JP5067761B2 - 金属石鹸グリース組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属石鹸グリース組成物に関し、特に耐水性に優れた金属石鹸グリース組成物に関するものである。
一般に、建設機械や産業機械などの潤滑箇所は、グリースなどの潤滑剤が施されているが、特に水の浸入が予想される場合には、適当なシール機構を用いるか若しくは機構上の対策その他によって、出来る限り水の浸入を防ぐ対策が取られている。
しかしながら、例えば軸受などでは完全な密閉系とすることはできず、また使用期間が長くなるのに伴ってシール機構自体も劣化するため、潤滑箇所への水の侵入を完全に防止することは困難である。潤滑箇所に水が侵入すると、グリース組成物に水が混入して軟化等の変化が起こるため、潤滑箇所から流出する等の事態が発生して潤滑不良となることも少なくない。
一般にグリース組成物は、特開昭61−060440号公報や特開昭58−219298号公報に記載されているように、鉱油や合成油からなる基油にリチウム石鹸のような金属石鹸を増稠剤として混合したものであり、一般に広く使用されている。しかし、このような通常のグリース組成物は、水が混入するとグリース組成物が軟化流出して性能を十分に発揮できなくなるため、軸受等の寿命低下や異常運転が起こる可能性が懸念される。
そのため、水が混入しても軟化流出等が生じないグリース組成物が望まれ、検討されてきた。例えば、特開2002−060775号公報には、金属石鹸グリース組成物中に金属サリシレートを0.1〜10質量%含有することにより、耐水性を改善したグリース組成物が提案されている。
特開昭61−060440号公報 特開昭58−219298号公報 特開2002−060775号公報
上記特開2002−060775号公報に記載のグリース組成物は、耐水性が改善され、水が混入しても軟化流出が少なく、潤滑不良の低減を図ることができるとされている。しかし、建設機械や産業機械などの水の浸入が避けられない潤滑箇所では、より一層の耐水性の改善向上が求められ、水が混入した場合の軟化を更に小さくすることが望まれている。
本発明は、このような従来の事情に鑑み、入手が容易な成分を使用し、且つグリース組成物の優れた潤滑特性を損なうことなく、水が進入しても軟化を極めて少なく抑えることができ、軟化流出による潤滑不良をなくすことが可能な耐水性に優れた金属石鹸グリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、金属石鹸グリースに金属サリシレートを特定量配合し、更にアルキルメタクリレート系共重合物を特定量配合することによって、極めて耐水性に優れた金属石鹸グリース組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明による金属石鹸グリース組成物は、基油中に増稠剤として金属石鹸を含む金属石鹸グリース組成物であって、該金属石鹸グリース組成物の全量に対し、金属サリシレートを0.1〜10質量%含有すると共に、アルキルメタクリレート系共重合物を0.1〜10質量%含有することを特徴とする。
本発明によれば、入手が容易な成分を使用しているため経済的であり、且つ優れた潤滑特性を維持しながら、水が進入しても軟化が極めて少なく抑えられ、軟化流出による潤滑不良をなくすことが可能な耐水性に優れた金属石鹸グリース組成物を提供することができる。従って、本発明の金属石鹸グリース組成物は、水のかかる潤滑箇所に使用しても、そのグリース特性が損なわれることがなく、良好な潤滑性能を長期間にわたって維持することができる。
本発明の金属石鹸グリース組成物は、基油と増稠剤である金属石鹸とからなる金属石鹸グリース基剤に、少なくとも金属サリシレート及びアルキルメタクリレート系共重合物を配合したことを特徴とするものである。
本発明で使用する金属サリシレートは、下記化学式1で表され、清浄分散剤に分類される潤滑油添加剤として知られている。好ましい金属サリシレートとしては、カルシウムサリシレート、マグネシウムサリシレートがあり、これらのうちの1種を用いるか若しくは2種を併用することができる。
Figure 0005067761
上記金属サリシレートの具体例としては、オスカ化学(株)製のOSCA(商品名)や、インフィニアムジャパン(株)製のSAP(商品名)などがある。また、ホウ素化合物を有する金属サリシレートは、リチウム石鹸あるいはリチウム複合石鹸を含むグリース組成物において特に耐水性の向上に有効である。尚、金属サリシレートは過塩基価処理が通常なされているが、本発明はその塩基価に左右されるものではない。
金属サリシレートの配合量は、金属石鹸グリース組成物の全量に対し、0.1〜10質量%の範囲である。金属サリシレートの配合量が組成物全量の0.1質量%未満の場合には耐水性の向上効果を認めることが出来ず、また10質量%を超えて配合しても更なる効果の向上が期待できないため好ましくない。
本発明で使用するアルキルメタクリレート系共重合物は、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合によって得られるポリマーであり、一般的にキャリヤーオイルによって希釈されているが、グリース組成物の基油に相溶するものであれば制限なく使用することが出来る。アルキルメタクリレート系共重合物の具体例としては、三洋化成工業(株)製のサンエリス(商品名)などがある。
また、アルキルメタクリレート系共重合物の配合量は、金属石鹸グリース組成物の全量に対し、0.1〜10質量%の範囲とする。アルキルメタクリレート系共重合物の配合量が組成物全量の0.1質量%未満では耐水性の向上効果を認めることが出来ず、また10質量%を超えて配合しても更なる効果の向上が期待できないため好ましくない。
本発明の金属石鹸グリース組成物においては、金属石鹸グリース基剤、即ち基油及び増稠剤である金属石鹸は、従来から使用されているものであってよい。基油としては、例えば、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、合成炭化水素油やシリコーンオイルのような合成油などを用いることができる。また、金属石鹸としては、リチウム石鹸、リチウム複合石鹸、カルシウム石鹸、カルシウム複合石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウム複合石鹸から任意に選択し、単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
尚、金属石鹸グリース基剤における基油と金属石鹸の配合割合は、従来から一般的に使用されている範囲であって良い。基油と金属石鹸の配合割合は所望のグリース硬度を得るために任意に定めることができ、硬くするためには基油の割合を少なくし、柔らかくするためには基油の割合を多くすることで調整することができる。
また、本発明の金属石鹸グリース組成物には、必要に応じて、一般に潤滑油やグリースの分野で使用される各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、耐摩擦摩耗添加剤、極圧添加剤、油性剤、固体潤滑剤等を添加配合することができる。
本発明の金属石鹸グリース組成物の製造方法は、通常のグリース組成物の製造と同様に行うことができる。例えば、上記した基油と増稠剤である金属石鹸を混練し、得られたグリース基剤に金属サリシレートとアルキルメタクリレート系共重合物を配合し、更に必要に応じて添加剤を加えて混練することにより、金属石鹸グリース組成物を得ることができる。これらの混練処理には、万能撹拌機やホモジナイザー、コロイドミルなどの分散処理装置を用いることができる。尚、上記の各成分を同時に混練しても良い。
基油に下記表1に示す金属石鹸と通常の添加剤を、稠度がNLGI No.2(JIS規格に定められた稠度)程度になるように配合し、コロイドミルで混練して分散させた。得られた金属石鹸グリース基剤に、下記表1に示す割合(単位は質量%)で金属サリシレートとアルキルメタクリレート(AMA)系共重合物を配合し、万能撹拌機で混練した後、3本ロールミルを用いて分散処理することにより、本発明による試料1〜9の各金属石鹸グリース組成物を製造した。
Figure 0005067761
尚、上記金属サリシレートには、カルシウムサリシレートであるオスカ化学(株)製のOSCA(商品名)463を用いた。また、上記アルキルメタクリレート系共重合物には、三洋化成工業(株)製のサンエリス(商品名)964を用いた。
また、比較例として、上記と同じ金属石鹸グリース基剤に、同じ金属サリシレートとアルキルメタクリレート系共重合物を下記表2に示す割合(単位は質量%)で配合した以外は上記と同様にして、試料10〜15の各金属石鹸グリース組成物を製造した。尚、試料10と11は、金属サリシレートのみを含有する従来例の金属石鹸グリース組成物である。
Figure 0005067761
得られた試料1〜15の各金属石鹸グリース組成物について、初期稠度を測定すると共に、含水シェルロール試験後の稠度を測定し、得られた結果を下記表3に示した。尚、稠度の測定は、JIS K2220に規定された方法により実施した。また、含水シェルロール試験は、ASTM D1831に準拠した方法により、金属石鹸グリース組成物の封入量を45g及び純水の配合量を5gとし、試験温度80℃にて2時間運転の条件下で測定を行った。
Figure 0005067761
上記の結果より、本発明による試料1〜9の金属石鹸グリース組成物は、比較例の試料10〜15の金属石鹸グリース組成物と比較して、含水シェルロール試験前後での稠度の変化量が極めて小さく、従って水を含んだ際のせん断安定性に優れ、軟化し難い特性を有していることが分る。
従って、本発明の金属石鹸グリース組成物は、水のかかる機械の潤滑箇所に使用した場合、水が混入しても軟化が非常に小さく、その箇所からのグリース組成物の流出を防ぐことができるため、潤滑不良による機器故障を防止して、機器の寿命延長を図ることができる。

Claims (2)

  1. 基油中に増稠剤として金属石鹸を含む金属石鹸グリース組成物であって、該金属石鹸グリース組成物の全量に対し、金属サリシレートを0.1〜10質量%すると共に、アルキルメタクリレート系共重合物を0.1〜10質量%含有することを特徴とする耐水性の優れた金属石鹸グリース組成物。
  2. 前記金属石鹸が、リチウム石鹸、リチウム複合石鹸、カルシウム石鹸、カルシウム複合石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウム複合石鹸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の耐水性の優れた金属石鹸グリース組成物。
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