JP5652634B2 - 樹脂潤滑用グリース組成物 - Google Patents
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スティックスリップの対策としては、固体潤滑剤を使用したものがほとんどである。例えば、添加剤としてカルボン酸アマイド系ワックスを含有するグリース組成物(特許文献1)、モンタン酸ワックスを含有させた樹脂潤滑用グリース組成物(特許文献2)、平均分子量が900〜10000のポリオレフィンワックスを0.5〜40重量%含有させた潤滑グリース組成物(特許文献3)、平均1次粒径が0.2μm未満のポリテトラフルオロエチレン微粉末を含有させた樹脂用グリース組成物(特許文献4)などがある。
しかし、上記従来の処方は、いずれも増ちょう剤としてウレア化合物やLi石けんを使用したグリースであり、グリース中での増ちょう剤量が多くなるため低温性に劣るという欠点がある。
本発明の他の目的は、スティックスリップの発生を少なく抑えることができる樹脂潤滑用グリース組成物を提供することである。
本発明は下記の樹脂潤滑用グリース組成物を提供するものである。
1.増ちょう剤、基油および添加剤を含む樹脂潤滑用グリース組成物において、増ちょう剤がシリカを含み、添加剤が固体潤滑剤及びワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む樹脂潤滑用グリース組成物。
2.固体潤滑剤がポリテトラフルオロエチレン、有機ベントナイト及びメラミンシアヌレート(MCA)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
3.ワックスが酸化ポリエチレンワックス及びモンタン酸ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1又は2記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
4.脂肪族リン酸エステル及び芳香族リン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機リン酸エステルをさらに含有する上記1〜3のいずれか1項記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
5.固体潤滑剤の含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%であり、ワックスの含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%である上記1〜4のいずれか1項記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
6.有機リン酸エステルの含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%である上記5記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
7.基油が合成炭化水素油である上記1〜6のいずれか1項記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
本発明の樹脂潤滑用グリース組成物は、特定の固体潤滑剤が樹脂材同士の接触を妨げ、スティックスリップ性を改善するものと考えられる。
本発明の樹脂潤滑用グリース組成物は、有機リン酸エステルを含有する場合には、これが樹脂に吸着することにより、スティックスリップ性がさらに改善される。
増ちょう剤としてはシリカのみであることが最も好ましいが、増ちょう剤全体に対して、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下で他の増ちょう剤を含有しても良い。他の増ちょう剤は特に限定されず、全ての増ちょう剤が使用可能である。例えば、Li石けんやLiコンプレックス石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ジウレアに代表されるウレア系増ちょう剤、有機化クレイに代表される無機系増ちょう剤、PTFEに代表される有機系増ちょう剤などが挙げられる。
増ちょう剤の含有量はグリース組成物の質量に対して、好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。
本発明のグリース組成物に使用する基油の動粘度は40℃で好ましくは200〜1000mm2/s、さらに好ましくは400〜600mm2/sである。
合成油としては、エステル、ジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油、ポリ−α−オレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油、アルキルジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールに代表されるエーテル系合成油、シリコーン油、フッ素油などが挙げられる。好ましくは合成炭化水素油であり、特に好ましくはポリ−α−オレフィンとポリブテンの混合物である。ポリ−α−オレフィンは良好な低温特性を示し、ポリブテンは粘度−圧力係数(α)が約30と高いため、優れた消音効果を発揮する。ポリ−α−オレフィンとポリブテンの混合割合は、質量比で90:10〜99:1が適当である。
また、ワックスとしては、酸化ポリエチレンワックス及びモンタン酸ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
固体潤滑剤の含有量は全グリース組成物の質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。
ワックスの含有量は全グリース組成物の質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。
固体潤滑剤とワックスの合計の含有量は全グリース組成物の質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。0.1質量%未満では効果が少なく、10質量%を超えると低温性が低下する傾向がある。
固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン、有機ベントナイト、MCA、酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックスは、樹脂材間に介在することにより、摩擦を低減すると考えられる。
有機リン酸エステルの含有量は、全グリース組成物の質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
有機リン酸エステルは、その極性基が樹脂材と吸着することにより、摩擦を低減すると考えられる。
0.1質量%未満では効果が少なく、10質量%を超えると低温性が低下する傾向がある。
実施例1−11及び比較例1−4
表1〜表3に示す処方の試験グリースを調製した。
増ちょう剤としてはシリカ(外観:白色粉体/融点:約1700℃/かさ密度(見掛け比重):<2g/L/比表面積:170±20m2/g/pH:3.8〜5.0/HCl含有率:0.05%以下/1次粒径:0.012μm以下)を、基油としては、合成炭化水素油とポリブテンの混合油(質量比95:5)を使用した。
合成炭化水素油の動粘度は40℃で390mm2/s、ポリブテンの動粘度は40℃で160,000mm2/sであり、基油全体の動粘度は40℃で518mm2/sに統一した。
添加剤としては、実施例では、ポリテトラフルオロエチレン、有機ベントナイト、MCA、酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックス、リン酸トリクレジルを、比較例では、無添加、リン酸トリクレジル、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ひまし油を使用した。
混和ちょう度は280に統一した。
バーベルプレート試験(スティックスリップ性)
トライボロジー会議予稿集(佐賀2007-9 D37)「スプライン用高潤滑性グリースの開発」2007年9月、株式会社デンソー 分根聖司)記載のバーベルとプレートに試験グリースを塗布し、既定の条件で試験を行い、摩擦係数(Δμ=静摩擦係数−動摩擦係数)を測定し、スティックスリップ性を評価した。
試験条件
バーベル:PBT(ウィンテックスポリマー ジュラネックス2002)
プレート:POM(ポリプラスチックス ジュラコンM90XAP)
荷重:100N
速度:0.12m/s
温度:60℃
評価 (Δμ値) ○:0.150未満、×:0.150以上
Claims (3)
- 増ちょう剤、基油および添加剤を含む樹脂潤滑用グリース組成物において、
増ちょう剤がシリカを含み、
添加剤が固体潤滑剤及びワックスを含み、
固体潤滑剤がポリテトラフルオロエチレン、有機ベントナイト及びメラミンシアヌレート(MCA)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
ワックスが酸化ポリエチレンワックス及びモンタン酸ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
固体潤滑剤の含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%であり、ワックスの含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%であり、固体潤滑剤とワックスの合計量が全グリース組成物の質量に対して0.2〜10質量%である前記グリース組成物。 - 脂肪族リン酸エステル及び芳香族リン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機リン酸エステルをさらに含有し、前記有機リン酸エステルの含有量が全グリース組成物の質量に対して、0.1〜10質量%である請求項1記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
- 基油が合成炭化水素油である請求項1又は2記載の樹脂潤滑用グリース組成物。
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