JP5067316B2 - 成膜装置およびそれを用いた成膜方法 - Google Patents

成膜装置およびそれを用いた成膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、超臨界流体に成膜原料を溶解させた処理媒体を用いて、基板に成膜を行う成膜装置およびそれを用いた成膜方法に関する。
従来より、半導体装置を製造する際に、半導体基板に形成されたトレンチに埋め込み材を埋め込む方法としてCVD法が知られている。しかし、CVD法では成膜反応にガスを用いるためにガス中での成膜原料の密度が小さく、トレンチ入口で原料の大部分が分解されて成膜されてしまう。このため、トレンチ内部に原料がほとんど供給されずにトレンチの開口部が埋め込み材によって閉じられてしまい、トレンチ内にボイドが残される。このように、従来のCVD法では、トレンチ内部にボイドが生じることなくトレンチを埋め込むことは困難であった。
そこで、超臨界流体を成膜原料の溶媒として用いる成膜方法が注目されている。超臨界流体は液体と気体との中間の性質を示し、液体より拡散性が高く、粘性が小さいためトレンチのような狭所に侵入することができる媒体である。また、超臨界流体は、気体よりも密度が高く溶解性があるため、溶媒として利用することができる。このため、このような超臨界流体の性質を利用することにより、トレンチ内部にボイドが生じることなく埋め込み材を埋め込むことが可能である。
しかし、成膜原料の溶媒として超臨界流体を用いたとしても、トレンチが高アスペクト比になるに従って、成膜原料がトレンチ入口付近での成膜に使われてしまう。これにより、成膜原料をトレンチ底部に供給できなくなり、埋め込み時に上記のようにトレンチ内にボイドが発生してしまう。
そこで、特許文献1では、基板の温度を成膜が生じる温度の下限である成膜下限温度未満である第1の温度とし、基板上に成膜原料を溶解させた超臨界流体を導入した後、基板の温度を第1の温度から成膜下限温度以上の第2の温度に上昇させて基板に成膜を行う成膜方法が提案されている。
特開2006−120713号公報
しかしながら、上記従来の技術では、基板全体を同一の第2の温度に固定して成膜を行うため、トレンチ全体に同一厚さの膜が形成される。このため、例えば、トレンチが逆テーパになっている場合、基板に同一厚さの膜が形成されることで先にトレンチの開口部が塞がってしまい、トレンチの内部にボイドが残されてしまう。
このように、成膜原料を溶解させた超臨界流体を用いた成膜方法を採用しても、内部の空間に対して入口が小さいパターンに埋め込みを行うことができない。すなわち、基板に設けられたトレンチの一部が逆テーパになっていれば、その部分にボイドが取り残されることになり、基板全体に良好な成膜を行うことはできない。
本発明は、上記点に鑑み、超臨界流体に原料を溶解させた処理媒体を用いてトレンチ内部を埋め込むに際し、トレンチ内部にボイドが残されないように成膜を行うことができる成膜装置およびそれを用いた成膜方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、処理媒体を供給する処理媒体供給手段(10)と、処理媒体供給手段(10)から供給された処理媒体を第1の温度と第1の温度より高い第2の温度とに加熱し、第1の温度の処理媒体と第2の温度の処理媒体とをチャンバ(20)に交互に供給し、第1の温度の処理媒体をチャンバ(20)に供給する間に基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくし、第2の温度の処理媒体をチャンバ(20)に供給する間に基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくすることにより基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御する加熱手段(50)とを備えていることを特徴とする。
このように、加熱手段(50)によってチャンバ(20)に供給する処理媒体の温度を制御することにより、基板(30)の表面(31)側の温度を変化させることができる。これにより、基板(30)の表面(31)側の温度と基板(30)の裏面(32)側の温度との温度差を大きくすることができる。したがって、超臨界流体を用いた成膜において基板(30)の温度が高いほど成膜速度が速くなることを利用して、溝(33)の底部における成膜の速度を溝(33)の開口部側よりも速くすることができる。このため、溝(33)の底部から基板(30)の表面(31)側に順に成膜することができ、溝(33)の開口部が成膜によって閉じられないようにすることができる。もちろん、溝(33)が逆テーパの構造をなしていても、溝(33)の底部側から成膜することができる。以上により、溝(33)内にボイドが発生しないようにすることができる。
請求項2に記載の発明では、処理媒体を供給する処理媒体供給手段(10)と、処理媒体よりも低温であると共に成膜に寄与しない不活性流体を供給する不活性流体供給手段(60)と、不活性流体供給手段(60)から供給された不活性流体と処理媒体供給手段(10)から供給された処理媒体とをチャンバ(20)に交互に供給することにより、不活性流体を供給する間に基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくし、処理媒体を供給する間に基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくすることにより基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御する切替手段(70)とを備えていることを特徴とする。
このように、不活性流体供給手段(60)から供給された不活性流体を切替手段(70)によってチャンバ(20)に供給することにより、基板(30)の表面(31)側の温度を変化させることができる。これにより、基板(30)の表面(31)側の温度と基板(30)の裏面(32)側の温度との温度差を大きくすることができる。したがって、超臨界流体を用いた成膜において基板(30)の温度が高いほど成膜速度が速くなることを利用して、溝(33)の底部における成膜の速度を溝(33)の開口部側よりも速くすることができる。このため、溝(33)の底部から基板(30)の表面(31)側に順に成膜することができ、溝(33)の開口部が成膜によって閉じられないようにすることができる。もちろん、溝(33)が逆テーパの構造をなしていても、溝(33)の底部側から成膜することができる。以上により、溝(33)内にボイドが発生しないようにすることができる。
請求項に記載の発明では、超臨界流体は、二酸化炭素であることを特徴とする。この二酸化炭素は、超臨界流体として用いられるものの中で常温・常圧に近いところに臨界点を持つ。したがって、二酸化炭素を超臨界流体として用いることにより、処理媒体供給手段(10)を大がかりな構成とすることなく処理媒体を生成・供給することができる。
請求項4に記載の発明では、処理媒体供給手段(10)から処理媒体を加熱手段(50)に供給し、加熱手段(50)にて処理媒体を第1の温度と第1の温度より高い第2の温度とに加熱し、第1の温度の処理媒体と第2の温度の処理媒体とをチャンバ(20)に交互に供給する工程を含んでおり、第1の温度に加熱された処理媒体を低温媒体とし、第2の温度に加熱された処理媒体を高温媒体としたとき、交互に供給する工程では、加熱手段(50)からチャンバ(20)に低温媒体を供給することにより、基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、加熱手段(50)からチャンバ(20)に高温媒体を供給することにより、基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくする第2の工程とを繰り返し、基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御することにより基板(30)の表面(31)側に成膜を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、処理媒体供給手段(10)から処理媒体をチャンバ(20)に供給することと、不活性流体供給手段(60)から処理媒体よりも低温であると共に成膜に寄与しない不活性流体をチャンバ(20)に供給することと、を切替手段(70)によって交互に切り替える工程を含んでおり、交互に切り替える工程では、切替手段(70)によって、不活性流体供給手段(60)からチャンバ(20)に不活性流体を供給することにより、基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、処理媒体供給手段(10)からチャンバ(20)に処理媒体を供給することにより、基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくする第2の工程と、を繰り返し、基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御することにより基板(30)の表面(31)側に成膜を行うことを特徴とする。
以上の請求項4または5に記載の発明に示されるように、第1の工程と第2の工程とを繰り返すことで、基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側とで温度変化速度に差を付けることができる。これにより、基板(30)の表面(31)側の温度と基板(30)の裏面(32)側の温度との温度差を大きくすることができる。したがって、超臨界流体を用いた成膜において基板(30)の温度が高いほど成膜速度が速くなることを利用して、溝(33)の底部における成膜の速度を溝(33)の開口部側よりも速くすることができる。このため、溝(33)の底部から基板(30)の表面(31)側に順に成膜することができ、溝(33)の開口部が成膜によって閉じられないようにすることができる。もちろん、溝(33)が逆テーパの構造をなしていても、溝(33)の底部側から成膜することができる。以上により、溝(33)内にボイドが発生しないようにすることができる。
請求項に記載の発明では、超臨界流体として、二酸化炭素を用いることを特徴とする。これにより、請求項と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される成膜装置は、超臨界流体に成膜原料を溶解させた処理媒体を基板等にさらして原料を基板上に析出させることで成膜を行うものである。特に、基板に設けられたトレンチなどの溝内に成膜を行う際に用いられる。
本実施形態では、溶媒として超臨界流体に変化する二酸化炭素(CO)を用いる。二酸化炭素の臨界点については、温度が31.1℃であり、圧力が7.38MPaである。これら温度および圧力の両方を満たすとき、二酸化炭素は超臨界流体の状態に変化する。なお、超臨界流体の状態に変化する物質として水(HO)もある。水の臨界点は、温度が374℃であり、圧力が22.12MPaである。
図1は、本実施形態に係る成膜装置の構成図である。この図に示されるように、成膜装置は処理媒体供給部10と、チャンバ20とを備えて構成されている。
処理媒体供給部10は、成膜を行うための処理媒体を生成・供給するものである。処理媒体供給部10は、二酸化炭素タンク11と、冷却装置12と、ポンプ13と、TEOSタンク14と、ポンプ15と、加熱装置16とを備えている。
二酸化炭素タンク11は、溶媒として用いられるCOが気体の状態で閉じこめられたタンクである。この二酸化炭素タンク11は、バルブ17を介して冷却装置12に接続されており、気体のCOが冷却装置12で例えば0℃に冷やされて液体に変化させられる。冷却装置12にて液体に変化したCOは、ポンプ13によって例えば10MPaに加圧され、バルブ18を介して加熱装置16に供給される構成になっている。
また、TEOSタンク14は、成膜原料として液体のTEOS(Si(OC)が液体の状態で閉じこめられたタンクである。TEOSタンク14内の液体のTEOSは、ポンプ15およびバルブ19を介して加熱装置16に供給される構成になっている。
加熱装置16は、液体のCOとTEOSとを例えば37℃を超える温度に加熱するものである。これにより、液体のCOが超臨界流体に変化させられ、超臨界流体としてのCOと液体のTEOSが混ざり合うことで処理媒体が生成される。この処理媒体は、チャンバ20の導入通路21に導入され、導入通路21に設けられたバルブ22を介してチャンバ20に供給される。
図2は、チャンバ20の構成の一部を示した図である。チャンバ20は、成膜を行うための処理室が設けられたものであり、処理室内には処理媒体が導入される。
チャンバ20は、ヒータ23と駆動部24とを備えている。ヒータ23は印加された電圧に応じて加熱されるものである。また、駆動部24はヒータ23に電圧を印加してヒータ23の加熱を制御するものである。
ヒータ23には基板30が設置されている。基板30の表面31側には基板30の裏面32側に延設された溝33が設けられている。この溝33は、素子分離用のトレンチや素子を構成するトレンチなどである。基板30として、Siウェハやガラス基板などが採用される。
ヒータ23は基板30の裏面32側に配置された状態となっている。すなわち、ヒータ23に電圧を印加することにより基板30を裏面32側から加熱することとなる。そして、基板30の表面31側が処理媒体にさらされ、処理媒体に溶解された原料が基板30の表面31や溝33内に析出することにより成膜が行われる。
また、駆動部24は、基板30の裏面32側を成膜最低温度以上に加熱するように、ヒータ23の加熱を制御する。具体的には、駆動部24は、ヒータ23に対して第1の電圧とこの第1の電圧よりも低い第2の電圧とを交互に繰り返し印加するパルス駆動を行う。該パルス駆動としては、第1の電圧として例えば100Vを30秒間印加し、第2の電圧として0Vを例えば30秒間印加する。つまり、駆動部24は、例えば30秒間ごとにヒータ23のON/OFFを繰り返し行う。
そして、図1に示されるように、チャンバ20で成膜に用いられた処理媒体は、バルブ25を介して排出通路26に排出される。排出通路26に排出された処理媒体は、超臨界流体からTEOSが回収されて無害化されると共に気体に戻されたCOが大気に排出される構成になっている。
さらに、導入通路21からバルブ27を介して排出通路26に処理媒体を移動できるようにもなっている。以上が、本実施形態に係る成膜装置の全体構成である。なお、各ポンプ13、15、冷却装置12、加熱装置16、各バルブ17〜19、22、25、27の開閉等は、図示しない制御装置によって制御される。
次に、上記成膜装置を用いた成膜方法について、図を参照して説明する。成膜装置にて成膜を行うに際し、チャンバ20内のヒータ23の上に溝33が設けられた基板30を設置する。この後、処理媒体を作成してチャンバ20に供給する。
具体的には、二酸化炭素タンク11から気体のCOを冷却装置12に送って液体化し、これにポンプ13で圧力を加え、加熱装置16に送る。同様に、TEOSタンク14から液状のTEOSを加熱装置16に送る。そして、加熱装置16で液体のCOおよびTEOSをCOの臨界温度を超える温度に加熱することにより、COを超臨界流体に変化させる。これにより、TEOSが超臨界流体のCOに溶解し、処理媒体が得られる。導入通路21を介してこの処理媒体をチャンバ20に供給する。
そして、駆動部24によってヒータ23を加熱制御して基板30を加熱し、基板30の表面31側に処理媒体中の成膜原料を析出することにより、基板30の表面31側にSiO膜を形成する。超臨界流体を用いた成膜においては、基板30の温度が高いほど成膜速度が速くなる。
本実施形態では、駆動部24によってヒータ23を加熱制御することにより、基板30の裏面32側の温度を表面31側よりも高くして裏面32側と表面31側とで温度差を大きくすることにより、基板30の裏面32側での成膜速度を高め、溝33内を埋めるように成膜を行う。
具体的に、図3を参照して説明する。図3(a)は、ヒータ23に印加する電圧の時間変化を示した図であり、図3(b)は、基板30の表面31側および裏面32側の温度変化を示した図である。
図3(a)に示されるように、駆動部24はヒータ23を例えば30秒ごとにON/OFFする。これにより、ヒータ23に例えば100V(第1の電圧)と例えば0V(第2の電圧)とを交互に繰り返し印加するパルス駆動を行う。このようにして、ヒータ23によって基板30を裏面32側から加熱する。
そして、図3(b)に示されるように、駆動部24がヒータ23をONしている間、基板30の表面31側よりも裏面32側の温度上昇速度が大きくなる。これは、基板30は裏面32側から加熱されるため、ヒータ23から直接熱を受ける裏面32側のほうが表面31側よりも温度上昇速度が大きくなるためである。
一方、駆動部24がヒータ23をOFFしている間、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度が大きくなる。これは、基板30の表面31側は、例えば0℃の処理媒体にさらされるため、処理媒体によって裏面32側よりも早く冷やされるからである。
したがって、図3(b)に示されるヒータ23のON/OFF、すなわちヒータ23に第1の電圧を印加する間に基板30の表面31側よりも裏面32側の温度上昇速度を大きくする第1の工程と、ヒータ23に第2の電圧を印加する間に基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度を大きくする第2の工程とを繰り返し、基板30の表面31側と裏面32側との間の温度勾配を大きくすることにより基板30の表面31側に成膜を行う。
これにより、基板30の表面31側と裏面32側との温度変化速度に差が生じ、基板30の表面31側と基板30の裏面32側との温度差が大きくなる。このため、溝33の底部における成膜の速度が溝33の開口部側よりも速くなり、基板30の裏面32側に位置する溝33の底から成膜されていくこととなる。この様子を図4に示す。
図4(a)に示されるように、ヒータ23のパルス駆動を開始し始めた段階では、溝33の底から埋め込み膜40が形成されていく。超臨界流体は粘性が小さいため、溝33のような狭所に侵入し、溝33の底部から埋め込み膜40が形成されていく。
そして、図4(b)に示されるように、溝33の底側のほうが開口部側より温度が高いため、溝33の開口部が埋め込み膜40で閉じられることはなく、溝33が埋め込み膜40で埋められていく。
この後、一定時間が経過すると、図4(c)に示されるように、溝33が埋め込み膜40によって完全に埋められる。もちろん、溝33が逆テーパの構造になっていても、溝33の底部側から埋められていく。逆テーパに限らず、他の溝構造であっても、底部側からの成膜が可能である。こうして、溝33内にボイドを発生させることなく、埋め込み膜40による埋め込みが完了する。なお、成膜に用いた処理媒体はチャンバ20から排出通路26に導かれ、無害化されて廃棄される。
以上説明したように、本実施形態では、駆動部24によってヒータ23をパルス駆動し、基板30の温度変化の過渡状態を積極的に利用することにより、基板30の表面31側と裏面32側との温度上昇または温度下降速度に差を生じさせることが特徴となっている。
これにより、表面31側と裏面32側とで温度差を大きくすることができる。したがって、超臨界流体を用いた成膜において基板30の温度が高いほど成膜速度が速くなることを利用して、溝33の底部における成膜の速度を溝33の開口部側よりも速くすることができる。このため、溝33の底部から基板30の表面31側に順に埋め込み膜40を形成することができ、溝33の開口部が埋め込み膜40によって閉じられないようにすることができる。このようにして、溝33内にボイドが発生しないようにすることができる。
また、ヒータ23の温度制御のみで成膜原料については処理媒体供給部10から順次チャンバ20に供給することができる。このため、基板30に対して連続成膜することが可能となり、チャンバ20内の原料の入れ替えなども必要ないため、成膜時間を短縮することができる。
さらに、COは、超臨界流体として用いられるものの中で常温・常圧に近いところに臨界点を持つため、超臨界流体としてCOを用いることで、処理媒体供給部10を大がかりな構成とすることなく処理媒体を生成・供給することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、処理媒体供給部10が特許請求の範囲の処理媒体供給手段に対応し、ヒータ23が特許請求の範囲の加熱手段に対応する。また、駆動部24が特許請求の範囲の駆動手段に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、ヒータ23をON/OFFしていたが、本実施形態では、ヒータ23を完全にOFFしないようにすることが特徴となっている。
成膜装置の構成は、図1に示されるものと同じである。本実施形態では、駆動部24は、ヒータ23に対して、第1の電圧とこの第1の電圧よりも低い第2の電圧とを交互に繰り返し印加するパルス駆動を行う。ここで、第2の電圧は0Vではなく、ヒータ23で加熱できる電圧である。
これによると、ヒータ23に第1の電圧を印加することでヒータ23を高温に加熱し、ヒータ23に第2の電圧を印加することでヒータ23を低温に加熱することとなる。
図5(a)は、ヒータ23に印加する電圧の時間変化を示した図であり、図5(b)は、基板30の表面31側および裏面32側の温度変化を示した図である。
図5(a)に示されるように、パルス駆動の切替周波数を早くすることで、基板30の温度が定常状態になる前にヒータ23の過熱状態を切り替える。このとき、ヒータ23をOFFせずに第2の電圧を印加して低温に加熱する。
このような加熱制御によると、図5(b)に示されるように、基板30の表面温度ならびに基板30の裏面温度をそれぞれの平均温度付近で保つことができる。これにより、基板30のそれぞれの場所での温度変化が小さくなり、安定した成膜が可能となる。
第1実施形態と同様に、基板30に形成した溝33内に埋め込み膜40としてSiOを成膜する場合、処理媒体温度が50℃、基板温度が300℃となるようにヒータ23に電圧を印加する。これにより、基板30の深さ方向に対して温度勾配を大きくすることによって溝33の底部での成膜速度が開口部付近に比べて速くなるため、溝33の底面から順に成膜でき、ボイドが発生することなく溝33を埋め込むことができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、処理媒体の温度を変化させることによって、基板30の表面31側と裏面32側とで温度差を大きくすることが特徴となっている。
図6は、本実施形態に係る成膜装置の構成図である。図6に示される成膜装置において、処理媒体供給部10の構成は図1と同様である。本実施形態に係る成膜装置には、処理媒体供給部10から供給された処理媒体を加熱する熱交換器50を備えている。熱交換器50は、バルブ28を介して導入通路21に接続されている。
この熱交換器50は、処理媒体を二値の温度に加熱するものであり、処理媒体供給部10から供給された例えば37℃、10MPaの処理媒体を第1の温度と第1の温度より高い第2の温度とに加熱する。本実施形態では、第1の温度は例えば50℃であり、第2の温度は例えば80℃である。熱交換器50はバルブ22を介してチャンバ20に繋がっている。
なお、チャンバ20、バルブ25、27、排出通路26等の構成は図1に示される成膜装置と同様である。また、熱交換器50の加熱温度の制御は図示しない制御装置によって行われる。
以下では、第1の温度を低温とし、第2の温度を高温とする。また、第1の温度に加熱された処理媒体を低温媒体とし、第2の温度に加熱された処理媒体を高温媒体とする。
次に、上記成膜装置を用いた成膜方法について、図を参照して説明する。まず、第1実施形態と同様に、処理媒体供給部10で処理媒体を作り、この処理媒体をバルブ28を介して熱交換器50に導入する。チャンバ20内においては、溝33が設けられた基板30をヒータ23の上に配置し、ヒータ23によって基板30を例えば300℃に加熱する。そして、熱交換器50で低温媒体と高温媒体とを生成し、これらを交互にチャンバ20に供給する。
具体的に、図7を参照して説明する。図7(a)は、処理媒体の温度変化を示した図であり、図7(b)は、基板30の表面31側および裏面32側の温度変化を示した図である。
図7(a)に示されるように、熱交換器50によって処理媒体を例えば30秒間第1の温度(低温)に加熱し、該低温媒体をチャンバ20に供給する。低温媒体は臨界温度よりも高い温度に加熱されており、二酸化炭素の超臨界流体の状態が維持されている。この後、熱交換器50によって処理媒体を例えば30秒間第2の温度(高温)に加熱し、該高温媒体をチャンバ20に供給する。このように、処理媒体を低温および高温に交互に加熱してチャンバ20に供給する。
そして、図7(b)に示されるように、熱交換器50からチャンバ20に低温媒体を供給している間、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度が大きくなる。基板30の裏面32側はヒータ23で加熱されているが、基板30の表面31側は低温媒体によって冷やされるため、基板30の表面31側と裏面32側との温度差が大きくなる。一方、熱交換器50からチャンバ20に高温媒体を供給している間、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度上昇速度が大きくなる。
したがって、熱交換器50からチャンバ20に低温媒体を供給することにより、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、熱交換器50からチャンバ20に高温媒体を供給することにより、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度上昇速度を大きくする第2の工程とを繰り返し、基板30の表面31側と裏面32側との間の温度勾配を大きくすることにより基板30の表面31側に成膜を行う。
これにより、基板30の表面31側と基板30の裏面32側との温度差を大きくして、溝33の底部における成膜の速度を溝33の開口部側よりも速くすることができる。したがって、図4に示されるように、基板30の裏面32側に位置する溝33の底から埋め込み膜40を形成することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、熱交換器50によって処理媒体の温度を加熱制御することにより、基板30の表面31側の温度を変化させることが特徴となっている。これにより、基板30の表面31側の温度と基板30の裏面32側の温度との温度差を大きくして、溝33の底部から基板30の表面31側に順に成膜することができる。したがって、溝33の開口部が成膜によって閉じられないようにすることができ、溝33内にボイドが発生しないようにすることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、処理媒体供給部10が特許請求の範囲の処理媒体供給手段に対応し、熱交換器50が特許請求の範囲の加熱手段に対応する。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、処理媒体よりも温度が低い不活性ガスを用いることによって、基板30の表面31側と裏面32側とで温度差を大きくすることが特徴となっている。
図8は、本実施形態に係る成膜装置の構成図である。本実施形態に係る成膜装置は、処理媒体供給部10と、不活性流体供給部60と、切替部70と、チャンバ20とを備えている。
本実施形態に係る処理媒体供給部10は、図1に示されるものと同じ構成である。本実施形態では、加熱装置16は液体のCOを例えば80℃に加熱することでCOを超臨界流体に変化させる。したがって、加熱装置16によって超臨界流体に変化させられたCOにTEOSが溶解すると、約80℃の処理媒体が作られる。処理媒体は導入通路21を介して切替部70に送られる。
不活性流体供給部60は、処理媒体よりも低温であると共に成膜に寄与しない不活性流体を供給するものである。この不活性流体供給部60は、窒素タンク61と、冷却装置62と、ポンプ63とを備えている。
窒素タンク61は、成膜に寄与しない不活性ガスである窒素(N)が気体の状態で閉じこめられたタンクである。また、冷却装置62は、窒素タンク61から供給された気体のNを例えば0℃にまで冷却するものである。この冷却装置62により、約0℃の不活性流体が生成される。そして、該不活性流体はポンプ63によって加圧され、切替部70に送られる。
切替部70は、不活性流体供給部60から供給された不活性流体と処理媒体供給部10から供給された処理媒体とをチャンバ20に交互に供給するものである。このような切替部70は、処理媒体供給部10とチャンバ20とを繋ぐバルブ71と、不活性流体供給部60とチャンバ20とを繋ぐバルブ72とによって構成されている。切替部70は、各バルブ71、72のいずれか一方が開通するように経路の切り替えを行うことにより、チャンバ20に処理媒体または不活性流体を供給する。切り替えのタイミングは、例えば、基板30の表面31側の温度が不活性流体または処理媒体によって安定したときである。
なお、切替部70の各バルブ71、72の切り替えは図示しない制御装置によって制御される。また、チャンバ20、バルブ22、25、27、排出通路26等の構成は図1に示される成膜装置と同様である。
次に、上記成膜装置を用いた成膜方法について、図を参照して説明する。まず、第1実施形態と同様に、COを冷却装置12、ポンプ13、および加熱装置16で超臨界流体に変化させる。本実施形態では、加熱装置16によって液体のCOを例えば80℃に加熱して超臨界流体を作り、超臨界流体にTEOSが溶解した処理媒体を導入通路21に導入する。一方、不活性流体供給部60では、冷却装置62によって気体のNを例えば0℃に冷却した不活性流体を作り、切替部70に送る。
チャンバ20内では、溝33が設けられた基板30をヒータ23の上に配置し、ヒータ23によって基板30を例えば300℃に加熱する。そして、切替部70の各バルブ71、72の切り替えによって、処理媒体供給部10からの処理媒体と不活性流体供給部60からの不活性流体とを交互にチャンバ20に供給する。
具体的に、図9を参照して説明する。図9は、不活性流体を用いることによる基板30の表面31側および裏面32側の温度変化を示した図である。
図9に示されるように、切替部70のバルブ72を介して不活性流体供給部60からチャンバ20に不活性流体を供給している間では、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度が大きくなる。これは、約0℃の不活性流体が基板30の表面31側を冷やすからである。不活性流体は成膜に寄与しないため、基板30の表面31側の温度の冷却のみに寄与する。
一方、切替部70のバルブ71を介して処理媒体供給部10からチャンバ20に処理媒体を供給している間では、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度上昇速度が大きくなる。これは、約80℃の処理媒体が基板30の表面31側を温めるからである。基板30の裏面32側はヒータ23によって常に加熱されているため、処理媒体や不活性流体の温度による影響は小さく、裏面32側の温度は安定している。
したがって、切替部70によって、不活性流体供給部60からチャンバ20に不活性流体を供給することにより、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、処理媒体供給部10からチャンバ20に処理媒体を供給することにより、基板30の裏面32側よりも表面31側の温度上昇速度を大きくする第2の工程とを繰り返し、基板30の表面31側と裏面32側との間の温度勾配を大きくすることにより基板30の表面31側に成膜を行う。
これにより、基板30の表面31側の温度と基板30の裏面32側の温度との温度差を大きくして成膜することが可能となる。すなわち、溝33の底部における成膜の速度を溝33の開口部側よりも速くすることができるので、図4に示されるように溝33の底部から基板30の表面31側に順に埋め込み膜40を形成することができる。こうして、埋め込み膜40によって溝33の開口部が塞がれないようにすることができ、溝33内にボイドが発生しないようにすることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、処理媒体供給部10が特許請求の範囲の処理媒体供給手段に対応し、不活性流体供給部60が特許請求の範囲の不活性流体供給手段に対応する。また、切替部70が特許請求の範囲の切替手段に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、埋め込み膜40としてSiOの成膜を行っているが、SiOの成膜は一例であって、他の膜を形成しても良い。例えば、金属や酸化物を成膜することもできる。また、金属や酸化物を成膜する際に還元材料が必要な場合には、適宜、還元材料を用いるようにすれば良い。
第1、第2実施形態では、チャンバ20内で基板30を加熱する手段としてヒータ23を用いていたが、これは一例であって他の手段を採用しても良い。例えば、ランプを採用でき、該ランプをパルス駆動すれば良い。
第3実施形態では、処理媒体供給部10から供給された処理媒体を熱交換器50で加熱していたが、熱交換器50ではなく、他の加熱手段を用いても良い。
第4実施形態では、不活性流体としてNを用いていたが、これは一例を示すものであって、他の不活性流体を用いても良い。例えば、アルゴン(Ar)を採用することもできる。
本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成図である。 チャンバの構成の一部を示した図である。 (a)はヒータに印加する電圧の時間変化を示した図であり、(b)は基板の表面側および裏面側の温度変化を示した図である。 溝に埋め込み膜が形成されていく様子を示した図である。 (a)は第2実施形態におけるヒータに印加する電圧の時間変化を示した図であり、(b)は基板の表面側および裏面側の温度変化を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る成膜装置の構成図である。 (a)は処理媒体の温度変化を示した図であり、(b)は基板の表面側および裏面側の温度変化を示した図である。 本発明の第4実施形態に係る成膜装置の構成図である。 不活性流体を用いることによる基板の表面側および裏面側の温度変化を示した図である。
符号の説明
10 処理媒体供給部
20 チャンバ
23 ヒータ
24 駆動部
30 基板
31 基板の表面
32 基板の裏面
33 溝
50 熱交換器
60 不活性流体供給部
70 切替部

Claims (6)

  1. 表面(31)および裏面(32)を有する基板(30)において前記基板(30)の表面(31)側に溝(33)が形成されたものに成膜を行うに際し、チャンバ(20)内で超臨界流体に成膜原料が溶解された処理媒体に前記基板(30)の表面(31)側をさらし、前記基板(30)を加熱することで前記基板(30)の表面(31)側の溝(33)内に成膜を行う成膜装置であって、
    前記処理媒体を供給する処理媒体供給手段(10)と、
    前記処理媒体供給手段(10)から供給された前記処理媒体を第1の温度と第1の温度より高い第2の温度とに加熱し、前記第1の温度の処理媒体と前記第2の温度の処理媒体とを前記チャンバ(20)に交互に供給し、前記第1の温度の処理媒体を前記チャンバ(20)に供給する間に前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくし、前記第2の温度の処理媒体を前記チャンバ(20)に供給する間に前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくすることにより前記基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御する加熱手段(50)とを備えていることを特徴とする成膜装置。
  2. 表面(31)および裏面(32)を有する基板(30)において前記基板(30)の表面(31)側に溝(33)が形成されたものに成膜を行うに際し、チャンバ(20)内で超臨界流体に成膜原料が溶解された処理媒体に前記基板(30)の表面(31)側をさらし、前記基板(30)を加熱することで前記基板(30)の表面(31)側の溝(33)内に成膜を行う成膜装置であって、
    前記処理媒体を供給する処理媒体供給手段(10)と、
    前記処理媒体よりも低温であると共に前記成膜に寄与しない不活性流体を供給する不活性流体供給手段(60)と、
    前記不活性流体供給手段(60)から供給された前記不活性流体と前記処理媒体供給手段(10)から供給された前記処理媒体とを前記チャンバ(20)に交互に供給し、前記不活性流体を供給する間に前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくし、前記処理媒体を供給する間に前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくすることにより前記基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御する切替手段(70)とを備えていることを特徴とする成膜装置。
  3. 前記超臨界流体は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 表面(31)および裏面(32)を有する基板(30)において前記基板(30)の表面(31)側に溝(33)が形成されたものに成膜を行うに際し、チャンバ(20)内で超臨界流体に成膜原料が溶解された処理媒体に前記基板(30)の表面(31)側をさらし、前記基板(30)を加熱することで前記基板(30)の表面(31)側の溝(33)内に成膜を行う成膜方法であって、
    処理媒体供給手段(10)から前記処理媒体を加熱手段(50)に供給し、前記加熱手段(50)にて前記処理媒体を第1の温度と第1の温度より高い第2の温度とに加熱し、前記第1の温度の処理媒体と前記第2の温度の処理媒体とを前記チャンバ(20)に交互に供給する工程を含んでおり、
    前記第1の温度に加熱された前記処理媒体を低温媒体とし、前記第2の温度に加熱された前記処理媒体を高温媒体としたとき、
    前記交互に供給する工程では、前記加熱手段(50)から前記チャンバ(20)に前記低温媒体を供給し、前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、前記加熱手段(50)から前記チャンバ(20)に前記高温媒体を供給し、前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくする第2の工程とを繰り返し、前記基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御することにより前記基板(30)の表面(31)側に成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
  5. 表面(31)および裏面(32)を有する基板(30)において前記基板(30)の表面(31)側に溝(33)が形成されたものに成膜を行うに際し、チャンバ(20)内で超臨界流体に成膜原料が溶解された処理媒体に前記基板(30)の表面(31)側をさらし、前記基板(30)を加熱することで前記基板(30)の表面(31)側の溝(33)内に成膜を行う成膜方法であって、
    処理媒体供給手段(10)から前記処理媒体を前記チャンバ(20)に供給することと、不活性流体供給手段(60)から前記処理媒体よりも低温であると共に前記成膜に寄与しない不活性流体を前記チャンバ(20)に供給することと、を切替手段(70)によって交互に切り替える工程を含んでおり、
    前記交互に切り替える工程では、前記切替手段(70)によって、前記不活性流体供給手段(60)から前記チャンバ(20)に前記不活性流体を供給することにより、前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度下降速度を大きくする第1の工程と、前記処理媒体供給手段(10)から前記チャンバ(20)に前記処理媒体を供給することにより、前記基板(30)の裏面(32)側よりも表面(31)側の温度上昇速度を大きくする第2の工程と、を繰り返し、前記基板(30)の表面(31)側と裏面(32)側との間の温度勾配を制御することにより前記基板(30)の表面(31)側に成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
  6. 前記超臨界流体として、二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項4または5に記載の成膜方法。
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