JP5068461B2 - 粗製油および脂肪の品質の改良および少量成分の回収 - Google Patents

粗製油および脂肪の品質の改良および少量成分の回収 Download PDF

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Description

発明の技術分野
本発明は油または脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪から少量成分を回収し、同時に、植物油および脂肪の品質を改良する新規方法に関する。さらに特に、本発明はトリアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類の分離および除去、液−液抽出、尿素含蔵化合物形成および分別によるトコトリエンオール化合物からの遊離脂肪酸、ステロール類、モノアシルグリセロール類およびその他の成分の部分的分離および除去、引続く減圧蒸留による脂肪酸およびモノアシルグリセロール類の分離によるトコトリエンオール濃縮物の生成に関する。本発明により開示された方法による処理後、油および脂肪は、現在の商業規格に基づけば、元の油および脂肪に比較して良好な品質を有する。
発明の背景
トコトリエンオール類はビタミンE一族の構成員である。天然において、12種のビタミンE一族が知られており、これらは総合してトコール類と称されている。これらはα−、β−、γ−およびδ−トコフェロール、α−、β−、γ−およびδ−トコトリエンオール、デスメチルトコトリエンオール、ジデスメチルトコトリエンオールおよびα−トコモノエンオールの2種の異性体である。トコフェロールはクロモン環に結合している飽和フィチル側鎖を有し、他方、トコトリエンオールはファルメシル側鎖中に3個の二重結合を有する。トコモノエンオールは炭化水素側鎖中に1個の二重結合を有する。この側鎖以外に、トコフェロール、トコモノエンオールおよびトコトリエンオールはクロモン環を有するという類似化学構造をともに有する。
α−トコールはクロマン環の5、7および8位置がメチル基により置換されているトコールを表わし、β−トコールはクロマン環の5および8位置がメチル基により置換されているトコールを表わし、γ−トコールはクロマン環の7および8位置がメチル基により置換されているトコールを表わし、およびδ−トコールはクロマン環の8位置がメチル基により置換されているトコールを表わす。
トコフェロール類とは異なり、これまでの十年間、トコトリエンオール類に対しては僅かな興味が払われていたのみであった。トコトリエンオール類の供給源が非常に限定されていたことから、これは驚くべきことではない。しかしながら、最近の調査研究により、トコトリエンオール類がトコフェロールとは共通していない良好な化学−保護性物性を有することが見出された。最近の調査研究の数種には下記発見が包含される:
● 基本的に癌細胞の成長および増殖を抑制する抗−脈管形成性物性(Inokuchi等、Bioc.sci.Biotech.Biochem.67,1623−1627)、
● ヒト乳癌細胞のアポトーシスの誘発(Guthrie等、1997,J.Nutr.127,544s−548s;Nesaretnam等、1998,Lipids,33,461−469;Yu等、1999,Nutr.Cancer,33,26−32;Nesaretnam等、2000,Int.J.Foodsci.Nutr.51,Suppl.S95−103:Chao等、2002,J.Nutr.Sci.Vitaminol.48:32332−337)、
● ナトリウム排泄増加(Saito等、2003,J.Lipid Res.44,1530−1535)、
● コレステロール低下(Pearce等、1992,J.Med.Chem.35,526−541&3595−3606;Parker等、1993,J.Biol.Chem.268,11230−11238;Qureshi等、1995,Lipids,30,1171−1177;Theriat等、1999,Clin.Biochem.32,309−319;Chao等、2002,Nutr.Sci.Vitaminol.48,332−337;Qureshi等、2002,Atherosclerosis,161,199−207)、
● 抗−血小板凝集(Qureshi等、1991,Am.J.Clin,Nutr.53,1021S−1026S)、
● 頚動脈狭窄の退行(Kooyenga等、1997,Asia Pacific J.Clin.Nutr.6,72−75)、
● グルタメート誘発毒に対する神経保護(Sen等、2000,J.Biol.Chem.275,13049−13055;Khanna等、2003,J.Biol.Chem.278,43508−43515)。
これらの調査研究はまた、タモキシフェン、アスピリンおよびスタチンなどの確立されている医薬の置換医薬としてのトコトリエンオール類の能力、またはこれらの医薬との組合せにかかわるトコトリエンオール類の能力に関連していた。これらの医薬に優るトコトリエンオール類の利点は、これらが多機能治療性を有すること、公知副作用がないこと、および公知過剰投与毒性が報告されていないことを包含する。
トコフェロール類とは異なり、トコトリエンオール類の供給源は天然では不充分である。有意の量のトコトリエンオール類を通常の食物摂取に由来する可能性は見込みがない。トコトリエンオール類は低レベルでパーム油、米糠油、大麦、小麦胚芽、ライ麦、ココナツ油およびパーム核油に見出される。トコトリエンオール類の公知商業的供給源には3種があり、パーム油、米糠油およびベニノキ種子である。
粗製パーム油はトコール類を600−1000ppmの量で含有し、トコトリエンオール類の最も信頼できる商業的供給源である。粗製パーム油の現時点における年間世界生産量は2000万トンを超えており、徐々に増産されている。パーム油は主として、トリアシルグリセロール類からなる。その他の成分は、遊離脂肪酸1−5%、ジアシルグリセロール類4〜7.5%および少量成分、例えばモノアシルグリセロール類、ステロール類、糖脂質、リン脂質、スクアレン、カロテノイド類、別種の炭化水素類およびトリテルペンアルコール類を包含する。現時点における商業規格に基づき、粗製パーム油品質規格は3種のパラメータ、遊離脂肪酸含有量、水分および夾雑物含有量を包含し、また最近になって、漂白可能指数の悪化(deterioration of bleachability index)(DOBI)と称される地域的に開発されたパラメータが包含される。
米糠油の現時点における年間世界生産量は100万トン以下であると推定され、その大部分は工業的品質である。ベニノキ種子の年間生産量は、1992年の時点で約3万トンであった。
パーム油中のトコール類組成は米糠油のトコール類組成に優る利点を有する。米糠油からのトコール類のほぼ半分はトコフェロールであるのに対し、パーム油中のトコフェロール含有量は約22%を構成する。さらに、米糠油は、δ−トコトリエンオールを実質的に含有していない。δ−トコトリエンオールは、心臓−血管系疾病の予防およびアポトーシスを包含する抗−脈管形成性にかかわり、全トコール類の中で最高の能力を有する。δ−トコトリエンオールはパーム油由来トコール類中の約12%を構成する。ベニノキ種子からのトコトリエンオール類はδ−トコトリエンオールに富んでいるが、α−トコトリエンオールを含有していない。α−トコトリエンオールは最高の神経保護活性を有することが報告されている。
トコトリエンオール類にかかわる主要関心の一つは、血液および/またはリンパ系における貧弱な吸収およびそれらの生体利用性にある。トコトリエンオール類の吸収は、胆汁およびリパーゼの分泌を刺激するための食物脂肪の存在なしには貧弱であることが知られている。米国特許第6200602号は、中鎖脂肪酸のモノグリセロールおよびジグリセロールおよび分散剤を使用し、結腸からの極性医薬の吸収を増強させる処方を開示しており、また米国特許第6596306号は、トコトリエンオール供給系を強化するために、界面活性剤[ラブラゾル(labrasol)(登録商品名)およびツイーン(Tween)80(登録商品名)]、パームオレインおよび大豆油を含有する処方を開示している。
トコトリエンオール類は油および脂肪中に微量に存在しているが、トリアシルグリセロール類は、トコトリエンオール類の濃度を増加するために分離または除去しなければならない。これは溶媒抽出またはエステル交換によって達成することができる。トコトリエンオール濃度をさらに増加するには、別の微量成分も除去しなければならない。
植物油および脂肪からのトコトリエンオール類の製造を開示する特許が存在する。これらの特許の大部分はトコトリエンオール類採取以前における油または脂肪のエステル交換、引続く減圧蒸留および蒸留後処理、例えば吸着剤を用いる後−蒸留処理を包含する。これらの特許は、米国特許第5157132号、同第6072092号、同第5190618号、ヨーロッパ特許第0333472A2号、英国特許第GB2218989A、同GB2160874Aおよび同GB1515238を包含する。
溶媒抽出を使用する脂肪種子および溶媒脂肪ミセラから夾雑物または望ましくない成分の除去例が存在する。この出願の例は、水性メタノールを用いる脂肪種子の残留部分からのアフラトキシンおよび/またはゴシポールの除去処理を開示する米国特許第4359417号を包含する。IL58842は、炭化水素溶媒脂肪ミセラの水性メタノールまたはエタノールによる抽出を包含する方法を開示している。これらの発明は、本発明が意図する成分の回収を目的としていなかった。
アルコール抽出、引続く短路蒸留(short path distillation)による植物油および脂肪からのトコトリエンオール類の製造を開示する特許が存在する。これらの特許は、英国特許第GB2387390号および米国特許第6649781号を包含する。これらの特許の主要欠点は得られるトコトリエンオール濃度が低いこと、および比較的大量の溶媒が抽出に用いられることを包含する。アルコール抽出液中の主成分は脂肪酸およびジグリセロール類であり、これらは減圧蒸留によって分離される。
尿素は弱塩基である。メタノール中の尿素溶解度は40℃において35g/100mlである。尿素は遊離脂肪酸と反応し、塩基を形成することができるが、この反応は非常に遅く、本発明の条件においては有意ではない。これらの特徴は尿素のメタノール溶液の液−液抽出における使用を可能にする;厳密に言えば、パーム油は半固形物であり、真の液体ではないが、半固形のパーム油を細かい滴に分散することによって効果的な抽出を依然として達成することができる。さらに、尿素は炭化水素、脂肪酸、脂肪酸メチルエステルおよびモノアシルグリセロール類と尿素含蔵化合物(urea inclusion compound)を形成する。尿素含蔵化合物の形成は或る種の脂肪酸については有用な技法である。選択的尿素含蔵化合物は、或るカテゴリーの脂肪酸が別種の脂肪酸よりも優先的に尿素含蔵化合物を形成し、他方で分枝鎖および環状環を有する脂肪酸は尿素含蔵複合化合物を形成しないという原則に基づいている。
本発明の課題は、油および脂肪を破壊することなく、油および脂肪からトコトリエンオール類を製造する方法、および特にトコトリエンオール類、遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類を回収し、および元の油および脂肪の品質を改良する方法を提供することにある。
本発明によって、上記課題および他の課題が達成される。
本発明は、油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコトリエンオール濃縮物を製造する方法を提供し、特にこれに制限されないものとして、粗製パーム油およびその分別生成物からトコトリエンオール濃縮物、遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類を回収し、および粗製油および脂肪の品質を改良する方法を提供する。
本発明は多くの利点を有する。トコール類、ステロール類、遊離脂肪酸類、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、リン脂質、糖脂質およびその他の臭い成分を包含する夾雑物を部分的に除去した後の油を元の油および脂肪に比較し、さらに容易に精製することができる。従って、苛酷でない条件を使用し、食用用途に依然として使用することができる油または脂肪を精製することができる。トコール類の一部は分離されているが、苛酷ではない精製条件はより多量のトコール類の晒し粉(bleaching earths)中への吸着および高温における分解、パーム油精製における非食品性パーム脂肪酸への品質低下を防止するものと考えられる。英国特許第2372545号および米国特許第6649781号は、より少量の晒し粉を使用し、および極性成分の分離後、より温和な条件を使用する植物油および脂肪の精製方法を開示している。
本発明は減圧蒸留に先立ち、トコール類を高濃度(30%以上)に予備濃縮することができる。従って、一定の生産量について小規模減圧蒸留で充分である。これは、短路蒸留装置などの減圧蒸留装置が非常に高価であることから、格別の投資価格節約をもたらす。基本的に、極性成分はアルコール性尿素溶液により抽出され、非トコール成分、例えば残留トリアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、一団の遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびステロール類は尿素含蔵化合物形成、結晶化/沈殿および濾過の分別処理によって分離される。遊離脂肪酸およびモノアシルグリセロール類、特に飽和モノアシルグリセロール類は尿素含蔵化合物を形成し、他方、残りの望ましくない成分は結晶化/沈殿され、次いで濾過により分離される。トコール類はアルコール性溶液中に非固形化状態で残される。しかしながら、トコトリエンオール類、特により極性で、またより酸性のδ−トコトリエンオールは結晶化した固形物に対する接着にかかわり高度の親和性を有することに留意すべきである。
尿素の不存在下において、遊離脂肪酸およびジアシルグリセロール類の存在が結晶化を妨害することは知られている。これらの成分はパーム油工業における分別にとって格別に望ましくない。本発明において、尿素および尿素含蔵化合物の存在は結晶形成/沈殿および結晶成長を誘発する接種材料として作用した。尿素含蔵複合化合物を経る望ましくない成分の効果的な分離および結晶化/沈殿、引続く濾過は短路蒸留前に得られるトコール類の高濃度(30%以上)を可能にする。
エステル交換工程を包含しないことから、トコトリエンオール濃縮物中の残留脂肪酸メチルエステルは重要ではない。消化された場合、脂肪酸メチルエステルは脂肪酸とメタノールとに加水分解することができ、引続くメタノール代謝はヒト身体におけるそれぞれ肝臓アルコールデヒドロゲナーゼおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼによるホルムアルデヒドおよびギ酸への変換を包含することができる。ホルムアルデヒドおよびギ酸は、ヒト身体に対し望ましくなく、また有毒である。
本発明は、比較的かなり低い温度(135℃)におけるトコール類の蒸留を可能にし、また全体を通し、トコール類は150℃よりも高い温度にさらされない。減圧蒸留工程後の追加の処理(例えば、後−蒸留分別および/または吸着クロマトグラフイ)は不必要である。高いトコトリエンオール濃度(最低50%)を達成することができる。
本発明はまた、元の油および脂肪に比較し、良好な組成を有するトコトリエンオール濃縮物の製造を可能にする。本発明によって得られるトコトリエンオール対α−トコフェロール比は、パーム油について報告されている比、7:3に比較して約8:1である。メタ−分析により1993年〜2004年間に行われた以前の19回の試験の再分析は高用量α−トコフェロールサプリメントが、その大多数が心臓病などの既往症を有する高齢の患者を死亡させる危険を増加させることがあることを示した(Miller等、AnnalsofInternalMedicineonline10November2004)、および高濃度のα−トコフェロールがコレステロール低下作用におけるトコトリエンオール類の能力を弱めた(Qureshi等、1996J.Nutr.126:389−394)と報告されている最近のジョンホプキンス(John Hopkins)調査研究の観点から、トコトリエンオール濃縮物中の低α−トコフェロール含有量は望ましいことである。トコトリエンオール濃縮物中で約19%を構成するδ−トコトリエンオールはまた、粗製パーム油中に存在する量(約12%)よりも格別に多い。δ−トコトリエンオールは抗−脈管形成において(Inokuchi等、2003,Biosci.Biotech.Biochem.67,1623−1627)およびアポトーシス誘発において(Chao等、2002,J.Nutr.Sci.Vitaminol.48:332−337)、最も強力なトコトリエンオールである。
トコール類以外に、トコトリエンオール濃縮物の別の主要成分は、主としてモノオレインの形態のモノアシルグリセロールである。モノアシルグリセロールは天然の食品乳化剤であり、我々の身体で食事中に脂肪の消化により自然に生成される。従って、モノアシルグリセロール類が胆汁およびリパーゼの作用にかかわる生成物であることから、モノアシルグリセロール類は胆汁およびリパーゼの分泌を刺激するのには不充分な食物脂肪による貧弱な吸収の問題を回避させることができる。
発明の要旨
本発明は、油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、粗製植物油および脂肪から遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類を回収し、および少量成分の回収後の元の油および脂肪の品質を改良する方法に関する。
本発明の課題および他の課題は下記方法によって達成される。
本発明による方法は、油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法であって、
a)油および脂肪をメタノールまたはエタノール、もしくはメタノール−エタノール混合物中の尿素溶液により液−液抽出する工程;
b)工程(a)で得られたアルコール性抽出液を0〜−25℃の温度に付す工程;
c)工程(b)で得られた固形物と液体とを濾過により分離する工程;
d)工程(c)で得られた濾過液を溶媒の部分的除去により濃縮する工程;
e)工程(d)で得られた内容物に炭化水素溶媒を添加し、次いで炭化水素−メタノール層から得られる固形物を濾過またはデカンテーションにより分離する工程;
f)下部メタノール層からの排出により炭化水素層を分離し、この炭化水素層を水で洗浄し、次いで水性層からの排出により炭化水素溶媒層をさらに分離する工程;
g)工程(f)で得られた炭化水素層から低減圧蒸留により溶媒を除去する工程;
h)工程(g)で得られた内容物を90〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出液として分離する工程;
i)工程(h)で得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、トコトリエンオール濃縮物を留出物として採取する工程;
j)工程(c)で得られた残留物をメタノールまたはエタノール、もしくはメタノール−エタノール混合物により充分に洗浄する工程;
k)工程(j)で得られたアルコール性溶液から溶媒を分離する工程;
l)工程(k)で得られた内容物を炭化水素溶媒中に溶解し、この溶液を水で洗浄し、次いで当該水性層から排出により炭化水素溶媒層を分離する工程;
m)工程(l)で得られた炭化水素層から低減圧蒸留により溶媒を除去する工程;
n)工程(m)で得られた内容物を90〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出物として除去する工程;および
o)工程(n)から得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、トコトリエンオールを留出物として得る工程;
を包含する。
本発明はまた、油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪から脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法に関し、この方法は、
a)請求項1の工程(j)で得られた残留物に炭化水素溶媒を添加し、次いで生成する溶液を濾過する工程;
b)工程(a)で得られた炭化水素溶媒に可溶性の内容物から低減圧蒸留により溶媒を除去し、脂肪酸、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類およびステロール類の混合物を得る工程;
c)工程(b)で得られた混合物を85〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出物として除去する工程;
d)工程(c)で得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、モノアシルグリセロール類濃縮物を留出物として得る工程;および
e)工程(d)で得られた残留物を175℃、0.1Paにおいて蒸留し、ジアシルグリセロール類濃縮物を留出物として得る工程;
を包含する。
本発明は下記の詳細な説明を参考にして、明白に理解され、また明らかにされるものと考える。
本発明の工程または本発明の諸部分の組合せのどちらかについて、本発明の特徴および詳細を以下で説明する。本発明の特定の態様は例示の目的で示されており、本発明を制限するものでないものと理解されるべきである。本発明の原則的特徴は本発明の範囲から逸脱することなく、種々の態様に使用することができる。
粗製油および脂肪の極性成分および非極性成分はメタノールまたはエタノール中の尿素溶液による抽出により分離される。油および脂肪とアルコール性尿素溶液とは2相を形成する。非極性成分、例えばカロテン類、スクアレンおよび他の炭化水素は油中に優先的に残され、他方、極性成分、例えば遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、トコール類、ステロール類、糖脂質、リン脂質および酸化物質は極性尿素溶液中に優先的に分配される。
好ましくは、逆流液−液抽出器を粗製パーム油からの極性成分の抽出に使用することができる。粗製パーム油などの油および脂肪を粉砕し、次いで逆流液−液抽出器の先端から少滴状に分散させる。アルコール性尿素溶液を引続いて、底部から抽出器中にポンプ供給する。この粗製パーム油のポンプ供給速度は計量ポンプにより独立して制御する。平坦羽根状ディスクを有する羽根車を備えた抽出器カラムの長さ全体にわたる撹拌作用によって、分散および混合を行う。ディスクをそれぞれ回転させた後、沈降帯域を設ける。この沈降帯域は全抽出カラムを通して動作する垂直バフルによって混合帯域と分離する。抽出器から移動するより濃縮された粗製パーム油は、抽出器の底部に到達するまで、反復して分散および沈降させる。ラフィネートは底部バルブから採取容器中に排出させる。先端に達するまで連続的に上昇する濃度が薄い抽出液は採取容器中にあふれ出させる。極性成分を良好に回収するためにさらに抽出することが好ましい場合、ラフィネートは再循環し、抽出器に反復充填することができる。
ラフィネート中の残留アルコールは減圧乾燥機を通すことによって分離される。粗製パーム油中の残留尿素は水で洗浄し、残留水はパーム油ミルにおける標準的技法として、清澄化、仕上げ(polishing)および減圧乾燥によって分離することができる。ラフィネートから採取された粗製パーム油は、商業規格の観点から、元の粗製パーム油よりも良好な品質を有する。粗製パーム油にかかわる現時点で保証されている商業規格における標準的品質パラメータは、遊離脂肪酸含有量(最大5.0%)、水分および夾雑物(最大0.25%)含有量、ならびにDOBI(最低2.3)である。採取される粗製パーム油は代表的に、ほぼ半分の量の遊離脂肪酸を含有し、ほとんど全部の夾雑物が除去されており、また粗製パーム油の1回の液−液抽出処理の実施後のDOBI値は0.5単位近くまで改良されている。採取された粗製パーム油および元のパーム油との間の水分含有量に差違はない。改良された粗製パーム油はパーム油精製により容易に精製することができる。
アルコール性尿素抽出液は、低温処理(0〜−25℃)に付す。尿素含蔵化合物、結晶化および高融点成分の沈殿が生じる。この低温はアルコール溶液中における残留トリアシルグリセロール類の溶解度を減少させ、これにより残留トリアシルグリセライド類の相形成が生じ、底部に固形物層の形成をもたらす。別の成分の場合、尿素含蔵化合物は優先的に形成される。これは抽出溶媒としてメタノール中の低尿素濃度(1%重量/容量)を用いることによって証明され、この場合、非常に僅かな固形物が生成され、また遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類の除去が不充分になり、溶媒除去後の抽出液中に比較的低いトコール類濃度が生じる。ガス液体クロマトグラフイ(GLC)は、主として飽和脂肪酸および飽和モノアシルグリセロールが除去されたことを示した。
より高い尿素濃度の場合(10%重量/容量)、さらに多量の固形物が形成された。濾過および溶媒の減圧蒸留による除去後、比較的高いトコール類濃度(30−35%)を達成することができる。短路蒸留処理前に油および脂肪のエステル化またはケン化を受けることなく得られる、この高いトコール類濃度は本発明の特異点であり、以前に報告されたことはない。GLCは実質的に全部のジアシルグリセロール類および一団の遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびステロール類が尿素含蔵化合物、結晶化または沈殿によって分離されることを示した。
本発明におけるメタノール性尿素溶液の機能は抽出媒質として傑出しており、非常に重要なこととして、尿素含蔵化合物は、多分マトリックス中におけるそれらの溶解度を減少させることによって、別種の非トコール成分、例えばジアシルグリセロール類およびステロール類などの分離、結晶化および/または沈殿、ならびに遊離脂肪酸およびジアシルグリセロール類との共融混合物(euthetic mixtures)形成の排除がもたらされる。
遊離脂肪酸およびジアシルグリセロール類の結晶化妨害作用は、遊離脂肪酸およびジアシルグリセロール類がマトリックス中の大量成分である場合、第一に克服しなければならないことである。結晶化誘発能力は、核形成しきい値以下の濃度における核形成の生起および継続に充分な溶質濃度を要する。低尿素濃度が使用された場合、トコール類濃縮に無効であることは下表に証明されている。
Figure 0005068461
メタノール洗浄後の残留物にn−ヘキサンを添加する。遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類およびステロール類は、減圧蒸留による溶媒の除去後、n−ヘキサン層に回収される。尿素は残留物として回収される。
トコール類の濃度は短路蒸留によって増加させることができる。蒸留供給物は、ワイパーバスケットを備えた回転ディストリビューターディスクに計量式ポンプにより充填する。材料は回転ディスクにより加熱シェル上に分布させ、次いでワイパーバスケットに備えられたローラーにより薄膜に広げる。このワイパーバスケットは300回転/分に設定した。濃縮器内部温度は温度制御器を備えた循環式温水ポンプを用いて制御する(60℃に設定)。蒸留温度は温度制御器および熱い油を短路蒸留器のジャッケット付きシェルに循環させるためのポンプを備えた熱油加熱機により制御する。−90℃に設定されている冷触手を冷却トラップとして使用する。減圧(0.1Pa)は回転羽根式ポンプおよび油拡散ポンプの組合せにより達成することができる。
50g/時間の低供給速度で90℃、0.1Paにおける短路蒸留は、トロール類を留出することなく遊離脂肪酸を留去することができる。これらの条件下における蒸留を同一または相違する短路蒸発器で反復して行い、遊離脂肪酸の実質的全部を除去する。供給材料中にジアシルトリグリセロール類が存在する場合、トコール類は135℃、0.1Pa以下で留出される。135℃、0.1Paにおいて、残留物中の実質的に全部のジアシルグリセロール類が残留物中に残留し、この留出物はトコール類濃縮物である。ジアシルグリセロール類が供給物中に存在していない場合、蒸留温度は135℃、0.1Paより高い温度、好ましくは150℃以下であることができる。同一供給速度におけるより高い蒸留温度で、留出物対残留物の比は増加し、より高い生産力を達成することができる。トコール類の蒸留後、ジアシルグリセロール類を蒸留することができ、170℃、0.1Pa以上の留出物として採取することができる。
本発明をここで、下記例によりさらに詳細に説明する。全部の部およびパーセンテージは、別段の記載がないかぎり、重量による。
例I
軽質相としてメタノール中10%尿素を8.5L/時間で、および重質層として45℃に予備加熱されている粗製パーム油(遊離脂肪酸含有量3.65%、DOBI値2.30)を4.5kg/時間でポンプ供給することによって、液−液抽出を行った。撹拌機は900回転/分に設定した。採取されたラフィネートは尿素溶液17%(重量/重量)を含有することが見出された。強固な尿素溶液を回転蒸発により除去し、メタノールを回収し、洗浄し、次いで再度、回転蒸発させた後、粗製パーム油9.0kgを得た。遊離脂肪酸含有量は1.93%であり、DOBI値は2.78であった。アルコール性尿素抽出液15Lが得られた。このアルコール性抽出液6Lを−15℃において40時間かけて結晶化させた。
この生成物を減圧吸引によって迅速に濾過し、濾過液(F1)および残留物(R1)を得た。F1は、固形物の形成が始まるまで、回転蒸発させた。濃縮された濾過液をビーカーに移した。2倍量(300L)のn−ヘキサンを添加した。尿素は沈殿させ(27.8g)、清明なn−ヘキサンおよびメタノールは分離ロートで分離した。このn−ヘキサン層を水で洗浄し、分離し、次いで回転蒸発により乾燥させた。32.4%の総トコール類濃度を有する油性ペースト1.25gを得た。HPLCにより測定された各トコール濃度は、α−トコフェロール、α−トコトリエンオール、β−トコトリエンオール、γ−トコトリエンオールおよびδ−トコトリエンオールについてそれぞれ、3.2、9.1、0.6、13.3および6.2%(重量/重量)であった。トコール中のα−トコフェロール、α−トコトリエンオール、β−トコトリエンオール、γ−トコトリエンオールおよびδ−トコトリエンオールの相対組成はそれぞれ、9.9、28.1、1.9、41.0および19.1%であると計算された。GLCはジアシルグリセロール類およびトリアシルグリセロール類の不存在を示した。遊離脂肪酸は8.7%を構成し、モノアシルグリセロールは6.2%を構成し、β−シトステロールは7.1%を構成していた。
R1は、それぞれ1倍量(150ml)の冷メタノールにより2回洗浄した。濾過液(F2)は固形物形成が始まるまで、回転蒸発させた。濃縮された濾過液をビーカーに移した。2倍量(200ml)のn−ヘキサンを添加した。尿素は沈殿させ(564g)、清明なn−ヘキサンおよびメタノールは分離ロートで分離した。このn−ヘキサン層を水で洗浄し、分離し、次いで回転蒸発により乾燥させた。トコール類0.78%を含有する清明な油状物26.2gを得た。HPLCにより測定された各トコール濃度は、α−トコフェロール、α−トコトリエンオール、β−トコトリエンオール、γ−トコトリエンオールおよびδ−トコトリエンオールについてそれぞれ、0.07、0.21、0.01、0.32および0.15%(重量/重量)であった。トコール中のα−トコフェロール、α−トコトリエンオール、β−トコトリエンオール、γ−トコトリエンオールおよびδ−トコトリエンオールの相対組成はそれぞれ、9.8、27.4、1.7、41.5および19.6%であると計算された。GLCは他の主要成分が遊離脂肪酸、トリアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類であることを示した。
例II
トコール類1.1%を含有する供給材料73.9gを、50g/時間供給速度の短路蒸発器(10用量パルス/分に設定されている30%ストローク長さのダイアフラムポンプ)、300回転/分のローラーバスケット、50℃の内部温度、100℃の短路蒸発器温度、0.1Paの減圧、−90℃の冷トラップを用いて蒸留した。トコール類濃度は2.2%に増加した。GLCは、遊離脂肪酸は蒸留されたが、トコトリエンオール類は留出液中に検出されなかったことを示した。
この残留物を、短路蒸発器温度が135℃であったことを除いて同一条件下に再蒸留した。残留遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類、トコール類およびステロール類が留出物として採取された。GLCは、ジアシルグリセロール類が135℃、0.1Paにおいて留出されなかったことを示した。得られたトコール類濃度は12.0%であった。短路蒸発器の温度を160℃に高めた場合、ジアシルグリセロール類が残留遊離脂肪酸、モノアシルグリセロール類、トコール類(15.8%)およびステロール類とともに留出した。残留物はトコール類0.06%を含有した。
前記説明は単に、或る好適態様の詳細な説明であることを理解すべきである。従って、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正および均等態様をなすことができることは当業者にとって明白であると考える。このような態様の全部は特許請求の範囲の範囲内に包含されるものとする。
本出願書に引用されている全部の刊行物、特許および参考文献を引用して、それらの全体を組入れる。

Claims (11)

  1. 油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコトリエンオールを含むトコール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法であって、
    a)油および脂肪をメタノールまたはエタノール、もしくはメタノール−エタノール混合物中の尿素溶液により液−液抽出する工程;
    b)工程(a)で得られたアルコール性抽出液を0〜−25℃の温度に付す工程;
    c)工程(b)で得られた固形物と液体とを濾過により分離する工程;
    d)工程(c)で得られた濾過液を溶媒の部分的除去により濃縮する工程;
    e)工程(d)で得られた内容物に炭化水素溶媒を添加し、次いで炭化水素−メタノール層から得られる固形物を濾過またはデカンテーションにより分離する工程;
    f)下部メタノール層からの排出により炭化水素層を分離し、この炭化水素層を水で洗浄し、次いで水性層からの排出により炭化水素溶媒層をさらに分離する工程;
    g)工程(f)で得られた炭化水素層から低減圧蒸留により溶媒を除去する工程;
    h)工程(g)で得られた内容物を90〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出液として分離する工程;
    i)工程(h)で得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、トコトリエンオール濃縮物を留出物として採取する工程;
    j)工程(c)で得られた残留物をメタノールまたはエタノール、もしくはメタノール−エタノール混合物により充分に洗浄する工程;
    k)工程(j)で得られたアルコール性溶液から溶媒を分離する工程;
    l)工程(k)で得られた内容物を炭化水素溶媒中に溶解し、この溶液を水で洗浄し、次いで当該水性層から排出により炭化水素溶媒層を分離する工程;
    m)工程(l)で得られた炭化水素層から低減圧蒸留により溶媒を除去する工程;
    n)工程(m)で得られた内容物を90〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出物として除去する工程;および
    o)工程(n)から得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、トコトリエンオールを留出物として得る工程;
    を包含する上記方法。
  2. メタノールまたはエタノールもしくはメタノール−エタノール混合物を液−液抽出に使用し、および尿素を当該アルコール性内容物に引続いて添加する、請求項1に記載の油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法。
  3. 油および脂肪がパーム油、米糠油、パーム核油、ココナツ油、カカオ脂、ベニノキ種子、小麦胚芽、オート麦、大麦およびライ麦から抽出される油である、請求項1または2のいずれかに記載の油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法。
  4. 油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪から脂肪酸、モノアシルグリセロール類およびジアシルグリセロール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法であって、
    a)請求項1の工程(j)で得られた残留物に炭化水素溶媒を添加し、次いで生成する溶液を濾過する工程;
    b)工程(a)で得られた炭化水素溶媒に可溶性の内容物から低減圧蒸留により溶媒を除去し、脂肪酸、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類およびステロール類の混合物を得る工程;
    c)工程(b)で得られた混合物を85〜100℃、0.1Paにおいて蒸留し、遊離脂肪酸を留出物として除去する工程;
    d)工程(c)で得られた残留物を135℃、0.1Paにおいて蒸留し、モノアシルグリセロール類濃縮物を留出物として得る工程;および
    e)工程(d)で得られた残留物を175℃、0.1Paにおいて蒸留し、ジアシルグリセロール類濃縮物を留出物として得る工程;
    を包含する上記方法。
  5. 油および脂肪からトコトリエンオール濃縮物を得るための、請求項1〜3のいずれかに記載の方法の使用。
  6. 油および脂肪からモノアシルグリセロール類を得るための、請求項4に記載の方法の使用。
  7. 油および脂肪からジアシルグリセロール類を得るための、請求項4に記載の方法の使用。
  8. 改良された品質の粗製油および脂肪を得るための、請求項1または2のいずれかに記載の方法の使用。
  9. 当該方法がケン化、エステル化またはエステル交換工程を包含していない、請求項1〜3のいずれかに記載の油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコール類を回収し、油および脂肪の品質を改良する方法。
  10. 得られるトコトリエンオール濃縮物が天然産生モノアシルグリセロール類および/またはジアシルグリセロール類を天然産生乳化剤および分散剤として含有する、請求項1〜3および9のいずれかに記載の油および脂肪中の天然産生成分を破壊することなく、油および脂肪からトコール類を回収し、および油および脂肪の品質を改良する方法。
  11. 得られるトコトリエンオール濃縮物において、トコトリエンオールの量がα−トコフェロールの量の8倍以上である、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
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