピクセルでの撮像が可能である。これ以上の撮像フレームレートでは画面サイズは制限され、例えば500fpsのとき640×240ピクセル、1000fpsのとき256×256ピクセル、2000fpsのとき256×128ピクセル、4000fpsのとき128×120ピクセル、8000fpsのとき128×60ピクセル、16000fpsのとき64×50ピクセル、24000fpsのとき64×32ピクセルに、それぞれ制限される。
(スロー観察ボタン316B)
さらにスロー観察ボタン316Bを押下すると、スロー観察が実行される。このスロー観察では、指定された撮像フレームレートで得た静止画中から連続した一定枚数(例えば10〜30枚)を抽出し、抽出した静止画を表示部52上で指定された再生フレームレートで再生する動作を繰り返す表示を行う。これによって、一定時間内での連続した変化状態すなわち映像の滑らかさを確認できる。ここでは、あくまで仮のフレームレートやシャッタースピードといった仮撮像条件で得られた動画像データのイメージを、ユーザが実際に確認するために表示部52に表示させるものである。ユーザは、仮撮像条件を種々調整しながら、どのような撮像条件に設定すれば所望の動画像が撮像されるか、試行錯誤しながら確認することができる。このため仮設定により得られた動画像データの保存は行わない。
仮撮像条件は、操作部55などの外部入力機器GNで撮像周期設定手段31やシャッタースピード設定手段38、トリガ設定手段39等を調整して行われる。例えば撮像周期設定手段31で仮設定された仮撮像フレームレートに従い、撮像部10で画像データを連続して撮像し、撮像した所定枚数の画像データを抽出して保持する。そして仮撮像フレームレートよりも遅い表示フレームレートとして、表示部52に表示させる。同様にシャッタースピードも、シャッタースピード設定手段38で仮設定して、この仮シャッタースピードで撮像された画像データを表示部52で再生させる。このような仮設定にしたがって得られた動画像を実際に表示部52で確認しながら、所望の設定値に調整していく。また表示部52での表示の更新速度を遅くすれば、いわゆる像ぶれを確認することもできる。
ユーザは、このようにして仮撮像された動画像を確認しながら撮像条件を調整でき、最終的な撮像条件が決定された後、録画ボタン318を押下して本撮像を開始する。すなわち録画ボタン318を押下したタイミングで、図5のブロック図における処理選択部84による録画再生部83からライブ処理部82への切り替え処理が実行され、動画像データが画像記憶部58に記録される。なお録画ボタン318は、撮像前は「録画準備」、撮像中は「録画中」とボタンの文字表示が変化し、現在の状態を判別し易くできる。
また、被写体に対し周期的に強い照明光を照射し、これに同期させて撮像を行うためのストロボスコープを行うためのボタン類を設けてもよい。
(トリガ設定手段)
動作設定欄306には、左側にプログレスバー306Aと、一時保存された動画像データをメモリ番号で呼び出すためのメモリ番号選択欄307、動画像データの開始、終了のタイミングを指定するトリガの詳細を設定するためのトリガ設定ボタン308を備える。トリガ設定ボタン308はトリガの設定を行うトリガ設定手段39の一形態であり、このボタンを押下すると、図8に示すトリガ設定画面308’のダイヤログが表示される。この画面から、「録画時間」タブ308aを選択し、トリガの種別や撮像フレームレート、静止画の撮像枚数などを設定する。トリガの種別はトリガタイプ選択欄308bから選択でき、ここではプルダウンメニューでスタートトリガ、センタートリガ、エンドトリガ、カスタムトリガのいずれかを選択する。スタートトリガでは、撮像開始を、エンドトリガでは撮像終了を、それぞれトリガとして指示する。またセンタートリガでは、プレトリガで画像を連続撮像中にトリガが入力されると、トリガのタイミングが中心となるように撮像を継続し、自動的に終了する。さらにマニュアルトリガでは、手動で撮像の開始、終了タイミングを指定する。トリガタイプ選択欄で選択されたトリガ種別に応じて、トリガ設定欄308cが表示され、トリガ前、トリガ後等の録画時間の設定が可能となる。図8の例ではトリガ種別としてスタートトリガを選択しており、トリガ入力後の動作をトリガ設定欄308cで設定している。ここでは、録画時間として撮像フレームレートと、撮像枚数を数値で入力する。また、トリガ設定欄308cでの設定内容に応じて、撮像される録画時間が演算されて表示される。さらに、図6のプログレスバー306Aの下部には、録画可能な撮像可能時間も表示される。また、録画中には残り時間を表示させてもよい。
(録画ボタン318)
図6の画面から上述した録画ボタン318を押下すると、このタイミングで撮像開始のトリガが入力され、撮像が開始される。撮像中は、プログレスバー306Aに進捗状況が表示される。プログレスバー306Aは、左端をトリガ位置として、撮像のタスクがどの程度の割合まで完了したかを棒グラフ状に示す。またプログレスバー306Aの下には、撮影可能時間が表示されており、図6の例ではトリガ開始後6.5秒間の撮影が可能なことが示されている。撮像された動画像データは、メモリ番号を付されて、メモリ部53の画像記憶部58に一時的に保存される。また複数の動画像データを一時保存することもでき、各動画像データはメモリ番号で区別される。
またツールバー320には、主に録画の撮像条件を設定する録画設定ボタン320B、撮像に使用するレンズモジュール20の設定を行うレンズボタン320D、撮像された画像上で、面積や距離測定等各種の計測を行うための計測ボタン320C、画像の印刷を行うための印刷ボタン320E、画像に対してユーザが任意のコメントを付加するためのコメント入力ボタン320F、画像の表示設定を行う表示ボタン320G、撮像素子12や撮像される画像の設定を行うカメラ・画像ボタン320H、ヘルプを呼び出すためのヘルプボタン320A、撮像済みの画像の整理や閲覧を行うためのアルバムボタン320I、動画像撮像装置の設定プログラムの起動時に表示される初期メニュー(後述する図10)を呼び出す初期メニューボタン320J、及び動画像撮像装置の電源をON/OFFするための電源ボタン320Kが、それぞれ表示されている。
(画面切替手段302)
図6に示す録画モード画面300Aの画面切替手段302では、録画モードボタンが押下されて選択されている。ここでは録画モードボタンをハイライト表示すると共に、プレビューモードボタンがグレーアウトされており、現在選択されているモードが録画モードであることを示している。このように画面切替手段302は、選択中のモードを示すモード表示欄としても機能する。
さらに、画面切替手段302の右側で画像表示領域の右上には、現在の動作状態を表示する動作状態表示欄302Bが設けられている。図6の例では「観察中」、図7の例では「再生中」と表示されており、操作に応じて「×10巻戻し中」等と表示させることもできる。
(プレビューモード画面300B)
以上のように録画モード画面300Aで各種設定を行った後、高速度撮像を行い、得られた動画像データを、プレビューモード画面300Bで表示する。図6の画面から画面切替手段302のプレビューモードボタンを押下することで、図7に示すプレビューモード画面300Bに切り替えられる。次にプレビューモード画面300Bについて図7に基づいて説明する。この画面においても、基本的な配置は図6とほぼ同様であり、画像表示欄304、項目設定欄310、ツールバー320、画面切替手段302、動作設定欄306が設けられている。このツールバー320の内容は、図6と同様である。
プレビューモード画面300Bでは、撮像済みの動画像データから、保存したい部分を指定してデータ保存することができる。この画面の右側に設けられた項目設定欄310には、画像表示欄304で表示される動画像データのフレームレートを表示するフレームレート表示欄336、動画像データの再生範囲、保存範囲を指定する再生/保存範囲設定欄338、静止画を撮像するための静止画撮影ボタン316D、データ保存を実行するためのデータ保存ボタン339が設けられる。さらに下段の動作設定欄306には、動画像データの再生の進捗を示すプログレスバー306B、画像表示欄304に表示したい動画像データのメモリ番号を選択するためのメモリ番号選択欄307’、動画像データの再生速度を指定するための再生基準表示欄301、トリガを操作するトリガ操作ボタン309、及び録画された動画像を再生する再生/一時停止ボタン331、繰り返し再生ボタン334、早送りボタン333、巻戻しボタン332などの再生操作ボタン330を備えている。トリガ操作ボタン309は、トリガの種別(例えば開始トリガ、終了トリガ等)を設定できる。メモリ番号選択欄307’で動画像データを選択し、再生/一時停止ボタン331を押下すると、撮像済みの動画像データの再生が開始される。この際も、プログレスバー306Bで再生の進捗状況が表示される。プログレスバー306Bの下段には、撮像された動画像データの、何枚目(フレームの枚数)を現在画像表示欄304に表示しているかを、フレームの総数と共に表示し、併せて経過時間も示される。また繰り返し再生ボタン334を押すと、撮像された動画像がループ再生される。
フレームレート表示欄336では、現在表示中の動画像データを撮像した際の録画フレームレート(撮像周期)、及び現在表示中の再生フレームレート(表示周期)が表示されている。再生フレームレートは、再生基準表示欄301からプルダウンメニューにより変更できる。ここでは、1000fpsで撮像した動画像データを5fpsでスロー再生している。このように、再生時のフレームレートは撮像時と変更させることが可能である。
また再生/保存範囲設定欄338では、動画像データから、保存したい部分を始点、終点で指定する。ここでは動画像データを静止画の連続として捉えた場合に先頭から何枚目に相当するかでタイミングを指定しており、例えば始点を1枚目、終点を6520枚目としている。なお、静止画の順番で指定する方法に限られず、経過時間や、全撮像時間を100とした場合の割合など、他の指標を用いることもできる。始点及び/又は終点の指定は、プログレスバー306B上からスライダで指定することにより視覚的に行える。またプログレスバー306B上から所望の範囲をトリムすることもできる。
位置が指定されると、対応する数値が再生/保存範囲設定欄338に自動的に入力される。この状態でセットボタンを押下すると、現在表示中の位置が設定される。また始点/終点リセットボタンを押下すれば、設定をリセットできる。このようにして始点と終点が指定された状態でデータ保存ボタン339を押下すると、指定した範囲の動画像データが保存される。また静止画撮影ボタン316Dでは、画像表示欄304で表示中の動画像あるいは静止画像を、静止画として保存できる。
この例では、録画モード画面300Aで録画された動画像データは、一時的に保持され、ユーザはプレビューモード画面300Bで確認し、さらに保存範囲を指定して、データ保存するかどうかを判断できる。保存しない場合は、再度録画モード画面300Aに戻って新たに動画像データを取得できる。データ保存ボタン339を押下すると、動画像データを保存するダイヤログが表示され、ユーザは所定のフォルダに名前を付けて保存できる。
(動画像撮像装置の設定支援機能)
以上の設定は、動画像撮像装置の操作に慣れたユーザであれば可能である。一方で、動画像撮像装置は設定項目が多岐に渡るため、操作に不慣れな初心者や、フレームレートとシャッタースピードの関係といった他の設定に影響を及ぼす項目同士の関係が理解できていない場合は、設定に戸惑うことがある。特に、シャッタースピードが決まると、この条件で設定可能なフレームレートの上限が決まってしまうため、高速撮像が可能な動画撮像装置の性能を生かし切ることができないという問題が生じる。また、設定したい値が、既に設定した項目の範囲と合致しないため、先の設定を再設定しなければならないといった手戻りが生じ得る。
そこで、動画像撮像装置の操作に関する知識を必要とせずとも効率よく設定作業を進めることができるよう、設定作業を支援するガイダンス機能を備えた設定支援装置を構成する。一例として、各設定項目をウィザード形式で入力させるようにすれば、ユーザは質問に答えていくだけで必要な設定ができるようになり、必要な項目を無駄なく正確に設定するよう誘導できる。このようなガイダンス機能による設定の手順を、図9のフローチャートに示す。設定の大まかな手順としては、初期セッティング、録画設定、プレビュー保存の順となる。また設定の具体的な手順としては、まずステップS1で録画手順の一連の流れを確認し、次に初期セッティングとして、ステップS2でレンズを選択し、ステップS3で初期設定を行う。さらに録画設定として、ステップS4で視野範囲を調整し、ステップS5で照明を調整し、ステップS6でフレームレートを調整し、ステップS7で像ぶれを確認し、ステップS8でトリガ設定と録画を行う。最後にプレビュー保存として、ステップS9でプレビューとデータの保存を行う。この手順に従って、ユーザに対して設定画面を順次提示して設定を促すと共に、必要に応じて設定内容や設定、調整に当たってのアドバイス等を説明して設定作業を補助する。各設定画面や設定内容説明は、図2に示す設定画面記憶手段57に保存されており、誘導手段が設定画面記憶手段57から必要な設定画面を呼び出して、表示部52に表示させてユーザの設定を促す。また以下の例では、必要な操作の説明を、設定画面上に文字情報や図形、写真を表示させて行っている。このようにテキスト情報とイメージ情報を組み合わせてユーザに対する操作の説明を行う構成の他、動画像や音声ガイダンスなどを併用したり、逆にテキスト情報のみとすることもできる。
(動画像撮像装置の設定支援プログラム)
次に、各ステップにおける具体的な作業手順を順次説明する。まず動画像撮像装置の設定支援プログラムを起動すると、図10に示す初期メニュー画面340が表示される。ユーザはこの画面から簡単録画ボタン341を押下すると、設定支援機能が実行されて簡単録画モードに移行し、図11の画面に遷移する。また図10の画面から通常録画ボタン342を押下すると、通常録画モードに移行し、図6に示す録画モード画面300Aに遷移する。したがってユーザは、自身の習熟度や観察目的などに応じて、ガイダンス機能に従った撮像条件の設定を行ったり、あるいはすべてのパラメータを直接操作可能な通常録画モードを選択することができる。また図10の画面ではこの他、静止画を撮影する静止画通常撮影ボタン343や、撮像した動画像データを編集するためのアルバムボタン344を選択でき、さらにはセキュリティ設定や通信設定、オプション設定なども行える。
(ステップS1 一連の作業の確認)
図10の画面から簡単録画ボタン341を押下すると、ステップS1として図11の手順確認画面350に移行する。ここでは録画手順の確認として、これから行う操作手順の概要が表示される。すなわち、(1)初期セッティング、(2)録画設定、(3)プレビュー保存までの一連の作業の流れを、ユーザに告知する。ユーザが確認後、「次へ」ボタン351を押下することで、設定作業が開始され、(1)初期セッティングとして図12の画面に移行する。
(初期セッティング)
(ステップS2 レンズ選択)
図12の画面は、ステップS2のレンズ選択画面360を示している。ここではまず使用するレンズをユーザに選択させる。すなわち、図1においてヘッド部15の撮像モジュール16に装着するレンズモジュール20として、どのようなレンズを選択するか、観察目的に応じてユーザに選択させる。動画像撮像装置に装着されるレンズモジュール20としては、マクロレンズユニット、マイクロスコープレンズユニット、その他のレンズの候補が挙げられる。レンズ選択画面360には各レンズに対応するレンズボタンとしてマクロズームレンズボタン361、マイクロスコープレンズボタン362、その他のレンズボタン363が設けられ、さらにレンズボタン361、362、363の下には各レンズの特徴の説明が表示される。ユーザは、これらの選択肢からいずれかのレンズボタン361、362、363を押下することで、「次へ」ボタン364が押下可能となる。逆に、いずれかのレンズボタン361、362、363を選択しない限り、「次へ」ボタン364を選択できないように構成し、設定漏れや設定忘れを回避できる。また、選択したレンズボタン361、362、363の種別に応じて、以降の設定項目を変化させるよう構成している。
なお、各設定画面には「次へ」ボタン364の他、「戻る」ボタン365も設けられており、ユーザはいつでも直前の操作画面に戻って設定し直すことができる。あるいは、上段に設けられたタブ型の画面ボタン366を押下することで、直接その画面に移行するよう構成してもよい。画面ボタン366は、現在選択中の画面をハイライト表示して、現在表示している画面での設定項目をユーザが判別できると共に、現在の設定画面が全体の設定作業のどの位置にあるかも把握できる。
(ステップS3 初期設定)
図12の画面から「次へ」ボタン364を押下すると、ステップS3に移行し、図13の初期設定画面370となる。ここでは、1.カメラの固定と、2.初期設定をユーザに対し行うよう促す。まずは観察の前段階としてカメラを固定する必要があるため、具体的な手順として観察対象物の動きを止めること、カメラを三脚などでしっかり固定すること、カメラと被写体とのワーキングディスタンス(WD)や視野サイズに応じてクローズアップレンズを交換すること、及びレンズ先端から被写体までの距離を調整することを、文章で説明する。加えて、よく判らない場合に選択すべきデフォルトの設定についても、クローズアップレンズの種類とWDの設定を具体的に提示している。さらに初期設定として、レンズや照明を初期化するよう促す。これは、レンズや照明が前回使用時の状態のまま使えるとは限らないため、一旦初期化しておくためである。
(ヒント画面)
ここで、WDや視野サイズ、装着するクローズアップレンズの関係等、判り難い項目については、ヒント画面を別途用意する。ユーザは、このようなヒント画面を必要に応じて参照することができる。図13の例ではヒントボタンを複数設けており、各ヒントボタンを押下するとヒント画面が表示されるので、各項目に応じたヒントを参照できる。ヒント画面は、ヘルプ画面等と類似した別画面で構成できる。ここでは、「フリーアングルスタンドの使い方」ヒントボタン371、「三脚の使い方」ヒントボタン372、「WDと視野サイズ」ヒントボタン373、「見やすいデータを録画するためには」ヒントボタン374、「カメラの用語」ヒントボタン375が用意されている。例えば「三脚の使い方」ヒントボタン372を押すと、図14に示す「三脚の使い方」ヒント画面372aが表示され、三脚の使い方のポイントが箇条書きで表示される。同様に「見やすいデータを録画するためには」ヒントボタン374を押下すると図15の「見やすいデータを録画するためには」ヒント画面374aが、「カメラの用語」ヒントボタン375を押下すると図16の「カメラの用語」ヒント画面375aが、「WDと視野サイズ」ヒントボタン373を押すと図22に示す「WDと視野サイズ」ヒント画面373aが、それぞれ表示される。このようにしてユーザは、詳細を知りたい項目についてヒント画面を参照することで、設定に詳しくない初心者でもポイントを抑えた設定が可能となる。ヒント画面を閉じるには、各々のヒント画面に設けられた「閉じる」ボタンを押下する。
(録画設定)
(ステップS4 視野範囲の調整)
このようにして初期セッティングを終えると、図13の初期設定画面370から「次へ」ボタン376を押下して、ステップS4の録画設定に移行する。まずは図17に示す視野範囲調整画面380で、倍率及び位置を調整する。具体的には、撮像部10であるカメラのピント、倍率、撮像位置等を調整して、撮像したい領域を設定する。図17の画像表示欄304には、設定内容を反映した被写体のライブ画像が表示される。ユーザはライブ画像を参照しながらカメラを操作し、カメラの向き、WD、レンズの倍率、ピント、絞りを調整する。また、各設定項目についてはヒントボタンとして「三脚の使い方」ヒントボタン372’、「WDと視野サイズ」ヒントボタン373’、「レンズの調整」ヒントボタン381が用意されている。例えば、「レンズの調整」ヒントボタン381を押下すると、図18の「レンズの調整」ヒント画面381aが表示され、(1)倍率調整、(2)絞り調整、(3)ピント調整の各項目についての説明が表示される。またレンズモジュール20が図示されると共に、上記番号と対応させて調整すべきレンズのダイヤルにも番号が表示されており、ユーザはどの項目の調整をどのダイヤルで行うか、迷うことなく選択でき、正しい設定を行うための作業を確実に誘導することができる。さらに、絞りと光量、被写界深度の関係や、絞りはできるだけ開いて光量を多くすべきこと、これによりシャッタースピードを短くでき、像ぶれし難くなること等も説明される。
このように、ユーザは画像表示欄304に表示されるライブ画像を見ながら、また必要に応じてヒント画面を参照しながら、カメラのピント、倍率調整と位置調整を行なう。位置合わせは広視野で行う方が容易であるため、最大視野範囲(この例では画像表示欄304に表示可能な最大範囲である640×480ピクセル)で表示する。このため、撮像フレームレートは低めに設定する。図17の例では、画像表示欄304に表示されるライブ画像は30fpsで撮像された動画像を表示している。
また内容説明として、「可能であれば観察対象物の動きを止めて下さい。」と表示して、被写体の動きを止めることを促す。これによって、撮像の失敗の要因であるピンボケ、深度不足を解消できるからである。さらに被写体が画面範囲内に入るように、カメラの向き、WD、レンズの倍率、ピント、絞りを調整させる。レンズ調整やカメラの向き調整などの段階では、シャッタースピードは大きく変化できる方が都合がよいため、この例ではデフォルトのカメラの撮像フレームレートを30fpsとしており、シャッタースピードは1/100000〜1/30秒まで調整可能としている。
さらにこの画面で、撮像フレームレートを変更すると視野範囲が変わることを明示するための領域表示RHを表示させることもできる。変更したい撮像フレームレートは、「フレームレートに応じた視野範囲を表示」欄382で設定される。図17の例では、30fpsで撮像されたライブ画像に重ねて、「フレームレートに応じた視野範囲を表示」欄382でフレームレートを1000fpsに設定した場合の読出領域に対応する領域表示RHを、赤枠で表示している。ユーザは撮影したい撮像フレームレートに応じた領域表示RH内に被写体を含むよう、倍率等を調整する。このようにして、シャッタースピードの調整範囲を広く取りながら、見かけ上の撮像フレームレートを設定することができる。
さらに、「実際の拡大率で表示」ボタン383を押下すると、領域表示RHが画像表示欄304の全体で表示されるよう、拡大表示される。「実際の拡大率で表示」ボタン383はトグルボタンになっており、押下する毎に通常表示と拡大表示(ROI(region of interest)表示)が切り替わる。
(明るさ設定欄311)
また図17の画面右下には、明るさ設定欄311’が設けられている。ここでは、明るさの自動調整又手動調整を切り替え可能としている。具体的には、明るさ設定欄311’でオートを選択すると、自動調整される。またはマニュアルを選択すると、その上部に設けられたスライドバー311aを操作することにより、明るさが手動で調整可能となる。画面の明るさの調整は、実際にはカメラのシャッタースピードやゲインで決定される。この画面では、このような項目を表示せず、明るさが連続的に変化するように、自動的にシャッタースピード及び/又はゲインを調整している。図17の例では、スライドバー311aで明るさを0〜255まで連続的に調整可能としており、画像の輝度分布の平均値がスライドバーで設定された値となるように自動的にシャッタースピードを、ハードウェアもしくはソフトウェアで逐次調整している。
(ステップS5 照明調整)
このようにして図17の視野範囲調整画面380での設定を終えた後、「次へ」ボタン384を押下すると、ステップS5として図19に示す照明調整画面390に移行し、照明の調整作業を行う。照明する範囲は前段で設定した視野範囲よりも少し広い範囲で調整する必要があるため、カメラのレンズ等を調整して視野範囲が決定された後に照明調整を行うことで、効率よく作業を進めることができる。具体的には、照明の照射角度と照明ズームを調整して、視野範囲の少し外側まで照明されるように、照明の照射角度と照明ズームを調整する。照明ズームは、ロックを解除した後、左右の角度調整や上下の角度調整を行う。これらの調整作業を判りやすく示すよう、図19の例では照明手段60の斜視図を示すと共に、調整すべきつまみ類と操作方向を矢印で示している。このような図示は、調整のために操作すべき部位が視覚的に表現できるので、ユーザの理解に極めて有効である。なお視野範囲ぎりぎりに照明を調整してしまうと、画面の中心が明るく画面端が暗い照明むらが目立ってしまう。また照明を視野範囲よりも広くしすぎると、視野範囲内の照明光量が少なくなり、後段で設定する撮像フレームレートを上げることができなくなってしまう。したがって、所望の撮像フレームレートで得られる読出領域の大きさよりも若干はみ出す程度まで照明が行き渡る程度に設定することが好ましい。なお照明により画面の明るさが急激に変化しても、明るさを自動調整、すなわちオートシャッタースピードに設定しておれば、ユーザはシャッタースピードを調整する必要はない。
(ステップS6 フレームレート調整)
図19の照明調整画面390で設定終了後「次へ」ボタン391を押下すると、ステップS6として図20のフレームレート調整画面400に移行して、撮像フレームレートを設定する。ここでは、ユーザは被写体を動かした状態として、フレームレート設定欄315’に所望のフレームレートの値を入力する。図20の例では、撮像フレームレートを設定する。ただし、ライブ画像ではフレームレートが適正かどうか判断ができない。そのため、録画と再生を自動的に繰り返すスロー観察を実行し、映像の滑らかさを確認しながら映像の滑らかさが足りない場合は撮像フレームレートを上げるように調整する。図20の例では、スロー観察を実行するための「スロー観察」チェックボックス316bを設けており、この欄をチェックするとスロー観察が行われ、チェックを外すと通常のライブ観察が行われる。このように「スロー観察」チェックボックスは、スロー観察とライブ観察を切り替える切替手段として機能する。
撮像フレームレートを変更すると、画像サイズも変わる。本実施の形態では、撮像フレームレートが250fps以上になると、画像サイズが640×480ドットよりも小さくなる。またシャッタースピードは、前段で自動調整されていた値に近い値となっているため、明るさが急激に変わることはない。シャッタースピードは撮像フレームレートにより制限を受ける。例えば撮像フレームレートが1000fpsの場合は、シャッタースピードの最大値は1/1000秒に制限される。多くの場合は、シャッタースピードの逆数よりも撮像フレームレートが小さいので問題はない。ただ、撮像フレームレートの変更時には、シャッタースピードが上記制限内にあることを確認する必要がある。上述のとおりシャッタースピードは、前段の照明調整画面390で、明るさに応じて自動で設定されている。もし図19の照明調整画面390で「次へ」ボタン391を押下したときに設定されていたシャッタースピードの値が、ここで設定される撮像フレームレートの逆数よりも大きい場合は、シャッタースピードを撮像フレームレートの逆数に変更する。例えばシャッタースピードが1/500秒に設定されており、撮像フレームレートが1000fpsに設定された場合は、シャッタースピードを1/1000秒に変更する。この変更は、シャッタースピード設定手段38で行われる。同時に、明るさの変化を抑えるようにゲインを上げるよう調整してもよい。
なお、撮像フレームレートを変更した結果、視野範囲が変わってしまった等の理由で、視野を合わせ直したい場合は、トラブルQ&A欄に設けられた「視野を合わせ直したい」ヒントボタン401を押下する。これにより、図21に示す「視野を合わせ直したい」ヒント画面401aが表示され、視野合わせの再設定のための手順が表示される。また図21の画面から、「レンズの調整」ヒントボタン381’を押下すると、上述した図18の「レンズの調整」ヒント画面381aが表示されるよう設定されている。さらに「WDと視野サイズ」ヒントボタン373”を押下すると、図22の「WDと視野サイズ設定画面」ヒント画面373aが表示される。ここで倍率、ピント調整等をやり直したが、被写体が動いているので調整しきれないような場合は、「初期セッティングからやり直す」ボタン402を押下すると、ステップS3に戻って図13の画面に移行でき、これによって初期設定画面370でピント、倍率調整等の作業をやり直すことができる。このように、再設定が必要な場合も、必要な設定画面が直ちに呼び出せるようにリンクが設定されているため、ユーザは設定のやり直しに際してもスムーズに移行でき、使い勝手に優れた設定支援が実現される。
(ステップS7 像ぶれの確認)
図20のフレームレート調整画面400の設定が終了後、「次へ」ボタン403を押下すると、ステップS7として、図23の像ぶれ確認画面410に移行して、像ぶれの発生が無いことを確認する。像ぶれ又は被写体ぶれとは、撮像素子に光(被写体の像)を蓄積している時間内に、被写体が移動してしまうことが原因で発生する。像ぶれの確認は、被写体が動いている状態で一時停止すると、容易に判別できる。このため、ゲイン設定欄314’(後述)の下方には、一時停止ボタン411が設けられている。
ただ、手動で一時停止と再生再開を操作することは面倒なので、表示している動画像の更新速度を遅くする機能を設けることで、像ぶれが簡単に確認できるようにしている。図23の例では、「更新速度を遅くする」欄412のチェックボックスをONすることで、表示フレームレートが15fpsから2fpsに変更され、静止画の視認が容易になるので、面倒な操作を省きつつ、像ぶれの発生を確認できる。
像ぶれが発生している場合は、シャッタースピードが遅すぎるため、速くする方向に調整し直す。すなわち、撮像フレームレートの設定を終えたこの段階で、シャッタースピードの最終調整を行う。シャッタースピードは、シャッタースピード設定手段38であるシャッタースピード設定欄312’で調整できる。ここではプルダウンメニュー形式で規定の選択肢から選択する他、スライダによりユーザが手動で連続的に調整する構成としてもよい。上述のとおり、シャッタースピードは撮像フレームレートにより制限を受けるので、シャッタースピードの値が、撮像フレームレートの逆数を超えないように制限される。
さらに、シャッタースピードと共にカメラのゲインの調整も行える。ゲインの調整は、ゲイン設定欄314’からプルダウンメニューで選択して行う。ゲインを上げると画面が明るくなるので、撮像シャッタースピードが遅い場合などはゲインで明るさを調整できる。
なお、画像の明るさ調整については、トラブルQ&A欄に設けられた「画像を明るくしたい」ヒントボタン413を押下すると、図24に示す「画像を明るくしたい」ヒント画面413aが表示され、画像を明るくするための手順が表示される。ここでは、照明手段60の出力が最大になっているかを確認し、カメラのゲインを上げ、レンズモジュール20の絞りを開ける(数値を小さくするよう操作する。この場合は被写界深度が浅くなるので、奥行き方向のピンぼけが大きくなる)手順を説明する。図24の画面においても、「レンズの調整」ヒントボタン381”を押下すると、上述した図18の「レンズの調整」ヒント画面381aが表示されるよう設定されている。もし像ぶれが生じないように録画するためゲインを上げ絞りを開放しても、依然として光量が不足するのであれば、外部照明を使って照明光量を増やす。さらにピント調整などの作業からやり直したいのであれば、「初期セッティングからやり直す」ボタン402’を押下すると、図21と同様に図13の画面に移行できる。
(ステップS8 トリガ設定/録画)
図23の像ぶれ確認画面410の設定終了後、「次へ」ボタン414を押下すると、ステップS8として図25のトリガ設定/録画画面420に移行して、トリガの設定と録画の実行を行う。トリガ設定/録画画面420も、トリガ設定手段39の一形態を構成する。具体的には、トリガの種別として、録画ボタン318’を押下すると録画を開始するスタートトリガか、録画ボタン318’を押すと録画を終了するエンドトリガかを、ラジオボタンで選択する。エンドトリガの場合は、録画ボタン318’の表示が「録画準備」に変化し、押下すると録画が介されると共に録画ボタン318’の表示が「録画中」に変化し、録画を終了したいタイミングで録画ボタン318’を押下すると、表示が「停止」に変化する。このように録画ボタン318’は、動作状態を表示する機能も果たすことができる。
また画像表示欄304の下段には、プログレスバー306A’が設けられており、トリガの設定に応じて、トリガ位置を示す三角形状マーク421の位置が変化する。またプログレスバー306A’の下部には録画可能時間が表示され、さらに右側には録画枚数設定欄422が設けられる。録画枚数は2以上設定でき、最大枚数は撮像フレームレートに応じて変化する。また設定された録画枚数に応じて録画時間表示も変化する。さらに録画中は、プログレスバー306A’で進捗状況が示される。録画が終了すると、自動的にスロー再生が実行される。以上のようにして録画設定が終了すると、「次へ」ボタン423を押下してプレビュー保存画面430に移行する。
(ステップS9 プレビュー保存)
ステップS9として、図26のプレビュー保存画面430では、録画されたデータすなわち動画像データの表示と保存を行う。録画終了後自動的に再生されるスロー再生画像の撮像フレームレート及び再生フレームレートは、フレームレート表示欄336’に表示される。ユーザはスロー再生画像を見ながら、メモリ部53のデータ保存領域にデータを保存する際の、始点と終点を指定する。保存範囲の指定は、再生/保存範囲設定欄338’から行う。ここでは静止画として換算した場合に何枚目に当たるかで、始点と終点を設定する。始点、終点は、それぞれのセットボタン431、432を押すことで確定されると共に、プログレスバー306B’に設定された始点、終点の位置が表示される。また始点・終点リセットボタン433を押下すれば、これらの指定がリセットされる。
一方、プログレスバー306B’にはトリガ位置が三角形状マーク421’で示されると共に、現在再生中の位置がスライダ434で表示される。またプログレスバー306B’の右側には再生基準指定欄435が設けられており、ここからスロー再生の再生速度が指定できる。またその右側に設けられたトリガジャンプボタン436を押下すれば、トリガ位置にジャンプすることができ、画像表示欄304の表示がトリガ位置からの再生に切り替わると共に、プログレスバー306B’のスライダ434の位置もトリガ位置にジャンプする。さらにその右の繰り返し再生ボタン334’を押下することで、設定中の範囲でスロー再生が繰り返される。
このようにして保存範囲が決定されると、「データ保存」ボタン437を押下して、動画像データがメモリ部53のハードディスクドライブに保存される。さらにデータ保存が実行されると、終了ボタン438が押下できるようになる。終了ボタン438を押下すると、図10の初期メニュー画面340に戻る。あるいは、画面右上に配置された電源OFFボタン439を押下して終了する。
一方、録画データが滑らかでなかったので撮像フレームレートの調整をやり直したい場合等は、「フレームレートの再調整」ボタン440を押すと、図20に示すステップS6に戻ることができる。またデータ保存後に再度データを取り直したい場合や、録画タイミングが悪かったので録画をやり直したい場合等は、「録画をやり直す」ボタン441を押下すると、前段のステップS8(図25)に戻ることができる。
このようにして、動画像の撮像に必要な条件を順次設定することができ、ユーザは必要な設定を適切に行った上で動画像を観察することが可能となる。